0169この名無しがすごい!
2020/05/07(木) 13:08:43.40ID:vwIYozzj使用するお題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』
【私のニーソに憑依する悪魔】(1/3)
※スレ6 417【登校中の悲劇】の続編かつ完結編です
ある日の正午、一人の女子高生が暗い気持ちで家路に着いていた。彼女の名は稲村エリナ。
今朝、エリナは寝坊して学校へと必死に走る中、水たまりに足を突っ込んでしまったり、野良犬にニーソを噛みつかれたりと色々と散々な目に遭ったのだ。
特に野良犬に噛みつかれて引っ張られた左足のニーソは、縫い目から思いきり破けてしまっていて酷い状態だ。
家に帰ると破けてしまった左足の方のニーソを母に渡すと、今朝のアクシデントを母に全て話す。
母は苦笑いしながら、破けてしまった縫い目を綺麗に丁寧に縫って補修してくれた。
しかし、そのニーソは部屋着のみとして使用することになり、登校かつ外出用に別の新しいニーソを買ってくれたのだが、エリナの気持ちは晴れなかった。
寝坊したのはもちろん自分の責任で、あんなアクシデントに見舞われてしまった運の悪さを恨むしか他にない。
しかし、登校だけでなく外出でも愛用していた、とてもお気に入り黒ニーソだったため、エリナはとても落胆していた。
それ以降、新しいニーソを履いていくことになったわけだが、缶ジュースを持って走っていた男の子が目の前で転んでしまったために、
ジュースがニーソにかかってビショビショになったりと、ニーソに関して何かとアクシデントに見舞われることが多くなった。
「私のニーソ、なんか呪われてるのかしら?」
そう考えると、エリナはだんだん怖くなってきた。
・・・・・・・・・・・・・
「あ、あれ?何で私、ベッドでなくて床で寝ているの?」
ふと目を覚ますと、エリナは自分が床の上にいることに気付く。寝ている間にベッドから転げ落ちてしまったのだろうか。
違和感はそれだけに留まらなかった。やけに周囲の物が非常に高く、大きく見えるのだ。体が縮んでしまったのか。それに体を上手く動かすことができない。
近くに鏡が置いてあったので、それで自分の姿を見た途端、彼女は絶句した。
なんといつの間にかニーソに変わっていたのだ。
「な、何よこれ。私、ニーソになっちゃったの!?」
すると部屋のドアが開き、誰かが中に入ってきた。母だった。
「お母さん、私よ!何故か分からないけどニーソになっちゃったの!助けて!」
しかし母にエリナの声は全然伝わらない。母は彼女を掴んで拾い上げる。
「このニーソ、もう捨てなくちゃね」
「す、捨てる!?や、やめて!!」
母は手に持っていたゴミ袋にそのままエリナをポイっと入れる。そのまま袋をキュッ!と強く締めると、他のゴミと共に捨ててしまう。
「だ、誰かここから出して!助けて!」
・・・・・・・・・・・・・
「ウワアアアッッ!!!」
大きな叫び声と共にエリナは目を覚ます。どうやらさっきのは全部夢だったようだ。
夢であったことに安堵するものの、同時に心臓がバクバクしていた。
「悪夢だったわ、本当に・・・」
すると突然、窓の方から青く眩い光がガラスをすり抜けて部屋の中に入ってきた。