0275この名無しがすごい!垢版 | 大砲2020/05/31(日) 03:15:10.20ID:P5MKlGtT 『誕生日』 真っ暗な闇だけがそこにあって、けれどそれが終わりでないことは知っていた。 外の音が、遠く聞こえた。私は身じろぐ。壁は厚く柔らかい。 温もりは手放し難く、けれど永遠ではない。 そして、わたしの朝が訪れる。わたしの夜明けが。わたしの――。 わたしは。今、世界に在ろうとしている。 「オギャア! オギャア!」 「まぁ! 元気な赤ちゃんですね。お母さん、抱いてあげてください!」