0866この名無しがすごい!
2020/09/10(木) 18:20:24.02ID:a30x2t6+使用するお題→最後の一文『もう何も見えない』+『斧』『錬金術師』『周年』
【殺人鬼は今、あなたのすぐ近くにいる・・・】(1/2)
今年もシチリアに楽しいハロウィンの季節が訪れた。
「クッキー焼けたよー!」
「待ーってましたー!」
ライアン特製のこんがり美味しく焼けたチョコチップクッキーの良い匂いに誘われ、颯爽と現れたのは
お馴染みのガンマン…ではなく黒猫の衣装に身を包んだレイチェルだった。
「おっ!早速食いしん坊の黒猫ガールが現れたぞ!」
「食いしん坊は余計よ。それより味見、味見!」
レイチェルはクッキーを一枚掴んで口に入れる。
「うーん最高ッ!!」
「せっかちだなあ。クッキーは逃げやしないよ」
「獲物は必ず仕留める!これが黒猫の鉄則!」
「アハハ(もう、レイチェルは本当に可愛いんだから)」
今年もパーティーは盛大で楽しいものとなり、無事に幕を閉じた。
家に着くとライアンとレイチェルはリビングのソファーに座り、温かいココアを飲みながら、のんびりとテレビを見ていた。
「何か面白い番組はないかな?」
チャンネルを変えていると、あるドラマに目が留まった。一人の女性がある者に追いかけられ、必死に逃げている。
女性の後ろから追いかけてくるのは片目を失い、頭から血をダラダラと流す、斧を持った背の高い痩せ細った男だった。
「お前の目をよこせー!」
「こ、怖い!ラ、ライアン、違う番組にしようよ」
「う、うん分かった」
すると突然雷がゴロゴロと鳴り出した。ザーザーと雨が激しく降り始めると同時に停電が起き、家の中が真っ暗になった。
「どこかの電線に雷が落ちてしまったに違いない」
「そ、そんなぁ!」
突然、外から奇妙な音が聞こえてきた。それは大きく、まるで斧で木を斬るような音だった。
「な、何!?」
「レイチェル、ここにいて。少し見てくるよ」
「待って、私も行く!一人にしないでー!」
豪雨の中、ライアンとレイチェルは外に出て確認する。暗くて見えないが、音は確実に聞こえてくる。
すると突然、黄色く光る目が現れ、2人はビックリして尻餅をつく。
「俺の姿を見たな・・・」