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安価・お題で短編小説を書こう!8
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
0001この名無しがすごい!
垢版 |
2020/03/29(日) 23:04:08.60ID:n1b/6BE9
安価お題で短編を書くスレです。

■お題について
現在、毎週日曜日の午後22時に前回のお題を締め切り、新しいお題を安価で決める方式を取っています。現時点での募集お題はスレ主によるレスを確認してください。

■投稿方法
使用お題と【】でタイトルを明記してください。決めていなければ【無題】でも可。
作品は3レス+予備1レス以内で。レスが2つ以上に別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
※R18は板ルールで禁止です。

■「小説家になろう」等への投稿について
同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
その際、権利者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【当スレへ投稿する前に】投稿してください。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
安価・お題で短編小説を書こう!3
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1522770910/
安価・お題で短編小説を書こう!4
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/
安価・お題で短編小説を書こう!5
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1541947897/
安価・お題で短編小説を書こう!6
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1557234006/
安価・お題で短編小説を書こう!7
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1572191206/
0857この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/07(月) 20:58:21.15ID:23y1y11q
>>839
最近流行りの聖女追放ものですねw
テンプレでは王子との婚約もセットですが、どの道婚約破棄までが王道ですしおすし

>>838
感想有難うございます
話的には30年位前に見た実話系バラエティーが元になっていますw
0858三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/07(月) 23:51:40.69ID:fEtBkHm+
>>856
作者が説明しちゃいますが、一つはそれですねw、アナグラム
もう一つは、作中で効果が説明されないコマンド
内一つは作中でも使われてますが、つまりこの世界、独占水メジャーに支配されたディストピアです

>>857
そういう元ネタがw
感想もありがとうございます
タイトルの割に、最近のテンプレからは少し外れてしまっていますw
0865この名無しがすごい!
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2020/09/10(木) 07:20:42.96ID:ROSBL9WU
手を動かせ!手を!
ざわことなんざ求めてないんだよ、作品を書くんだよ!
そこの画面前のお前もよぉ!
0866この名無しがすごい!
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2020/09/10(木) 18:20:24.02ID:a30x2t6+
>>850
使用するお題→最後の一文『もう何も見えない』+『斧』『錬金術師』『周年』

【殺人鬼は今、あなたのすぐ近くにいる・・・】(1/2)

今年もシチリアに楽しいハロウィンの季節が訪れた。

「クッキー焼けたよー!」
「待ーってましたー!」

ライアン特製のこんがり美味しく焼けたチョコチップクッキーの良い匂いに誘われ、颯爽と現れたのは
お馴染みのガンマン…ではなく黒猫の衣装に身を包んだレイチェルだった。

「おっ!早速食いしん坊の黒猫ガールが現れたぞ!」
「食いしん坊は余計よ。それより味見、味見!」

レイチェルはクッキーを一枚掴んで口に入れる。

「うーん最高ッ!!」
「せっかちだなあ。クッキーは逃げやしないよ」
「獲物は必ず仕留める!これが黒猫の鉄則!」
「アハハ(もう、レイチェルは本当に可愛いんだから)」

今年もパーティーは盛大で楽しいものとなり、無事に幕を閉じた。
家に着くとライアンとレイチェルはリビングのソファーに座り、温かいココアを飲みながら、のんびりとテレビを見ていた。

「何か面白い番組はないかな?」

チャンネルを変えていると、あるドラマに目が留まった。一人の女性がある者に追いかけられ、必死に逃げている。
女性の後ろから追いかけてくるのは片目を失い、頭から血をダラダラと流す、斧を持った背の高い痩せ細った男だった。

「お前の目をよこせー!」
「こ、怖い!ラ、ライアン、違う番組にしようよ」
「う、うん分かった」

すると突然雷がゴロゴロと鳴り出した。ザーザーと雨が激しく降り始めると同時に停電が起き、家の中が真っ暗になった。

「どこかの電線に雷が落ちてしまったに違いない」
「そ、そんなぁ!」

突然、外から奇妙な音が聞こえてきた。それは大きく、まるで斧で木を斬るような音だった。

「な、何!?」
「レイチェル、ここにいて。少し見てくるよ」
「待って、私も行く!一人にしないでー!」

豪雨の中、ライアンとレイチェルは外に出て確認する。暗くて見えないが、音は確実に聞こえてくる。
すると突然、黄色く光る目が現れ、2人はビックリして尻餅をつく。

「俺の姿を見たな・・・」
0867この名無しがすごい!
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2020/09/10(木) 18:21:38.22ID:a30x2t6+
【殺人鬼は今、あなたのすぐ近くにいる・・・】(2/2)

ライアンとレイチェルにゆっくりと歩み寄ってきたのは、大きな斧を手に持った、顔が血で赤く染まった細身の男だった。
まさにさっき見ていたドラマに出てきた殺人鬼と似た姿をしていた。

「おやおや可愛い黒猫姿のお嬢ちゃんも一緒か。ちょうどいい、この斧で誰かを思いきり殺してみたかったところだったんだ」

男が勢いよく斧を振りかぶり、ライアンに斬りかかろうと迫ってきたが、レイチェルが俊敏な動きで斧を片手で掴んで止める。

「な、何だ?このデカい斧を片手だけで止めるなんて。しかも動かない!」
「私の愛する人によくも斬り殺そうとしたわね。もう許さない」

レイチェルは男から斧を奪って投げ捨てると、まず腹に向かって猫パンチを喰らわせる。
怯んで動けなくなった瞬間を狙い、勢いよく空中にジャンプし、トドメとして男の脳天に踵落としをお見舞いする。
男はそのまま気絶して倒れ、そのまま駆けつけた警察により逮捕、連行されていった。
その男の持っていた斧は盗んだ物で、設立70周年の歴史博物館に飾られていた、偉大な錬金術師によって作られた斧だった。

「レイチェルさんにライアンさん、逮捕にご協力ありがとうございます。あの男は半年ほど前に刑務所から脱走した凶悪犯なんです」

犯人逮捕、事情聴取も全て終わり、事件が解決した時には既に雨は止み、眩しい太陽が顔を出していた。

「レイチェル、本当にありがとう。君は最強の黒猫だよ」
「ありがとうライアン(本当はガンマンと言ってほしい、でもすっごく嬉しい)」

家の中に戻った時、停電が復旧、消えてしまっていたテレビの電源がつく。
その画面に映ったのは昨夜見ていたドラマの続きで、女性が殺人鬼に捕まり目を潰されてしまって終わったところだった。
そして画面に赤い血でTHE ENDと共にこう書かれていた。

もう何も見えない
0868三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/10(木) 23:59:50.19ID:VueQWBZT
>>866
シンディかブラコンの督促を考えてましたが・・・ハロウィンの部分だけシリーズ化してるw
ハロウィン自体は無事終わったのに、なんか再びの恐怖体験、、そして強過ぎる黒猫w
結びは恐怖とユーモア、余韻のある使い方ですね
0870この名無しがすごい!
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2020/09/11(金) 08:54:52.08ID:wZjk2r5j
>>868
>>869
感想ありがとうございます!
今回は無印の深夜の赤信号回を意識して書いたお話です
ハロウィンで黒猫になって大活躍!は書くのが楽しくていつの間にかシリーズ化してますねw
それからシンディシリーズはまた近々続きを書き始めて、残り数話で完結予定ですので乞うご期待!
ブラコンシリーズはまだまだのんびりと続けていきます
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0871この名無しがすごい!
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2020/09/11(金) 18:30:43.40ID:3Wg32NcF
>>868
>>869
感想ありがとうございません
今回は無印の深夜の赤信号回を意識して書いた訳ではございません
ハロウィーンで白猫になって休養!は書くのが楽しくなくていつの間にかシリーズ化をやめてますね
それからシンディシリーズはまた近々続きを書き始めて、永久に続ける予定ですので期待しないでください、期待は毒になります
ブラコンシリーズはさっさと終わらせていきます
楽しんでいただくのは悲しいです!
0872この名無しがすごい!
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2020/09/12(土) 01:24:26.61ID:VWXEReMe
>>870
>>871
面白くない
レスするならもっと面白い文章にしてくれよな
それと荒らしみたいなことはすんなよ
0873この名無しがすごい!
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2020/09/13(日) 19:56:52.73ID:6H12DAlP
>>850
スレ6→62の続編です

使用お題→最後の一文『もう何も見えない』+『斧』『錬金術師』『周年』『ソロキャンプ』

【魔法も、物理も】(1/2)

 帝国図書館は過疎っていた。ふっ、これだから素人どもは。
 俺はアルケミスト。孤高のハイブリッド職だ。
 バランス調整? 弱体化? そんなもの俺には関係ない。
 魔法が強いなら魔法で戦う。今みたいに物理が強い環境になったら、物理で殴る。
 それだけだ。
 館内を一人で移動する。孤独を愛する俺だが、サービス開始から遊んでいると、よく見掛けるプレイヤー、とか、気になるやつ、というものはいる。
 例えば、エリアの一番奥に、その職業のやつしか寄り付かない一角がある。館内の環境は均一であるはずなのに、そこだけ遠目に空気が重い。
 根暗オーラだ……!
 何かの間違いで連中が強い時期もあったが、秒速でナーフされた。ざまぁ見やがれ。
 それからずっと、やつらは弱い。不動の不人気職ナンバーワン!
 なんの話かって?
 ネクラ……もとい、ネクロマンサーだ。今では絶滅危惧種だ。
 その中の一匹が、今日も書架の向こうに見える。
 ああやって地道にデバフアイテムを集め、フィールドやダンジョンでは死体を集めるのだ。
 インベントリの中は死体で一杯。まさに根暗!
 ご苦労なことだ。

 ま、散々言ったが、アルケミストも似たようなものだ。
 俺たちアルケミストは、ポーションが命。
 インベントリの中は素材アイテムと完成品のポーションで散らかっている。
 いや、今のは謙遜して言った。散らかってはいない。使うものは整理している。使わないものは、倉庫に保管している。
 これがなかなか面倒――――

 まぁそんなことはどうでもいい。
 ただ、ネクロマンサーは大変だな、という話だ。
 それから、さっき図書館の中に入ってきて、俺と同じように根暗の方を見てから、歩いていった女。
 初期ペットを連れている。
 見た感じスペルユーザーではない。まぁ人を見た目で判断することはできないが、あれは違うと俺の勘が告げている。
 初心者でもない。そんなやつが図書館になんの用事かと思って、行動を観察したことがある。
 女は毎回、猫ペット用のジョークアイテムが支給されるクエストを受けていた。
 くっだらねー。
 大体、初期ペットは弱いのだが。もっと強くて見た目もいい課金ペットだっているのだが。
 エンジョイ勢の考えることは分からん。

 とは言え、アルケミストも趣味性の強いクラスだ。
 特に俺みたいなソロ専用ビルドは大変だ。自己バフ、自己バフ、自己バフ、殴る!
 武器と心が折れそうだ。
 いや、武器は耐久度を上げているから折れることはない。だがポーションを作る金と手間が馬鹿にならないのだ。
 この上ホムンクルスなど作ろうものなら――――

 まぁそんなことはどうでもいい。
 ただ、遊びの中ですら、趣味に生きるのは大変だな、という話だ。
0874この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 19:57:29.28ID:6H12DAlP
【魔法も、物理も】(2/2)

 また別の日。三周年イベントが近い。俺は今日も図書館で人間観察……もとい、クエストを受注するついでの情報収集だ。
 今日も根暗はエリアの奥にいた。だが様子がおかしい。

――すごいですね!
――かわいい!
――ありがとうございます!

 なぜか女に囲まれている。内一人は、例の初期ペット女だ。
 盛り上がっている。
 なんだありゃ。

 よくよく見れば、根暗は居心地が悪そうだ。ざまぁ見やがれ。
 しかしながら、ぼっち仲間がモテている(ように見える)のは腹立たしいものだ。
 どうしてくれようか。

 そうだ。ソロキャンプ、行こう。

 *

「くそぅ……。もう火ポーションがないぜ……」
 ダンジョンの奥で、俺はネズミどもに囲まれていた。
 思い付きの勢いで来てしまったが、俺は今、準備不足を猛烈に痛感していた。
 この岩穴の中で有効な属性ポーションは、たった今、最後の一つを使ってしまった。
 後は回復ポーションで粘るしかない。吸血ポーションは、どこにあるか分からない。
「おらぁ! 消し炭にしてくれる!」
 炎をまとわせた斧を振るう。それでネズミどもは俺の経験値に変わるが、いかんせん数が多過ぎる。
 あっ、今デバフ受けた。
 ポイズンだ、ポイズン。ポイズンラットだからな。
 またやられた。ステダウンだ。プレイグラットだからな。

――先輩、あの人大丈夫でしょうか?
――なんかヤバそう……ネズミキモい!

 何か聞こえたような気もするが、今はそれどころではない。
 体が重い……。こんなデバフまみれで戦うのは初めてだ。

――あれっ、あの人……トラタロー!

 くっそ、まただ。今度はブラインドかよ。もう何も見えない……!
0876この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 22:01:08.68ID:ywWJwQIN
>>850
お題:最後の一文『もう何も見えない』+『斧』『錬金術師』『周年』『ソロキャンプ』

【フォッグマン】(1/3)
 焚火の火をぼんやりと眺める男の目の下にははっきりと分かる隈ができていた。
 既に四日近く不眠でソロキャンプをしている男の傍らには一振りの斧が。

「今日で最後だ。これで終わらせる……」

 ポツリと男が口にする。と、同時にキャンプをしている森の暗闇から、こんな山奥には似つかわしくないコートを着た怪人物がぬっと現れる。

「フォッグマン……」

 その人物を知っているのか、男は何処か憎々し気に怪人物を睨んだ。

 ******

 既視感……と言うのは誰にでもあるだろう。
 川岸 恭吾の場合は、それは常に“夢”という形で現れた。
 何かを行った、ふとした瞬間(あぁこれ、この間、夢で見たな)と思うのだ。

 恭吾が自分が殺される夢を見始めたのは半年ほど前の事だった。当初こそ、ただの夢だと思っていた恭吾だったが、自分が既視感を夢と言う形で見る事が有ること。そしてあまりにもくり返しにその夢を見る事で、ソレが所謂『予知夢』の類ではないかと考え始めた。

 そこで彼は、先ず、必ず自分を殺す相手の事を調べようと思い、夢の中でソイツを観察するところから始めたのである。

 夢の中のソイツは、必ずトレンチコートを纏いつば広のフェルト帽をかぶっていた。だが、その顔は輪郭の分からない曖昧な霧の様の物で、その中心に真っ赤な光が灯っただけの様な姿をしていたのだ。

 夢故の曖昧さかとも思った恭吾だったが、しかしコレはただの夢ではなく予知夢である。ならば、そう言った超常的な物なのではないかと思い直した恭吾は、トレンチコートや、フェルト帽、霧の様な身体、赤い瞳と言ったキーワードで、その正体を探って行った。

 そしてそれ等で見つけたモノが『フォッグマン』と言う存在だった。
0877この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 22:02:14.31ID:ywWJwQIN
【フォッグマン】(2/3)


 第二次世界大戦中の人体実験で生み出されたとも、黒魔術の錬金術で作り出されたホムンクルスだとも言われる、その存在は、都市伝説系の僅かなサイトで語られていたものだったのである。

 ただし記事は、恭吾の顔を真っ青にさせるに十分な物だった。
 K県K市にある軍事施設跡、そこに“彼”は閉じ込められていると言う記事だったのだが、しかし、その土地は、恭吾の記憶にもハッキリと残っている物だったのだから。

 彼の勤めている会社の何周年だかの記念行事として、保養施設を作る事に成った。
 恭吾はその責任者に抜擢され、会社の購入した建設予定地の視察を行った際の事だった。
 丁度、その予定地の土壌検査の為掘削をしていた時、その工事を請け負っていた工事関係者が、奇妙な洞窟を発見したのである。
 どう見ても人の手が入った様に見えるその洞窟は、もし、何かの遺跡だったとすれば、国に報告しなければならない。
 そうなれば、この工事もストップしてしまうだろう。特にこの工事は会社の記念行事として行われている物である。それを中止する事は彼の責任問題ににもなってしまうだろう。
 だが、それでも、確認し報告をしなければ、会社としての責任問題に発展する。
 その為、彼は自らその洞窟に乗り込む事に決めたのだった。

 ******

 洞窟の中は、成程、人の手が入っていたと思しき不自然に整った形状をしており、土と黴の香りが充満していた。ライトの明かりを頼りに奥へと進んで行くと、明らかに人の手で作られた扉が出現した。
 この時点で、恭吾は遺跡と言う訳では無い事に安堵したのだったが、しかし、ならば、ここは何の施設だったのか?
 そんな疑問が彼頭を過った。
 その為、その扉を開け、確認をしのだったが……

 そこは、まるで学校の理科の実験室の様な場所であり、幾つかのビーカーやらフラスコ、そして走り書きの残った髪の切れ端が散乱するだけの場所だった。
 山中の、それもこんな地下に隠して作られたかの様な場所にしては、あまりに普通過ぎる部屋の内部に違和感を感じた恭吾だったが、しかし、それでもそこはただの廃墟であり、遺跡やら重要施設と言う訳でも無い場所の様だった事も有って、彼は、そのまま工事を進める事を決めたのであった。

 だが、もしそこが都市伝説に語られる様な場所であったならば……

 ******

 恭吾には断定はできなかったが、しかし否定する事も出来なかった。その為、夢の怪人物をフォッグマンと仮定して動く事に決めた。
 すると、その日から彼の予知夢は少しづつ変化をしていったのだ。
 それは、彼がアクションを起こそうとする度に、その結末に至る過程が変わって行ったのである。それでも、彼が殺されると言う結末には変わりがなかったのだが。

 ******

 そして今、彼目の前には件のフォッグマンが立って居た。周囲に人が居れば巻き込まれる者が増える為、たった一人でキャンプをし、最も長く生きながらえる事ができた獲物である手斧を用意した。
 あの後も何とか調べたフォッグマンの情報から、戦略を立て、こうして待っていたのだ。
 予知夢は、この日に至るまでに回数が増え、今では目を閉じただけでも、自分の死を見るに至って居た為、録に瞬きすら出来なくなっていた。

「来いよ、化け物……」

 その言葉が皮切りになったのか、フォッグマンは、下半身をそこに置いたまま、上半身だけで恭吾に襲い掛かって来た。
 恭吾が手斧を叩き付け、フォッグマンが焚火に突き刺さる。だが、すぐに身を翻したフォッグマンは、その手を恭吾に伸ばした。

「霧の化け物なんだから、火が弱点になっとけよ!!」

 火の中に頭から突っ込んだにも拘らず、何の痛痒も感じていない様なフォッグマンに恭吾が悪態を吐いた。
 対峙したのは初めてである。だが、恭吾は何十回も夢の中で殺され続けて来たのだ。今さらこれ位で怯む事は無かった。
 何度も攻撃を避け、手斧を叩き付け、転がり逃げる。
 今までの中では、一番長く生き延びているだろう。しかし、じり貧でもあった。相手は化け物で恭吾は人間である。
 このまま攻防を続けても、先に体力切れになるのは恭吾だろう。
 その証拠に、未だに瞼を閉じた瞬間に自分の“死”が見えるのだ。
0878この名無しがすごい!
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2020/09/13(日) 22:03:07.64ID:ywWJwQIN
【フォッグマン】(3/3)


(何か、何か手はないのか?)

 焦る思考で周囲を見回す。そして、恭吾はそれに気が付いた。

(何で、下半身はあそこから動かないんだ?)

 最初に現れた場所から、不自然に動かないフォッグマンの下半身。
 それにどんな意味があるのか分からない。だがもう、恭吾にはそれに賭けるしかなかった。
 うち払い、距離を置く。そうすると、フォッグマンが高確率で体ごと突っ込んで着る事を恭吾は読んでいた。
 そして、恭吾は狙い通りの行動をしてきたフォッグマンを手斧の側面で、思いっきり叩き飛ばす。
 その一瞬の隙に、恭吾はフォッグマンの下半身に斧を叩きつけた。

 ガッキン!

 硬質な手ごたえに手がしびれる。

(くそ!! しくじったのか!?)

 ゆっくりと倒れる、無傷の下半身を見ながら、恭吾はそう思った。

 だが……

「GiYaoooooohouaaaaaaaa!!!!」

 フォッグマンが叫び、ゆっくりと上昇して行く。
 見れば、彼の上半身と下半身の間に繋がっていた“霧”が途切れていた。
 必死で手を伸ばそうとするフォッグマン。だが、無情にも彼の上半身は、そのまま上空へと昇って行ってしまった。

「助かった……のか?」

 恭吾が呟く。足の力が抜け、そこにへたり込んだ。
 あまりの疲労感に自然と瞼が重くなる。だが、恭吾はそのまま目を知事る事にした。
 彼は確信したからだ。

 それまで何度も自分の死を映して来た瞼の裏には、きっともう何も見えない。
0880三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/13(日) 22:08:44.70ID:6H12DAlP
お題→最後の一文『もう何も見えない』+『斧』『錬金術師』『周年』『ソロキャンプ』締切

【参加作品一覧】
>>866【殺人鬼は今、あなたのすぐ近くにいる・・・】
>>873【魔法も、物理も】
>>876【フォッグマン】
0881三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/13(日) 22:10:20.44ID:6H12DAlP
ではー、通常お題5つですー

お題安価>>882-886
0882この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 22:13:01.18ID:t6D3mgy9
トイレットペーパー
0884この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 23:40:31.10ID:nQnAYk5/
街角
0885この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/13(日) 23:42:42.46ID:MK+xUm+8
『参戦』
0887三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/14(月) 00:52:37.44ID:uju1HsIL
☆お題→『トイレットペーパー』『たまご』『街角』『参戦』『ひねもす』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→9/20の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0888三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/14(月) 00:57:25.97ID:uju1HsIL
ちょっと席を外してました
お題、作品、感想など、ありがとうございます

なんかゆっくりですが、こっちの方が実感としては近い気もする
引き続きお題スレをよろしくー
0889この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/14(月) 01:18:32.15ID:uju1HsIL
>>876
また髪の話・・・ではなく! ギリギリでまとめた感じw
あれとこれと組み合わせ、ちゃんとホラーとして組み上がってる・・・
緊迫感からの、意外性とカタルシスのあるエンドでした
0892この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/15(火) 16:14:50.06ID:FvxX5rnG
>>873
アップデートの悲喜交々ですね
それでも楽しむ人は楽しめますし、要は楽しみ方と言う事でしょうか

>>889
感想有り難うございます
気が付いたら締め切り一時間半前で、焦って書き上げましたorz
0893この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/15(火) 17:20:27.90ID:HWgdGK4W
>>887
使用するお題→『たまご』『街角』『ひねもす』

【悲劇の序章】(1/2)

女ガンマン・シンディと、彼女の親友かつ相棒である女サムライ・シグレは今日も広大な荒野の中を旅していた。
サボテンや岩しかない熱い砂漠の中をなんとか突っ切り、大きな街に辿り着いた。

「ふぅ、やっと着いたわね。シグレ、大丈夫?無理させて本当にごめんなさい」
「気にしないでシンディ。そうでもしないとあの砂漠を越えることができずに、干からびて死んでしまうところだったわ」

途中、携帯していた水が底を尽きてしまい、シグレは得意の妖術で冷気を発生させ、シンディとサンセット、そして自分に身を纏わせて凌いできたのだ。
妖術は高度なものだと自らの体力を極限にまで削り、寿命を縮ませてしまうため、命を落としてしまう危険性が高く乱用は禁物だ。
街角にあるレストランに立ち寄り、疲労困憊で今にも倒れそうなシグレのために、シンディはベーコンエッグと冷たいレモネードを御馳走する。

「さあ、レモネードで乾いた喉を潤して、ベーコンエッグを食べて力をつけて!タマゴを食べてきっちり栄養もつけなくちゃね!」
「シンディ、ありがとう」

美味しそうにベーコンエッグを頬張るシグレの姿を、シンディは微笑ましそうに眺めていた。
最初はフォークとナイフの使い方に慣れず四苦八苦していたシグレだが、シンディから丁寧に教えてもらったため、今では上手に扱えるようになっていた。

「あっ、サンセットの食糧も買っておかなくちゃ!ちょっと買い出しに行ってくるから待っててね。なるべく早く戻ってくるから」
「慌てなくてもいいわよ、シンディ」

シンディは近くの市場に向かい、そこでサンセットの大好物であるリンゴやニンジン等の調達をする。

「これくらい買えば大丈夫ね!」

調達を終え、シグレが待っているレストランへと戻る途中だった。
背後からゴン!と鈍器のような物で頭部を思いきり殴られたシンディは、頭から血を流し、意識を失って倒れてしまう。
そのままシンディは荷馬車の中に放り込まれ、どこかに連れ去られていった。

「シンディ、遅いわね。もうそろそろ戻ってきても良い頃なのに」

一向に戻ってこないシンディが心配になり、シグレがテーブルが立ち上がったその時だった。
突然、周りで食事していた全ての客達が彼女に銃を向けてきたのだ。

「な、何!?」
「シンディが心配か?シグレさんよぉ。お前の大好きな女ガンマンはボスに連れて行かれたぜ…」
「シ、シンディをどこへ攫ったの!」
「その答えが出る前にはお前はもう死んでいるがな」
「教える気はさらさらない、ということかしら?それなら話は早いわ」
0894この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/15(火) 17:21:11.01ID:HWgdGK4W
【悲劇の序章】(2/2)

シグレの周囲には、およそ50人ほどの無法者達が銃を構えている。
シンディが危機に陥っているというのに一人一人を相手にしていると埒があかない。

「腕利きのガンマンやカウボーイが相当揃っているみたいね」
「おぅ、察しが良いじゃねえか。この時のために2年ほど前から選りすぐりのメンバーを掻き集めてきたんだ」
「それで私に勝てる、とでも思ってるのかしら?」

シグレは得意の妖術で青い結界を作り出し、レストランの中にいる全ての無法者達を囲い込む。

「こ、この青い空間は何だ!幻か!?レストランの中にいるはずなのに!」
「"全青氷界(ぜんしょう ひょうかい) ひねもすの氷牙(ひょうが)"!!」

すると細く尖った氷柱(つらら)が無数に現れ、無法者達を次々と刺して倒していく。
シグレの妖術の前には、心に恐怖を抱いた者など無力である。リーダー格であろう男の胸ぐらを掴む。

「さあ、トドメを刺されたくなかったらシンディの居場所を吐きなさい」
「だ、誰が死んでも言うかよ」
「あら、じゃあ地獄に送らないとね」

往生際の悪いその男をそのまま刀で斬り、息の根を止めた。外に出ると、サンセットが心配そうにシグレを待っていた。

「大丈夫よサンセット。それより早く攫われたシンディを助けに行かなきゃ!」

シグレを背中に乗せたサンセットは街を飛び出し、銃弾のように勢いよく走り出す。

・・・・・・・・・・

「こ、ここはどこ・・・?」

意識を取り戻し目が覚めるシンディ。真っ暗な部屋の中に閉じ込められ、体は縄で縛られて身動きを取ることができない。
すると赤いランプの灯りが現れ、何者かが自分の方に歩み寄ってくる気配を感じる。

「あ、あなたは!」

シンディの目の前に姿を現したのは、黄色い仮面を被った男だった・・・。


To be continued...
0895三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/15(火) 23:53:52.70ID:7OgNyIJ3
>>892
すごい勢いで書かれた形跡があったw
感想もありがとうございます
人それぞれ、って感じです・・・この後ネクロマンサーが無双しますw

>>893
とうとう最終章ですね・・・
不穏なタイトルと、高負荷ながら万能の妖術w
そして、、見覚えがあるような、ないような、、誰だっけ・・・
0897この名無しがすごい!
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2020/09/16(水) 17:03:40.55ID:V9Tbanil
>>895
感想ありがとうございます!
はい、遂に最終章に突入です。シンディの目の前に現れた謎の男とは?
次回をどうぞお楽しみに!
0898この名無しがすごい!
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2020/09/17(木) 16:13:07.75ID:ggN0172b
>>893
拐われたシンディさん
さすがのヒロイン属性ですw
序章と言う事は、『破』『急』と続く訳ですねw
0899この名無しがすごい!
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2020/09/17(木) 20:12:58.60ID:vSU7apNL
>>898
感想ありがとうございます!
シンディは本当にヒロインしていますねw これはシグレが王子様になるフラグかも?
シンディに待ち受ける運命とは一体!?
次回をどうぞお楽しみに!
0901この名無しがすごい!
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2020/09/20(日) 08:39:18.76ID:pDLJfcz0
>>887
お題:『トイレットペーパー』『たまご』『街角』『参戦』『ひねもす』

【マヤの終日】(1/2)


 何処にでもある街並みの何処にでもある街角。奧咲 真矢はエコバック片手に惚けた様に信号待ちをしていた。主街道だけあって車通りの多い道路の交差点には、真矢以外にもそこそこの人達が佇んでいる。

「ひねもす〜、ひねもす〜」

 母子らしき二人の、その娘と思われる幼女が交差点の補助標識を指差しそんな事を言っていた。

「まぁ、ゆおちゃん、よく覚えてるわねぇ」

 母親がほめそやす。

(ひねもす? ポ〇モンかなんか?)

 少女の指さす補助標識には『終日』と言う時間指定が書かれていたが、何故、それを指して『ひねもす』と言っていたのか真矢には分からなかった。

(ま、わたしがポ〇モンなんてやってたのJSの頃だしね)

 既に引退して数年の月日が経っていると思えば、新しいキャラクターも増えるだろうと、ちょうど結論付けた所で信号が変わったので、真矢はマスクの鼻の部分を摘まんで形を直すと、横断歩道に足を踏み出した。

 ******

 地元のスーパーにはそこそこの人出があったが、特に人数制限などと言う事は行われていなかった。

(うわぁ、あそこに参戦しなきゃならないのかぁ)

 特売品である牛乳、卵、ボックスティシュー、トイレットペーパーの陳列棚には過密と言って良い人集りができていて、若干対人恐怖症気味の真矢は、それだけでうんざりした気分に成る。

 特にトイレットペーパーは変な漂流言語のせいで、若干不足気味な為、誰しもが目の色を変えていた。真矢とて、トイレにウォシュレット機能など付いていない事も有り、トイレットペーパは必須の商品だ。
 『お1人様一点限り』と言うプラカードを持って声を張り上げる店員を押しのける勢いのおばさん達を見ながらも、真矢はマスクの鼻の部分を摘まんで直すと、意を決してそこに突っ込んで行った。
0902この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/20(日) 08:40:11.59ID:pDLJfcz0
【マヤの終日】(2/2)


 ******

 プシューと言う炭酸が抜ける音を立てる第三の缶ビールを一気に飲み干した真矢は、おつまみとして作ったハム入りチーズオムレツとモツポン酢を食べながら、二本目の第三のビールに手を掛ける。

 ワンルームマンションにはパイプベッドと小さなちゃぶ台。クッションを立てかけたベッドを背もたれ代わりにしながら、真矢は夕飯代わりの晩酌を始めた。

 半熟気味の玉子と塩気の効いたチーズとハム。やや淡白な玉子にこってりとしたチーズは味にコクを加えてくれ、ハムの触感はアクセントを与えてくれる。

「うん、上出来!」

 真矢は一度、第三のビールで口の中をリセットすると、続いてモツポン酢に箸を伸ばした。モツとタマネギは同時に食べるのが彼女の正義。
 ややひんやりとした冷気を醸し出すモツポン酢をパクリと食べる。
 買い物に行く前に冷蔵庫で冷やしておいたモツは、くにくにとした歯ごたえで、シャキシャキのスライスオニオンとは好対照。スライスした後、水にさらした方がシャキシャキ感は増すのだが、タマネギの辛みが好きな真矢は、あえてそのままさらさずに使っていた。
 分葱のみじん切りを乗せるかどうかは好みの問題だろうが、真矢は載せない派だった。
 「ネギ×ネギとか意味わかんない」と言うのが彼女の主張だ。

「ひゃ〜! これこそ人生よね!!」

 随分と安い人生もあったものである。

(……そう言えば、『ひねもす』ってどんなポ〇モンだ?)

 軽く酔いも回り、昼間ちょっと気になった事を思い出す。
 充電器に差していたスマホを体を捻って手に取ると、早速『ひねもす』を検索してみた。

「……マジか」

 終日(ひねもす)−意味:しゅうじつ、一日中……

 小学生低学年くらいの少女が知っていた事を20年以上知らなかったと言う事実に、真矢は自分の無知さ加減に脱力し、ちゃぶ台に突っ伏してしまった。

「そう言えば、『春の海ひねもすのたりのたりかな』って蕪村の短歌とかあったんだった」

 受験勉強でも覚えさせられていた範囲だったが、しかし、句そのものと与謝蕪村の名は覚えていても、その意味までは調べてはいない。

 ちなみに短歌ではなく俳句なのだが。

 今更と言えば今更な事を思い出し、真矢は不貞腐れ気味に第三のビールを呷る。
 この日の第三のビールは何時もより苦い気がした。
0903三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/20(日) 17:41:04.57ID:7T6tVAG1
>>901
なんかタイトルだけでオチてるような・・・w
辛いのおいしい・・・
都市生活者の何気ない日常、って雰囲気が出てますね
0905三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/20(日) 22:13:26.21ID:7T6tVAG1
お題→『トイレットペーパー』『たまご』『街角』『参戦』『ひねもす』締切

【参加作品一覧】
>>893【悲劇の序章】
>>901【マヤの終日】
0906三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/20(日) 22:14:34.99ID:7T6tVAG1
では、今回も通常お題5つです

お題安価>>907-911
0907この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/20(日) 22:19:58.28ID:/12d21Db
コレクション
0908この名無しがすごい!
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2020/09/20(日) 22:21:45.88ID:rZVLtsDu
『打ち切り』
0909この名無しがすごい!
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2020/09/20(日) 22:22:01.23ID:1hT6yJ0Z
宿題
0912三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/20(日) 23:27:10.62ID:7T6tVAG1
☆お題→『コレクション』『打ち切り』『宿題』『シャイン』『魚釣り』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→9/27の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0913三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/20(日) 23:37:13.31ID:7T6tVAG1
次スレが近くなってきました・・・どうなるか
スレタイ変更案もありましたが、今回は保留かなぁ
それと前にも言いましたが、次スレでは進行の交代もしたいところです

お題、作品、感想など、おつありでした
そして今回もよろしくです
0914この名無しがすごい!
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2020/09/21(月) 22:03:33.39ID:OE4JxI7o
>>912
使用するお題→『打ち切り』『魚釣り』

【シンディ、私はあなたを応援している】(1/2)

ある夕方、レイチェルはリビングのソファーにもたれて、コーラとポップコーンを手にあるドラマを楽しんでいた。

「シンディ、カッコいいーーーッ!!!」

そう、さすらいの女ガンマン・シンディが無法地帯と化した弱肉強食の西部の世界を旅するドラマだ。
タイトルは「シンディ・ネバー・フェイル(Cindy, Never Fail)」。
西部劇が大好きなレイチェルにとってシンディはまさに憧れの存在であり、必ず録画して何度も見返して楽しむほどだ。

「今日のエピソードも最高ッ!さあ来週はどんな展開かしら!」

しかし、次回予告が流れてこない。突然、「来週から急遽予定を変更して、フィッシングバトルの放送を開始します。どうぞお楽しみに!」の文字が画面に現れた。
そう、男達が熱い魚釣り対決を繰り広げるという番組だ。それを見て、レイチェルは一瞬呆然としてしまう。

「エーーーーーッ!?どういうことなの!?」

レイチェルは急いでテレビ局に電話をかける。

「シンディのドラマ、来週から放送されないって一体どういうことなの!?」
「そのドラマは視聴率の低迷が原因で打ち切りが決定したのです。残念ですが、その決定は覆りません」
「そ、そんな!私、あのドラマの大ファンなの!打ち切りなんてあまりに残酷過ぎるわ!」
「西部劇のドラマは今時もう流行らないんです。申し訳ございません」

プープー…と電話が切れてしまう。レイチェルの体から一気に力が抜け、その場に膝をついて倒れてしまう。

「打ち切り・・・、お願い、夢なら覚めて・・・」

翌日、レイチェルはいつものようにガンマン衣装に身を包んで町中を散歩する。しかし、いつものように元気になれず、目は虚ろとしていた。
公園のベンチに座り、思わずハァと大きく溜息をついて項垂れる。

「人生の楽しみの一つがまさか打ち切りで終わるなんて・・・。私、これからどうすればいいの?」
「レイチェルさん、そんなに落ち込んで一体どうしたんですか?」
「ん?」

その声に頭を上げると、目の前にアニーとペットのイグアナのトニーがいた。

「ア、アニーちゃん、それにトニー。こんにちは、今日も良い天気ね」
「レイチェルさん、元気なさそうだけど何かあったのですか?もし良ければ相談に乗りますよ」
「ありがとう。実はね・・・」

レイチェルは、アニーに大好きなドラマが打ち切りになってしまうことを全て話した。

「なるほど。好きな番組が突然終わるなんて、誰でもショックですよね」
「放送開始から絶対に見逃さないほど大好きなの。シンディがすっごくカッコよくてね、彼女はまさに私の憧れなんだ」
「こうなったらテレビ局に手紙を送ってみたらどうですか?僅かな可能性に賭けるしか方法はないです」
「そうよね!今ならまだ間に合うはず!打ち切りなんてこの私、レイチェルが覆してやる!アニーちゃん、ありがとう!」

そう、シンディのドラマへの熱い想いを書いた手紙を送るのだ。テレビ局に文句を言うのでは逆効果だ。

「とにかく、私のシンディ愛をテレビ局のお偉いさん達にこれでもかってくらい伝えなくちゃ!」
0915この名無しがすごい!
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2020/09/21(月) 22:05:35.00ID:OE4JxI7o
【シンディ、私はあなたを応援している】(2/2)

シンディはその日から週に一度、自身のシンディへの熱い想いを綴った手紙をテレビ局に送り始めた。

「シンディのファンは私だけじゃない!世界中のシンディファンのみんな!負けないで!」

その頃、テレビ局の役員達がレイチェルの手紙の数々を面白そうに読んでいた。

「あのドラマにこんな熱狂的なファンがいたとは驚きだ」
「今朝、いつものレイチェルって人から手紙だけでなく小包も届いてたんだ」

手紙と一緒に送られた小包の中には数枚のDVDディスクが入っていた。
一体何かと気になり、彼らはそれをプレーヤーに挿入、再生する。

「さすらいの女ガンマン、レイチェル参上!」

ガンマン衣装に身を包んだレイチェルが現れる。公園の中で撮影されたもので、帽子を目深に被ったレイチェルが
ブーツの拍車をカチャカチャ鳴らしながら歩いていると、目の前に一匹のイグアナが現れた(もちろんトニーである)。

「ワッ!恐ろしいモンスター!このレイチェルに勝てるかしら?」

するとトニーがレイチェルのブーツにカプッと噛みついてきた。レイチェルはトニーを振り払おうとするが、彼は頑なに放そうとしない。

「も、もうダメ・・・」

レイチェルがその場に倒れてしまう。今度は一人の少女が現れた(アニーである)。

「レイチェルさん、諦めないで!あのイグアナを倒せるのはあなたしかいない!」

アニーの励ましにレイチェルは立ち上がり、トニーに向けてバン!銃を放った(もちろんオモチャの銃である)。
トニーはレイチェルのブーツを放し、そのままパタンと倒れてしまった。

「やったー!レイチェルさん、あなたのおかげでこの町は救われた!本当にどうもありがとう!」
「勘違いしないで、お嬢ちゃん。私はヒーローでないし、人助けなんて以ての外。でも・・・」
「でも、なあに?」
「応援してくれて、本当にどうもありがとう。また会える日が来るといいわね」

そう礼を言うと、レイチェルはどこかへと去っていくのだった。

・・・・・・・・・・

あれから半年ほどが経ったある日、レイチェルの家に一本の電話がかかってきた。
なんと、あのテレビ局の社長からであった。

「レイチェルさんですね、あなたのあのドラマへの強い熱意には参りました。残念ながら本局ではもう放送できる枠がありません。しかし・・・」
「し、しかし?」
「別の局での制作・放送再開が決定致しました!」

社長のその言葉に、レイチェルは思わずロケットのように宇宙へと飛んで行ってしまいそうなくらいに興奮、感動した。

「本当に、本当にどうもありがとうございます!」

シンディのドラマの製作・放送再開の願いがついに叶ったのだ。撮影に協力したアニーとトニーも、それを知ってとても喜んだ。
翌年の春、シンディのドラマが復活し、レイチェルは大いに続きを楽しんだ。

「シンディ、カッコいいーーーッ!!!」

今日もレイチェルはコーラとポップコーンを手に、シンディの勇姿を思う存分堪能するのであった。
0916三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/22(火) 12:27:07.33ID:tUaz1qoD
>>914
早速・・・優しい世界w
レイチェルならこれくらいやりそうー
落胆具合がひど過ぎて笑ってしまいますけどw、そこからの復活が奇跡的です
0917この名無しがすごい!
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2020/09/22(火) 15:35:04.00ID:CJwbLDvH
>>916
感想ありがとうございます!
海外ドラマが打ち切りになったけど奇跡の復活!というのを基に書いたお話ですw
女ガンマンは何があろうと最後まで絶対に諦めないし屈しない!それがレイチェルの信条なのです
楽しんでいただけて凄く嬉しいです!
0918この名無しがすごい!
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2020/09/22(火) 20:37:04.95ID:V2bc+Not
>>914
一念岩をも通すですねw
好きな物を好きだと言い続けられる姿勢は見習いたいものです
0919この名無しがすごい!
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2020/09/22(火) 20:59:38.23ID:CJwbLDvH
>>912
使用するお題→『コレクション』『魚釣り』

【殺人鬼の正体】(1/2)
>>129【伯母の陰謀】、スレ7 696【大切な帽子】と786【イエローマスクド・デーモン】を先に読んでおくことをオススメします

シンディの目の前に現れた、黄色い仮面で顔を覆った一人の男。

「あ、あなたはイ、イエローマスクド・デーモンことクレイグ・バスター!」

そう過去に777人もの罪の無い善良な一般市民を惨殺、100を超える村や町を滅ぼした凶悪な殺人鬼だ。

「イエローマスクド・デーモンは本当だが、クレイグ・バスターは違う。偽名だ」
「(妙に聞き覚えのある声・・・一体、誰なの?)」
「シンディ、とにかくお前に会いたかった」

男が黄色い仮面を外す。その顔にシンディは思わず絶句した。
そう、彼女の大好きな父親であるバイロンだったのだ。

「パ、パパ!?そ、そんなッ!!」
「久しぶりだなあ、シンディ。立派に成長したな」
「さ、殺人鬼の、しょ、正体がパ、パパだなんて!そ、それに邪悪な伯母の仕組んだ落石事故で死んでしまったはずじゃ!?」
「そう取り乱すな、娘よ。これには全てワケってものがあるんだ」

バイロンはシンディに全てを話した。バイロンは最初、生まれたばかりで幼いシンディを金持ちで強欲な伯母のフローラから必死に守っていた。
娘との農業生活はとても貧しくとも彼にとってはとても楽しいものであった。しかし、次第に貧乏な生活に我慢ができず、贅沢を味わいたくなってきた。
バイロンはフローラと陰で連絡を取り、シンディを大金と引き換えに彼女に売り渡そうと考えたのだ。

「ま、まさかあの落石事故は!」
「そう、全て最初から計画した偽装だったのさ!」
「私をあのクズな伯母に売り飛ばそうとしていたなんて!」

幼い頃から大好きだったパパにまさに裏切られた瞬間であった。シンディは我慢できずに、目から大粒の涙をこぼし始める。
また、落石事故で死亡を装ったものの、シンディはいつの間にか姿を消してしまい、バイロンはフローラから正体を隠すよう命令される。
黄色い仮面の殺人鬼に変装し、シンディの消息を掴もうとする一方で、大金欲しさに欲望を制御できず、人を殺めることでその鬱憤を晴らしていったのだ。
また、数々の無法者達にシンディを見つけ捕まえてくるよう仕向けたが、みんなシンディにあっけなく返り討ちにされてしまう始末だ。

「腕利きの殺し屋に頼んだにも関わらず、このザマだ。女ガンマン一人捕まえるのにどんだけ苦戦しているんだ」

部下からシンディがフローラに捕まったと聞いて駆けつけてきた時には、既にフローラは死に屋敷は崩壊、まさに野望を打ち砕かれてしまった。

「まさか、日本から来たっていう女サムライと仲良くなっていたのは予想外だった。あいつさえいなければ!」
「シ、シグレのこと?彼女は私の最高の親友よ!」
「そんなにそいつのことが好きなのか?それじゃあ、その女も捕まえてたっぷり可愛がってやろうか」
0920この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/22(火) 21:01:05.63ID:CJwbLDvH
【殺人鬼の正体】(2/2)

すると真っ暗な部屋の中が、ランプの赤い灯で次第に明るくなっていく。

「な、何なのよ、これは・・・!」

今、自分とバイロンがいる部屋の壁には大量の切断された腕や脚が飾られていた。

「見たか?これが俺のコレクションだ。善良な一般市民だけでなく、お前を捕まえられずに逃げてきた役立たず共のもある」

シンディの体から震えが止まらなくなってくる。大好きだったパパは自分を裏切った上、残虐非道な殺人鬼に成り果ててしまった。

「お前と女サムライのせいで、大金を手に入れる計画が全て台無しだ。女サムライも捕まえて、一緒にたっぷりと可愛がってやるからな。覚悟してろよ」

シンディは一瞬目を閉じて昔のことを思い出す。
大好きだったパパと一緒に畑を耕したり、ジャムを作ったり、魚釣りに出かけた、貧しくも幸せで楽しい日々の数々を。

「あんたはもう私のパパじゃない、ただの醜くて邪悪なケダモノよ!」
「お前ももう俺の可愛い娘じゃない、ただのモノに過ぎないからな!」

ギャハハ!と下品な笑い声を上げると、バイロンは勢いよくシンディの顔面を蹴った。
口や鼻から血を流し、あまりの痛みにシンディは声を出すことすらできなくなる。

「おいおい、これでくたばってもらっちゃ困るぞ。拷問はこれからが本番だ」
「(シ、シグレ、た、助けて・・・!)」

一方、シグレを背中に乗せたサンセットが攫われたシンディを探しに、広い荒野の中を必死に駆け回っていた。

「シンディ、待ってて!必ず見つけて救い出すから!」


To be continued...
0921この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/22(火) 21:09:54.13ID:CJwbLDvH
>>918
感想ありがとうございます!
誰に何と言われようとも、自分に正直で「好き」を貫いてこそ本当のファンだと私は思います
レイチェルはとにかくシンディから影響を受けまくってますw
楽しんでいただけて凄く嬉しいです!
0922三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/23(水) 13:29:49.14ID:VjM/0iyT
>>919
これはまさかのw、衝撃の展開だった!
ま、、まぁ、I am your father だと思えば、お前かよ!って話ではありますが
これは続きが待たれますね・・・
0923この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/23(水) 20:07:19.34ID:HlIefc/c
>>919
ヒロインには悲劇がつきものですよね
元々の資質なのか、それとも厳しい荒野で娘を守ることに疲れた結果の変質なのか?
0924この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/23(水) 20:45:13.45ID:CII3f5Du
>>922
>>923
感想ありがとうございます!
はい、殺人鬼の正体は死んだはずの大好きなパパであの邪悪な伯母とグルでした
そうですね、この弱肉強食の荒野を生き抜くには力だけでなく金も大きくものを言って、
伯母の話に没落貴族の親子が出てきましたが、あの世界でも財力は大きなステータスとなるんです
楽しんでいただけて凄く嬉しいです!次回をどうぞお楽しみに!
0925三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/27(日) 15:15:40.20ID:slTeA4so
ところで、次スレを立てた後で、新しい進行を募集しますけど・・・

安価でお題を取るだけの、簡単なお仕事です
あと、スレの最後を作品一覧で埋めるのも、できれば引き続きお願いしたいです

作品を書いたり、感想を書いたり、荒らしにSEKKYOUしたりするのは、進行の仕事ではないです

すっげー過疎ですけど、誰かやりたい人いるかなぁ
0926この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/27(日) 19:41:52.26ID:slTeA4so
>>912
>>747の続きを見て……ですにゃー

使用お題→『コレクション』『打ち切り』『宿題』『シャイン』『魚釣り』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第七話】(1/3)

 俺と使者の女、それにワタリガラス号は、ネコミミ族の村を出発した。
 しばらくの間は二人とも無言で、何事もなく森の中を進んでいたが、不意に女が口を開いた。

「忘れてましたにゃー。宿題がありましたのにゃー」

 そう言って、こちらに顔を向けた。

「宿題?」
「そうなのですにゃー。にゃーはさっき『昨夜遅くに帰ってきた』と言いましたが、帰ってきたのはその前の夜なのですにゃー」

 そんなこと言ってたか?

「それは大事なことなのか?」
「いーや別に、ですにゃー。ただ言い間違えたと思っただけですにゃー」

 それから俺たちは、再び無言になって歩き続けた。
 次に女が話し掛けてきたのは、休憩のために足を止めた時だった。

「川がありますにゃー。魚釣りですにゃー」

 女はそう言うと、荷物の中から釣りざおを取り出して、俺に差し出してきた。

「俺が釣るのか」
「なんでもやってみるのですにゃー」

 浅瀬に立って、釣り糸を垂らす。それから数十分。

「何も釣れないぞ……」
「まあ、こんな日もありますにゃー。いい休憩になりましたにゃー」

 食料は十分に持っているが、それでいいのだろうか。
 その首から下げた人形は……?

「さっさと出発しますのにゃー」

 その日は何度か休みながら、日が暮れるまで歩いた。
 女がいつも使っているという野営に適したポイントで、俺たちは一泊した。

 *

 翌日も朝から移動を開始した。天気は、言うまでもなく、曇りだ。
 昼近くまで歩けるだけ歩き、広い川のほとりに出た。

「この森はどこまで続いてるんだ」
「森の外に出るだけならすぐですにゃー。にゃーたちが目指している隣の村は、もう二三日くらいですかにゃー」

 女は、慣れているのだろう、平然とそんなことを言うが、俺の方は二日目にしてうんざりだった。

「そこにエム先生とかいうやつはいるのか」
「どうでしょうかにゃー。にゃーの予想では、二十パーセントくらいですかにゃー」

 そこで短い時間休憩して、俺たちはすぐに出発した。魚釣りはしなかった。
 俺は鬱々とした気分で足を引きずって歩き、それでもなんとか女と牛に付いていった。
0927この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/27(日) 19:42:33.57ID:slTeA4so
【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第七話】(2/3)

 日が傾く頃まで歩き続けて、俺の精神は限界を迎えつつあった。
 パワードスーツを着込んでいるとは言え、疲労はゼロにはならない。

「なあ、今日はどこまで歩くんだ……」

 女は、すぐには返事をしなかった。少しの間、何も聞こえなかったかのように歩を進めてから、唐突に立ち止まる。

「あれですにゃー。今日はあそこに泊まりますにゃー」

 木々の間を指差す。俺には何も見えないが。

「古代モニャ文明の遺跡ですにゃー。壁と床があるので野営しやすいのですにゃー」

 *

 それはコンクリートの墓場だった。かつては建造物の形をしていたのだろう残骸が、緑の中に埋もれている。

「こっちですにゃー。この辺りがテントを張るのに便利なのですにゃー」

 荷車を目立たない場所に隠すと、足場の悪い中を、女と牛はすいすい進んだ。

「おい待てよ。よくそんな器用に歩けるな」
「ここには何度も来てますからにゃー。来る度に片付けもしてますからにゃー」

 コンクリートの平らな表面が出ている場所で、女は野営の準備を始めた。
 程なくして必要な作業を終えると、女は自分の荷物の中から、一冊の本を取り出した。

「昨日も読んでいたようだが、それはなんだ?」
「気になりますかにゃー」

 女は、本の表紙をこちらに向けた。

「これは、にゃーのコレクションの一つですにゃー。『世紀末光頭伝エスニャンダモ』第一巻ですにゃー」

 暑苦しいおっさんのイラストだった。目の毒だ。

「そ、それにしても……またニャンダモか……」

 その古代の英雄とやらは、そんなに偉いのか。

「にゃーたちはニャンダモが大好きなのですにゃー。いい商品が出来たら、ニャンダモの名前を付けるのは基本ですにゃー」

 偉い……のか……?

「ニャンダモキャンディー、ニャンダモサイダー、ニャンダモせんべい、ニャンダモこけし。ニャンダモ将棋、なんてのもありますにゃー」

 なんでもありか。

「ああ、話がそれましたにゃー。ニャンダモですにゃー」

 なんの話だよ。

「にゃーは、この漫画が大好きなのですにゃー。作者はニャーゴ・エス・ニャーゴロ、ファンの間ではエス画伯と呼ばれてますにゃー」
0928この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/27(日) 19:44:01.82ID:slTeA4so
【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第七話】(3/3)

 サタンニャンダモの手下に取り囲まれるシャイニングニャンダモ。

『にゃーの爪が太陽光で光りますにゃー。あなたたちの毛根を焼き尽くしますにゃー』

 シャイニングニャンダモの両手が光り輝く。

『シャイニングクロー! ですにゃー』

 敵の毛根に寄生していたサタン細胞は浄化され、シャイニングニャンダモ一行は危機を脱した――――

 …………――――…………――――…………

「――――という話ですにゃー」

 俺は女から漫画の内容について説明を受けていた。

「大体の話は分かったが……面白いのか、これは」

 俺が、思ったことを正直に口にすると、女は一瞬だけ固まった。

「打ち切りですにゃー」
「何がだ?」
「エスニャンダモの連載は打ち切りで終了したのですにゃー!」

 そうか。だろうな。俺が思ったのはそれだけだが、女はこの漫画に強い思い入れがあるようだった。

「この漫画は、にゃーの、最高の友達でしたのにゃー! にゃーの頭は、打ち切りで、シャインするところでしたのにゃー!」

 叫びつつ、女はコンクリートの地面を転げ回った。
 そんなにか。

「というのが、かれこれ十数年前の出来事ですにゃー」

 女は立ち上がって、牛の横に立った。

「今は、ワタリガラス号がいますからにゃー」

 女が騒いでも、頭を背中に押し付けても、牛は大人しくしていた。
 夕食を済ませると、俺たちはそれぞれ寝る準備をした。
 牛を間に挟んで横になる。

「これが、にゃーたちの距離ですにゃー」

 女はそれだけ言うと、寝袋の中で寝息を立て始めた。
 旅慣れているのか、大物なのか……。
 俺は星の見えない夜空を見上げ、まぶたを閉じたのだった。
0929この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 19:45:12.72ID:slTeA4so
最後の最後に、こんなのばっかりな話

続きは・・・次スレでも・・・
0931三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/27(日) 22:13:27.50ID:slTeA4so
お題→『コレクション』『打ち切り』『宿題』『シャイン』『魚釣り』締切

【参加作品一覧】
>>914【シンディ、私はあなたを応援している】
>>919【殺人鬼の正体】
>>926【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第七話】
0932三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/27(日) 22:15:02.84ID:slTeA4so
ちょ、、ちょっと計算と違いましたが、今回も通常お題5つで

お題安価>>933-937
0933この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 22:16:11.63ID:l7p8yHsE
ロブスター
0936この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 22:24:04.44ID:0Ia+/sy2
『弦月』
0938三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/27(日) 22:28:48.46ID:slTeA4so
☆お題→『ロブスター』『笹』『パーカー』『弦月』『シャワー』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→10/4の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0939三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/09/27(日) 22:31:13.52ID:slTeA4so
今回はすごい早いね・・・!

お題、作品、感想、ありがとうございます
今回は現スレでよろしくですー
0940この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 22:35:38.53ID:oH2C02BB
供養枠ですorz

お題:『コレクション』『打ち切り』『宿題』『シャイン』『魚釣り』

【最弱講師の実戦魔術】(1/3)


 聖アルマウス魔法学園は、国家魔術師への登竜門として有名な学園だった。ここには貴族、平民を問わず、様々な学生が在籍していた。

「……『シャイン』と言う魔法がある。これは、物体に光魔法を付与し、光らせると言う……」
「先生!!」
「……何だい? メルシア・フォン・グライクン」
「何故、今更、そんな基本的な魔法を学ばなければならないんですの!?」

 講師であるアイザックの言葉を遮ったのは公爵家令嬢であるメルシアだった。彼女は父親で、王室筆頭魔術師でもあるグライクン公爵の背を追い、この聖アルマウスに入学して来た。
 だが、彼女の父親であるグライクンが「彼の授業は受けておいた方が良い」と言う言葉通りに受講したアイザックの授業は、彼女を落胆させるに足る講義内容だった。

「……この講義は、より深く魔術に対する認識を深める為の物だからだ」
「知っています!! ですが、そんな初歩中の初歩など、このクラスに居る者であれば、誰だって分かって居る事です!! 私だって中級魔術の『ファイアランス』程度なら使えます。いまさら、そんな下級魔術など、学ぶ必要など無いでしょう?」

 そんなメルシアの言葉に受講している何人かも頷いている。

「……『下級魔術』ね、では、こんな下級魔術の具体的な使用方法は?」
「? 使用方法も何も、明かりが欲しいのであれば『ライト』の方が便利ですし、戦闘に役に立つのは『フラッシュ』ですわ。ほんのりと対象を光らせるだけの『シャイン』は攻撃にも使えない、言わばハズレ魔術です」
「……本気で言ってる?」
「そうですわ!」

 アイザックは大きく溜息を吐く。

「……あのな、本当にそう考えてるってんのなら、そんな考え、捨てっちまえ」
「は?」

 アイザックの言葉に、メルシアが目を剥いたその瞬間。

 キーンコーンカーンコーン……

「……今日の講義はこれで打ち切りだ。ああ、そうだ、『シャイン』で何ができるのかは、宿題にしておく、各自次の講義までに考えて置け」
「ちょ、お待ちなさい!!」

 そう言ってアイザックはメルシアの言葉をサラッと無視して、教室を出て行ってしまった。
0941この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 22:39:24.22ID:oH2C02BB
【最弱講師の実戦魔術】(2/3)

 ******

「まったく、何て失礼な講師でしょうか」

 その日の授業も終わり、メルシアは徒歩で帰宅をしていた。迎えの者が馬車で着てはいたのだが、モヤモヤとした憤りを少しでも晴らす為に、歩いて帰る事にしたのだ。
 公爵家令嬢である彼女の言葉を無視する者など、今までは居なかった。
 当たり前だ。王家を除けば最高位である貴族の、その御令嬢であるメルシアに対し、無礼な振る舞いなど誰ができるだろう。

「お前達も、そう思うでしょう? エイメン、バラライカ」

 そう言って、彼女が護衛二人の方を振り向いたその時である。

『んん? んんんんんんんんん?』

 辺りに生臭い風が吹いたかと思うと、周囲の空気が不意に凍り付いたかの様に感じられた。

「お嬢様!!」
「我々の後ろに!!」

 そう言って、メルシアを後ろに庇う様に護衛の二人が前へ出る。

『んん? んんんんん〜〜〜〜〜?』
「ひっ!!」

 突如、自分の顔を覗き込んで来たソレに、メルシアは思わず悲鳴を上げた。

 ボロボロのローブを纏った禿頭の枯れ木の様な老人。その眼球の無い深淵の様な両目に見つめられた途端に、メルシアは自分の心臓を握られたかの様な怖気がし、足がガタガタと震え、動けなくなってしまったのだ。

「この!! 不埒者め!!」
「お嬢様から離れろ!!」
『ん? んんんんんん?』

 飛び掛る護衛。しかしその二人は、老人が手を振るった、その一撃だけで吹き飛ばされてしまう。

『ん〜……?』
「な、何を……」
『善き、眼じゃ。それを貰おう?』
「は?」
『んん? んんんんんんんん?』

 老人が丸自慢のコレクションを見せるかの様に、そのローブを開いて見せる。

「ひっ!!」

 メルシアがその場で気を失わなかっただけでも上等だろう。皮が弛み、張りの無くなったその胴体には、おびただしい程の眼球が縫い付けてあったのだから。
 先程の老人の言葉を思い出し、蹴れの目的が自分の目玉だと思い至った彼女は、どうにかならないかと、必死に周囲を見回すが、近くに居るのは倒れた護衛の二人だけである。
 不運としか言いようは無いだろう。“魔”に見初められてしまったのだ。
 どこか、ガクガクとした動きの老人が迫って来るが、メルシアにはへたり込む事しか出来なかった。

「……あのね、オタク等うるさすぎ。魚、逃げちゃうでしょ?」

 そんな場違いな声に、メルシアも老人も思わず動きが止まる。
 そこには、釣竿を持って魚釣りをしているアイザックの姿があった。
 そんなアイザックに、老人が腕を振るう。先程の護衛の事を思い出し、メルシアが思わず声を上げた。だが。
0942この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 22:41:58.86ID:oH2C02BB
【最弱講師の実戦魔術】(3/3)


 その腕は、アイザックの持つ釣竿でヌルリと受け流された。そしてアイザックはまるで今気が付いたかの様に周囲を見回し、倒れた護衛と怯え切ったメルシアを見た。

「……ふ〜ん? オタク、ロリコンだね?」
『んん? んんんん!?』

 ブンブンと振り回される腕をヌルリヌルリを躱すアイザック。それに業を煮やしたのか、老人がまるで重力を無視したかの様な動きでメルシアの方へと……

「……『ダーク』」

 そのアイザックの呪文で周囲が闇に包まれる。と、メルシアは、何かに抱きかかえられた。
 思わず身を竦めたメルシアだったが、しかし「……大丈夫だ」と言う声で、自分を抱きかかえたのがアイザックだと気が付いた。

「先生!」
「さて、不審者はかたずけなくちゃな」

 そうは言うが、今この辺り一帯は『ダーク』の呪文によって闇に包まれ、隣にいる者の顔さえ見えない。『ダーク』は、周囲10m程の空間を闇に包むと言うだけの下級魔術だ。
 単純であるがゆえに発動速度が速く、それ故にアイザックが唱えたのだと理解出来る。だが……

「どうやって……」

 メルシアは、そう疑問に思った。なにせ『ダーク』は下級魔術なだけあり、相手を指定できると言う類の物では無い。
 つまり、敵も味方も構わず闇の中であり、お互いにその姿を確認すらできないのだ。

「……いや、見えるだろう?」
「え?」

 アイザックの声にメルシアが目を凝らす。

「光?」

 闇の中に、幽かな光。

「もしかして……『シャイン』」
「……正解『ファイアブリット』」

 次の瞬間、おそらくアイザックの魔術だろう。聞いた事の無い呪文が聞こえ、炎の弾丸が発射された。

 ******

 『ダーク』の効果が切れると、そこには眉間を打ち抜かれた老人倒れていた。その老人の身体からアイザックが何かを外している。
 あまり近寄りたくは無かったが、それでも気になったメルシアが「それは?」と訊ねると、アイザックはソレを摘まんで見せてくれた。

「釣り針……ですか?」
「……そう、こいつに『シャイン』を付与して、この爺さんに引っ掛けておいたんだ」

 「保険代わりにね」と、アイザックは言った。

「何故、とお聞きしても?」
「……僕は生来、魔力量が少なくてね、どうしたって下級魔術しか使えない。だから、それなりの工夫さ」

 そんなアイザックの告白に、メルシアが目を瞠る。だが、アイザックは面白くもなさそうに溜息を一つついた後、口の端を吊り上げた。

「……でも、ま『シャイン』も役に立つだろう?」
0943この名無しがすごい!
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2020/09/27(日) 23:50:14.59ID:slTeA4so
>>940
なるほど・・・うまく組み立てた話ですね・・・
不審者が無駄に強い上に、マジで不審者だったw
0944この名無しがすごい!
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2020/09/28(月) 14:42:57.40ID:fltRTG/8
>>938
使用するお題→『ロブスター』『シャワー』

【結婚記念のご馳走】(1/2)

夜の9時、レストランの閉店時間となった。

「レイチェル、お疲れ様!」
「今日も一日本当に楽しかったわ、ライアン!」
「そうそう、レイチェルに見せたい物があるんだ」
「見せたい物って?」

ライアンがニコニコしながら、白くて大きな箱を持ってきた。
蓋を開けてみると、そこには大きくて赤い立派なロブスターが入っていた。

「ワァ、大きなロブスター!」
「まだレイチェルが寝ている早朝に届いたんだ。明日は何の日か覚えてるかい?」
「明日?明日って確か・・・私とライアンの結婚記念日!」
「その通り!僕とレイチェルの結婚記念と、このレストラン開店5周年記念も兼ねて、このロブスターを料理しようと思うんだ!」
「本当!?やったー!ロブスターなんて最近全く食べていなかったから凄く楽しみだわ!」
「ロブスターは高いからね。今回は奮発して高級なのを選んだんだ!」

明日の結婚記念かつレストラン開店5周年を記念してのロブスターパーティーに、レイチェルはワクワクが止まらなかった。
それに明日はちょうど水曜日で定休日なのも好都合だった。

・・・・・・・・・・

翌朝の5時、ライアンがまだぐっすりと気持ち良さそうに眠っている中、
レイチェルはベッドからこっそりと出て、お馴染みのガンマン衣装に着替える。
そして階段を下りてキッチンへと向かい、冷凍庫の扉を開ける。

「あった、あった!」

レイチェルが手に取ったのは、あのロブスターが入った白い箱だ。箱の蓋を開け、ロブスターをじっと美味しそうに見つめる。

「ライアンとこの女ガンマン・レイチェルが今日、あなたを美味しくいただくわよ。覚悟してなさい、ウフフ・・・」

レイチェルが興味本位で指で少しツンツンとついたその時だった。ガパッ!とロブスターがいきなり動き出したのだ。
突然動き出したロブスターに、レイチェルは思わず「キャッ!」と声を上げて驚き、尻餅をついてしまった。

「えっ!まだ生きてたの、このロブスター!?」

ロブスターは箱から飛び出して床に落ちると、そのまま逃げ始めた。

「コ、コラ待ちなさい!」

レイチェルは急いでロブスターを捕まえようと追いかける。水中でないにも関わらず、意外と動きは素早く、レイチェルは悪戦苦闘してしまう。
しかし、諦めずになんとかリビングの隅の方にまで追い詰める。

「このレイチェルから逃げることはできないわよ?」

レイチェルが追い詰めたロブスターに掴もうと手を近づけたその時、ロブスターはハサミで彼女のブーツの爪先をギュッと挟んできた。

「ワワワワッ!い、痛いッ!放してッ!!」

レイチェルは必死になって足を振るが、ロブスターは頑なに放そうとしない。
思わず足を勢いよく振るとその拍子にブーツが足からスポッと脱げてしまい、
ロブスターがそのままブーツと一緒に開けっ放しの窓から外へと飛び出してしまった。
0945この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/28(月) 14:44:16.72ID:fltRTG/8
【結婚記念のご馳走】(2/2)

「いけない!」

レイチェルは急いで外に飛び出し、近くの森の中に逃げようとするロブスターを追いかける。
森の中に逃げられたら一巻の終わりだ。とにかくレイチェルは死に物狂いで追いかける。
ロブスターも力が尽きてきたのか、動きが段々と鈍くなっていく。
今だ!とばかりにレイチェルは一瞬の隙を突いて、ロブスターを強く掴んで捕まえた。

「やっと捕まえた!本当に人騒がせなロブスターね!」

しかし、ロブスターを捕まえるのに無我夢中だったレイチェルはちゃんと前を見ておらず、前方の木に勢いよくドンッ!とぶつかってしまった。
その衝撃で枝についていたミツバチの巣がレイチェルの頭上に落ち、彼女は蜂蜜まみれになってしまった。
怒ったミツバチ達がレイチェルを追いかけ始めた。

「ワーーーーーッ!ごめんなさーい!!」

レイチェルはとにかく必死に走り、なんとか家の中に逃げ込み、ミツバチ達の怒りから逃れることができた。

「ハァ、ハァ・・・ほ、本当に死ぬかと思った・・・」

全身が蜂蜜でベトベトになってしまったものの、逃げたロブスターを捕まえることには無事成功。
すると、ちょうど目を覚ましたライアンが階段を下りてきた。

「おはよう、レイチェル!って、一体どうしたんだ!?」
「じ、実はね・・・」

レイチェルはさっきまでの出来事を全てライアンに説明した。それを聞いたライアンは大笑いだった。

「ロブスターに逃げられ、足を挟まれ、蜂蜜まみれになってミツバチに追いかけられる・・・レイチェル、コメディ俳優になれるんじゃないか?」

ライアンの言葉に思わずレイチェルは苦笑いする。その後、レイチェルはシャワーを浴びて体を綺麗にすると、
数々のハプニングに疲れてしまったのか、リビングのソファーの上で眠りに落ちてしまった。

・・・・・・・・・・

「レイチェル、料理できたよー!」

ライアンの呼ぶ声にレイチェルは目を覚ます。深い眠りに落ちてしまったためか、既に夕方の5時が来ていた。
レイチェルが食卓に来てみると、テーブルの上には美味しそうなロブスターのグラタンが置いてあった。

「僕特製のロブスターのガーリックグラタンだよ!どうぞ召し上がれ、僕の可愛いガンマンちゃん!」
「うっわあ良い匂い!ではお言葉に甘えて早速!」

レイチェルは無我夢中でライアンの料理にかぶりつく。まるで狙った獲物は絶対に逃さない肉食獣、ではなく荒野のガンマンそのものだった。

「美味しーーッ!!もう最高!!」
「慌てないで、おかわりはまだいっぱいあるよ」

自分の料理を美味しそうに食べるレイチェルの姿を見て、ライアンはとても幸せそうだ。

「レイチェル、これからもレストラン頑張っていこうね!」
「もっちろん!ライアンとこの女ガンマン・レイチェルに怖いものなんて無いんだから!」
「(レイチェルったら、本当に可愛いんだから・・・)」

とにかく幸せいっぱいな2人なのであった。
0946この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/28(月) 20:42:28.06ID:C6h3gcJd
>>926
相変わらずのカオスなワールドですね
どこまでもマイペースな現地人と中々気苦労の絶えない主人公w

>>944
どこまでもラブラブな二人良いですねw
黒猫姿の時とは違い、ガンマン姿のレイチェルはいつでも騒動の中心ですねw

>>943
感想、有難うございます
放課後の教室でだべっている小学生を書く心算が……
どうしてこうなったorz
0947三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/09/29(火) 00:09:46.47ID:UnYkGqzC
>>944
ロブスター一匹でこんな大騒ぎになるとはw
しかし最後はおいしい料理になってしまった・・・楽しい記念日でしたw

>>946
感想ありがとうございます
主人公は現地人に振り回されてますねw
0948この名無しがすごい!
垢版 |
2020/09/29(火) 07:13:28.22ID:KgvTKKJ8
>>946
>>947
感想ありがとうございます!
確かにレイチェルが何かしら騒動を起こす時は必ずと言っていいほどガンマン姿の時ですねw
ガンマン姿の彼女はコメディ系、黒猫姿はサスペンス・スリラー系といったところでしょうか
ロブスター一匹にとことん悪戦苦闘するのは書いてて楽しかったです!
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0949この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/01(木) 20:10:36.70ID:Yr3dMCL8
>>938
使用するお題→『笹』『パーカー』

【ズルはダメだよ】(1/2)

「じゃあねー!また明日ー!」
「バイバーイ!」

下校時間、仲の良いクラスメート達と別れ、カナミは家路についていた。
すると、少し目の前を青いパーカーを着た男の子が歩いているのが見える。
カナミはそれが誰だか知っていた。そう弟のケンスケだ。

「(あっ、ケンスケだ!ちょっとイタズラしてやろっと!)」

カナミはニヤニヤしながらゆっくりと気付かれないよう、弟の背後のすぐ近くまで接近する。
そして首元のフードを掴むと、思いきりケンスケの顔に被せてきた。

「だーれだッ!?」
「ワワワッ!な、何だ!?って、その声もしかして・・・」

顔に覆い被さったフードを脱ぐと、そこにはアハハとおかしそうに笑う姉の姿があった。

「お姉ちゃーん!いきなり何するんだよー!もうビックリしたじゃないかー!」
「ご、ごめんごめん。そのパーカーのフード見たら、何だか急に被せたくなっちゃうんだもん」
「もう心臓止まりそうになるからやめてよ」
「ケンスケだって、後ろから私のポニーテールいきなり引っ張る時あるでしょ?お互い様じゃないの」
「む、むゥ・・・」

ケンスケは一瞬口ごもった。確かにカナミの言う通りだ。
ケンスケもよく彼女のポニーテールをいきなり引っ張ったり、ハイソックスを脱がそうとしている。

「こ、今度やったら、ゆ、許さないからね!覚悟しておいてよ!」
「それはどうかしらねー?」

土曜日、せっかくの休みだというのに生憎の豪雨で外は土砂降りだ。

「あーあ、今日はハヤト兄のとこに遊びに行きたかったんだけどなあ・・・」
「残念だけどこの雨じゃ無理ね。一緒にゲームでもやりましょ」
「うん、そうだね」

雨で外に出られないため、カナミとケンスケはテレビゲームをすることに。
親戚からお土産で貰った美味しい笹団子を食べながら、レーシングゲームでの勝負にもう無我夢中だ。
7個あった笹団子は互いに3個ずつ食べ、残り1個になった。

「笹団子はあと1個・・・お姉ちゃん、僕が何を考えてるか分かる?」
「もちろんよ。絶対に負けないんだから」

1個の笹団子を賭けた姉弟の大勝負がスタートした。最長距離にして最高難易度のコースを5周だ。
互いに一歩も退かない、熾烈な攻防が繰り広げられた。

「だいぶ腕を上げたわね、ケンスケ!それでも弱点の詰めの甘さを克服するまでに至ったかしら?」

「口ばかり動かしてると集中力が途切れちゃうよ、お姉ちゃん」

残り1周、それは起こった。
0950この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/01(木) 20:11:42.89ID:Yr3dMCL8
【ズルはダメだよ】(2/2)

「さあ、私の華麗なドライビングテクニックをその目に焼きつけなさい!」

しかし、一瞬の気の緩みでカナミは思わずトラップに引っかかりスピン、そのまま崖から落ちてコースアウトしてしまった。

「ウワワワワッ!そ、そんな!」

優勢だったカナミをケンスケが追い抜いた。

「ほら言ったじゃないか、口ばかり動かしてると集中力が途切れちゃうって」

ゴールは目前。コースに復帰した姉は急いで弟の後を追うが、これではもう間に合わない。

「僕の勝利は確実だ!」

その時、一瞬魔が差してしまったのか、カナミはケンスケのパーカーのフードを掴み、そのまま顔に被せて視界を遮ってしまった。
画面が見えなくなった弟はそのままコースアウト、それを姉が追い越してゴールインした。

「やったー!私の勝ちー!笹団子は私のものー!・・・」

勝利に歓喜するも、カナミはすぐに我に返る。自分はズルして勝ってしまった。
隣に恐る恐る目を向けてみると、ケンスケが何も言わないまま眉間に皺を寄せてじっと睨んでいる。

「あ、そ、その、ごめんねケンスケ。思わず自分の意思に反して手が勝手に動いちゃって、つ、つい・・・。わ、わざとやったわけじゃないの」

必死に弁明する姉だったが、弟は無反応で睨みつけたままだ。
ケンスケは少し近づくと、カナミの手にある笹団子をサッと奪い取って口に入れて食べてしまう。
底知れぬ怒りのオーラが伝わってきて恐怖を感じたカナミはゆっくりと立ち上がり、その場から逃げようとした。
するとケンスケは口を大きく開けて歯を剥き出しにし、カナミを追いかけ始めた。

「ご、ごめん!さっきのは本当に悪かったから!」

しかしケンスケは何も言わない。カナミはそのままケンスケに捕まり、ポニーテールを留めているクリップを外され解かれ、
髪を思いきりクシャクシャされる。その次にこめかみをグリグリ、そして丸めた新聞紙で頭ポコポコの怒涛の3コンボだ。

「本当にごめんなさい!心の底から反省してますから、どうかご勘弁お願いします!」

するとケンスケの攻撃の手がピタッと止まる。姉はゆっくりと顔を上げて目を向けると、弟が満面の笑みを浮かべていた。

「うん、その言葉が聞きたかったんだ」
「ケ、ケンスケ、もう怒ってない?」
「最初から全然怒ってないよ。ただ怒ったフリをしてただけ。お姉ちゃんがああするのは想定内だったから」
「そ、そうだったの。ア、アハハ・・・」
「本気で怒った僕、結構怖かった?お姉ちゃんの狼狽えっぷり、すごく面白かったよ」

安心したのか、全身の力が一気に抜けたカナミはそのままソファーにもたれて眠りに落ちてしまった。
そんな姉に弟は優しく毛布を被せるのであった。
0951三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/02(金) 13:05:53.16ID:0JQAnMPX
>>949
お久しぶりの二人、こういうイタズラありますねw
弟くんの反撃も、ちょっとリアルです
0952この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/02(金) 19:15:31.97ID:eUOf+uDV
>>951
感想ありがとうございます!
お久しぶりのブラコンシリーズでございます。ゲームで不利な状況に陥って
負けそうになった時、ついズルしちゃうことってありますよねw
こういう些細なあるあるを書くのって結構楽しいです!
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0953この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/03(土) 14:30:05.15ID:yj81BCQ7
>>949
仲が良いからケンカも出来ますし、仲直りも出来るんですよね
でも、同じイタズラを繰り返していると、本当にみすてられるかもしれませんので
気を付けないといけません
0954この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/03(土) 16:30:21.34ID:edAbNfNw
>>953
感想ありがとうございます!
小さなイタズラ、お互い様といえど程々にということですね
ああ見えてどちらも割と懲りない性格してますから、次に何が起こるか見ものですねw
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0955この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/04(日) 20:37:38.07ID:JErFNsGS
>>938
お題:『ロブスター』『笹』『パーカー』『弦月』『シャワー』

【ちょっと贅沢な夜】
 ハッキリした目鼻立ちの、木の強そうなボブカットの少女が、上機嫌で夜道を歩いて居る。
 そんな少女……宵山 千夏の数歩後ろを同級生兼恋人であるはずの須郷 颯が深い溜息を吐きながら追従していた。

「……騙された」
「何よ、騙してなんか無いよ。ザリガニはザリガニだし」

 そう言う千夏をジロリと颯が睨み付ける。誕生日当日にバイトで会えなかったのは颯のミスだ。その埋め合わせにとした千夏の注文が「ザリガニが食べたい」と言う事だったのだ。
 ゲテモノ食いかと、一瞬悩んだ颯だったが、しかし、ネットで調べた『食用ザリガニ1尾60円』と言う安さに目がくらみ、それを了承してしまった。
 「お店はあたしに任せて」と言う言葉に、ザリガニを食べさせてくれる店について何の情報も無かった颯が、安易に千夏に丸投げしてしまったのが彼の敗因だったのであろう。

 海ザリガニ=ロブスター。

 ロブスターは日本では聞き馴染みのない食材だが、はオマール海老と言えば、誰でも聞き覚えがあるだろう。言わずと知れたフランス料理の高級食材である。
 ちなみに伊勢海老も英名ではジャパニーズロブスター。当然高級食材だ。

 かくして颯がバイトでせっせと稼いだお金は、今は二人のお腹の中と言う訳である。
 本格的なフランス料理のお店と言う訳ではなく、もっとリーズナブルなお店ではあったが、それでも高校生の懐事情では痛い出費だった。

「で? 初フランス料理の感想は?」
「うむ、満足じゃ」

 ニッと千夏が笑う。
 弦月の光が、シャワーの様に彼女に降り注ぎ、本来ブラウンの彼女の髪を月色に染める。
 颯は、まるで幻想の様に月夜に浮かび上がる千夏の様子に、思わずパーカーのフードを被った。

「どしたの?」
「何でもねぇよ」

 見蕩れていた事が恥ずかしく、思わず俯いた颯に千夏が問いかける。
 その返答は何時もよりもぶっきらぼうだ。

「ん、何? なんで不機嫌なのよ」
「別に……」
「え〜。じゃ、明日、笹飴プレゼントするから機嫌直してよ颯、好きだったでしょ?」
「いや、それ親父さんのお土産だろ?」
「うん、何か出張の度に買って来るんだよね。余っちゃって」
「おま……」

 お詫びのプレゼントに父親のお土産。
 思わず眉根を寄せた颯に、千夏はニシシと笑いながら言った。

「愛情は入ってるよ? プライスレスで」
0956三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/04(日) 22:11:01.00ID:0SGFlp2N
お題→『ロブスター』『笹』『パーカー』『弦月』『シャワー』締切

【参加作品一覧】
>>944【結婚記念のご馳走】
>>949【ズルはダメだよ】
>>955【ちょっと贅沢な夜】
0957三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/04(日) 22:12:47.46ID:0SGFlp2N
では今回も通常お題5つ、現スレで取ります

お題安価>>958-962
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。

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