>>35
拝読しました。
文章は会話が誰が発言したのかはきちんとわかるようにしてあり、キャラ付けもしてある。
なにをしているのかも、どこに向かうのかも常に明確にしてある。
構成も、冒頭にアサシンが襲われるところで盛り上がりつつ、
二人のバックボーンを明かしていく、といった、基本は抑えてある。
キャラもお気楽巨乳や最強奴隷、ドラゴン幼女と定番属性は揃えてある。
これの一体どこが悪いんだ?
面白くなくて二次で落ちるならわかるが、一次落ちは不当だろう?
ご自身でもそう思ったからこその『ありえない』という感想、非常によくわかります。
では、なぜ一次落ちしたのか、を焦点にあてた感想を。

・まず一番不服だと思われる文章力1の評価について(文章は読めるか)
文章について一言でいうと『味気ない』に集約すると思います。
描写の書き方は問題ないように見えますが、問題は文章の書き方等ではありません。
なぜ駄目なのか。それは具体的な描写が足りていないからだと思います。
エリーは最初粗末な服を着ているようですが、どんな服なのかの描写が足りていません。
色は? 素材は? 袖の有無や『粗末』と断ずる所以の描写は?
これも「そこまで細かいこと書いてあるラノベそんなないじゃん」と感じると思います。
ただ、全体を通して具体的な描写が少ないのが問題になっています。
それは人物だけに限りません。
例えばアイゼンヴァルトは辺境都市だそうですが、具体的にどのような都市ですか?
農業が中心ですか? 商業が中心ですか? 
森と山に囲まれる立地の不便さに関わらず大きな街として発展しているそうですが、
それは辺境都市=他国との重要な関所として機能しているからですか?
リヒトが冒頭でお茶とトーストを食べていますが、
ファンタジー世界で「お茶」と「トースト」は違和感を感じます。
人にもよると思いますが、より一般的なのはお茶よりも紅茶やミルク、ジュースでしょう。
読み手が日本人ならばお茶という単語は緑茶や麦茶を連想します。
それとも、アイゼンヴァルトはお茶が特産品だったりするのですか?

普通はここまで突っ込みません。突っ込む奴はただの揚げ足取りが好きな無粋者です。
なので全部描く必要はないのですし、いちいち事細かに書いている作品も少ないです。
ただ、だからいって全部省略して良い理由にはなりません。
街の風景や歴史、人物の風貌や癖、信念。
そういったものが文章から匂ってこないための文章力1の評価です。
評価シートの評価者の詳しい思惑は分かりませんが「心内語が多すぎる」とは、
リヒトが見て思ったまんまのこと、つまり、
「向かった」「思った」「言った」「した」
などで終わる描写が多すぎるという指摘だと思われます。
また、「語りに緊張感を持たせるためには、あえて長めの描写を挟むことも効果的です」という部分は、
リヒトのヒドラに対する復讐心の描写が短すぎることなどを指していると思われます。
序盤にあるリヒトの回想で父親が捕まってからの描写が顕著ですね。淡々としすぎています。
このシーンの文量自体そう多くもないので、もう少しリヒトの内情に寄った描写をしても良いと思います。
思ったこと、見たこと、やった(やられた)ことの事実を描くだけでなく、
父が捕まり、母がいなくなったという現実を見せつけられた際のリヒトの内情やその表れ、
(焦燥感、冷や汗、動悸、血がでるまで拳を握る、慟哭をあげる、色々あると思います)
ヒドラに狙われた、と告げられた時の内情、(くやしさ、無力さ、復讐心、など)
その感情を主体とした心理描写を長々と言わずとも詳細に書くことで、
リヒトの深い復讐心、過去に起こった悲劇をより読者に訴えることが可能です。
このシーンで言うならば、
意識が消えるまで悔しさで睨んで奥歯を噛みしめるだけの一行では足りてない、ということです。
まあ、それでも文章力1はやや厳しすぎる評価だとは感じます。
「これ日本語?」みたいな文章は一次落ち晒し作品の中にも結構ありますからね。
ただ、1と評価されることもある程度には色々と足りていない部分があることは事実です。

続きます。