>>255
(´・ω・`) まず、設定は良いです! 設定力はあります

「アトランティス」伝説は紀元前からあり
深海SF小説『海底二万里』は19世紀にあり
海上都市や海底都市は、ひとつの定番的な古典SFネタです

また、ジャンルは少し違うけど、水の都を描いたアニメ『ARIA』があるし
今期のアニメに人魚の話を描いた『バミューダトライアングル』があるし
『艦これ』は軍艦の擬人化だし、海に関連する作品の需要は一定数あります
もし書籍化を目指すなら、読者需要は一番重要になることです


さて、そこで本作を読んでみますと……
海に関する記述が少なくて、肩透かしの印象です!

あらすじを見ても、「エリュシオン」と「アトランティス」が
海上都市と海底都市であることすら分かりません!

プロローグにアトランティスの伝説と夢がありますが
一章に進むと600年戦争の話が出てきます

他にも大家がどうとか、ジジイのヨガがどうとか
「これ要るかなあ……」っていうエピが多くて
海とアトランティスに関する情報が埋もれています

設定自体は必要があるのだとしても
冒頭で出す必要があるかどうかは疑問です
物語に(まだ)関連してこない情報は覚えておけないから

「IV」で「ポラリス」という潜水艦がやっと出てきますが
三話くらいですぐにVAFというロボの話に移ってしまいます
率直に一言でいうと、ストレスが高く、離脱率も高い構成です


もし私が自由に構成するなら、冒頭は海上都市のエリュシオンか
潜水艦のポラリスに、もっと尺を割いて丁寧に描きますかね?
『沈黙の艦隊』『レッドオクトーバー』など潜水艦ものもあるし

「潜水艦は書いてるじゃん」と思うかもしれませんが
スペックだけで映像まで想像できるのはかなりマニアです
映像作品なら一目瞭然であっても、小説なのだから
「潜水艦の室内の広さは、立って手を伸ばして、天井につく(つかない)」とか
直感的に分かるような等身大の描写を入れてください

他にも内装はどうかとか(現実の潜水艦と同じか、もっとSF的なものかとか)
読んでて潜水艦に乗っているような気分になる描写が欲しいです
大多数の読者は、潜水艦に乗ったことがないはずなので、必要なんです
有視界(外が見える)という設定はいいけど、具体的にイメージできない
あと乗っていると潜水艦を外から見れないけど、映像を利用して描写したい

それから主人公一行の目的意識が漠然としてます
たしかに『詩人の紀行録』などの説明はありますが
何かもっと「アトランティスに財宝が眠っている」とか
「アトランティスから逃げてきたヒロイン」がいるとか
分かりやすい動機があると、冒険のワクワク感が出るでしょう

自分で考えた設定はどれも好きだという気持ちも分かりますが
せめて冒頭くらいは、一番重要な設定を中心に書きましょう
本作なら海上都市や潜水艦など、海関連の設定が一番重要になります