>>576
世界観が詳細に描かれてないとかいくつかの理由で、作者が思い描いてる壮大さが読者に伝わってないんじゃないかと思う

冒頭で「エルフ?吸血鬼?」って台詞から始まるのは上手いと思う(口調含め)
意図や状況に興味が湧く良い始め方だった

ただ、毎度のように俺は獣人だ、ってやるけど獣人がエルフ吸血鬼ドラゴニュートより強いってイメージはないし、何より大抵の獣人は犬猫狼とか種類まであるし、「獣人」って大雑把なくくりに違和感があった

エルフ吸血鬼ドラゴにしても細かい氏族や具体的な生態、文化があると思うし……何度も大雑把な種族名だけで扱うから「あんま詳細に作ってないんだろうな」と世界観に興味が薄れる

そして吸血鬼、エルフ、と大雑把な紹介でなんとなく進みつつ、数百年スケールの歴史的種族対立があるはずなのに、抗争は街規模と範囲が狭い
なんか西部劇のギャングぐらいに感じる、ついでに動機もよくよく考えるとしょぼい

獣王とか何とか色々と壮大な設定を出してるけどやってることはそうでもない、っていうのがスケールが小さく感じる理由じゃないかな
設定に実感が伴わないというか

細かい出来事のテンポはだいぶ良い、けど全体の大きな目的が明示されてないので「迷子を探しに来たら地元のチンピラ同士の喧嘩に巻き込まれた」みたいな感じになってる(関係ないのに巻き込まれた、感があるのも重要)

細かいテンポは良いし、地元のチンピラ同士の喧嘩の話に興味があればそれなりに読めるかもしれない
ただそれ以上ではないよね、って感想だな

世界観設定と活かし方、主人公の動機と心情描写……辺りが向上すると、もっと多くの人にとって面白く感じる話になるんじゃないかな