>>912
>>747の続きを見て……ですにゃー

使用お題→『コレクション』『打ち切り』『宿題』『シャイン』『魚釣り』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第七話】(1/3)

 俺と使者の女、それにワタリガラス号は、ネコミミ族の村を出発した。
 しばらくの間は二人とも無言で、何事もなく森の中を進んでいたが、不意に女が口を開いた。

「忘れてましたにゃー。宿題がありましたのにゃー」

 そう言って、こちらに顔を向けた。

「宿題?」
「そうなのですにゃー。にゃーはさっき『昨夜遅くに帰ってきた』と言いましたが、帰ってきたのはその前の夜なのですにゃー」

 そんなこと言ってたか?

「それは大事なことなのか?」
「いーや別に、ですにゃー。ただ言い間違えたと思っただけですにゃー」

 それから俺たちは、再び無言になって歩き続けた。
 次に女が話し掛けてきたのは、休憩のために足を止めた時だった。

「川がありますにゃー。魚釣りですにゃー」

 女はそう言うと、荷物の中から釣りざおを取り出して、俺に差し出してきた。

「俺が釣るのか」
「なんでもやってみるのですにゃー」

 浅瀬に立って、釣り糸を垂らす。それから数十分。

「何も釣れないぞ……」
「まあ、こんな日もありますにゃー。いい休憩になりましたにゃー」

 食料は十分に持っているが、それでいいのだろうか。
 その首から下げた人形は……?

「さっさと出発しますのにゃー」

 その日は何度か休みながら、日が暮れるまで歩いた。
 女がいつも使っているという野営に適したポイントで、俺たちは一泊した。

 *

 翌日も朝から移動を開始した。天気は、言うまでもなく、曇りだ。
 昼近くまで歩けるだけ歩き、広い川のほとりに出た。

「この森はどこまで続いてるんだ」
「森の外に出るだけならすぐですにゃー。にゃーたちが目指している隣の村は、もう二三日くらいですかにゃー」

 女は、慣れているのだろう、平然とそんなことを言うが、俺の方は二日目にしてうんざりだった。

「そこにエム先生とかいうやつはいるのか」
「どうでしょうかにゃー。にゃーの予想では、二十パーセントくらいですかにゃー」

 そこで短い時間休憩して、俺たちはすぐに出発した。魚釣りはしなかった。
 俺は鬱々とした気分で足を引きずって歩き、それでもなんとか女と牛に付いていった。