あらすじをちょっといじらしてもらうが、俺ならこう書く。

 勇者の一行たちが全員の命と引き換えに使った魔導書の力により、邪竜なのに姿だけは少女に変えられてしまったレウシアは、けさも住みかの洞窟から出て、朝のひなたぼっこをする。

「んぅ……ごはん……ない」

 おなかがすいたレウシアがボンヤリ呟くと、彼女のそばに落ちていた魔導書が人の声を発した。

「邪竜よ。腹が減ったならいっそ、人の住む里に行ってはどうだ」
「んぅ……?」

 魔導書はコテンと首をかしげるレウシアに、死んだ勇者たちが残したアイテムを持ってヒトの住むところにゆけば食料が買えることを、一生懸命に説明してやる。

「んぅ……わかったの……」

 やがてレウシアはこくりと頷いて魔導書を拾い上げ、とてりとてりと歩み始めた。

――それは、封印によって少女となってしまった邪竜レウシアの、大冒険の始まりであった。

◇白紙になってしまった魔導書と、少女になってしまった邪竜のハートフルストーリー!
◇この物語の主成分は、竜娘かわいいかわいいの情熱で出来ております。