>>35
読んでみた。なんというか、ギャグなのか、真剣に中二病やっているシリアスなのか、はたまたエロスなのか。
作品の核がどこにあるのか捉えづらくて、どういうスタンスで向き合えばいいのか迷いながら読み終えたってことをとにかく伝えたい作品だった

【評価基準】
・文章は読めるか、
読める。多少誤字があったりと推敲の甘さみたいのはあったが、意味が通らないってことはない
ただ、どごーん、ドゴォぉぉ、といった擬音が幼稚に感じた。使用頻度も多い。ついでに、――も多い。
また、所々で情景や心象など「描写」を放棄しているように見えた。
例えば、戦っている場面での技名のシャウト。マンガやゲームならそれでいいと思うけど。
あと、↓こことか
> よく見ればエリーだが、信じられないほどの高貴さをまとっていた。
信じられないほどの高貴さ、で済ませている。「信じられないほどの」って書けば、読者みんなが信じられないほどの高貴さを感じてくれるはず、って思っちゃってない?
これ以上引用はしないけど、所々で、キャラを魅力的に見せたいがために、たいした描写はないけれども抽象的な装飾で「すごいんだ」って書いてあるように思えた

評価シート1なのは確かに厳しい気もするけど、コメント読む限り、「小説的な」地の文を書いてくれ、って意味合いにもとれる。評価者は、単に文章が書ければいいとは思ってないってことなんじゃないかな

・キャラに魅力はあるか、
正直、あまり。誰が何を考えているか分からないっていうか、共感できる部分がほとんどなかった
まず主人公。復讐!復讐!って行動原理なのはいいけど、動機がいま一つピンとこない。奴隷にさせられた恨み?
でも、その割には普通に生活できてるじゃん・・・みたいな。死神と呼ばれていた設定も、死に設定なんじゃない?
んでヒロインのエリー。庶民派なお姫様なのはいいけど、印象に残っているのは胸とか白い足とかエロス方面ばかり
上で描写がないって書いたのが、ここにも関係していて、彼女(に限らずだけど)の心の機微を動作に反映させた描写が全然なかった。だからキャラの内面が見えてこない。結果、どのキャラも記号的で魅力がなかった
敵がちょろすぎるのも問題。ペトラギースとデボラのことね。立ちはだかるのは一瞬で、すぐに脅威でなくなる
緊張感がないから物語に山谷の起伏が生じない。シリュースも、背負った内容考えるともっと魅力的に映っても
よさそうな気がするけど、儀式を不完全なものにさせたとか、チラホラと頭の悪さが垣間見えてしまってなんとも残念。
ラスボスが頭悪いとやっぱりがっかりしちゃう。こういうのもギャグ寄りならいいんだ、うん。

・設定や世界観はわかるか、
まず奴隷の設定がぴんとこなかった。繋がれてはいるものの食事とか普通に好待遇だから
あとは天恵眼《グレースアイ》とかいきなり出てきて、なんのことだ?と戸惑ったかな。
全体的には、置いてけぼりを食うほどではないけど、ん?と小さな引っかかりは何箇所かあった
ただ大枠で、どういう話でどういう世界観かは捉えられたとは思う。細かな配慮は必要そうだけど、ちゃんと伝わる内容だったとは思うよ

・構成やストーリーは基礎を抑えているか、
基礎って起承転結とか伏線とかのことでいいのかな?
メイン二人の出会い→ドラゴン族→息抜き回(デートで親密度Up)→ラスボスとの対峙&敗北→からの〜最終決戦で勝利。
おおよその流れはこんな感じだよね。いいんじゃないかな。
ただ「出来事」はしっかりしているけど、「心情」の変化をもう少し精密に計算した方が良かったのかなとは思う
割と最初の方であった↓これ
> ――ああ、見た目は貴族でも、中身はエリーだ。
中身は〜って言えるほど時間共有してないだろ、って思ったし初対面の子供ドラゴンをエリーがあんなにかばうのも(それらしくは書いていたけど)唐突だったし、最後の最後でプロポーズ同然の愛の言葉も、盛り上がっているのは当人だけ状態だった

・斬新なアイデアはあるか、
斬新・・・斬新・・・斬新・・・?斬新かどうかは別にして義眼を変えて能力変化って設定。あれはダメだと思った。なんでもありになっている

・単純に読んで面白いか。
面白くはない。理由は上述の通りだけど、キャラがイマイチ。物語に緊張感がなく山谷の起伏がない。
更にエピローグのデボラの弟の件で「これでもか」と読後感をダメ押しで悪くさせてくるのもどうかと思う

とりあえず以上。ギャグとシリアスとのバランス意識してもらえると、もう少し安心して読める作品だったかな
執筆お疲れ様。がんばってください