正餐室にはすでに朝食の皿が並べられていた。
 窓の向こうには朝霧のけぶる菜園が広がり、ガラスを伝うスイカズラの花が彩りを添えている。
 私は静かにマホガニーの椅子をひいた。
 太陽の寵愛をうけ摘まれたばかりのハーブと野菜、産みたての卵、血入りソーセージ、新鮮な水。どれも栄養バランスを重視した健康メニュー。
 まずは力強く盛り上がった卵の黄身にフォークを刺す。あふれだした濃厚な黄色を舌に絡ませる。ハーブ入りの水を喉に流すと躍動の気配に胃が震えた。