>>77

きついこと書き散らかしたのに、こうも丁重に返されてちょっとびっくりです。書くモチベが下がらなくてほっとしました。

設定を書きたくなることについて少し補足しようと思います。なんで作者には面白くて、読者はそうでないのか、です。
理屈を並べるより、見て頂いたほうが早いかもしれません。ちょっと即興でやってみます。作中の現像機の百科事典風です。
(なお、今まで見たフィクションなどのツギハギですんで、オリジナル性も著作権等もないことを言明しておきます。)

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・現像機(プリンター)
元々は転送装置で、転送される物体を原子レベルに分解しつつスキャン・データ化し、物体の構成情報を受信器に送って複製を作る機械だった。
転送装置は以下のような問題を抱えていたことと、超光速航行技術及び空間転移技術の進展により、輸送目的の需要は減少した。(⇒「亜空間と空間歪曲」)

転送装置は超光速航行技術開発以前には盛んに使われた。いったん送ったら、構成情報を頼りに同じものを何個でも出せる利便性もある。
しかし生物を転送するのは、死んで複製が作られることを意味している。そのため、人間に使用してはならないという法規が定められた。
ただし、転送しても本人は死んだような気はしない。また、同じ人間を何人でも出せる。そのため、悪用されることも絶えなかった。(⇒「個人/故人の同一性」)

特に某軍事独裁国家では、民主派の反乱が起きても、外国の干渉があっても、独裁者は転送装置で逃れ、影武者も無数にいて、誰も打倒できないという事件が起こった。
しかも、百年経ってもその独裁者はなぜか健在だった。ようやく転送装置を全て押さえてみると、転送装置に改造が施されていた。
人間を転送する際、生体組織レベルで若い細胞の構成情報を用いての若返りにより、事実上の不老不死を可能にしていたのだ。(⇒「独裁者の不死」)

このことは難病の治療への応用の可能性等を示唆していたが、事件の重大性に鑑み、転送装置の送信部は製造、所持が禁止されることとなった。
しかし、受信装置及び既存の構成情報は規制されず、製造装置として使われ続けることとなった。それが現像機(プリンター)の原形である。
なお、後に規制が一部緩和され、現物を元とせずに理論的に作られた構成情報は用いてもよいことになり、種々に応用されて今に至る。

類似品に「時凍庫」があるが、庫内の時間停止により現物を保存するもので、現像機と原理、目的が異なる点に注意。(⇒「時間凍結閉空間」)
一例を挙げれば、食堂での利用なら、現像機はその場で調理済み食品を作成し、時凍庫は既に調理した食品を保存するわけである。
どちらも暖かい食事を即座に提供できるが、現像機による食品は材料を知ると食欲が失せる人も少なくない。
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この手の与太話は、創作者のみならずSFファンなら、しょっちゅうやっています。言う人は面白がって言うけど、聞く人は「ふーん」程度の反応です。
上記も自分は面白がって書き散らかしましたが、とてもじゃないけど読んで面白がったりできないでしょ。
だから、考えた設定をモロに書くのは、できるだけやめたほうがいいです。数式と設定は読者が逃げます。