>>230

安定した地力を感じました。
複数のストーリーを展開しつつ、2、3度どんでん返しをすることで飽きさせない作りになっていると思います。

・アイデア
アイデア自体は面白いと思います。

が、ぱんつが魔法の媒体になる設定、クレールが豹変する設定等いまいちストーリーと設定が噛み合っておらず、
パーツパーツは良いものの、相乗効果を得られずに終わっているのがもったいないと感じました。

せっかくのノーパン競技なら羞恥を絡ませるとより際立つかと思いますが、
そうすると今度はそこまで羞恥を抱えてレースをやる理由が必要になり本筋が描写しきれなくなりそう…と、
アイデアが互いに足を引っ張っている印象です。

ただ、レースの設定はマリオカートをイメージした楽しげなモノであるのは伝わってきました。

・キャラクター
レンキアが終始ブレない強さを発揮するのは清々しいです。
クラスメイトに口調を変えることなく押し通す度胸とふてぶてしさは、頼り甲斐のある主人公を演出出来ています。
しかし、あまりにも真正面から突破する力がありすぎて、
共感性の低さが出てしまっているかな、と感じました。

リトワやクレールもそうですが、精神的に大人すぎるキャラが身内に多いかな、と。

・ストーリー
するすると読め、かつ驚きポイントもきちんと用意されていて、冒頭に書いた通り飽きさせない作りが意識されてると感じました。
しかし通して読んだ場合、「これはどういった物語なのか?」という疑問が湧きました。

はちゃめちゃで楽しいレースを見せたいのか、
合体ハプニングのちょっぴりHなラブコメを見せたいのか、
陰謀や妨害に屈さない主人公の活劇を見せたいのか。
どれも一定以上書けているからこそ、
これがこの作品の売りだ、と呼べるものが伝わってきませんでした。

なかなか表現が難しいんですが、どれも同格に扱い過ぎている、というイメージでしょうか。
ラブコメをしたいなら、レース中でもサービス的なハプニングを用意して欲しい。
主人公を魅せたいなら、主人公が負けてしまうような格上の敵を用意して欲しい。
スポ根をやりたいなら、クレールとロロの立ち位置が逆の方が映える。

ストーリーが明瞭であるというのは、設定や主人公の目的がわかりやすいだけで無く、
読み手が「この作品はここを楽しむ物語だな」と期待を寄せる部分を明確にするのも含まれるのではないか、と少し思います。