安価・お題で短編小説を書こう!8
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安価お題で短編を書くスレです。
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現在、毎週日曜日の午後22時に前回のお題を締め切り、新しいお題を安価で決める方式を取っています。現時点での募集お題はスレ主によるレスを確認してください。
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使用お題と【】でタイトルを明記してください。決めていなければ【無題】でも可。
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※R18は板ルールで禁止です。
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同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
その際、権利者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【当スレへ投稿する前に】投稿してください。
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■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
安価・お題で短編小説を書こう!3
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1522770910/
安価・お題で短編小説を書こう!4
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/
安価・お題で短編小説を書こう!5
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1541947897/
安価・お題で短編小説を書こう!6
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1557234006/
安価・お題で短編小説を書こう!7
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1572191206/ お題→『絹のドレス』『白いスーツ』+『刺繍』『厳選』『プリンセス』締切
【参加作品一覧】
>>74【可愛いプリンセスは危険の香り?】
>>81【思い出は走馬灯のように駆け巡っていく】
>>89【週末の黄昏】
>>90【向こうで立ち話をされているのは聖女様と神官長様ですね】 ではでは、今回は通常お題5つです
お題安価>>93-97 ☆お題→『ハンマー』『乙女ゲーム』『ポテトチップス』『邪神』『アマビエ』から1つ以上選択
☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。
☆締め切り→4/26の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。
【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】 これはw
なかなかユニークな組み合わせでは
お題、作品、感想、ありがとうございます
まぁやっぱり過疎ですが、引き続きお題スレをよろしくー、皆様のご参加もー >>89
これはストレートw
『厳選』フォルダ、『白いスーツ』のあの人w、名曲『絹のドレス』
簡潔に、雰囲気が出てるお話でしたー >>90
相変わらずの直感行動ですね
それでも良い方向に行くのが凄い
そして巻き込まれるのがお約束の騎士団長
お疲れ様ですw >>100
感想有り難うございます
絹のドレスと言われたら、もうこれしかorz >>101
感想ありがとうございます!
勢いだけの主人公に、頼れる騎士団長ですw
・・・今見直したら誤字発見・・・誤字探しクイズを開催します>< >>98
使用するお題→『ハンマー』『ポテトチップス』『邪神』
【姉弟の仁義なきドタバタバトル】(1/3)
ある日のこと、カナミの背後にケンスケがニヤニヤしながら歩み寄ってくる。彼の手にはおもちゃのマジックハンドがあった。
姉は弟が背後にすぐ近くまで迫っているのに気付いていない。まさにその瞬間だった。
「それっ!」
ケンスケはマジックハンドでカナミのポニーテールを掴むと、少し強めにグイッと引っ張った。
「わ、ワワワワッ!!い、一体何なの!?」
「アハハ!」
「ケンスケ!また…!」
ケンスケは時々、マジックハンドを使って姉のポニーテールを掴んで引っ張ったりとイタズラをすることがあるのだ。
「それで髪を掴んで引っ張るのはやめてって、前に何回も言ったでしょ?」
「だ、だってお姉ちゃんのポニーテールって見てたら掴んで引っ張りたくなっちゃうんだ」
「どういう理由よ。まあ今度やったら許さないわよ、分かった?」
「う、うん…」
弟の返事を聞くと、カナミは自分の部屋に戻り、宿題を始める。
「ケンスケったら全くしょうがないんだから。あの頼りない返事からすると、またやるに違いないわね…」
宿題をしながらブツブツと呟いていると、突然いいことを思いついた。
「そうだ!確かあれがあったはず!」
クローゼットを開けて、ある箱を取り出す。その中には幼稚園の頃によく遊んでいたが、今はほとんど使わなくなったおもちゃや小道具が入っていた。
「あった!あった!」
カナミが手にしたのはピコピコハンマーだった。幼稚園の頃、夏祭りに行った時に輪投げの景品で貰った物だ。
「ウフフ、またケンスケが何かしたらこれで…」
ある土曜の午後、カナミはリビングのソファーに寝転んでスヤスヤと気持ち良さそうに昼寝をしていた。
そんな姉にケンスケがニヤニヤしながら音を立てずにゆっくりと近づいてくる。彼の手にはもちろんマジックハンドがあった。
「お姉ちゃんったら本当に無防備だね」
そう言ってマジックハンドで姉のポニーテールを掴もうとしたその時だった。
「引っかかったわね!」
「へっ!?」
カナミはいきなり目を覚ますや否や、背中に隠し持っていたピコピコハンマーでケンスケの頭をポコっと叩く。
突然のハプニングに弟は動揺し、一瞬怯んでしまった。
「ね、寝てたのは演技!?」
「そうよ、まんまと引っかかっちゃって笑えるわね。今度はこっちのターンよ!」
カナミはピコピコハンマーで逃げる弟の頭をポコポコ叩きながら追いかける。 【姉弟の仁義なきドタバタバトル】(2/3)
「わっやめて!やめてよー」
「アハハ、まだまだよ!」
カナミは逃げるケンスケを食卓の隅っこにまで追い詰めた。
「ケンスケ、もう逃げられないわよ。観念しなさい」
「お願いだから頭をポコポコ叩くのやめてよ」
「ううん、なんか楽しいからやめない」
「ぼ、僕の心の中に潜む小さな邪神が僕を唆したんだ。お姉ちゃんのポニーテールを引っ張れって。最初は必死にそんなことできないって拒否したんだけど、邪神が全然離れなくて…」
「要するに魔が差した、ってことでしょ?」
「うん、そういうこと。降参するからさ、もうバトルは終わりにしようよ」
するとケンスケは近くの棚に置いてあったポテトチップスの袋を手に取る。
「終戦したということで一緒にポテチでも食べよう、お姉ちゃん」
「それはいいわね」
袋を開けると、姉弟は仲良くポテチを食べ始める。
「ポテチはコンソメパンチが一番だよねー」
「うんうん、分かるわ」
袋の中のポテトチップスを全部食べ終えたその瞬間だった。
「ふー、美味しかったわね」
「スキあり!」
ケンスケは素早い動きで、マジックハンドでカナミの左足の方のハイソックスの爪先の部分をガシッと掴んだ。
「な、何!?」
「お姉ちゃんこそ、まんまと引っかかったね。僕が潔く降参したことにすっかり気が緩んじゃってさ」
マジックハンドで爪先を掴んだまま、弟は姉のハイソックスを勢いよくズルッと脱がした。
その拍子にカナミはドテッと尻餅をついて倒れてしまう。
「お姉ちゃんのハイソックス、ゲットだー!」
「まんまと私を騙すとは、良い度胸してるわね。こうなったら超本気モードでいくわよ!」
姉弟の凄まじいバトルがまた始まった。それはとても強烈なものだった。
「私を怒らせたことを後悔するがいいわ!」
「僕は怒ったお姉ちゃんにビビるほど弱くないよ!」
「生意気なこと言っていられるのも今のうちよ」
カナミのピコピコハンマーとケンスケのマジックハンドが互いにぶつかり合い、バチバチと火花が散っている。
弟がマジックハンドで、ピコピコハンマーを持つ姉の右手首をガシッと掴む。
しかし、姉は咄嗟に左手にハンマーを持ち替え、弟のお尻をポコっと叩く。
「ウ"ッ!!」
「腕はなかなかだけど詰めが甘い。あんたのことよケンスケ!」
「そ、そんなぁ!」 【姉弟の仁義なきドタバタバトル】(3/3)
ケンスケの手からマジックハンドが落ちる。これで決着か、と思いきやカナミは手からピコピコハンマーを放して床に置く。
「ケンスケ、ここまで来たら互いに武器を捨てて戦いましょ」
「望むところだよ、お姉ちゃん!」
お互いに武器を捨て、素手だけでのバトルとなった。
「行くよ、お姉ちゃん!」
「どこからでもかかってきなさい!」
その時、カナミが膝をついて倒れてしまう。彼女は思い出した。終戦の意としてポテチを食べた後、一瞬の隙を突かれて弟にハイソックスを脱がされたことを。
そう、ハイソックスを片方でも脱がされてしまうと、カナミはパワーダウンしてしまうという弱点があるのだ。
「す、すっかり忘れてたわ…」
「僕はお姉ちゃんの弱点をちゃーんと分かってたんだ」
ケンスケは姉に近づくと、コチョコチョとくすぐり攻撃を始めた。
「アハハ、くすぐったい!や、やめてワハハ!」
「ううん、楽しいからやめない!さっきポコポコ頭を叩かれた時のお返しだよー!」
しかし、さっきまで素早かったケンスケの動きが次第に鈍くなっていき、攻撃の手が弱まってきた。
そう、ケンスケは体力が少なくて実は長期戦が苦手という弱点があった。姉とのバトルは開始から既に4時間を超えており、スタミナ切れを起こしていた。
「ち、力がこれ以上出ない…」
「私はケンスケの弱点をちゃーんと分かってる」
「だ、だから、わざと長期戦に持ち込んだということだね」
「その通りよ!」
パワーダウンとスタミナ切れでは、まだ僅かにではあるがパワーダウンの方に分がある。
「ケンスケ、残念だけど私の勝ちね」
「そ、そんなぁ…!」
まさに決着の瞬間、と思ったその時だった。
「あんた達、いつまで激しくじゃれ合ってるのよ。猫じゃあるまいし…」
買い物と銀行に出かけていた母が、ちょうど家に帰ってきたところだった。
「「あ、お母さん!おかえりなさい!」」
「大雨で外で遊べないのは分かるけど、家の中で暴れるのはやめてちょうだい。分かった?」
「「ハ、ハイ!」」
母の介入?により、4時間にも渡った姉弟のバトルは互いに引き分けという形で幕を閉じた。
夕食を終えると、2人はリビングのソファーに座って今日のバトルを振り返った。
「お姉ちゃんのピコピコハンマーには、どう足掻いても勝てなかったな。強すぎるよ」
「ケンスケのマジックハンドも大したものだったわよ。でも油断しすぎなところと、詰めが甘いところは克服した方がいいわね」
「油断しすぎなのはお姉ちゃんも一緒じゃん」
顔を合わせてアハハと笑うと、互いに背中に隠し持っていたピコピコハンマーとマジックハンドを出す。
「次のバトルはいつにする、お姉ちゃん?」
「私はいつでもいいわよ」
「今度は負けないからね」 >>104
今回は平和な世界w
ピコピコ『ハンマー』、小さな『邪神』w、『ポテトチップス』で・・・
これは結構な力作だったw、形勢が二転三転して面白かったです >>107
感想ありがとうございます!
姉と弟の壮絶なバトル(というよりじゃれ合い?)でしたw
終戦としてポテトチップスを食べてからの再戦の流れが一番書いてて楽しかったです
今回も楽しんでいただけて本当に嬉しいです! >>104
姉弟のじゃれあいですね
お互いの弱点を把握しつつの攻防
仲良くケンカをして欲しいものです >>109
感想ありがとうございます!
姉弟は仲良くケンカすることでお互いに絆を深めていってほしいなあ、とよく考えていますw
今回も楽しんでいただけてすっごく嬉しいです! >>98
お題:『ハンマー』『乙女ゲーム』『ポテトチップス』『邪神』『アマビエ』
【楽しいお仕事】(1/2)
わたしの名前は天宮 洋子! どこにでも居る、ちょっとおっちょこちょいな女の子。
今日から新学期だっていうのに、わたしは寝坊して遅刻ギリギリに成っちゃった!
「あ〜ん、遅刻遅刻ぅ!!」
朝食のパンを咥えながら走るわたし! あの角を曲がれば学校だわ! よ〜しラストスパート!!
ドッシーン!!
「きゃあ!!」
「うわ!!」
尻もちをついたわたしの前には、カッコイイ男の子が。
「おい! 気を付けろよ!!」
カッチーン。
確かに急いでて確認しなかったわたしも悪いけど、そっちだって同じでしょ!!
確かにカッコイイけど、だからって、何を言ってもいいって事には成らないんだからね!
そう思っていると、ソイツが急に顔を赤らめて視線を逸らした。
え? 何?
わたしは今の自分の姿をよく見てみた。ぶつかった衝撃で尻もちをつき、その事でスカートがめくり……
******
「没」
「ええ! 何でですか栗山さん!!」
企画書を途中まで読んでた企画リーダーの栗山 環は、「なぜ」と食い下がるシナリオ担当の小山 修一に呆れた様な目を向けた。
「おい、シュウ、お前、この企画が何なのか分かってんのか?」
「え? はい、ブラウザ乙女ゲーム『らぶ☆レボリューション(仮)』ですよね?」
「分かってて、これか?」
「いや、でも、対象年齢の事を考えて、感情移入しやすい何処にでもいる女の子を主人公に……」
環が頭を押さえ、溜息を吐く。
「古い!! 古すぎるんだよお前の頭の中!! こんなもん、今時、乳児ですらソッポ向くわ!!」
「いや、乳児はそもそもブラウザゲーム何て……」
「そう言う、いらん所拾わなくていいんだよ!!」
スパーン! と、修一の書いた企画書を丸め、彼の頭を叩く。
「今の子はな、オンリーワンを求めてんだよ!! 『誰にもまねできない特別な自分』を求めてんだ!
お前は、そこが分かってない! いいか! 次、同じシナリオ書いたらシナリオライターから外すからな!!」
「いや、栗さん、さすがにまんま同じ事書く様な奴はいないんじゃ……」
「だから、そう言う、いらん所拾わなくていいんだよ!!」 【楽しいお仕事】(2/2)
******
「オンリーワンの主人公って、ったく、そんなもん簡単に思いつくなら、マンガの編集なんていらないってぇの」
修一はブツブツ言いながらもアイデアを探してネットを漁っていた。
「はやり、流行り、Hayari〜っと……へぇ、最近ってこんなの流行ってるんだな……え? マジ? これOKなの?」
「ふーん」と腕を組む修一。そのすぐ後に、何かを思い付いたらしくニンマリと笑みを浮かべると、猛然とキーボードを叩き始めたのだった。
******
わたしの名前は亜 麻美恵! どこにでも居る、ちょっとおっちょこちょいなアマビエ。
今日は浦和の方に預言を持って行かなくちゃいけないんだって言うのに、わたしは寝坊して遅刻ギリギリに成っちゃった!
「あ〜ん、遅刻遅刻ぅ!!」
朝食のポテトチップスを咥えながら走るわたし! あの角を曲がれば浦和だわ! よ〜しラストスパート!!
ドッシーン!!
「きゃあ!!」
「うわ!!」
尻もちをついたわたしの前には、カッコイイ邪神が。
「おい、大丈夫か?」
カッコイイ邪神は触手をウネウネさせながら、前足を伸ばして来る。
やだ、イケメン!
助け起こされたわたしがちょっとボーッとしていると、邪神の触腕がわたしの顔に……
ああ、ここでわたし、大人に成っちゃうのね。そう覚悟を決めたんだけど、その触腕はするりとわたしの髪に伸びる。
「こんな所にハンマーが付いてるよ?」
「え?」
きゃー恥ずかしい!! そう言えば昨日ベッドで日曜大工をしてたんだったわ!
顔を赤らめるわたしにカッコイイ邪神が……
******
「どうです? 流行りを取り入れながらもオンリーワンな展開!! これならイケるでしょう?」
「……か」
「はい? 何です?」
「あ・ほ・かあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
スッパアアアアァァァァァーーーーーーーン!!!!!! 今ってアマビエブームだったのね
Nhk見てて初めて知ったわ アマビエチャレンジってハッシュタグが有るくらいですからw お題→『ハンマー』『乙女ゲーム』『ポテトチップス』『邪神』『アマビエ』締切
【参加作品一覧】
>>104【姉弟の仁義なきドタバタバトル】
>>111【楽しいお仕事】 ではー、今回も通常お題5つです
お題安価>>118-122 ☆お題→『ピンクの悪魔』『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』『銀河最強』から1つ以上選択
☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。
☆締め切り→5/3の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。
【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】 すげー速度で集まった・・・絶対書きにくいお題w
てか今更だけど、出題だけじゃなくて作品を書いてくれてもいいのよ
誰が書いてもいいスレなので!
次回は企画を・・・ご意見ご要望も受け付けております
引き続きお題スレをよろしくー >>111
これはひどいww
『乙女ゲーム』の企画、主人公『アマビエ』、朝食の『ポテトチップス』、イケメン『邪神』、い・・『ハンマー』!
シュウくん、あなた憑かれ、、疲れてるのよ・・・とりあえず全消化の抱腹絶倒でした!w >>127
感想有り難うございます
奇をてらってりゃ良いと言うもんじゃないと言う見本ですねw >>123
使用するお題→『ピンクの悪魔』『レモネード』
【伯母の陰謀】(1/3)
※>>74【可愛いプリンセスは危険の香り?】の続きです
「…こ、ここは、一体どこなの…?」
麻酔銃を撃たれて気絶していたシンディが少しずつ意識を取り戻す。目を開けてみると、そこは薄暗く、周囲には何もない部屋の中だった。
全身を鎖でキツく縛られているため、身動きが取ることができない。
すると目の前の扉がギイッと音を立てて開き、火の灯ったランプを持ったピンクのドレス姿の老婆が入ってきた。
「どうやら目を覚ましたようね、シンディ」
「あ、あんたは一体誰なの?」
「私はフローラ。今は亡きあなたの母ジェーンの妹よ」
「マ、ママの妹?ということは私の伯母!?」
「そういうことね。まあ色々と話してあげるから聞きなさい」
そのフローラと名乗る老婆は、シンディの母親であるジェーンの妹だった。彼女は大富豪でお金こそ全てだという考えの持ち主で、何不自由ない生活を送っていた。
ジェーンがシンディを産んだと聞いた時、彼女からシンディを奪おうと企んでいた。しかし父親であるバイロンは、そんな強欲なフローラにシンディを渡そうとしなかった。
一旦は退くものの、シンディを諦めきれなかったフローラはバイロンが乗ったトラックを狙って、崖から大量の石を落としたのだ。
そう、あのバイロンが巻き込まれて死亡した落石事故は自然で起きたことではなく、全て彼女が装ったものだったのだ。
「あの憎きバイロンが死んで、あなたが私の物となると思いきや、あなたはいつの間にか姿を消していた。私は様々な手を使って消息を追った、そしてやっと見つけた」
「ま、まさか、あんたが大好きなパパを殺しただなんて!絶対に許さない!」
これ以上ない怒りに溢れるシンディだったが、体は鎖で縛られており身動き一つできない。
「無駄な抵抗はやめなさい、シンディ。この私が何と呼ばれているか分かる?そう、ピンクの悪魔よ!」
開いたままの扉から、あの没落貴族の親子であるマークとメアリーが入ってきた。2人は、フローラから懸賞金である100億ドルを貰って大喜びだった。
「これで私達はまた貴族の仲間入りね、パパ!」
「もちろんだメアリー!それじゃあな、哀れな女ガンマン!」
「あ、あいつら…!!」
「シンディ、あなたはもう私の娘となるの。お金は山のようにあるから好きなだけ贅沢できるのよ、幸せだと思わない?」
「お金があるから幸せ?バッカみたい!」
シンディは悪あがきするかのように、フローラの顔に向かってプッと唾を吐きかける。
「どうやら教育が必要なようね。とりあえずその汚い帽子とかコートを脱ぎなさい」
「ちょ、ちょっと帽子取らないでよ!」
「こんな薄汚れたカウボーイハット被っちゃって。後でゴミとして捨てておかないとね」
「や、やめて!」
突然、暗い密室の中であるにも関わらず風が吹いてくる。
「か、風!?一体どこから!?」
どこからともなく強く吹いてくる風にフローラは驚く。その風と共に、タヌキのお面を被った着物姿の女が姿を現した。
「あ、あなたは…!!」
「鎖で縛られちゃって…。無様な姿ね、まったく…」 【伯母の陰謀】(2/3)
「シ、シグレ!!」
そう、あの遥か遠くの日本という国から来た女のサムライ・シグレだ。
「情けない姿ね、シンディ。あなた、それでもアメリカのガンマンなのかしら?」
「シ、シグレ?サ、サムライ?」
「何、この禍々しい桃色の暑苦しいドレス姿の婆さんは?なんか見てて腹が立ってくるわね」
シグレは鞘から刀を取り出し、大きく振り被る。それで発生した深い霧がフローラを包み込む。
深い霧で視界が遮られ、フローラはどうすることもできない。すると真っ赤に光る瞳が見えてくる。
「必殺、霧狐斬(キッコザン)!!」
牙を剥き出しにした赤い瞳の白いキツネが、フローラの首にガブッと噛みついた。しかし、それはシグレが見せた幻想だ。
凶暴なキツネの幻想に動揺したフローラの背中をそのままスパアッと刀で斬りつけた。
「グ、グハッ!!」
吐血し、背中から血をダラダラと流しながらフローラは倒れ、そのまま息絶えてしまった。
シンディの体を縛っている鎖も切り裂き、彼女は自由になった。
「シグレ、あ、ありがとう!」
「か、勘違いしないでね。何も助けに来たわけじゃない。ライバルが苦しんでいるのを見てるのが嫌だっただけよ」
シンディは嬉しかったのか、シグレに思いきり抱きついてきた。
「や、やめてシンディ。とりあえずこんな暗い場所から早く出ましょ」
「そうね!」
シンディとシグレは走り出す。
「そういえばサンセットは!」
「あなたの馬なら既に解放してある」
階段を駆け上がっていき、大きなダンスホールに飛び出す。目の前にフローラの屈強な部下達が立ち塞がってくるが、
シンディとシグレの敵ではなく、スピーディーな銃撃と華麗な剣術で次々に無双していく。
「相手に一切隙を見せない銃さばき、さすがガンマンね」
「エヘッ!そうでしょ、これがアメリカってものよ!」
思う存分大暴れするガンマンとサムライのコンビに太刀打ちできるわけがなく、大きな屋敷はあっさりと崩壊してしまった。
フローラは崩れ落ちた屋敷のガレキの下敷きとなってしまった。すると、ヒヒーン!の元気な泣き声と共にサンセットが姿を現した。
「サンセット!」
サンセットに特に大きなケガはなく無事のようで、シンディはとても安心した。
「シンディ、まだやることがあるんじゃないの?」
「あっ、そうだった!乗ってシグレ!」
シンディとシグレを背中に乗せると、サンセットは勢いよく走り出した。
「あの没落貴族親子と殺し屋も許さないわ!」
一方、マークとメアリー、そして2人に雇われた殺し屋のゴールドタンクは、近くの農夫を殺して奪ったトラックに乗って逃げているところだった。 【伯母の陰謀】(3/3)
「100億ドルは俺達の物だー!ウヒョー金って本当にサイコー!!」
「本当にサイコーなのかしら?」
「ヘッ?」
すぐ近くまで追いかけてきたシンディの姿に彼らはビックリした。
「な、何でこんな所にいるんだ!?」
「あんた達も地獄に送ってやるから覚悟しなさい!」
シグレはサンセットの背中から勢いよくジャンプすると、トラックのタイヤを全て刀で切り裂く。
「ゴ、ゴールドタンク!こうなったらシンディとあの変な女を殺してしまえ!」
ゴールドタンクは銃を構えるが、シグレの電光石火による斬撃で銃はバラバラになり、使い物にならなくなってしまう。
動揺するゴールドタンクとマークの心臓を目がけてシンディは発砲する。それに続くかのように、シグレが2人の首元をズバッと斬りつけてトドメを刺した。
父と頼りにしていた殺し屋が一方的にやられてしまい、メアリーは狼狽える。急いで100億ドルの入ったトランクケースを持って逃げようとするが、目の前は断崖絶壁だった。
「その100億ドルと一緒に死にな!」
シンディは勢いよく彼女を蹴り飛ばし、崖から突き落とした。キャーッ!の悲鳴と共に、メアリーは100億ドルと共に真っ逆さまに数百メートル下に落ちていった。
「これで一件落着、といったところかしらシンディ?」
「そうね。これで死んだパパが帰ってくるわけじゃないけど、私はパパの分まで生きるって決めたんだから!」
その後、近くの街まで向かい、そこでレモネードを買う。もちろん自分とシグレの2人分だ。
姿を見られると怪しまれるに違いないため、シグレは馬小屋の裏に隠れていた。
「これがレモネードよ。どう、美味しいでしょ?」
「レモネード?初めて飲むけど、なかなかイケるわね」
レモネードを飲んで、激しい戦いで疲れた体を癒す。
「今日は本当にどうもありがとう、シグレ。あなたが来なきゃ、私は伯母の奴隷にされてたかもしれない」
「シンディ、あなたは私の大切なライバル。いずれ決闘する時が必ず来る。それまで誰にも負けないで」
レモネードをグイッと飲み干し、そう言い残すとシグレは風を起こしてそのまま姿を消してしまった。
「そういうシグレも誰にも負けないでよね!負けたらこの私が許さないんだから!」
その町の宿で一夜を明かすと、次の朝早くシンディはサンセットに跨り、再び広大な荒野に飛び出すのであった。 >>129
急転直下からの反撃ですね
やはり、ライバルとは、真の敵を前にした時には助け合わないといけません(個人的見解) >>129
来た来た待ってた、待望の続き
『ピンクの悪魔』の陰謀・・・『レモネード』を飲む
黒幕が謎でしたけど、すごい話になってしまった・・・
でもしっかり助けに来ましたねw >>132
>>133
感想ありがとうございます!
もしかするとシグレは本当はシンディをライバルというより、友達として見ているかもしれません
あ、最後辺りでシグレが普通にレモネードを飲んでいましたが、お面をつけていても飲食は可能ですw
今回も楽しんでいただけて本当に嬉しいです! >>123
使用するお題→『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』
【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】(1/3)
※スレ5>>880【せっかちなんて百害あって一利なし】の続編かつ完結編です
私の名は白石ホノカ、どこにでもいる普通の高校生。ある朝、私は寝坊して遅刻しかけていた。
昨夜きちんとセットしてあった目覚まし時計が、いつの間にか電池切れを起こしてアラームが鳴らなかったのだ。
「ウワーッ!遅刻だー!」
急いでパジャマから制服に着替え、1階の食卓に向かう。テーブルに置かれたトーストとホットミルクを一気に口に入れる。
「ホノカ、朝食はちゃんとゆっくり食べなさい」
「寝坊したのにゆっくり食べる暇なんてないわよ!お母さんってホントおっとりというか呑気なんだから!」
歯磨きも済ませてバッグを手に取ると、勢いよく外を飛び出して学校へと向かう。
「急がなきゃ!今日は中間テストの日だっていうのに!」
なんとか死に物狂いで走ったため、学校には何とか間に合った。「おはよう!」の挨拶と共に教室に入ったその時、クラスメート達が自分の方を見て笑い始めた。
「な、何?私の顔になんかついてる?」
「白石、足を見てみろよ」
「へっ?」
足下に目を向けてみると、なんとローファーではなく、お母さんのサンダルを履いてきているではないか。
そう、あまりに急いで家を出た為、ちゃんと確認していなかったのだ。ホノカは恥ずかしくなり、顔はトマトのように真っ赤になった。
クラスメートに笑われながら自分の席に着くと、近くにいた一人の男子がからかってきた。
「よう、白石!サンダルを履いて登校とはたまげたぜ」
「う、上田…!」
彼の名は上田ミノル。自分によくちょっかいを出したり、からかってくる変な奴だ。
「お前ってさ、本当にせっかちなところあるよな。人生、もう少しのんびりに行くべきだと俺は思うぜ」
「べ、別にせっかちというわけじゃないわよ!ただ、寝坊して必死だったから…」
「ふーん。まあ、でもお前って面白いよな!」
9時になってチャイムが鳴り、テストが始まった。テストをする中、ホノカはふとミノルのことが頭に浮かんできた。
「(あいつ、やたらと私にちょっかい出してきて…。私のことが好きなのかな・・・ってダメダメ!ホノカ、今はテストに集中しなきゃ!)」
3日間の中間テストが無事に終わり、昼過ぎの下校時間となった。校門を出たその時、ミノルが駆け寄ってきた。
「おーい白石!」
「な、何よ上田。私になんか用?」
「なんか用ってお前、教室出た時に財布落としてったぞ。ほら」
よく見るとバッグが開いているままだ。今日は試験が終わったということで早く家に帰って、
撮り溜めていたドラマを見るため急いで帰宅しようとして急いでいたのだ。その拍子に財布を落としたというわけだ。
「あ、ありがとう上田。そ、その、キツい態度取ってゴメン…」
「別に気にしてねえよ。でも、そのせっかち治した方がいいぜ。それじゃ、気をつけて帰れよ!」
家に帰る途中、ホノカの頭の中にはとにかくミノルのことでいっぱいだった。
「(上田が私のことを好きかもしれない。それに私も上田のことが好きなのかもしれない…)」 【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】(2/3)
一方のミノルは家でベッドに寝転び、楽しそうに漫画を読んでいた。そんな中、ふとホノカのことを思い出す。
「(白石って本当に面白いというか可愛いよなぁ…。あのせっかちなところがやっぱりチャームポイントなんだろうなぁ)」
翌日、ホノカが学校に向かっていると途中、偶然にもミノルと出くわした。
「おっ白石!おはよう!あれ、今日はゆっくり歩いているんだな、いつも必死に走ってそうなイメージなのに。珍しいこともあるんだな、雪が降るかもな」
「あ、あんたは余計な一言が多いのよ上田!それ以上からかうとケツ蹴り飛ばすわよ!」
そして特に会話もせず、黙り込んだまま教室に入る。互いに顔を合わせなかったものの、2人とも顔が赤くなっていた。
「「ま、まさかこれが恋!?こうなったら徹底的に勝負するしか他にない!!」」
それ以降、ホノカとミノルの密かな恋のバトルが始まった。どちらが先に屈して(?)告白するかだ。
「おい白石、お前の靴下に糸屑いっぱいついてるぞ」
「あ、ありがとう」
まずはミノルの番のようだ。ミノルはホノカのハイソックスについた細かい糸屑を丁寧に取っていく。
次はホノカの番だった。休み時間、ミノルがジュースを飲んでいる時に後ろから話しかける。
いきなり話しかけられビックリしたミノルは思わずジュースを吹いてしまい、ブレザーがジュースで濡れてしまう。
「あっ大丈夫!?すぐに拭いてあげるから待って!」
急いで近くの水道でハンカチを濡らし、ジュースでビショビショになったミノルのブレザーを拭く。
「急に話しかけてきたからビックリさせちゃった?ごめんね!」
このような些細でしょうもない恋愛頭脳戦(というべきなのか)が、1週間も続いたある日のことだ。
「急がなきゃ!急がなきゃ!」
全ての授業が終わって下校時間となった。今日は予約していたDVDの発売日で、ホノカは行きつけの書店へとにかく急いで向かおうとしていた。
「早く急いで家に帰って見なくちゃ!」
とにかくせっかちで急いでいる時のホノカは周りが見えなくなることがよくある。必死に走る中、左足の方のローファーが脱げ落ちてしまうが彼女は気がつかない。
今度は居眠りしている野良犬の尻尾を気付かず踏んでしまう。眠りを邪魔されて怒った犬がホノカを追いかける。
ワンワン!とうるさく吠える声に気付き、後ろを振り返った時にはもう遅かった。
犬は彼女のスカートに勢いよく噛みつき、グイグイと乱暴に引っ張り始めた。
「ウ、ウワワッ!や、やめて!スカート引っ張らないで!あっち行って!」
しかし犬は怒り狂っており、頑なにスカートを放そうとしない。スカートがビリッと音を立てて破け始める。
「いい加減放してよー!」
涙目になるホノカ。その時、何かが犬の頭にゴン!と直撃し、犬はキャンキャンと鳴きながら逃げて去っていった。
怖くて目を瞑っていたホノカが目を開けると、足下には自分のローファーが落ちていた。
「お前のせっかち、もはや病気だな。笑えてくるレベルだぜ」
「う、上田!」
ようやく、ローファーがいつの間にか脱げ落ちていたことに気付く。ミノルが自分のローファーを野良犬に投げてぶつけて助けてくれたのだ。 【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】(3/3)
「ほ、本当にありがとう上田。な、何というか、その、私って本当にせっかちでバカよね…」
「まあ、そのせっかちなところが可愛いんだけどな。でも、お前のローファー役に立ったぜ、まさに最終兵器だ。これしかお前を助ける手段無かったからな」
「さ、最終兵器って…。ね、ねえ今可愛いって言わなかった?」
「べ、別に。お前の空耳じゃねえのか?」
しかし、2人は互いに顔を合わせてアハハと笑い合う。ミノルはホノカを自分の家に連れて行き、
犬に引っ張られて破れてしまった彼女のスカートのプリーツを綺麗に縫って直してくれた。
「これでよしっと!」
「ありがとう!ってか上田、あんた裁縫得意なのね。すっごく意外!」
「小学生の時から母さんがよく教えてくれたんだ」
その後、ミノルはレモネードとチョコの詰め合わせを持ってきてくれた。
「レモネード美味しい!上田、本当に色々とどうもありがとう。もう感謝しきれなくらいだわ」
「そこまで感謝されるほどでもないさ。お前のことが放っておけなかっただけだ」
「カッコつけちゃって!上田って本当に面白いよね!」
「面白いのはお前の方だ、白石」
レモネードとチョコを楽しみながら、ミノルはふと口に出す。
「あのさ、俺、白石のこと、めっちゃ好きなんだ!なんというかスッゲー可愛い!せっかちなところもだけど、特に横顔が!」
「ウフッ!私も上田のこと大好き!ひょうきんなところがイイ!というか、横顔フェチだったのね」
「べ、別にフェチじゃねえよ!」
それ以降、ホノカとミノルは恋仲となった。高校卒業後、同じ大学に行き、そして遂に結婚した。
「それじゃあ行ってくるぜ、ホノカ!」
「行ってらっしゃい!あと、それから事故にはくれぐれも気をつけてね」
「お前もせっかちでトラブル起こすんじゃないぞ」
「失礼ね!それくらい分かってるわよ!」
仕事に向かうミノルを嬉しそうに手を振って見送るホノカなのであった。
THE END >>135
まさかの続編w
密かな『恋愛頭脳戦』、ローファー『最終兵器』、『レモネード』とチョコ
相変わらずのせっかちから、過程を経て、ハッピーエンド・・・
でもせっかちは治した方がいいと思うw >>135
中々フェチな頭脳戦ですねw
どうでも良い事ですが、"惚れた方の負け”みたいな風潮って、何なんでしょうね? >>138
>>139
感想ありがとうございます!
はい、まさかの続編ですw お気に入りの作品でしたので続きを書きたくなっちゃいました
そうですよね、恋愛は惚れた方も惚れられた方も最終的に結ばれて、幸せになればそれで十分ですよね
勝敗とかそんなの気にしてちゃ、恋愛というものは一切成り立たないと私は思います
こちらも楽しんでいただけてすっごく嬉しいです! ところで次回の企画ですが、ジャンル指定か、リレー企画か、どちらかと考えています
どうしよう うーん、それでは、他の意見がなければ、ジャンル指定にしましょう >>123
使用お題→『ピンクの悪魔』『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』『銀河最強』
【今回は痛い作文でお茶を濁します】(1/2)
筆者は居直った。必ず、かの難攻不落のお題を消化しなければならぬと決意した…………こんな駄文を投稿したのが、一年と少し前である。
長いことスレに居座って、好き放題書き散らしてきた。それなりの作品を、まずまずの頻度で……と言いたいところだが、筆者の実感としては、実力以上のものを、継続的に、という方が近い。
筆者は、同じネタを使い回さないようにしている。半分は読者のため、もう半分は自分のために、そうしている。
意図して繰り返す場合でも、例えばパロディなら一度きり、連作ならヘビロテに注意する。もちろん例外はあるし、それとは別に、同じ人間が書く話なので、似通ってしまうことはある。
要するに何が言いたいか。今回は例外の方に近い。今回はお題が難しいので、あからさまなやり口でもって、筆者の弱みを見せるいい機会だと思ったのである。
最初に、お題の話をする。
日曜深夜、筆者はお題を見て、よく分からないものはリサーチする。今回特に問題なのは『ピンクの悪魔』と『恋愛頭脳戦』である。
まず『ピンクの悪魔』でググる。実際にググれば分かるが、カー○○さんである。あとGG○である。なるほどね。
筆者は○○ビーさんで遊んだ記憶がない。筆者はゲーム機を持っておらず、筆者の竹馬の友も同様であった。
ならばGG○だが、筆者はS△○に関心がなく、つまりは、シリーズの作品を、どれも読んだことがないのである。そりゃねーだろ、という話だが、筆者の読書経験は割合貧弱な方で、こういう穴は結構多いのだ。
次に『恋愛頭脳戦』である。こちらはググるまでもないが、一応は調べてみる。とりあえずテンプレっぽいラブコメなのね、というのが筆者の理解である。
なぜこんな話をするか。
別に筆者の無知を自慢したいわけではない。そりゃ誰にだって知らないことはある。そうではなく、筆者の狙いは緊張の緩和である。
『同じネタを使い回さないように』書くことは、ともすると、読者を作品で殴り続けることにもなる。そこまで力のあるものを書いた覚えはないが、筆者は、読者が疲れてしまうことを恐れている。
筆者は、種明かしが必要だと、考えている。なんであれ、仕組みが分かれば、大したことがないと思えてくるものだ。
お題の話を続ける。
『最終兵器』は、ほぼ自明だろう。少し調べるだけだ。『レモネード』はシンディ専用。『銀河最強』は、またカ○○ーさんのようだが、筆者としては、オラわくわくする方だ。
オラわくわくしてきたぞ。
ここまで、お題を一つ一つ検討してきた。次に、この成果を実作に取り入れることを考える。
まずは、単純に足し合わせてみる。『ピンクの悪魔』は、主人公か敵対者のどちらかだろう。物語の内容は『恋愛頭脳戦』である。途中で『最終兵器』が登場する。『レモネード』は分からない。そして誰かが『銀河最強』だと判明する。
一見して問題なさそうだ。だが、筆者に言わせれば、これでは文字通り話にならない。前述の『成果』が、ちっとも反映されていないからだ。 【今回は痛い作文でお茶を濁します】(2/2)
ここで「構造」について話すことにする。これは、構造主義の『構造』ではなく、大江健三郎の著作『小説の方法』の用語である。
例えば「文学表現の言葉」には「構造」がある。『文学表現の言葉』とは、これも同書の用語だが、要するに、詩や小説に見られる印象的な表現のことだ。その目的は読者の注意を引くことにある。
それで肝心の『構造』だが、これは単に、少しふわっとした、広い意味の用語だと思っておけば良い。
この「構造」の中身は、小説家が勝手気ままに考えるものではない。これは現代文学の理論なので、前述の例だと、その言葉の同時代における意味や使われ方が中心となる。
小説に関するあらゆる概念に「構造」はある。
もちろん、お題にも「構造」がある。言葉としての意味、係る文脈、出題の意図は、お題の「構造」ということになる。
この「構造」を取り込んだ作品は、実利的な言い方をすると、含蓄のある、つまりは読んで面白いものとなる。
また、こうした「構造」のあれこれは、先述の通り、『小説家が勝手気ままに考えるものではない』ので、読者の理解を助け、作品を読みやすくする効果がある。あとネタを自力で考えずに済む、というのもある。
以上が、お題を検討し、その『成果』を用いる理由である。
手始めに、『恋愛頭脳戦』に戻って考えることにする。これが話の本筋となるからだ。
元ネタに倣えば、ラブコメを書くことになる。だが、ここで筆者のブライドが邪魔をする。元ネタと同じことをやっても意味がない。
ならばシリアスな恋愛ものはどうか。『ピンクの悪魔』に『最終兵器』なんて、いかにもな題材である。ただ前者の構造は使いにくいので、『ピンク』と『悪魔』に分けて考えることにする。
ヒロインは『ピンクの悪魔』、すなわちサキュバスである。彼女は元は人間だったが、なんらかの理由で『悪魔』に改造されてしまったのである。
ヒーローは、ヒロインがまだ人間だった頃の恋人である。二人は互いに未練がある。同時に、ヒロインは悪魔なので、同族のために働かなくてはならない。そして、実はヒーローは、悪魔をやっつける勇者様である。
つまり、ヒロインは、対勇者の『最終兵器』というわけだ。『恋愛頭脳戦』でノクタ池を回避しつつ、バッドエンドからは逃れられない、という趣向である。
正直なところ、ここまで書いて筆者は力尽きた。つーか話が重いな。筆者は、愛の戦士にはなれそうもない。その割に、あらすじから漂うラブコメ臭である。
男女逆ではどうだろうか。ヒロインは、聖女様か女エクソシストである。ヒーローは悪魔だ。
少し考えると、この設定は駄目っぽいことが分かる。
ヒーローがフツメンだとする。フツメンの悪魔など許されない。気持ちよく除霊して終わりである。
ヒーローがイケメンだとする。ノクタかムーンライトか、どちらか行きである。悠長に頭脳戦をしている場合ではない。それに、イケメンの悪魔なんて、想像するだに腹立たしいコンセプトである。まったくひどい。
目先を変えて、TSヒロインならどうだろうか。ヒーローは元親友である。
筆者は少し考える。駄目ではなさそうだ。ただしラブコメ一直線である。しかもTSだ。
『銀河最強』にかわいいヒロインと、『レモネード』を飲むデートである。オラわくわくしてきたぞ。
……率直に言って誰得である。
そう言えば、『恋愛頭脳戦』の元ネタには、ピンク頭のキャラもいるのだった。この路線なら……とも思うのだが……。
そんなこんなで時間切れである。あーあ。
おちもあとがきもなし。 >>123
お題:『ピンクの悪魔』『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』『銀河最強』
【ぐーたら女神にやらされる異世界生活】(1/3)
「あっの、ピンクの悪魔(女神)め!!」
坂口 醍醐の口から、思わずそんな愚痴が零れる。
周囲は見渡す限りの荒野であり、醍醐はそんな荒野を既に5時間近く彷徨っていたからだ。
醍醐にした所で、好きこのんでこんな所に来た訳では無い。彼は日本から、このレネスティ―の世界に転移させられたのだ。ピンク髪の女神を名乗る者によって。
******
「最近、地球ってさ、人口増え過ぎなのよね、他の世界との兼ね合いもあるしさ、バランス管理がピーキーに成っちゃって、面倒くさいのよ」
「は?」
醍醐の眼前にある、階段の数段上に設えてある板間の敷物の上に“それ”は寝転んで、ストローを咥えていた。
ピンク色の髪をした、目も覚める様な美人ではあるが、面倒臭そうな表情で透明なカップの飲み物を啜っている様子は、あたかも休日の姉を思わせる姿で、何とも残念この上ない。
「聞いてる? だからさ、ちょっと減らそうと思ってたのにさ、他の女神がうるさいのよ、あのブリッコ、ちょっと男神の受けが良いからって、チョーシに乗り過ぎ」
「いや、ちょっと待って、何の話? ってか君は誰?」
「は? 女神よ、女神。見て分かるでしょう? ひれ伏しなさい、頭が高いわよ」
不機嫌そうに身を起こした女神は、胡坐をかきながら、どこからともなく取り出したポテトチップスをバリバリと食べる。
一方の醍醐はと言えば、気が付くとこんな場所にいて、目の前にそんな女性が居たのだ。混乱するし、訳が分からない。
「そもそも、リソースだって有限なの、この間までは植物がバリバリ減ってたからバランスとれてたんだけどさ、エコとかって植林したり、動物の保護とかって言って管理し始めてるじゃない? 流石に他の世界分のリソースが足りなくなってきちゃった訳なのよ」
「いや、だから、何の話?」
「は? 魂よ、魂の数。頭の回転悪くない? さっきっからそう言ってるでしょ?」
「いや、そんな事、ひとっことも言って無いよ!?」
「は? アタシが言ってんだから、即座に理解しなさいよ! 鈍いわねぇ」
イライラした様子で女神が言う。醍醐は、どうにかこうにか女神の話をすべて聞き、それをまとめると、こう言いう事らしい。
彼女は複数の世界を管理する女神なのだが、最近の地球は、人口が増えるだけではなく、エコロジーやらなんやらで、動植物の数も増えているのだと言う。
それだけなら、むしろ良い事なんじゃと、醍醐は思うのだが、しかし、管理している側からすると都合が悪いらしい。
彼女の管理している全ての世界の合計の魂の量は決まっており、一つの世界だけで生物……動植物や精霊、妖精全てを含めて……が増え過ぎると、他の世界に割り当てるリソースが足りなくなるのである。
それでも最初は、精霊や妖精やらに割り振っていた魂を人間の方に使っていたので、何とかなっていたらしいのだが、今はそれでも足りなくなっていると言う。
ただ、それだけなら、世界の発展度を考えて、一時的に他の世界の生き物の総数を減らすだけでも良い、しかし、あまりにも減らしすぎると、次元の狭間から‟良くない物”が入り込んで来るのだとか。
俗にモンスターとか邪神だとか言われる物がそうらしい。 【ぐーたら女神にやらされる異世界生活】(2/3)
なので、大災害を起こして地球の人口を減らそうとしたら、他の世界を管理する女神に止められてしまったそうなのだ。
他の世界の湧き出るモンスターを減らさせつつ、リソースを増やす努力をしなさいと。
このピンクの女神(自称)は、最初リソースは一定量しかないと言っていたが、醍醐が根掘り葉掘り聞くと、実は増やせる物であると白状した。
生物に自らの魂を鍛えさせ、その量を増やさせる事で、分割に耐えうる量を確保できる様に成るからだ。
その為、他の世界の神達は、これはと言う人材を見つけては試練を課し、魂を鍛えさせるのである。
たが、このピンクの女神(悪魔)は面倒くさがってそれをサボっていたのだ。
それを聞いて、醍醐は他の世界の女神に感謝した。が、同時に思い至る事があった。
「え? つまりそれって……」
「邪神とか倒せば、魂の練磨になるでしょ? モンスターが湧き出してるとこ(世界)に送ったげるから、精々がんばって倒しなさいよ。アタシの為に」
「ちょ、ま!!」
「このアタシが見込んであげたんだから、結果残さなかったら、アンタ来世はミジンコね、これ、決定事項だから。あー、たった一人の人間(下等生物)の為に力を使ってあげる、アタシってマジ女神!!」
「いや、こら! 待てよ、おい!!」
「あ、そう言や、あのブリッコ女神、試練を課す時は神器か加護を与えなさいとか言ってたわね…… じゃ、これでいっか、はい」
そう言ってピンクの悪魔(女神)が放り投げて来たのは、さっき彼女が飲んでいた透明カップだった。
慌てて醍醐がそれを受け取ると、あっという間に視界がホワイトアウトする。
『じゃ、ヨロ〜』
こうして、醍醐は異世界に放り出されたのであった。
******
女神に投げ渡された、神器のカップから沸き出す飲み物で、渇きを癒す。いくらでも飲み物が湧き出すこのカップは、さすが神器と言う性能だった。
湧き出す飲み物は、おそらくあの時女神が飲んでいた物なのだろう。レモネードであり、悔しい事に、疲れを癒すには最適だった。
ただし、あくまで“飲み物”としては最適なだけで、それ以外には使い様が無いのだが。
ジリジリと肌を焼く太陽の光に、少しでも休息を取りたくはあるが、しかし、周囲に身を隠す様な場所は無い。
神器のレモネードのお陰で、疲労感は軽減されるが、しかし、足を動かし続けるしかないと言う現状に、精神的に疲弊していた。
「?」
その時、醍醐の耳に、風のうねりとは違う音が確かに聞こえる。
「人か? いや、人じゃなくても何か別の何かでも……」
代り映えしない現状に辟易していた為だろう。醍醐は警戒心も無く音のする方へと走り出し、足場が無くなった。
******
少女の眼前に居る魔獣は、そのドロリとした闇色の複眼で獲物を見つめていた。
ハアハアと肩で息をし、体中に幾つもの傷。手に持ったナイフも既にひびが入っている。
しかし、その目には未だ力を宿し、この絶望的な状況の中でも希望を捨てていない事がうかがえた。 【ぐーたら女神にやらされる異世界生活】(3/3)
「……そろそろ、いい加減諦めなんし。往生際が悪すぎるでありんすよ?」
「うるさいにゃ! 僕の限界は、僕が決めるにゃ!! 僕は諦めないにゃ!! ぜったい、銀河最強になってやゃるにゃ!!」
「ふう、威勢の良い台詞も聞き飽きたでありんす、そろそろ、わっちの経験値になりなんし」
魔虫使いの女がその下僕に「やれ」と合図を送る。
横にいた魔虫が、その外骨格の前肢を振り上げた。 振り下ろされるそれを、少女が必死にガードする。だが、彼女に出来たのはそれだけだった。踏ん張りの効かない足では、その威力に勝てず容易く吹き飛ばされ、岩に激突する。
ろっ骨が折れたのか、激しい痛みで呼吸すらできない。
しかし、彼女は諦める事は出来なかった。
銀河最強になる。
その夢を諦められない……いや、それは少し誤謬があるか。正確には、銀河最強になる事で叶えたい夢があるからだ。
数年前、丁度モンスターと呼ばれる怪物が出始めた頃だろう。この世界に、一つの“神託”が下った。
『この銀河で最も強くなりなさい。そうすれば、あらゆる願いをかなえてあげるわ』
銀河……と言う言葉が何を指すのかわからない者も多かった。しかし、最強と言う言葉が何を指すのかは分かる。
あらゆる者達が、自身の望みを叶える為、最強を目指したのである。
(アタシは最強になるにゃ!! 最強になって、ご主人様の所へ!!)
彼女にはある記憶があった。この世界に生まれる前の、大切な……
気力はある。だが、悲しいかな体は付いて来ない。
ギリリと、奥歯を噛み締める。
「上手く受け止めた様でありんすが、どうやら、ここまでの様ですわねぇ……では、本当に、これでさよならでありんす」
思わず少女が目を瞑る。その直後、ドゴオオオオォォォォォォォン!!!!!! と言う地響きが轟いた。
恐る恐る彼女が目を見開くと、そこには潰れて緑の体液をまき散らした魔虫と、それを見て呆然とする魔虫使いの女。
そして、その魔虫の上でキョロキョロと周囲を見回す黒髪黒目の少年がいた。
「……ご、ご主人様にゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
体の痛みも忘れ、思わず飛びつく少女。しかし、その後少年の口から出た言葉に、思わず凍り付いた。
「は? 君誰?」
******
醍醐の眼前には白髪の美少女が頬を膨らませてながら歩いていた。少女の名はエミュウ・バステト。その整った容姿もさることながら、目を引くのは、頭部に生えた猫耳と腰から伸びるしなやかな尻尾。そして、金と銀のテヘロクロミアの瞳。
醍醐を「ご主人様」と言った事も謎だが、今、こうして膨れているのも謎だった。
恐らく、彼女の機嫌が悪いのは自分の事を覚えていない事であろう。しかし、醍醐にしてみれば、あのピンクの悪魔(女神)に、今日突然送り込まれた世界であり、当然、知り合いなど居るはずも無い。
だがエミュウの方は、自分の事を知って居る事は当然と言う様子だった。
(でも確かに、何か、既視感が……)
「あら、そんな小娘を熱心に見つめるなら、わっちを見ておくんなまし」
「ちょ、アドニアさん!!」
ふっと、醍醐の耳に息を吹きかけるのはプテューゲル・アドニア。魔虫使いの女。
醍醐が落ちて来た当初こそ、自らの最終兵器とも言うべき大型魔虫を潰された事に憤ってた彼女だが、エミュウの彼に対する態度を見た途端、こうして醍醐に絡む様に成って居た。
「わっちの大事な物を奪ったでありんすんから、そんな小娘を相手にしないで欲しいんでありんす」
「ちょ、言い方!! 確かにアドニアさんの魔虫を潰したのは悪かったですが!!」
「プテューゲル……と呼んでくれなんしぃ」
「フーーーーーーー!!!!」
銀線が走り、エミュウの右手が醍醐の頬を掠める。プテューゲルは、それを読んで居たかの様に後ろに身を翻えす。
醍醐を挟んで二人の攻防が始まる。
彼の旅は始まったばかりだった。 エラーで進めなかったORZ
分割を間違えたようです お題→『ピンクの悪魔』『恋愛頭脳戦』『最終兵器』『レモネード』『銀河最強』締切
【参加作品一覧】
>>129【伯母の陰謀】
>>135【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】
>>144【今回は痛い作文でお茶を濁します】
>>147【ぐーたら女神にやらされる異世界生活】 ではー、ひさしぶりにジャンル指定です
ジャンルは引き続き、なろう準拠ではなく、進行が独自に調整したものを使います ジャンルは次の中から1つ選択→
『恋愛』『ファンタジー』『歴史』『推理』『ホラー』『コメディー』『SF』『童話』
『冒険』『幻想』『日常』『人生』『家族』『戦争』『動物』『スポーツ』
お題安価>>154-157
ジャンル安価>>158 ☆お題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』『円満破局』『釣り』から1つ以上選択
☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。
☆締め切り→5/10の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。
【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】 >>144
メタ小説ですね
江口寿史のマンガを思い出しましたw 今回も無事にお題が集まった・・・ありがとうございます
引き続きお題スレをよろしくです
>>147
また大作が・・・3レス目は60行制限ですね・・・
姉を思わせる『ピンクの悪魔』、神器の『レモネード』、『銀河最強』になる、『最終兵器』の魔虫、『恋愛』、、ってほどでもない『頭脳戦』w
いい加減な神託だにゃ、、姉、、女神に対する憎しみがw
>>160
感想ありがとうございますw
もう全然締切を守る気がないやつですねぇ>< >>161
感想、有り難うございます
書いて居た時は、合計170行だったので3スレで間に合うと思ったのですが……
ゴッソリ削る事に成りましたorz
おかげで、エミュウの前世が醍醐の飼い猫だったとかの情報が抜けて、良く分からないオチに >>159
使用するお題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『円満破局』『釣り』
【女騎士と謎の剣士】(1/3)
ここは、ありとあらゆる多種多様な種族が住む、魔法と想像で創り出された魔法の世界。そんな世界に一人の女騎士が旅をしていた。
彼女の名はシャロン。美しい藍色に輝く鎧を身に纏い、銀色の長髪をポニーテールにして束ねている。
華麗な剣さばきで敵をバッサバッサと討ち取る腕利きの騎士として知られ、彼女を尊敬する者もいれば、同時に畏怖する者も少なくなかった。
ある日、シャロンが深い森の中を歩いている時だった。
「ねえシャロンさん待ってよー!」
「もう、しつこいわね。いい加減ついてくるのはやめて」
フクロウの姿をした少年が空中からシャロンについてくる。その少年の名はクルック。
人間とフクロウのハーフである種族「ナイトウィング」の一人で、フクロウの如く暗闇の中でも正確に獲物を捕らえる能力、そして高い飛行能力を兼ね備えている。
彼は以前、敵に襲われ翼を負傷し息絶えそうになっていたところを、偶然通りかかったシャロンに手当てされて救われたのだ。
それ以来シャロンを命の恩人として好きになり、旅のパートナーになろうと後ろから必死に飛んでついて来ている。
「私はパートナーなんていらないの。あの時はただケガをして何だか可哀想だったから助けてあげただけ。そもそも人助けなんて大嫌いなの、誤解しないで」
「シャロンさんがそう言っても僕はついて行くよ!」
「ったく、生意気なフクロウ小僧ね。焼いて食ってやろうかしら」
しばらく歩いていると、大きな湖を見つける。シャロンは湖の近くに腰を下ろすと、どこからともなく釣竿を取り出して釣りを始めた。
「シャロンさん、お腹空いたの?僕が何か美味しそうな獲物捕まえてきてあげるよ」
「うるさい。私は今、焼き魚でも食べたい気分なのよ」
釣りを始めて10分頃が経過した時、釣竿の糸がグイッと引っ張られる。魚がエサにかかったようだ。
よし来た!とシャロンが釣竿を強く掴んで、勢いよく引っ張り上げてみると巨大な魚が姿を現した。
体は真っ赤で全身に鋭いトゲが無数に生えている。ビックリしたシャロンは急いで剣で一刀両断にしようとするが、
魚は一瞬の隙を突いて彼女の足に食らいつき、そのまま湖の中に引きずり込んでいった。
「シャロンさん!」
「おい何をする!放せッ!!」
クルックは急いでシャロンを助けようとするも、水中に潜られてしまうとどうすることもできない。
水中では重い鎧のせいで上手く動くことができず、抵抗することさえもできない。
「ま、まずい!このままでは溺れ死んで魚のエサになってしまう・・・」
まさに絶体絶命、死を覚悟したその時だった。何者かが素早い動きで魚を微塵切りにし、意識を失ったシャロンを抱えてそのまま湖の中から引き上げた。
「ゲ、ゲホッ!」
「大丈夫かい?」
意識を取り戻し、目をゆっくりと開けてみると、紫色の髪をした好青年が立っていた。どうやら彼が助けてくれたようだ。
「あ、あなたが助けてくれたのね。本当にどうもありがとう。名は・・・」
「俺はシェイン、自由気ままに旅をしている剣士だ。って、あれ?その藍色の鎧に銀色の髪、もしかしてシャロン?あの腕利きの女騎士の!」
「わ、私のこと知っているの?」
「知ってるも何も有名じゃないか!俺、あなたの憧れなんだ!」
そのシェインと名乗る剣士はシャロンにもう夢中だった。
「ねえ、家族にならないか!幸せで楽しい生活を一緒に送ろう!」
「はあ?」
突然のプロポーズ?にシャロンは開いた口が塞がらなかった。 【女騎士と謎の剣士】(2/3)
唐突ではあるがシャロンとシェイン、そしてその場にいたクルックはその勢いで家族となった。
彼らは森の外れにある小さな滝の近くに、家を建てて暮らすことになった。
「ねえ。家族になったのはいいけど、どうしてフクロウ小僧も一緒なのよ!」
「いいじゃないか、家族は多い方が楽しくていい」
「シャロンさんと一緒だなんて、僕すっごく嬉しいよ!」
しかし、シャロンは不思議な気持ちになっていた。彼女は盗賊の両親の間に生まれたのだが、ろくに相手もされず、
愛情を持って育てられたことがほとんどなくて、ずっと寂しい思いをしてきたのだ。
それがその日偶然出会った剣士に、突然プロポーズされて家族になったのだ。
「(家族ってのもいいかもしれない・・・)」
シャロンは今までずっと見に纏っていた鎧を捨てると同時に、長い髪をバッサリと切った。
もう騎士としての自分は終わった、これからは平凡でも楽しい毎日を過ごしていこう、そう決意したのだ。
シェインとの生活は本当に楽しかった。明るくて優しく、そしてユーモラスな彼の存在は彼女の荒んでいた心を癒してくれた。
そんな楽しい生活が始まって、早くも一年が経過したある日のことだった。
「グ、グ、グアッ!!」
「どうしたのシェイン!」
妙なドス黒いオーラに包まれ、シェインがひどく苦しんでいる。突然、どこからともなく声が聞こえてきた。
「シェイン、お前は暗黒魔族であるフィアースの一員で、邪悪な魔術師になってこの世を暗闇と悪夢で覆い尽くすのが使命なのに何を遊んでいる!」
「お父さん、僕はフィアースの名を捨てたんだ。邪悪な魔術師になんてハナからなりたくなかった、立派な剣士になるのが夢なんだ!」
「そう言うのなら強硬手段に出るしかないな」
「アッ、アグッ、ウガッッアアアー!!!」
「シェ、シェイン!!」
黒い煙に包まれ、シェインの目は赤く光り、頭からは悪魔のようなツノが生え、牙は猛獣のように鋭くなった。
フィアース、それは異次元の暗黒世界に住む邪悪な魔族で、世界を暗闇と悪夢で包み込んで乗っ取るのが目的だ。
「シェイン、目を覚まして!落ち着いて!」
しかし、理性を失ったシェインにはシャロンの声は全然届かない。シェインは自分を止めようとする彼女を殴り飛ばすと、目から黒いビームを発射し、青い空を黒く染めていった。
空は完全に真っ暗になり、まさに闇の世界と化してしまった。こうなったら、力ずくでもシェインを止めるしか他に方法はない。
しかし、自分には鎧や剣はもうない。成す術なし、もはや諦めるしかなかった。
「シャロンさん、泣かないで。ここは僕に任せて」
「ク、クルック…!」
シェインを救うことができず、絶望に打ちひしがれるシャロンの前に立ったのはクルックだった。
「僕はフクロウ。フクロウには暗闇なんてちっとも怖くない」
クルックは瞳を金色に輝かせると、翼を大きく広げて空中に舞う。
「荒療治かもしれないけど、こうするしかないね!」
勢いよく急降下し、鋭い嘴や足の鉤爪でシェインに攻撃していく。
「暗闇なんてフクロウにとっては遊園地みたいなもんさ!」
「ガッ、グワッ!!小賢しいフクロウめ!やめろ!」
「アハハ!まだまだだよ!」 【女騎士と謎の剣士】(3/3)
音も一切立てずに、暗闇の中でも確実に獲物を捕まえる。まさにフクロウの真髄、ここにありだ。
さすがの暗黒魔族フィアースの一人であるシェインでさえも反撃することができない。
全身が傷だらけになり、シェインはとうとう膝をついてしまう。
「シャロンさん、今だよ!」
シャロンは立ち上がって走り出す。しかし、今の彼女には鎧も武器となる剣もない。
「シェイン、お願い!目を覚まして!」
シャロンはシェインを思いきりギュッと抱き締める。シェインの全身に彼女の温かさが伝わってくる。
「(こ、これが愛というものなのか・・・は、初めて身に染みて感じる・・・!!)」
シェインの身を包む黒いオーラは自然と消えていき、黒く染まった空も綺麗な青色に戻っていく。
悪魔のような姿に変貌した彼の姿はついに元に戻った。
「お、俺、なんてことを!シャロン、迷惑をかけて悪かった!」
「気にしないでシェイン。あなたはちっとも悪くない」
「本当に、本当にありがとうシャロン!」
シャロンとシェインはそのまま互いに強く抱き締め合うのだった。
・・・・・・・・・・・・・・
「シャロン、それからクルック。暴走した俺を止めてくれて本当にありがとう」
「シェイン、これからどうするの?」
「俺はフィアースの野望を阻止するため、そしてフィアースそのものを滅ぼすために異次元の世界に戻って戦うよ」
シェインはハアァァッ!と大きな叫び声を出して空間を歪ませ、異次元の世界へと結ぶ穴、そう入り口を作り出す。
「異次元の世界に飛び込めば、俺はもう二度とこの世界に戻ることはできない。でも、それでみんなが平和に幸せに暮らせるなら十分さ」
「シェイン、あなたのことは絶対に忘れない。僅か一年暮らしただけだったけど本当に楽しかった」
「ありがとう、シャロン。俺はもう行かなきゃ。楽しく、幸せに暮らせよ」
そう言うとシェインは異次元の世界に飛び込み、入り口である穴は閉じて無くなってしまった。
騎士としての自分を捨てた今、シャロンは違う人生を歩もうと決心した。でも、一人ではなんだか心細い。
「シャロンさん、僕がいるじゃないか!」
「クルック!今まで邪険に扱って、本当にごめんなさい・・・」
「全然気にしてないよ。僕がシャロンさんを守るから安心して」
「ウフフ、ありがとう」
「シャロンさんは鎧ない方が優しい感じがして、僕は好きだなあ」
「えっ、そ、そうなの?」
シャロンの顔がポッと赤くなる。この世界、一体何が起こるか分からない。
しかし、そばに頼れるパートナーがいればそんなのちっとも怖くない。
今こそ新たな人生スタートへの第一歩を踏み出した、歴史的瞬間なのである。 >>163
数奇な出会いと別れですね
一途な愛と、自らの運命に準ずる覚悟
どちらも確かな愛だと思います >>163
なるほど、、これは考えたな、という感じですね・・・!
『ファンタジー』世界、『釣り』を始める、暗闇と『悪夢』・・・『円満破局』!
ちょっと神話的な感じもする、お題に忠実な話でした! >>166
>>167
レイチェルシリーズの者です、感想ありがとうございます!
かなり久々の新作です。『円満破局』をどんな風に書けばいいか結構頭を悩ませました
それに至るまでのシャロンとシェインの恋愛をもっとじっくり書きたかったなと思いました
バトルでは脇役のクルックがめっちゃ活躍してましたね、真の主人公は彼かもw
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです! >>159
使用するお題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』
【私のニーソに憑依する悪魔】(1/3)
※スレ6 417【登校中の悲劇】の続編かつ完結編です
ある日の正午、一人の女子高生が暗い気持ちで家路に着いていた。彼女の名は稲村エリナ。
今朝、エリナは寝坊して学校へと必死に走る中、水たまりに足を突っ込んでしまったり、野良犬にニーソを噛みつかれたりと色々と散々な目に遭ったのだ。
特に野良犬に噛みつかれて引っ張られた左足のニーソは、縫い目から思いきり破けてしまっていて酷い状態だ。
家に帰ると破けてしまった左足の方のニーソを母に渡すと、今朝のアクシデントを母に全て話す。
母は苦笑いしながら、破けてしまった縫い目を綺麗に丁寧に縫って補修してくれた。
しかし、そのニーソは部屋着のみとして使用することになり、登校かつ外出用に別の新しいニーソを買ってくれたのだが、エリナの気持ちは晴れなかった。
寝坊したのはもちろん自分の責任で、あんなアクシデントに見舞われてしまった運の悪さを恨むしか他にない。
しかし、登校だけでなく外出でも愛用していた、とてもお気に入り黒ニーソだったため、エリナはとても落胆していた。
それ以降、新しいニーソを履いていくことになったわけだが、缶ジュースを持って走っていた男の子が目の前で転んでしまったために、
ジュースがニーソにかかってビショビショになったりと、ニーソに関して何かとアクシデントに見舞われることが多くなった。
「私のニーソ、なんか呪われてるのかしら?」
そう考えると、エリナはだんだん怖くなってきた。
・・・・・・・・・・・・・
「あ、あれ?何で私、ベッドでなくて床で寝ているの?」
ふと目を覚ますと、エリナは自分が床の上にいることに気付く。寝ている間にベッドから転げ落ちてしまったのだろうか。
違和感はそれだけに留まらなかった。やけに周囲の物が非常に高く、大きく見えるのだ。体が縮んでしまったのか。それに体を上手く動かすことができない。
近くに鏡が置いてあったので、それで自分の姿を見た途端、彼女は絶句した。
なんといつの間にかニーソに変わっていたのだ。
「な、何よこれ。私、ニーソになっちゃったの!?」
すると部屋のドアが開き、誰かが中に入ってきた。母だった。
「お母さん、私よ!何故か分からないけどニーソになっちゃったの!助けて!」
しかし母にエリナの声は全然伝わらない。母は彼女を掴んで拾い上げる。
「このニーソ、もう捨てなくちゃね」
「す、捨てる!?や、やめて!!」
母は手に持っていたゴミ袋にそのままエリナをポイっと入れる。そのまま袋をキュッ!と強く締めると、他のゴミと共に捨ててしまう。
「だ、誰かここから出して!助けて!」
・・・・・・・・・・・・・
「ウワアアアッッ!!!」
大きな叫び声と共にエリナは目を覚ます。どうやらさっきのは全部夢だったようだ。
夢であったことに安堵するものの、同時に心臓がバクバクしていた。
「悪夢だったわ、本当に・・・」
すると突然、窓の方から青く眩い光がガラスをすり抜けて部屋の中に入ってきた。 【私のニーソに憑依する悪魔】(2/3)
「な、何?まさか幽霊?」
「幽霊ではありません。私は精霊です、エリナさん」
「せ、精霊?というか喋った!?それに何で私の名前知ってるの?」
その精霊と名乗る青い光がエリナに話しかけてくる。
「私は靴下の楽園であるソックストピアからやって来た精霊、ソックーと申します。エリナさん、あなたを救うためにここに来たのです」
エリナは今の状況をイマイチ掴みきれなかった。そんな彼女のためにソックーは説明する。
エリナが最近やたらとニーソに関してアクシデントに見舞われるのは、そのニーソに悪魔が憑依しているからだという。
その悪魔はデビックスと呼ばれ、さっき見た悪夢もそのデビックスの仕業ということだ。
「エリナさん、デビックスを倒すため私と一緒にソックストピアに向かいましょう!タンスの一番下の引き出しを開けるのです!」
「う、うん!」
ソックーに言われるがままに、エリナはタンスの一番下の引き出しを開ける。すると眩い光に包まれ、彼女は中に吸い込まれていった。
しばらくして目を開けると、そこはソックストピアと呼ばれる靴下の楽園で、様々な靴下が生きており楽しく生活していた。
「く、靴下が喋ってる。不思議な世界ね」
「そうでしょ?それより今はデビックスのアジトへ向かうのです」
ソックーに導かれ向かった先には、大きくて黒く禍々しい建物があった。そこがデビックスのアジトだった。
「イッヒッヒヒヒヒ!この稲村エリナって奴の絶対領域はなかなかだな。こいつのニーソはイジメがいがある」
デビックスは自分の分身にして部下である子分達をエリナのニーソに憑依させていく。
「そこまでだデビックス!」
「何だ!ソックー、それにあのエリナだと!?何故この世界にいるんだ!」
「お前の野望を阻止するために私が連れてきたんだ」
「デビックス、お願いだから私のニーソから離れて!」
「うるさい!誰がやめるものか!」
エリナはデビックスを捕まえようとするが、デビックスはヘビのように体をくねらせて逃げていく。
するとエリナはあることに気がつく。よく見てみるとデビックスの体には、大きく破けた跡があったのだ。
「その破れ穴、一体どうしたの?」
「ん?何だ、これか?本当は話したくないけど特別に話してやろう、せっかくだからな」
デビックスは元々、一人の女子高生に愛用されていた綺麗な白ニーソだった。ある日、うっかり茂みの枝に引っかけてしまい、それで破けてしまったのだ。
破れはしたが、すぐに補修できてまだ履ける程度なのにゴミとして捨てられてしまったのだ。
それ以来、彼は人間を心の底から憎むようになり、それ以来愛用されている靴下、特にニーソを狙うようになった。
「デビックス、あなた・・・!」
「ふん、同情なんていらないぞ!俺の靴下としての人生はとっくに終わったんだ!」
「ううん、まだ終わってない!私があなたの新しい持ち主になる!」
「えっ!?」
エリナの突然の言葉にデビックスは一瞬動揺し、心の整理がつかなくなってしまう。 【私のニーソに憑依する悪魔】(3/3)
「お、俺は一体、どうしたらいいんだ?な、何だこの不思議な感情は!」
赤や青、緑や黄色など様々な色が混ざり合って汚れたデビックスの姿は自然と綺麗になっていき、元の雪のように綺麗な白ニーソに戻っていった。
「エリナさん。あなた、デビックスの汚れた心を浄化させたのです。その優しいお言葉で!」
「彼が寂しくて心を病んでいたのにすぐに気付いたの。でも、もう大丈夫」
デビックスの野望を無事阻止することができたエリナは、ソックーの力で元の世界に戻った。
既に朝が来ており、小鳥が元気よく鳴いている。彼女の手には、デビックスの全身である白ニーソがあった。
「さてっと始めようかしら!」
裁縫箱を持ってくると針に糸を通し、破け穴を丁寧に縫って補修していく。
「これでよしっと!これからは私があなたの新しい持ち主よ!」
それ以来、エリナはニーソのことでアクシデントに見舞われることは一切無くなった。
そして登校する時やどこかに出かける時は、いつもその白ニーソを履いていく。
「エリナ、白のニーソを履くなんて珍しいわね。いつもは黒なのに」
「そう?ちょっとした気分転換かな」
また廊下を歩く度に、近くから男子の声が聞こえてくる。
「なあ、あのC組の稲村って子の絶対領域サイコーだよな!」
「そうそう、白のニーソもかなり似合ってるよな!」
その会話を聞くと、エリナはとても嬉しくてついニヤニヤしてしまう。
朝が来て着替える度に、エリナは白ニーソにこう優しく話しかけるように言う。
「今日もよろしくね。明日は楽しいお出かけよ」
THE END >>169
おお、またも続編ですが・・・なんだこれ!w
ニーソの『悪夢』、『ファンタジー』靴下世界w、主人公の『絶対領域』
作者様の持ちネタをやってるだけなのに、不思議で独特で突き抜けた話になってますね
なんかすごかった >>169
ニーソの精霊の国w
自分が不幸な目に遭ったからと言って、お気に入りの娘を不幸にして良いはずがないですよね
そして、そんな理不尽な心を救うのはアガペーですね >>172
>>173
感想ありがとうございます!
こちらもまさかの続編ですw 以前書いた【マイライフ・アズ・ブーツ】のニーソ版、といった感じですね
単純に成敗するのではなく、主人公が辛い気持ちをしっかりと受け止めることで悪が浄化するという展開は
今まであまり書いたことがなかったので結構新鮮でした
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです! >>159
お題:ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』『円満破局』『釣り』
【宮廷闘争の間違った治め方】(1/3)
「さて、クライマックスだ」
俺、クライクン・フォン・ベネガルドはそう呟きながら襟元を正す。ここ数か月余り奔走して来たのは今日この日の為だ。
俺の隣にはベネティクト・フォン・シェザール。シェザール公爵家令嬢で、俺の共犯者の女性でもある。
艶やかな赤毛とやや吊り目がちながら整った顔。そしておみ足が素敵な御令嬢だ。前方から見ると太ももまでしかないデザインのスカートに合わせた、膝上までのストッキング。白い絶対領域が眩しいぜ! ありがとうございます。
「……クライクン?」
「っと、悪りぃ、でも、ちょっとばっかし足癖が悪うございませんかね? お嬢様」
つい、しゃがみ込んでガン見してしまったらしい。ベネティクトの膝蹴りを躱しながら俺は謝る。
彼女がこう言った変則的なドレスを好むのは、蹴り技が得意だからと言うもっぱらの噂だが、それは真実だったらしい。
再び、横並びとなり、彼女の手を取る。こう言ったパーティーでエスコートして入って来る女性は、家族か恋人に限定される。
だからこそ噂を流したし、その為の偽装工作もして来た。
パーティー会場までもう少し。そんな俺達の前に、立ち塞がる者が居た。
******
親父に呼び出された俺は、酷く面倒臭そうな顔をしていただろう。
苦笑した親父は「まぁ、座れ」と、席を勧めた。
「クライクン、お前に頼みがある」
「断って良い?」
「ダメだ。お前が適任だからな」
なら頼みとか言わないで欲しい。それ、命令だから。
「お前にはシェザール公爵家のご息女と婚約をして貰いたい」
「シェザール公爵……ベネティクト様と!?」
「もちろん、欺瞞工作だが」
「何だウソかよ」
うん知ってた、知ってた。兄貴ならともかく、俺だと釣り合いが取れない才女だ。
さて、何故そんな話に成っているかと言えば、まぁ、宮廷に良く有る派閥抗争の為だ。親父、ベネガルド侯爵は、第一王子派な訳だが、昨今のお国のパワーバランス的な事も有り、軍部に支持基盤を持つ第二王子派の連中が幅を利かせている。
俺なんかは、平和主義者の第一王子がトップに立ってくれた方が良いと思うんだが、戦争で手柄を立てたい人達は、隣国との戦争がご希望らしい。
その派閥のトップがグレゴリー辺境伯。隣国との戦争が起きて最も利するからってのも当然だが、小競り合いを続けている辺境伯としては、感情的にも戦争肯定な訳だ。
シェザール公爵は第二王子派ではあるが、今は積極的戦争を避けたいと思っている。中央付近の飢饉の影響で、国力が弱まっているからだ。
このタイミングで戦争を強行すれば、例え勝ったとしても土地の意地が難しいと言う判断らしい。
それ故に、グレゴリー辺境伯の発言力を少しばかりそぎ落としておこうって訳だ。
その為の偽装婚約。つまりは本当には婚約などしないが、そう、匂わせる事で相手にアクションを行わせようって事だ。
何せ、第一王子派トップの子息と第二王子派トップの御息女の婚約だ、上手く行ってしまえば、第一王子派、第二王子派の和解なんて事にもなりかねない。
それも、こっちは次男坊。実質的に第一王子派に下るって言う宣言に等しい訳だ。
「……なぁ、親父」
「ベネガルド候と呼べ」
「ベネガルド候、それって、俺が狙われる事に成りませんかねぇ」
「そうだな」
「おい」
「大丈夫、お前ならやれる!!」
「黙れ!! クソ親父!!」 【宮廷闘争の間違った治め方】(2/3)
******
と言う会話がされたのが3ヶ月ほど前の話。ベネティクトの方にも話は行っていたらしく、顔合わせはすんなり行った。うん、顔合わせだけは……
「お話はお父様から聞いていますので仕方ありません。ですが、私の3m以内に近付く事、許しませんので」
「そうです! ベネティクト様の言う通りです!!」
うん、想像以上に御令嬢様だったわ。そんな状態で、どう親密さをアピールしろと?
だが、俺は頑張った。
声を掛けても無視され、近付こうものなら攻撃されながらも、周囲には仲が良いですよアピールをし、時にはわざわざ王立学園にまで迎えに行き、手紙を送り花束を贈り、と頑張った。
その間には嫌がらせを受けたり暗殺者を送り込まれたり……悪夢の様な数ヶ月だったね。
さて、そんなこんなで過ごした数ヶ月、最初こそ非協力的だったベネティクトも何とか隣に侍る事を許してくれる程度には態度を軟化してくれた訳だ。
そんな俺達二人の前には、貴公子然とした男が取り巻きと共に立ち塞がっている。
メルメール・フォン・グレゴリー。グレゴリー辺境伯の息子だ。
この男が、俺に嫌がらせを続け、暗殺者を送り込んだ張本人。で、この男、有体に言えばベネティクトに恋慕してる。
そんな彼等には、このパーティーで、俺とベネティクト嬢が婚約発表をすると言う偽情報を流してある訳だ。
「……クライクン、ベネティクト嬢から手を引きたまえ」
「何の事です?」
「君とベネティクト嬢では釣り合いが取れない」
「……それは、親が決める事で、自分が意見できる事ではありませんよ」
男心を弄んでいる様で気分は良くないが、バカ息子が釣れた事に、俺は内心ニヤリと笑った。
「あくまで、手を引かないと言うのなら仕方が無い。身の程を知るがいい」
メルメールがそう言うと、取り巻き達が俺を取り囲むべく動き出した。
マジか、コイツ等、ベネティクトまで巻き込もうってのか?
俺は咄嗟に、彼女を巻き込まない様に中庭に飛び出した。
「フッベネティクト嬢の前で、恥をかきたまえ! 今後、彼女の前に現れようと思わなく成るようにな!!」
多対一、それも、取り巻きを嗾けるだけで、自分の手を汚さないとか……
「やれ!!」
メルメールの号令で、俺に襲い掛かる取り巻き達。でもさ、遅いよ?
俺は、取り巻きの1人に詰め寄ると、その足を払い転がす。呆気に取られるその横の男を蹴り飛ばし、続いて手を取るとクルリと向きを入れ替えて関節を極めつつ、盾にしてもう1人にぶつけた。
「な!!」
ベネガルドの無能な次男坊。そう思っていたんだろうけど、別に格闘技が苦手な訳じゃない。兵の上下関係が苦手なだけだ。
あっと、言う間に取り巻きを伸した俺をメルメールは蒼い顔で見ると、何を考えてるんだか、ベネティクトの方へ駆け寄って行く。
「べ、ベネティクト嬢! あ、あいつはこんな野蛮な男なんですよ!! あ、貴方にはふさわしく……ぷぎぇ!!」
駆け寄って行ったメルメールに、ベネティクトは綺麗なハイキックを喰らわせていた。
「あら、私、結構野蛮なんですのよ?」
うん、知ってる。 【宮廷闘争の間違った治め方】(3/3)
******
こうして、闇討ちなんて言う不名誉な事をやらかした息子の失態を隠してもらうと言うカードで、グレゴリー辺境伯は引き下がるしかなくなった。
あの後、改めてベネティクトは、弟のクローズくんとパーティー会場に入って行った。
俺はと言えば、御独り様で会場入りして、紳士淑女の皆様に眉を顰められた訳だ。
「クライクン、お前に頼みがある」
「断って良い?」
「ダメだ。お前が適任だからな」
この件、既視感が有るんだが?
「お前にはシェザール公爵家のご息女と婚約をして貰いたい」
「おい、それは終わったんじゃなかったか?」
円満に破局となった筈だ。
「先方からの強い要望だ」
「マジか……」
え? 俺、また嫌がらせと暗殺者を送られる日々が始まるの?
悪夢だ。 >>159
使用お題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』『円満破局』『釣り』
【機知に富んだ竜騎士ドン・タローテ】(1/3)
遠く中世ヨーロッパ風ファンタジー世界に一人の竜騎士がいた。
彼は三度の飯よりも仕事が好きで、起きている間は訓練を欠かさず、戦場に出れば多くの敵を討ち滅ぼした。そのために敵の魔法使いたちの呪いを受け、寝床に入れば悪夢にうなされ、食事は喉を通らず、最後にはすっかり体を壊してしまった。
戦う力を失った彼は、多額の退職金を手に国を去ることとなった。乗っていたドラゴン『イマナンテ』の払い下げを受け。敬愛する主君『ハクア姫』のグッズを集められるだけ集め。かつての英雄は、今しも放浪の旅に出んとするところである。
*
ここは町外れ、早朝の街道だ。遮るもののない陽光に照らされて、二つの人影が揺れている。
「行ってしまわれるのでございますね」
「うむ。これが今生の別れである」
そう告げる我らが竜騎士の前に立つのは、彼の従者であった『<赤い凶星>ハチベー・ヤギュー』である。
幾多の戦場を共にした二人の、血湧き肉躍る冒険の日々。いつまでも続くと思われたそれは、今この時をもって幕を閉じるのだ。
「……いやその、ハチベーよ、もしお前が――」
「タローテ様、今までありがとうございました。おさらばでございます!」
そう言ってにっこりとする彼女である。
ドン・タローテは、続く言葉を飲み込んだ。腹に力を込めると、大音声で呼ばわる。
「ヘイ、イマナンテ! 出立だ!!」
そう呼ばわったものの、何も起こらない。
少しばかり間抜けな空気が漂うも、我らが竜騎士は動じない。
やがて。
「…………イマ……ナンテー!」
ドラゴンにしては珍しい叫び声。青空に出現したゴマ粒が、たちまちの内に大きな影となる。
二つの小さな影を塗り潰し、あわや地面にぶつかるか、というところで、それは速度を落とすと、街道の真ん中に下り立った。
ドン・タローテは、このドラゴン、イマナンテの背中に乗ると、努めて厳かな声色で、次のように言った。
「さらばだハチベー! 達者で暮らせ」
*
飛んでは休み、休んでは飛び、竜騎士とドラゴンは、とある海岸までやってきた。
相変わらずの快晴であるが、ドン・タローテの目には、なぜだか周囲の景色がかすんで見えた。それと、心なしか気温が高いようにも感じられる。
「どれ、イマナンテの昼飯でも釣れるかな」
細かいことは気にしない。ドン・タローテは岩場で釣り糸を垂れた。
実に気持ちのいい天気である。イマナンテは大人しくしている。と言うか眠りこけている。
かつて竜騎士と共に暴れ回った怪物は、今や年老いて、少し動いただけで疲れてしまう。
ドン・タローテは、釣り糸の先を見詰める。
ただ黙って見詰める。
いつの間にか目を覚ましたイマナンテも、ドン・タローテと一緒に当たりを待つ。
「釣れんな……」
「イマ……ナンテ……」
*
突如。すさまじい力で釣りざおが引っ張られた。
「ああっ! 俺の釣りざおが……!」
「イマナンテー……!」
釣りざおはドン・タローテの手を離れ、海中に引き込まれてしまった。
立ち尽くす一人と一匹であったが、次の瞬間には、辺りの様子が一変する。
海面がぶくぶくと沸騰するように泡立ち、立ち上る水蒸気で視界が白く染まる。
その真っ白い中に、何やら強い光を放つものが現れる。
「ううむ、これは……これは△.□.フィールドか……!? イマナンテ、中和だ! 中和せよ!!」
「イマナンテー!!」
ドン・タローテの指示で、イマナンテが鼻息を噴射した。
視界を遮る水蒸気は吹き飛ばされ、光るものの正体が……。
「……あっ、あなた様はハクア……ではなく…………ア○ビ○様ですか?」 【機知に富んだ竜騎士ドン・タローテ】(2/3)
その人物は海面に浮かぶようにして立っていた。全身が光り輝いており、顔も服装も判然としない。ただその輪郭から女性であるように思われた。
「いいえー、私は○マ○エではないですー。私は泉の仙女ですー」
「そっ、そうなのですか。しかし、泉など見当たりませんが……」
「実はー、この海岸にはー、温泉が湧いているのですー」
「なるほど……かすんで見えた風景と、妙に温かい空気は、それが原因だったのですね」
ドン・タローテがそう言うと、仙女はうなずくような動きをしつつ、ある物を取り出した。
「そうなんですー。それでー、この釣りざおなんですけどー、これはあなたが落とした釣りざおですかー?」
「はっ、はい! それは私が落とした釣りざおです」
それは間違いなく、ドン・タローテがたった今なくした釣りざおだった。
「そうですかー」
「はい」
「それでー」
仙女は釣りざおを隠してしまった。ドン・タローテは困惑するも、次に彼女が取り出すものを見て、ひどく動揺することとなる。
「これなんですけどー」
「そっ、そいつは……!」
「この妖魔なんですけどー、これはあなたが落とした妖魔ですかー?」
「モリモリ」
「……い……いえ……」
「モリー!」
それはドン・タローテが以前討伐した妖魔だった。全身を覆う緑色の毛が、今は水を吸って垂れ下がっている。
「……いや、はい、確かに、そいつには見覚えがあります。かつてそいつと決闘をして、最後は川に突き落としたと記憶しておりますが……」
「そうですかー」
「まさか生きていたとは……」
仙女は醜悪な妖魔を海に沈めた。緑色がすっかり見えなくなると、次に彼女は、どこからか一冊の本を取り出した。
「それでー、これなんですけどー」
「はて……見覚えも心当たりもありませんが……」
「これはー、いにしえの魔法使い『ケン・ザブロー』によって著されたSAN値直葬の魔導書『ロゴスノミコン』――」
「あの仙女様! 魔法使いどもは私の天敵です。どうかその忌まわしい紙の束は、どうかお願いですから、千切ってちり紙にでもするか、とにかく私の前から消し去ってください」
「そうですかー」
仙女は本を仕舞った。
「それでー、これなんですけどー」
そうして次に彼女が取り出したのは、またもドン・タローテが見知ったものだった。
「はっ、ハチベー!」
「これはあなたの従者ですかー?」
「はい! いえ、確かに先日まで私の従者を務めておりましたが」
目にも鮮やかな赤、黒、白の装束に、小柄な彼女の絶対領域が映える。
「ハチベーよ、一体全体どうしたことだ。国に残してきたはずのお前が、どんな魔法を使ったら、こんな遠くの海岸に現れるのだ」
ドン・タローテの問い掛けに、ハチベーは次のように答えた。
「タローテ様、申し開きの仕様もございません。わたくし、タローテ様の退職き……いえその……大食漢! そう、大食漢のイマナンテの食費が気になってしまい、タローテ様の跡を追うこととしたのです」
ここまで聞いたドン・タローテは、ハチベーの説明に口を挟む。
「大丈夫だハチベー。イマナンテは年老いて、昔ほどは食べなくなった。お前も知っておろう」
「そっ、そうでございますね」
ハチベーは説明を続ける。
「それで出立いたしまして、道を歩いていたところ、川がございまして」
「うむ」
「橋のない川で、慎重に渡っていたのでございますが」
「うむ」
「うっかり足を滑らせてしまい、川を流され、気付いた時にはこちらの仙女様のお宅で……」
「そうか……」
ハチベーの話を最後まで聞くと、ドン・タローテは仙女に話し掛ける。
「仙女様! まずはハチベーをお助けくださり、ありがとうございました。その者は私の従者で間違いございません。他の何も要りませんから、どうかハチベーをお返しください」
「そうなんですかー。うーん、どうしましょう」
「あのタローテ様」 【機知に富んだ竜騎士ドン・タローテ】(3/3)
ハチベーが、その小さな両手をドン・タローテに向けて差し出した。
「わたくし、手土産にハクア様と握手してまいりました」
「仙女様!! なんだったら私の優秀で勇敢なドラゴン、イマナンテを差し上げますから、どうかハチベーをお返しください!」
「イマナンテー!?」
「大食漢は間に合っておりますー」
「そうですか……」
ドン・タローテは落胆した。
「ですがー、あなたは正直者ですねー。そんなあなたに免じてー、釣りざお、妖魔、従者、すべてお返ししますー」
「ありがとうございます! ですが妖魔は要らないです!」
「モリー!!」
「それとー、この魔導書をー、特別価格でご提供しますー」
「いえ仙女様――」
「妖魔を取るかー、魔導書を取るかですー」
*
ドン・タローテは少なくない金額を支払って、妖魔を除くすべてを取り戻した。
「タローテ様、申し訳ございませんでした。わたくしのために貴重な退職金が目減りしてしまいました」
「言うな。竜騎士には従者が必要なのだ。イマナンテも機嫌を直してくれ」
「イマナンテー?」
「それにしても……」
ドン・タローテは、売り付けられた魔導書に視線を落とす。
「これはどうしたものやら」
「誰か必要とする者に売れば良いのではございませんか?」
「駄目だ、それは危険だ。しかし、折角買ったものでもある……」
ドン・タローテは好奇心にあらがえず、魔導書の表紙をめくってしまった。
「ううむ、これは……分からん……」
「タローテ様?」
「これは……コレハ……ワカラン……」
「タローテ様? タローテ様!?」
*
その後。
「これは英雄の物語……」
ドン・タローテは、魔導書のせいで正気を失ってしまった。
「竜騎士の物語でございますよー」
「イマナンテー」
しかし、それと引き換えに、類いまれなる詩作の才能を授かったのである。
吟遊詩人となった彼の作品は、後の世の研究者によってまとめられた。
それこそが、現代にまで伝わる『超能力竜騎士ドン・タローテム物語』なのである。 同じく遅刻すみません!
ナーロッパと騎士道物語の世界の、中間くらいのイメージで・・・ お題→ジャンル『ファンタジー』+『悪夢』『絶対領域』『円満破局』『釣り』締切
【参加作品一覧】
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