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安価・お題で短編小説を書こう!9

レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
0001この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/04(日) 23:51:46.12ID:0SGFlp2N
安価お題で短編を書くスレです。

■お題について
現在、毎週日曜日の午後22時に前回のお題を締め切り、新しいお題を安価で決める方式を取っています。現時点での募集お題はスレ主によるレスを確認してください。

■投稿方法
使用お題と【】でタイトルを明記してください。決めていなければ【無題】でも可。
作品は3レス+予備1レス以内で。レスが2つ以上に別れる場合は分かりやすいよう番号を振ってください。
※R18は板ルールで禁止です。

■「小説家になろう」等への投稿について
同一内容を別サイトへと投稿する行為は認めています。
その際、権利者以外が5ch上から無断で転載したものと区別するため、出来る限り【当スレへ投稿する前に】投稿してください。
当スレへ投稿せず、別サイトへ投稿してリンクを貼るのも可。
リンク先のタグに『お題スレ投稿作品』を入れ、使用お題、タイトル、URLを書き込んでください。
※なろうのURLで書き込めない場合は、KASASAGIのURLで代替してください。

■前スレ
安価・お題で短編小説を書こう!
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1508249417/
安価・お題で短編小説を書こう!2
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1511408862/
安価・お題で短編小説を書こう!3
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1522770910/
安価・お題で短編小説を書こう!4
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1529860332/
安価・お題で短編小説を書こう!5
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1541947897/
安価・お題で短編小説を書こう!6
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1557234006/
安価・お題で短編小説を書こう!7
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1572191206/
安価・お題で短編小説を書こう!8
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1585490648/
0002三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/04(日) 23:53:23.45ID:0SGFlp2N
☆お題→『雪山』『Y』『かゆい』『ユニクロ』『愛が走りだす』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→10/11の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0003三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/04(日) 23:59:34.46ID:0SGFlp2N
さて・・・新しいスレで、新しい進行の募集です

・安価でお題を取るだけの簡単なお仕事です
・できれば半年くらいは続けられる方
・過疎でも泣かない方
・トリップを付けて立候補してください

募集要項は以上です

個人的な希望として、スレの最後は引き続き作品一覧で埋めてもらいたいです
それ以外は、お題の取り方も締め切りの時間も、進行が自由に決められます
よろしくお願いします
0005この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/05(月) 04:00:51.70ID:G3OadD/u
>>1
乙です!
0006三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/07(水) 00:49:54.46ID:WQ4Ji3xh
前スレ残り3レスまで埋まりました
何か書きたい方はどうぞー

>>3に応募する人はおらんかね・・・
0007この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/07(水) 00:53:28.79ID:WQ4Ji3xh
あ、いかんいかん
ageておこう

新スレになっても過疎だなぁ
0008この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/08(木) 02:18:56.64ID:sKHoxggz
>>2
使用するお題→『雪山』『愛が走り出す』

【君がいないと】(1/3)

「レイチェル!これは一体どういうことなんだ!」
「ごめんなさい、ライアン。それは、その・・・」

今、ライアンは非常に激怒していた。それは今月のクレジットカードの請求額、なんと7000ドルにも及んでいた。
数日前のこと、レイチェルは材料などの調達に町に出かけた際、たまたま近くのアンティークショップに立ち寄ったのだ。
そのアンティークショップに入って見つけたのは、なんと西部開拓時代に実在したと言われている、
伝説の女ガンマンが愛用していたホルスターに、黄金の拍車が付いたウエスタンブーツだった。

「ほ、欲しい・・・」

ドがつくほどの西部劇マニアであるレイチェルにとっては、喉から手が出るほど欲しくてたまらなかった。
しかし、総額で7000ドル。簡単に手を出せるような金額ではない。

「(別のマニアに買われたら困る!こうなったら!)」

ここは絶対買うチャンス!とばかりにレイチェルは、それらをクレジットで一括購入したのだ。
店を出てレストランへと帰る中、彼女はふと我に返った。

「わ、私、何で急に買っちゃんったんだろう。今すぐ必要な物でもないのに。私のバカ!大バカ!」

急に返品するわけにもいかないし、その上ライアンに何の相談もなく買ってしまった。
レイチェルは帰宅するや否や、急いでホルスターやブーツをライアンにバレないようクローゼットの中に仕舞い込む。
しかし、たまたま部屋の掃除をしていたライアンに見つかってしまったことと、クレジットの請求書が届いたのが運悪く重なってしまったのだ。

「今、店の経営が苦しいことぐらい、ちゃんと分かってるはずだ!なのに僕に何の相談もなく買って!ふざけるのもいい加減にしろ!」
「本当に、本当にごめんなさい!」
「前からずっと思ってたけど、君の西部劇好きには心底呆れていたんだ。今回の件でもう愛想が尽きたよ」
「ラ、ライアン、そ、そんな・・・!」
「もうレイチェルとは口も聞きたくないし、顔も見たくない。話しかけてこないでくれ」

君の西部劇好きには心底呆れていた。ライアンのその言葉に、レイチェルは心にガラスの破片が突き刺さったようなショックを受けた。
悲しみと同時に怒りも込み上げてきた。しかし、悲しみの方が遥かに大きかった。

「ライアン、その、あのね・・・」

その日以降、レイチェルは謝ろうと接するが、ライアンはとにかく聞く耳を持たずに無視する一方だ。
涙を見せては負けだ。そう思いつつレイチェルは泣くのをとにかく堪えたものの、
我慢ができず、ライアンのいないキッチンの裏や倉庫の中で大粒の涙を流していた。
ライアンと互いに口を聞かず険悪な仲になって、半年が過ぎようとしていた。

「(ちょっと、さすがに怒り過ぎたかな)」

謝ろうとするレイチェルを無視してきたことに対し、ライアンはさすがに罪悪感を感じるようになってきた。

「(レイチェルはいつも元気に明るく接客して、余興でみんなを大いに楽しませて頑張っているのに!僕はなんて酷い態度を取ったんだろう。それに7000ドルなんて返済できない額でもないのに)」

急いで無視してきたことをレイチェルに謝ろうとするライアンだったが、テーブルの上に一枚の書き置きがあるのに気付いた。
そこにはこう書かれてあった。

"もう探さないでください。レイチェルより"
0009この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/08(木) 02:19:55.48ID:sKHoxggz
【君がいないと】(2/3)

「まさか出て行ったのか!?レイチェル!!」

その書き置きにはさらに追伸があった。レイチェルはライアンに許してもらおうと深夜のコンビニや新聞配達のバイトを掛け持ちし、
店を閉じてライアンが寝た後に毎日出かけ、店の準備始める前に帰ってきていたのだ。
近くに置いてある封筒を手に取り、中を見てみると7000ドルが入ってあった。

「レイチェル、そこまでして・・・!」

ほぼ毎日、不眠不休で必死にお金を稼いでいたということだ。
一時の怒りに思わず感情的になってレイチェルを邪険に扱ったこと、また彼女の責任感の強さにライアンはますます心が張り裂けそうになった。
ライアンは家から飛び出すと、急いでレイチェルを探しに向かった。

「レイチェル!どこにいるんだー!」

ライアンは道行く人々にレイチェルの写真を見せて尋ねたものの、なかなか彼女の足取りを掴むことができない。
しかし彼は決して諦めず、懸命に尋ねて回った結果・・・。

「そのガンマン姿のお嬢ちゃんなら、昨日空港行きのバスに乗っていくのを見かけたぞ」

杖をついて歩く一人の老人がそう答える。

「空港ですね!ありがとうございます!」

ライアンは急いで空港に向かい、チケットカウンターのスタッフらにレイチェルがどこに行ったかを尋ねた。
調べた結果、レイチェルが乗ったのは数々の登山家が挑戦し、生きたまま帰ることができなかった魔の雪山へ向かう便だった。

「レイチェル、まさか本当に死ぬ気じゃ!?」

ライアンはその便のチケットを急いで購入し、飛行機に飛び込んだ。
ゴーゴーと荒れ狂う吹雪の中、ライアンは何の装備も無しにその雪山をただひたすら登り続けた。
そう、レイチェルを探し出すために。

「ん?何だ、あれは?」

吹雪で視界が遮られる中、一瞬キラッと光る物を見つけ歩み寄ってみると、なんとそれは拍車だった。

「レイチェルのブーツに付いている銀の拍車だ!」

それを頼りに歩き続けると、レイチェルのスカーフや帽子が落ちていた。レイチェルはすぐそこに違いない。
落ちた拍車やスカーフ、帽子を辿って歩き続けて3時間ほどが経過した。

「レイチェル!」

雪に埋もれて倒れているレイチェルを発見した。肌は青白く、息も絶え絶えの危険な状態だった。

「レイチェル!僕だ、ライアンだ!目を覚ましてくれ!」
「ラ、ライアン・・・?」

ライアンの言葉に、徐々にではあるがレイチェルが反応していく。
ライアンはホッとするもまだ喜べるような状況ではない。彼は素早くレイチェルを抱えると下山していく。
とにかく家であるレストランへとひたすら走る、走り続けた。
0010この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/08(木) 02:20:58.08ID:sKHoxggz
【君がいないと】(3/3)

極寒の雪山から抜け出し、何時間も走り続けながらようやく家に辿り着いた。
その時には靴は磨り減って無くなり、いつの間にか裸足になっていたのにライアンは全然気付いていない。
暖炉に火をつけ、レイチェルの体に毛布を巻くとライアンはキッチンに向かい、彼女が大好きなポトフを作り始める。

「レイチェル、美味しいポトフだよ。ほらお食べ」

スプーンの上に乗せたザク切りのジャガイモをレイチェルの口に近づける。
レイチェルはゆっくりと口を開けてジャガイモをモグモグと噛み始める。
青白く冷え切っていた体が一気に温かくなり、レイチェルが完全に意識を取り戻した。

「おーいしー!!もっとちょうだい!!」

レイチェルは元気よくポトフを無我夢中で食べ出し、鍋に入っているのを一気に平らげてしまった。

「ふぅー満腹!満腹!」

奇跡の復活を果たしたレイチェルに、ライアンは思わず涙を流しギュッと抱き締めた。

「よかったレイチェル、本当によかった!」
「ライアン、本当に迷惑をかけてごめんなさい」
「何を言ってるんだ!ずっと君を無視した僕が悪いんだ。本当に、本当に悪かった!」

ライアンはそっとレイチェルの体を放す。

「レイチェル、謝るだけじゃ僕の気が済まない。思いきり僕の顔を殴ってくれないか?」

その言葉にレイチェルはニヤッと笑い、握り拳にしてライアンの顔を殴ろうとした・・・
、と思いきやレイチェルはチュッとライアンの顔に優しくキスをした。

「えっ!?」
「キツい冗談はやめてよライアン。あなたは私の大事なパートナーなんだから。殴るなんてそんな野蛮なことできるわけないじゃない」
「レ、レイチェル・・・!」

ライアン特製のポトフのおかげで、疲労困憊だったレイチェルの全身から疲れが一気に吹き飛んだ。

「これからもよろしくね、ライアン!」
「もちろんだよレイチェル!」

・・・・・・・・・・

「・・・というストーリーを考えたの!どうかしら?」

ジュディがライアンとレイチェルに自信満々に話す。そう、今までのはジュディが考えた物語だったのだ。

「最高だね!聞いててワクワクが止まらなかったよ!」
「そうでしょ?これぞ "愛が走り出す" だと思うの!」
「わ、悪くはないんだけど、ちょっと無理矢理じゃないかしら?途中からコメディっぽくなっちゃってるし・・・」
「えー、感動のドラマを意識したつもりなんだけどなあ」
「ちょっとライアンが辛辣過ぎて私、立ち直れなくなりそう・・・」
「心配しなくても僕はそこまで言わないよ」
「ラ、ライアン・・・」
「レイチェルさん、顔が真っ赤になってるー!」
「こらジュディ!それ以上からかうとお尻ペンペンするわよ!」
「あー女ガンマンが怒った!こわーい!」

追いかけっこを始めるレイチェルとジュディ。
そんな2人を微笑ましそうに眺めるライアンなのであった。
0011三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/08(木) 18:58:54.22ID:22kPHhyB
>>8
新スレ第一作目、なんだこの話ww
レイチェルならやりかねない、でもライアンさん・・・? と思ったら・・・w
0012この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/08(木) 21:08:56.84ID:sKHoxggz
>>11
感想ありがとうございます!
今回はジュディのただの妄想から生まれたお話でしたw
普段とても温厚で優しいライアンがレイチェルに対して、とことん辛辣になったら?と考えたら急に書きたくなっちゃいましたw
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0013この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/10(土) 10:46:34.07ID:JMBM5kzo
>>8
大スペクタクルと言えば大スペクタクルですねw
今回は何の問題も無い話でしたが、積み重なった不満と言うのは、案外、馬鹿に出来ませんですよね
0014この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/10(土) 11:22:02.37ID:iUE/FGd2
>>13
感想ありがとうございます!
お互いに強い絆で結ばれた2人だけど、一歩間違えれば離婚の危機に陥って
幸せな結婚生活が崩壊していたんじゃないかを想像して書いたお話です
レイチェルはやっぱりブチギレてしまったライアンが一番怖いようですw
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0015三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/11(日) 17:20:25.23ID:DTu3dcsW
ところで、この前からワイスレをヲチしてたんですが
こんなのがあるらしいです

「5分で読書」短編小説コンテスト 応募要項 - カクヨム
https://kakuyomu.jp/contests/5min_short/detail

調べれば分かりますが、編集部の趣味は(なろう系ではなく)ヤングアダルト系っぽいです
ご興味のある方はどうぞ
0016この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 21:28:47.73ID:MToSNk04
ちょっと卑怯な使い方ですが……

>>2
お題:『雪山』『Y』『かゆい』『ユニクロ』『愛が走りだす』

【静寂の世界】(1/2)
 木山 秀一が目を覚ました時、目の前に有ったのは英字のYだった。
 それがひくひくと動きながら彼の眼前に在るのだから、秀一の混乱はどれ程の物だっただろう。真っ白な背景にYの字が一つ。
 ぼうっとしていた頭が覚醒するにしたがって、秀一は思わず跳び起きた。
 と、同時にびくりと身を震わせ、彼の元から逃げ去って行く後ろ姿。

「……ウサギだったのか」

 彼の見たYの字は白兎の鼻先だったらしい。

「と、言うか、どこだここは……」

 一面の銀世界とやや近くに見える雪山。いや、むしろ秀一こそが雪山に存在していたのである。

 ******

 秀一はごく普通のサラリーマンで、突出した能力も無ければ欠点と言った欠点も無い。強いて言えば、面白みに欠ける男だと言う所が欠点だろうか?
 ともかく、ごくごく普通の会社員であり、この日も当たり前に満員電車に揺られていた筈である。
 だが、気が付けば雪山で倒れていると言う非常事態。
 彼の混乱も大きかった。

「冬山ではあまり動き回らない方が良かったんだったか?」

 そう思った秀一は、とにかく落ち着ける場所を作る事を優先する事にした。
 幸い、周囲に水の元になる雪は大量にある。雪自体が体の熱を奪う対象ではあるが、それでも水の心配がないのは安心材料だろう。

 そう思い、とりあえず、吹雪いた場合を用心してカマクラを作る事にした。
 雪を固めて穴を掘る。そうして作ったカマクラは、小さいながらも風を凌ぐには十分な物が出来上がった。
 中に入った秀一は冷たくなった手足の指をこすり合わせた。
 多少のしもやけだろうか、こすり合わせている手足の末端がかゆい。だが、それはそれで壊死をしていないと言う証拠でもあり、秀一はホッと胸を撫で下ろした。

「少し休んだら薪でも探さなくちゃな」

 体自体はユニクロで買ったヒートテックのおかげか、それ程冷えてはいないが、それでも暖を取る必要はあるだろう。例え風を防いでいるとは言え、ここは雪山だ。夜には氷点下になるだろうからだ。
 耳が痛くなるほどの静寂。何もない雪山の風景を見ながら、秀一はブルリと身を震わせた。
0017この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 21:29:27.66ID:MToSNk04
【静寂の世界】(2/2)


 ******

 パチパチと弾ける木の枝を見ながら、秀一はウトウトとしていた。闇の舞い降りた雪山は、昼間にも増して静かだった。
 全ての音が雪に溶け込んでしまったかの様に静まり返り、昔の人々が夜の雪山を死の世界だと表現したのも分かる気がした。
 うつらうつらし、ガクリと倒れ込みそうになって頭を振ると、視界の隅にソレが居る事に気が付いた。
 ひくひくとYの字の鼻先を動かす、丸い目と長い耳を持ったその動物。

「もしかして昼間のウサギか?」

 興味深そうにこちらを眺める様子は、臆病で警戒心強いとされるウサギとしては珍しい様子だった。ただ、秀一はそんなウサギの様子に、少しばかりの懐かしさを覚えた。

(ああ、あれは愛に似ているのか)

 昔、彼がまだ田舎にいる頃に飼っていたウサギ。その名は愛と言った。

「……愛……」

 思わず呟いたその言葉に反応する様に耳を立たせ、ピクピクと反応するウサギに、秀一が目を丸くする。

(いや、まさか……)

 それでなくとも彼が愛を飼っていたのは20年も前の事だ。彼の生家から逃げ出し、行方知れずに成ったとは言え、流石に寿命を迎えているだろう。
 だが、それでも秀一には、そのウサギが愛に思えてならなかった。
 じっと秀一を見つめる愛。
 不意に振り返ると、愛が走り出す。

「愛!!」

 とっさに秀一は荷物を手に取ると、愛を追いかけた。

 暗闇の中、しかし不思議な事に、秀一にはハッキリと愛の姿が見えていた。
 時折振り返りながら、しかし真っ直ぐに走って行く愛。
 秀一は雪に足を取られながらも懸命に愛を追いかける。
 疲れ切り、目が霞んで来た。それでも足を動かす。振り返るウサギの目は“がんばって”と語り掛けている様に感じられた。

 どれ程の間走っていただろうか? いつの間にか気を失っていた秀一が目を覚ました時、彼は病院のベッドの上だった。

 ******

「脱線事故……ですか?」

 気が付いた後、その病院の看護師に、自分がこんな所に居る理由を聞いて、秀一は思わず息を呑んだ。
 彼がいつも使っていた電車、それが脱線事故を起こし、多数の死傷者が出たらしいのだ。そうした負傷者の中に秀一も居たと言う。
 一時は危篤状態だったらしいが秀一は奇跡的に持ち直したらしい。

「そんな事が……」
「ああ、駄目ですよ、頭に触っちゃ」

 頭を掻こうとした秀一を看護師が嗜める。包帯のまかれた自身の状態に気が付き、秀一は苦笑した。

 あの、静寂に包まれた雪山が死後の世界だったとしたら、あのウサギが本当に愛だったとしたら……

「お前は、俺を助けてくれたんだな……」
「はい?」
「いえ、何でもありません」

 秀一はかつて飼っていた小さな親友の事に思いを馳せるのだった。
0018三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/11(日) 22:12:37.23ID:DTu3dcsW
お題→『雪山』『Y』『かゆい』『ユニクロ』『愛が走りだす』締切

【参加作品一覧】
>>8【君がいないと】
>>16【静寂の世界】
0019三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/11(日) 22:14:02.86ID:DTu3dcsW
ではでは、今週は3周年ですが、特に企画はない
通常お題5つです

お題安価>>20-24
0020この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 22:15:21.65ID:YJHHB+y2
家畜
0021この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 22:18:27.76ID:heei+FWn
全知の神
0023この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 22:22:40.56ID:Xsc3aYEw
『無能力』
0025三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/11(日) 22:37:39.36ID:DTu3dcsW
☆お題→『家畜』『全知の神』『クライミング』『無能力』『牧童』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→10/18の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0026三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/11(日) 22:44:02.26ID:DTu3dcsW
過疎過ぎて>>3に応募する人がいない
だが作品もお題もありがとう

とりあえず、3周年企画のアイディアなど募集しますw
3周年に限らず、単なる思い付きでも大丈夫です
0027この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 22:50:05.63ID:DTu3dcsW
>>16
新スレ第二作目、なんだこの話! 正直すごかった
走るウサギの愛が・・・ダブルミーニングとも取れますね
0028この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/11(日) 23:29:58.67ID:MToSNk04
>>27
感想有難うございます
山は畏怖の対象と言う事で……
ウ〇トラマンの「まぼろしの雪山」を思い出しながら書いていましたがw
0029この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/14(水) 15:17:31.58ID:gJWtMmhm
>>25
使用するお題→『家畜』『全知の神』『クライミング』『無能力』『牧童』

【休暇はのんびり有意義に】(1/2)

「ハァ、ハァ・・・!」
「私はずっと前から、あなたを殺したくて殺したくてたまらなかったのよ」

頭や口から血を流し、息絶え絶えの状態のライアンに迫ってくるレイチェル。
彼女はニヤニヤ笑いながらライアンの額に銃を当て、今にも引き金を引こうとしていた。

「バイバイ、ライアン。一瞬であの世に送ってあげるから」

大好きだったレイチェルに裏切られ追い詰められ、まさに風前の灯火状態のライアン。
死を覚悟したその時だった・・・!

「ハーイ!ストップ、ストップ!」

たまたま近くにいたジュディの大きな声で、ライアンとレイチェルの動きがピタッと止まる。

「ライアンさん、レイチェルさん、迫真の演技すごかったよ!」
「そ、そう思う?ライアン、私の悪役ぶりどうだった?」
「レイチェルったら役にハマりきってて本当に殺してきそうな勢いだったから、正直すごく怖かったよ」

ライアンは現在、久々の長期休暇で家に帰ってきており、レイチェルとジュディと楽しく
のんびりと過ごす一方で俳優としての演技力をもっと磨くために一生懸命練習に励んでいた。
来年の春から撮影開始の映画は、一人の無能力に悩むカウボーイが主人公で、夢で出会った全知の神を名乗る男から動物と会話できる力を授かり
家畜達と力を合わせて、両親が残した広大な牧場をならず者達の手から守るという、ファンタジー要素も加わったアクションコメディ映画だった。
西部劇大好きなレイチェルはとにかく、その映画の完成かつ公開が待ち遠しくてたまらなかった。

「早くカッコいいカウボーイ姿のライアンを劇場で見たい!」
「まあまあ、落ち着いてレイチェル (レイチェルったら本当に可愛いんだから)」
「動物と会話できるってのも面白そうな内容だよね!」
「僕も時々考えることがあるんだ。もし動物と言葉が通じるようになったら、ってね」

それを意識しているのか、ライアンは木に止まっている小鳥やリスに話しかけようとすることもあった。
レイチェルとジュディはそんな彼の姿を微笑ましそうに眺めている。
0030この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/14(水) 15:21:41.09ID:gJWtMmhm
【休暇はのんびり有意義に】(2/2)

またライアンは筋トレも欠かさない。数キロ離れた町にあるクライミングジムにもよく通っている。

「ライアンさんの筋肉すごーい!」
「俳優も料理人と同じ体力勝負だからね。日々精進するのみ!」

そして、極め付けはなんといっても・・・!

「シチリアへ行こうか!」
「「さんせーい!!」」

そう、懐かしいイタリア・シチリアへの小旅行だ。
楽しい思い出の数々に満ち溢れた、まさに3人にとっての聖地である。
シチリアの小さな街の中をのんびりと散歩している時だった。

「知ってる?もう7年くらい前になくなったんだけど、小さくて可愛らしいレストランがあったの」
「あ、もしかして可愛いウエイトレスがガンマン姿の衣装に着替えて演奏したりして、余興を盛り上げるってやつかい?」
「そう、それそれ!たまに黒猫の衣装に着替えて曲芸もやってて、もちろん料理も美味しくてすごく評判良かったの!」
「そのレストラン、すごく行ってみたかったなあ。ああ、タイムマシンさえあればなあ」

近くのベンチに座っていたカップルの会話がふと耳に入ってきたのだ。

「ねえ、ライアン」
「何だい、レイチェル」
「老後はまたシチリアで暮らしましょう」
「実は僕も同じことを考えていたんだ」
「私も忘れないでよー!」
「もちろんあなたも一緒よ、ジュディ」
「忘れるわけないじゃないか」

そう言うと、ライアンとレイチェルは同時にジュディの頭を優しく撫でるのであった。


THE END
0031三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/14(水) 23:56:30.48ID:GKiWXt04
個人的に雪山って言うとスレ7→307が印象に残ってるw

>>29
珍しく全選択!と思ったら、割と作者が書きたいことを書いただけだったw
カウボーイの話は普通に面白そうです
最後は、、後日談編完結です?
0032この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/15(木) 07:22:40.10ID:unhdXIWj
>>31
感想ありがとうございます!
はい、本編終了後から長く続いた後日談編及びシチリアでのハロウィン騒動等といった、
劇中で語られることがなかったアントールド・ストーリー編も含めてこれにて全て完結です
とにかく書きたいことを書き尽くして、今回で締め括ることができてとにかく満足です
好奇心旺盛なレイチェルが振り回してくれたおかげで、ここまでストーリーを広く展開できたんだと強く実感しますねw
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0033三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/16(金) 00:16:19.96ID:td3zK95I
>>32
そっかぁ・・・
本文からも作者様の満足感は伝わってきました・・・おつおつでした
これが終わっちゃうというのは寂しい限りですが、ともかく一区切りですね

もちろんまた思い付いたら、、ですし、他のシリーズや新作も期待してますw
0034この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/16(金) 08:03:46.09ID:h4od9l6k
>>33
完全に終わらせて区切りをつけるのはとても大事なことですからね
今はシンディシリーズ完結に向けて鋭意執筆中でございますw
そろそろまた何か新シリーズも始めたいですね、でもなかなかアイデアが思い浮かばないw
優しいお言葉、どうもありがとうございました!
0035この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/16(金) 21:23:04.82ID:E/wVSRKX
後日談完結お疲れさまでした
お騒がせだけど愛される主人公と仲間達
とても個性豊かな登場人物達だったと思います
0036この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/17(土) 03:58:03.75ID:w2z+2Gs5
>>35
嬉しいお言葉ありがとうございます!
個性豊かだなんて/// レイチェル達もきっとすごく喜んでいると思います!
私も彼女達には感謝してもしきれないくらい感謝しています(語彙力)w
レイチェルシリーズに関してはこれでもかってくらい色々なネタを書き尽くせたので、
もう書く予定は特にありませんが、また会える時を楽しみにしてくれたら嬉しいです
0037三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/17(土) 23:13:36.99ID:xMj0ts+j
三周年おめでとー
0040この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 21:57:02.53ID:gckWCNy0
>>25
お題:『家畜』『全知の神』『クライミング』『無能力』『牧童』

【神豚の100の試練】(1/2)


「我は神なり」

 唐突に二足立ちした豚の言葉をハンスは訝し気に聞いていた。
 そしてやおら立ち上がると待機小屋迄行き、ナイフを持って来た。

「ちょ! 少年!! そのナイフは何だ!! 何故、我に向ける!?」
「人語を解し、話し出す様な豚は悪魔憑きだって父ちゃんが言ってた。ポークノ助、すまん。お前には悪いが、一介の牧童でしかねぇオレには悪魔祓いはできねぇし、神父さんを呼ぶ様な金も無い。死んでくれ」

 突然の殺害宣言に驚いたのは神の宿った豚。神豚だった。全知だとは言え、彼は全能では無い。刺されれば痛いし、運が悪ければ死ぬ。
 実はこの神豚、やがて勇者となるハンスを導く為、この下界にやって来たのである。その為、彼を正しく勇者にするまでは死ぬ訳にはいかなかった。
 だが、全知の神で在るが故に、この純朴な少年が本気だと言う事も分かって居た。

「ま、まて! 少年よ!! 我は悪魔などではない!! むしろ対極である神だ!! 家畜の神なのだぞ!?」
「家畜の神ぃ〜? でも、オレ等の神様は山羊の姿をしてるって父ちゃん言ってたぞ?」

 不信感全開のハンスに、神豚は大いに慌てた。何とかして信じてくれなければ、話に成らなかったからだ。
 だが、今は神としての力を使う訳にはいかなかった。全能神が勇者を見初めたとあっては、邪神がハンスにどんな手を打ってくるか分からなかったからだ。
 それ故に神豚は自身の知性以外の能力を封印し、無能力な豚として、ここに顕現していたのである。
 邪神に神気を気取られる訳にはいかない為、神としての力を使う訳にはいかず、何とか言葉だけでハンスに信じて貰う以外に方法が無かったのだった。

「そ、それは牧畜の神であって、家畜の神ではない!! 我は家畜の神だからして、こうして多産の象徴たる豚を依り代にしておるのだ!!」

 そう言われ、ハンスが首を傾げる。

「でも、ポークノ助はオスだぞ? 多産だって言うならメスじゃねぇとおかしかねぇか?」
「た、確かに多産は地母神も管轄だからして、女神である事も多いだが、我は家畜を護る神でもあるからして男神なのである。確かに少年には理解し難い事ではあるが、神格と性別とは必ず一致する物ではなく……」

 勇者として導く前に殺される訳にはいかない神豚は、言葉を尽くしてハンスを説得しようと試みた。そしてしばらくその言葉を聞いていたハンスはナイフを腰に差し直すと、神豚を抱きかかえる。

「ぬっ、ようやっと、我の言葉を信じる気になったか! うむ、それで良い!」

 そんな感じで神豚が機嫌良くしていたのもつかの間の事だった。
0041この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 21:57:52.97ID:gckWCNy0
【神豚の100の試練】(2/2)


 ******

「しょ、少年? 何故このような所に?」

 神豚が困惑するのも無理はなかった。そこは牧草地からそう離れはていない崖の上であり、ハンスは神豚を襟首を鷲掴みにした状態で崖の端に立って居たからだ。

「う〜ん。ぶっちゃけ、ポークノ助の言ってる事、よくわかんねぇからさ、後は神様に判断して貰おうかと思ってな」
「え?」
「じゃ、頑張れよ?」

 そう言ってハンスが手を離す。そうなると神豚は当然のごとく重力に従って崖下に。

「ノーーーーーーーーーーー!!!!!」

 ドップラー効果を残しながら落ちて行く神豚を見ながらハンスは呟いた。

「ま、ポークノ助は何回か落っこちてるし、オレも一回落とされた事が有るから、神様が真実だと判断したら戻って来れるよな」

 ******

 古来から、無罪や真実を証明する為に、理不尽と思える試練を課すことは良く有った。
 例えは、煮えたぎる湯の中に手を漬けるとか、石を抱かせて川に沈め、生きて対岸まで至れたなら無罪であるとか……

「恐らく、そう言った類の試練であろうな! だが、もっと神として相応しい証明の仕方を導くべきだったのではないか? 牧畜神よぉ!!」

 全知である神豚は、こんな試練形式にしたであろう牧畜の神に呪詛を吐きながらも、90度近い崖をクライミングしていた。
 だがこの後、更なる試練が待ち受けようとは、さしもの神豚にも予知できなかったのだった。
0044三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/18(日) 22:12:12.79ID:FtNVPtjj
お題→『家畜』『全知の神』『クライミング』『無能力』『牧童』締切

【参加作品一覧】
>>29【休暇はのんびり有意義に】
>>40【神豚の100の試練】
>>42【世紀末光頭伝エスニャンダモ(小説版)/第二十二話:高地の死闘! シャイニングニャンダモ対サタンニャンダモですにゃー】
0045三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/18(日) 22:13:38.44ID:FtNVPtjj
では今回も企画なし、通常お題5つですにゃー

お題安価>>46-50
0046この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 22:14:37.14ID:9gTbz2wK
落雷
0048この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 22:18:10.37ID:svp8ZAka
フルーツタルト
0049この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 22:20:59.00ID:BXJ6Eg8r
『ライブ』
0051三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/18(日) 22:33:03.55ID:FtNVPtjj
☆お題→『落雷』『ひぐらし』『フルーツタルト』『ライブ』『蝶』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→10/25の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0052三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/18(日) 22:47:09.61ID:FtNVPtjj
>>3は引き続き募集中ですー・・・
3周年でも何もなしw
次回は一度ジャンル指定でもやっておこうと思います

引き続きお題スレをよろしくー
0053この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/18(日) 22:48:00.02ID:FtNVPtjj
>>40
これまたお題を完璧に消化してるだけでなく、ひっでー話でしたw
神にも知れぬ運命w
0054この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/19(月) 21:22:41.73ID:EL2xfShO
>>42
パワードスーツなのかと思っていたら、まさかの生身ですか
非常識の中の常識人は、どうしても自問自答をしがちになりますよね


>>53
感想有難うございます
神話時代の話では、英雄、勇者は現地人を導いてたはずなのに、いつの間に地球から拉致する様に成ったのでしょうね?
0055三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/20(火) 00:50:40.45ID:UJlwTp8J
>>54
言ってもなろうで隔離されて以降は現地人が優勢に・・・
どちらにせよ、ここまで身を粉にして働く(働かされる)神も珍しいと思いますがw

感想もありがとうございます、生身です!
元の戦奴ニャンダモが生身なので・・・
常識人でもネコミミ族なので、思考はゆるい方ですw
0056この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/21(水) 19:34:35.27ID:dgwaA3hW
>>51
使用するお題→『落雷』『ひぐらし』『蝶』

【マイベストフレンド・シグレ】(1/2)

「ギャハハハ!まだ死ぬんじゃねえぞ、お楽しみはこれからだ!」

捕らわれの身となったシンディは、実の父であるバイロンから激しく拷問を受けていた。
顔面を乱暴に蹴られ、右目は潰され失明、鼻の骨は折れ、口から血をドボドボと流している。

「さてと、本番といくとしようか!」

今、シンディの微かな視界に映るのは、何やらグレーの色をした物を手にして笑う父の姿だった。
その頃、シグレとサンセットが必死になってシンディを探していた。すると、オレンジ色の布のような物を見つける。

「これはシンディのスカーフ!」

それはシンディのスカーフだった。周辺をよく見渡してみると、近くに洞窟らしき岩穴があるのに気付く。

「シンディはこの穴の中にいるに違いない!サンセット、入るわよ!」

シンディが強く手綱を握り締めると同時にヒヒーン!とサンセットは雄叫びを上げ、勢いよくその洞窟の中に入っていった。
妖術で光を発生させ、暗い洞窟の中をひたすらと走っていく。すると、目の前に大きな鋼鉄の扉が立ち塞がってきた。

「この扉の先にシンディが!」

まずサンセットはその扉を後脚で思いきり蹴るものの、全くビクともしない。

「馬の蹴りでも破壊できない鉄の扉・・・、力で破れないのなら炎で突破するしかないわね」

しかし、シグレは不安だった。彼女は冷気を操る妖術が得意であるが、その反面、炎に関しては自信がなかったのだ。

「私は昔から炎の術を操るのが苦手、だけどこんな所で立ち止まっている場合じゃない!シンディの命が危ないのに!」

シグレは目を閉じ、刀をギュッと力強く握る。額から汗が流れ始め、刀が熱を帯びてくる。
すると青白い炎が彼女の刀を覆い尽くす。

「"青炎狂舞" (せいえん きょうぶ)!!」

青白い炎を纏った刀で、シグレはその分厚く強固な鋼鉄の扉を一刀両断する。

「やった!できた!」

鋼鉄の扉を打ち破ったその先に進むと、シンディの姿が見えてきた。

「シンディ!だいじょう…」

シグレとサンセットが目にしたのは、右目は潰れて失明、鼻や口から血を流して倒れているシンディの姿だった。
さらに衝撃だったのが、彼女の右手首がチェーンソーで切断されていたことだった。

「シンディ!しっかりして!一体、誰がこんな残酷なことを!」

シンディの意識は朦朧としており、シグレの姿を認識することができなかった。

「お前がシグレって奴か?」

低い声に後ろを振り向いたその瞬間、黄色い仮面と鎧のような物を身につけた男がシグレに向かって、大きなハンマーを振り下ろしてきた。
シグレは間一髪でそれを回避するも、そのハンマーは非常に強い電気を帯びている。
0057この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/21(水) 19:35:29.83ID:dgwaA3hW
【マイベストフレンド・シグレ】(2/2)

「あ、あんたは一体誰!?」
「俺の名はバイロン。殺人鬼イエローマスクド・デーモンの異名を持つと共に、このシンディの父だ」
「シ、シンディのお父さん!?まさか、あんたがシンディをこんな酷い目に!?」
「正解だ。こいつは可愛い一人娘ではあったんだが、大金になり損ねた哀れなモノだ!」
「許せない!こうなったら私が地獄に送ってやるわ!」

瞬時に体勢を整え、シグレはバイロンに刀を向ける。

「必殺 "茅蜩の微笑" (ひぐらしのほほえみ)!!」

かつてシンディとのバトルで使用した必殺斬法 "折紙の舞"の技の一つで、セミの形をした折り紙がバイロンに斬りかかる。

「そんな紙切れで俺の鎧を壊せるとでも思うのか?笑わせてくれるぜ」

バイロンの黄金に輝く鎧に、折紙の舞は一切通じなかった。その鎧から発せられている電気が、折り紙を次々と引き裂いていく。

「この俺が身に纏っている鎧はな、落雷の衝撃を受けた結果、電気を発生することのできる世界にただ一つしかない伝説の鎧!その名もマッドサンダーだ!」

マッドサンダーと呼ばれるその鎧から発生する強力な電気を帯びたハンマーで、バイロンがシグレに襲いかかる。
シグレはそのハンマーを刀で斬ろうとするも、強い電磁波に耐え切れず、刀がポキッ!と音を立てて折れてしまった。

「わ、私の刀が・・・!」
「サムライであろう者が刀を失っちゃどうにもならねえな」
「確かにそうね、でも私は刀だけが武器じゃない。妖術と幻術もあるのよ!」

今、自分がこの男を何とかして倒さないとシンディが殺されてしまう。その必死な思いがシグレの精神をとにかく動かした。

「あんたを絶対にあの世へ送ってやる。私のとっておき、"狂雪祭"(きょうせつまつり)!!」

シグレの全身全霊を込めた最強の冷気の妖術。自分の周囲から猛吹雪を起こし、バイロンを氷漬けにしようと考えたのだ。

「吹雪を起こしただと!?なんて魔法を使うんだ、この女!」
「(もう、私にはこの技しか残っていない。シンディ、私の命をあなたに全て捧げるわ!)」

マッドサンダーが段々と凍りついていく。非常に強い冷気で、鎧を纏う電磁波を封じ込めていく。

「あんたを治すことのできない凍傷でとことん苦しめてやるから!」

一方、シンディの意識が徐々に回復していき、シグレがバイロンと死闘を繰り広げている姿が視界にハッキリと映るが
血を流し、骨を折られてボロボロとなったその体を自由に動かすことができない。
今すぐにでも立ち上がってシグレを助けに行きたい。

「シ、シグレ・・・!た、立つのよシンディ!立って、早くシグレを助けなきゃ!」

突然、目の前が真っ白な世界になり、目の前に一匹の蝶が飛んでくる。

「な、何!?」
「シンディ、俺を覚えているかい?」

聞き覚えのする声が。その声の主とは・・・


To be continued...
0058この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/21(水) 19:57:54.97ID:dgwaA3hW
誤字があったので訂正
×シンディが強く手綱を握り締めると
○シグレが強く手綱を握り締めると

どっちもシから始まる名前だから、書き間違えそうになること多いんですw
0059この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/22(木) 00:31:05.27ID:yGIccFnW
>>56
おお、、とうとう続きが・・・満身創痍ですが!
最後は、、なんか覚えてるような気もしますw
0061この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/22(木) 15:49:48.93ID:4BroBPs2
>>59
感想ありがとうございます!
刀を失い己の命を捨てる覚悟で最強の妖術で立ち向かうシグレ、そんなシグレを救いたいシンディ
そしてシンディの目の前に現れた者とは一体!?
次回をどうぞお楽しみに!最終回目前でございます!
0062この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/22(木) 20:17:06.71ID:9T6ZUt4J
>>56
何と言う怪我の多いヒロインでしょうw しかも加害者は実父と言う
お話も佳境に入ってきましたが、はたしてどの様に逆転するのか? 楽しみですw
0063この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/22(木) 21:10:45.48ID:4BroBPs2
>>62
感想ありがとうございます!
弱肉強食で無法地帯の荒野は女だからといって手加減してもらえるような生温い世界ではなく、
理不尽な暴力を幾度となく受けてきたシンディの体は既に限界に達しています
一方のシグレも強力な妖術の使用で、己の寿命を削っているという危険な状態です
2人の運命や如何に!?次回をどうぞお楽しみに!最終回目前でございます!
0064この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/23(金) 19:52:39.53ID:h6CJZm1p
>>51
使用するお題→『落雷』『フルーツタルト』『蝶』

【雨宿り】(1/2)

一日の授業が終わり、放課後になった。

「うぅ、どうしよう・・・」

カナミは困っていた。そう雨がザーザーと激しく降り、雷がゴロゴロと鳴っている。

「朝のニュースだと雨が降ってくるの夜になってからって言ってたから、傘持ってこなかったのにぃ」

それがこの土砂降りだ。テレビの天気予報も案外アテにならないものである。

「七尾ー、どうしたんだ?」
「あっ、宮坂君」

困っているカナミに話しかけてきたのは、クラスメートのハヤトだった。

「傘持ってくるの忘れたんだろ?心配するな。俺、傘持ってるから家まで一緒について行ってやるよ」
「あ、ありがとう・・・」

ハヤトが傘を差し、カナミが中に入る。大雨の中、一緒に家まで歩き始める。

「弟のケンは元気にしているか?ここしばらく会ってないからさ」
「ああ、ケンスケったらハヤト兄に会いたい、遊びたいってよく言ってるわ。よっぽど宮坂君のことが好きなんだよね」
「そうか、なら安心だ。ここ最近、天気の悪い日が続いて外でなかなか遊べないからなあ。まあ、いつでも遊びに来いよ」
「うん、ケンスケにそう伝えておく」

雨がさっきよりも激しく降り始めてきた。大粒の雨と黒い雲に覆われた空のせいで前方の視界が遮られ、なかなか前に進むことができない。

「ヤバくなってきたな」
「う、うん」

すると、カナミは足下に落ちている空き缶に気付かず足を取られ、ドテッと尻餅をついて倒れてしまう。

「うわっ!!」
「七尾、大丈夫か!?」

バシャッ!と尻餅をついた場所が運悪く水溜りだったため、カナミは全身がびしょ濡れになってしまった。
しかし、カナミはニコッと笑いだす。

「アハハ、今日の私は本当にアンラッキーね。今日の星占い見たら最下位だったし」
「へー、七尾って何座?」
「私、おひつじ座よ」
「そうだったんだ、ちなみ俺はみずがめ座」

突然、ドゴーン!と激しい雷鳴が轟き、2人は心臓が止まりそうになるくらいビックリした。
しばらくすると、数キロ程先にある家の屋根から黒い煙が立ち上っているのが見えてくる。

「ヤバいな、落雷が直撃したみたいだ」
「こうなったら、雨が少しでも落ち着くまでどこか安全な場所で雨宿りしようよ」

カナミとハヤトはルートを変え、近くの小さな駅に立ち寄り、そこの待合室で雨宿りすることにした。
ハヤトはランドセルから何かを取り出した。それは青いタオルだった。
0065この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/23(金) 19:53:35.38ID:h6CJZm1p
【雨宿り】(2/2)

「今日は雨が降るからタオル持ってきてよかったぜ、ほら」

そう言うとハヤトはカナミにタオルを渡す。

「ありがとう、宮坂君」

そのタオルでカナミは濡れた髪や服、ランドセルを拭く。するとグゥーッと腹の音が鳴る。

「エヘヘ、ちょっとお腹が空いてきちゃったみたい。でも、この周辺コンビニとか無いし・・・」

するとハヤトはまたランドセルから何かを取り出す。それは小さな袋に入ったフルーツタルトだった。

「それ、今日の給食のデザートのフルーツタルト!」

そう、今日の給食のデザートで、ハヤトがジャンケン勝負で勝ち取った物だ。
ハヤトはそのフルーツタルトを半分に割る。

「俺もちょうど腹が減ってたんだ。ほら、半分こして食べようぜ」
「えっ、本当にいいの?」
「遠慮するなって」
「そ、それじゃあお言葉に甘えて」

そのフルーツタルトはとても美味しかった。ハヤトの優しさ、嬉しさも相まって一気に満腹になったような気分だ。
その後、しばらくおしゃべりをして楽しんでいると、あれだけザーザーと激しく降っていた雨が少しずつではあるがおさまり、小雨になってきた。

「よし、今が絶好のチャンスだ。行こう!」
「うん!」

駅の待合室を飛び出し、再び家に向かって歩き始める。そして、雨がまた激しくならないうちに家まで辿り着くことができた。

「宮坂君、今日は本当に色々とありがとう」
「礼には及ばねえよ、気にするな。それじゃあ俺も自分の家に帰るよ、また明日な!」
「バイバイ!気をつけてね!」

去っていくハヤトにカナミは手を振る。玄関のドアを開けて中に入ろうとした時、一匹のアゲハチョウが壁に止まっているのが見えた。
どうやらサナギから羽化したばかりのようだ。雨粒に少し濡れながらも、綺麗な羽根を立派に広げている。
そのアゲハチョウの姿に、カナミはニコッと微笑むと家の中に入るのだった。
0066三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/24(土) 00:51:58.18ID:akL74PTR
>>64
おお、これはすっきりとまとまった話
面白みもあるし、お題も雰囲気良く使われてますね
0067この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/24(土) 23:37:56.01ID:hLH19B5c
初々しい二人の様子、良いですね
自分に優しくしてくれる相手にドキドキするのは男女とも共通する事のようです
0068この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/25(日) 20:30:26.81ID:UUAqpLAp
>>66
>>67
感想ありがとうございます!
2人ともどちらも既に両思いの域に入っていますねw
あと給食のデザートに出てくるタルト系はどれも美味しかったんですよねぇ
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0069この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/25(日) 22:02:38.48ID:op4F22qX
遅れましたorz
>>51

【リ・ライブ】(1/2)

お題:『落雷』『ひぐらし』『フルーツタルト』『ライブ』『蝶』


 ひらり、ひらりと蝶が舞う。
 月光に映し出されたその白い体躯は儚く、まるで夢現の狭間を迷い飛んでいる様だとヒルデガルド・ヴァス=アルトノールは思った。

 ******

 カナカナとひぐらしが鳴き、秋の夕暮れを告げていた。ベッドに横たわるヒルデガルドは未だ自分が生きている事が不思議だった。色々な意味で。

「ヒルデガルドお嬢様、サタニア様がいらっしゃりました」
「そう、お通しして」

 そう彼女が許可を出すと、深紅のドレスを纏った美貌の王女サタニア・ゲッフェンバーグ=ヒューレーン。この国の王位継承権第一位の王女であり、ヒルデガルドの親友とも言うべき少女が入って来る。
 サタニアはベッドに上半身を起こしたヒルデガルドを見ると安堵の表情を見せた。

「心配をかけた様ね、サティー」
「本当に、ヒルデ、貴女が落雷に打たれたと聞いた時は、心臓が止まりそうになりましたわ」
「まぁ、私も、自分が生きているのが不思議なのだけれど……」

 ヒルデが嵐の中を無理を押して屋敷まで戻ろうとしたのには訳があった。それは、サタニアの次に王位継承権の有るルキフェル王子派の貴族がサタニアを亡き者にしようと画策している所を聞いてしまったからだ。
 その為、彼女は、追手を撒く為に嵐の中を航行したのだが……
 結果として、落雷に会うと言う悲劇が待っていた。だが、その為に追ってから逃げきれたのだから不孝中の幸いと言う所だろう。

 しかし、そんなヒルデガルドの言い様に、サタニアがその柳眉を歪める。

「私は、貴方が生きていて嬉しかったと言うのに……」
「ごめんなさい。失言だったわ」

 ソファーを勧められ、サタニアが腰を下ろすと、そのタイミングで侍女達がお茶を入れ始めた。それと同時に切り分けられたフルーツタルトが運ばれて来る。

「食欲は有りますの? ヒルデ。季節柄、洋ナシのタルトを持って来たのだけれど」
「ええ、いただきます。ありがとうサティー」

 親友の心遣いに、ヒルデガルドが笑みを浮かべると、彼女もまたつられた様に笑みを浮かべた。
 その笑顔に、ヒルデガルドの……いや、彼女の中に居る者の心がチクリと痛んだ。落雷によってもたらされた副作用とでも言うべき事である。

「? どうしたのヒルデ」
「いいえ、何でも無いわ」

 ひらひらと、真っ白い蝶が飛んでいた気がした。

 ******

 煌く剣線に身を翻す。対峙するは赤褐色の鎧騎士。
 幾度と無く命のやり取りをして来た相手であるにも関わらず、まるで何年も共に戦場を駆け抜けて来た戦友の様にも感じられた。

 やがて退却のラッパが鳴り、二人は剣を叩き合わせ鳴らすと、同時に後ろを向いた。
 幾度と無く命を懸けていたからこその信頼であり、お互いに無駄な戦いをしない事が分かって居ると言う信頼でもあった。

 だが……

 ガシュッ!! ドグッ!!

 突き飛ばされ振り向いた時には、敵の魔法師の放った炎槍が赤褐色の騎士の胸を貫いていた。
0070この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/25(日) 22:03:20.17ID:op4F22qX
【リ・ライブ】(2/2)


「貴様!!」

 激昂し、一息の元に魔法師を両断する。そして騎士の元に駆け寄った時、彼の胸中に有ったのは“何故”と言う言葉だけだった。

「馬鹿な……事を」
「つまらない事で、貴殿を失いたくなかったのだ」
「だが、それで貴様が死んでしまっては!!」

 騎士が兜を脱ぐ。艶やかな金髪と翠色の瞳。

「貴殿の顔も見せてくれるか?」

 頷き、彼もまた兜を外した。

「優男が台無しではないか」
「言うな」

 涙を流していると言う自覚はあった。これまで、命の奪い合いをして来た相手だと言うのに、しかし、それでも尚、騎士との間には確かな友情があったと彼は思っていたし、今回の事で、騎士もまた同じ事を感じてくれていたと確信した。

「最期に、泣いてくれる者が居ると言うのは、存外、心地の良い物だ」
「貴様!!」
「ランチエスターだ。覚えておいてくれ……」
「ランチェスター……」

 武骨なガントレットを纏った指が、たどたどしく彼の涙を拭う。

「なぁ、貴殿の名前も聞かせてくれるか?」
「ああ、俺の名は……」

 ******

 目を覚ました時、ヒルデガルドは自分が涙を流して居る事に気が付いた。

「夢? いえ……あれは前世……」

 どうしようもなく胸に穴の開いた様な感覚に、ヒルデガルドの唇がわなないた。

「次は、私が貴女を助ける番です」

 サタニアに重なったランチェスターの最期の微笑み。
 ヒルデガルドは、今生でも親友となった彼女を護って見せるのだと、心に決める。

 そんな彼女の視界の片隅で、ひらひらと蝶が舞った様に思えた。
0071三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/25(日) 22:12:36.37ID:PicomC74
お題→『落雷』『ひぐらし』『フルーツタルト』『ライブ』『蝶』締切

【参加作品一覧】
>>56【マイベストフレンド・シグレ】
>>64【雨宿り】
>>69【リ・ライブ】
0072三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/25(日) 22:14:46.60ID:PicomC74
では、予告通りジャンル指定をやります
ジャンルは今回も、なろう準拠ではなく、進行が独自に調整したものを使います
0073三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/25(日) 22:16:09.13ID:PicomC74
ジャンルは次の中から1つ選択→
『恋愛』『ファンタジー』『歴史』『推理』『ホラー』『コメディー』『SF』『童話』
『冒険』『幻想』『日常』『人生』『家族』『戦争』『動物』『スポーツ』

お題安価>>74-77
ジャンル安価>>78
0074この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/25(日) 22:25:24.32ID:h6t1ALvI
ラップ
0076この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/25(日) 22:54:16.12ID:Aa+HoEna
液晶
0079三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/26(月) 00:07:13.17ID:4+CQR1z5
☆お題→ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→11/1の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0080三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/26(月) 00:08:11.63ID:4+CQR1z5
最後にジャンル指定をやったのが、約半年前だった・・・
お題、作品、感想など、ありがとうございます

>>3も募集中なんですが、ともかく、引き続きお題スレをよろしくです
0081この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/26(月) 00:09:43.10ID:4+CQR1z5
>>69
なるほどこれは、雰囲気も発想も運命を感じさせますね・・・
蝶の使い方が、もう一歩踏み込んだ方が良かった感じもします
0082この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/26(月) 12:54:46.89ID:l5UK955s
>>81
感想有り難うございます
蝶々と言うのは魂の暗喩なのですが、その説明を入れ忘れていましたorz
0083この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/29(木) 19:28:27.94ID:TwgB0v5j
>>79
使用するお題→ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』

【大画面からこっそりと】(1/2)

「よし!最強の必殺技、喰らえッ!!」

午前1時。既に深夜であるにも関わらず、一人の少年がテレビゲームに夢中になっていた。
彼の名はツトム。とにかくゲームが大好きで、彼が今プレイしているのは最近新しく発売された「レッツ!アサルト」というタイトルの乱闘ゲームだ。
30とたくさんいるキャラの中でも、彼の一番のお気に入りはエミリアという薄いピンク色のロングヘアーに、光沢のある黒い鎧が美しい女騎士だ。
液晶の大画面で繰り広げられる、彼女の華麗な剣技は大迫力で圧巻の一言。
ストーリーモードをプレイしていて、ちょうど6つめのボスを倒したところだ。

「エミリア、マジ最強!俺にはエミリアしかいないぜ!」

もう4時間以上もぶっ通しでプレイしていた為、睡魔が襲ってきたのか、セーブもせず電源も落とさないまま、ツトムはムニャムニャと眠りに落ちてしまった。
プレイヤーであるツトムが寝てしまったせいで、エミリアはそのまま動けずに待機モーションに入ってしまった。

「ちょ、ちょっと寝ないで私を操作して!やめるならちゃんとセーブして切って!」

ゲームの世界からエミリアが叫ぶも、もちろん声が届くはずがなくツトムは起きない。

「もう、困ったわね・・・」

すると白いまん丸の可愛らしいネコの姿をしたザコ敵の一体、モチマルがエミリアに体当たりしてきた。

「こ、こら!やめて!私が動けないからって攻撃しないで!」

モチマルはニヤニヤしながらニャーン!と鳴くと、そのままゲームの画面から現実世界に飛び出してしまった。

「何勝手に飛び出してるの!戻ってきなさい!」

エミリアは急いで動き出し、逃げ出したモチマルを追って大画面から飛び出した。
実は深夜0時から朝の6時までは、ゲームの世界から現実世界に移動することが可能なのである。
しかし6時が来るまでにゲームの世界に戻らないと、姿や形、そうデータそのものが完全に消えてしまうので注意しないといけない。
その上、あくまでゲームの世界に存在する空想のキャラなので、現実世界にいるところを人に見られてしまっても同様だ。

「早くモチマルを見つけて戻らなきゃ!」

長時間によるプレイでツトムが今、深い眠りに落ちているのが幸いだ。他の家族もスヤスヤと寝静まったこの時がチャンスだ。
エミリアは開いたままのドアからこっそりと出ると、小さな声でモチマルの名前を呼ぶが返事はない。
仕方なく1階に下りた時、何やらガタガタと物音が聞こえてきた。どうやらキッチンの方からだ。
急いでキッチンに向かってみると、モチマルが冷蔵庫の中を物色しているのが見えた。
モチマルはラップで覆ったツトムの母手作りのガトーショコラの皿を取り出し、ラップを外すや否やムシャムシャと美味しそうにかぶりつく。

「そこにいたのね、もう・・・」

モチマルの姿を見て、エミリアはホッと安堵する。
0084この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/29(木) 19:29:14.43ID:TwgB0v5j
【大画面からこっそりと】(2/2)

モチマルもエミリアの姿に気付き、彼女を見るとニャーッと嬉しそうに鳴く。
エミリアはモチマルの近くまで歩み寄るとその場に座り込む。

「ゲームの中だからといって、いつも剣で斬っちゃってごめんね」

モチマルは敵キャラであるが故に、いつもエミリアに剣で真っ二つにされて倒されている。
本来、ゲームの世界にはそれぞれ「役割」というのがあるため、敵だとか味方という概念なんてない。
エミリアは乱闘ゲームのキャラとして生み出されたことにずっと内心不満を抱いていた。

「闘いとか喧嘩ばかりのゲームなんて嫌だった。ずっと平和でのんびりした世界で過ごしたい」

エミリアの言葉に賛同するかのように、モチマルもニャーンと鳴く。

「モチマルもそう思う?」

モチマルをそっと抱き上げるエミリア。ゲームの世界という、ただ操作されるだけの人生なんてもう真っ平だ。

「そう、これからは一緒に自由に暮らしましょう」

・・・・・・・・・・・・・

朝の6時が過ぎ、フワアッと大きな欠伸をしながらツトムが目を覚ました。

「やべっ、つい寝ちまった!って、あれ?エミリアがいない、何故だ?」

画面に目をやると、エミリアの姿はそこにいない。

「あ、あれ?一体、どこに行ったんだ?キャラ選択にもいない!な、何でだ!?」
「ツトム!あんた、勝手にガトーショコラ食ったでしょ!このドラ息子!」
「ハァ!?そんなの知らねえよ!」
「ろくに就職もせずにゲームばかりして!いい加減にしな!」

ツトムは怒った母にビンタされた挙句、そのままゲームもハンマーで破壊されてしまうのだった。
日本から遠く離れた、緑の美しい草原に囲まれた小さな家に一人の女と白い猫が住んでいた。
そう、エミリアとモチマルだ。彼女達はゲームのキャラから本当の人間と猫へと転生することができたのだ。

「これからはのんびりと楽しく過ごそうね、ずっと一緒よ」
「ニャーン!」
0085三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/10/30(金) 18:53:46.93ID:dYEd11wb
>>82
蝶だから再生、までは(ググって)理解したんですが、やっぱり説明は必要だったー

>>83
コメディー、、は、少ししかないなw
想像力が飛び出す話w、素敵な結末でした
0086この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/30(金) 20:07:05.71ID:5UPVN4RZ
>>85
感想ありがとうございます!レイチェルシリーズの者です
久々の新作ですが確かにコメディー感あまり無かったですねw
派手な設定出しておいてそれを上手く活かせず、ちぐはぐかつ支離滅裂な展開になってしまったなと自分でも思います
最近なかなか面白いアイデアが思い浮かばない、うーんもっと精進せねば!
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0087この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/30(金) 22:01:33.90ID:sqE7pbD4
>>83
少し不思議な物語ですね
ゲームキャラクターが飛び出してと言うお話も、最近では少なくなった気がします
0088この名無しがすごい!
垢版 |
2020/10/30(金) 22:34:34.11ID:5UPVN4RZ
>>87
感想ありがとうございます!
そうですね、バーチャルリアリティーや3Dが普及してきた影響かなと思います
ゲームキャラが生身の人間や動物に生まれ変わって新しい人生もいいかもって想像しながら書きました
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0089この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 21:59:47.19ID:behgFHOG
>>79
お題:ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』

【銃とゲームと幼馴染】(1/2)
 冷たい雨がしとしとと降り注ぐ。
 今は随分と気温も下がり、もう、一生間のしない内に息には白いものが混じるだろう。
 小笠原 吾優奈は、迷彩仕様のポンチョを着込み、雨に濡れない様にとラップでぐるぐる巻きにした、愛銃であるM16A1アサルトライフルを肩に担ぎながら、スマホの液晶画面をじっと見ていた。

「獲物は油断している。これより“作戦”に入る!!」

 そう呟くと、作戦開始のベルを鳴らしたのだった。

 ******

 その部屋は、主の性格を映す鏡の様に雑多とした様相を呈していた。
 積まれたままの本、プラモデル。ダンベルにハンドグリップ。チェスに囲碁盤。サッカーボールに野球のバット……

 “熱しやすく冷めやすい”小園 正章は、正にそんな少年だった。
 そんな彼は、今、ブラウザゲームに嵌っていた。いわゆる『放置系』と呼ばれるゲームで、画面の中のキャラクター達がわちゃわちゃと動き回りながら進んで行く様子をだらしない笑顔で眺めている。

「うへへへ、俺のリブタン、マジかっこかわいいぜ」

 ちょっと人には見せられないアレな笑顔で画面のキャラクターを見つめる正章は、控えめに言っても犯罪者予備軍にしか見えない。
 ライブ2Dで見えそうで見えない絶対領域を下から正章が覗き込んだその時であった。

「ホールドアップ!!」
「は?」

 バン!! っと扉が開くと、M16A1を構えた吾優奈が転がり込んで来たのは。

 変態が変態行為を行おうとしているその瞬間を目撃してしまった吾優奈は、その激情と共に、安全装置を連射に入れると、そのまま銃を乱射する。

 堪ったもんじゃないのは正章の方だ。
 至福の時間で正にこの世はパラダイスだったと言うのに、唐突に狂犬の様な幼馴染が強襲を仕掛けて来たのだから。
 弾を避ける為に彼がその“愉快なダンス”を止める事ができたのは、吾優奈が持って来ていた予備マガジン5本。総弾数267発を撃ち終わってからの事だった。
0090この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:00:37.92ID:behgFHOG
【銃とゲームと幼馴染】(2/2)


「ちょ、おま! アユナ!! 何で勝手に入って来てんだよ!!」
「勝手じゃない。お義母さまに許可を貰った」
「何してくれてんの? おふくろぉ!!」

 吾優奈がこうして強襲を仕掛けてくるのはこれが初めてではない。
 既にそれは日常茶飯事であり、昔から彼女の事が気に入っていた正章の母は、迷惑に思う所か、むしろ積極的に吾優奈を彼の部屋に招き入れる事に協力していた。

「正章、それは不健全。エロ本ならともかく2次元に欲情するのはいけない、それは禁断の扉だ。戻れなくなる」
「いや、別に欲情なんて……いや、てか、何でオレがゲームを始めた事が分かったんだ!?」

 その問いに答える代わりに、吾優奈は正章の部屋の窓を開けた。音も無くふよふよと中に入って来たのはドローンだった。
 そして自分のスマホの画面を彼に見せつける様にかざすと、一言いった。

「見てたから」

 その瞬間、正章の顔が真っ青になる。果たして彼女は何時から見ていたのか? 朝っぱらから色々エロエロやっていた自覚の有る正章は、その居た堪れなさも手伝って思わず声を上げてしまう。

「いや、おまっ、何してんだよ!! 何の権限があってそんなことしてんの? ってか、いつから見てたの? と言うか、何でこんなことすんだよ!!」
「何故って……『かなし』だよ」

 きょとんとして、そう呟いた吾優奈に正章が思わず眉を寄せる。

「え? 悲しい? え、何。オレ、悲しまれるくらい酷かったって事?」
「……ば〜か」

 少し拗ねた様にそう言った吾優奈に、正章は首を捻るしかなかったのである。
0092この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:03:31.06ID:u2z526eI
>>79

使用お題→ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』

【愛にあふれた変身ヒロイン野牛ハチベヱ】(1/3)

 闇の中に林立する高層ビル群。その黒い輪郭を彩る光、光、光。
「これで……終わりでございますよ! ヘイ、イマナンテ! チェンジ、ブレードモード!」
 遠く現代風の大都市。その夜を駆ける一人の少女。
「ピピッ、イマナンテ?」
 得物の液晶画面が頼りなく明滅する。彼女はそれを力任せにたたく。タッチセンサーが反応する。
「ピッ。モードセンタク、ブレードモード。アクティベート」
 その武器『<モルフデバイス>イマナンテ』が、長剣の形に姿を変える。
「覚悟! 流派野牛最終奥義『<紅角一閃(こうかくいっせん)>スカーレット・スラッシュ』!」
 輝きを増す灰色の刀身を構えると、彼女はそれを振り抜いた。

 *

 野牛ハチベヱは普通の女子高生である。
「それにしても、昨夜は危ないところでございました。まさか斬り付けた瞬間にシステムダウンとは」
 真昼の太陽光を反射するガラス張りの断崖。コンクリートの森の中で、青空に最も近い場所。
「ハチベヱよ、それはお前がイマナンテを雑に扱うせいであろう」
 屋上の手すりに背中を預けて立つ彼女。その正面には、二本足で立ち、人語を操る、無駄に態度のでかい小動物。
「この淫獣、うるさいでございますよ」
 犬とも猫とも付かぬ、不細工な不思議生物。妖精の世界からやってきた、お決まりのあれである。
「ああ、まったく嘆かわしいことだ。昔は俺のことを『タローテ様、タローテ様』と呼んで、一緒に風呂にまで入った仲だというのに」
 名を『ドン・タローテ』という。
「そんなのは小学生まででございますよ。男女中学にして共に入浴せず、でございます」
 腕を組んで、鋭い視線を送る彼女。
「大体、今のあなたの正体は、普通の男子高校生と変わらぬではございませんか。ああ汚らわしい、汚らわしい」
 鼻にしわを寄せて、そう言った。
 『普通』というのは便利な言葉だ。その意味するところは、主に話し手の主観によって決まる。
 彼女は自身を『普通』だと思っている。ドン・タローテは明らかに普通ではないが、彼女の中では、普通の人間と大差ない存在だ。
 長い付き合いの両者である。
 互いの存在が『普通』になっている。
 それはともかく、言われたドン・タローテは、こちらも顔をゆがめて、次のように応じる。
「ぐぬぬ……言ってくれるではないか。ああ、こんな時ハクアたんなら。昨日だって華麗に助けてくれたし……。俺、ハクアたんの担当が良かった。あーハクアたん、ハクアたん……」
「何を言っているでございますかこの淫獣は……。ハクア様は関係ないでございますよ!」
 『ハクアたん』というのは、簡単に言うと、ハチベヱと同じくらいには普通の女子高生だ。
「ですが……ハクア様のモルフデバイス。淫獣も見たでございましょう。なんか新しくなっていたでございますよ」
 ただちょっと顔がかわいくて、スタイルが良くて、性格も良くて、歌もダンスも上手で、つまりは学校でもご近所でもテレビでも動画サイトでも大人気のパーフェクトな現役アイドルで。
「ああ、あれか。あれは課金だ。ハクアたんは稼いでるからなぁ。どこかの誰かさんとは大違いだ」
 同じくらいに普通でも、世間というのは得てして不公平なものである。
「課金って……。前から思っていたでございますが、わたくしたちのお給料、安過ぎではございませんか? ボランティアでございましょうか」
 彼女たちの賃金は時給制である。モルフデバイスが勤怠管理システムと連動しており、秒単位の実働時間で支払われる。
「そんなこと俺に言われてもなぁ。俺は無給だしな。給料が出るだけありがたく思うべきであろう」
 ちなみに交通費などは出ない。保険もない。福利厚生らしきものはあるが。
「働けど働けど……のみならず、いたいけな女子高生の薄いお財布に対して課金とは。不届き千万でございますよ」
 普通、ということで言えば、真っ黒なブラックバイトである。
「何を言うか。薄いのはお前の胸であろう」
「それは……それはセクハラでございますよこの淫獣!」
0093この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:04:02.66ID:u2z526eI
【愛にあふれた変身ヒロイン野牛ハチベヱ】(2/3)

 古びた木造建築。都市の繁栄から取り残された場所。
「かねなし、かなし。かねなし、かなし……でございますよ……」
 ハチベヱはラップランド……ではなく、下町の片隅に建つ、ぼろアパートの自室にいた。
 角張った灰色の棒を片手で押さえ、もう片方の手でラップのロールを回している。
「こんなものでございましょうか。これで電源を……入れるでございますよ」
「ピッ。システムキドウ」
「おお、電源は入ったでございますよ」
 ラップでぐるぐる巻きにされたイマナンテである。
「ハチベヱよ、そんなことをしても無駄だと、俺は思うぞ。大体それだと変形させたら取れてしまうではないか」
 長いこと酷使されてきたイマナンテは、今やその筐体(きょうたい)の内側も外側もガタガタであった。
「仕方がないではございませんか。新しいのを買うお金なんてないでございますよ」
 とりあえずラップで外側から固定して、延命を図ろうというのである。
「やれやれ、貧すれば鈍するとはこのことだ。こうなったら、ハチベヱよ、女王様に無心するとしよう」
 もちろん妖精の世界の『女王様』だ。
「無心、でございますか?」
「そうだ。お慈悲にすがるのだ。妖精の国は金欠である、それは事実だ。だからと言って、壊れた装備で仲間を戦わせるほど落ちぶれてはおらん」
 ドン・タローテがそう言うと、ハチベヱはあからさまに嫌そうな顔をした。
「『仲間』と。人を端た金で散々使っておいて『仲間』と。その上『お慈悲』とは。何様でございましょうか。あっ、女王様でございましたね」
 ドン・タローテは言葉に詰まってしまった。言い返す代わりに、彼は部屋の隅へと向かった。
 そこには旧式の小さなブラウン管テレビがある。彼は肉球で電源スイッチを押した。しばらく待つと、画面に砂嵐が浮かび上がる。
「行くぞ、ハチベヱ」
「わたくしは行きたくないでございます」
 ドン・タローテは画面に向き直ると、両手をきびきびと動かし始めた。
 やがて画面の砂嵐が奇妙にゆがみ、ブラウン管の奥へと遠ざかり、その場に虹色の空洞が現れた。
 その空洞は、一度だけ大きく揺れて、次の瞬間には、嵐のような風量で彼らを吸い込み始めた。
「いざ――」
「わたくしは――」
「ピピッ――」
 何かを言い切る前に、二人とイマナンテはその場から姿を消した。

 *

 ハチベヱが目を開けると、そこには見知った顔があった。
「タローテ様……いえ、淫獣」
 ちなみに、イケメンとかではなく、普通の顔である。
「ご挨拶だな、ハチベヱよ」
 そこは緑色の野原だった。人間と同じ姿に戻ったドン・タローテが、倒れていたハチベヱを助け起こす。
「ありがとうございます……。ですが、また来てしまいました……」
 虹色の空。どこまでも続く草地。そして。
「あの、来る度に思うのでございますが……その、今さっき向こうを靴下が歩いていったような」
「気にするなハチベヱよ。妖精の世界はなんでもありなのだ」
 あちらこちらにファンシーな建物が見える。ウサギ、ブタ、ヤギ、よく分からないものが歩いている。それらの間を二人は進む。
「相変わらず光ってございますね……」
 向かった先には、ピカピカと光を発する、とても大きな屋敷があった。
 女王の宮殿である。
 衛兵などは特に見当たらず、二人は、光る廊下を奥へと進む。
「あらー? 珍しいお客様ですねー」
0094この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:04:33.25ID:u2z526eI
【愛にあふれた変身ヒロイン野牛ハチベヱ】(3/3)

 その女は全身光り輝いていた。仮にその座するのが玉座でなくとも、彼女の正体は一目瞭然である。
「女王様、ご無沙汰しております。ドン・タローテにございます」
「ええ、お久し振りですねー。少し見ない間にー、大きくなりましたねー」
 親戚のおばさんみたいなことを言うが、実際、妖精は全員親戚のようなものである。
「そちらはー、『<アサルト・スカーレット>野牛ハチベヱ』さんですねー。ハチベヱさんもー、大きくなりましたねー」
「……はい、女王様。お久しゅうございます」
 ハチベヱは、この女が苦手であった。妙に間延びした話し方からは感情が読み取れず、顔まで光っているせいで表情も分からない。
「それでー、今日はどんなご用件でしょうかー?」
 ドン・タローテが事情を説明する。彼の淡々と語る声だけが、謁見の間に響き渡る。
 説明が終わると、女王が口を開く。
「そうなんですかー。うーん、どうしましょう」
 その場が静寂に包まれる。
 何も悪いことなどしていないのに、小心者のハチベヱは、居たたまれない気持ちになってくる。
 やがて、女王の声が静寂を破る。
「分かりましたー。それではー、お題を出しますー」
「お、お題ですか」
 ドン・タローテが応じた。
「そうですー。それでー、お題なんですけど—、『コメディー』ですー」
 ドン・タローテとハチベヱの頭上に、大きな疑問符が浮かぶ。
 女王は何も言わない。
 ハチベヱが、考えに考えて、やっとのことで言葉を絞り出す。
「ふ……ふとんがふっとんだー……でございますよー……」
 誰も何も言わない。
「ござが……ございますー……でございますよー……」

 *

「――――では、次は……ものまねをやるでございます……。『モリモリ、世界征服だモリー』……」
 ハチベヱの滑り芸は小一時間続いた。時折イマナンテが「ピピッ、イマナンテ?」と反応する他には、物音一つしなかった。
「分かりましたー」
 だから、女王の口からその言葉が紡がれた時、ハチベヱは、この地獄のような時間からようやく解放されると思った。
「やっぱりー、ハチベヱさんは面白いですねー。最近退屈しておりましたのでー、もっとお願いしますー」

 *

 それから時間の感覚がなくなるまで、ハチベヱは一人で漫談を続けた。
 ドン・タローテは置物だった。イマナンテは前述の通りである。
 女王は大いに満足し、新しいモルフデバイスの予算は出なかったが、イマナンテの修理代が無料になった。
「よくやったぞハチベヱ! お前の担当で良かったと、今日ほど思ったことはない」
「タローテ様……あ、いえ、淫獣。それはよろしいのですが……。本日のこれは……一体なんだったのでございましょうか……」
 それはドン・タローテにもよく分からなかった。
「うーん……それは……気にしても仕方なかろう。修理代が無料になった、その結果がすべてではないか」
 ハチベヱの頭には『パワハラ』だとか『やりがい搾取』だとかの言葉が浮かんだものの、そのどれもがしっくりとせず、現状とも自分の気持ちとも違っているように感じられた。

 彼女は、この問題について、しばらくの間考え続けた。しかし答えが出ることはなかった。
 やがて彼女は、考えるのに疲れて、この疑問を棚上げすることにした。
 考え過ぎて正気を失うのはいやだった。
 彼女は、自身の愛を分け与えたのだと思うことにした。
 そしてイマナンテが修理から戻ってくると、その灰色の筐体を青空にかざして、また一緒に戦えることを喜んだのだった。
0095この名無しがすごい!
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2020/11/01(日) 22:05:34.05ID:u2z526eI
改めてコメディーって言われると・・・2回目

一応、初見の方、いらっしゃるか分かりませんが、スレ7から続けているシリーズです
0097三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/01(日) 22:10:48.90ID:u2z526eI
お題→ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』締切

【参加作品一覧】
>>83【大画面からこっそりと】
>>89【銃とゲームと幼馴染】
>>92【愛にあふれた変身ヒロイン野牛ハチベヱ】
0098三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/01(日) 22:12:07.14ID:u2z526eI
では今回は通常お題5つです

お題安価>>99-103
0099この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:13:13.11ID:YxVFRTOO
ブロッコリー
0102この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:15:23.94ID:AcIP1pXV
氷柱
0103この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/01(日) 22:38:42.71ID:pd0Hs+WY
グルメ
0104三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/01(日) 22:45:08.74ID:u2z526eI
☆お題→『ブロッコリー』『ノンレム睡眠』『チャーシュー』『氷柱』『グルメ』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→11/8の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0105三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/01(日) 22:50:09.42ID:u2z526eI
また今回も早かった・・・お題、作品、感想など、ありがとうございます

>>3も募集中・・・もちろん新規参戦も・・・お題スレを引き続きよろしくですー
0107この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/02(月) 22:03:06.35ID:rTtcO5qh
>>92
とうとう主役の座から転落しマスコット的な何かにw
魔法少女も色々と世知辛くなって来たようですね

>>106
感想有難うございます
小説だと、ギャグとコメディーの線引きが難しく
ラブコメに逃げましたorz
0108三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/02(月) 23:47:29.20ID:Y+hL51qk
>>107
感想ありがとうございます、あんまり頼りにならないやつですw
しょっぱい話が好きですw
0109この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/08(日) 21:55:07.45ID:UTHPIzr/
>>104
お題:『ブロッコリー』『ノンレム睡眠』『チャーシュー』『氷柱』『グルメ』

【夢のバカゲー】(1/2)
 自分の所に突っ込んで来たアロサウルスに似たモンスターを身の丈ほどもある三徳包丁で迎え撃つ。光吉 或斗は、身を捩って自分の攻撃を避けたそのモンスターを見て眉根を寄せた。

「あんまり動き回られると、肉の味が落ちちまうんだけどなぁ」

 アドレナリンが分泌し毛細血管が破れる為に、血抜きをしてもそれが残ってしまい、血生臭さが抜けきらないのだ。

「まったく、よくそんな細かい所まで作り込んだよなっと!」

 先程より勢いを付けて突っ込んで来たモンスターをステップで躱しながら、その首筋を断ち切る。
 半分ほどまで刃は通った筈だが、最命力の強い爬虫類系モンスターは、それでもしぶとく暴れ回る。

「う〜ん、こりゃ、ブロックで縛って味付けを濃い目にしたチャーシューにした方が良いか?」

 血生臭さを誤魔化す為には単純な焼肉よりも煮込んだ方が良い。特に脂身の薄いこのモンスターなら、単純な煮込み料理よりも、濃い味付けの方が似合うだろう。

 さて、光吉 或斗、いや、この世界風に言うのならばアルト・ミツヨシが、こんな事を考えながらモンスターを狩っているのは、この世界がゲームの中、それも驚く事なかれ、モンスターを料理すると言う『グルメアクションゲーム』の世界だからだ。

 アルトは、この世界時間で1ヶ月ほど前に、友人の紹介でゲームのデバッカーとしてプレイを始めた。
 ゲーム自体は最新の“フルダイブ型VRゲーム”であり、嗅覚や味覚さえも再現していると言うのが、一つの売りだった。
 だからこそのアクション要素であり、だからこそのグルメ要素なのだが、いまだにアルトとしては「良く、この二つを組みあわせようとか思ったよな」と言うのが正直な感想だった。

 ******

 片手鍋に水と塩を入れ煮立たせると、そこに軽く水洗いしたブロッコリーを放り込む。後は、火が通るくらいに煮込めばいい。アルトは彩を考え、シャキシャキした方が好きなので、2分程度で水切りをする。
 さて、アルトが何をしているのかと言えば、今日狩ったモンスターの料理だ。
 一頭でもそれなりの量があり、内臓を森に埋めた後は、魔法で作った氷柱の中に埋めて冷やしているのだが、今日食べる分だけ切り落として持って来ていたのである。
 狩りで疲れているので、それ程凝った物は作れない。その為、焼肉にするのが良いだろうと思ったのだ。
 醤油、唐辛子、ニンニクをベースに作った焼肉のタレなら、ある程度の血の匂いも消せるだろう。
 付け合わせは前に作った人参のシロップ漬けと、ブロッコリーの塩茹でである。

「うん! おいしそうだ!!」

 出来上がった料理を前に、アルトが手を合わせる。「いただきます」の言葉と共に、彼は焼肉にかぶりついた。
0110この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/08(日) 21:55:55.66ID:UTHPIzr/
【夢のバカゲー】(2/2)


 ******

 生命維持装置の電子音が、やけに規則正しく鳴り響く。
 白い病室の清潔そうなベッドの上には、まだ20代前半の青年が横たわり、静かな寝息を立てていた。

「あら、今日も来て下さったのね」

 ベッドの横の席に座る年老いた婦人が、来客の顔を見て困った様な笑みを浮かべる。

「……はい、或斗がこうなったのもオレのせいですから」
「そんな事は無いわ、事故だったのでしょう?」
「ですが、オレがこのバイトに誘わなかったら……」

 沈痛な面持ちで、入って来た青年が言う。彼は或斗の友人であり、ゲームメーカーでプログラマーをやっている戸野 颯だった。
 彼が、友人だった或斗にデバッカーを頼んだ張本人だった。

 あの時、或斗がログインした直後、突然の落雷で停電し、その為か彼の意識は戻らなくなった。
 医者の言葉によれば、深い睡眠状態であり、いつ目覚めるかは分からないと言う。

「時折ね」
「はい?」
「或斗、笑ってるのよ。何か良い夢でも見ているのかしらね?」
「それは……」

 「あり得ない」と言う言葉を颯は飲み込んだ。
 医者の言う所では、彼は所謂『ノンレム睡眠』状態であり、決して夢を見る訳など無いからだ。
 その事は知っていても、この年老いた母親に、そんな無意味な正論を突き付ける訳には行かなかった。

「そう、ですね……心配かけやがって、呑気に夢なんて見てんじゃねぇよ」
「ほんと、お寝坊さんなんだから」

 そう言って微笑む或斗の母親に、颯は悲しげな瞳で頷く事しか出来なかった。

 ******

「うん、さっぱりしてて、やっぱり鶏肉が近いのか?」

 「チャーシューよりは照り焼きの方が良いか?」等と首を傾げながら、アルトは足の献立を考え、どんな料理を作ろうか悩むのだった。
0111この名無しがすごい!
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2020/11/08(日) 22:10:48.72ID:HNEJE57u
>>104

使用お題→『ブロッコリー』『ノンレム睡眠』『チャーシュー』『氷柱』『グルメ』

【婚約破棄されたぽっちゃり令嬢は傷心家族旅行で訪れた先のブロッコリー王子に溺愛される!】

https://ncode.syosetu.com/n3038gp/
0112この名無しがすごい!
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2020/11/08(日) 22:13:45.71ID:HNEJE57u
今回も遅刻、申し訳ないです・・・

今回は、ワイスレから2つばかりお題を拝借しました
あえて向こうには晒しませんが、この場でお礼だけは申し上げておきますー・・・ありがとうございました
0113三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/08(日) 22:15:44.49ID:HNEJE57u
お題→ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』締切

【参加作品一覧】
>>109【夢のバカゲー】
>>111【婚約破棄されたぽっちゃり令嬢は傷心家族旅行で訪れた先のブロッコリー王子に溺愛される!】
0114三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/08(日) 22:17:24.53ID:HNEJE57u
では今回も通常お題5つです

お題安価>>115-119
0115この名無しがすごい!
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2020/11/08(日) 22:18:26.58ID:z1JysIDG
0116この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/08(日) 22:18:35.67ID:zmE+bY/R
ルーン
0117この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/08(日) 22:20:02.36ID:MzT97je9
牧場
0118この名無しがすごい!
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2020/11/08(日) 22:42:29.24ID:uvjwFgJm
オーダー
0120三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/08(日) 23:36:40.06ID:HNEJE57u
>>113
失礼、ミスってました・・・

お題→『ブロッコリー』『ノンレム睡眠』『チャーシュー』『氷柱』『グルメ』締切

【参加作品一覧】
>>109【夢のバカゲー】
>>111【婚約破棄されたぽっちゃり令嬢は傷心家族旅行で訪れた先のブロッコリー王子に溺愛される!】
0121三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/08(日) 23:37:35.01ID:HNEJE57u
☆お題→『竹』『ルーン』『牧場』『オーダー』『ミント』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→11/15の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0122三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/08(日) 23:41:28.80ID:HNEJE57u
かそじゃああああ・・・だがお題から作品、感想まで、ありがとうございます

>>3もご新規さんも募集中・・・ですー・・・
0123この名無しがすごい!
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2020/11/08(日) 23:41:46.85ID:HNEJE57u
>>109
モンスタークッカーw、と思いきや後半一転シリアスに
主人公が目覚める日はいつ・・・
0124この名無しがすごい!
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2020/11/09(月) 20:26:08.10ID:4UmPPZm5
>>111
荒唐無稽さは夢故なのでしょうか?
牛乳と小麦粉を加えてホワイトシチューにすれば『白い結婚』に……
ならないでしょうけどw

>>123
感想有難うございます
一か月もハンター生活をしていて、疑問に思わない主人公ですW
0126この名無しがすごい!
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2020/11/14(土) 19:03:15.30ID:U8zDVW4c
>>121
使用するお題→『竹』『牧場』『オーダー』『ミント』

【俺の進む道】

俺は今、途方に暮れている。何故かって?聞きたい?知りたい?
仕方ないなあ、特別に教えてやるよ。
俺はつい半年ほど前まで牧場を経営していたんだ。長年両親が経営していた牧場の後継になったんだ。
俺は長男にして一人っ子、その時特に夢なんて持ってなかったから仕方なく牧場経営の道に進んだ。
しかし片田舎にある小さい牧場、人手不足でまさに火の海な経営だった。
んで結局、牧場は潰れて破産。その時両親は既に老衰で他界、天涯孤独の身となった。

「あーあ、父さんと母さんには悪いが牧場はなくなっちまった。早く新しい仕事見つけなきゃなあ」

今の所持金は5000円。少し一休みしたいから近くの喫茶店に立ち寄った。
メニューを手に取り、見てみるとミントティーが書かれてあった。

「ミントティーか。ちょっと飲んでみるか」

ということでミントティーをオーダーする。すぐに可愛いウエイトレスの女の子が持ってきてくれた。
香ばしいミントの香りが自然と鼻にスーッと入っていく。喉が渇いていたからか一気に飲み干してしまった。

「な、何だ!?体全体に透き通ったような爽快感が広がっていく!」

こ、これがミントティーの力か!じ、自分でもよく分からないけど、な、なんか自信が湧いてきたぞ!
俺はすぐにその店の店長にミントティーの製造元を尋ねる。店長は嬉しそうに教えてくれた。
そのミントティーは遠く離れた森の奥深くにある、小さな農場で作られているのだ。
興味津々な俺はその農場で修行することを決意した。そう、美味しいミントティーを作るために。

「よく来た、若者よ!」

その農場の一番偉い人であろう老人が俺を歓迎してくれた。
毎朝4時に起きて近くに流れている滝に打たれながら南無阿弥陀、その後に斧で竹を割り、岩をたくさん積んだ荷車を引っ張っていく。
元々牧場で力仕事に励んでいた俺にとっては特に苦しくもなく、寧ろ楽しかった。

「さてっと、今日も立派なミントティー職人になるため一日頑張るとしますか!」
0128この名無しがすごい!
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2020/11/15(日) 17:33:01.63ID:0m7SGUdp
>>126
たかがミントティー、されどミントティー
紅茶に専門の職人が居る様に、ミントティーにもきっと……
0129この名無しがすごい!
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2020/11/15(日) 21:48:51.19ID:0m7SGUdp
>>121
お題:『竹』『ルーン』『牧場』『オーダー』『ミント』

【王様の革命児】(1/2)


 竹製の水筒に水を入れ、それを煽る様に飲み干した。
 見れば、周囲では幾人もの騎士が馬に水を飲ませ、果実や塩を与えている。
 人心地ついた尼野 白秋は水筒に刻まれた『浄化』を表すルーン文字を見た。

(これで本当に浄化できるとか、つくずくファンタジーだよなぁ)

 白秋がこの世界に召喚されてから、随分と時間が過ぎている。
 召喚されたと言うのは、今、流行りの異世界転移と言うヤツではあるが、白秋は決して勇者として呼び出された訳では無かった。

 “召喚獣”コンピューターゲーム的に言えば一瞬呼び出して攻撃をして貰う異世界の存在。そんな召喚獣と言う立場が、彼の現状だった。
 ただし、悪い意味で正統派の。

 召喚と帰還は通常一セットであり、普通であれば、帰還の条件も召喚時に含め儀式が行われるのだが、しかし白秋を呼び出した召喚主は、その一文を召喚陣に入れて居なかったのだ。
 それ故に召喚されっぱなし。つまりは帰る事の出来ない一方通行での召喚が行われ、白秋は地球に帰る手段を失ったのだった。

 自らの現状を振り返ってしまい、白秋は軽く頭を振る。

(思い返したって、地球には戻れないしな)

 幸いと言うか、この国の王は悪人では無かった事も有り、召喚主である王女が“事故”で召喚してしまった白秋を悪く扱おうとはしなかった。
 だが、何もせずに庇護されるだけと言う立場を良しとしなかった白秋は、自ら望んで“仕事”を請け負う事を望んだのである。

 その仕事が国王であるガイセル=アルトラ・デュゲール・モルトランの個人的な相談を受ける『相談人』であった。
 要は、ちょっとした小間使いを請け負う簡単な仕事である。
 本来であれば、王女が勝手に他国の人間を“拉致”したのである為、彼の存在自体が結構なスキャンダルでもある訳なのだが、だが、ガイセルは、王として白秋を信じると宣言した。
 そうなれば白秋とて、王を信ぜざるを得ない。

 そうして、白秋は王の相談を受けながら様々な“ちょっとした”革命を行って行った。

 それは、『魔法薬、ミント味革命』や、『砂糖まみれだったデザート革命』などと言われ、一部熱心な信奉者を生み出した。もっとも、その筆頭は、元々の相談事をしたガイセル王だったのだが。

 そんな白秋は今、数名の騎士と連れ立ってある農場に来ていた。
 その理由は、チェスを指して居た時の二人のこんな会話からだった。

 ******

「今年は天候が不順でな、麦の収穫量も激減してしまうだろう」
「あれ、こっちって二期作じゃなかったけ? 冷夏気味だったとしても、秋の作付け面積を増やしたりして対応できないの?」
「大地の力を回復させる為に田を休ませねばならんだろう? そうなれば、そうそう面積など増やせんよ」
「……大地の力って、え? 堆肥使ったりマメ科の植物を植えるとかしてないの?」
「何じゃ? それは」
0130この名無しがすごい!
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2020/11/15(日) 21:49:40.63ID:0m7SGUdp
【王様の革命児】(2/2)


 ******

 この世界の農業は現代程手を加える事は無いらしく、田を耕す程度の事はするが、麦はばら撒くだけで特に植えたり、ましてや堆肥を土に混ぜ込む様な事もしていなかったらしい。
 それでも、連作障害は経験から知って居た為、休耕田をつくり、ローテーションで田を使っているとの事だったのだ。

『大地の力を回復させると言う堆肥の作り方を指導して来い』

 と言うガイセル王のオーダーを受けた白秋は、こうして初めて城の外に出る事を許されたのである。
 ただし、一口に言っても堆肥の作り方や、原料は様々な物が有る。
 白秋はまず、石灰による土壌改良や、落ち葉や生ごみを使った堆肥の作り方を教え、小規模の畑で確認してから使うか使わないかを決めて貰う事にした。
 そして、その間に(やもすれば無駄に終わるかもしれないが)牛と鶏の糞を材料にした堆肥の作り方を指導する事にしたのだ。

 当然だが、王城の近くに、牛や鶏を大量に飼っている様な牧場など無い。その為、彼は護衛兼見張り役……やや見張り役の成分多目の騎士たちと、こうして牧場の多い領地まで旅して来たのである。

 やや高原に位置するこの領地では、酪農が盛んであり、そこかしこに牧場が確認できた。
 その風景を見て白秋は奮い立つ。
 今まで彼がした事は、“革命”とは言われるが、高々ちょっと美味しい物を作っただけに過ぎない。だがこれは、国の行く末にも関わって来る……かも知れない事なのだ。
 今更ながら、ここまで自分を信じてくれるガイセル王の気持ちが嬉しくなる。

 白秋は人知れずコブシを握ると、堆肥作りに対する気合を入れ直すのだった。

 こうして気合満天で酪農領に入った白秋が、ここでも『生クリーム革命』や『バター革命』を引き起こすのだが、それはまた別のお話。
0131三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/15(日) 22:12:50.86ID:mbBwZECw
お題→『竹』『ルーン』『牧場』『オーダー』『ミント』締切

【参加作品一覧】
>>126【俺の進む道】
>>129【王様の革命児】
0132三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/15(日) 22:14:11.41ID:mbBwZECw
では通常お題5つですー

お題安価>>133-137
0133この名無しがすごい!
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2020/11/15(日) 22:15:16.51ID:dVEgb7+y
『スペシャル』
0134この名無しがすごい!
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2020/11/15(日) 22:16:17.52ID:Cr1Q5KiW
障子
0135この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/15(日) 22:16:21.68ID:dTSr/bP7
旅館
0136この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/15(日) 22:18:52.08ID:tbmPWgd/
異能
0137この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/15(日) 22:25:36.03ID:GjOH7RhH
回転寿司
0138三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/15(日) 22:28:20.04ID:mbBwZECw
☆お題→『スペシャル』『障子』『旅館』『異能』『回転寿司』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→11/22の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0139三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/15(日) 22:31:19.05ID:mbBwZECw
こ、、今回はすごく早いね・・・お題、作品、感想、ありがとうございます

>>3も作品も、少しなら雑談も、引き続き募集中ですー
0140この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/15(日) 22:59:45.85ID:mbBwZECw
>>129
なんか無理矢理w、定番の知識チート、高原の牧場編だ・・・
王女はほったらかしで、王様と仲良くなってるというw
0141この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/16(月) 07:38:07.59ID:nNzecSAw
>>127
>>128
感想ありがとうございます
ミントティーの効力、というより主人公本人のやる気のおかげですね
0143この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/19(木) 18:13:55.41ID:IDupeWiK
あー過疎ってるなあ
0144三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/19(木) 23:23:58.84ID:M5xYF9R9
もーかっそ過疎
お題で短編を書いて遊ぶだけの、簡単なスレなんだけどなぁ

助けて><
0145三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/19(木) 23:27:22.64ID:M5xYF9R9
ageる

短編を書きたいけど何書いたらいいか分からんという方
ここにお題がありますよー・・・
0146この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/22(日) 21:41:26.45ID:GENsac5O
>>138
お題:『スペシャル』『障子』『旅館』『異能』『回転寿司』

【転生の多い異世界事情】
 野上 幸助は、障子戸の続く旅館の廊下をペタペタと歩きながら、大きく溜息を吐いた。

「どうなさいました? お客様」
「あ、いえ、何でも……」

 振り向いた案内係の女性は少し首を傾げたが、それでも前を向くと彼を部屋へと案内する。

(確かに“転生物”は流行りだけど、これは無いんじゃないか?)

 そう思いながら、幸助の視線が彼の前を歩く案内係の、その側頭部から横に伸びた笹の葉を思わせる長い耳に注がれる。

 長い耳。そう、エルフである。

 彼が今居るのは所謂エルフの里であり、目の前に居るのは確かにエルフなのだろう。ただし、作務衣の様な和服に身を包んで、前掛けをしているが。
 だが、幸助がこの里に来るために使ったのは送迎バスであったし、お昼は道の駅に併設された回転寿司だった。
 こんな純和風な旅館だ。今夜のスペシャルディナーが和牛のすき焼きと山の幸尽しだったとしても、驚くに値しない様に思える。

 ただし、彼がエルフの里に森のダンジョン攻略に来たのでなければ、だ。

『……転生者の影響、多すぎだろう!』
「どうなさいました? お客様」
「あ、いえ、何でも……」

 ******

 彼が今いるのは地球ではない。いわゆる異世界であり、彼はスーパーの角を曲がると、転移者としてこの世界に存在していた。
 帰宅途中だった為、着の身着のまま、スーツにデイバック、そしてママチャリと言う出で立ちでだ。

 当初は異世界転移などとは幸助も思わなかった。舗装された道にコンクリートで建てられた3階程度の建物、そして各種標識やかな混じり漢字。そこはまるで現代日本の地方都市の様な風景だったからだ。

 ただ、唐突に街並みが見慣れない物に変わった為、面食らったのである。
 しかし、そんな街の中を歩いて居る内に、ファンタジー的なアイコンをぽつぽつと発見し、ここが異世界だと確信したのだった。

 だが、それが分かっても、幸助にはどうこうする術など無い。その為、かなり並んだ末に、彼は駅前交番でお巡りさん……衛兵の人に事情を話したのである。

 ******

「そう言う事なら、領館の異世界転移課で、書類を作って貰って下さい。……そい言えば、お兄さん、何か身分を証明できる物とか持ってる?」
「え? 一応免許証が……」
「おっ、そりゃ良い、最近は学生なのに生徒手帳すら持ってない転移者とか居るからねぇ、それなら移住許可証の発行も早いでしょ」
「はあ」

 この世界は転生者や転移者が多く、その為NAISEITUEEEEEEEが進んでおり、文化レベルで言えば、現代日本とさほど変わらないらしい。
 ただ、いくらかの物は魔法によって再現されていたり、魔物や魔王の存在の為に、現代日本ではありえない職業等もあるらしいのだが。

 ともかく、領館で移住許可証を貰い、市民登録を済ませた幸助は、『どうせならファンタジーらしい職業とか良いよな』と、冒険者になる道を選んだのである。
 領館の職員からも、それは薦められていた選択でもあったからだ。
 それは、記憶を持って生まれてくるだけの転生者と違い、転移者はその殆どが何らかの異能力……つまりはチート能力を転移した時に授かるからである。

 トントン拍子に冒険者となった幸助だったが、しかし、色々と現代ナイズされたファンタジー世界に、頭を悩ませる事と成ったのは、当然の成り行きだったのであった。
0147三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/22(日) 22:11:42.22ID:PgUx93+A
お題→『スペシャル』『障子』『旅館』『異能』『回転寿司』締切

【参加作品一覧】
>>146【転生の多い異世界事情】
0148三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/22(日) 22:13:01.58ID:PgUx93+A
では今回も、通常お題5つです

お題安価>>149-153
0149この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/22(日) 22:13:43.99ID:+sj+eCWT
新婚
0150この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/22(日) 22:14:17.01ID:ShfZrF+e
鉄棒
0151この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/22(日) 22:14:39.15ID:q6r4FJa6
螺旋
0154三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/22(日) 22:30:16.46ID:PgUx93+A
☆お題→『新婚』『鉄棒』『螺旋』『大彗星』『追放』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→11/29の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0155三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/22(日) 22:35:32.19ID:PgUx93+A
今回も、、お題や作品など、ありがとうございます
和風の次は、ちょっとセンス・オブ・ワンダーの感じられるお題ですね

>>3も作品も募集中、どうかお題スレをよろしくー
0156この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/22(日) 22:37:52.39ID:PgUx93+A
>>146
お題を素直に使って、ありそうでなさそうな現代日本風異世界w
なんか、これはこれで夢がありますね・・・
0157この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/23(月) 20:36:37.97ID:MwRxD5ct
>>156
感想有難うございます
普通だと、現代日本風で異能力ですとローファンタジーになってしまいますのでw
まぁ海外のゲームですと『シャ〇ウラン』何かは、近い物が有ります
0158三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/24(火) 13:17:27.95ID:VgvELWdD
ageるー

そっちはそっちですごいですね・・・
でも組み合わせの斬新さ?珍しさ?で言うと、こっちの方が上だと思うw
0159この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/24(火) 13:20:48.33ID:VgvELWdD
>>15
前スレ35の過去編を書きましたので、貼っておきます
ちょっとずるいと言うか、お題と無関係なので、ルール違反に近いですが

【勝利の向こう側に】

https://kakuyomu.jp/works/1177354055004309229

それと前スレ37に訂正があります
誤『ディフューズ』→正『ディフュース』でした
0160この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/25(水) 00:03:31.48ID:HJ02RL9y
>>159
ゲームの内容がより具体的に
前日譚の次はビギニングか、開発秘話でしょうか?
ともかく、中の良い兄妹で良いですね
0161この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/25(水) 12:48:23.28ID:9O1rgvgv
>>160
おっと、感想ありがとうございます
説明だらけで読みづらいのではと思いますが、兄妹の関係性が伝わったのなら良かったです
続きは、、正直このシリーズは書くのが大変なので・・・
0162この名無しがすごい!
垢版 |
2020/11/27(金) 18:16:47.98ID:mYPZDe1V
もう感想実況の人がいなくなってからの過疎化がヤバいなこれ
あの人の楽しい感想のおかげですごく盛り上がってた面が強かったのに
0163三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/11/27(金) 23:50:57.52ID:g/DVj5Vd
あなたが感想を書いてくれてもいいのよ
別にスレを盛り上げるとかじゃなくて、感想を書く練習に

競馬実況さんは、書き込まないだけで、実はスレを見てはいますよね
人違いでなければw
0164この名無しがすごい!
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2020/11/29(日) 22:08:15.91ID:aqc5mFqp
間に合わなかったorz

>>154
お題:『新婚』『鉄棒』『螺旋』『大彗星』『追放』

【吉兆を追って】(1/2)
「紅凛、すまない」
「いえ、そんな顔をしないでくださいませ、旦那様」

 健気な新妻の微笑を見た阿南は、自身の気性に落胆し、苦悩で眉を顰めた。

 阿南は生来正義感の強い男である。
 不正を嫌い理不尽に腹を立てる、気持ちの良い男なのだ。
 ただ、少しばかり考えるより先に体を動かしてしまうと言うだけで。

(独身の頃とは違うのだ。自重をせねばならなかった……)

 ほんの一月ほど前に、阿南は紅凛を嫁に貰ったばかりだった。
 阿南と紅凜が出会ったのは春の華祭りの時であり、その時、一目ぼれをした阿南が猛アタックを掛け、紅凛を口説き落としたのである。

 降臨の方はと言えば、最初こそ戸惑っていたのだが、次第に、その裏表のない阿南に魅かれ、ついに結婚の申し出を受けるに至ったのである。

 二人は今、住んでいた町から随分と離れた、岩しかない山中に居た。
 追放されたのである。街を。

 事の起こりは阿南が下女を助けた事だった。街中で、身なりの良い男に暴力を振るわれていた下女を助けた阿南だったが、しかし、自分の行いを咎められた身なりの良い男は、癇癪を起して下男に持たせていた鉄棒で、阿南を打ち据えようとしたのだ。
 だが、そこは相手が悪かったと言う他ないだろう。

 阿南は街の道場で師範代を務める程の腕前だったのだ。
 『螺旋経』。そう呼ばれる独自の功夫は、骨の髄まで阿南に染みついていた。
 それ故に、奇襲気味に襲い掛かられた事も有って、阿南は反撃で手加減をする事が出来なかったのである。

 そして、この反撃で、身なりの良い男は半死半生の状態となってしまったのだ。

「隣領の領主子息だったとは……」

 義を見ての行いとは言え、相手は貴族だ。流石に阿南もそれがどういう事なのか分かる。
 だが、日頃の行いだろう。阿南に対する助命の嘆願のお陰で、死罪は免れ、こうして町からの追放と言う形で落ち着いたのであった。

 ******

 岩山を既に9つばかり超えた時だった。

「あ、あ、旦那様!!」

 珍しく紅凛が声を上げた。それに釣られ阿南が顔を上げる。
 暮れかかる、薄紫色の空に、長く尾を引くほうき星。

 いや、この大きさなら大彗星と言って良いだろう。
 それを見た阿南が大きく溜息を吐く。
 彗星は、昔から吉凶の兆しを表すと言われている。

(これは、俺の運命を指して居るのだろう)

 街を追放され、岩山をあてどもなく彷徨う。つまりは、もっと悪い運命が待っていると言う天の思し召しなのだと、阿南は思った。

 自分はまだ良い。自業自得だ。だが、それに付き合わされる紅凛は……そう、阿南が思った、その時である。
0165この名無しがすごい!
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2020/11/29(日) 22:09:11.86ID:aqc5mFqp
【吉兆を追って】(2/2)


「旦那様!! 吉兆です!! きっと、あのほうき星の先に、私達の向かうべき場所があるのです!!」

 力強くそう言う紅凛に、思わず阿南は目を瞠った。
 こんな状態でも朗らかに笑う彼女に、阿南は自分の功夫とは違う強さを見た。
 何より、こんな状況にもかかわらず、自分と一緒に居てくれるつもりでいると言う紅凛の態度に、心底嬉しくなった。

「……旦那様?」

 呆けた様に動かなくなった阿南が心配になった紅凛が彼の顔を覗き込むと、阿南は彼女の事を思いきり抱き締めた。

「だ、だ、旦那様!?」

 目を白黒させる紅凛に、阿南が言う。

「ああ、最高だ! 君は最高の妻だ!!」

 この言葉に今度は紅凛が真っ赤になって言葉を失う。
 少し経って落ち着いた二人は、彼女の言葉に従って、彗星の後を追うのだった。
0166三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/29(日) 22:12:11.84ID:rFXODCQK
お題→『新婚』『鉄棒』『螺旋』『大彗星』『追放』締切

【参加作品一覧】
>>164【吉兆を追って】
0167三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/29(日) 22:13:58.79ID:rFXODCQK
いや危ないところでした・・・今回も通常お題5つで

お題安価>>168-172
0168この名無しがすごい!
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2020/11/29(日) 22:14:53.73ID:QiQToy+T
空白
0169この名無しがすごい!
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2020/11/29(日) 22:15:08.94ID:gGpKdrt5
0170この名無しがすごい!
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2020/11/29(日) 22:15:39.19ID:d3fnvNyY
マクドナルド
0173三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/11/30(月) 01:03:43.24ID:tv1ix8vE
☆お題→『空白』『壺』『マクドナルド』『ポジティブシンキング』『黄金の門』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→12/6の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0174この名無しがすごい!
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2020/11/30(月) 01:06:32.60ID:tv1ix8vE
たった5つも集まらん
ガチで住人がいないし、ポジティブも限界ですが、まぁしょうがないね><

>>164
なるほどー、、これはいいな
『螺旋』だけ無理矢理でw、他は雰囲気良く収まった東洋風の世界観
主人公には好感が持てますし、奥さんはなんでしょうか、、デカブリストの妻的な・・・
0175この名無しがすごい!
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2020/11/30(月) 23:18:27.79ID:Dy1TwKjv
>>174
感想有難うございます
『螺旋』が浮いているのは気が付いていましたが
実際に螺旋の動で攻撃をする技はあるので押し通しましたw
0176この名無しがすごい!
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2020/12/01(火) 10:23:06.38ID:yYyFRT4u
人がほとんどいない過疎スレと聞いて来ました!
何をすればいいですか!?
0177三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/12/01(火) 12:48:55.24ID:yh09/YPB
>>176
まず>>1安価お題で短編を書きます
0178この名無しがすごい!
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2020/12/02(水) 19:38:29.36ID:zsAKx6Ji
>>173
使用するお題→『空白』『壼』『マクドナルド』『ポジティブシンキング』『黄金の門』

【なんだか寂しい】(1/3)

雲一つない快晴の土曜日の朝、カナミとケンスケはのんびりと散歩を楽しんでいた。

「少し肌寒くなってきたね、お姉ちゃん。先週くらいまではまだポカポカしてたのに」
「そうね、来月くらいから雪が降り始めてきそうと思うわ」

公園の近くを通った時だった。

「おーい七尾ー!それにケンー!」

誰かが自分達を呼んでいる。その声の方に振り向いてみると、ハヤトが公園のベンチに座っていて大きく手を振っていた。

「宮坂君!」
「あっハヤト兄だッ!」

ハヤトの姿を見るや否や、ケンスケは鉄砲玉のように彼の方に駆け寄る。
そんな弟の後を急いで追うカナミ。

「ハヤト兄!久しぶりだね!ここ最近会えなかったから寂しかったんだ!」
「ここ数日、天気の悪い日が続いていたからな。そういえば体調はもう大丈夫なのか?一週間前、七尾から風邪を引いて休んでるって聞いたからさ」
「風邪ならもう治って、この通りピンピンで元気だよ!」
「そうか、それなら安心だ」
「ハヤト兄!今から一緒に遊ぼうよ!」
「おっ、いいぞ!」

まるで数年ぶりに再会した旧友のように仲良く話し合うハヤトと弟の姿に、
カナミは思わず微笑むが同時に心の中がモヤモヤするような気分だった。

「じゃあ早速、鬼ごっこしよう!お姉ちゃんが鬼ね!」
「ちょ、ちょっと勝手に決めないでよケンスケ。ここは普通ジャンケンで・・・」
「いいから、いいから!ハヤト兄、早く逃げよう!」
「あっ、ああ・・・」
「もう!こうなったらすぐに捕まえてやるんだから!」

ジャンケン無しで一方的に鬼をやらされることになったカナミ。弟は後に回し、先にハヤトを捕まえようとする。

「待てー!宮坂君!」
「七尾よ、俺を捕まえられるかな?」

スポーツが得意なだけあって、ハヤトは運動神経バツグンでかなり俊足だ。
狙った獲物は絶対に逃さない。その勢いでカナミは負けじとハヤトを追いかけるが、なかなか捕まえられず悪戦苦闘する。
とにかく今ある力を振り絞って必死に走り、カナミはなんとかハヤトに追いついてタッチして捕まえることができた。

「み、宮坂君、やっと、つ、捕まえた…!」
「俺を捕まえるとはすごいな七尾!よく頑張った!」
「あ、ありがとう・・・」

とにかく必死になって走り続けていたため、カナミはもうヘトヘトで顔も真っ赤になっていた。

「お願い、ちょっとだけでいいから休ませて・・・」

見かねたハヤトは近くの自販機でアクエリアスを買い、すぐにカナミに飲ませた。
0179この名無しがすごい!
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2020/12/02(水) 19:39:37.82ID:zsAKx6Ji
【なんだか寂しい】(2/3)

「あ、ありがとう宮坂君」
「ちょっと突っ走り過ぎたんじゃないか?無理しちゃダメだぞ」
「エヘヘ、少し休めばすぐに回復するわ」
「ハヤト兄を追いかけるお姉ちゃん、すっごく迫力あったよ!まるでこの前テレビで見た、鹿を追いかける黒ヒョウみたいだったよ!」
「ケンスケ、次はあんたを捕まえる番よ。覚悟してなさい」
「ヒッ!お姉ちゃん怖ッ!」

ケンスケはわざと怖がるフリをした。

「ハヤト兄、お姉ちゃんが体力回復するまで一緒にサッカーでもしようよ」
「えっ、私もう大丈夫・・・」
「七尾、もう少し休んだ方がいい。顔がまだ真っ赤だぞ」

ハヤトにそう促され、カナミはもう少し休憩することにした。
ハヤトと楽しそうにサッカーをして遊ぶ弟の姿を眺めるが、まだまだ何かモヤモヤする。

「(今日のケンスケったら、すごく生意気で腹が立つわ。で、でもなんだか寂しい・・・)」

すると、ケンスケが一瞬の隙を突いて、巧みにハヤトからボールを奪ってシュートを決めた。
大いに歓喜するケンスケの頭をハヤトが優しく撫でる。それを見たカナミは思わずムッとした。

「やるな、ケン!上手いぞ!」
「ハヤト兄には負けないよ!もう一回勝負だ!」
「望むところだ!」

色々と遊んでいるうちに正午になった。腹がグーッと音を立てる。

「いっぱい遊んだからお腹が空いてきたよ」
「近くにマクドナルドあるからそこでお昼にするか。お昼終わったら、俺の家で遊ぼうぜ」

近くのマクドナルドでお昼を食べることに。照り焼きバーガーやフライドポテトを食べながら、
「それでね、それでね」とケンスケは夢中でハヤトと楽しくおしゃべりをする。
弟があまりにも無我夢中なため、姉はなかなか会話の中に入れず、蚊帳の外にいるような疎外感をひどく感じてしまう。
そしてお昼を済ませ、ハヤトの家に行ってゲームで遊び始める。

「ハヤト兄もこのゲーム持ってたんだ!」
「ああ、でも途中でクリアできなくてしばらくプレイしてなかったんだ」
「僕ならこの間、やっと全クリしたところなんだ。助けてあげるよ」

ハヤト曰く、ラスボスと戦うために潜り抜けなければならない黄金の門を解放するための鍵の場所、
そして鍵を手に入れるための暗号が分からなくて往生しているとのこと。

「そこにある水色の壺を破壊するんだ」
「ああ、この変な壺か。あらよっと!」
「そしたら、暗号が書かれた小さなプレートが出てくるんだ。そして空白の部分にアルファベットのXを選択して入れるんだ」
0180この名無しがすごい!
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2020/12/02(水) 19:43:13.93ID:zsAKx6Ji
【なんだか寂しい】(3/3)

するとプレートがパッと割れて粉々になり、小さな虹色に輝く綺麗な鍵が現れた。

「本当だ、鍵が出てきた!ずっと分からなくて苦労してたんだ。ありがとうな、ケン!」
「アハハ、礼には及ばないよぉ」

そして、その虹色の鍵で黄金の門を解放し、その奥に待ち構えるラスボスをハヤトとケンスケが協力プレイで倒して全クリとなった。

「ふぅ、やっと倒せた!さすがだな、ケン!」
「僕とハヤト兄のコンビネーションが最強だったからだよ!」
「最強というより、連携がバツグンに良かったからだな」

すると、ケンスケのお腹がギュルギュルと音を立てた。

「な、なんかお腹が痛くなってきちゃった。ちょっとトイレに行ってくるね」

そう言うとケンスケは急いでハヤトの部屋を出て、トイレにへと向かった。

「大丈夫かな、ケンのやつ」
「ねえ、宮坂君」
「ん?どうしたんだ、七尾?」
「私、ちょっと用事思い出したから先に失礼するね。ケンスケがトイレから戻ってきたら、お姉ちゃんは先に帰ったって伝えておいてくれないかな」
「あ、ああ分かった。気をつけて帰れよ」
「うん。今日は一緒に遊べて楽しかったわ。ありがとう、宮坂君」

ハヤトの家を出て、一人寂しく家路につくカナミ。本当は用事なんて何もない。
ただ、ハヤトと本当の兄弟のように仲良くする弟の姿に我慢できなくなってしまっただけだ。

「(この所ずっとハヤト兄、ハヤト兄って言ってばっかり。気安く兄ってつけて呼んじゃってさ、何なのよ。本当のお姉ちゃんが近くにいるってのに・・・)」

心の中で不満を漏らしている内に、カナミはふと我に返って立ち止まる。

「(私ったら、一体何を考えてるんだろう。これじゃあ、宮坂君に怒りや嫉妬の矛先を向けているのと同じ。ケンスケも宮坂君もどっちもすごく大好きなのに!)」

なぜポジティブシンキングで前向きになれないのか。
自分がひどく情けなく思えて、カナミは思わず泣きそうになる。
その時だった。

「お姉ちゃーーーーん!!」

後ろを振り返ると、ケンスケが息を切らしながら駆け寄ってきた。

「ケ、ケンスケ!」
「何で勝手に帰るんだよお。先に帰るんだったらハヤト兄に伝言頼むんじゃなくて、ちゃんと僕に一言言ってからにしてよ!」
「あ、えっと、そ、その・・・」
「もう勝手に置いていかないでよね」
「ごめんなさい。もう二度としないから許して」

姉がそう言うと、弟はすぐにニッコリと微笑んだ。

「お姉ちゃん、ハヤト兄を追いかける姿本当に凄かったよ。カメラに撮っておきたかったくらい」
「また、その話?」
「それからさ、ハヤト兄からボールを奪うところ見てた?凄かったでしょ?」
「ごめん。その時、電線に止まってる可愛いスズメ眺めてたから見逃しちゃったわ」
「えーっ!そんなあ!」
「ウフフ、冗談よ。ちゃんと見てたわ。なかなかだったわよケンスケ」

モヤモヤしていた心が一気に透き通っていくような爽快感を感じる姉なのであった。
0181三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/12/03(木) 13:13:23.83ID:DbLzTnR3
壼壺壷・・・

>>178
お久しぶり&珍しく全選択ですね
これは、、うまく発想した感が、、最後はネガティブからのポジティブw
なんだか考えさせられる話ー
0182この名無しがすごい!
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2020/12/03(木) 20:35:15.51ID:A2KekxRZ
>>181
感想ありがとうございます!
スレ7で書いた761【弟の悩み】の姉バージョンといった感じですね
ボーイフレンドに甘える弟に思わず嫉妬しちゃう姉、自分は勝手に姉弟あるあるだと思っています(オイ)
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0183この名無しがすごい!
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2020/12/03(木) 22:35:41.48ID:GIa3Xbgd
>>178
小さな小さな嫉妬心ですね
自分に一番懐いていると思っていた相手が、他の人と仲良くしているとモヤモヤする物です
0184この名無しがすごい!
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2020/12/04(金) 07:48:32.75ID:oNTv1KRj
>>183
感想ありがとうございます!
弟もボーイフレンドもどっちも大好きなのに、自分を差し置いて仲良くしてるのって辛いものがありますよね
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0186この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/06(日) 21:56:44.09ID:CLWIC1yy
このタイミングで前回お題作品という・・・すみません・・・

過疎のせいでもないんですが、ペースを崩し気味
0187この名無しがすごい!
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2020/12/06(日) 22:02:06.06ID:SbV3dafO
>>173
お題:『空白』『壺』『マクドナルド』『ポジティブシンキング』『黄金の門』

【魔王退治】(1/2)
 何度夢に見た事だろう。玉木 昂はその光景に思わず涙をにじませた。

 車通りの多い国道の交差点、その一角には様々なファーストフードの店が軒を連ねる。吉〇家、K〇C、マ〇ドナルド、日〇屋、etc……
 振り返れば馴染み“だった”最寄り駅。学校帰りに級友達と歩いた、まるで変らぬ地元の風景。
 帰りたくて、夢に何度も見たその景色に昂は知らず唇を震わせた。

 ******

 魔王城に昂達が突入してからそれなりの時間が経っている。城の外からは、未だに魔王軍と人類連合との戦いの音が鳴り響いていた。

「もっとオドロオドロしい感じだと思ってたんだけどな」
「ま、言っても魔族の王様ってだけだしな、と言ってもこの趣味はねぇよなぁ」

 豪奢な黄金の壺を指で弾きながら、昂のパーティーメンバーである闘剣士のワズマ・イズンがそう言った。
 魔王城の中は、成金趣味かと言う位に黄金で溢れ、この城に入る為の門ですら黄金で作られていた程である。

「分かり易い権力の象徴ですし」

 同じくパーティーメンバで賢者のハミット・オールンが魔王の黄金像をいつも以上のジト目で見ながら呟く。

「何にせよ、こんな悪趣味な物を作る為に無辜の民を苦しめていた等、許せる物ではありませんわ!!」

 聖女であるセイン・グラベルが怒りの余り、その美貌に影を落としながら、言い放つ。
 昂も「そうだな」と彼女の弁に頷いた。

 城の内部に残っていた親衛隊や四天王を下し、走り抜ける。

 一際大きな玉座の間の、その黄金の扉を眼前にし、昂が息を吐いた。

「やっと、ここまで来た……」

 その呟きを彼のパーティーメンバーは沈痛な面持ちで聞いていた。
0188この名無しがすごい!
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2020/12/06(日) 22:03:20.40ID:SbV3dafO
【魔王退治】(2/2)

 ******

 玉木 昂は勇者である。
 彼はこの世界を統べていた魔王の暴虐に反旗を翻した諸国連合によって秘密裏に召喚されたのだ。
 だが彼にとって不幸だったのは、この召喚が不完全な物であり、彼を元の世界に戻す事など出来ないと言う代物だった。
 だが、その説明をされた彼は言いきった。

「うん、神様からその話は聞いた。大丈夫、魔王は俺が倒す」

 本来、地上の営みに神は関与しない。だが、この度の魔王の行いは、この世界のバランスを崩す程の物だった。その為、本来なら成功などするはずの無かった『勇者召喚』を神が手助けをしたのである。

 ただ、その召喚の最中、あまりにも理不尽なこの召喚に申し訳が立たなかった神自らが、召喚途中だった昂の魂に介入し、事前に説明をしていたのだ。

 確かに理不尽だろう。玉木 昂という人間の人生を無理やり闘争の中に引き込む行為なのだから。
 だが、そんな神に向かい、彼は言った「確かに、理不尽だとは思うけど、その世界の人達って、もっと理不尽な目に合ってるんだろ? そんな事、聞いちまったら、助けない訳には行かないじゃん」と。
 そして「まぁ、卒業直後で良かったって事にしとくよ、大学進学の為に都会に行くのも、世界を助けに異世界に行くのも、地元を離れるって言う意味じゃそんなに変わらないしさ」そう言って苦笑したのである。

 ******

 黄金の扉が音も無く開く。昂達は油断なく中を覗いた。外と同じ様な黄金の柱と白金レリーフ。金と銀の刺繍を施されたビロードの壁掛け。
 大理石の床と真っ赤なカーペット。宝石から切り出したらしき輝かんばかりの玉座。
 だが、それ等よりも彼等の目を引いたのは……

「子供?」

 そんな広々とした玉座の間の中央に蹲った3、4才程の子供。
 その子供が顔を上げる。

「!! 勇者様!! ダメです!!」

 セインが叫ぶ。
 だが、魔王城にいるはずも無い幼い子供を発見した為に生まれた一瞬の意識の空白。それが、痛恨の隙と成った。

 次の瞬間硬直する昂。子供の瞳から放たれる深紅の光線。

「マジックウォール!!」

 ハミットの魔法がが防壁を作り出し、それに直撃した光線が大爆発を起こした。
 吹き飛ばされ、強かに体を打ち付けるパーティーメンバー達。それを横目に、子供……魔王ディケルバイザは、悠々と昂に近付いた。

「スバルに近付くんじゃねぇ!!」

 ワズマが吠え、剣を振り下ろす。
 だが、それを魔王は片手で受け切った。

「ふふ、僕に傷を付けたいのなら、せめて聖剣でも持ってこないと……そこの勇者の様にね」

 そう言って魔王が再びワズマを吹き飛ばすと、爪を硬質化させ、昂に向かい振り上げた。

「勇者様!!」

 セインが叫ぶも昂は微動だにしない。

「無駄さ、僕の精神魔法に囚われたんだ、何人たりとも解く事はできないよ」
「……そうでもないさ」
「何!!」

 驚く魔王、そんな魔王に、勇者の一撃が振り下ろされた。
0190三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/06(日) 22:10:46.14ID:CLWIC1yy
お題→『空白』『壺』『マクドナルド』『ポジティブシンキング』『黄金の門』締切

【参加作品一覧】
>>178【なんだか寂しい】
>>187【魔王退治】
0191三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/06(日) 22:12:30.80ID:CLWIC1yy
ではでは、通常お題5つです

お題安価>>192-196
0192この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/06(日) 22:13:49.94ID:pYsqR5JT
仙人
0193この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/06(日) 22:14:40.34ID:iP5fKxyM
変態
0194この名無しがすごい!
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2020/12/06(日) 22:15:32.21ID:P5Uqy4ir
シアン
0195この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/06(日) 23:47:33.79ID:WeSnwPI+
エイリアン
0197三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/07(月) 01:47:52.22ID:R6SC3QWw
☆お題→『仙人』『変態』『シアン』『エイリアン』『男爵』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→12/13の22時まで。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0198この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/07(月) 01:51:44.75ID:R6SC3QWw
今回もお題をありがとう・・・作品も・・・

>>187
ほんとだ、ギリギリで中途半端だ!
地味に正直な神様に、勇者らしい人格者の主人公
しかし金ぴかの魔王城というのは・・・w
0199この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/07(月) 22:49:12.60ID:1O6N9sc2
>>198
感想有難うございます
お題の消化だけは出来たのですが……
何処かでリベンジするかもしれませんorz
0200この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/13(日) 21:59:00.54ID:WheK3RV5
>>197
お題:『仙人』『変態』『男爵』

【闘仙巫女】
 ヒュゴッ、と言う唸りを上げながら、ジャガイモが飛んで行く。

「金気はコレ、木気を良く克す!!」

 そう言って少女が、そのジャガイモを手に持っ銭剣で打ち落とすと、そのままイモを放った相手である“妖仙”に駆け寄って行く。

 彼女こそが“闘仙巫女”妖怪変化にして仙人である妖仙を倒す為に選ばれた少女なのだ。
 彼女……七星 北斗はチャイナ服と羽衣を組み合わせた様な衣装を纏い、左手には札を右手には先程の剣、古銭で作られた“銭剣”を握っている。
 銭剣は金の気の剣であり、木気を宿す植物を相手にする場合に有効となる。それ故に北斗は、銭剣を用意したのだ。

 そんな彼女を見て、妖仙は目を血走らせると、本来であれば隠している“本性”の一部である植物の枝葉を体中から生やして行った。

「ああああぐうううぅぅぅぅ……!!!!」

 妖仙は北斗を近寄らせまいと、その枝葉を振り乱し牽制する。
 だが彼女は、それを銭剣でうち払いうと、左手の札をかざす。
 怯えた様に唸り声を上げ、攻撃を激しくする妖仙。だが、北斗は敵の必死の抵抗を嘲笑う様に躱し、打ち払い、叩き潰して行った。

「我は禁ず!! “変化”禁ずれば、即ち人型と為る事能わず!!」

 その呪言で札が輝き、妖仙は、人の姿を留める事ができなくなり、その正体を現した。

「ふむ、予想通り『男爵イモ』じゃったな」
「師父!!」

 北斗に師父と呼ばれた老人は、顎髭をしごきながら男爵イモを手に取ると、それをその細腕から想像もつかない握力で握りつぶす。
 と、その男爵イモから紫色の煙の様な物が吹き出し、しかし間もなく消えて行った。

「ふむ、封神台に行く事も無い程の低級な妖仙じゃったな」
「ですね、最近、この様な雑魚が増えて……」

 そう言って北斗が眉根を寄せる。
 そんな弟子の苦悩を見て、師父である仙人は、何を思ったか北斗の衣装を捲り上げた。

「ぎゃあぁぁ!!!!」
「思い悩むな、我々は、ただ、成すべき事をするのみじゃて」

 そう言って、ニヤリと笑う。

「こ、この変態!!」
「煩悩は無いぞ? その証拠に仙力を失っとらんわ!」
「そう言う意味じゃないです!! 変態!! スケベ!! 邪仙!!」
「ほっほ!! まだまだ若いのぉ」

 どやら思い通り、元気になった弟子を見た師父は、またニヤリと笑ったのだった。
0201この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/13(日) 22:01:12.89ID:WheK3RV5
裏設定で、他の『お題』絡みで色々考えていた筈なのに、全く表に出せませんでしたorz
0202この名無しがすごい!
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2020/12/13(日) 23:17:20.23ID:WheK3RV5
とうとう進行さんすら不参加にorz
代理で締めておきます

お題→『仙人』『変態』『シアン』『エイリアン』『男爵』締切

【参加作品一覧】
>>200【闘仙巫女】
0206この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/13(日) 23:27:49.25ID:5dp+i6Y9
漆黒の翼
0208この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/13(日) 23:39:30.47ID:CjQ0Rsuk
破滅
0210この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/14(月) 00:03:39.71ID:kkstfLlS
過疎っていてもお題を下さる皆が大好きだw

☆お題→『雪蛍』『漆黒の翼』『ネタ切れ』『破滅』『感覚共有』から1つ以上を選択してください

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→12/20の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可です。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0211この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/14(月) 03:20:31.31ID:jQgw03ib
過疎りすぎて作品数が少ないから使われないお題が出てきてるのがな‥
0212この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/14(月) 12:47:53.41ID:emrVMy95
てすと
0213この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/14(月) 12:48:38.30ID:emrVMy95
>>197
規制で書き込めず

使用お題→『仙人』『変態』『シアン』『エイリアン』『男爵』

【学園乙女ゲームの世界に転生しましたがヒーローが変人ばかりなので全力で恋愛を回避します!】

https://ncode.syosetu.com/n9773gq/
0214三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/14(月) 12:53:25.04ID:emrVMy95
どうやら書き込めるようだ・・・
代理進行ありがとうございましたm(_ _)m

> ERROR: 不正なPROXYを検出しました。
こんなことを言われて書き込めず・・・Cookie削除で復活

>>200
銭剣、、本当にそういう剣があるんですね
『男爵』なるほどそっちか!
老人には敵わないw
0215この名無しがすごい!
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2020/12/14(月) 13:03:53.60ID:K5Y+6hKv
できるだけ全て使おうとは思っているのですが、前回はどうにも組み込む事ができませんでしたorz

師父をシアン化○物で必殺する展開を考えたり(仙人なので死なない)

仙人は、仙人骨と言うものを先天的に持っていないと成れないと言う話から、実はエイリアンの子孫と言う設定を考えたりとかしたのですが、上手く話の中に組み込めませんでした

いや、全選択せず、もっと小まめに短編を書けよと言われれば、その通りだとは思うのですが、個人的な拘りで、全選択で考えたくなってしまい……

悪癖だとは思っているんですがorz
0216この名無しがすごい!
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2020/12/14(月) 23:22:56.77ID:kkstfLlS
>>213
色物ばかりの乙女ゲーの世界ですねw
もっとも、どんなゲームの世界でも現実になったら、それなりに厄介な気がしますがw

>>214
感想有難うございます
銭剣は、どちらかと言えば祭具ですがw
0218三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/12/16(水) 23:51:03.77ID:QByaWef7
今週もずーっと過疎じゃのう

今回は進行が締めるつもりですが、>>3も引き続き募集中なのでよろしくー
0219この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/19(土) 08:21:06.19ID:CtTaNAV6
安価を書き込んでいる方々は、どんなお話を読みたいのでしょうかね?
0221この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/19(土) 19:10:39.74ID:hqCs2rp/
過疎化ヤバすぎるでしょ、これ…
0222この名無しがすごい!
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2020/12/20(日) 21:52:03.47ID:rpu6TZFx
>>210
お題:『雪蛍』『漆黒の翼』『ネタ切れ』『破滅』『感覚共有』

【生存戦略サバイバー】(1/2)
 真っ白い綿毛の様な生き物が宙を舞っている。

(……雪蛍)

 初雪が降る直前に現れると言う、この粉雪の様な小さな虫を侍らせた、純白のドレスを纏っているかの様な立ち姿の彼女は、まるで雪の女王の様だった。

 ******

 キリキリと外骨格が鳴る。瞬時に加速した彼女……オリジンワンと呼ばれる、その異種族の女性は、綿貫 嵐途の首を躊躇なく狙って来た。
 体中に切り傷を作り、指の幾つかと肋骨も折れているであろう嵐途が、辛うじてその攻撃を避けると手印と呪文とを駆使して、高速で術式を展開する。

 だが、オリジンワンは、周囲の雪蛍に炎を纏わせると、嵐途に追撃を仕掛けた。

「チッ」

 舌打ちを一つ。呪文をキャンセルした嵐途が展開していた攻勢術式を咄嗟に召喚術式へと捻じ曲げ、最速で出せる式神を呼び出す。
 漆黒の翼と三本の足を持つ八咫烏。その数12体。

 感覚共有を使い、26もの瞳で相手の攻撃を見極めると、その攻撃の尽くを嵐途は避けて見せた。
 八咫烏は探知系に特化した式神であり、攻撃、防御共に強い式では無いが、しかし、嵐途の持っている式神の中では最速で出せる式だった。

(クソッ、これで用意した式神はネタ切れだ)

 心中で悪態を吐く。
 ゲームの様に、精神力やマジックポイントで自由に術を展開できれば良いのだが、しかし、式神術は事前に用意した札が無ければ行かう事ができない。
 その為に温存していた、言わば「切り札」の一つであったのだが、既に満身創痍と言って良い嵐途は、これ以上攻撃を受ける訳には行かなかったのだ。

 表情こそ変わらないが、おそらくオリジンワンの方もかなりのダメージが蓄積しているはずである。
 式神もネタ切れで満身創痍。だが、それでも嵐途が諦める訳には行かない。

『根源的破滅』

 占術によって出された結果。それは、人類の根幹にかかわる物だった。地球規模で言えば、何度も繰り返された“種”の入れ代わり。
 かつての王者だったカンブリア紀の生物が死滅し、恐竜は滅び、獣達は保護される側へと追いやられた。
 かつてない程に繁栄を貪る人類。だが、そこに破滅の足音が聞こえて来たのだ。
 次世代の王者によって。

 後にオリジンワンと呼ばれる彼等は、人類の中に唐突に生まれて来た。
 人以上の身体能力を持ち、超常能力をも操る彼らは、正に人類の上位互換種だったのだ。

 だが、やすやすとその立場を開け渡す気は人類には無かった。ウィザート、導師、サイボーグ、忍者、陰陽師、etc……今まで、文明の影で暗躍していた超人たちが、表舞台へと躍り出て来たのである。

 現代兵器と言った重火器や、核ミサイルまで無力化したオリジンワンだったが、しかし、かれら超人達との戦いは拮抗する事と成る。
 意思なき兵器と違い、彼等には“不屈の意思”そしてそれに伴う“可能性の力”があったからだ。
0223この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/20(日) 21:52:50.19ID:rpu6TZFx
【生存戦略サバイバー】(2/2)


 ******

 炎を纏った雪蛍が、オリジンワンの周囲を飛び回る。それと同期するかの様に彼女のドレスも深紅の炎へと変わって行く。
 それは、最初のイメージとは真逆の、烈火の女王を思わせた。

 嵐途が息を整える。おそらくこれが最期の攻撃となるだろう。お互いに。

 キリキリと外骨格が鳴り、オリジンワンが加速する。対する嵐途は目を瞑った。
 刹那、二人の姿がぶれる。

「ああ、ああああああああ……」

 オリジンワンから呻き声が上がり、大地に伏した。
 嵐途も限界以上の精神力を消費した為、膝をつく。
 ほんの僅かな天秤の傾きによって、薄氷の勝利を掴んだのは嵐途だった。

 あの刹那の時間、燃え盛る雪蛍を加速に利用したオリジンワンに対し、嵐途は、感覚共有にのみ精神力を割り振ったのだ。周囲に舞う漆黒の八咫烏。その目を最大限に使い、自身を俯瞰視する事で、極限のカウンターを叩き込んだのである。

 メラメラと、自ら発した炎に包まれるオリジンワン。
 その姿は、深紅のドレスに包まれているかのように美しかった。

 倒すべき敵だった。しかし、それでも嵐途は黙祷を捧げずにはいられなかったのだった。
0224三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/20(日) 22:10:19.45ID:2rR8Ds6X
お題→『雪蛍』『漆黒の翼』『ネタ切れ』『破滅』『感覚共有』締切

【参加作品一覧】
>>222【生存戦略サバイバー】
0226この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/20(日) 22:15:29.01ID:TLsCLpBW
氷柱
0227この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/20(日) 23:54:14.42ID:5AkHBD9X
思い出
0228この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/21(月) 00:01:24.03ID:ykgEHXhJ
線路
0230この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/21(月) 01:15:07.79ID:dY35vScR
大混乱
0231三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/21(月) 01:16:45.44ID:dY35vScR
☆お題→『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→12/27の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0232この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/21(月) 01:26:24.34ID:dY35vScR
底辺スレ見てる人は分かると思うけど、トチ狂って一番アレなのを晒してきてしまった
ごめんよ><

今回も進行が締めるつもりですけど、そろそろ本当に交代すべきではないかと

>>222
お題からイメージするとこんな感じ、、というのを作者様の土俵で書いた感じ
正直かなりかっこいい!
タイトルはもう一声、と思いましたw
0233この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/21(月) 08:19:33.34ID:EyYKv0lv
>>232
感想有り難うございます
『生存戦略』と『サバイバー』で被っていますねorz
人類滅亡と異能力ヒーロー好きは、ラ○ダー ファンの性ですね
0236この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/22(火) 23:53:34.65ID:itCWds6j
それで、、底辺スレで相手してもらったんですが、まーしかしお題スレの過疎がねー
知名度なし、作品はお題消化優先、感想はぬるい
これで飽きた人から抜けていくと、無人の身内スレに・・・

そういう認識はあったし、それが必ずしも悪いことだとは思ってないですが
しかしここまで過疎ってしまうとなぁ・・・

あと、底辺スレとお題スレって、元は同じでも全然別のスレになってますね
書き込んでみて初めて分かった
住民の気性は近い感じもするけど、そもそもスレの目的が違うし
0237この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/24(木) 16:01:55.25ID:13IhtpqD
>>231
使用するお題→『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』

【履き慣れないブーツは災いの元?】(1/2)

ルンルンルン♪
私は今、すっごく気分がいい。このクリスマス・イブの日、彼氏と初デートすることになったのだ。
現在、大学1年で進学して僅か半年足らずで彼氏ができたのだ。すっごくイケメンで頭が良くて優しい、最高の彼氏なの。
長めのコートに手袋、首にはネックウォーマー、ピチッと引き締まったスキニージーンズ、そして極めつけは・・・。

「これこれ!」

そう、大学進学祝いで親に買ってもらったロングブーツだ。艶のあるダークブラウンの皮がすっごく大人っぽくてカッコいい!
私は身長が170以上あってそれにスタイルも良いから、ロングブーツが相性バツグンなのよねー!
あっ、別に自慢してるわけじゃないわよ。

「よしっ!これで完璧ッと!」

ブーツを足に入れると、私は足早に家を飛び出す。せっかくの初デートなのに遅刻してはまずい。
ちゃんと時間に余裕を持って行動する、それが私のポリシーなのだ。
私はとにかく待ち合わせの約束をしている駅へと向かう。昨夜の大雪で雪が降り積もっているため、ここは徒歩で移動した方が安全だ。
ちょくちょく腕時計を確認しながら駅へと向かう。

「約束の時間は15時。現在14時15分、40分くらいあれば全然余裕ね!」

実は私はこのブーツをまだ3、4回ほどしか履いておらず、ちゃんと履き慣れていなかった。
それがトラブルの始まりになろうとは、まだ夢にも思っていなかった。

「あっ、信号が点滅!急がなきゃ!ここの信号、変わるの早いから引っかかったら時間のムダなのよね!」

私は信号が点滅している間になんとか横断歩道を渡ろうと、少し速く走った。
しかし信号は赤になり、私は止まろうとしたがもう遅かった。雪で滑りやすくなっているため止まれず、そのまま盛大に尻餅をついて転んでしまった。
そんな私の姿を見た、生意気そうな小学生男子達がケラケラと笑っている。

「ねえ、今の見たか?すっごく面白いコケっぷりだったな!」
「ギャグのコントかよってレベルだよね!」

私は思わずムッとするが怒らない。私は大人だから些細なことは気にしない。
私はなんとか立ち上がって、青信号になったのを確認すると駅へと向かって再び歩き始める。
しかし、この時私はまだ気付いていなかった。転んだ衝撃で、ブーツのヒールが折れかけてしまったことを。

「さっき転んでしまったせいで少しロスしてしまったわ!急がなきゃ!」

現在、14時35分。約束の15時まであと25分。私はとにかく急ぐ。
しかし、地面に落ちている氷柱に足を取られ、私はそのまま勢いよくゴミ箱にぶつかってしまい、中のゴミを散乱させてしまった。

「コラ!あんた、ゴミをぶち撒けてしまって!」
「だ、だって氷柱で滑って止まれなかったから・・・」
「言い訳は聞きたくないね!あんたが不注意だっただけでしょ!さっさとゴミを元通りに片付けなさい!」
0238この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/24(木) 16:02:42.75ID:13IhtpqD
【履き慣れないブーツは災いの元?】(2/2)

近所に住んでいた嫌な婆さんに怒られ、私は渋々、散乱したゴミをゴミ箱に戻していく。
生ゴミの嫌な臭いで鼻が曲がりそうだ。なんとかゴミを片付けると、約束の場所である駅へと向かう。
しかし、私は気付いていなかった。生ゴミであるバナナの皮がブーツの爪先についているとうことを。
あとはこの踏切を越えれば駅はすぐそこだ。なんとか約束の時間までには間に合う!
私は一瞬気が緩み、線路の溝にブーツのヒールをハマらせてしまった。

「わっ、ヒールが!」

急いで溝にハマって引っかかってしまったヒールを出そうと、強くブーツを引っ張る。
かなり焦っていたためか力づくで無理やり引っ張ったため、ブーツのヒールが綺麗にポキンと折れてしまった。

「そ、そんな・・・!買ってもらったばかりの新品なのに・・・」

ここは踏切。電車が来てはまずいと、私は折れたブーツのヒールを持って急いでその場を離れた。
もう、まさに大混乱の連続でヒールだけでなく私の心も折れそうになった。

「(もう、今日はデートやめて今すぐ家に帰ってじっとしてようかな・・・)」

一瞬ネガティブ思考に陥るも、私は気を取り戻し、約束の場所である駅へと向かう。

「せっかくの初デートなんだから!これくらいでヘコたれてどうするのよ、私!」

駅に着くと、時計台の前で彼氏が既に待っていた。

「お、遅れてごめん・・・」
「気にするなって。たった2分じゃないか」

彼氏は私のブーツに目をやると、クスクスと笑いだす。

「お前、ブーツの爪先にバナナの皮がついてるぞ。新しいファッションか?」
「えっ!?」

ゴミの片付けをしていた時に、生ゴミのバナナが爪先についていてしまったことにようやく今気付いた。

「あ、これはえっとね、実はカクカクシカジカ・・・」

私はこれまでの出来事を全て彼氏に説明した。それを聞いた彼氏は大笑いだ。

「そうか、でもそれも良くも悪くも思い出になったじゃないか。アッハッハ!」
「そ、そうだよね、エヘヘ・・・」
「まあ、そんな時もあるさ。俺はしょんぼりしているお前の姿を見たくないから、早く元気になってくれよ」

そう言うと彼氏はトイレの水道で濡らしたハンカチで、少し汚れてしまった私のブーツを綺麗に拭いてくれた。

「ブーツのヒールの修理代、俺が出してやるよ」
「えっ、そこまでしなくていいよ。また新しいの買うから」
「これくらいなら修理も簡単に済むぜ。それにこの前、財布忘れてしまった俺に昼飯奢ってくれたじゃないか。そのお返しだよ」

それを聞いた私は思わず顔を赤らめる。

「それじゃあ、早速デート開始といきますか!人生初のッ!!」
0239三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/24(木) 23:41:38.86ID:xYWSRx5N
やっぱり作品がないと話にならないメリクリー

>>237
ブーツ来たw、そして続々トラブル来た!
この発想力よ
だけど最後はポジティブエンドで良かったですw
0240この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/25(金) 00:09:07.02ID:rVyL3sdU
終わりよければすべてよしとも言います
災難には遭いましたが、彼氏との思い出で上書きといったところですねw
0241この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/25(金) 07:22:08.08ID:sg1pjP1w
>>239
>>240
感想ありがとうございます!
久々のブーツネタですw 数々のトラブルに見舞われながらも諦めずヘコたれずに
前へ進もうとする女性ってとてもカッコいいと私は思います
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0242この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/26(土) 22:35:23.46ID:g8q8xAc/
>>231
お題:『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』

【年の暮れの】


 『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』と言うのは、川端康成の小説『雪国』のあまりにも有名な出だしだ。
 尾崎 亨は、帰郷でトンネル電車がトンネルを抜ける度に、この冒頭を思い出す。
 確かに、高崎の辺りでは雪の気配など微塵もなくとも、実際には、水上の駅に着く頃にはそれなりに雪は積もっている。
 だが、湯檜曽、土合、土樽と言う三駅に渡る長いトンネルを抜けた先の、白の大地や山々と、対照的な黒い木々を目にした時に、初めて『雪国』に来たなぁと言う感慨にふける事ができる。
 尾崎が郷里を出てから既に20年以上が経っている。

 当時はまだ紅顔の少年だった彼も、今では立派な中年だ。

 たった2輌しかない車両の、その一番後ろにもたれ掛かると、流れゆく線路をぼんやりと見つめた、その線路とて雪に埋もれ、二本の溝を確認できるだけなのだが、しかし、これはこれですべてを埋め尽くす大自然の驚異と、人の生み出した文明のしたたかさとを感じさせる光景だと彼は思った。

 合計時間で言えば5時間ほどの電車の旅ではあるが、県内に入った後、まだ2時間は電車の中と言う計算になる。
 車中の暖房も有り、尾崎は欠伸を一つした。
 ずっと電車の中に居た為に疲れたと言うのもあろう。
 だが、それだけではなく、少々寝不足だと言うのも理由だった。

 師走の、只でさえ忙しい時期に、納期1週間前に決まった仕様変更で、尾崎の所属する会社は大混乱だった為、つい昨日まで残業に次ぐ残業で、殆ど眠る時間すら取れなかったのだ。
 余裕を持った搬入スケジュールが災いして、すでに納品してしまった商品もあり、彼の上司などは現地へと出張に次ぐ出張で、今も帰って来て居ないのだから、仮にも納品を全て終わらせ、こうして帰郷できる彼は、まだマシな方なのだと思う。

 ただ、そのあおりを食って、Xmasデートをキャンセルしなければならなくなった事と、その為に恋人に振られた事は、尾崎をやるせない気持ちにさせるには十分だった。

 本当であれば、今回の帰郷に合わせて、彼女を両親に紹介する算段であったが、それはご破算になった形だ。
 つい、彼女との思い出を思い出し、センチメンタルな気持ちになったが、既に過ぎ去った事ではある。
 覆水盆に返らずの諺通り、もう元には戻らないだろう。

 電車が止まる。

 『開く』のボタンを押し、電車から降りると見慣れた駅前の風景だ。閑散とした商店街も地面に着く程の氷柱も記憶の中にあるそれと全く変わってはいない。
 氷柱が、所々欠けているのは近所の子供が遊び半分で折ったからだろう。だが、その折られた氷柱の先から、また新しい氷柱が生えかかっているのを見ると、「自然と言うのはすごいな」となんとなく思う。

(この年で『センチメンタルジャーニー』と言うのも無いよなぁ)

 新幹線を使わず、長々と電車を乗り継いだのにはそんな心境も有ったのかもしれない。
 その事に思い至り、尾崎は苦笑しつつ改札を出た。

 ほの白い灰色の空と、ふわりと舞う粉雪。一週間もしない内に新しい年を迎えるだろう。
 心情としては未だ割り切れてはいないが、それでも尾崎は、この懐かしい風景の中に一歩踏み出した。 
0243この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 12:23:19.74ID:68QQyRZB
>>242
まさかの在来線w、ちゃんと調べるか土地勘がないと書けない話
年末はしんみり、、と言うか、去年もこんな話書いてたぞ!
バタバタしがちな上、今年はアレですが、、あっという間の一年でしたね・・・
0246この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 14:38:09.07ID:UHECe6kK
>>244
少し不思議なお話ですね
駅を最初から最後まで見続けたモノの1人語り
心に響いてきます

>>243
感想有難うございます
年末になると振られるのが定番だからでしょうか?
0248この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 21:47:54.83ID:UHECe6kK
>>231
お題:『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』

【年を重ねる】

「おーい、唐揚げまだかぁ?」
「ビール足りないよ!」
「子供のオレンジジュース追加で!!」
「あ、僕、ナポリタン食べたい!!」
「ハイハイ! ちょっと待ってくれ!!」

 こんなご時世だと言うのに、それ程広いと言う訳でも無い店内には結構な人の姿があり、厨房は次々と来る注文で大混乱だった。
 誰も彼もが自粛自粛自粛ムードで、鬱憤が溜まっていたのかも知れない。
 だとしたら今日は良い息抜きになるだろう。

 Xmasパーティー兼忘年会兼慰労会に集まったのは、常連客や、いつもつるんでいる悪友たちとその家族。
 特に、子供達はパーティーと言う事で随分とはしゃいでいるらしい。

「ほい! 唐揚げ上げったよ!!」

 そう言ってプラスチックプレートを乗せたのはディフォルメされた機関車の模型の上。それが線路をつかって客の元まで料理を運ぶ。
 その様子を嬉し気に見つめる子供達の眼はキラキラと輝いている。

 小西 幸雄が脱サラで洋食屋を始めたのは5年前の事だった。ウエイトレスの人件費を浮かせるために始めた模型機関車を使っての料理運びは、いつの間にかこの店の代名詞となっていた。
 それ程鉄道に詳しくはなかった幸雄だが、常連客の鉄オタのお陰で随分と鉄道に詳しくなってしまったものだ。
 今年に入ってコロナ禍で随分苦労したが、鉄オタや悪友と言った常連客のお陰で何とかやって来れた。それもあっての慰労会だ。
 参加費として一家族5000円を徴収してはいるが、食べ放題飲み放題だと考えれば、格安なのは確かだろう。

 12月に入ってから、随分と寒くなって来ている。昔は雪が降る事が珍しかったこの辺りでも毎年一回くらいは雪が積もっている事を考えれば、異常気象だと言うのも確かなのだろう。
 そうは言っても、TVで見た様な豪雪地帯のソレと比べれば、ほんの僅かな積雪なのだが。

 独身時代は冬には悪友達とスキー場にナンパをしに行っていたのも今は良い思い出である。
 1mも有る様な氷柱を『ライトセイバー』だと言いながらチャンバラしていたヤンチャ共が今はすっかり良いお父さんっぷりを発揮している。
 仲間達の中で独身なのももう幸雄だけに成ってしまった。

 それぞれ家庭があり、自分も店がる為、昔の様な無茶は出来ない。
 だが、こうして未だに集まれるのはやはり楽しい。

 このまま同じ様な関係で年を重ねられれば良いなぁ等と、ナポリタンを炒めながら、幸雄はそう思った。
0249三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/27(日) 22:11:57.17ID:68QQyRZB
お題→『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』締切

【参加作品一覧】
>>237【履き慣れないブーツは災いの元?】
>>242【年の暮れの】
>>244【私は入道雲を見上げた。あの日の暑さは、よく覚えている。】
>>248【年を重ねる】
0250三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/27(日) 22:14:19.78ID:68QQyRZB
では、今回も通常お題5つでお願いします

お題安価>>251-255
0251この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 22:15:23.81ID:FRVXKuyK
キャンプ
0252この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 22:16:42.23ID:kHedsQCa
毛糸
0253この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 22:18:07.24ID:v71UWjLv
シェフ
0259三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2020/12/27(日) 22:47:24.82ID:68QQyRZB
☆お題→『キャンプ』『毛糸』『シェフ』『笑ってはいけない』『スクロール』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→1/3の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0260この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/27(日) 23:03:59.33ID:68QQyRZB
ともかくお題から作品までありがとー

>>248
・・・からの、最後は明るい話
ちょっと楽しいアイディアw
思い出も線路もXmasも全部入りで・・・来年も・・・
0261この名無しがすごい!
垢版 |
2020/12/28(月) 11:40:45.60ID:E6ZZ/oYi
>>260
感想有難うございます
ファンタジー物も書きたかったのですが
どうしても思いつかず
中年主人公のお話ばかりにw
0262この名無しがすごい!
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2020/12/29(火) 19:53:04.38ID:rdlxHKXH
レイチェルシリーズの者です
今年2020年も残すところあと僅か、ということで今年書いた自作の感想をしていこうと思います

スレ7 639【あの日食べたポトフ】
レイチェルシリーズの後日談などを含むアントールド・ストーリー編の第1話目ですね。
疲労で倒れたレイチェルが、ライアンの作った美味しいポトフで元気に回復していく過程を
書くのが楽しかった話で個人的には力作の一つといった感じでお気に入りです。

スレ7 849【伝説の怪物、現る!?】
黒猫レイチェル大活躍のハロウィン編です。
黒猫姿のレイチェルはネコ科動物をメロメロにさせる不思議な力があるようです(笑)

スレ7 881【また会いたいな】
レイチェルシリーズにおけるサブキャラの代表格といえる、アニーとペットでイグアナのトニーのスピンオフです。
同じくレイチェルと関わりのあるバーバラも再登場し、レイチェルがライアンと結婚してシチリアに旅立っていなくなった後、
過去の楽しい思い出を振り返る総集編で、こんな話あったなあってウフフしながら書いてましたねw

スレ8 11【変態ストーカー、その名はノーマン】
スレ7の【一つ目の悪魔】にて唐突に初登場したノーマンが、何故レイチェルを狙うようになったかをじっくりと書いたお話で
実質これが彼の初登場ですね。とにかくレイチェルを自分だけのものにしようとするノーマンの異常な執念は恐ろしかったですねえ。
ライアンを殺害しようとするけどうっかり野良犬の尻尾を踏んで噛まれて怪我して、しかも携帯していた銃を紛失するところが
あまりにも情けなくて、一番書いてて楽しかったですね。
0263この名無しがすごい!
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2020/12/29(火) 20:18:35.91ID:rdlxHKXH
>>262の続き

スレ8 42【シチリアでの新しいスタート】
結婚しイタリアのシチリアへと旅立ったレイチェルとライアンの新生活ビギニングですね。
ここからあの数々の楽しい思い出や、忘れられないトラブルやハプニングが起こるのを想像するだけでも楽しいです。
レイチェルとライアンの強く固い絆は誰にも絶対に壊すことはできません!

スレ8 81【思い出は走馬灯のように駆け巡っていく】
結婚式のドレス、シチリアにいた時よく身につけていた黒猫の衣装といった懐かしいアイテムのオンパレードです。
自分もガンマン姿も黒猫姿もどっちも好きすぎて、どっちが良い?って聞かれると答えられる自信がないです(笑)

スレ8 259【懐かしのシチリアへ】
アメリカに帰ってきたライアンとレイチェルが懐かしいシチリアへと旅行する回です。
ジュディは今は死んで幽霊となっていますが、この2人と出会えて本当に良かったなあと心から思えてきます。

スレ8 441【黒猫レイチェル VS オオカミ女】
かつてガンマン衣装を奪い、さらにライアンをも攫った前市長の元秘書がまさかの再登場。
ナタリーやノーマンレベルの極悪人ではありますが、私にとっては黒猫レイチェルが活躍するきっかけを作ってくれた重要な人物でもあります。
追い詰められ絶体絶命な黒猫レイチェルを、彼女のガンマン衣装を身に纏ったライアンが助けに現れるところがとても熱かったですね。

とりあえず本日はここまでで。
0264三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/12/30(水) 00:29:52.57ID:3TwNJDat
もうそんな季節でしたねw
改めて見返すと、スレ7ではまだ人がいたし、スレ8でも辛うじて息してた
スレ9は・・・うーん
0265三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2020/12/30(水) 00:34:15.88ID:3TwNJDat
あ、季節って言うか、年が明けてからやるものだと思ってたという
前回は年末からやってたー
0266この名無しがすごい!
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2020/12/30(水) 20:52:06.54ID:xdtAhbhT
>>263の続き

スレ8 466【あなたの帰りがいつも待ち遠しい】
書いてて楽しかったお気に入りのエピソードの一つです。
某おもちゃ物語が大好きで、また書きたくなったんですよね。
夢オチではありますが、ここでもアニーとトニーが大活躍!

スレ8 717【あなたは最高の相棒】
初めてライアン視点で書いたエピソードです。私、おねショタがすっごく大好きで
レイチェルとショタなライアンのお話をいつか書きたかったんですよね(笑)
夢の中ではありますがここでもノーマンが悪役ぶりを発揮。

スレ8 866【殺人鬼は今、あなたのすぐ近くにいる・・・】
黒猫レイチェル大活躍のハロウィンストーリー、ここまで来ると完全にシリーズ化してますね(笑)
この回の敵はこれまで出てきたのと比べると弱すぎて、あっけなかった感がなんとなく否めませんでした。

スレ8 912【シンディ、私はあなたを応援している】
打ち切りの危機に陥った大好きな西部劇ドラマを救おうと奮闘するレイチェルのお話。
ここでもアニーとトニーが活躍。このコンビは最早レイチェルシリーズの縁の下の力持ち的存在と言っても過言ではないですね。

スレ8 944【結婚記念のご馳走】
レイチェルがロブスターに振り回されるドタバタ回。感想でもツッコまれていましたが
ガンマン姿のレイチェルは本当に騒動を起こしまくりですねw
私も彼女には本当に手を焼いているんですよ(もちろん良い意味で)

本スレ>>8【君がいないと】
生意気なジュディが考えた、レイチェルとライアンの夫婦愛を描いた架空の感動物語ですw
順風満帆で幸せな生活を送れていましたが、どこかで一歩間違えてたら
この2人が離婚の危機に陥っていたかもしれないと想像すると恐ろしくて身震いしちゃいます。

本スレ>>29【休暇はのんびり有意義に】
レイチェルシリーズの後日談及びアントールド・ストーリー編の最終回です。
今は仕事の関係で離れ離れで寂しい時もあるけど、休みで帰ってきたら大好きな人との時間を大切にしよう。
また楽しい思い出に溢れたシチリアで過ごせることを私は心から願っております。


…ということでレイチェルシリーズの感想は以上です。
書きたいネタをとにかく思いきり書くことができて本当に楽しかったシリーズです。
レイチェル、ライアン、そしてみんな!ここまでついてきてくれて本当にありがとう!
本日はこれまで。また後日、他のシリーズの感想もやっていこうと思います。
0268この名無しがすごい!
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2021/01/02(土) 10:48:20.95ID:RkKrI7sx
明けましておめでとうございます
旧年中はお世話に成りました
今年もよろしくお願いします
0269この名無しがすごい!
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2021/01/03(日) 17:06:36.94ID:Xw6o6APX
明けましておめでとうございます!
それでは早速行きましょうか!

>>259
使用するお題→『毛糸』『シェフ』『笑ってはいけない』

【母手編みのニーソ】(1/2)
>>237【履き慣れないブーツは災いの元?】の続編です。

冬真っ只中だ。寒い、当たり前だがとにかく寒い。今年はとにかく寒過ぎる!
今は冬休み。私はコタツに入ってテレビを見ながら、美味しくミカンを食べる。
これこそ日本が世界に誇るべき伝統習慣!そう言っても過言ではないと私は信じている。
今見ているのは一流シェフの料理番組で、画面に映る美味しそうなビーフストロガノフに私は思わずヨダレを垂らしそうになる。

「はぁ、美味しそう・・・」

するとピンポーン!と玄関のチャイムが鳴る。

「こんにちはー!宅配便でーす!」
「あっ、今行きまーす!」

一つの小包が届いた。それは地元に住む母からの贈り物で、中を開けてみるとグレーの毛糸でできたニーソだった。
そう母手作りの特製手編みニーソだ。

「わぁ!お母さん、わざわざ送ってくれるなんて。ありがとう!」

私は早速ニーソを履く。とても温かい、母の温もりで満ち溢れているのをとにかく体で感じる。

「うーん!これが無いと寒い冬は乗り越えられないって感じ!最高ッ!!」

すると、私はある事を思い出した。そう買い物だ。

「あっ、そうだ!牛乳や食パンが切れたから買いに行かなきゃ!」

私は急いで準備をするとパンプスに足を突っ込み、家を飛び出す。もちろん母手編みのニーソを履いて。
雪がしんしんと降っている。夜になると大雪だと今朝の天気予報で言っていたのを思い出す。

「とにかく早く買って家に帰ろう!」

小走りで近くのコンビニへと向かう途中だった。何かが足にぶつかった。

「痛ッ!な、何なのよぉ!」

それはラジコンだった。ラジコンの持ち主である男の子が駆け寄ってきた。

「お姉さん、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ。こんな所で遊んでると危ないから公園に行きなさい」
「うん、分かった!」

元気な返事と共に男の子はラジコンを操作し走らせ、去っていく。

「んもぉ!最近の子供ときたら危なっかしいだから!」

私は再びコンビニへと向かって歩き出す。すると、私は足から何か引っ張られるような感触を覚え、足の方に目を向ける。

「ゲゲッ!?」
0270この名無しがすごい!
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2021/01/03(日) 17:07:18.73ID:Xw6o6APX
【母手編みのニーソ】(2/2)

ニーソの毛糸がどこかに引っかかってグイッと伸びており、数センチほど解けてしまっていた。

「ま、まさか!!」

さっきラジコンにぶつかった時に、ラジコンのボディに糸が引っかかってしまった。そうに違いない。
私は急いでラジコンの男の子を追いかける。

「ちょ、ちょっと待って!待ってったらー!!」

しかし男の子はどこに行ったか分からない。ニーソの糸がみるみるうちに解けて短くなっていく。
脛の辺りまで解けていったその時、糸がプツンと切れてしまった。
せっかくの母手編みの特製ニーソが無残な姿になってしまった。

「ア、アハハ・・・」

私は放心状態になり、思わず笑ってしまう。もうこれ以上考えるのをやめて、私はコンビニに向かい、牛乳と食パンを買う。
帰り道、子供達が私の方を見て笑ってきた。

「ねえ!あのお姉さんの靴下、片方は長いのに片方は短くて変なのー!」
「こら笑うなよ!昨日の笑ってはいけない見ただろ?笑ったらバットでケツ叩かれるぞ!」
「だって本当におかしいんだもん!アハハハハ!!」

子供達に笑われる私。しかし、自然に自分も思わず笑いを抑えきれなくなってきた。
人気のない所まで行くと、私は思わず勢いよく笑った。

「ブッ、ブワッハッハハハハ!!」

人生、こんなアクシデントに見舞われることもある。こんな失敗こそ、ヘコたれずに笑って吹き飛ばせばいい。

「これくらいでショボンとしちゃダメだよね!人生はとにかく前向きで行かなきゃね!」

私はそう自分に言い聞かせながら家に帰るのだった。
0271この名無しがすごい!
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2021/01/03(日) 21:57:52.85ID:nfXMUnqZ
>>259
お題:『キャンプ』『毛糸』『シェフ』『笑ってはいけない』『スクロール』

【御令嬢達の大冒険】(1/3)
 例えば冒険譚。未知の大陸を切り開き、ダンジョンを踏破し、魔物や害獣を駆逐する。
 それに憧れるのが殿方だけの特権だと誰が決めたのでしょう。
 切ないラブロマンスも確かに捨てがたいですが、命懸けの冒険の末に花開く情熱的な愛も素敵だと思わなくて?

 パタン……と本を閉じ、ウットリとした表情で空を見るのはアフランシュ・ボナトス嬢です。私のお勧めの物語を読んでその余韻に浸っています。

「魔王息女と勇者の恋! この世には、こんな切ない恋愛劇もあったのですねぇ」
「アフランシュ様、お気に召しまして?」
「ええ、ええ! とっても!!」

 そんなアフランシュ様の反応を見て、私、フォーリーフ・ゴトフィートは、内心ほくそ笑みました。
 確かに私は侯爵令嬢です。が、父は武勇で名をはせた騎士団長ですし、兄も天才騎士として知られる騎士家の娘でもあります。
 そんな父や兄に、遠征の武勇伝や魔物退治のお話を聞いて、胸を高鳴らせてきたのは伊達ではありません。
 ですが、たとえおおらかな両親だとしても、私が冒険に出る事などお許しに成る訳は無いでしょう。

 ですので、私は、少し策を弄する事に致しました。

 冒険仲間を増やすのです。

 例え貴族令嬢だったとしても、嘆願の数が増えれば、無下にする事は出来なくなるでしょう。いえ、本当に魔物を退治したり、ダンジョンに踏み込まなくとも構わないのです。
 ほんの少し、ほんの少しだけ、物語の真似事ができれば、満足なのですから。

 あたかも憧れた本の世界に没入したかの様な気分が味わえれば、それで構わないのです。

 その程度であれば、きっと、多分、お父様もお許しに成られますわよね?
0272この名無しがすごい!
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2021/01/03(日) 22:00:10.04ID:nfXMUnqZ
【御令嬢達の大冒険】(2/3)


 ******

 かくして、私の狙い通り、十人程の令嬢を巻き込み、それぞれが「一生のお願い」とご両親を説得した甲斐もあって、私達の願いは叶う事と成りました。

 もっとも、一泊二日で、場所はボナトス公爵……アフランシュ様のお父様の屋敷の敷地ではありますが。
 冒険と言うよりキャンプと言った方がふさわしいでしょうか?

 それでも、公爵家の広大な敷地の、普段キツネ狩りなどをされる森の中でのキャンプです。
 普段外泊を、それも野外でなどなさらない御令嬢の皆様にしてみれば、これはきっと大冒険なのです。

 見れば、集まった令嬢は、普段履きなれないパンツルックな事も有り、少々興奮気味ではあります。
 かく言う私も、少々気分が高鳴っております。

 護衛の騎士の方々と共に森の中を進みます。
 小鳥の鳴き声、木々の騒めき、それぞれよく聞く物ではありますが、冒険譚の、物語の一節の場面の様な面持ちで聞けば、まるで一端の英雄パーティーの一員の様な気がしてきます。

 ですが、そこは御令嬢達。きゃいきゃいと小声で話す話題は「あの騎士の方、素敵ですわね」とか「護衛の魔術師の方は、知的でいらっしゃる」と恋に恋する乙女の会話そのものと言った感じです。

 まぁ、これは、冒険ロマンスで釣った私の作戦ミスと言った所でしょうか? ですが、先ずはこれで良いでしょう。
 次第に本格的な冒険物語へとシフトして差し上げます。
 今日は、取り敢えず目の前の冒険を楽しみましょう!

 ******

 と、思っていた時期が私にもありました。

 森の広場に出た私達は、早速そこを拠点とする事にしました。私などは、前日までお兄様と一緒にテントを立てる練習などをし、予習もばっちりだったのですが……

「まあ! 素敵なコテージですわね!!」

 護衛の魔術師の方が、植物魔法のスクロールで作ったコテージを見たアフランシュ様が、そう感嘆の声を上げます。
 それが出来上がると、同様にストレージのスクロールを使った魔術師の方が荷物を次々に取り出し、それを護衛の騎士の方々がコテージに搬入して行きます。

 え? あれ? テントは?

 そんな感じで私が呆けていると、土魔法のスクロールを使ってキッチンを生み出し、同行したシェフが次々に料理を作り始め。
 騎士の方々も、コテージへの搬入が終わったのか、テーブルに椅子を準備し、次々に食事の準備が進んで行きます。

 アレ? ナンカオモッテイタノトチガイマスネ?

 そうこうして居る内に食事も済み、私達はコテージで休む事と成りました。
 湯あみを済ませ、夜着へと着替えます。
 少しばかり私の考えていた野営とは違っていますが、ですが、こうして一緒の体験をする事に意義があるのです。
 そう思う事にしました。
0273この名無しがすごい!
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2021/01/03(日) 22:01:23.67ID:nfXMUnqZ
【御令嬢達の大冒険】(3/3)


 特にやる事も無い為、コテージのリビングで、皆様と談笑をする約束をしていた私は、そのままリビングへと足を運びました。

「あ、フォーリーフさ……ま……」

 何故かアフランシュ様が、眼を見開いた後、口元を押さえてお顔を逸らされました。
 私は怪訝に思い他の御令嬢の方へと視線をやると、その儀令嬢達もサッと視線を逸らされます。

「えっと、アフランシュ様? 何か?」
「いえ、私はとってっも可愛いと思いますよ?」

 口元を押さえながら肩を震わすアフランシュ様。
 怪訝に思い、その視線の先を探した私は思わず羞恥で意識が飛びそうになりました。

 御令嬢達の視線の先には、お祖母様が「淑女が身体を冷やしてはいけません」と、手ずから編んでくださった毛糸の腹巻があったからです。それも『うさちゃん』マークの。

 いつも自宅で愛用して居た為に、すっかり意識から外れていました。

 私は声に成らない悲鳴を上げると、そそくさと宛がわれた部屋に戻り、そのまま布団をかぶったのでした。

 ******

 翌日、魔法を解除し、まったく元通りに戻った広場を私達は後にします。
 昨日の失敗もあり、私は未だに他の御令嬢の顔をまともに見られません。
 ですが、そんな俯いたままの私の近くにアフランシュ様がいらっしゃりました。

「フォーリーフ様、もしかしてご気分を害されていますか?」

 心配そうに私の顔を覗き込むアフランシュ様。
 その困ったような表情を見て、私は大きく息を吐くと、努めて笑顔を作ります。

「いいえ、少しばかり、自分の迂闊さを呪って居ただけです」
「そう、ですか。その、こう言っては何なのですが、あの思い出も含めて、私はとても楽しかったと思いますよ?」

 そ言って微笑まれたアフランシュ様を見て、私は『まぁ、良いですわ』と、そう思ったのでした。
0274この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/03(日) 22:09:37.27ID:nfXMUnqZ
>>269
相変わらずのアンラッキーさ加減ですね
ですがそれを上回る様なポジティブシンキングが良い感じです
0277三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/03(日) 22:19:52.29ID:LGqS1ijX
お題→『キャンプ』『毛糸』『シェフ』『笑ってはいけない』『スクロール』締切

【参加作品一覧】
>>269【母手編みのニーソ】
>>271【御令嬢達の大冒険】
>>275【どうぶつクエスト 〜ネズミにぬすまれた食材を探す〜】
0278三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/03(日) 22:21:33.18ID:LGqS1ijX
では、遅れましたが新年一発目
通常お題5つでお願いします

お題安価>>279-283
0280この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/03(日) 22:57:59.39ID:hyrEp1Df
RTA
0281この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/03(日) 23:07:19.09ID:dNxSSEBh
視聴率
0282この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/03(日) 23:50:16.43ID:2NedP2n6
衰退
0284三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/04(月) 01:03:31.92ID:uBjFuZY3
☆お題→『初詣で』『RTA』『視聴率』『衰退』『お雑煮』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→1/10の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0285この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/04(月) 01:15:29.24ID:uBjFuZY3
お題、作品、感想、ありがとうございます
今年もお題スレをよろしくー

感想とかは後でw
0287この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/04(月) 21:42:45.44ID:uBjFuZY3
>>269
早速の続編だったw、と思ったら悲しい事態に;;
自分だったら立ち直れない、、ですが、やっぱり最後は前向きですねー

>>271
主人公は仲間を増やした!
と思ったら、お嬢様学校の林間学校的な、何か別のものに・・・
確かに笑ってはいけない、、いい思い出にはなったようで、良かったです^^;

>>286
感想ありがとうございますw
ネズミを倒す方法を考えて、、考えて、、そうだこれですにゃー、、という・・・
0288この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/04(月) 22:47:33.53ID:PUWcYp7p
>>287
感想有難うございます
『毛糸』の腹巻と『笑ってはいけない』から話を組み立ててみましたw
そうして『キャンプ』に『シェフ』を連れてくるのはお嬢様系のテンプレかな? とw
0289この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/04(月) 23:53:38.32ID:2qvVXsXd
>>274
>>287
感想ありがとうございます!
こういう履き物に関するトラブルを書くのがとても楽しいんですよね(笑)
人生いろんなことがあるんだからちょっとした災難なら笑い飛ばして忘れよう、自分もそういう心意気で行きたいですね
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0290この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/10(日) 21:13:03.35ID:zFjaW1Tw
>>284
お題:『初詣で』『RTA』『視聴率』『衰退』『お雑煮』

【変わったり変わらなかったり】
「は〜……何と言うかクールジャパンだねぇ」

 PCの前で「ク〇パ姫」なるものの画像を見ながら、僕はそんな風に呟いた。
 まぁ、「クッ〇姫」は良いとして、「キング〇レサ姫」は“キング”なのか“姫”なのか……

 コロナ禍のお陰で、正月だと言うのに帰郷も出来なかった僕は、実家から送られて来たモチで雑煮を作り、気分ばかりの元旦を楽しんでいた。
 正月の元旦と言えば、家でごろ寝をしながらTVでも見ているのがいつもの年だったのだが、首都圏からの移動自粛と言うお触れの為に、今年はアパートでお1人様だ。

 暇だったなら初詣にでも行けば良いのだろうが、実家でもやっていなかった行事を今さらこっちに居るからと言って行う気にもならず。
 かと言って一人っきりでバラエティー番組なんかを見ようと言う気も起きず、旧年中と変わらずPCに齧り付いている。
 たぶん、自分と同じ様な感じの“お1人様”も多いんじゃないかと思うと、『そう言えば、お正月だけじゃなくて普段もTVなんか見なくなったな』と改めて考える。
 ネットでの情報の方が多い現代、若者のTV離れも多いらしくドラマやバラエティーなんかの視聴率も軒並み上がらないらしい。

 一時期は鉄板だった“子供”と“動物”も、どのチャンネルもそればかりだったら、やはり飽きてくるのも当たり前だろうに。
 ある意味TVの衰退は必然と言って良い物だろう。

 そんな風にネットを漁っているとRTAと言う動画に行きつく。
 見た所、ゲームをクリアする所までを見せている動画の様だが、どうやらゲームクリア迄の時間を競っている物であるらしい。
 例えば、それがレースゲームやガンアクションなら、理解も及ぶのだが、中にはRPGの動画もあった。

「いや、これ動画で流す様なもんじゃないだろう」

 ましてやタイムアタックとかする様な物か? とも思ったのだが、その時脳内に蘇る物が有った。

「あ、FF……」

 フ〇イナルファンタジーと言うゲームは、確かセーブ画面に総合時間が表示されていて、その当時クラス内でクリア時間を競っていたものだった。
 そう考えると、今も昔もやって居る事にあまり変わりはないのかもしれない。

 かつてはボスだったキャラクターが姫になってみたり、情報のソースが変わってみたりする一方で、やはりボスキャラはボスキャラとして君臨しているし、同じ様なタイムアタックをしていたりする。

 変わったり、変わらなかったり。

 そして今、立派なゲーム中年と化している自分も、変わったり変わらなかったりしているのだろう。
0291三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/10(日) 22:09:00.38ID:WyulnR+H
お題→『初詣で』『RTA』『視聴率』『衰退』『お雑煮』締切

【参加作品一覧】
>>290【変わったり変わらなかったり】
0292三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/10(日) 22:11:18.85ID:WyulnR+H
では、通常お題5つでお願いします

お題安価>>293-297
0293この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/10(日) 22:24:48.88ID:hRbUmGV0
不良
0294この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/10(日) 22:34:27.23ID:rBxoJVsB
作画
0295この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/10(日) 22:43:53.25ID:I7t3pnJX
キリン
0296この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/11(月) 00:02:21.39ID:YIEbhoBE
イチゴ大福
0298三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/11(月) 00:18:00.06ID:Gmgm7NLQ
☆お題→『不良』『作画』『キリン』『イチゴ大福』『松岡修造』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→1/17の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0299この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/11(月) 00:21:17.70ID:Gmgm7NLQ
お題スレは今年もなんとか続きそう・・・
引き続きよろしくです

>>290
ネットサーフィンでエッセイ風の色々と詰め込みw
テレビが衰退しても、時代が変わっても・・・
形を変えて続くものが、きっとあるのでしょうね
0300この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/11(月) 08:33:08.29ID:OH+JK7sO
>>299
感想有り難うございます
十年一昔と言いますが、世代が違うとずいぶん常識が違うなぁと感じるこの頃ですw
0301三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/13(水) 23:09:02.30ID:gz3Yh0NX
それで、、2020年の作品をピックアップしてたんですが
なんか一杯ある・・・

スレ7
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1572191206/987-n
なんか一杯あって挙げづらい
実際にスレの方を見てくれとしか

661【女ガンマンはただ旅を続ける】シンディ登場
768【クソッタレ共の賛歌】進行的にはベテラン氏のスレ7ベスト・・・でもないかw
888【魔法少女、最後の闘い】完結編

リレー企画
625『ライト・ライト』、893『魔聖妖神奇譚アルカナ』
0302この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/13(水) 23:09:59.78ID:gz3Yh0NX
スレ8
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/bookall/1585490648/968-n
こっちも一杯あるけど、まだ挙げやすい

49【ダイジョーブッ!】これね
163【女騎士と謎の剣士】お題の処理などかなり成功してる話
277【イセイの街】これは外せない
294【空の果て、軌道都市、二人】これもでしょう
402【途中まで(ry】作者的には没でも挙げてしまう進行
405【エルフ水飴】静かなカオスw
685【不可解】謎の話
783【古今おとろしばなし】いいのは他だけど、選者個人としては面白さを感じた話
0304この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/13(水) 23:12:16.02ID:gz3Yh0NX
最後に自作も挙げておく
スレ7→509【短日のこと】去年のネズミの話
スレ7→551【一億個のレンガ(ry】タイトルは露骨なアレで、中身は色々
スレ8→35【コートの向こう側に】やっぱりこれかなぁ、これも中身は色々
>>42【世紀末光頭伝(ry】作者はネコミミ族が大好きなのですにゃー

他にも、続編シリーズとか、色々なあれとかこれとか、ありますが・・・
まー、こんなもんでしょ、って感じですw
0305この名無しがすごい!
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2021/01/14(木) 12:44:22.77ID:nxQVyNGV
>>1-999

まーたチョンコが盛ってやがるwwww

【悲報】 日韓の1人当たりGDPの差、日本のリードが拡大してしまう!

日本 4万286ドル
韓国 3万1681ドル

1人当たりGDPはネトウヨ!
[549172656]
https://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1603532563/


158 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 69ae-9Kcm) 2020/10/25 01:30:22

なんで韓国人が一人当たりGDPで日本を抜いたってことにしたいのかっていうとね

日本が人口オーナスに入って久しいのに対して、韓国は労働人口が今ほぼピークなわけ

で、その後の労働人口減少の崖は世界最悪の少子化(出生率0.9)で日本以上の急勾配になることが確定してんの

だから今日本を抜いておかないと、今後抜く機会は半永久的になくなってしまうんだ
0306この名無しがすごい!
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2021/01/17(日) 15:19:05.13ID:7xLNfAnt
>>301-303
レイチェルシリーズの者です
自分の作品が色々とピックアップされてあってすっごく嬉しいです!
スレ8【女騎士と謎の剣士】はかなり久々に描いたオリジナル作品で、自分でも結構力作だったと思っています
最近面白いネタがなかなか思いつかなくて、筆が止まっている状態です(泣)
シンディシリーズ完結ももう少しお待ちください!
0307この名無しがすごい!
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2021/01/17(日) 21:55:12.61ID:g+Fpw14+
>>298
スレ6→154の続編です

使用お題→『不良』『作画』『キリン』『イチゴ大福』『松岡修造』

【ラジオも聴かず】

『ちょっと……それ、どこにあったの?』
 それが彼女の第一声だった。
「いや、ラジオも飽きたなと思ってさ。倉庫をあさってたんだ。そしたら出てきた」
『へー』
「DVDプレイヤー、って言うんだろ、こういうの。充電もしてきたぜ」
 黒い薄型で、二つ折りの、プラスチック製の箱。本のように開けば、古びた液晶画面と光ディスクの読み出し装置が現れる。
『まだあったんだ。って言うかバッテリー生きてたんだ……』
 俺は無人兵器の搭乗員。彼女は、俺の同乗者、無人兵器の生体ユニット。
『だけど……動くの? それ。壊れてるんじゃない? あっ、あとDVDはあるの? 何もないと見れないわよ』
 暇潰しに丁度いいだろう。俺は内心得意になっていたのだが、同乗者の方は、俺と違って、どうも気乗りしない様子だ。
「動作はこれから確認する。DVDは持ってきた。これだろ。プレイヤーと一緒に置かれてたぜ」
 DVDが入った透明なプラスチックケース。それを何枚か取り出す。
『うわ、それって……』
 見るなり嫌そうな声を上げる同乗者。冷ややかに響く合成音声が、顔の見えない彼女の、しかめっ面を想像させた。
『昔ねー、それが好きなやつがいてねー』
 ま、まあ、そんなことだろうとは思っていたが。

 *

 本日も快晴。敵影なし。
『大丈夫? 変なものを持ち込むからよー』
 相変わらず揺れる車内。
「だっ……大丈夫だ……」
 気持ち悪い。正直吐きそうだ。
『あー、これ覚えてる。作画がいいとか言ってたわ』
 俺の不調をよそに、同乗者は、案外楽しそうにDVDを見ている。
「面白いか」
『別に。だけど懐かしい』
 DVDの中身は古いアニメだった。ロボットアニメだ。
 話の内容は、終始不機嫌と言うか、少々ヒステリックな女主人公が敵艦隊を沈めるのだが、自身も撃墜される。
 それで無人島に漂着するが、そこには敵兵も一人流れ着いており、そいつをこき使う……。
 当時のテレビ放送を録画したものらしく、途中でCMになった。
『あー、松岡修造ね。これも覚えてる』
 同乗者は一人で納得している。説明してくれる気はなさそうだ。俺には昔の有名人のことは分からないが、印象に残る何かがあるのだろう。
 CMが終わって、続きが始まった。
『キリンギガス……リリー、それに……』
 味方の救援に、嫌悪の表情を浮かべる主人公。
「なんだ? 仲が悪いのか? それに、キリン要素はどこにあるんだよ」
『それはね……あっ』
 突然映像が止まって、場面が飛んだ。別の女パイロットが、イチゴ大福をぱくつく。
『これがリリー・ホアンよ』
「知るかよ。何が起こったんだ?」
『読み込み不良ね。プレイヤーもディスクも古いからねー』
 そのまま番組は終わってしまい、聞き覚えのあるエンディングテーマが流れてきた……。
『わたしのー、懐かしー、びーだまー』
 そして今回も歌い出す同乗者。
『あなたのー、懐かし過ぎるー、いえーい』
 車酔いで吐きそうな俺。いつになく興奮した様子の同乗者。
 まずは腹を伸ばそう。俺は天井を見上げる。
 結果オーライか。
0309この名無しがすごい!
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2021/01/17(日) 22:00:18.43ID:UgErApdo
>>298
お題:『不良』『作画』『キリン』『イチゴ大福』『松岡修造』

【キリン先生】(1/2)
「君、戸塚先生の所でアシスタントをやってみない?」

 漫画家を目指して上京して、初めて持ち込んだ雑誌社でそう言われた僕『大磯 勉』は、その編集者さんに言われ、戸塚先生の作業場へと足を運んだ。

 戸塚 麒麟と言えば、不良漫画で有名な漫画家さんで、今までも不良達の群像劇を書いていた人だ。
 僕の描くマンガは、土地らかと言えばファンタジー寄りで、不良漫画とは縁遠いはずなんだけど、戸塚先生は、不良漫画と言うジャンルから脱却を目指しているらしく、原作付きだけど異世界物を描くらしいのだ。

 その為、即戦力となる背景の作画アシスタントとして僕が抜擢されたと言う次第だった。

「んじゃ、大磯くん、ここが戸塚先生のスタジオだから」
「あ、はい」
「それと、編集部でも言ったけど……」
「えっと、守秘義務ですか?」
「そう、この中で見た事は、決して口外しないでね」

 戸塚先生の作業場のあるマンションは、20階建ほどの新築で、駅からはちょっと遠いけど、近所にスーパーもあり、生活するには良さそうな場所だった。
 オートロックを開けて貰い部屋の前まで来た。

(ここから僕の漫画家生活が始まるんだ)

 そうンな風に緊張していると、編集さんがインターホンのボタンを押した。

 ピンポーン。

『誰じゃぁ!!』

 インターホン越しにドスの効いた声。僕は思わずビクリとした。
 けど、編集さん的には普通の事らしく「あ、編集の田端です」と言って、入って行ってしまう。
 その後ろを僕は慌てて付いて行った。

 ******

「何で諦めるんだ!! 諦めんなよ!! 諦めたらそこで終わりなんだよ!! お前頑張るって言ったじゃないか!! 頑張れよ!! お前の事応援してくれる人の事考えろよ!!」
「ここが勝負所だろう? 全力出せるちゃんだろ? もっと行けるよ!! 行けるって!! 諦めんなよ!!」
「まずは描いてみようぜ? とりあえず描いてみるとことから始めようぜ? 大丈夫、お前が富士山だ!!」
「何言ってんだよ、そのスランプが最高のチャンスなんだぜ!? それを乗り越えるから最高傑作が生まれるんだ!! スランプ最高!!」

 それを見た衝撃をどう表現すればいいんだろう。なぜかキリンのマスクをかぶって椅子に体育座りしている男性……男性だよね? の周りを短ランボンタン姿の男達が取り囲み、松岡修造語録の様なポジティブワードを叫んでいる。
0310この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/17(日) 22:01:08.08ID:UgErApdo
【キリン先生】(2/2)

 え? どういう事?

「あれ? 先生、またスランプ?」
「あ、田端さんチース!! そうなんすよ、先の展開が決まらないって」
「ふーん。 戸塚先生!! 新しい作画アシスタントの大磯くんです」

 え? この状態で紹介するの?

「あ、大磯 勉です。よろしくお願いします」

 僕がそう挨拶すると、それまで蹲っていた戸塚先生がすくりと立ち上がり、僕の方へにじり寄り……

 ゴッ!!!!

 頭突きをして、また席に戻って行った。

「え? は? はぁ?」

 涙目で、頭を押さえながら何が起こったのか分からず僕がキョロキョロと視線を彷徨わせていると、編集さんがボソリと言った。

「キリンはね、縄張り争いの時、頭をぶつけあって優劣を競うんだ……」

 え? 今ここでそのトリビア要る?

 訳も分からず呆然としている僕を尻目に、編集さんは差し入れとして持って来たイチゴ大福とペットボトルをテーブルに広げると、僕の脇を高速で何かが通り過ぎ、そして、短ランボンタン軍団が慌てた様にそれを追い掛けた。

「ダメっすよ先生!! まだ、ネームで来てないんだから!!」
「誰かぁ!! 戸塚先生を押さえろぉ!! この三徹状態で何か食べたら、即落ちで眠るぞ!!」
「田端さん!! だから先生に餌与えちゃ駄目だって何度も!!」
「あ、ごめんごめん、ついうっかり」

 振り向いた僕の視線の先には、猛獣の様にイチゴ大福を貪ろうとするキリンの仮面と、それを羽交い絞めにする不良軍団。そしてまるで緊張感のない編集さんがいた。

 ……漫画家さんには、変わった人が多いって聞いていたけど、僕、この先やっていけるかなぁ。
0311三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/17(日) 22:09:01.92ID:g+Fpw14+
お題→『不良』『作画』『キリン』『イチゴ大福』『松岡修造』締切

【参加作品一覧】
>>307【ラジオも聴かず】
>>309【キリン先生】
0312三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/17(日) 22:10:37.01ID:g+Fpw14+
ではでは、今回も通常お題5つで

お題安価>>313-317
0316この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/18(月) 00:25:01.32ID:w0dzT5SP
メガトン
0318三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/18(月) 00:49:05.16ID:CB9/N/97
☆お題→『スライム』『魚釣り』『百花繚乱』『メガトン』『大仏』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→1/24の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0319三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/18(月) 00:53:25.91ID:CB9/N/97
お題から作品までありがとうございます
しかしー
特に反対がなければ、次回からお題を1つ減らして、4つ募集にしようと思います><
0320この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/18(月) 00:54:15.19ID:CB9/N/97
>>309
頭突きやめろw、野生の世界?に迷い込んでしまった主人公
ポジティブ軍団もかしましく
題材の変化も時代の流れですが・・・脱却は難しそうですw
0321この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/18(月) 15:25:30.75ID:urRsfMtR
>>301
リレー企画なつかしいなあ
おもいきりジョジョネタぶっこんだのに誰も指摘してくれなくて悲しかった思い出
0322この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/19(火) 21:01:11.59ID:WZUGKvKy
>>307
世紀末二人旅の続きですね
古い機械は定期的に使っていないとすぐ壊れてしまいますから
ですが、懐かしの番組などを見てると、その当時の気持ちが蘇ってきますよね

>>320
感想有難うございます
キリンの喧嘩は結構な迫力がありますw
0323この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/19(火) 23:50:36.85ID:evwrLn8I
何もかも皆懐かしい・・・

>>322
感想ありがとうございます
昔のビデオデッキとか動くかどうか・・・懐かしいことだらけですね;;
0324この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 22:02:30.29ID:iQfhnlTs
>>318
もう続かない気がしても前スレ926の続きですにゃー

使用お題→『スライム』『魚釣り』『百花繚乱』『メガトン』『大仏』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第八話】(1/3)

 村から出発して三日目の朝。俺たちは遺跡を後にした。サンダーボルト森林は、今日も曇りだ。
 この日も昼過ぎまで歩き、少し休憩して、またしばらく歩いた。
 何か目立つもの、珍しいもの、特別なもの。そういったものは一切ない。ただひたすら、木と、草と、時々岩が続くだけだ。俺一人だったら、間違いなく道に迷っている。
 やがて、再び、広い川のほとりに出た。

「ここはいい釣り場ですにゃー。釣ってみますかにゃー」

 女はそう言って、今回も、釣りざおを差し出してくる。

「本当に釣れるのか」
「それはやってみないと分からないですにゃー」

 それもそうかと思い、釣りざおを受け取る。
 適当な岩の上に立ち、釣り糸を垂らした。
 どうせ何も釣れないだろう。そんな俺の予想に反して、すぐに手応えがあった。

「なんだこりゃ」

 それはスライム状の物体だった。ごみか?

「ニャーッ!」

 捨てるか、どうするか、俺が伺いを立てる間もなく、女がスライムに飛び付いた。

「おっ、おい」

 女はスライムを丸のみにしてしまった。

「おい……大丈夫なのか」
「危ないところでしたにゃー」

 一体なんなんだ。

「今のは、某所で発生したヤバ生物ですにゃー」

 そんなものを食って、この女は大丈夫なのか?

「放っておくと、最終回でゾンビになりますにゃー。見付け次第、直ちに始末するのが正解ですにゃー」

 よく分からないが、女は大丈夫そうだった。……大丈夫、だよな?

「やっぱり、この場所はよく釣れますにゃー」

 魚釣りじゃなかったのか? 俺たちは何を釣ったんだ?
 それからしばらくの間、二人で水面を眺めていたが、とうとう二匹目が釣れることはなかった。

「ちょっと休み過ぎましたかにゃー。急ぎますにゃー」

 その日はもう休むことはせず、俺たちは無言で歩き続けた。
 ようやく野営をする地点に到着した時、辺りは既に暗くなっていた。
0325この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 22:02:55.68ID:iQfhnlTs
【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第八話】(2/3)

 ネコミミ族の戦士『ニャンダモ』。
 イヌミミ族の暴虐からネコミミ族を解放した、古代の英雄である。
 その名を与えられし現代の若者、我らが主人公の前に、全身がやたらと白っぽい、犬耳の巨人が立ちはだかる。

『ジ○○ー・○イデン専用ケイニス・アルバだわん。猫どもよ、降参するなら今の内だわん』

 イヌミミ族の呪動機兵である。説明不要の大きさだ。こんなの勝てるわけがない。
 だが、勇敢なネコミミ族である彼らは、降参などしない。
 同胞の自由と独立のため、どのような状況であっても、全力で戦うのだ!

『とは言え、相手があの大きさでは、にゃーたちが戦うのには無理がありますにゃー』

 しかし、打つ手がないわけではない。

『にゃむあみゃにゃもつ、にゃむあみゃにゃもつ……いでよ、ビィィィッグ! ですにゃー』

 若者の呼び声に応じて、天をつく巨体が立ち上がる。
 青銅の体。なんとなくありがたい感じのする顔。要するに大仏だが、その頭には猫耳。

『これがビッグニャンダモですにゃー。あなたを成仏させますにゃー』

 若者がリモコンを操作すると、ビッグニャンダモが、手にした得物を構える。

『このバト……ではなく、にゃ意棒で、あなたの根性をたたき直しますにゃー』
『何をこしゃくな……わん。まあいいわん。呪動機兵の力を思い知るがいいわん』

 犬耳の方も、棒の形をした同じような武器を取り出す。

『○○コレ棒だわん。ソーシャルディスタンスだわん!』

 そう叫ぶや否や、打ち掛かってくる。

 ガン! ガキン! ガキィィィィン!

 何度も打ち合うが、両者の実力は同じくらいである。

『これでは切りがないですにゃー。締め切りが近いので、さっさと終わらせますにゃー』

 若者がリモコンを裏返す。そこには、見るからにヤバそうな、大きな金色のボタンが配置されている。

『ポチ……ではなく……タマッと、にゃー』

 するとビッグニャンダモが、にゃ意棒を地面に置く。
 そのまま座り込む。あの大仏の姿そのものである。

『悟りを開きますにゃー』

 ビッグニャンダモの全身が、金ぴかに輝き始める。

『ふざけたまねを……わん! わん! わんわん!』

 犬耳が、棒でビッグニャンダモを打つ。ダメージは入る。

『一回……二回……三回……仏の顔も三度まで、メガトンねこパンチですにゃー』

 その輝きを強めると同時に、ビッグニャンダモが再び立ち上がる。
 大きな拳を振り上げ――――
0326この名無しがすごい!
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2021/01/24(日) 22:03:23.62ID:iQfhnlTs
【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第八話】(3/3)

「――――という話ですにゃー」

 俺は、この夜も、女から漫画の内容について説明を受けていた。

「大体の話は分かったが……どうせあれだろ、これも打ち切りだろ」

 俺は、思ったことを正直に告げて、女の反応まで予想していたが、現実は少し違っていた。

「サンライズですにゃー」
「えっ」

 こいつもか。ネコミミ族だから当然か。

「BAN南無ですにゃー」
「にゃむにゃむ……いやどういうことだよ」

 意味が分からねえ。

「この『新護法戦記ビィニャンダモ』は、特にこの第三巻は、売れに売れたのですにゃー」
「はっ? うそだろ」

 よく分からないイケメンの表紙だが……こいつらの感覚が分からねえ。

「うそなんかつかないですにゃー。大ヒットですにゃー。一度終了してから、続編まで発行されましたにゃー。『エンドレス盆踊り』ですにゃー」
「なんだそれ」
「サブタイトルですにゃー」

 それはどういう話なんだ……。

「キャッチコピーは『これが本当のコメット作戦ですにゃー』ですにゃー」
「そ……そうか……」
「主人公の『あなたを成仏させますにゃー』。これがかっこいいのですにゃー」
「そうか……」
「当時、ビィニャンダモが連載されていた『コミックゴロゴロ』は、百科事典でしたにゃー」
「そう……どういう意味だ?」

 百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の間違いじゃないのか。

「百科事典のように分厚かったのですにゃー」

 なるほど……。

「ですが……現実が漫画に追い付いてしまいましたからにゃー……」

 イヌミミ族のロボットのことか。

「エス画伯は、新しい題材を探して、試行錯誤しているようですにゃー。うまく行けばいいですにゃー」
「そうか……そうだな……」

 俺たちは夜空を見上げた。珍しく晴れている。

「ヤバ生物が釣れた日は、晴れることが多いのですにゃー」

 静かな夜だった。星だけがにぎやかな夜だった。
 意味の分からないことばかりだが。
 俺と、女と、それにワタリガラス号は、いつまでも夜空を見上げていたのだった。
0327この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 22:03:43.76ID:iQfhnlTs
どうしてもこんなのを書いてしまう話

続きは・・・多分また・・・
0328三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/24(日) 22:13:26.26ID:iQfhnlTs
お題→『スライム』『魚釣り』『百花繚乱』『メガトン』『大仏』締切

【参加作品一覧】
>>324【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第八話】
0329三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/24(日) 22:15:23.63ID:iQfhnlTs
では・・・今回から、通常お題『4つ』です

お題安価>>330-333
0330この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 22:17:10.92ID:cqmhzlQj
ガトーショコラ
0332この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 22:56:37.95ID:l4kLKALb
ストーン
0334この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 23:49:38.63ID:56TEDg7M
すごろく
0335この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 23:53:20.66ID:g0UYITtH
間に合わなかったorz
供養枠です

お題:『スライム』『魚釣り』『百花繚乱』『メガトン』『大仏』

【魔王討伐譚】(1/3)


 その湖の周りには座禅を組んだ大仏の如き石像がゴロゴロと転がっていた。否、それらは決して石像などではない。“元”は生きた人間だったのだ。
 何故、彼等がこんな事に成ってしまったのか? それは……

 ******

 魔導車が山道を登って行く。それに乗り込んでいるのはトップランカーと呼ばれる冒険者達だった。この世界でも十数人しか居ないSS級の冒険者を含めたその集団は、一様に険しい顔をしていた。
 一人を除いて。

「ひゅう〜!! 絶好の釣り日和だぜ」
「……黙れ、オルガ、その軽口を塞がれたいのか?」
「え〜、だってこんないい天気なんだぜ? その上、高原の湖に向かってるってなりゃ、そりゃ、魚釣り一択っしょ?」

 オルガと呼ばれた少年は、巨漢の戦士の言葉に、そう反論した。だが、車中の冒険者達は、そんなオルガの言葉にこそ鋭い視線を叩き付ける。

 そう、今彼等が向かっているのは、呑気なピクニックとは違うのだ。

 魔王討伐。

 魔王級と呼ばれる魔物の出現と、それに伴う討伐の為である。
 この所、ここ、ウェルの高地での狩人、冒険者の行方不明が相次いでいた。最初の内こそ、少し厄介な魔物の出現かと思われていたそれが、A級冒険者が瀕死で逃げ戻って来た事で、魔王級の出現だと分かったのである。
 魔王級の魔物の出現はこのガルテアン王国では実に120年ぶりの事であり、その為、S級冒険者である『黒剣のガズマ』が呼ばれ、この国に所属するB級以上の冒険者が集められたのだ。

 オルガが不貞腐れた様に座席に腰かけ、周囲の冒険者は彼を睨みこそすれ、一言も口を開かない。そんな重苦しい空気の中、やがて魔導車は、その動きを止めた。

 そんな魔導車のフロントから望む景色に、乗り込んでいた誰も彼もが息を飲み込む。

「石化してやがる……」

 そう、眼前の景色全てが石と化していたのだ。

 魔導車から降り立った冒険者達は、周囲を警戒しつつ先へと進んで行く。この先には、A級冒険者が瀕死となってまで持ち帰った情報。すなわち、魔王の潜む湖が有る筈だった。
 やがて辿り着いたのは、草木のすべてが石と化した異様な高地、そしてまるでそこだけが元のままであるかの様に水を湛えた湖である。

「ここに、魔王が居るのか?」
「どこだ? 何処にいる」
「湖の中だろう? 厄介だな、水中だと、攻撃が衰退する」
「はっ、だからこそ、水魔法のエキスパート達を揃えたんだろうが!! 行くぞ!!」

 そう言って、構えたのは水魔法が得意な魔術師たちである。彼らは杖を構え、操水術で、この湖の水を弾き飛ばす算段だった。だが……

「お、おい、何も起こらねえぞ?」
「おい、手ぇ抜くなよ」
「馬鹿な! 俺達は手なんか抜いていない!! これは!!」

 そう、魔術師が叫んだその時である。

 湖全体が、ブルンッと震えたかと思うと、立ち上がったのだ。

「ば、馬鹿な!! 湖全体がスライムだと!!」

 ギガトン級のスライム、それが、魔王級の魔物の正体だった。
0336この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 23:55:00.00ID:g0UYITtH
【魔王討伐】(2/3)


「く!! スライム系は物理攻撃が半減する!! だが、炎系の魔術には弱いはずだ!!」
「!! メガファイヤ!!」
「メガファイアランス!!」
「メガファイアボール!!」
「メガフレイム!!」

 百花繚乱雨あられと、次々に火炎系の魔法が飛ぶ。
 そして剣士達も……

「エンチャントファイヤ『一の太刀』!!」
「エンチャントファイヤ『真っ向唐竹割』!!」
「フレイムソード!! 『獄炎両斬破』!!」
「唸れ炎の魔剣よ!! 我が敵を滅ぼせ!! 『破ぁ』!!」

 豪華絢爛怒涛の嵐とばかりに炎の付与魔術や炎系の魔剣を使い攻撃して行った。

 しかし……

「な! 効いていないだと!!」
「馬鹿な!! 魔剣の傷が即座に回復するなんて!!」

 ほとんど効いていない様に見えるか即座に回復されてしまったのであった。
 その上……

「なんだ? か、身体が……」
「!! スライムの飛沫だ!! それが触れた所から石化して行くぞ!!」
「馬鹿な!! 魔王級のストーンスライムだなんて!!」
「嫌だ!! 死にたくねぇ!!」

 次々に石化して行く冒険者達。だが、ガズマと、一部A級冒険者は、咄嗟に飛び退いたおかげで、難を逃れる事ができていた。

「くっ、敵の攻撃に当たらない様に、一撃を当てたら、避難を来り返すしかない」

 そう結論づけ、ヒットアンドアウェイを繰り返して行く。
 そして、5時間が過ぎた。

 どれ程攻撃を当てても、スライムの魔王はダメージを受けた様子は無く、しかし、冒険者達の体力は確実に削れていた。

「く、ジリ貧だ」

 ガズマが呻く。誰もが、絶望に打ちのめされ、悔し気に唇を噛む。その時、オルガが一声を上げた。

「策が有るんだけど、一枚噛む?」

 ******

「うわぁ!! もうだめだぁ!!」

 そう叫んでガズマが逃げ出す。この中で一番戦闘力が高いのがガズマだ、そうなれば、もう冒険者達は瓦解するしかない。
 残っていた冒険者が、散り散りに逃げ出した。だが、スライムの魔王は獲物が逃げ出す事を許さないのか、のそりと、それを追い始めた。
 動きは緩やかだが、しかし、巨大な為、その移動速度は速い。
 アッと言う間に全ての冒険者が追い付かれ……
0337この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/24(日) 23:56:13.54ID:g0UYITtH
【魔王討伐譚】(3/3)


「今だ!!」

 オルガの掛け声に、魔術師達が土魔法を発動する。
 すると、“元”湖があった跡とスライムの魔王とが『マジックウォール』によって分断された。

「せい!! やああああぁぁぁ!!!!」

 その次の瞬間、ガズマが反転し、『黒剣のガズマ』由来となった漆黒の魔剣をスライムに向かい振り下ろした。

「GAAAAAHAAAAAAAOOOOOOOOOOO!!!!!!」

 スライムの魔王が叫ぶ。
 初めてダメージらしいダメージが入った事で、俄かに冒険者達が活気付く。
 そこからは一方的な展開だった。
 ダメージさえ与えられるのであれば、数に勝る冒険者達の方に分があるのは確かだ。スライムの魔王は必死で湖の跡地に逃げようとするが、それを許す者は居ない。
 次々と『マジックウォール』が立ち並び、決してスライムの魔王を湖には近づけなかった。

 やがて、その質量をみるみる失っていったスライムの魔王は、『ピギィ』と言う断末魔と共に消滅したのだった。

 ******

 冒険者達の勝鬨が上がる。それを横目で見ながら、ガズマはオルガを見つけると声を掛けた。

「よく、あの魔王の弱点に気が付いたな」
「うん? ああ、だっておかしいでしょ? いくら何でも不死身なんて訳はないはずだし」
「まぁ、な」
「回復する魔力だって無限なわけはないし、だったら、何処かから魔力の供給を受けて居なけりゃおかしいしね」
「だが、どうしてその秘密が場所にあると?」
「うん? 今は廃れちゃってるけど、昔はここに大きな社があったんだって」

 その言葉にガズマが首を傾げる。

「そう言った施設って、地脈の上に建てられていたって、聞いた事があってさ」
「ああ、だから、その地脈が供給源だと思ったのか」

 そのオルガの説明にガズマが頷いた。

「それに」
「うん?」
「今日は釣り日和だって言っただろ?」

 確かにスライムの魔王は上手く釣り出された訳だが、しかし、普通の魚釣りとこれとを一緒にされてはたまらない。
 ケラケラと笑うオルガを見ながら、ガズマは苦笑するしかなかった。
0338三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/01/25(月) 00:10:16.49ID:PH03Aruc
☆お題→『ガトーショコラ』『チキンレース』『ストーン』『デーモン』『すごろく』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→1/31の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0339三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/01/25(月) 00:13:31.96ID:PH03Aruc
今回もお題、作品、感想など、ありがとうです
誰も損しないので、5つ採用しますー
次回はどうしようか
0340この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/25(月) 00:51:12.11ID:PH03Aruc
>>335
なるほどー、、『大仏』というよりも『ストーン』になってますけど、まさかの巨大スライムw
超回復のトリックと釣り、、カイティング
これはちょっと面白い
0341この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/25(月) 20:57:33.72ID:9f3XGEV8
>>324
何やらまったり旅している様に見えますね
その割には直ぐそこに危険がw

>>340
感想有難うございます
盾〇勇者とかト〇ンスフォーマー・カーロボットとかサ〇ディオンとかを思い出しながら書いていました
0342この名無しがすごい!
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2021/01/26(火) 00:27:21.10ID:KVYFqNLP
どっ、どこが?と思いましたけど、言われるとなんか全体的にそれらしい要素が・・・w

>>341
感想ありがとうございます
なかなか話が進まないですがw
0343三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/01/31(日) 22:12:25.42ID:pyEPVboV
お題→『ガトーショコラ』『チキンレース』『ストーン』『デーモン』『すごろく』締切

【参加作品一覧】
(なし)
0344三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/01/31(日) 22:15:26.60ID:pyEPVboV
ついにこの日が来てしまいましたね・・・

ですが、まずは通常お題『5つ』取ります

お題安価>>345-349
0346この名無しがすごい!
垢版 |
2021/01/31(日) 22:48:49.97ID:i61Ga7qy
ピキ
0350三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/01(月) 00:21:18.55ID:Yql+E7qC
☆お題→『アラスカ』『ピキ』『ダービー』『悪役』『ナニ○○』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→2/7の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0351この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/01(月) 00:24:48.19ID:6IwXFbeC
またしても間に合いませんでしたorz
これだけのお話を書くのに二日も掛かってしまいました
と言う訳で供養枠です

お題:『ガトーショコラ』『チキンレース』『ストーン』『デーモン』『すごろく』

【サバトはいかが?】(1/3)
 サバト……悪魔崇拝者達が行う、背徳的で冒涜的な酒池肉林の宴。だが、宴を催すのは、決して人間だけの特権ではない。
 崇拝されるべき悪魔……デーモン達も、その冒涜的な宴に興じるのである。

 そしてここ、デーモン達の住まう万魔殿の一角では、今宵も背徳の宴が始まるのである。

 ******

「ふっふー! さーて、用意したるはコーラにオレンジジュースにグレイプジュース!!」
「は〜い!! ピザと唐揚げ、フライドポテト!! ポテチにえびせん、ポップコーンには、たっっっぷりのバターをかけてありますわ!!」
「甘味もあるよ!! シュークリームにエクレアにショートケーキ!! モンブランにガトーショコラにババロアとプディングも!!」

 パジャマ姿で楽し気に乾杯するのは、デーモン族の仲好し三人娘。ベルフェゴールとアシュタロトとベルゼブブの三柱だ。

 夕食も終わった午後8時。お風呂でさっぱりしたにもかかわらず、三柱はそれぞれ好みの食べ物を持ち寄ってここに居た。
 夕食後の、夜食にも成らない時間帯での間食。ましてや甘いジュースとお菓子、油っ気たっぷりのフライドメニューをパクつきながらの女子会である。
 体形など自由自在なデーモン娘達だからこその、現世の体重計を気にする乙女達に嫉妬間違いなしの怠惰で背徳的な宴だ。
 これを悪魔的と言わず、何を悪魔的と言おうか?

「最近、ルー君(ルシファー)天界と行ったり来たりなんですの」
「メタたん(メタトロン)との話し合い? あれ? ミッキー(ミカエル)は?」
「そっちはエグリゴリの子達との打ち合わせだそうです」
「大変だねぇ、堕天使の子達は」
「「ねー」」

 意外と忙しそうな元天使達の近況を話しながら、彼女達はパクパクとお菓子や軽食を次々と食べて行く。
 その量はアバドンも裸足で逃げ出さんほどだった。
 そんな彼女達が食べ続けた結果……

「「「あ」」」

 三柱の手がピタリと止まる。そしてその視線の先にはたった一つ残されたガトーショコラがあった。

「……ここは持って来たアタシに優先権があるって事で」
「ダーメ、ベルベル(ベルゼブブ)は、フライドチキンを一番食べてたでしょう? だから、ここは食べてる数が一番少ない私が……」
「お菓子とジュースの消費量はタロト(アシュタロト)が一番多いってば! なので、どっちも少ないわたしが貰うって事で」
「あんた、高いケーキから手ぇ出してたっしょ? 金銭価値で平均的に考えれば、やっぱりアタシだってば」
「そうそう、そんなんだから、トイレとお友達になってしまうんですわ。と言いますか、ベルベル、結局割り勘なんですから、金銭価値は関係ありません」

 二柱の言葉にベルフェゴールが眉根を寄せる。

「それはわたしの権能の一つだってば! てか、それ(トイレ)は関係ないでしょ!?」

 最期の一つとなったガトーショコラ。そこは流石にデーモン達である。決して他の娘には譲らない。

「ふーん? じゃ、これで決着をつけましょうか?」
「良いわよ」
「望む所だね」
0352この名無しがすごい!
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2021/02/01(月) 00:26:20.11ID:6IwXFbeC
【サバトはいかが?】(2/3)


 そう言ってベルゼブブが手にしたのは、すごろくであった。
 全てが賽の目次第のすごろくなら、全く実力の関与しない“運”次第で決着が決まるからだ。
 だが、そこはへそ曲がりの揃ったデーモン達である。

「『第一回チキチキゴールしてはいけないすごろく大会』いいいぃぃぃぃぃ!!!」

 と言う事に成った。つまりは、ゴールした者が出た時点でその場所からどれだけゴールが近いかを競う、チキンレースルールなのだ。
 当然、ゴールしてしまった者は、即時負けとなるのである。

「「「さぁ、尋常に勝負!!」」」

 ******

「と、よっし! 3だ!!」
「あ、手が滑りましたわ(棒読み)」

 双六は進み、既に後半、そろそろ、出目を気にしなければいけない頃合いに成って来た。そこでベルフェゴールが出した目は3。丁度、アシュタロトとベルゼブブの中間に入れる出目だったのだが、そこは正々堂々という言葉からは対極のデーモン娘。
 アシュタロトが手が滑ったと言いながらテーブルクロスを引っ張り、出目が転がる。

「ろ、6う〜!?」
「よっしゃ!!」
「いやいや、今のは無しでしょ!?」
「手が滑っただけですし?」
「そうそう、別に直接サイコロに触った訳じゃないからセーフ」
「アウトでしょ!?」

 そう言い募るベルフェゴールだったが、二柱は、頑として認めない。
 納得など行かないが、話が進まない為に、彼女は渋々認めざるを得なかった。

「では、私の番ですわ」
「あ! 手が滑った!」

 そう言って、ベルフェゴールがアシュタロトのチューブトップをストーンと降ろした。慌ててそれを引き上げるアシュタロト。
 大きく放り投げられた当然サイコロは床に落ち……
0353この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/01(月) 00:27:21.09ID:6IwXFbeC
【サバトはいかが?】(3/3)


「おお、タロトも6だね」

 床に落ちたサイコロを確認したベルゼブブがそう言う。彼女しか見てない為、他の二柱には事実を確認する術など無い。シュレディンガーの賽の目である。

「い、い今のは流石に反則でしょう!?」
「手が滑っただけだもーん」
「別に直接サイコロに触った訳じゃないからセーフっしょ」
「さ、流石に悪意がありますわ!!」
「そりゃ悪魔だしって、あぶ!!」

 そう言ったベルフェゴールに魔法が飛んで行き、間一髪で彼女が避ける。

「タロト!! それは、流石にシャレにならない!!」
「ふふ、先に直接手を出したのは、貴女です」
「おお、見事な『ストーン』だったよな」
「『牛乳』は黙っててくれます!?」

 同じ様な事をやられてもストーンとは行かなさそうなベルゼブブの言葉に、ツルペタストーンなアシュタロトが切れ気味で怒鳴った。

「おま! 『牛乳』って言う事に欠いて失礼だろう!!」
「ぶっ『牛乳』って、さすが多産の権能を持つ悪魔」
「うるさい『半端乳』!」
「ちょ、『半端乳』って」
「あ?」
「「ああ?」」

 お互いの逆鱗に触れまくった三人娘達は、そのまま実力行使へと発展し、それは、疲れて帰って来たルシファーの雷が落ちるまで続くのであった。
0354三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/01(月) 00:35:05.09ID:Yql+E7qC
おお良かったw
それにお題もありがとうです><

もう過疎には打つ手がないし、作者も作品も集まらないとどうしようもないんだけど、、何か考えのある方は、言うだけならタダなのでどうぞです・・・
0355この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/01(月) 20:08:13.89ID:6IwXFbeC
とりあえず、毎日の様に何かしらの書き込みがあれば
見に来る人はいると思います
それで書き込みの内容が共感できたり、意見を言いたければ、書き込まれる訳です

ただ、このスレはお題で短編小説を書くスレなので、興味のある人は、やはりどんな小説が書いてあるかを見に来ると思うのです
そうなると毎日小説が書いてあれば人は増えると思うのですが……
中々、理想通りに行かない現実と言うw
0356この名無しがすごい!
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2021/02/01(月) 20:39:20.77ID:mmSMG0xt
個人的にはどちらかというとこのスレは過疎なくらいまったりしてた方が好き
流れ早いと追うの面倒になって何も読まなくなる自信がある
0357三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/01(月) 23:58:13.18ID:Yql+E7qC
まぁそうですよね・・・>どっちも
雑談で埋めてもしょうがないしなぁ・・・
0358この名無しがすごい!
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2021/02/02(火) 00:02:47.94ID:82bAEsAu
>>351
そして、、よく考えましたねこれw
作者の本気を見た・・・
しかし!!! 三人いると誰が誰だか分からねえ

安易だが詳細かつ説得力のある設定、悪魔らしい行動、『ストーン』なんでそうなるww
堕天使の人お疲れ・・・
0359この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/02(火) 19:34:22.26ID:BS463FHx
>>358
感想有難うございますorz
最初は石化チキンレースにしようかと思っていたのですが
何故か『ストーン』の光景が降って来てしまいこうなりましたw
0360この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/07(日) 21:56:09.95ID:NQ05tID/
>>350
お題:『アラスカ』『ピキ』『ダービー』『悪役』『ナニ○○』

【令嬢の溜息】(1/3)
 ラグゼルト王国の王宮の中庭には色とりどりのバラが咲き誇り、そこに設えたガゼボでは、一組の男女が、優雅にアフタヌーンティーを嗜んでいた。
 そこに居るのは黄金を溶かした様な煌く金髪とアイスブルーの瞳の少年と、蜂蜜を束ねた様な黄金の髪と深い碧色の瞳の少女。
 少年の名はグレゼント・シェウ・ラグゼルト。この国の第二王子であり、少女の方はと言えばその婚約者にして侯爵家令嬢であるエルメローゼ・セル・バンゼントであった。

「それで、僕は言ってやったのだ! 『子爵家の君が、僕に逆らう事がどういう意味なのか分かってるのか?』ってね、その時のアンデルセンの顔と言ったら!」
「ア、ハイ、ソウナンデスカァ〜」

 グレゼントの自慢話に、死んだ目で相づちを打つエルメローゼは(麩菓子、口に突っ込みてぇ)と思いながら紅茶を一口飲んだ。
 口の中が張りつくアレなら、少しはこの馬鹿王子も黙ってくれるかも知れないと思ったからだ。

 王国の利益の都合で婚約者となった関係ではあるが、口を開けば自慢話しかしないグレゼントに、エルメローゼはかなり辟易としていた。
 努力と言う物が嫌いなグレゼントは、剣術にしろ勉強にしろ、それ程得意では無い。だが、それでも第二王子の為、チヤホヤとされて来た事も有り、すっかり我儘な性格になってしまっていた。
 それでも幼い時にはエルメローゼも色々と窘めてはいたのだが、まったく聞く耳を持たない王子に、いつの間にか口を出すのを諦めてしまっていた。
 それを何故かグレゼントは、自分にメロメロになった為に従順ななったのだと思い込んだのだが。

「……あれ?」
「ん? どうしたエルメローゼ?」
「え? いえ、何でもありませんわ」

 そう口で言いながらも、エルメローゼの頭の中ではかなり混乱をしていた。

(麩菓子って何? 何でそんな物を思い出したの?)

 先程、彼女は確かに麩菓子と言うお菓子を思い出していた。だが、この世界にそんな物は無い。
 動揺を抑える様に、エルメローゼは目の前のお菓子に手を付ける。
 ジャリっとした触感と駄々甘の砂糖の味。

(うっ、同じ様に砂糖をまぶすにしたって、ドーナッツとか見たいに、もうちょっと何とか成らなかったのかしら?)
0361この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/07(日) 21:57:18.67ID:NQ05tID/
【令嬢の溜息】(2/3)


 そう考え、そしてまたピタリと動きを止める。

(ドーナッツ? え? 何?)

 またしても、この世界に存在しないお菓子の記憶。

「お、おい! エルメローゼ!!」
「ナ、ナニカナ?」
「何かなって、いや、どうした? 顔が真っ青だぞ? ただでさえ変な顔なのに、もっと酷くなって……」
「ピキ突っ込んだろかぁぁ!!」

 グレゼントの暴言に、そう叫んでエルメローゼはぶっ倒れた。

 ******

「何故にピキィ!!」
「!! お嬢様!?」

 唐突に起き上がったエルメローゼに、側仕えの侍女が慌てて駆け寄る。

「何故思い出したのがブルーコーンで作ったポピ族の主食か!!」
「お、お嬢様!?」
「……」

 侍女の呼びかけにエルメローゼがふと周囲を見回す。見れば、そこはバンゼント家の自室だった。

「え? あれ? 私……」
「お、お嬢様、ようございました……」

 涙ながらにそう語る侍女に焦りながら、エルメローゼは何故自分が寝ていたのかを彼女に聞いてみた。
 どうやらあのお茶会で、彼女は突然倒れ、自宅へと担ぎ込まれたのだが、その後、丸1日意識が戻らなかったらしい。

「あーー……迷惑をかけたわね」
「迷惑だなんてそんな!!」

 エルメローゼの意識が戻った事を彼女の両親に伝える為、侍女が部屋を出て行くのを見送るながら、彼女は頭を抱えたくなった。

「ナニユエ、アクヤクレイジョウニ……」

 そう、今の彼女はエルメローゼでありエルメローゼでは無かった。前世(?)の記憶が戻ったからだ。
 その記憶では、エルメローゼ・セル・バンゼントと言う人物は、乙女ゲームのキャラクターであり、その婚約者グレゼント・シェウ・ラグゼルトは、王太子オベルーン・シェウ・グラゼントと共に攻略対象者であった。

 つまりエルメローゼは、主人公の邪魔をする立場の人間であり、有体に言えば悪役令嬢だったのだ。
0362この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/07(日) 21:58:01.72ID:NQ05tID/
【令嬢の溜息】(3/3)


 ******

 翌日の朝食、硬目のバケットをコンソメ……と言うか塩味の野菜スープで流し込みながら大きく溜息を吐く。
 前世を思い出し、自身の未来が国外追放だと知ってしまったエルメローゼは、夜通し対策を考えたのだが、ついぞ良い考えは浮かばなかった。

(そもそも、第二王子の婚約者なだけの私が、ナニゆえ全ルートでちょっかい出してんのかしら?)

 そう、エルメローゼと言う令嬢は主人公がどのルートを進もうと、必ずしゃしゃり出て追放さるのである。
 それが運命だとしたなら、なぜ開発陣はこんなシナリオにしたのだろうか?
 やけに固いバケットに齧りつきながらエルメローゼは眉間に皴を寄せる。

「硬ったいわね、あ〜、シベリアとか食べたいわ……あれ? アラスカだっけ?」

 前世で好きだったお菓子を思い出しながら、そんな事を呟くエルメローゼ。因みにシベリアはカステラの間に羊羹を挟んだお菓子で、アラスカはアイスクリームに周りにケーキ生地を乗せ、メレンゲで包んだお菓子である。
 当然、どちらも柔らかい。

「ああ、もう一度、ダービーケーキを食べたかった」

 そう言ってエルメローゼは項垂れた。前世でたった一度だけ食べた事のある、お高いケーキである。当然、現世では食べる事など出来ない。例え、彼女が侯爵家令嬢だったとしてもだ。

 こうして思い出すのは前世で食べた食事が殆どだった。決して、この世界の食事がまずい訳では無いのだが、前世の日本と比べてしまうとどうしても一枚も二枚も落ちる。

「……こっちじゃ望むべくも無いのかなぁ……せめて自分で作れればなぁ、でも、流石に料理なんてさせて貰えないからなぁ……」

 確かに、この世界の動植物は地球のソレに似通っていた。そこは流石は乙女ゲームの世界と言った所か。
 だが、生まれてからこのかたエルメローゼが料理などした事は無い。たとえ、前世で作った事が有ったとしてもだ。
 それにそこは腐っても侯爵家の令嬢である。厨房になどどんな我儘を言ったとしても入れて貰えはしないだろう。

「食べられないとか思うと食べたくなるなぁ……」

 その時、彼女の頭にある考えが閃いた。

(追放されれば、自由に料理とかできるじゃん!!)

 今朝まで悩んでいたのは何だったのか? どう転んでも追放される身の上ならば、いっそ平民に成ってしまえばしまえば良いのだ。
 その上、望んでいない結婚からも逃れられるのならば、一石二鳥である。
 そうと決まれば、問題になって来るのは追放後の生活であろう。色々考えるなら、今の内から色々と準備をすべきだ。

(よし!! レッツ追放だわ!!)

 そう考え、エルメローゼは、思わずガッツポーズをとった。
 彼女の覚えている、乙女ゲームの本編が始まる3年前の話であった。
0363三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/07(日) 22:08:35.90ID:RV8g0Nj1
お題→『アラスカ』『ピキ』『ダービー』『悪役』『ナニ○○』締切

【参加作品一覧】
>>360【令嬢の溜息】
0364三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/07(日) 22:10:41.83ID:RV8g0Nj1
では通常お題5つでー

お題安価>>365-369
0365この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/07(日) 22:23:59.13ID:3SzeKRV0
マーガリン
0368この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/08(月) 01:59:17.95ID:4Z9mNmde
パンチ
0369この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/08(月) 02:03:16.07ID:4Z9mNmde
頭突き
0370三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/08(月) 07:55:18.07ID:4PEFV2H/
☆お題→『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→2/14の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0371この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/08(月) 07:59:07.50ID:4PEFV2H/
お題ありがとうですが、、やっぱり次回から4つに減らします

>>360
ともかく調子を取り戻してますね
『アラスカ』『ダービー』お題消化芸としては、まさかの発想!!
そっちの方向では全然思い付かなかった・・・

って言うかプロデュースだけすれば、自分で作る必要はw
0373三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/08(月) 19:58:59.03ID:4PEFV2H/
例えば、12時過ぎて埋まってなければ、強制的に打ち切り、みたいな?

うーん、、現状そこまでではないような
早く埋まらないと面倒だなぁ、っていうのは正直ありますがw
0374この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/08(月) 21:09:59.48ID:ul35mmvg
>>371
感想有難うございます
できればお題の全てを食べ物と絡ませたかったのですが……
『悪役』と『ナニ○○』はどうしても見つかりませんでしたorz
0375この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/10(水) 19:21:11.93ID:SN7SA88S
>>370
使用するお題→『シアン』『パンチ』『頭突き』

【立ち上がれ、シンディ!】(1/3)
※シンディシリーズ完結編です

突然、シンディの目の前が真っ白な世界と化した。どこからともなく一匹の蝶が飛んできて、彼女の左手の上に止まる。

「シンディ、俺を覚えているかい?」
「そ、その声は・・・!」

聞き覚えのするその声の主は、あの金物屋のエリィだった。エリィだけでなく、もう一人いた。
なんと、あのジョンソンだ。ガラクタを集めて色んなマシンを作るのが大好きなメカニックだ。

「エ、エリィ!それにジョンソン!ど、どうしてこんな所に!?」
「シンディ、立ち上がって!負けないで!」
「君はあの冷酷無比なバイロンを倒せる最後の希望なんだ。君がここで負けたら、いずれこの荒野は全てあいつに支配されてしまう。バイロンはそれほど恐ろしい力を持った奴だ」

シンディはハッと思い出す。今ブーツの踵に付いている黄金の拍車はエリィから、コートの中に隠し持っているドリルスティックはジョンソンから授かった物だ。

「ごめんなさい、エリィ。それからジョンソン。片目を潰され、片手を切り落とされたくらいで荒野のガンマンは負けるほどヤワじゃない」

少しずつではあるが、シンディが立ち上がっていく。そんな彼女の姿にエリィとジョンソンは笑みを浮かべた。

「シンディ、あなたなら絶対にやれる!」
「今が最大の、絶好のチャンスだ!」

エリィとジョンソンの姿がパッと消える。2人に感謝すると、シンディは全身の力を振り絞って、バイロンに突進していった。

「シ、シンディ!」
「こいつ、まだ生きていやがったのか!」
「シグレ!待たせてごめんなさい!今助けるわ!」

自分に向かって突進してくるシンディに、バイロンはハンマーで殴り倒そうと振り回す。
しかしシンディはそれを軽く回避すると同時に足を振り、黄金の拍車をハンマーに勢いよく当てた。
その黄金の拍車の強度は尋常ではなく、ハンマーをいとも簡単に粉々に砕いてしまった。
0376この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/10(水) 19:22:21.54ID:SN7SA88S
【立ち上がれ、シンディ!】(2/3)

「くっそ、そんなボロそうな金メッキの拍車でハンマーを砕くとは!」
「失礼なこと言わないでくれるかしら?」

ハンマーを失ったバイロンは今度はパンチを繰り出すが、それも簡単に避けられる。

「そんなヘナチョコなパンチ、パンチって言えるのかしら?これが本当のパンチよ!」

シンディは残った左腕から強烈なパンチを、バイロンの腹に食らわせる。怒りの籠ったその強烈なパンチは丈夫な鎧にヒビを入れるほどで、バイロンは思わずグヘッと吐血した。

「く、クソッ!こうなったら!」

バイロンは次に頭突きを食らわせようとするが、それが全て判断を見誤っていたことに彼は気付いていなかった。

「この時を待っていたのよ」
「ハァ?」

シンディは咄嗟にコートに隠して持っていたドリルスティックを取り出し、それを思いきりバイロンの額に突き刺した。
その鋭利で丈夫なドリルスティックで頭部を抉られたバイロンは大出血、断末魔もできないままそのまま息絶え、倒れてしまった。
バイロンが倒れた後、シンディは彼が起き上がることが無いようドリルスティックで鎧を破壊した後、彼の心臓に銃弾を何発か放ち、トドメを刺したのだった。

「シンディー!!」
「シグレ!」

シグレはシンディを勢いよく、ギュッと強く抱き締めてきた。

「シンディ、生きてて本当に良かった!」
「シグレ、心配かけて本当にごめんなさい。それに私のために無理までさせてしまって・・・」

シグレは強力な妖術を使い続けてきた為、疲労が途轍もなかった。シンディの目からも、シグレの体からシアンの色をしたオーラが放たれているのが目に見えて分かった。

「私のことより、自分のことを心配してシンディ!」

シグレは疲労困憊ではありながらも自らの着物を引き千切ると、シグレの右目や右手首に巻いて止血させ手当てした。
0377この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/10(水) 19:23:16.68ID:SN7SA88S
【立ち上がれ、シンディ!】(3/3)

激戦の連続で疲れ切ったシンディとシグレを、サンセットは背中に乗せると洞窟から外へと飛び出した。
すると、突然シンディがゲホッと咳をすると共に口から黒い血を吐き出した。

「シ、シンディ!」

理不尽な暴力を受け続けながらも、弱肉強食の荒野を必死に生き抜いてきたシンディの体にもとうとう限界が来たようだ。
彼女の死期がもうすぐそこであることを暗示するかのように、黄金の拍車は一気に錆びてボロボロになり、被っていたカウボーイハットは風でどこかに飛ばされてしまった。
ドリルスティックも粉々に砕け散る。シンディはもういずれ自分が死ぬことは分かっていたようだ。

「シグレ、あなたと出会えて旅ができてすっごく楽しかったし、嬉しかった」
「それはこっちのセリフよ!シンディ、お願いだから死なないで!」
「勝手なことを言って悪いんだけど、シグレ、これからも力強く生きて。それからサンセット、今まで私達を乗せて走ってくれてありがとう」

最後にシグレとサンセットの頭を優しく撫でると、シンディは力尽き、そのまま息絶えてしまった。
シグレは必死に泣くのを堪えながら、その地にシンディの墓を立てた。今、彼女の手にあるのはシンディのオレンジのスカーフだった。
サンセットは慰めるかのようにシグレの顔を優しくペロッと舐めた。

「ありがとう、サンセット」

サンセットはシグレを乗せるとどこかへと走り出した。

・・・・・・・・・・

数年後、シグレは生まれ故郷である日本に帰り、着物店を営んでいた。
彼女の頭にはいつも形見であるシンディのスカーフが巻かれている。
まるでシンディが近くにいて見守ってくれているような安心感、そして彼女の温かさが伝わってくる。

「シンディ、私はあなたが本当に大好き。心配しないで、私はこれからも力強く生き続ける」


THE END
0378この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/11(木) 00:21:44.55ID:jAV1A8fc
>>375
とうとう来てしまった・・・完結編
色々な土地で、様々な人たちと出会いましたね
それが生きてくる胸熱の展開から、最後には持ち主の死と共に消えてしまう
だけどまったく何もなくなるわけではない
とても長い旅でした・・・

しかし気になるのが、レイチェルはどうするんでしょうw
ずっと楽しみに視聴してたのに!
0380この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/11(木) 09:33:43.06ID:mFedQ6p4
>>378
感想ありがとうございます!
これにてシンディシリーズは全て完結です。
弱肉強食の荒野を生き抜いてきたシンディの勇姿は、シグレがこれからも力強く生きていこうというきっかけになりました。
そうですね、シンディシリーズが遂に完結した時のレイチェルの反応は、また後日談等でじっくり書こうと考えております。
今まで応援してくださり、そして楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0381この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/12(金) 20:29:27.05ID:YG/nhBa5
>>375
完結おめでとうございます
弱肉強食の荒野の少女の生き様は友の心に刻まれた様ですね
0382この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/12(金) 21:05:39.02ID:+ga5KS6G
>>381
感想ありがとうございます!
さすらいの女ガンマンの波乱万丈な旅、そして女サムライとの友情を描けて本当に楽しかったです!
シンディとシグレの出会いはまさに運命だったのかもしれません。
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0385この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 14:09:14.69ID:9eQCqRQu
>>370
使用するお題→『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』

【ラッキーとかアンラッキーとか、そんなのどうだっていい!!】(1/2)
>>269【母手編みのニーソ】の続編かつ完結編です

朝の7時、ジリジリと目覚まし時計のアラームがけたたましく鳴る。
私はフワアッと大きな欠伸と共に目を覚ますと体を起こし、アラームを止める。
冬休みも昨日で終わり、今日からまた授業が始まる。大学に行く支度はちゃんとできている、私はしっかり者だ。

「さてっと、朝食の時間♪」

パジャマから着替え、顔も洗った私はこんがり焼けたトーストにマーガリンを塗ろうとした。
しかしマーガリンは固くなっており、バターナイフで綺麗に掬い上げることができなかった。

「何でこんなに固くなってるのよ!賞味期限まだまだ大丈夫なはずでしょ?」

一瞬グイッと強く力を込めた瞬間、先端にマーガリンがついたバターナイフが宙を舞い、そのまま私の服に真っ逆さまに落ちてきた。
ペチャッと服にマーガリンがついてしまい、私は思わず焦る。せっかく昨日洗濯して綺麗にしたばかりなのに。

「ウ、ウワッ!何でこうなるのよ!このバカマーガリン!私とバターナイフさんに謝りなさい!」

そうは言ってもマーガリンが喋るわけがない。とりあえず私は急いで別の服に着替え、トーストを頬張り、歯磨きも済ませ、大学へと向かう。

「ハァ、最近の私ってつくづく運が悪いなあ・・・」

最近のアンラッキー一辺倒な私が嫌になってくる。いつもの公園の近くを通りかかったその時だった。

「おい、お前!この俺に楯突くとは良い度胸してやがるな」
「お、お願いだからやめてよう!」

小学生4、5年生くらいだろうか。小柄で可愛らしい少年が、大柄の乱暴者にいじめられていた。
今にも殴られそうだ。私は放っておくことができず、その少年を助けに入った。

「コラ!弱い者いじめはやめなさい!」
「何だよ、勝手に入ってくんじゃねえよブス女!」
「お、お姉さん、誰!?」
「私のことはいいから早くどこかに隠れて!」
0386この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 14:09:54.00ID:9eQCqRQu
 【ラッキーとかアンラッキーとか、そんなのどうだっていい!!】(2/2)

少年は急いでどこかへと逃げた。それに腹を立てたのか、乱暴者は私に突っかかってきた。

「このブス女!もう許さねえぞ!」
「どこからでもかかってきなさい!」

私と乱暴者の激しいバトルは数十分に及び、遂に決着がついた。私の負けだ。

「弱いくせに調子に乗るなよな、このノッポ女」

乱暴者はつまらなさそうにどこかへと去っていった。私は彼から脛にパンチを食らった後、さらに腹に頭突きも食らわされた。
さらに首に巻いていたお気に入りのシアンのマフラーも破かれてボロボロになっていた。

「お、お姉さん!大丈夫!?」
「私は平気よ。あなたが無事で本当に良かったわ」
「あ、ありがとう。でも、どうして見ず知らずの僕を助けてくれたの?」
「放っておくことができなかった、ただそれだけのことよ。それじゃあね」

私は立ち上がると、大学へ向かうため再び歩き出した。殴られ、頭突きを受けた脛や腹が痛むものの、心は一切痛まなかった。
とにかく困っている人を助けることができて嬉しかったのだ。

「私がアンラッキーなのは、他人をラッキーにできるパワーに全振りしてるだけなのかもしれない」

そうポジティブに考えると寧ろ嬉しくなり、私は思わずフフッと笑うのだった。


おしまい
0387この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 19:38:09.35ID:d7E0MuoD
>>385
ボロボロになっても正義を貫ける信念は大切ですよねw
ですが、自らを守る事も大切な事だと思います

>>383
不思議で奇妙で愉快な世界ですね
ワンダーランドはいつも驚きでいっぱいですねw
0388三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/14(日) 22:11:37.33ID:9xypS5QL
お題→『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』締切

【参加作品一覧】
>>375【立ち上がれ、シンディ!】
>>385【ラッキーとかアンラッキーとか、そんなのどうだっていい!!】
0389三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/14(日) 22:13:28.25ID:9xypS5QL
では、通常お題『4つ』です

お題安価>>390-394
0391この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 22:15:33.04ID:2+dzil4k
『忍者』
0393この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 22:58:55.80ID:YRiED35t
ロマンティック
0395三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/14(日) 23:09:50.59ID:9xypS5QL
☆お題→『慎重』『忍者』『闇のチョコレート』『ロマンティック』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→2/21の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0396この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 23:13:02.77ID:d7E0MuoD
また間に合いませんでしたorz

お題:『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』

【荒野の1人】(1/3)


 風の吹きすさぶ荒野に、一人の少年が立って居た。
 デジタル式の双眼鏡で獲物を探しながら、小麦粉と砂糖、食用油とマーガリンで作られた堅焼の携帯食をかみ砕き、電解水で飲み下す。
 少し高めのバター製の携帯食の方が風味の点で上ではあるのだが、そんな些末な事は、彼にはどうでも良い事だったこともあり、安価なマーガリン携帯食を常食としていた。

 ******

 西暦と言う年数が使われなくなってどれ程の月日が経ったのか。
 幾度と無く世界規模の戦争や災害、人災を繰り返し、その生態系は随分と変化していた。

 それは、かつて日本と呼ばれていた国も同じである。
 砂漠化が進み、関東平野と呼ばれていた場所はその殆どが荒野と化し、一部ドーム都市以外では緑を見かけなくなっていた。
 その割には山岳部等は植物が異常繁殖し、密林と言って良い状態にまでなっていたが。

 その荒野を一台の武装バギーが疾走していた。その後ろには十数にもなる動物に騎乗している様な者達がそのバギーを追従している。

 追従している者達は、グレイや黒のマダラの肌とやけに丸々とした体躯を持った異形達であり、その騎獣も、八本脚の猪を思わせる姿をしていた。
 その者達の眼は異様に血走り、劣情を含んだ瞳を前方のバギーに注いでいた。

「ちょっと、ちゃんと狙いなさいよ!!」
「分かってるよ!! でも、相手はオークなのよ!! 多少当たった位じゃ怯みすらしないんだから!!」

 武装バギーに乗っている二人組は、どちらもしなやかな肢体を合成ゴム製のボディースーツで包んだ少女と言って良い年頃の女達だった。
 一人はバギーを操縦し、もう一人は車載機関銃をバラ撒く様に撃っている。
 彼女達は運び屋だった。

 ドーム都市と呼ばれる都市間は、それぞれが一定の距離をおいていて、都市間の通信は磁場スモッグの影響で、地下ケーブルを使うか直接手紙を届ける以外の方法が取れない。
 だが、地下ケーブルの通信量は一定であり、大企業が、都市政府以外が使う事を許されていなかった。そうなれば少量の荷物や手紙等は、彼女達の様な運び屋が、必然請け負う事と成る。
 だが、荒野には異常進化や突然変異した生物が徘徊しており、そう言った運び屋は、武装したり護衛を雇ったりする必要があった。

 ******

 メイコとヤヨイは、二人組の武装運び屋だった。それ程長距離での運搬では無かった事も有り、特に護衛を付けずに仕事へと出かけたのだったが、しかしその途中、彼女達は運悪くオークの集団と遭遇してしまったのだ。

「ヤヨイ!! ロケットランチャー使うよ!!」
「ちょ! それ虎の子なのよ!? それ使ったら赤字になっちゃうじゃない!!」
「なら、とっ捕まって、オークのママになりたいの!!」

 メイコの言葉にヤヨイが頭を抱える。

「分かったわ。でも、必ず何とかしてね」
「当たり前よ」

 その言葉でメイコがロケットランチャーを構え、そして即座に発射した。
 その狙いは正確にオーク達を捕らえ、直後、大爆発が起こった。

「やった?」
「馬鹿!! メイコ、それフラグ!!」
0397この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 23:14:49.38ID:d7E0MuoD
【荒野の1人】(2/3)


 爆炎が晴れた後、殆どの個体が吹き飛んではいたが、しかし、数体のオークが憤怒をその目に宿し、未だに残っていた。

「嘘!!」
「嫌ぁ!! アタシは丘の見える白いチャペルでイケメンと結婚して二人の子供と暮らす将来設計が有るんだからぁ!!」

 オークが石を振りかぶる。その人外の膂力から放たれた石は、容易くバギーの装甲など貫通する威力を持つ。
 そんな石が次々と放たれる。
 それをヤヨイは天才的なテクニックで持って躱し続けていた。

「ちょっと、メイコ、迎撃は!?」
「やってるわよ!!」

 半泣きに成りながらも乱射するメイコ。しかし、回避行動をするバギーから、早々命中させる事など出来はしない。

 そうこうして居る内に残弾数は少なくなり、しかし、怒りに燃えるオーク達の猛攻は止まない。
 じわじわと焦りだけが募り、それが更に命中率を下げて行く。

「……護衛はいるか?」
「は?」
「え?」

 唐突に声を掛けられ、二人が横を向く。そこには鮮やかな水色で染め抜いたバイクを駆る少年が並走していた。

「……護衛はいるか?」
「は?」
「いる!! いるいるいるいるいる!!」
「ちょ! メイコ!!」
「……分かった」

 そう言うと、少年は後方のオークへとハンドルを切った。

「ちょ、メイコ!! 何考えてるのよ!!」
「聞いた事が有るわ」
「え?」
「シアンのパーソナルカラーの凄腕のハンターの話!!」

 ******

 少年はまるで音も無く斜め後ろから近づき、オークの後方にバイクを寄せると、45口径オートマグナムを無造作に打ち込んだ。

 ダウン! ダウン! ダウン! ダウン! ダウン!

 頚椎に銃弾を撃ち込まれた個体が、そのまま倒れ、騎獣から落ちると後ろに流れて行く。唐突に身軽になった騎獣はそのまま加速し、しかし、群れから離れて行く。

「……流石にオークは耐久力が高いな、一発で落とし切れない……チッ、弾代が嵩んじまうな」

 その事で、オーク達は少年の存在と、彼が敵である事を認識した。
 オークの一体が後ろを向き、石を振りかぶる。
 だが少年は、その肘に弾丸を命中させ、投擲を不可能にすると、同時に騎獣の方へと弾丸を撃ち込んだ。
 それで足を縺れさせた騎獣が転倒し、それに巻き込まれたオークが、一体、また一体と脱落して行く。
0398この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/14(日) 23:15:38.31ID:d7E0MuoD
【荒野の1人】(3/3)


 だが少年は、オートマグナムに視線を落とすと、眉間に皴を寄せ、バイクを加速させてオーク達に接敵した。
 残ったオークは投擲を迎撃されるのを警戒した為と、この距離でなら直接殴った方が早いと判断し、パンチへと切り替える。無道さに振り回される拳。だが、その巨体と膂力によって、それは一撃必殺と言って良い攻撃へと変えていた。

 ブオン! ブオン! と風を切る音が響く。こうしてオークが攻撃をし、少年が避けている間はまともに照準も付けられない。
 例え苦し紛れに撃って来たとしても、一発二発を食らった位では、致命傷とはなり得ない。オークはニヤリと口の端を歪めた。

「あまり嘗めるなよ? シアンを舐めると即死するぜ?」

 そ言うと、少年は頭突きで拳を迎撃した。
 拳と頭では頭の骨の方が固いのは確かだ。だが、だとしても頭突きで迎撃などと言う馬鹿な真似を選択する者は居ないだろう。
 しかし、その無茶の甲斐は有ったのか、想定外の衝撃にオークが目を剥く。

 その刹那、少年はバイクを操作すると、加速からの急停止し、いわゆるジャックナイフの状態からバイクを前輪を中心に回転させ、その後輪でオークを弾き飛ばした。
 言わば、バイクでの回し蹴りである。

「ふぅ、よかったよ、丁度弾切れだったんだ」

 吹き飛んで行くオークを眺め、少年はそう呟いた。
 こうして、少女達を追って居たオークは物の10分と掛からずに壊滅したのである。

 ******

「げ!! 100万Gィィィ!!」
「ちょっと、いくら何でも高すぎるわよ!!」
「……命の値段だ、それでも安い位だろ? それとも、異種間で家族に為る趣味でもあったのか?」
「「グッ」」

 そう言われれば、二人にも文句は言えない。
 渋々電子マネーを振り込み、メイコとヤヨイはガックリと肩を落とした。

「……じゃ、縁があったら、また会おう」

 そう言って少年がバイクを発車させる。
 後ろで「大赤字だぁ〜」と叫ぶ少女達の叫びを聞きながら、少年シアンはマーガリン製の携帯食をかみ砕くのだった。
0399この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/15(月) 00:40:17.37ID:/fNg7Ps2
>>385
自称しっかり者w
信じられないくらいトラブル続きですが、優しい心を忘れないという
もっと続けても良さそうですが、完結なんですね

>>387
感想ありがとうございます!
詰め込めるだけ詰め込みました・・

>>396
結構久し振りな感じもする、作者の得意を詰め込んだ力作!
うーんやっぱりアクションが迫力あるー
荒野での追いかけっこが目に浮かぶようです
0400この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/15(月) 18:34:27.77ID:q65UgtZr
>>399
感想有難うございます
サイバーパンクは好きなのですが、もうちょっとサイバー的な何かを入れたかったですねorz
0401この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/15(月) 21:01:56.44ID:UWAXXKH+
>>387
>>399
感想ありがとうございます!
アンラッキーガール三部作でした(笑)
たとえ自分が悲惨な目に遭っても、他人のために優しくできるのは素晴らしいことだと思います。
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0402この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/17(水) 00:36:55.26ID:NovXWC/z
>>370
スレ7→745の続編、供養枠で失礼します

使用お題→『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』

【チョコ少女戰域】

 僕たちの住む、とある地方都市。近所の公園。
「あっ、いたいた。おーい。やほー! そこの青い人!」
 僕が呼び掛けると、制服のブレザーに青いコートを重ねた少女が、顔を上げて、こちらを見る。
 彼女は、その見慣れた顔に、はにかむような、少し怒ったような笑みを浮かべると、右手を胸の前で小さく振った。
 僕は、そんな彼女の前まで走る。
「愛李(あいり)、おひさだね。リアルでは、だけど」
「うん。ねえ、ゆき。あんまり大きな声出さないで。小学生じゃないんだから」
 恥ずかしそうに言う。
 中学の頃からあんまり成長していない僕と違って、愛李は、なんと言うか、女の子らしくなった。
 VRゲームの世界を軽やかに駆け回る、チャイナドレスの少女。それは中学校までの彼女の姿と重なる。
「何言ってるの。猫かぶってるの? ゲームの中では大暴れなのに」
 つやつやの髪の毛。きらきらと輝く瞳。ふっくらとした唇。
「もう、あれはそういうキャラなの!」
 リアルの彼女は、厚着のせいか、それとも女の子だからか、それは分からないけど、ふわふわとして柔らかそうだ。
「そんなことよりさ、ゆき。今日はなんの用?」
 愛李と僕は、中学校までは一緒で、高校は別になった。
 今日は、僕からの用事もあったけど。
「うん、愛李は?」
「私か。うん、えっとー……」
 彼女は、コートのポケットをごそごそとした。
「……はい、これ。チョコクッキー作ったの」
 大きめサイズの透明の袋に、何枚も入っている。袋の口には、白いリボンが結ばれている。
「わあ、ありがと」
「その……ちょっとマーガリンを入れ過ぎちゃって、失敗したかもだけど」
 ばつの悪そうな顔をして、そんなことを言う。
「大丈夫でしょ。ちゃんとおいしそうに見えるよ。おいしくなかったら、それは正直に言うし」
 僕は自分のバッグを開いて、クッキーの袋を入れる。それから、今日渡そうと思っていた物を取り出す。
「はいこれ」
「えっ。何これ」
「義理チョコ。あ、チョコの材料は妹から分けてもらった」
 彼女は、チョコの箱を受け取ると、それを両手で持ったまま、固まってしまった。
「ん? 愛李?」
 しばらくそうしていたけれど、やがて彼女は。
「……ふっ、ふふふ……義理チョコ。そうかぁ。この少年は……相変わらずだなぁ……このっ!」
「うわっ」
 急に殴り掛かってきた。本気ではないパンチが肩に当たって、続けて彼女のつむじが首と顎に当たる。
「ちょっ、何するの、この暴力女!」
 彼女は走って離れていく。それから立ち止まって、振り向いて。
「ゆき! チョコありがとね! またね!」
 逃げていった。小学生みたいな素早さで。

 あ、クッキーはおいしかったです。

 * * *

 ばかバカ馬鹿、ゆきの馬鹿!
 地中海を思わせるような明るい青の包装紙。藍色のリボンで上手に飾り付けられている。
 これを『義理チョコ』と言って渡す神経が分からない。失敗作でごり押ししようとした自分が惨め。
 包みを破ってしまわないように丁寧に開けて、だけどちょっと失敗して。
 チョコは、なんて言うか、ちゃんとしてた。
 もったいなかったけど、食べた。おいしかった。

 ゆき。来年こそは!
0403この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/17(水) 10:17:25.50ID:fWn9RapW
>>395
使用するお題→『忍者』『ロマンティック』

【喪失感、だけど・・・】
完結したシンディシリーズの番外編です

「シンディ、私はあなたが本当に大好き。心配しないで、私はこれからも力強く生き続ける」

・・・・・・・・・・

「シグレーッ!!親友のシンディの分までしっかり強く生きてね!それにシンディ、すっごくカッコよかったぁ!!」

西部劇マニアのレイチェルが、シンディシリーズの最終回に涙をポロポロ流しつつも歓声を上げていた。
今まで撮り溜めていた全5シーズン通算75話を、もう何百回といってもいいくらい見返しており、彼女にとってシンディはまさに憧れで理想の存在だ。

「途中で急に日本から来た女サムライが出てくるものだからビックリしたけど、シンディとシグレ、親友になれて本当に良かったわ」

善も悪も一切関係ない弱肉強食の荒野の中を、理不尽な暴力に負けず屈さずに前へと向かうシンディみたいな強い人間になりたい。
レイチェルはいつもそう思っていた。

「もう新しい西部劇ドラマは作られないのかなあ・・・」

レイチェルは以前、シンディシリーズが視聴率低下が理由で打ち切りの危機に陥った時のことをふと思い出した。
「西部劇のドラマなんて今時流行らない」という、当時放送されていたテレビ局の関係者が放った言葉。
シンディへの愛や熱意をこれでもかとアピールした結果、違う局での制作及び放送再開が決定し、打ち切りを阻止することができた。
それだけでも十分嬉しかったものの、今や西部劇は時代遅れという風潮にレイチェルは心を痛めていた。

「アメリカの神髄といえば西部劇なのに!西部劇こそアメリカの誇るべき伝統なのに!」

どのチャンネルを回しても、番組表を眺めても、レイチェルの心を掴むような面白いドラマはなかった。
過酷な修行を積み、立派な忍者になった若者達が悪を倒していくドラマも最初は面白く感じたものの、僅か6話目で飽きて見なくなってしまった。

「最近、和風な感じのドラマも増えてきたけど何か物足りないのよね。ロマンティックさに欠けているというか」

大好きなドラマも完結を迎えた上、西部劇が廃れていく今、レイチェルの心には大きな穴が空いていた。喪失感を感じて、すごく寂しかったのだ。
そんな寂しさを紛らわすため、いつものガンマン衣装に身を包み、町へと散歩に行く。
住人達の元気な挨拶に心が温かくなっていく。その正午、公園のベンチに座って寛いでいる時だった。

「レイチェル?君、レイチェルじゃないか!?」
「も、もしかしてライアン?ライアンなの!?」

まさかの大学時代の恋人との再会であった。
0404この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/17(水) 23:53:37.57ID:NovXWC/z
>>403
早速のレイチェルサイドですねwありがとう!
そう言えば録画してたw、だけど新作も見たいですよね・・・
寂しいなぁ・・・なんとも言いようがない
だけどレイチェルにはライアンがいて良かったです
0405この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/18(木) 21:18:26.37ID:KmM2dHGo
>>403
成程、ちょうど揺れ動いていた時期だったんですね
ですが、その選択である意味西部劇の本場であるイタリアへと渡るとはw
0406この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/18(木) 21:24:02.92ID:KmM2dHGo
>>402
友情と愛情の狭間と言った感じですね
リアルでは会えなくなっても、繋がる事の出来る間柄と言うのは良いですよね
0407この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/18(木) 23:32:32.91ID:mYH85lQR
>>406
感想ありがとうございます
近過ぎず遠過ぎず、一番楽しい関係性かも知れませんねw
0408この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/19(金) 20:28:48.57ID:eYunZLwZ
>>404
>>405
感想ありがとうございます!
時系列ですとちょうどライアンと再会する前の出来事でした。
私もライアンと再会、結婚できて本当に良かったねレイチェルと書いてて思っちゃいましたエヘッ

>ですが、その選択である意味西部劇の本場であるイタリアへと渡るとはw
確かにイタリアといえばマカロニ・ウエスタンですよね。
これもレイチェルにとって運命だったのかもしれません(笑)

楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0409この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 13:16:39.43ID:2vJKlDtd
ほぼ出来てたけど、ネット見てたら
『忍者だけど、OLやってます』という小説が。既に6年前に書籍化されてる。。。
お遊びと言えどネタかぶりは禁忌なので図書館行ってきます
0410この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 14:06:10.68ID:lBEa1ioZ
ニンニン
0411この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 18:54:34.23ID:9DJ8gaMU
レイチェルシリーズの者です。
シンディシリーズ完結ということで、これまで全てのエピソードの感想をしていこうと思います。

スレ7 661【女ガンマンはただ旅を続ける】
記念すべきシンディシリーズ第一話です。
冷たいコーラを飲みたいのに熱々のコーヒーしか出してくれないバーの下りは
ストーリーに一切関わってこないのに、何故か書いてて一番印象的な部分でした(笑)

スレ7 696【大切な帽子】
今は亡き大好きな父の形見であるカウボーイハットを巡るお話。
生意気な少女との追いかけっこが書いてて楽しかったですね。
父との忘れられない楽しい思い出の数々、しかしそれは・・・

スレ7 749【ガンマンと駅長さん】
たまたま出会った元駅長の爺さんとの夢の語り合い。
夢を持つのに若いとか年老いているとかそういうのは一切関係ありません。
人生常に前向きでなくちゃ!

スレ7 786【イエローマスクド・デーモン】
巷で噂となっている凶悪殺人鬼、その正体とは一体!?
メカニックのジョンソンから授かった"ある武器"が、後にシンディを救うことになります。

スレ7 908【保安官も楽じゃない】
大金のために小さな町の保安官になることになったシンディ。
金にはがめつく、利己的なシンディですが何だかんだでお人好しなんですよねえw
それより大切な愛馬の存在を忘れちゃダメでしょ!

スレ7 945【未知の大陸から来た猛者】
後にシンディの親友で仲間になる日本から来た女サムライ・シグレの初登場です。
シグレが操るトリッキーな妖術の数々にシンディは成す術なし!
しかし、これが2人の運命の出会いだったのです。
0412この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 19:28:11.91ID:9DJ8gaMU
>>411の続き

スレ8 5【洞窟の中の冒険】
綺麗なクリスタルの洞窟内での、おっちょこちょいなレイチェルと間抜けな強盗コンビのバトルですw
シンディは意外と肝心なところでヘマしてしまうですよね。
とにかくサンセットのおかげで一件落着でした。

スレ8 74【可愛いプリンセスは危険の香り?】
卑劣な罠にハマってシンディ絶体絶命の大ピンチ!
大金に目が眩み、狂気と化した没落貴族の親子が書いてて印象的でした。

スレ8 129【伯母の陰謀】
囚われの身となったシンディの目の前に現れたのは、なんと伯母だった!
そんな彼女を救うべく?颯爽と現れたのはあの女サムライ・シグレ!
お気に入りの回の一つで、シンディとシグレのタッグバトルは本当に書いてて胸が躍りました!

スレ8 225【金物屋の美女】
金物屋のエリィと名乗る美女(本当は男)から黄金の拍車を授かるお話。
とにかく強くないと生きていけない弱肉強食の荒野の非情さ、
そして残酷さをこれまで以上に全面に出して書いた話でもあります。

スレ8 304【恐怖のカラクリ人形】
今度はシグレが絶体絶命のピンチに陥り、シンディが救う番でございます。
奇妙なカラクリ人形とのシンディの一騎打ちは書いてて本当に楽しかったですね。
とにかくシンディの無謀さには毎回ヒヤヒヤしております(笑)

スレ8 365【必殺斬法"折紙の舞"!】
シンディとシグレの一年ぶりの再会にしてバトル回です。
多彩な妖術に屈さず、とにかく力で押し切る荒野のガンマン魂炸裂ですねw
この回でシグレはシンディをライバルではなく「親友」として認め、旅の仲間になるのです。

スレ8 435【謎の祈祷師、現る】
カラクリ人形に続き、シグレの命を狙いに現れた祈祷師とのバトルです。
大切な親友に手を出す者は絶対に許さない!妖術が何よ!ここでもシンディの脳筋っぷり全開ですw

スレ8 512【シグレの思い出】
シグレはシンディが大好き。本当に大好き。しかし、それは絶望のものへと変わる・・・
0413この名無しがすごい!
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2021/02/21(日) 20:00:37.75ID:9DJ8gaMU
>>412の続き

スレ8 893【悲劇の序章】
またしても罠にハマってしまいシンディ大ピンチ!
シンディは一体どんだけお姫様してるの?って自分でも思っちゃいましたw

スレ8 919【殺人鬼の正体】
なんと殺人鬼イエローマスクド・デーモンの正体は父のバイロン!しかも生きていた!
最愛の娘も金のためにあの邪悪な伯母に引き渡そうとしていたという衝撃の真実の数々!
絶望に打ちひしがれるシンディに、シグレ!早く彼女を助けて!と思わず叫びそうになりました。

本スレ>>56【マイベストフレンド・シグレ】
バイロンの拷問によって息絶え絶えのシンディ。しかし間一髪のところでシグレ参上!
親友のために命をかけて戦うも得意の妖術がなかなか通用せず、シグレも大ピンチ!
シンディ立ち上がって!頑張って!負けないで!

本スレ>>375【立ち上がれ、シンディ!】
シンディシリーズ最終回です。旅先で出会った亡き友らの応援がシンディを蘇らせた!
憎きバイロンに勝利したものの、シンディの命は既に限界が来ていた!
シンディの生き様はシグレの心を大きく動かし、これからも力強く生きていくきっかけとなったのでした。

本スレ>>403【喪失感、だけど・・・】
レイチェル視点の番外編です。長く続いた大好きなドラマが完結を迎え、どこか喪失感を覚えるレイチェル。
そんな寂しい心の穴を埋め、癒してくれたのがライアンです。
ライアンと再会、結婚できて本当に良かったねレイチェル!


・・・ということでシンディシリーズの感想は以上です。
残虐非道な暴力に支配された弱肉強食の荒野の中を力強く生きる、さすらいの女ガンマン・シンディの雄姿、
女サムライ・シグレとの友情、そしていろんな人との出会いをとにかくいっぱい書けて本当に楽しかったです。
シンディ、シグレ、そしてみんな!ここまでついてきてくれて本当にありがとう!
0414この名無しがすごい!
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2021/02/21(日) 22:09:02.56ID:rE0zLIet
ギリギリアウトですねorz
>>395
お題:『慎重』『忍者』『闇のチョコレート』『ロマンティック』

【しのこい】(1/3)
 水森 歩は追手の追跡を躱す為、気配を殺し慎重に足を進めていた。少しでも気を抜けば、あっと言う間に捕捉されてしまうだろう。それ程の手練れである。

「何故こんな事に……」

 呟きが闇へと溶ける。だが、彼の疑問はもっともな事だった。歩自身には、彼女に追い立てられる理由など、一つも思い浮かばなかったからだ。

 −闇に潜み世に忍ぶ−

 水森 歩は忍者である。
 と、言うか、この就職難の時代、何でも良いからと面接を受けまくって合格通知を貰って入社した会社が、忍者を派遣すると言うブラックでしかない会社だった。
 当初は落ちこぼれ気味だった(当然だが)歩だったが、持ち前の根性で仕事をこなして居る内に、そこそこ使える社員として認識されるようになって居た。
 特に、直属の上司である中忍にしてくノ一でもある中森 鈴には特に気に入られたらしく、色々と可愛がってもらっていた。

 その鈴から、『今夜、屋上まで来られたし』と言う密書を貰った歩は、(何だろう)と訝しみつつも夜の屋上に出向いたのだった。

 だが、そこに居たのは完全武装の忍び装束姿の鈴だった。
 ひりつく様な殺気と憤怒に彩られた瞳の上司。煌煌とした月明かりに照らされたその立ち姿は、這い寄る“死”そのものであった。
 その場で『逃げ』を選択した歩を誰が責められよう。

 あれ程の殺気を振りまいて居たのである。歩の方には思い当たる節など無くとも、余程の事をやらかしてしまったのだろう。
 謝るにしても何にしても、“今”を生き残れねば歩に明日は無い。その場は逃げの一手を打つ以外の道は無かった。

 息を殺し、気配を探り、慎重に慎重をかさねながら階下へと急ぐ。忍者を擁する会社だけあって、この社屋には出入口は二つしかない。正面玄関と屋上である。
 その内、屋上は既に鈴に押さえられている事を考えれば、逃げる先は正面玄関だけしかないだろう。だが、そんな事は鈴も承知だ。
 なので、その裏をかいて屋上に戻ると見せかけて、さらにその裏。正面玄関へと、そこかしこに屋上へ行くと見せかける跡を残しつつ、進んでいるのである。
 だが、相手は腕利きの上司だ。そんな歩の小細工など見破って、正面玄関へと既に来ているかもしれない。
 だとしても、ここから屋上へと戻るのも悪手だろう。
 そう覚悟を決めて、正面玄関の様子を歩は窺った。

「誰も居ない?」

 陽動が上手く行ったのだろうか? 首を傾げつつも、最高のチャンスではあった。
 一気にロビーへと躍り出た歩は、一目散で玄関を突破した。

「!!」

 社屋の外へと出た、その刹那。頭上より迫るプレッシャーに、思わず見上げた歩は絶句した。

「嘘……だろ……?」
0415この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 22:10:17.10ID:rE0zLIet
【しのこい】(2/3)


 社屋の壁面を走る鈴の姿を見たからだ。
 歩の施した偽装工作など「知った事か」と言う様に、加速度的な勢いで鈴が迫る。
 慌てて逃げようと走り出した歩だったが、しかし一歩遅かった。鈴が既に回り込んでいたからだ。

 歯を食いしばる歩。覚悟を決め、懐に忍ばせた手裏剣を投げようと……

「!!」

 手を押さえられ、そのまま関節を極められ後ろに回られると、捻り上げられた。

 ******

 再び屋上へと連れ戻された歩は、鈴と対峙していた。

「何か、オレ、何かしちゃいましたか? 何でこんな事を!!」

 そう叫ぶ歩だったが、鈴は無言で懐からタッパーを取り出すと、クナイでその中の物を刺し、それを突き付けた。

 ドロリとした黒い液体の絡まった何か。

「これは?」
「チョコだ」
「?」

 何かの隠語だろうか? 歩はそう思った。確か何かの樹脂麻薬の隠語がチョコだったはずだ。だが、あの殺気から考えれば、別の物の様な気もした。

「毒?」
「!! ……チョコレートだ!!」

 苛立った様な鈴の声。だが、ただのチョコレートだろうか? 現状を考えれば“ソレ”は無いだろう。

「闇の?」
「た・だ・のチョコレートだ!!」

 怒り心頭でグイグイと口元にソレを押し付ける鈴。もみ合う内に、そのチョコレートが歩の口の中に押し込まれた。
0416この名無しがすごい!
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2021/02/21(日) 22:11:03.06ID:rE0zLIet
【しのこい】(3/3)


「!!」

 思わず吐き出そうとした歩だったが、しかし強引に口を押えられ飲み込まされる。

「!! っ! ! ……あれ?」

 飲み込んでも何ともない様子に、歩が首を傾げる。

「え? 本当に、普通のチョコレート?」
「あ、当たり前だろうがぁ!!」

 ******

 落ち着いた歩が鈴がら聞いた所によると、彼女はバレンタインのチョコレートのつもりだったらしい。殺気立っていたのは緊張のせいであり、忍び装束だったのは、それが所謂“勝負服”だったからで、別に彼を害そうと思っていた訳では無かったらしい。
 少しばかり完成のズレた上司に、思わず苦笑が漏れる。
 それでも、歩には疑問があった。

「でも、何で夜の屋上に?」

 その言葉に鈴の視線が泳ぐが、意を決したらしく口を開いた。

「月夜の屋上とか、その……」
「その?」
「ロ……」
「ロ?」
「ロマンティックではないか……」

 物騒この上ない上司の乙女な一面に、歩は脱力するのであった。
0417三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/21(日) 22:14:32.93ID:lBEa1ioZ
お題→『慎重』『忍者』『闇のチョコレート』『ロマンティック』締切

【参加作品一覧】
>>403【喪失感、だけど・・・】
>>414【しのこい】
0418三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/21(日) 22:16:04.19ID:lBEa1ioZ
では、今回も通常お題『4つ』です

お題安価>>419-422
0419この名無しがすごい!
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2021/02/21(日) 22:33:18.57ID:vDjDU1FY
雪解け
0421この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 23:33:25.46ID:Twh+g9pD
ブレイド
0423三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/21(日) 23:44:31.74ID:lBEa1ioZ
☆お題→『雪解け』『エックス』『ブレイド』『奇乳』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→2/28の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0424三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/21(日) 23:46:19.05ID:lBEa1ioZ
お題、作品、感想など、今週もありがとー

『忍者』はスレ3以来、3年近く前ですが、懐かしのお題でした
まぁその頃三代目進行はいなかったんですがw

他のは記憶にないけど、、当時と今とでは隔世の感が・・・
0425この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/21(日) 23:47:35.89ID:lBEa1ioZ
>>411
1作目のそれとw、駅長さんは特に印象に残ってるー
日付を確認したら、1作目が約1年前だった・・・
改めまして完結乙でした

>>414
お題から割と素直に組み立てた感じですが、屋上から壁面w
そら敵わん
『闇の』、、そう来たか・・・
人騒がせなくノ一でしたw
0426この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/22(月) 15:55:55.27ID:oJDCDFWG
レイチェルシリーズの者です。
スレ6でスタートし、スレ7で完結を果たした魔法少女ナツミシリーズの感想をしていこうと思います。

スレ6 277【小さくなった魔法少女の冒険】
魔法少女ナツミシリーズの記念すべき第一話です。この時、特にシリーズ化する予定はなく
一話完結のつもりだったため、主人公の名前は決めていませんでした。
とにかくブーツをぞんざいに扱われるのが書いてて面白かったですね。ナツミドンマイ!

スレ7 353【恐怖の炭酸怪人】
ここから本格的にシリーズとしてスタートかつ、主人公の名前がナツミと決定しました。
ポイ捨てダメ!絶対にダメ!

スレ7 382【脅威の冷気!アイスクリームガール!】
自称持ちネタである履き物ネタ全開のお話です。
この時点ではナツミはまだまだ未熟でした。もっと冷静になって戦わなきゃ!(笑)

スレ7 755【売人を懲らしめろ!】
悪いモンスターがたくさん出てくるシリーズですが、
この回の奴は覚醒剤を売りさばくという1、2を争うくらいの極悪ぶりです。
ボスとの戦いより、途中のバナナの皮地獄に悪戦苦闘するナツミを書くのが楽しかったです。
かなりお気に入りの回です。

スレ7 793【最悪最強!?猛攻のスロットモンスター】
大好きなおでんを食べられなくて、ナツミまさかの闇堕ちか・・・と思いきやそうでもなかった回ですw
クラスメートのおかげでモンスターを倒すというこれまでにありそうでなかった展開でした。
ナツミ、おでんを買った時はいつも以上に慎重にいこうねw

スレ7 823【魔法少女、銀河に行く!?】
まさかの広大な銀河の世界に飛び出してしまったナツミのお話。
モンスターよ、まさか宇宙そのものも支配しようと計画していたとはなんと恐ろしや(笑)
よーく読んでいれば分かると思いますが、あのレイチェルとライアンがチラッと友情出演?しております。

スレ7 888【魔法少女、最後の闘い】
魔法少女ナツミシリーズ最終話です。モンスター達もとにかく本気で襲い掛かってきます。
これまで以上に手に汗握る?白熱?のバトル回でございますw
そして最後はナツミと彼女に魔法少女になれるペンダントを託した妖精の別れ。
ナツミの熱心さ、そしてポジティブさがモンスターの魔の手から無事に世界を救ったのでした。


・・・ということで魔法少女ナツミシリーズの感想は以上です。
ナツミと次から次へと出てくるユニークなモンスターとの戦いを書くのが本当に楽しかった、この一言に尽きますね。
人生何が起きようと挫けずに下を向かず、前を向いて一歩一歩進もう!ナツミはそう教えてくれたのだと私は思っています。
ナツミ、悪役のモンスター達、みんなここまで大盛り上がりさせてくれて本当にありがとう!
0427この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/22(月) 16:55:39.88ID:oJDCDFWG
さあ、この勢いでドンドン過去作の感想もしていこうと思います!

スレ8 135【私のせっかちは治らない、でもそれでいい】
スレ5の880【せっかちなんて百害あって一利なし】の続編にして完結編です。
せっかちな主人公とひょうきんな男子のラブコメディですねw
とにかくせっかちは治した方が身のためだよ、ホノカ!

スレ8 163【女騎士と謎の剣士】
かなり久々に書いたオリジナル回で、私にとってかなり傑作の一つです。
恋を知らずに生きてきた主人公の女騎士シャロンと、たまたま出会ったイケメン剣士シェインの壮大なラブコメディ。
でもよくよく読み返してみたら、本当の主人公はフクロウの少年クルックじゃ?って思っちゃいましたw

スレ8 169【私のニーソに憑依する悪魔】
スレ6の417【登校中の悲劇】の続編にして完結編です。
かつて大事にされていたのにちょっとした綻びで捨てられ、闇堕ちしたニーソを救う心優しい女子高生の物語です。
無機物であっても心や意志はあるんだから大切に扱おう、というのを伝えたかった話でした。

スレ8 409【私の可愛い救世主】
スレ5の251【ブーツ探し】の続編にして完結編です。
かつて探偵と名乗って自分を救ってくれた少年とのまさかの再会、しかも正体はエルフでした。
一人の女性とエルフの少年がまたいつか、どこかで会えたら一緒に幸せに楽しく暮らせることを心から願っております。

スレ8 680【さよなら私の青春】
スレ5の138【ルーズってのもいいじゃない】の続編にして完結編です。
高校の時からずっと愛用していたルーズソックスとの別れ、でも最後は・・・。

本スレ>>83【大画面からこっそりと】
久々のオリジナル回ですが、ジャンルがコメディーなのにあんまりコメディー感が無かった(涙)
窮屈なゲームの世界から飛び出して現実世界に飛び出すのも良い選択だと思います。
まあ、プレイヤーは困惑しまくりますがww

本スレ>>126【俺の進む道】
面白いネタがなかなか思い浮かばないながらも、なんとか頑張って書いた回です。
ミントティーによってまた新たな人生を切り開けた主人公のこれからに期待したいですね。

本スレ>>237【履き慣れないブーツは災いの元?】
アンラッキーガール三部作の第一話目です。
お気に入りのブーツを履いての人生初デートというのに受難の連続でもう散々(笑)
だからといって途中で投げ出したりせずに約束の場所に向かった主人公は偉かった。

本スレ>>269【母手編みのニーソ】
アンラッキーガール三部作の第二話目です。
せっかく母が作ってくれた特製ニーソがこれまた無残なことに・・・(泣)
そんなアクシデントに見舞われながらも笑い飛ばせれる主人公の強靭メンタルに拍手を送りたいですね。

本スレ>>385【ラッキーとかアンラッキーとか、そんなのどうだっていい!!】
アンラッキーガール三部作の最終話です。
たとえ自分がアンラッキーだとしても、他人がラッキーであればそれに越したことはないのです。
散々な目に遭おうとポジティブに行こうと強く決意できる主人公、これからも負けずに頑張ってね!


・・・以上、これまで書いた完結を迎えた全ての短編の感想でした。
ほとんどが過去スレで書いた一話完結のまさかの続編かつ完結編でしたね(笑)
もうとにかく履き物ネタのオンパレードですね、でもそれを書くのがすごく楽しいんですウフフ。
主人公だとかチョイ役だとかそんなの関係なく、お話を盛り上げてくれたキャラのみんな!本当にどうもありがとう!
0428この名無しがすごい!
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2021/02/22(月) 20:54:42.10ID:lfkgPv/f
>>425
感想有難うございます
当初は密書の謎を解き明かすお話にしようと考えていたのですが
どうにも纏まらず、こんな話に成りました
0430この名無しがすごい!
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2021/02/27(土) 10:15:46.81ID:OgUmGX60
もう過疎化ヤバすぎでしょこれ
0431三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/27(土) 12:33:17.28ID:GN9ww8RU
過疎に打つ手なしなんですけど、こうして見に来る人がいる限りは続くでしょうね

退屈なら、過去作を読み返すのもいいー
0432うーた ◆vQ0KHrfdEY
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2021/02/27(土) 12:47:52.38ID:xc/asDkd
なるほどここが噂のスレッドなのですね
今はやってないのかな? ……ってあ、これ>>423か、面白そう!
0433三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/27(土) 14:17:41.45ID:GN9ww8RU
いらっしゃいですw

ご覧の通りの過疎ではありますが、楽しんでいってくださいー
0434うーた ◆vQ0KHrfdEY
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2021/02/27(土) 21:08:34.29ID:xc/asDkd
『新しく買ったバイクで』

 かまきりが身体を揺する音がした。

 勿論、それは幻聴である。ようやく夏がはじまり、ようやく雪解けがそこかしこに見えるようになったこの季節に、蠢く虫の姿は未だ何処にもない。
 私は中古で買った愛車ホンダSL230のメンテナンスをしながら、その日も彼女の訪問を待ち侘びていた。隣の家の壁にくっついたかまきりの卵はずっとそのままで、3年前の同じ頃にも確か同じ姿を見た。

〈ゆうじさん!〉
 元気な声が後ろから私の名前を呼んだ。男の声だったので、私は無視した。
 すると何度も何度も彼は私の名前を呼び続け、終いには〈エックス!〉と変なくしゃみをした。こんな住宅地の、しかも表では決してしてはいけないような、卑猥な言葉に聞こえるくしゃみだった。

「風邪か? アキト」
 私は振り返り、どうせいつものように下らない儲け話を持って来たのであろう後輩にようやく言葉を返した。
 しかし振り返るとそこには誰もおらず、ただ夏の陽射しにようやく薄くなりはじめた積雪の表層が、足跡ひとつもなく、白紙のように広がっているだけだった。


 次の日も愛車のメンテナンスをした。1日中、外にいた。早く雪がすべて溶けてくれなければこいつに乗ることが出来ない。こんな時期にバイクなんて買ってしまった自分はバカだとしみじみ思うが、必要なのだ。彼女がやって来た時のために。
 私はその日もかまきりの音を聞いた。しかしやはり真っ白な雪の世界に動くものは何もなく、彼女のやって来る気配もなかった。

 彼女はトヨタブレイドマスターという古い自動車に乗っている。コンパクトな車体ながら280馬力のパワーを内に秘め、秘めたまま、大して速くはないという変わり者の車だ。内装は豪華でフワフワなベージュ色のクッションで固められており、そのためか峠道を走ると車内の色んなものがひっくり返る。言わば強大なパワーを内に秘めた、走るリビングルームだ。しかもせいぜい寛げるのは二人だけという狭さだ。奇乳を持つ彼女にはとても似合っている車だと思えた。

 しかしこうも雪が積もっていては車で来るのは無理だろう。
 町のほうは知らないが、少なくとも住宅地を走行する自動車の音はまったく、ない。
 雪が溶けたら彼女はあのブレイドマスターでやって来るのだろうか。
 やって来られない時のことを想定して購入したこのバイクが無駄になればいいのに。
〈ゆうじさん!〉
 今日も私の声を呼ぶ後輩の元気な声がした。
 振り返るとやはりそこはただの雪原だった。
 かまきりが身体を揺する音がした。
0435うーた ◆vQ0KHrfdEY
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2021/02/27(土) 21:09:21.08ID:xc/asDkd
 夜になるたび私は家の中に入り、家の中ではひたすら布団に潜り込んだ。
 ひたすらに彼女の夢を見た。
 彼女は栗色の柔らかい長い髪を解き、私に見せつけるように揺らすと、食欲を秘めるような唇を吊り上げて、微笑んだ。
 それから白いブラウスを自分で脱ぎ、ゆっくりと屋根の雪を落とすように滑らせ、下着を床に落とした。
 胸に当てている腕は外さない。私に外させようとしているのだ。
 私は罠にかかるように手を伸ばし、彼女の腕を掴む。
 彼女は熱い吐息をなるべくすべて吐き出せるように口を大きく開き、象牙色の歯を剥いた。すべての歯が尖っていた。
 私は我を忘れて力任せに、男の暴力的な力で、彼女の腕をそこから退けさせた。彼女の2つの胸は縮かまっていた。それは鋸(のこぎり)のようにギザギザのついた鎌だった。それが伸び、私の首を挟み込んだ。



 目覚めると表は今日はどんよりと曇っており、カーテンの向こうに明るい希望は感じられず、私はなかなか布団から出る気になれなかったのだが、こんな日にこそ彼女は来るかもしれないと期待を揺り起こし、バイクのキックスターターを踏むような勢いを足に込めさせて、なんとか起き上がると、窓のカーテンを開けた。
 雪がすべて、なくなっていた。
 雪原だった住宅地はすべての底を露呈し、夏の陽射しを受けて灰色の地面から蒸気が一面にシュウシュウと立ち昇っていた。
 人影はやはりまったくなく、彼女がやって来る気配もなかったが、これでようやく迎えに行ける、と私は表へ駆け出した。

 雪で蒸された地面はアスファルトが岩のようにひっくり返っていて、自動車ではとても走れない状態だった。私はやはりこいつを買っておいて正解だったとオフロードバイクに跨がり、エンジンを始動させた。
〈ゆうじさん!〉
 後輩の声が聞こえたが幻聴だろうと放っておいた。私は馬を駆け出させるように前輪を高く上げると、どうなっているか予想もつかない町のほうをめざして走り出した。
〈行っちゃいけない!〉
 また幻聴が聞こえたが、私はとっくに彼女の罠に嵌まっていた。
0436うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/02/27(土) 21:10:33.47ID:xc/asDkd
新参者なのでルールよくわかりません(*´・ω・)
書いたので投稿したけど、よかったのでしょうか……?(^^;
0437三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/28(日) 01:00:24.98ID:LR+mV20N
>>434
あっ、早い、、今日(昨日)中に上げてくるだろうなとは思ってましたけど、案にたがわず
ルールは、>>1>>423に書いてあることがすべてですね

向こうと違ってあまり熱心に批評し合う雰囲気ではないので、軽くですがー

『エックス』だけ強引で、文章は書き捨てっぽいですけど、個人的にはとても面白く感じたw
作者様の『一体現実を〜』とか、先日晒した自作>>383よりも面白い、と言うか、見所が分かりやすく詰まっていて読みやすいし楽しい
後輩はどうなったのか、町のほうには何があるのか、うま過ぎる気がして、そこだけ個人的な好みから外れる
地面の状態のとんでもなさが、世界観も、主人公の期待感をも、象徴するようです
0438うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/02/28(日) 06:52:25.67ID:qIZDl/oK
>>437
感想ありがとうございます!
やっぱりpvとかブクマとかより感想が一番嬉しい!。・゜・(ノД`)・゜・。

タイトルは【】で括って、見逃されないようアンカーを付けるべきだったのですね……。以後、気をつけます(。*・д・。)ノ
0439三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/28(日) 12:43:21.07ID:LR+mV20N
ここだとPVが見えないので、感想が書かれないと反応がほぼゼロというw

その分、執筆に集中できる環境ではありますが・・・
0440うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/02/28(日) 12:57:54.69ID:qIZDl/oK
>>439
マターリしていてとても良いスレだと思います(*´∇`)ノ
皆様、以後よろしくです!

他の人のも読みたいんだけど、マダー?(・ェ・`U)
0441この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/28(日) 21:56:31.00ID:LR+mV20N
>>423

使用お題→『雪解け』『エックス』『ブレイド』『奇乳』

【駄目なネタ作文でお茶を濁す方法】(1/2)

 私がその場所を通り掛かると、かたくり粉の雪原と化した空虚な世界の中心で、私の竹馬の友が一人、何事か叫んでいた。
「エーックス! エーックス!」
「おーい、変質者。公共の場だぞ。欲求不満か? あたしが相手してやろうか」
「エーックス!! 筆者は居直った! 必ず、かの難攻不落のお題を……なんだ? 誰がどうしたって?」
 自分の世界に入り込んでいたのだろう、そいつは、きょとんとした顔で、こちらを振り向いた。
 その間抜け面に向かって、私は問題点を指摘する。
「いや、さっきから『○ックス』『○ックス』って……」
「うるさい! 悪意のある伏せ字はやめろ!」
「いやうるさいのはお前だよ」
 昔からおかしなやつだとは思っていたが、とうとう本当に気が触れてしまったのだろうか。暖かくなると不審者が出没するとは聞くものの、春にはまだ少し早いのだが。
 私のいかがわしい友人は、しかし反省する様子もなく、大きな声で言葉を継ぐ。
「大体それはネタかぶりだからな! そんな分かりやすい方法で、お題を消化するわけがないだろう!」
 必死の形相で言い放った。しかし。
 私は指摘を続ける。
「そもそもだ、変質者。『竹馬の友』はともかく『友人』がどうこう、このシチュエーション自体がネタかぶりなのだが。気付いているのか」
「知らん! かぶりだろうがパクリだろうが、そもそも書けなければ話にならん!!」
 こういうやつだった。ちなみに、この手口による犯行は三度目で、前回は前スレの最初の方だ。
「お題が四つもあるんだ。五つだったのが、過疎で四つに減ったんだ」
 友人は、声のトーンをやや落として、そう言った。
「それは書きやすくなって良かったんじゃないか。一つ以上使うのが決まりとは言え、五つなら五つ、全部使いたくなるのが人情だからな」
 私は、あからさまな気休めを口にした。
 無意味であることは分かっていたが、どうやらそれは、思った通り、逆効果だった。
「良くない! 煮詰まってるんだ! エックスなんだ! それと『ブレイド』、最後は『奇乳』だ! どうしろって言うんだ!!」
「やはり欲求不満か」
「知らん! エーックス!」
「水木し○るか」
「ワーイ! 違う! エヌ氏でもない! 水木○郎だ! 分かってボケてるだろ!」
「ああー。やっぱりそういう……」
 友人は、足を開いて背筋を伸ばし、白い地面を踏み締めた。
「ゼーット! ゼェーット!!」
「ゼーット!」
「ゼェーット!!」
 二人の異常者の絶叫が、見渡す限りの雪の世界へと吸い込まれていった。
 私たちは無数のゼットを寒空に飛ばした。それで私たちは少しだけ温かくなった。
 友人と、私は、お題をすっかり消化すると、そこそこ満足して、二人仲良く家路に就いたのだった。
0442この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/28(日) 21:57:03.75ID:LR+mV20N
【駄目なネタ作文でお茶を濁す方法】(2/2)

「いやちょっと待て! ここまで書いて力尽きるんじゃない! 『エックス』以外がおざなりだろ! 『雪解け』もまだだろう!!」
 私はもうめんどくさくなって、一レスで終了してもいいんじゃないかと思ったのだが、頭のおかしな友人は、どうやらそれでは満足できないらしかった。
「はー、めんどくさ。帰ってお風呂に入りたい……」
 そんな私のつぶやきもむなしく、友人は、次のお題の検討に取り掛かった。
「『ブレイド』だ。なんだブレイドって」
「色々あるんじゃないの」
 私は投げやりになって、もう適当でいいだろうと思って、そう言った。
 だが友人の方は、深刻な表情で、重々しい態度で、次のように応じた。
「ない。色々はない。横スクロールパズルアクションゲームしか思い浮かばない」
「三つ編みってか……」
「そそ。……リ○ーナ様〜」
「なんなの、この人……」
 もはや『ブレイド』関係ないぞ……。
「ア○ナたん〜」
「さっき検索したら、過去には『アス○タン』っていう名前の馬が登録されていたらしいぞ」
「ブレ○ドライガー?」
「もうそれでいいんじゃないの……」
 私は、竹馬の友が猛獣の餌になる光景を想像した。
「『奇乳』!」
「えーっと、生後何日後の……」
「『対○忍』しか思い浮かばない」
「何それ」
「正直よく分からない。何がいいのか全然分からんし、>>434みたいに頭を柔らかくする、そのための気力も尽きてきた……」
 それはそれで、よく考えると、お題のためにイメージをねじ曲げさせられたような、ちょっと強引だったような、そんなことを私は思った。

 締め切りの足音が聞こえてきた。
 もう限界だろうと私は思った。
「エーッックス!!」
 私のおかしな友人は、今日一番の大きな声を上げて、足跡一つない雪の中へ、大きくジャンプして飛び込んだ。

 大の字ならぬエックスの字が雪原に残された。
 それは雪解けまで残り続けた、などということはなく、翌日には、白とか灰色とか銀色なんかと混ざってしまい、なんだかよく分からなくなった。


おしまい
0443この名無しがすごい!
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2021/02/28(日) 21:58:51.67ID:LR+mV20N
新しい作者様が来てくれても、身内ネタ作者ネタ全然関係ないネタを振る駄目な人・・・
0444この名無しがすごい!
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2021/02/28(日) 22:04:47.56ID:KRKyfcKO
>>423
お題:『雪解け』『エックス』『ブレイド』『奇乳』

【ナンバーズ】(1/3)
「トウヤ兄ちゃん! これ?」
「ん、フキノトウだな」

 寒も緩み、せせらぎを取り戻した小川の辺で蹲る、幼さの見て取れる少女、クロナの手元を見ながら、十代半ばに見える少年、トウヤは無表情に頷いた。
 雪深い山奥では、未だにそれなりの積雪はあるが、それでも、ほんの一週間前よりも随分とその嵩を減らしている。

(雪解けも近いな)

 晴れ間の多くなった眩い空を見上げながら、トウヤはそんな風に思った。
 事実、こうして少し足を延ばすだけで、春の恵みとも言うべき野草がそこかしこに見受けられる。

 “ホーム”にも、それなりの備蓄は残ってはいるが、しかしそれも有限である事には変わりない。外から食料を調達できるのであれば、それに越した事は無いだろう。

 ピクリ……とトウヤが肩越しに背中を振り返る。

「? トウヤ兄ちゃん?」

 先程までと様子の違うトウヤに、クロナが不思議そうに顔を傾げると、彼は『静かに』と言うかの様に人差し指を口の前で立てた。
 グルルと、喉を鳴らす様な声が聞こえたかと思うと、トウヤのその視線の先で、“黒”がムクリと持ち上がる。

 それは熊だった。それも冬眠明けの腹を空かしているであろうそれだ。

 熊を目にしたクロナの顔が強ばる。だが、トウヤはクロナをかばう様に立ち塞がると、溜息を一つ吐いた。

「早すぎる目覚めだな。さて、運が良いのか悪いのか……」

 腹を空かせているであろう熊は、どうやら二人を餌に認定した様で、ギラギラとした瞳で見降ろしながら威圧する様に二人の方に歩みを進める。
 獣臭い息が、周囲に漂う。全長3mは超すであろう巨体にクロナが顔を青褪めさせた。
 その様子にトウヤが顔を顰めるとギリリと奥歯を鳴らす。

「人の妹を、怯えさせてんじゃねぇぞ!! この畜生がぁ!!」

 そう叫ぶと、トウヤは熊へと踊りかかった。
0445この名無しがすごい!
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2021/02/28(日) 22:05:59.59ID:KRKyfcKO
【ナンバーズ】(2/3)


 ******

 岩肌の目立つ山の斜面に、その建物はまるで隠されるかの様にひっそりと建っていた。周囲こそ多少の平らな地面があるが、それ以外は不自然な程に針葉樹で囲まれ、あたかもその存在を隠しているかのようだった。
 近くに道の様な物は認められず、もし、その建物を第三者がみれは、古びた病院を思い起こさせたかもしれないだろう。
 しかし、周りと隔絶したかの様なその建物だったが、その内部からは、人の気配がこれでもかと響いていた。

「うおおぉい!! 何だこれ? 何だこれ? 病気か? 病気なのかぁ!?」
「うっさいなぁ、クウヤ兄、どうしたん?」
「ナナシ!! だって、これ見てくれよ! これ!!」

 クウヤの指さす先には、まだ生まれたばかりの様な赤ん坊が寝ており、しかし、その乳首からは母乳が染み出していた。
 ナナシは、しばらくその赤ん坊を観察していたが、やがて溜息を吐くと苦笑をする。

「『奇乳』っちゅうらしいで? 生まれたばかりの赤ん坊に、稀にある現象やって」
「び、病気とかじゃないのか?」

 恐るおそるそう訊ねる兄に、ナナシがクックと笑いながら言う。

「普通の生理現象や。ウチの【アカシックレコード】がそう言っとるわ」

 【アカシックレコード】……ナナシの能力名である。彼女は、集団無意識に働きかける事で、“人知の及ぶ限り”の情報を手にする事の出来る能力者であった。

「そ、そうか、お前の【アカシックレコード】がそう言うんなら、間違いないか……」

 クウヤがホッと息を吐く。それを見たナナシがクスクスと笑った。

「何だよ」
「イヤ、“ホーム”随一の腕っ扱き、【オーガ】兄さんも、赤ん坊には歯が立たんねんな」

 そしてクウヤも同じく能力者であった。【オーガ】は特殊なホルモンを分泌する事で、その身体能力を最高16倍にも引き上げる事のできる能力であり、その力を使って、彼は世界中の戦場を渡り歩いていたのである。

 ナナシのコロコロとした笑みを見て、クウヤは不機嫌そうに顔を顰めた。

「仕方ねぇだろ! こんなふにゃふにゃで脆そうなもん、扱った事なんざねぇんだからよぉ!!」
「そやね、でもまぁ、その子もウチラの弟なんやさかい、大事にせんとな」
「わぁってるよ……」

 そう言って、クウヤが少し前に生まれたばかりの“弟”に視線をやった。
 未だ何も出来ぬ赤ん坊であるが、しかし彼も、しばらくすれば、その能力を発現させる事であろう。

「で? コイツの“名前”は決まったのかよ」
「ん〜。開発No. XHO-1010やから、『イオイオ』にするか『イオト』にするか……」
「……せめて『イオイオ』は止めてやれ」

 鋼鉄製の扉を開き、トウヤがナナシに声をかけた。
 「ああ、おかえり」と、ナナシが返す。

「おぉう、どうだった?」

 クウヤがそう声を掛けると、トウヤが「ああ、それなんだが」と、気拙そうに頭を掻いた。
0446この名無しがすごい!
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2021/02/28(日) 22:06:59.14ID:KRKyfcKO
【ナンバーズ】(3/3)



 ******

 かつて、一つの研究プロジェクトがあった。人を超えた人を作り出す為のその計画は、倫理的理由から秘匿され、外部に漏れる事は無かった。
 その計画は順調に進み、ある程度の成果が出始めた時、しかし突如として計画はとん挫し、打ち捨てられる事と為る。
 それは、その実験結果である【エックスナンバーズ】の暴走であったとも、組織上部陣との秘密取引の為であるとも伝えられているが、しかし、その理由は杳として分からなかった。

 ******

「うおうぃ! せめて解体してからにしろよ!!」
「……クウヤなら、そのまま持って帰れるかと思ったんだがな」
「いや、食うところ以外、いらねえだろうがぁ!!」
「チッ」

 トウヤは舌打ちをすると、手からブレイドを生やす。

「うおうぃ!! もっと丁寧に解体しろやぁ!!」

 以外に細かい兄の指示に、トウヤはもう一つ舌打ちをした。

「仲良しだねぇ、お兄ちゃんたち」
「そうやね」

 言い争いながらも熊の解体をする男性陣を、女性陣は苦笑しながら見守るのだった。
0447三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/28(日) 22:11:09.62ID:LR+mV20N
お題→『雪解け』『エックス』『ブレイド』『奇乳』締切

【参加作品一覧】
>>434【新しく買ったバイクで】
>>441【駄目なネタ作文でお茶を濁す方法】
>>444【ナンバーズ】
0448三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/02/28(日) 22:13:26.48ID:LR+mV20N
ではでは、微妙に人口が増えても、通常お題4つでお願いしますー

お題安価>>449-452
0449この名無しがすごい!
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2021/02/28(日) 22:15:33.38ID:O4wPDT0N
ココア
0452この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/28(日) 22:56:04.59ID:4K6h5OH8
那由他
0453三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/28(日) 23:00:33.72ID:LR+mV20N
☆お題→『ココア』『たんこぶ』『ネズミ』『那由他』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→3/7の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0454三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/02/28(日) 23:03:06.04ID:LR+mV20N
もう3月ですね・・・時のたつのが早い・・・
今週も、お題、作品、感想など、ありがとうございますー

こんな感じで、締め切りと同時に駆け込むのが恒例の、駄目なスレですw>うーた老師
稼働してる作者は、ベテラン氏>>444、レイチェルの作者様>>403、それと三代目進行
読者は、いるんだかいないんだか分からない・・・
0455うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/02/28(日) 23:03:06.82ID:AAkZZufP
>>441
あっ。エックスをパクられた! なんて言うのは野暮たん、こういうエックスとアーケードゲームのランキングに入力するSEXはみんなの共有財産ですもんね(o´▽`o)ノ
そして最後の雪にはまりこんだエックスはオリジナルの大技だ。
面白くてスラスラ読んだけど、伏せ字のところがわからないところが結構あり……己の修行の必要性を感じました( ノД`)…
0456うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/02/28(日) 23:03:33.59ID:AAkZZufP
>>444
これも面白い。素朴な田舎の話だと思ったら特殊な人達の話だったとか、名前から数字をイメージさせる仕掛けとか。
でもこの短さに押し込むのは勿体ないな。マンガの単行本だったら最低でも10冊は欲しい(゚ー゚*)
0457この名無しがすごい!
垢版 |
2021/02/28(日) 23:43:33.69ID:LR+mV20N
>>444
まるで狙ったかのようなレス番w
今回は、なんか思い付いちゃったけど書き切れなかった感じがする
熊さん・・・サバイバル的な話、、ではなく漫画的な話で、しかし最後は結局、熊の処理をしてるというw
クロナと赤ん坊だけ能力不明で、他はキャラも立ってて読みやすくなってますね

>>455
感想ありがとうございます!
もう全部共有財産だと思って書いてます^^;
伏せ字は浅いネタばっかりで、、と思ってましたが、知らないと調べにくいのもあるなぁ・・・
0458この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/01(月) 17:04:48.86ID:ImRhjmCP
>>434
なんだか車マニアは夢中になれそうなお話ですね。
あとメスのカマキリってやっぱ怖い・・・

>>441
どうにかしてお題全てを使おうとする心意気とポジティブっぷりが読んでて爽快でした。
色々なゲームのネタ?が所々盛り込まれていて、後で調べてみようかな!

>>444
キャラの名前に統一感を持たせるのは、読者を惹きつける良い手法だと思います。
あと自分ならXHO-1010の名前は『トト』にしますねw
0459この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/01(月) 21:56:21.03ID:NVES6E4A
>>434
少し不思議な後読感ですね
聞こえているのは幻聴なのか呼びかけなのか?
主人公は何処に行こうとしているのでしょうね

>>441
大丈夫です。最初はお題1つでしたw
勢いは大切ですね。ともあれ、書いて晒す事が大切なのだと思います
0460この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/01(月) 22:10:34.70ID:NVES6E4A
>>456
感想、有り難うございます
思い付いたのが『赤ん坊相手に右往左往する特殊能力者』と言うところから始まっています
詰め込み過ぎは自分の悪癖なのでご容赦を

>>457
感想有難うございます
設定を膨らませるだけ膨らまして居ます
具体的に言うと、書き始める前には30人程の設定がw

>>458
感想をいただき、有難うございます
トトと言う名前なら、能力は【ジーニアス】とかに成りそうですね
(トト神>エジプトの智恵の神)
0461三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/02(火) 00:44:28.53ID:5qGC5CJG
>>458
感想ありがとうございます!
書いてる本人は必死ですw
アニメゲームその他、思い付くまま・・・

>>459
感想ありがとうございます、最初はwそうでしたねw、いやそうは言ってもですが><
(※三代目進行が流れ着いた時には、既にお題5つの形が出来上がっていた)
なんでも書いて晒すのは、それは確かに大切かもです
毎回とまでは行かなくても、出来るだけ参加し続けたいなぁ・・・
0462うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/02(火) 01:39:30.75ID:5DaTsmOf
>>453
☆お題→『ココア』『たんこぶ』『ネズミ』『那由他』

【台湾でマンホールに落ちて異世界に転生してチート能力で最強になって英雄もハーレムも全然夢じゃないけど絶対に現世に帰りたいこの気持ちが神なんぞにわかってたまるか】

「……はっ? ここあ?」

 気がついて起き上がると、頭に大きなたんこぶが出来ていた。灰色の石で固められた地面をネズミが横切った。

「ここあ……どこら?」

 那由多が立ち上がると、天井は遥か高いところにあった。何やらゴシック調の装飾が施されている。固く冷たいところに倒れていた身体が麻痺したように痺れている。

「なぜ……ろれつが回ららいろら?」

 人の気配はなかったが、表でカラスがぎゃあぎゃあ騒いでいるのが遠くに聞こえる。那由多は記憶を探ってみる。何も思い出せないほうがどれだけ幸せだっただろう。

 穴に落ちたのだった。夜、機嫌のよかった帰り道、月の美しさに見とれていた。その日も雅雰(ヤーフェン)に会いに行って、彼女の弾き語りをファンの中に混じって聴いて来た。
 心の歌だった。彼女の、大切な人への想いを、家族や、友達や、那由多への、いつでも会いたいという気持ちを形に変えて、ジャスミンの香りのするその口から奏でる声に誰もがうっとりとなっていた。
 彼女はいつでも人に囲まれている。台湾人がほとんどで、中国語の不自由な那由多はそこに入って行けなかった。日本人の客もちらほらとはいるので日本語のMCも彼女はたまに交えたが、そのカタコトがとても可愛いと好評だった。
 みんな知らないのだ。緊張でカタコトになっているだけなのだ。二人きりになると本当に台湾人なのかと疑うほどの日本語で彼女は笑う。那由多だけが知っていた。

 その夜は二人きりになることが叶わず、那由多は1人で夜道を歩いていた。とはいえ彼女の歌を聴いた帰り道はいつも気分がいい。ホテルに帰ったら温かいココアを飲んで、ネズミなど出る気配もない清潔なシャワールームで体を流して、明日の朝には桃園国際空港に着いておくため、早い眠りにつこうと決めていた。
 台北の町は外見は汚いところも多いが、内面は丁寧に整備され、きちんとしている。だから思いもしなかった。楽しいイラストの施されたマンホールの蓋が、目の前でぱっくりと口を開けて待ち構えているなどと。



 そうだ。マンホールに落ちたのだ。
 だから今、自分がいて当然の場所は下水道施設の筈だった。
 カラスの声など聞こえるわけがない。

「雅雰(ヤーフェン)!」
 那由多は大声で叫んでみた。
 声は彼を包む空気に吸い込まれるように消え、響かなかった。
 もう一度、彼女の名前を叫んでみる。どこだ、と呼び掛けてみる。
「雅雰(ヤーフェン)! 哪裡啊(ナァリーア)!」







 
0463うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/02(火) 01:41:46.57ID:5DaTsmOf
台湾でマンホールに落ちて異世界に転生してチート能力で最強になって英雄もハーレムも全然夢じゃないけど絶対に現世に帰りたいこの気持ちが神なんぞにわかってたまるか】(2/3)

「そんな人はいませんよ」と、背後から地を這うような男の声がした。

 振り返ると、そこにネズミ色のローブに身を包んだ、不気味な男がいつの間にか立っていた。ビビビのネズミ男によく似た出で立ちながら、そんなユルさは微塵もない。自分の命を取りにやって来た死神を見るように、那由多は目を見開いた。

「行きましょう」と、男は言った。
 日本語で聞こえて来る。しかし声は頭の中に直接響いていた。

「ろこえら!?」どこへだ? と、那由多は問う。

「わかっているでしょう?」
 男は、言った。
「あなたは世界を救うための勇者としてこの世界にやって来たのです」

「ぱかいうな!」
 那由多はたんこぶを押さえながら、叫んだ。
「おれは日本り帰るんだ! いつかは彼女も連れて、帰るんだ!」

「みっともない」
 ローブからかろうじて見えている男の口が、笑った。
「ろれつも回らないくせに」

 腹が立った那由多はたんこぶを取ると、投げつけた。たんこぶは簡単に取れて、石つぶてのように相手をめがけて飛んだ。

「ひゃっ?」と、みっともない悲鳴を上げて、男はたんこぶを避けた。
 男の横をかすめて飛んだたんこぶは、床に当たるとジュッという音を立てて爆発した。
 小さな爆発だったがしかしそれは石の床を融かし、真っ黒に焦げた深い穴をそこに穿った。
 男は抗議するように頭に被っているネズミ色のフードを脱ぎ、怒りを顔に表した。
「あぶないなぁ、もう! 当たったら消し炭になるところでしょうがっ!」

 それは剥げた頭の上にタバコの煙みたいな輪っかを浮かべた、何かだった。
0464うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/02(火) 01:42:37.37ID:5DaTsmOf
【台湾でマンホールに落ちて異世界に転生してチート能力で最強になって英雄もハーレムも全然夢じゃないけど絶対に現世に帰りたいこの気持ちが神なんぞにわかってたまるか】(3/3)

「天使嗎?」天使ですか? と那由多は中国語で聞いた。

「誰が天使だよ、もう! 見りゃわかるだろ? 神だよ、神! んもう!」

「怎麼我在這裡啊?」なぜ私はここにいるのです? と那由多は聞いた。

 神は答えた。
「わかってんだろ! タイトルの通りだよ! お前はそのたんこぶを取って投げつける能力で世界最強の存在として異世界に転生したんだよ!」

 那由多は黙り込んだ。彼が中国語で喋っているのは中国語なら、ろれつが回らなくても結構喋れることに気づいたからだった。しかし今、たんこぶを中国語で何と言うのかわからなかったのだ。

 すると神は彼の聞きたいことを親切に汲み取って解説してくれた。
「お前のたんこぶは今回中国が開発した軍事用レーザー光線の威力を凌ぐ。射程距離は300kmにも及び、十万人の人間をまとめて一度に一瞬にして消し炭に出来る力がある。
 中国のレーザー光線ごときではドラゴンの胸に日焼けを作っただけで、ドラゴンに『熱いわ!』と文句を言われると同時に炎を吐かれて消し炭に仕返されたが、お前のたんこぶならドラゴンを倒せる。
 お前はこの世界をあの凶悪なドラゴンから救うための勇者として、この世界に呼ばれたのだ。お前の潜在能力を見抜いた私が予めマンホールの蓋を開けておき、まんまとそこを通ってやって来てくれたのだ」

「我好想就這樣回家」帰るわ、と那由多は言った。

「いや、話は最後まで聞け。勇者にはスペシャルな特典があるのだ。勇者となった暁には、お前には自分の城を持つことが許されます。そしてこの世界のすべての女はお前のものですよ。毎日とっかえひっかえ、好きにしてよいのだぞ!?
 その代わり、お前は一生ろれつが回らない呪いにかかり続けることになるが、そんなもん大したことないだろ?」

「會回去日本絕對!」絶対日本に帰るもん! と那由多は言った。

「しかもお前はこの世界では、永遠とは言わんが、それに近い那由多の時間を生き続けられるのだぞ!?」

「她不在世界,我沒有活著的意義」彼女のいない世界に生きる意味はない、と那由多は言った。
 自分の言葉に酔いそうになったが、本心だった。

「ばかな……」
 神は呟いた。
「こんな美味しい話に飛びつかない男など……いるわけがない!」

「因為我是……」
 だって私は……と那由多は言った。
「おんらろこらもんっ!」
 そう。彼は、もとい彼女は、女の子であった。
0465うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/02(火) 01:48:14.86ID:5DaTsmOf
長すぎ? 失格?(´・ω・)
文字化けるし……

皆様感想ありがとうございます。
なろうでは滅多に感想貰えないので嬉しいです。・゜・(ノД`)・゜・。

>>461
なんでも書いて晒せる即興広場、楽しい!
それでも可能な限りまとまった形にして出そうと思ったけど、ひどいものでも楽しめる場所みたいな感じでも……いいのかな( ノД`)…
0466この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/02(火) 12:20:27.36ID:5qGC5CJG
過疎に慣れ過ぎて違和感しかないw
早い投稿はレイチェルの作者様くらいだったので・・・

後で読みますけど、『ここあ』強引に消化してるだけなのに、作者様のカラーが出てる不思議w
0467この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/02(火) 19:55:18.59ID:mJ7LyVHM
>>462
神さまの計画的犯行と言った所ですね
しかもリサーチ不足と言うw
博愛主義の神には、思慕の情は分からないのでしょうね
0468この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/02(火) 22:29:23.53ID:5qGC5CJG
>>462
読んだ読んだ、とっ散らかってますけど、やっぱうまいなぁ
アホらしいけれども無駄に納得感のある『たんこぶ』攻撃ww
やはり『那由他』は人名ですよね、というのと、作者様の想いが溢れる話、、からのオチがw
主人公は日本に帰してもらえるのだろうか
0469うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/03(水) 23:50:46.28ID:kPSdG2w9
>>467
そ、思慕的人〜(そもえら〜ん)!
……なんて自分にしかわからん興奮のしかたしてすみませんm(´Д`)m
コメントありがとうございます

>>468
いきなり冒頭で4つとも使って、さぁ後は自由に書こう!
と思ったものの卑怯な気がしてくどいぐらい後にも使ってしまった小心者だよ( ノД`)

しかしこれはいいトレーニングになりますね
普段、他人から出されたお題に沿って書くなんてしないもんね
0470この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/07(日) 21:58:35.73ID:MONwqpR2
>>453
お題:『ココア』『たんこぶ』『ネズミ』『那由他』

【ムリョウ】(1/2)
 ボーンボーンと時計の音が鳴る。
 うっすらとした意識を何とか保ちながら、神代 晴信は鈍痛のする頭を押さえた。

「ここは?」

 古い大時計が規則正しく時を刻んでいる室内は、よく磨き上げられたアンティークのテーブルのセットが一つあり、レースのカーテンの掛けられた大きな窓から淡い光を取り込んでいる。

 壁紙は多彩だが、どこかセピア色の花柄で彩られ、そこには小さなチェストと、その上に淡いアネモネが飾られていた。

「どうぞ」
「え?」

 何時から居たのだろうか? ギャルソン風の出で立ちの“ネズミ”が、晴信の目の前にそっとココアを差し出す。
 見回すが、“彼”以外の人影はない様だ。

「温まりますよ? ずいぶんとお冷えに成っておられるようですから」
「え? あ……」

 その言葉で、晴信は自分がずぶ濡れだと言う事に気が付くと慌てて立ち上がろうとするが、しかしその“ウシ”は、見た目通りの力で、彼の肩を押さえ付けた。

「お座りください、それに、ほら」

 そう言った“トラ”の視線の先には、たたまれたタオルがあった。

(いつの間に?)

「どうぞ? お使いください」

 何と無く腑に落ちない物を感じながらも、いつまでもずぶ濡れのままでいる訳にも行かないだろう。晴信は“ウサギ”の言葉に従って、タオルを手に取り顔を拭う。

 ココアを一口飲み、息を吐く。

(なぜ自分はここに居るのだろう?)

 そう思いながら晴信が頭を掻く。
0471この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/07(日) 21:59:17.40ID:MONwqpR2
【ムリョウ】(2/2)


「っつ」
「おや、大丈夫ですか?」

 “リュウ”の心配そうな声に「大丈夫ですからと」応え、ズキリと痛みを感る後頭部に、恐るおそる手を触れると、そこには随分と大きなたんこぶがあった。そして、それを確認するとともに、晴信は気を失う直前の事を思い出す。

「ああ、そうだ!! 私は子供を助ける為に川に飛び込んで!!」

 豪雨の後のある春の日、河川敷を散歩していた晴信は、足を滑らせ川へと落ちた子供を助ける為に増水した川へと飛び込んだのである。
 春とは言えまだまだ水温は低く、濁流うねる川は、大人の晴信でも泳ぐのがやっとと言う状態で、何とか子供を岸へと押し上げたは良いが、そこに運悪く流れて来た倒木にぶつかり、彼は、そのまま意識を失ったのである。

 周囲をもう一度見回した晴信は、そこが、決して病院などと言う場所では無い事を悟る。

「もしかして私は死んだのかな? そしてここは死後の世界?」
「いいえ」

 そう言う“ヘビ”に、晴信が目を瞠る。

「ここは那由多と不可思議の狭間、全てが揺蕩う庭です」

 晴信を見下ろしながら、ギャルソン風の出で立ちをした“ウマ”はそう言った。

「那由多と不可思議の……狭間?」

 確か、それは数字の単位では無かったか? そう、晴信が疑問に思うと、目の前の“ヒツジ”はにこやかに言った。

「不可思議は、何が起こっても不思議ではない摩訶不思議な事を指す【モノ】で、那由多は、それよりも現世に近い価値観の【数】の事ですから」

 要は、人の認識の埒の外の【事】であると“サル”が笑った。

「では、私は死んだわけでは無い……と?」
「そうですね、少しばかり、魂魄が剥離してしまった為に、アストラルが拡大してしまっただけの話です」

 そう、“トリ”は言う。
 正直な所、晴信には“彼”の言う話は分からない。だが、にこやかに“イヌ”の言う所に依れば、しばらくすれば、またマテリアルへと定着するだろうと言う話だった。
 ココアを啜る。
 不意に目眩がした。

「ああ、どうやら身体に魂魄が惹かれ始めたようですね」

 そう言う、“イノシシ”の言葉と共に、晴信の意識が闇へと落ちる。
 『では、貴方の人生に幸運を……』そんな【貌の無い】ギャルソン風の出で立ちの“彼”の言葉を晴信は最後に聞いた様な気がした。

 ******

 晴信が目を覚ます。やはり、アレは臨死体験と言う物だったのだろうか? そんな風に考えながら周囲を見回し、晴信はピシリと固まった。

 寝転んでいた床には巨大な魔方陣が発光し、周りには魔術師風のローブを纏った老人達。
 そして、彼等から一歩前に進み出ているのは、純白のドレスと、頭にティアラを乗せた美少女。

「お待ちしておりました!! 勇者様!!!!」

 その言葉に、思わず『ナローシュ』と言う単語が頭を過り、彼は思わず……

「ただの臨死体験話じゃなかったのかよおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 と、叫ばずにはいられなかったのだった。
0473三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/07(日) 22:09:34.22ID:Xc4svhmv
お題→『ココア』『たんこぶ』『ネズミ』『那由他』締切

【参加作品一覧】
>>462【台湾でマンホールに落ちて異世界に転生してチート能力で最強になって英雄もハーレムも全然夢じゃないけど絶対に現世に帰りたいこの気持ちが神なんぞにわかってたまるか】
>>470【ムリョウ】
>>472【不到】
0474三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/07(日) 22:11:23.28ID:Xc4svhmv
でっ、では、、今回も通常お題4つでお願いします

お題安価>>475-478
0475この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/07(日) 22:12:17.76ID:YsuRPnVc
ソーダ
0477この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/08(月) 00:04:23.15ID:RjQUVo/t
ババ抜き
0479この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/08(月) 00:39:51.40ID:/Sr31OLX
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
0480この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/08(月) 00:40:10.06ID:/Sr31OLX
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
0481この名無しがすごい!
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2021/03/08(月) 01:06:28.19ID:XW/ZX43G
>>472
ココアを飲むと言うだけの事で幾億壮年の歴史を感じさせますねw
確かに現在存在している全てが原初の爆発から始まっている訳ですから、すごい奇跡の様に思います
0482三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/08(月) 01:30:07.54ID:C8KhKREM
☆お題→『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→3/14の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0483この名無しがすごい!
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2021/03/08(月) 01:51:52.95ID:C8KhKREM
今週もお題作品感想ありがとうー
面白いスレなんだけどなぁ
過疎スレの日常

>>470
ここ、、前回と今回で増やすシリーズと言うか、うまく消化した感じですね
たんこぶから始まる時空の狭間、、こういう入り方だったら楽しい、、安心の異世界オチw
個人的にはデジ○ンのイメージがある顔触れですがそれはともかく!
雰囲気良くまとめた感じです

>>481
感想ありがとうございます
今週は忙しくて、、短過ぎる習作ですが、詰め込みの変わり種ということでw
0484うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/08(月) 14:31:27.16ID:MdE6jyMC
お題出せなかった……。・゜・(ノД`)・゜・。

>>471
帰って来られたと思ったのに……(。´Д⊂)
幻想的なムードがいいですね
彼らは意識を失った春信さんの夢の中の住人なのかな、と思いました
そこから一転、幻想ブチ壊してベタなオチへ……まぁ、叫ばなくても、美少女いるならいいじゃないですか、とも
0485うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/08(月) 14:40:47.71ID:MdE6jyMC
>>472
長い長い一文で終始するかと思いきやお母さんに着地するとはなんていうか
宇宙から地球に落ちて来た謎の神秘的なカカオ物質を内包したモノリスみた
いな何かがというかそんなようなものが
隣の山田さん家の屋根のアンテナに当たって鳥のフンみたいになって終わり
ましたみたいな感じがしてしかもなんていうか一文で終わらなかった。
なんとも壮大かつショボい生命の物語。
あとなんとなく思ったけど磁器の表面じゃなくて内面じゃないですか?
0487うーた ◆vQ0KHrfdEY
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2021/03/08(月) 14:58:39.27ID:MdE6jyMC
>>482
☆お題→『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』

【退屈なしあわせ】

「ソーダが飲みたいな」と、老人は言った。「いつもお茶ばかりでは飽きてしまった」

「そんなものここにはないよ」と、少女はお茶を啜りながら答えた。「作るのが難しいもん」

 卓袱台を挟んでもう三時間近く向き合ってお茶ばかり飲んでいた。会話は途切れ、新たに始めようと試みるように老人はまた口を開く。
「ババ抜きでもしない?」

 少女は疲れたように溜め息を吐くと、子供に言い聞かせるように言葉を返す。
「いい? アキト。ここにはゲーム機はもちろん、トランプなんてものもないんだよ? いい加減ここの生活に慣れなさい」

 アキトは恨むように周囲を見回した。小ぢんまりとはしているが優雅な和風家屋の中には現代的なものはほとんどなく、老人の興味を引くものといえば目の前の少女の他には何もなかった。
 少女はカナリア色の着物に身を包み、ずっと正座をしながら熱いお茶を啜っていた。なくなると卓袱台の上に置いた保温ポットの頭を押して新たな茶を注ぎ、またゆっくりと啜る。たまに小さくゲップをすると、また湯呑みを両手の指で抱えて口に運んだ。

「じゃあ、椿。懐かしいマンガの話をしてもいいかい?」
 老人が聞くと、少女は少し興味をそそられたような顔をして片目を開ける。
「なんてマンガ?」
「聖闘士(セイント)星矢(せいや)。知ってる?」
「『せいんと』? どんな字?」
「ええと……」老人は頭の中に漢字を探した。「どんなだったかな……」
「どんなマンガ?」椿はわくわくし始めているような顔で聞いた。
「クロスっていう格好いい鎧を着てね、闘うんだ。せいんと同士がね。で、必殺技をそれぞれ使うんだけど……」
「おお〜! 必殺技? どんな?」椿は身を乗り出した。
「それがね、誰の必殺技も名前とエフェクトが違うだけで、同じなんだ」言いながら老人は吹き出した。「食らった相手はのけぞって吹っ飛ぶんだけど、誰のどの技を食らっても同じ吹っ飛び方をするんだよ」
 アキトは『面白いだろう?』と言いたげに笑いながら解説したが、聞いている椿の顔はどんどんつまらなそうになって行った。止めていた手を動かし、お茶を啜り、少女は呟くように言った。
「よくわかんない」

 また会話が途切れた。老人はこの世界に早送り機能があるなら使いたかった。しかし春の丘に時はゆっくりと流れ続け、歳を取らない二人の時はほぼ止まっていた。

 老人は少女の話を聞いてみることにした。
「そういえば椿は、いつからこの世界にいるの?」そう言ってから少女の名前の後に付け足す。「椿先輩は」
「忘れたわ」少女は即答した。「つい昨日来たばっかりよのような気もするし、百年前だったような気もする」
「忘れちゃったの? ボケるにはまだ早いよ? ハハハ」
「当たり前でしょ」椿はお茶をぐいっと飲み干した。「まだ14歳なんだから」

 新しくお茶を注ごうとした少女を老人が止める。
「そろそろ何か別のことしようよ」
「そうだね」少女は素直に頷いた。「山菜採り、行く?」
「別のところへ行きたい」老人は興奮の隠(こも)った声で言った。
「別のところって?」
「天国!」
「天国はここでしょ」
「ねえ、椿」老人は畏まると、切り出した。「こんな広い世界に人間が二人だけしかいないって寂しくない? その……。作ろうよ、もう一人」
「そんなこと言われても……」椿は難しい顔をする。「作り方、忘れちゃったんだよね。私、言わばこの世界の神だけど、どんな魔法で、どうやって住人を作ってたんだろ」
 昼間の穏やかな陽光が土壁に二人のぼやけた影を作っている。
「違う違う! こういうことだよ!」
 老人が少女に襲いかかった。
0488うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/08(月) 15:00:10.63ID:MdE6jyMC
>>482
☆お題→『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』

【退屈なしあわせ(2/2)】

「もぉー。アキト、ジジイのくせにそればっかりなんだから……。私達には他にやることがあるでしょ?」
 畳のイグサが縄のように伸びて老人を壁にはりつけにしていた。アキトは身動きできない体に力を込め、苦しそうな泣き声で言う。
「やることなんて、ないじゃん!」



「ふきのとうももう終わりだね」
 椿が言った。丘と森の境目を歩きながら、色とりどりの地面を眺め回しながら。

 椿の言う通り、丘のそこかしこに顔を出しているふきのとう達は皆、花を開こうとし始めていた。

「もうちょっと高い山だったらまだあると思うんだけどね」椿は元気に、しかし花を踏まないように気をつけて歩く。「こんなに開いてたらもうだめだ。お料理に使っても、苦すぎるうえにシガシガだよ」

 アキトは少し遅れて並んで歩きながら、丘を眺める。何もない。草と、地面と、森と、あとは虹色の蝶々が飛んでいる以外には。前から思っていることをまた少女に提案してみる。
「畑を作ろうよ、ここに。作物が取れるようになるしさ、仕事で暇も潰せるしさ。いいことづくめだよ?」
 煩いこと言う人もいなくなったし、と言おうとした言葉は引っ込めた。

「兄さまとの約束だもの」椿は消えてしまった人のことを慕う視線を空に向ける。「ここを自然のままに残しておけって。この丘に手を加えようなんて言い出す奴が現れたら私の魔法で退治してやれって」

 アキトは身を縮めた。椿の怒りに触れたらそこら中に生えている背の高いイタドリの茎で首を絞められてしまう。


「あ、見て!」椿が急に嬉しそうに叫んだ。

 少女が指差すほうを見ると、そこに一つだけ、まだ拳を握っている食べ頃のふきのとうがあった。椿はそれを引っこ抜くと、自慢するように見せびらかして、笑った。
「これ、どっちが食べるか、後でじゃんけんね」
 その笑顔を青い空の下に見ながら、アキトは思わず呟いてしまった。
「幸せだな」
「まだ食べてもないのに?」椿が首をひねる。「そういうのはじゃんけんに勝って、食べてから言うもんだよ」
 そう言ってまた笑うと、先を歩き出す。歩きながら、軽やかな声を出す。
「あっちの竹林のほう、行ってみよう。タケノコがぼちぼち顔を出してるかも」

 生命が跳ねるような少女のその背中を追いかけながら、赤いおかっぱの髪が風に揺れるのを見ながら、アキトは思う。
(ここは退屈な場所だけど)その後は思わず口に出てしまった。「君さえいれば俺は生きて行けるよ」

 二人に残された米はあと15日分しかなかった。
0489この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/09(火) 01:26:15.54ID:EDizkPQz
>>485
感想ありがとうございます
那由他には足りず、一度息継ぎをして、色々と至らない感じですw
内面は、容器の内面/内側ならそうだと思いますが、磁器の内面だとコロケーションがおかしいような
ただ直後に『表面』が重複しているので、ちょっとまずい文章ではありますね

>>487
相変わらず早い、、って、なんかスレに出張してきたw
なるほど何もやることがない平和な世界、、と思いきや食料事情w
作者様の主人公ってこういう感じなのね、というのと、和風の世界観が新鮮
退屈さと緊張感のバランスも取れているような
0490うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/03/09(火) 05:32:46.70ID:boEDerfD
>>489
なるほどなるほど。容器なら内側/外側、お皿だったら表面/裏面、ですね。
マグカップだったらどうなるんだろう?

感想ありがとうございます。はい、出張です(笑)
『せいんと』『ふきのとう』と来たらパッと思いついちゃって30分ぐらいで書けちゃいました。
その後推敲したんだけど……誤字ありましたね(;_;)
0492この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/14(日) 15:20:07.38ID:hxiUS0PD
>>482
使用するお題→『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』

【この姉弟は本当にどうしようもない】(1/3)

ある土曜日の午前10時。ピンポーン!と玄関のチャイムが鳴る。

「あっ来たみたいだね!」
「私が開けるからそこで待ってて!」
「ズルいよ、お姉ちゃん!開けるのは僕だよ!」

カナミとケンスケがドタドタと階段を下りながら、猛スピードで玄関の方へと向かう。
途中、姉がうっかり足を滑らせて階段を転げ落ちてしまう。その間に弟が玄関の前にゴールし、ドアノブを掴む。

「エヘヘ、僕の勝ちだね!」
「く、悔しいィィィ!」

ドアを開けると、そこに立っていたのはハヤトだった。

「ハヤト兄こんにちは!来てくれて嬉しいよ!」
「よぉ七尾にケン!9時半頃に来るって約束してたのに遅れてごめんな」
「全然気にしてないよ!」
「宮坂君、いらっしゃい!どうぞ入って!」
「それじゃあお言葉に甘えてっと」

そう、今日は大好きなハヤトが初めて家に遊びに来る日だ。姉弟はそれをとても楽しみにしていたのだ。

「ここが僕の部屋だよ。午前中はゲームでもして遊ぼう!昼ご飯食べたら公園に行って鬼ごっことかサッカーしよう!」
「ああ、いいぞ!」

ケンスケの部屋に入り、まずはゲームで遊ぶことになった。

「おっ、このゲーム持ってたんだな!この間、やっと全クリしたところなんだ」
「うん、まだ半分しかクリアできていないの」
「結構難易度高いからな。よし俺も手伝ってやるよ」
「えっ本当?」

ケンスケはニヤリと笑いながら、カナミにコントローラーを渡す。

「お姉ちゃん、ハヤト兄の足を引っ張らないよう頑張ってね!」
「うるさいわね!私、そこまで下手じゃないわ!」

ハヤトとカナミの協力プレイによるストーリーモードの攻略が始まった。
次々と出てくる敵の数々を打ち破り、ふきのとうのような姿をしたモンスターが現れた。今プレイしている第5章のボスだ。
0493この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 15:20:59.05ID:hxiUS0PD
【この姉弟は本当にどうしようもない】(2/3)

「こいつ、結構強くてなかなか倒せないの。地面から植物生やしてきて隙が無いし、即死攻撃してくるしで本当に厄介!」
「まあ、確かに手強いな。でもコツさえ掴めれば、そこまで怖い敵じゃないぜ」
「えっ、そうなの!?」
「ああ。口から人喰い花を吐き出してくるだろ?それを上手くキャッチして、そのまま投げ返してぶつけて怯ませて、その隙に集中攻撃すればいいんだ」
「なるほど!頑張ってみる!」

ハヤトのアドバイス通りに攻撃し、苦戦を強いられながらも、なんとかHPを残り30にまで減らせることができた。

「必殺!閃光のセイントビーム!」

最強の必殺技を放ち、ついにボスを倒すことができた。

「やったな!七尾!」
「宮坂君のアドバイスのおかげ!本当にありがとう!」

その後、昼食に母が作ってくれたカレーを食べ、公園に行こうと外に出た時だった。
さっきまで快晴だった空が急に雲で覆われ、雨がザーザーと激しく振り出してきた。

「天気予報だと一日ずっと晴れって言ってたのに!天気予報のウソつき!」
「仕方ないから家の中で遊びましょ」
「そうするしかないな」

とりあえず、また家の中で遊ぶことになった。
テレビゲームばかりしてるとさすがに飽きてくるので、軽くトランプでババ抜きをすることになった。

「ねえ、ババ抜きで負けた人は罰ゲームでさ、命令を聞かなければならないってルールにしようよ」
「それ面白いな。俺は賛成だ。ただやるだけじゃパッとしないしな」
「いいわ、望むところよ」

熾烈?なババ抜きが今、幕を開けた。手に汗握る攻防、心理戦の末に負けたのは・・・、

「アハハ、僕の負けだ」

最後にジョーカーだけが残り、敗北を喫したのはケンだった。

「それじゃあ、早速命令するわね。冷蔵庫にコーラやソーダが入ってるから、宮坂君の分も一緒に持ってきて。喉乾いてるから、なるべく早く戻ってきてね」
「う、うん分かった・・・」

ケンスケは階段を下り、冷蔵庫のある食卓へと向かった。

「宮坂君、手加減なしでケンスケにどんどん命令しちゃってね!」
「あ、ああ・・・(なんか怖いな)」
0494この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/14(日) 15:21:46.12ID:hxiUS0PD
【この姉弟は本当にどうしようもない】(3/3)

冷蔵庫からコーラやソーダの缶を取り出そうとしたその時、手を滑らせて床に落としてしまった。
すぐに拾い上げると、部屋の方へと急いで戻る。

「コーラとソーダ持ってきたよ」
「ありがとう。そこで休んでていいわよ。宮坂君、コーラどうぞ」
「す、すまないな」

カナミがソーダの缶の蓋を開けたその時、中の炭酸が勢いよくブシャーッ!と噴き出した。
おかげでカナミはびしょ濡れだ。そんな姉の姿を見て、弟はゲラゲラと笑い転げた。

「ケンスケ、これは私に対する反抗かしら?」
「ごめんごめん、さっきつい落としちゃって。でもまさか噴き出すとは思ってなくてさ」
「もう許さないわよ、覚悟しなさい」

カナミはケンスケを追いかけ始める。まるで有名な某ネコとネズミのような追いかけっこだ。
弟はそのまま捕まってしまい、姉からこめかみグリグリの刑を受けることになった。

「わ、わざとじゃないんだからさあ。お願いだから許してよ」
「ダーメ!私の気が済むまでやるんだから!」

そんな姉弟の滑稽ぶりを、ハヤトが近くで楽しそうに眺めていた。もう腹が捩れてしまいそうになるくらいだ。

「お前ら、本当にどうしようもなくて面白いよな」

ハヤトの言葉にハッと我に返り、姉弟は顔を真っ赤にしながら照れる。
気がつけば4時になっており、雨もすっかり止んでいた。

「そろそろ帰らなきゃいけないから、今日はこれで失礼するよ」
「またいつでも遊びに来てね、ハヤト兄」
「きょ、今日は、えっと、その、本当に楽しかったわ」
「ありがとうな。それじゃ!」

ハヤトが帰った後、姉弟はしばらく呆然と立ちすくんでいたが、顔を合わせて
互いにニコッと微笑むと、またさっきの追いかけっこの続きが始まったのであった。
0495この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/14(日) 21:27:24.09ID:uR5R7N1L
>>487
掛け合いが楽しい桃源郷と言った所でしょうか?
それとも封神台のほうかも?
ボケたお爺さんの最後に残ってるのが性欲だったりしますからw

>>492
あのネコとネズミのED曲は『仲良くケンカしな』と歌っていましたねw
憧れの人が来てもいつもと変わらない姉弟
ある意味自然体と言う事ですね

>>483
感想、いつも有難うございます
普通のナローシュなら十二支の力とか手に入れてそうなシュチュエーションです
多分、本とかコインとかでw

>>484
感想を下さり有難うございます
幻想はぶち壊されるものなのでw
異世界転移に憧れられるのは、いくつ迄なのでしょうね?
0496この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/14(日) 21:29:36.51ID:uR5R7N1L
>>482
お題:『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』

【中年勇者の魔王討伐日記】(1/3)


 ジュッ、シュワワワワワっと、油の中で、衣を纏ったふきのとうが踊る。
 『天婦羅は、十分腹を空かせてから店に行き、揚がった先から親の仇の様に食すべし』と言ったのは、何処の文豪だったか。
 晴信は、揚がった天婦羅を菜箸で掴むと、油切り用の網に乗せた。
 こう言った葉物を揚げる時は、タイミングをしくじるとアッと言う間に揚がり過ぎてしまう為、一時も気が抜けない。

「ふむ、サクサクと香ばしく、成程、美味いな」

 そう言いながら、揚がった天婦羅を端から食べて行くのは、白金の髪とサファイアの瞳を持つ美貌の神官、ユーリスト・エヴァン・フォルモート卿。
 いわゆる【聖者】の称号を持つ一級の神官であり、今は晴信の旅の仲間だ。

「でしょう。天婦羅は大量の油を使いますからねぇ。こう言った宿の厨房を貸してもらえる時でなければ作れないのですよ」

 神代 晴信は日本人である。彼は子供を助ける為増水した川に飛び込み、どうにか子供を岸に押し上げた所で、流木にぶつかり意識を失い、気が付けばこうして【勇者】として異世界に召喚されていた。

 これが、30も若ければ『流行りの異世界転生だ、剣と魔法のファンタジー世界だ』と喜べた所だろうが、如何せん50代も目前と言った晴信にしてみれば、「どうしてこうなった」と言うしかない状況である。

(普通なら、10〜20代の若者が召喚される物では無いのかな)

 実際、召喚を行った王国で最初に迎え入れてくれた王女も、そのつもりだったのだろう。現れたのが中年男性だった事で、ほんの少しだけ笑顔が引き攣っていたのを晴信は思い出し苦笑した。
 勇者召喚物のお約束で言えば、世界を救ったあかつきには“姫”との結婚と言うのも良く有る話だ。
 そのお相手が自分の父、つまりは国王よりも年上、いや、そのさらに先代の国王にも近しい年頃の男性だったとすれば、彼女の心情も理解出来るだろう。
 もっとも、晴信の方には婚姻を結ぼうなどと言うつもりなど欠片も無いのだが。

 同じ理由だろう。当初、【聖女】が旅に同行する予定だったにも拘わらず、教会の上層部が中年男性に彼女を宛がう事を渋った為、急遽ユーリストが旅の同行者と相成った。

 晴信にしてみれば、【聖者】にしろ【聖女】にしろ同じ【セイント】の称号持ちなのだから、同行するのがどちらでも構わなかったし、むしろ、年若い女性の同行者の方が変に気を使ってしまう為、ユーリストが選ばれた事に否は無かった。

 大葉とふきのとう、小エビや人参ごぼうのかき揚、海老やホタテの海産物。しめじやエリンギ等のキノコ類と、それなりの量が揚げ上がった事も有り、晴信も天婦羅に舌鼓を打つことにした。

「っと、その前に」

 グラスに氷魔法で球形の氷を作り入れ、そこにウイスキーとソーダを注ぐ。それを軽くステイしてからレモンピールをかけた。ハイボールだ。
 この世界に来て真っ先に受けた恩恵は、この魔法であろう。実の事を言えば、晴信が天婦羅を造ろうと思い立ったのも、衣を魔法で冷やせるからだった。

 良く冷えたハイボールで口を湿らせると、「いただきます」と両手を合わす。
 天婦羅には日本酒も会うが、仄かな穀物の甘みを感じさせるハイボールも良く合うと晴信は個人的に思っている。
 軽く塩をふったふきのとうの天婦羅を齧り、ハイボールを呷る。
 晴信の思っていた通り、少し苦みのあるふきのとうの天婦羅とハイボールは相性が良かった。
0497この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 21:30:56.51ID:uR5R7N1L
【中年勇者の魔王討伐日記】(2/3)


 このふきのとうやウイスキー、ソーダ等もそうだが、この世界には日本で見た事のある食材や電力ではなく魔法で動く機械、魔動機があり、中世風な文化の割には文明レベルは現代と遜色が無い様に感じられる。
 ただし、強力な、それも飛行する魔物が多い為か、飛行技術に関してはそれ程発達しておらず、人の手を入れられぬ【秘境】と言う場所が多い事が理由か、通信技術も未だ未熟な様だった。
 通信の為の配線をしても、魔物に荒らされるか、【秘境】に飲み込まれてしまうからだ。
 その為に、膨大な予算を割いて通信線を護る為の人手を確保する、と言う訳にも行かなかったのだろう。

 勇者召喚の様な出来事がある事、日本と同類項の技術が散見している事を考えれば、年間8千人は居ると言う日本の行方不明者の中には、自分と同じ様にこの世界へと降り立った者が居る可能性は高いと、晴信は考えている。
 もっとも、勇者召喚は神からの神託が来て、初めて成功する類の術であることから、よっぽどの事が無ければ行われる事は無いらしいのだが。

「しかしまぁ、ふきのとうが手に入るとは思いませんでしたよ」
「それよりも自分は、そんな野草が食べられると言う事が先ず驚きだがな」
「日本の……春の味覚です」

 そう言ってふきのとうの天婦羅をもう一口齧る。
 植生が類似して居る事や、大気成分が同じであろう事を考えれば、もしかすれば、この世界は完全な異世界と言う物では無く、魔法と言う物が存在するパラレルワールドなのかもしれないと晴信は思った。

「あー!! 先に食べてるぅ!!」
「ずっこいよ!! アタシ達も呼んでよぉ!!」
「……自分が『晴信が飯だって呼んでると』言った時、『忙しい!』『後で!』と言って、トランプを止めなかったのはお前達だろう?」

 パタパタと食堂に入って来たのは【2人で1人の賢者】と名高いハニエル・ラプソンとレミウル・ラプソンの双子の兄妹であった。
 晴信とユーリスト、ハニエル、レミウル兄妹に、斥候役のグラタナスと言う男を加えた5名が勇者パーティーの全員で有る。
 ちなみにグラタナスは、宿に付いた早々に色町へと繰り出していた。

 二人はブーブーと言ってはいるが、先程まで二人でトランプで遊んでいた事も有り、ユーリストの言葉を聞き流していたらしい。
 眉間に皴を寄せるユーリストの鋭い視線から目を逸らし、鳴りもしない口笛を吹いているふりをしている。
 こうしていると、外見通りのまだ10歳になったばかりの子供然としているが、その才は高く、兄のハニエルは攻撃魔法の、妹のレミウルは防御・支援魔法のエキスパートであった。
 本来なら、対魔王軍に組み込まれるべき存在なのだが、軍務卿が子供を作戦に組み込む事で、兵士の統率が乱れる事を嫌った事も有り、勇者パーティーの一員と成っていた。

 晴信としても、このような子供を過酷な魔王討伐の旅に従事させるのは難色を示していたのだが、有用な人材を遊ばせている方が問題であり、尚且つ、二人の方はこの旅を熱望していた事も有り、彼が折れるしかなかったのだ。
0498この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 21:31:49.31ID:uR5R7N1L
【中年勇者の魔王討伐日記】(3/3)


 晴信が召喚された時、人類と魔王軍の戦いは、互角から、やや不利と言った状況だった。

 魔獣被害が多くなり、人類圏の国々がその為の同盟を進めていた矢先に魔王軍の宣戦布告があった為だ。
 タイミング的に見れば人類が一枚岩に為る事を嫌っての宣戦布告だったのかもしれない。

 事実、帝国や一部の国々等は魔王軍との積極的敵対を嫌って日和見を決め込んだり、むしろと言った様子で、魔王軍へと下って行ったりした。
 それでも、魔王と魔獣、魔物達と言う共通の敵が現れた事と、同盟の話が進んでいた事で、その他の国々は一致団結し、何とか魔王軍の侵攻を押し止めてはいた。

 しかし、時間が経つにつれ有利に成って行くのは魔王軍である。
 魔物特有の旺盛な繁殖力により、その軍団規模が次第に大きくなって行くからだ。元々、強大な力を持つ魔獣を従えて居る上、力が弱いとは言え、数で優ろうと言う下級の魔物達が、魔王の指揮の元、連携して襲って来るのである。
 人類の抵抗はジリ貧と言った様相を呈していた。

 それ故の勇者召喚であった。人類が何とか抵抗できている内に、魔王さえ討伐して貰えれば、頭を失くした魔王軍など烏合の衆であろうと言う目論見であり。
 事実、魔王が現れる前は魔獣や魔物、魔族が連携を取る事などあり得なかったからだ。

「もうトランプは良いのかい?」
「うん!」
「決着がつかないんだもん!」

 双子の言葉に晴信が首を傾げた。決着がつかなくなる系のゲームなど有っただろうかと思ったのだ。

「えっと、何のゲームをしてたのかな?」
「「ババ抜き!!」」
「あぁ……」

 その答えを聞き納得する。たぶん、お互いに“ババ”だけ引き合っていたのだろう。

「とにかく、食べちゃってください」
「はい!!」
「は〜い!!」

 モシャモシャと美味しそうに天婦羅を頬張る双子を眺めながら、(本当は、子供に戦いを強いたくは無いのですがねぇ)と、晴信は思わずにはいられなかったのだった。
0499三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/14(日) 22:09:41.94ID:cVfADS8E
お題→『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』締切

【参加作品一覧】
>>487【退屈なしあわせ】
>>492【この姉弟は本当にどうしようもない】
>>496【中年勇者の魔王討伐日記】
0500三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/14(日) 22:11:03.61ID:cVfADS8E
ではでは、通常お題4つでお願いします

お題安価>>501-504
0501この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 22:11:25.78ID:iWVRLSZY
水先案内人
0504この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 22:15:08.96ID:6aTFtwY6
妖狐
0505三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/14(日) 22:30:02.15ID:cVfADS8E
☆お題→『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→3/21の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0506この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/14(日) 22:32:07.76ID:cVfADS8E
今日はめちゃくちゃ早いですね・・・!
助かるけど、油断してたからびっくりしたw

感想とかは、また後でー
0507この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 23:49:27.44ID:ZGcjAykP
>>492
うーん。やさしい内容なのに、いきなり固有名詞がいっぱい出て来るので解読に労力使う……。
カナミ=七尾、ハヤト=宮坂なのはわかるけど、出来れば統一するなりして労力減らしてほしいなあと思いました。
子供たちはみんな小学生かそれ以下って感じはするけど、姉弟とハヤト兄の関係が明かされず、なぜ姉弟がハヤト兄を大好きなのかも不明だった。
常識的によくあるパターンの想像で読者が補足してくれということなんでしょうか?
それとも実は彼らは人間ではなく、ネコとネズミの姉弟??
いや、そんなことは書いてないな(笑)……。
とりあえず隣の家の子供たちの光景をただ見させられているみたいで、YouTubeでもそんな動画は見る趣味のない私には物足りませんでした。
0508この名無しがすごい!
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2021/03/14(日) 23:53:19.12ID:ZGcjAykP
>>496
まさかの続き物!(笑)
こっちは短い中に固有名詞が頻出するわりにはわかりやすく書かれていて、読むのに無駄な労力いらないのはいいね。
ただ、まるであらすじみたいな説明が文章の大半になってしまっているのは、
やはり小さな箱に大きな世界を詰め込もうとしすぎではないでしょか……
0510この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/15(月) 00:06:49.95ID:T+76FUWu
作中の『百年王国』は、検索してみると、実際にそういう名前のゲームがありました

ありましたと言うか、今週はそのゲームで遊んで、睡眠時間を削りました・・・

>>507
その作品も続き物なので、以前から追ってないと読めないと思いますw
0511この名無しがすごい!
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2021/03/15(月) 00:38:05.54ID:OaVpizMe
>>505☆お題→『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』

【究極の小説 vs 至高の小説(1)】


「この小説を書いたのは誰だあっ!?」

 小説道場『美文塾(びぶんじゅく)』の主催者を務める山原雄海(やまはらゆうかい)の怒号がマック○ナルドの店内を揺るがした。

「すっ……すみません! 私です!」
 そう言って土下座しながら前に出た若い門下生の坊主頭に、雄海は白い足袋を履いた足を乗せた。

「貴様は私の『美文塾』の看板に泥を塗りたいのか?」厳しい目でぎろりと見下ろす。

「申し訳ありません! それは単に私の趣味で書いたもので……。人目に晒すつもりはなかったのですが、うっかり誰かが『なろう』に投稿してしまったもので……。」

「こんなものを書くことがそもそも精神の堕落だっ!」雄海は門下生の坊主頭をぐりぐりと踏みつけた。「文学とは厳然たる目で真実を捉え、既存の固まった認識を破壊し、新しい価値観を産み出すものでなければならないっ! それをなんだ、貴様は。『異世界転生』だとうっ!? 化学調味料に舌を冒された衆愚と仲良しごっこがしたいのか?」
 そう言うと雄海は、門下生が書いた作品の原稿を破り捨てようとしたが、web小説だったのでそれは出来ず、代わりに門下生のスマートフォンを叩き割った。

「ああっ!」門下生は泣いた。「僕のHuaweiが!」

「バカに小説を書かせるなっ!」雄海は吠えた。

「いや、俺は面白いと思ったよ。」
 どよめくマック○ナルドの客達の間をかきわけて、気怠そうながら力強い声が起こり、二人の諍いを止めた。

「お、お前はっ!」山原雄海が振り向いてその男の名を叫ぶ。「吾郎っ!」

 スマートフォンを片手に、その男は姿を現した。ヨレヨレの黒いスーツ姿の、やる気のなさそうな男であった。

「『結婚式前夜にトラックに轢かれて死んだ俺は異世界に転生してチートスキルを得たので英雄もハーレムも夢じゃなかったがそれを放棄してでも花嫁の元へ帰りたい』……か。読ませてもらったよ。なかなか泣かせるいい話だった。」
 彼の名は釜岡吾郎(カマおかごろう)。東南出版社の社員である。

 雄海は釜岡さんを睨みつけると、叱るような声で言った。
「なぜ、お前がこんなところにいるのだっ?」

「それはこっちのセリフだ。」釜岡さんは言った。「素材の味しかしないような高級食しか口にしないグルメのはずのあんたが、なぜマック○ナルドに?」

「啓蒙だ。」雄海は真顔で言った。「ほんとうのハンバーガーの味をわからぬ愚民どもに教えてやりに来たのだ。AAA級の牛挽肉と最高級の小麦粉を使用したしっとりもちもちのバンズ、無農薬で育てたキャベツ、そして無添加のマヨネーズを持って、な。」

 釜岡さんの背中に手を添えて、ロリっぽい女性がくっついている。名前は猪田(いのた)ぷう子。彼女も東南出版社の社員である。
 ぷう子は雄海の言葉を聞いて、呟いた。「要するに暇なのね」
0512この名無しがすごい!
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2021/03/15(月) 00:39:55.26ID:OaVpizMe
【究極の小説 vs 至高の小説(2)】

「それにしても吾郎……。」雄海が見下すように笑う。「そんな小説を『面白い』だなどとは、お前の提唱する【究極の小説】とやらはそんなものか?」

「ふん。お前こそ……。」釜岡は言い返す。「多くの読者が求めているものを知ろうともしないで、限られた者にしか理解できない【至高の小説】なんて、老害どものオナニーでしかないぜ。」
「ふん。」雄海が鼻で笑う。「たとえばこのマック○ナルド。世界に多くのチェーン店を持てるほどの人気だが、人気だからといってこの店のハンバーガーが最も美味なハンバーガーだとでも言うのか?」

「大衆にわからないものは意味がないっ。」釜岡は反論した。「美味を追求するのは結構なことだ。しかしそれで庶民には手が届かない価格になったり、作るのに手間がかかりすぎて急いでる人を待たせてしまったりするのでは意味がない。」

「何の話をしているのだ? ハンバーガーと小説は違うぞ。そもそもハンバーガーなど高貴な人間の食べるものでは……。」

「お前がハンバーガーのたとえを出したんだろうが!」釜岡は言った。「小説も同じだっ。高級ぶって高楼の天辺で仙人達だけが味わえる小説なんかにどんな価値がある? そんなものを朝の通勤電車で読みたい人がどれだけいるんだっ?」

「やあやあ、二人とも。」そこに偶然居合わせた高名な陶芸家の極楽(ごくらく)氏が声を掛けて来た。「ちょうどいい。ここで【究極vs至高】の対決をやってみんか?」

 釜岡の所属する東南出版社は、雑誌の連載企画として、雄海の主宰する美文塾と小説の競作をやっていた。
 釜岡は【究極の小説】を謳い、雄海は【至高の小説】を標榜し、ここまでは10戦して互いに5勝ずつの引き分けであった。

「面白い。ここで勝敗を決し、引導を渡してやろう。」雄海は上から目線でニヤリと笑った。

「ようし。やってやるか。」釜岡は表情を変えずに、飄々と言った。




「それではお題はワシが決めてやろう。」極楽氏が言った。「第11回【究極vs至高】のお題は『妖狐』じゃ。よいかな?」

「いいだろう。」
「ああ、いいぜ。」

「ここで……いきなりやるのね。」ぷう子が不安そうな顔をした。「大丈夫? 釜岡さん。」

「任せときな。」釜岡はぷう子にウィンクをして見せる。「最高の仮想現実小説を見せてやるぜ。」

 二人はそれぞれ早速執筆に取りかかった。マック○ナルドの店員や客達が迷惑そうに見守る中、凄まじい集中力で二人は同時に小説を書き上げた。

「完成だ。」
「出来たぜ。」

「ようしっ。では審査はいつも通りワシら三人が務めよう。」
 極楽氏が言った。その隣にはいつの間にか京都の豪商、胸谷唐人(むねたにとうじん)が座っており、さらにその隣にはちょうどマック○ナルドでアルバイトをしていた韓国人留学生のパークくんが座っていた。
0513この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/15(月) 00:41:19.80ID:OaVpizMe
【究極の小説 vs 至高の小説(3)】

 先攻はじゃんけんにより雄海による【至高の小説】側からの投稿となった。
 雄海は語った。
「すべての小説は既に書かれてしまっていると言われる。たとえば音楽で考えてみよう。それはたかが数音の音階と音符の組み合わせだ。言葉は音符よりも遥かに多くはあるが、その組み合わせが有限であることに変わりはない。
 しかし、その限られた素材の中から的確に必要なものだけを選び出し、優れた人間洞察をそこに加え、至高の小説を彫り出すことは限られた天才にしか出来ぬことだ。
 たとえそれが過去に書かれた何れかの名作に似ていたとしても、そのことに何の問題があろう? 重視すべきなのは『新しさ』ではない。優れた芸術のみが持つ『味わい』なのだ。
 一流の料亭の仕事は新しいだけの奇をてらったゲテモノを産み出すことではない。変わらぬ最高級の『味わい』を作り続けて行くことだ。そして私の思う『至高の小説』もそういうものであり、そしてこれが私の答えだ。」
 そう言って雄海は半分だけ埋めた原稿用紙を一枚、ゆっくりとテーブルの上に差し出した。

「こ、これはっ!」
 審査員たちが声を上げた。

 タイトルは『妖狐』。
 僅か200文字足らずでその小説は完結していた。
 そんな掌編小説ながら、釜岡がそれを読むのに2時間を費やした。

「すっ……凄い!」
 審査員たちはだらだらと流れる汗を拭きながら、2時間以上かけてそれを読んだ。
「この短い中に人類の歴史がすべて詰まっているっ。」
「なっ、なんてものを読ませてくれるんやあっ!」
「ストーリーはさっぱりわからないけど、凄いことは確かだっ!」

 釜岡も唸り、評価を口にした。
「これだけ短い中にこれほどの意味を込められるとは凄いっ。しかも構築したかと思えば破壊に持って行き、何重もの読み方を可能にさせることで安易な解釈を許さないっ。何より人間のすべてを知るらしき妖狐をこれほどの実在感を持って仮想現実のごとく実体化させているのは見事というほかないっ。」

 その隣ではぷう子が眠っていた。
「あ、おはようございます。釜岡さん、読み終えた? あたし、つまんなすぎて寝ちゃった」

「クズがっ。」雄海がぷう子を睨みつける。「クズにはどうやらこの味がわからんようだなっ。」

「いやあ、素晴らしかったよ、いつもながら。」極楽氏が雄海を誉め称え、「次いで【究極の小説】側の作品の提出をお願いしたい。よろしいかな?」と促す。

 釜岡はすぐには作品を提出せず、腕組みをしたまま、言った。
「【至高の小説】、素晴らしかったよ……。こんな所で発表するのは勿体ないほどの逸品だった。」

 それを聞いて雄海がバカにするように高笑う。「ははは! 闘う前から負け惜しみか?」

「しかし……。前にも言った通り、限られた者にしか理解できないものに意味はないっ。我々は高い塔の上で秘密の宝玉を守る番人ではなく、読者を新しい大陸へと導く水先案内人でなければならないのではないのか?」

「そんな大陸がどこにあるっ?」雄海が釜岡を睨む。「すべての大陸は既に発見されているのだぞっ。」

「なければ作ればいいっ。これが我々【究極の小説】側の答えだっ!」そう言うと釜岡は目の前のテーブルに自作を叩きつけた。
 400字詰め原稿用紙10枚を埋めた短編小説だった。タイトルは『妖狐のヨーコちゃん』である。

 それを見て雄海が涙を流して大笑いする。「あの短時間でそんなに書いたのかっ? 彫琢も何もないっ! 読む前から駄作だっ!」

「いいから読んでみてくれ。」
0514この名無しがすごい!
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2021/03/15(月) 00:43:45.15ID:OaVpizMe
>>505☆お題→『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』

【究極の小説 vs 至高の小説(おわり)】

 それは一匹の美少女の妖狐が突然目の前に現れ、語り手である「私」をどこかへ導いて行くという内容であった。
 審査員たちはスラスラと読んだ。ほとんど読み飛ばすような速度で読みながら、胸山唐人がぷっと笑った。
「こりゃ面白いのう。妖狐ちゃんが可愛くて、どこまででもついて行きたくなるわい。」
 パークくんも目尻を下げながら、言う。
「まるでVRの中にどんどん入り込んで行くみたいネ。このままちゅいて行ったら仮想現実の世界に行っちゃいそう……。」
 そう言った瞬間、パークくんの姿がシュッとその場から消えたが、誰も気がつかなかった。

「フン。娯楽小説だな。こんなもの……。」と言いながら、読み進める雄海の目尻も下がりはじめる。

 小説は中途で終わっていた。完結していなかった。
 妖狐のヨーコちゃんが妖狐の世界への入口を差し、「さあ、一緒に行きましょ。」という場面で終わっており、物語はそこから始まるというところでぶつ切れになっているのだった。

 その結末に辿り着くと、胸山唐人は「あっ?」と声を上げ、シュッと音を立て、この世から消えた。

 釜岡が解説する。
「実はこの小説は、日本語で書いてあるように見えて、よく見るとお分かりになると思いますが、コンピュータープログラム言語で書かれています。」

「おっ?」と言いながら、極楽氏がシュッと音を立て、消えた。

「読んだ者を異世界に転移させるプログラムです。本物の妖狐の世界を是非、お楽しみください。」

「きゃっ?」と言いながら、ぷう子がシュッと音を立て、消えた。

「な……にっ……?」
 周りの異変に気づいた雄海は小説から目を離そうとした。しかし続きが気になり、目が離せない。
「どういうことだ、これはっ!? 活字を追う目が止まらないっ!」

「これが【究極の小説】だっ。」

 啖呵を切る釜岡の目の前で、雄海が異世界に体を引っ張られ、揺れはじめる。
「ううっ……? こんなことが……? こんなことがあっ……!」

「この小説なら誰でもが読めて、誰でもが楽しめ、誰もが異世界へ行けるっ。」釜岡は語った。「小説は限られた者だけのものではない筈だっ。俺の考える【究極の小説】がどういうものか、とくと味わうがいいっ。」

「うわああーーっ!」と叫び声を上げ、山原雄海の巨体がシュッと音を立て、消えた。

「ふん。思い知ったか。」
 店員も客も含めて全員がその小説を読んでしまい、誰もが異世界へ転移して行ってしまったマック○ナルドの店内に1人、釜岡は取り残されて、きょろきょろと頭を振ると、慌てて声を上げた。
「父さん!?」

 憎むべき尊大な父だった。しかしその父、山原雄海を失った今、釜岡はとんでもないほどの喪失感に襲われていた。

「父さん!? 父さあーんっ!!」

=================
文字数は5000字足らずなのですが、どうしても『改行が多すぎます』と蹴られるので4分割にしました。
0515この名無しがすごい!
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2021/03/15(月) 22:08:02.07ID:A3d2JeCA
>>511
まさかの対決物ですねw
某コ〇ックマスターは、人の感情を自在に操つる事の出来る完全漫画を描けたそうですが
こちらは次元の壁すら超えられるとはw

>>509
暇を持て余した神々の遊戯的なw
それでも最後はニャンダモの一声なのですね

>>508
感想、有り難うございます
短編の為に世界設定から入ると言う愚か者ですorz
ただ、世界の危機に1パーティーにだけ責任を負わせると言う世界観がどうも納得できず
暴走してしまいました
0516この名無しがすごい!
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2021/03/16(火) 01:55:55.73ID:9lZGlGGT
やっぱり作品が多いと、活気があるように見えますね

>>492
初めて? と思って読み返しましたが、前回はハヤトの家でした
普通にケンスケが負けたと思ったら、予想外の反撃が!
引き続き仲良しで何よりですw

※現スレだと、>>64>>178が前のお話ですね

>>496
まさかと言うか珍しくと言うか、久々の続き物!
と言うかおっさ、、おじさま!
異世界にあるまじき豊かな食生活ですが、特にふきのとうw
女っ気なしでも、これはこれでいいものです
0517この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/16(火) 01:56:16.86ID:9lZGlGGT
>>511
出題から2時間後にこれとは、、筆の速い作者様は他にもいらっしゃいましたけど、、これすごいなw
メインの2人wとか、究極と至高どっちだっけとか、パークさん日本語うまいなとか、色々ありますが
なんかすごかった! どっから出てきたこの話・・・

>>515
感想ありがとうございます、なるほどそういう解釈も
ネコミミ族的には、ニャンダモの言葉は絶対ですw
0518この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/16(火) 20:40:41.22ID:JzkP7OWg
>>495
>>516
感想ありがとうございます!
今回も懲りない姉弟のどうしようもないドタバタでしたw
姉が序盤階段から転げ落ちていましたが安心してください、大丈夫です(ギャグ補正ということで)
楽しんでいただけてすっごく嬉しいです!
0519この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/16(火) 21:05:30.52ID:JzkP7OWg
>>507
感想及びご指摘ありがとうございます。
このお話はスレ6の764【嗚呼、我が愛しい弟よ】から続く、姉弟のドタバタ日常を描いた基本一話完結スタイルのストーリーとなっています。
主人公は小学5年生の七尾カナミとその弟で3年生のケンスケ、宮坂ハヤトはカナミのクラスメートというのが大まかな設定です。
初めて読むと?な部分が多いので、最初から読むことをオススメします。

スレ6 764【嗚呼、我が愛しい弟よ】
スレ7 55【遠い帰り道】
スレ7 148【弟とチョコタルトを守れ!】
スレ7 266【クラスメートのハヤト】←ハヤト初登場回です
スレ7 295【留守番は怖いよ】
スレ7 387【弟は名探偵?】
スレ7 525【酔っ払ってしまった弟】
スレ7 668【狂気の爆走スクーター女】
スレ7 710【親友は大食い】
スレ7 761【弟の悩み】
スレ7 798【姉弟はいつでもラッキーセブン】
スレ7 828【ギャラクシーコップ】
スレ7 943【弟は靴下フェチ?】
スレ8 16【レンタルお姉ちゃん】
スレ8 104【姉弟の仁義なきドタバタバトル】
スレ8 196【懲りない親友】
スレ8 335【姉弟の仁義なきバトル再び?】
スレ8 394【受難な姉を救え】
スレ8 949【ズルはダメだよ】
本スレ>>64【雨宿り】
本スレ>>178【なんだか寂しい】

↑の以上がこれまでの話全てとなっております。基本ほのぼの日常劇ですが、
話によっては非日常っぷり炸裂でとにかく支離滅裂なのも多いのでご注意を(笑)
0520この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/16(火) 23:48:42.42ID:9lZGlGGT
現スレのはお勧めですけど、今からそれ全部はきっついですね・・・^^;
0522この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/17(水) 00:33:53.00ID:8H36KOfi
>>517
感想ありがとうございます!
実は今回は早い理由がありまして、なろうに投稿するつもりで半分ぐらい既に書いてあったものにお題を注入しただけなのです。
パロディー作品はなろうでは規約違反になると聞いたのですが、やはり美味しんぼのパロディーはやばいですよね?

>>515
ありがとうございます。
そのマンガ知らなかったので検索してみたらかなり好みな感じです。
0523この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/17(水) 00:39:27.36ID:8H36KOfi
>>519
なるほど。出来れば途中参加の者にも配慮した書き方をして貰えると助かります。

>>521
えー。貰えるのは賞品なの? お金じゃないの?
趣味というよりは書いてないと生きてられないから書いてるだけですが、それでも貰えるのが賞金じゃないとモチベ上がらんよねえ?
以前、当時2ちゃんねるのコンテストスレでも優勝者にホストが1000円の賞金出してたのに、ケチだなあ。っていうか何かお金出せない決まりがあるのかな。←無知
0524この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/17(水) 00:47:16.95ID:8H36KOfi
>>509
やはり春のまどろみに登場してほしいのは、ねこ耳の生えた何かとのたわいもない遊戯ですにゃー。
いい気分になれましたにゃー。
あっ。ちょうちょ。ちょうちょだ。
0525この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/17(水) 13:01:06.61ID:/oOnmCEx
>>522
えっ、パロディ禁止だっけ? と思って確認したった
禁止ではないです、危ない危ない

禁止なのは二次創作と、ガイドラインには明記されてないですけど、引用が危険
なろうは以前「にじファン」という二次創作サイトを運営してたんですが、なんか色々と面倒になったのか、サービス終了した過去があります

それはともかく、、それにしても早いですけど、、ここの作品は優先的に読むので、力作を回していただいてありがたいことではあります^^;

>>523
お金出ますよ(特設ページの一番下
カクヨムリワードのポイントなので、現金ではないですが
ただまぁ、、カクヨムユーザーなら参加することに意義がある、的な・・
0527この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/17(水) 19:56:45.76ID:B8I61tEb
>>516
感想有難うございます
このめ、たらのめ、わらび、ぜんまい、うどetc……
今更ながら山菜縛りでも良かったかと思いました
0528この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:02:59.79ID:Sy+ULOKt
>>505
お題:『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』

【かいだん】(1/3)
 『VRシアターパーク』と書かれた薄汚れた看板を見上げ、大野 義嗣はつまらなさそうに煙草を咥えた。

「大野さん、タバコは止めて下さいって言ったでしょ?」

 そう言って彼の煙草を奪い取った少女に、義嗣は剣呑な視線を送るが、少女……国光 朔夜はどこ吹く風とそれを受け流す。

「ソレもオレの商売道具なんだがねぇ」
「でも、駄目です。健康には良く有りませんので」
「拝み屋が健康なんざ気にしなきゃいけんとはなぁ……」

 眉を取り上がらせても尚、可憐と言う形容詞の似合う朔夜の表情に、根負けしたかの様に義嗣は視線を逸らすと、気を取り直すかの様に再び“かつての夢の跡”へと視線を動かす。

 数年前のヴァーチャルリアリティー全盛時にこぞって作られた体験型シアターの一つが目の前に有る建物であった。

「盛者必衰、諸行無常だねぇ」

 既に朽ちつつある建物に、義嗣がそう呟く。

「当時は『新技術だ!』『最先端だ!!』って持て囃されましたからねぇ」
「……まぁ、仕事だ、とっとと掛ろう」
「ですね」
0529この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:04:29.49ID:Sy+ULOKt
【かいだん】(2/3)


 ******

 一部崩れ去った壁などは、解体工事の名残だろう。ひどく中途半端に工事が中断した様子がありありと見て取れ、だが、その中段理由こそが義嗣たちへとオファーが来た原因でもあった。

「これは……」
「大野さん!」
「朔夜くん、【兎歩】で、結界を」
「わかりました!!」

 義嗣に言われ、朔夜が【場】の浄化を促す歩行を開始する。と、開始と同時に変化が起こる。

『苦し……い……』
『熱……い……』
『水を……誰……か……』

 そこかしこから囁く様な声と、薄ぼんやりとした霧の様な物が現れ始めると、それらは次第に数を増し、それに伴い、その存在感も怨嗟の声も増して行く。

「……かつての仮想現実のテーマパークで、幻聴と幻覚……ね、それなりにシャレは効いてるかな?」
「言ってる場合ですか!?」

 朔夜が兎歩による結界を引き終わった頃には、既に二人は蠢く靄の群れに取り囲まれていた。その靄の中に恨み辛みに歪んだ苦し気な顔が浮かび、見ているだけで背筋が凍りそうな気がした。
 その靄たちは、先程から結界を破ろうとしてか、幾度と無く体当たりを繰り返し、未だ未熟な自分の結界が何時破られるかと、朔夜は気が気ではない。

「ふうん? 雑霊を引き寄せて使役してるのか? この辺に『いわく』なんてもんは無かったはずだが」

 だが、そんな朔夜とは反対に、彼女の師匠である義嗣は、別の事に気を取られているらしかった。
 そんな事をしている間にも靄の怨嗟の声と体当たりは勢いを増して行っている。
 朔夜にした所で、これ程の“怨霊”に囲まれたのは初めての事であり、こう言った『除霊』に失敗した者の末路を目にする事も有った為、z比審の末路を想像し、内心涙目と成っていた。

「面白いな……こう言うアプローチの仕方も……」
「ちょ、大野さん! 大野さん!! 師匠おぉ!!!!」
「ん? 何だい? 朔夜くん」
「これ! これっ!!」
「ああ……」

 周囲に無数に蠢く“怨霊”に、義嗣が視線をやる。

「ふむ、もう少し出方を見たかったんだが、どうやら脅すだけの様だから、もう良いか」

 そう言うと、義嗣は無造作に結界から足を踏み出す。それに驚いたのは朔夜の方である。

「ちょ、師匠!!」
「朔夜くん、落ち着きなさい、“これ”は幻だ」
「幻って……」
0530この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:05:18.01ID:Sy+ULOKt
【かいだん】(3/3)


 どう見てもそうとは見えない怨霊の姿に朔夜が混乱する。そんな“弟子”の姿に、義嗣は苦笑すると、懐から煙草を取り出し、それをくゆらせた。
 紫煙が立ち込め、しかしそれは次第にその色を濃ゆくする。

「こは、境界、彼岸と現の橋渡しをいたしましょう。我、大野 義嗣が請い願う。願わくば、この末路わぬ魂に、涅槃への旅路を……」

 そう義嗣が詞うと同時に、紫煙の中心に紫色の光が灯り、それが次第に拡大して行く。

「さあ、今宵は私が水先案内人となりましょう。惑わず、迷わず、お逝きなさい」

 そうして一際、紫光が眩く輝いたと思うと、その一瞬の跡、全ての怨霊は消え去っていた。

「え? あの数の霊を送ったんですか?」
「……だから、幻だと言っただろう?」

 ポカンとする朔夜を横目に義嗣が苦笑する。そうして、壁際まで行くと、そこに蹲った。

「えっと、師しょ……大野さん、何を?」

 先程取り乱した事がバツが悪かったのか、顔を赤くしながら朔夜が義嗣の肩越しに彼の手元を覗き込む。
 そこには、気を失っているらしい子狐が居た。

 ******

「野狐じゃ無いな、妖狐だろう」
「妖狐……ですか」

 古びたバンを運転する義嗣の隣の助手席で、朔夜が自身の膝の上で眠る子狐を見る。

「ああ、お前が悪霊だと勘違いしたアレな、雑霊をコアにして、幻惑で悪霊に見せかけた幻だったんだよ。頭良いよな、コイツ」
「……」

 クツクツと笑う義嗣とは対照的に、朔夜が表情を歪めた。要は彼女はまんまと騙された訳だ。

「まぁ、何にせよ、依頼は完了だ。かえってゆっくり寝るぞ」

 そう言う義嗣に、朔夜がジト目を送る。

「ダメですよ、先に報告書を書いちゃってください」
「えー」
「『えー』ではなく」

 どうあっても引かなさそうな朔夜に、義嗣はガックリと項垂れるしかなかったのだった。
0532三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/21(日) 22:09:58.19ID:Hh817GOY
お題→『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』締切

【参加作品一覧】
>>511【究極の小説 vs 至高の小説】
>>528【かいだん】
0533三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/21(日) 22:11:40.00ID:Hh817GOY
では、通常お題5つでお願いしますー

お題安価>>534-537
0534この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:12:44.87ID:9c7DoE7T
船団
0536この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:13:22.89ID:K49Wj7wh
ケチャップ
0537この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:16:11.19ID:iLPj1lne
戦車
0538三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/21(日) 22:19:06.58ID:Hh817GOY
☆お題→『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→3/28の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0539三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/03/21(日) 22:21:46.44ID:Hh817GOY
えっ、今回も不自然なくらい早いね・・・
ともかく、お題、作品、感想など、ありがとうございます
引き続きお題スレをよろしくー
0540この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/21(日) 22:50:28.84ID:Hh817GOY
>>528
手堅く得意でまとめてきた感じですねー、お題もうまく取り入れられてる
ウホッ、、うほって初めて知った
以前の道具屋店主とはまた別人ですが、こちらはこちらで作者らしい感じですw
0541この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/22(月) 18:44:58.28ID:x/LvznqD
>>530
子狐が足を天に投げ出してコテンと倒れてるの想像してかわいいーと声が出てしまいました。
悪い子ほどかわいいーって、ほんまやなあ。
0543この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/22(月) 21:12:54.95ID:WhYODark
>>542
メイド物のTRPGのマスターをやる為にメイド喫茶に入り浸った日々を思い出しましたw
相手の事を理解したと思ったのに、しかし、想いはすれ違う切なさ
そう言えば『互いの全てを知り尽すまでが愛だと言うのなら〜』とかって歌詞がありましたね

>>540
感想有難うございます
向こうは祓い屋ですが、こっちは拝み屋ですので……
祓い屋は原因を解明し、付き物を落とす訳ですが、拝み屋は問答無用でぶっ飛ばして調伏してしまいますw

>>541
感想をいただき有難うございます
子狐に見えても妖怪ですので、おそらくきっと『のじゃロリ』でしょうw
0544この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/23(火) 13:51:26.88ID:UL0khoPf
どういうTRPGなんそれ、、っていうw

>>542
キーワードに『お題スレ投稿作品』を設定してください
ルールなので、、あと検索に便利なのです
前書き後書きは別にルールではないので、自由にしていただいて大丈夫ですw

何がシンプルなんやろ、、と思ってたら、最初普通だったのが後半急激に純文学の叙情的な世界になった
個人的な感覚だと、途中もう少し軽い方が普通のバランスかとは思うんですが
夢の途中で夢から覚めてしまったような、一瞬の出会いと別れ・・・
0546この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/23(火) 18:08:48.37ID:ZugFg1t6
>>543
感想ありがとうございます。
実は私、メイド喫茶に行ったことがありません。
行ってみたいなあ。でも気恥ずかしさに固まっちゃいそうだなあ。

>>544
感想ありがとうございます。
とりあえず気持ちの悪いものが書きたくて、書きました。
はい、その気持ち悪いやつは私です\(^-^)/
0547この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/27(土) 12:24:46.94ID:rUPqxU6A
>>538
☆お題→『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』

【想像】

やられる人には・・・さんを聞こえないようにしてると言われてる
実は中の回線に入って攻撃してもあまり意味がないらしい
何故聞こえるかって?休んでたんですよね?その時かな?
でも別にいい気はしないというか、あそこから変なのが邪魔
してくるし、具体的に何も知ることはないし、あそこが回線に
入ってきてウソばかりつくし
それは今までの的外れな文章で分かると思うけど

そして驚くことに純粋に会話してると思ったら大間違い
NGワードなどは削除されたり、他のセリフがくっつけられたり
マスキングされたり
この前、ずっと言い続けてた単語が全部伝わってなかったのに
気付いたのは驚いた
よほど私には・・・さんを聞かせたくなかったのだろうね

普通の人はたまに聞こえてくる中の声はあそこの回線で
上記の通り情報操作はやりたい放題
そしてさらに驚くことに快適な空気が流されてると言われている

っていうのはウソだと思う
快適な空気を流されてるのはあそこの人たち
すなわち神から目線
でも、なんか怪しいんだよね
空気を調整して何かしてるのではないか?
という疑問が沸いている
だって、神から目線もすぐに出来るから

至高のご時世
なんでああいうことするんだろう?
て思うことが多々あるけど?
聞こえてない人をそそのかしてる?
判断に苦しむけど
そそのかしてるのは事実
でもこれ勝手な想像です
0549この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/27(土) 16:17:43.22ID:lmjJpI/T
>>538
☆お題→『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』

【弱虫のひとりごと】

船が港を出て行くのが見えた。
団地の屋上から私はそれを見送りながら、タバコをケータイ灰皿に揉み消した。

一日遅かったな、と思いながら私は別に後悔してはいなかった。
筆下ろしは結局叶わなかった。
書かれずに終わった恋を、私は完成することのなかったシナリオとして、自分の頭の中だけにとどめることにする。
きれいだった。ただ、きれいだった、彼女は。きれいなまま、終わった。

ケータイ灰皿をジャンパーのポケットにしまうと、屋上を離れた。
チャックを閉めた、もちろんズボンのではなく、ジャンパーのだ。春とはいえ夜風は寒かったので。
プールのある屋上だった。青いコンクリートの中には水がなく、そのことがよけいに寒々しい気がした。

戦わずして生きて行くほか、ないのだ。
車に乗り込んだ弱虫がひとりごちた。
0551この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/27(土) 19:55:06.79ID:lmjJpI/T
>>550
>>547をあちこち隈なく縦読みして、斜め読みもして、どこにもお題が見当たらない悔しさに自分で書いちゃった。(。´Д⊂)
ケチャップのちっちゃい『ャ』と『ッ』がどうしても縦にできなかった。・゜・(ノД`)・゜・。
0552この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/28(日) 01:43:47.92ID:Ew1yJaMW
>>505
前回お題作品、締め切りに間に合いませんでしたので、供養枠で失礼します

使用お題→『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』

【機知に富んだ艦長ドン・タローテ】(1/4)

 遠く銀河の果て、音のない世界。無限の闇に浮かぶ、一隻の宇宙船。
「タローテ様、あ、いえ、船長。お久しゅうございます」
 そこに一人の。
「ハチベックスよ。船長ではない。この船は軍艦である。艦長と呼べ、艦長と」
 艦長がいた。
「何を言っているでございますか。このぽんこつ貨物船の、一体全体どこが軍艦ですか」
「ピピッ、イマナンテ?」
 ここは宇宙船『イマナンテ』のブリッジである。広い部屋には様々な計器が並び、艦載コンピュータである『イマナンテ』のメイン端末もここにある。
「お前も変わったな、ハチベックス。二人で犯罪者どもを追い回した、あの輝かしい日々は戻らぬのか」
 いかにも艦長っぽい黒のコートに身を包んだ、しかしながら、どことなく頼りない細身の男。
 艦長の『ドン・タローテ』である。
「まだそんなことを言って。タローテ様は変わらないでございますね」
 全身がなんとなく赤っぽい小柄な彼女。水先案内のために乗り込んできた『ハチベックス・ヤギュー』。
 二人は旧知の仲である。
 元は中古の宇宙戦艦であったイマナンテを、貨物船に改装した。
 ドン・タローテは艦長で、ハチベックスは副艦長である。
 運送業の傍ら、艦の戦闘能力を生かして、賞金首を狙う――――
「やはり地元に戻って就職したのは正解でございました」
 常識的に考えて。やる気満々で武装しているところに、賞金首でなくとも、のこのこと出ていく者などいない。
「タローテ様も、早く賞金稼ぎなどからは足を洗って、真面目に働いた方がいいでございますよ」
 運送業の収入だけでは、武器の維持費には足りず。
 さりとて戦うための装備を減らしてしまうと、賊に勝てず。
 金の切れ目が縁の切れ目である。
「ふっ、なんとでも言うが良い。だがハチベックスよ、もし俺が一山当てても、お前にはやらん」

 *

 ハチベックスは、イマナンテのメインエンジンを起動させた。
 パーキング状態で静止していた巨体が、ゆっくりと移動を開始する。
「変わらないと言えば、このブリッジも……いえ、最後に見た時よりも白くなっているでございますよ」
 さっきはスルーしたが、にぎやかに飾り付けられた室内である。静まり返った艦内で、ここだけ異様な空間だ。
「ハチベックスよ、お前も知っておろう。艦長とは孤独なのだ。長い旅の間、話し相手の一人もいない」
 壁にはポスターやらアパレルやら。計器類の間にはフィギュアやら小物やら。
「こうでもしないと気が狂ってしまう」
 本当は、とっくの昔に気が狂っているのだが。
「予算の範囲内で買い集めているのだ。これは艦長に課せられた義務でもある」
 言ってグッズの一つを手に立ち上がる。
「一番新しいのはこれだ。白いキツネコスのハクアたん!」
 『<銀河系☆アイドル>エリミヤ・ハクア』。ドン・タローテは彼女の大ファンである。室内のグッズは、すべて彼女のものだ。
「実はな、ハチベックス。これからハクアたんのVRライブなのだ」
 きらきらと目を輝かせて、告げる。
「あのタローテ様」
「俺は行かねばならん。他の者であれば任せきりにもできぬであろうが、お前なら安心だ。うむ、イマナンテもそう言っておる」
「ピピッ、イマナンテ?」
「いえあのタローテ様」
「この日のために、機材も通信環境も整えたのだ。おお、聞こえるぞ、ハチベックスよ。呼んでいる。ハクアたんが俺を呼んでいる!」
 ドン・タローテは部屋の隅へと向かった。そこだけ荷物が片付けられており、少々動き回っても安全だろうと思われるくらいの空間が設けられている。
 その中央で、彼は直立すると同時に顔だけ振り向けて、ハチベックスと目を合わせると、いかにも落ち着き払った様子で、敬礼をしてみせた。
「そういうわけだ。頼んだぞハチベックス!」
 言い置いて、彼はVRゴーグルを装着した。ドン・タローテの、仮想空間のライブ会場への旅立ちである。
「タローテ様! タローテ様!! もう!」
0553この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/28(日) 01:44:17.51ID:Ew1yJaMW
【機知に富んだ艦長ドン・タローテ】(2/4)

 かつて、宇宙戦争があった。
「まったく……仕方のないお方でございます。最近は、この辺りでも宇宙海賊が出没して、片時も気が抜けないというのに……」
 過去の戦闘の影響で、この宙域には、デブリや小惑星の破片など、航行の障害となるものが数多く漂っている。
「ハクアたーん! ハ、ハーッ、ハアアーッ!! はあーっ!!」
 ドン・タローテは、愚痴をこぼすハチベックスをよそに、何やら一人で騒いでいる。
「やれやれでございますよ……。ヘイ、イマナンテ。周囲に敵影は?」
「ピピッ、イマナンテ?」
 ハチベックスは自分でレーダーの画面を確認した。
「このぼろ船、どうも映りが悪いでございますよ……」
「ピピッ、イマナンテ?」
 計器が当てにならないので、ハチベックスは、目視で操縦することにした。
「ハクアたん! ハクアたん! ハクアたん! ハクアたんぅぅうううわぁああああ――――」
 ドン・タローテの叫び声は、はっきり言って、甚だ操縦の邪魔であった。
「――――っこらハクアたん!! こんこん――――」
 無数の岩石を器用によけて、空母のようなイマナンテの更に何倍もあろうかという大きな宇宙船の残骸を横目に、当時はバリケードとして設置されたのであろう、色々ながらくたの間を進む。
「はあああああああああああああくあああああああああああああたん――――」
「なんだかんだで呼び捨てにはしないのでございますね……」
 ここら一帯は、ハチベックスに取っては庭のようなものである。だから油断があった、などと、彼女を責めることはできまい。
 そのくらいドン・タローテはうるさかったし、目視のみで飛行することには難しさがあった。
「ピピピッ、ツウシンヨウセイ」
「ふむ。この忙しい時に、誰でございましょうか」
 ハチベックスは通話に応じた。すぐに相手の映像が表示される。
『モリモリ、そこの船、止ま――モリ!』
 この時代には珍しいことだが、ビデオ通話の映像は不鮮明で、音声は途切れ途切れであった。
「あの、申し訳ございません。何を言っているのか聞き取れないでございます」
『モリ――――ケ宇宙軍だモ――! お前たちは――――モリ! 投降――リ――♪』
 ブロックノイズだらけの画面の中で、○ー○ーみたいな全身毛むくじゃらの怪人が、かくかくと動き回る。緑の残像は、彼の体毛の色である。
「何を言っているのか全然分からないでございますよ」
 口ではそう言いつつも、ハチベックスは、この怪人に見覚えがあった。
「ハクアたんかわいいいいいいいい――――」
『モリモ――? よく――――ば、お前たち――――があ――リ』
 ハチベックスは、イマナンテのメインエンジンを停止させた。
 今や艦は何隻もの緑色の宇宙船に取り囲まれていた。
 浮遊物の陰から、艦の死角から、宇宙空間の暗闇から、それらは突然にじみ出てきたのだ。
「ヘイ、イマナンテ。遭難信号を」
「ピピッ、イマナンテ?」
 ハチベックスは自分で発信装置のスイッチを入れた。
 原因不明の劣悪な通信状況で、周囲に障害物も多い中、果たして信号が届くのかという不安もあった。
 さりとて何もしないわけには行かなかったし、これは定められた手順でもあった。
「クンカクンカしたいお! ハクアたんクンカクンカし――――」

 *

 怪人の言葉は分からなかったが、ハチベックスは、艦の置かれた状況を正確に把握していた。
 海賊たちに対して抵抗はしなかった。それはハチベックスの仕事ではなかったし、彼女は現在の艦の武装について知らされていなかった。
 モリの一味は、いきなり艦内に乗り込んでくることはせず、ただ、『――パーキャ――ワイヤーだモリ!』でイマナンテを固定すると、どこかへ移動を始めた。
「どこへ連れていかれるのでございましょうか……」
 やがて、漂うごみの向こうに、それは姿を現した。
「クンカクンカできない! ハクアたんクンカクンカでき――――…………あれ?」
 その時、ドン・タローテがVRゴーグルを外した。
「タローテ様?」
 彼は言った。
「ハチベックスよ、お前もハクアたんの歌を聴くのだ」
 これを聞いたハチベックスの頭上には、特大の疑問符が浮かんだ。
 ドン・タローテはしばらくぼんやりとしていたが、やがて再び口を開いた。
「通信が切れてしまったのだ。絶対に切れるはずのない通信が、切れてしまった」
 ドン・タローテが抜け殻となる一方、元気百倍となって声を上げる者がいた。
『モリモリモ……モリッ! よく見えるようになったモリ! 電波の状態が回復したモリー』
0554この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/28(日) 01:44:56.30ID:Ew1yJaMW
【機知に富んだ艦長ドン・タローテ】(3/4)

 怪人の耳障りな声は、ドン・タローテをにわかに現実へと引き戻した。
 それは同時に、ビデオ通話のあちら側とこちら側で、疑念が確信へと変化した瞬間でもあった。
「おっ、お前は……! 生きておったか犯罪者。まさか……」
『モリー!! その貧相な顔見忘れぬモリ! お前は……お前は……あの時の賞金稼ぎの小僧だモリ!』
 怪人の名は『カズキ・スバモリ』。かつて銀河中を荒らし回った海賊団の首領であった。
「……まさか、ハクアたんクンカクンカできないのは、通信が途切れてしまったのは、お前が原因か……!」
『モリモリ。相変わらず頭がおかしいモリ。ここで会ったが百年目だモリー』
 ドン・タローテとハチベックスは、当時のイマナンテの大火力に任せて敵の本拠地を襲撃した。それ以来、この怪人は行方不明となっていた。
「ふっ、百年目だと? 年数の計算すらできぬとは、耄碌(もうろく)したものだ」
 もちろん耄碌しているのはドン・タローテである。
「だが俺も人のことは言えぬ。あの、ナントカヒルコ、だったかな、忘れてしまったが。あれの燃え上がる様だけは、はっきりと覚えているのだが」
 敵の母艦のことである。
『モリモリモリ、あれは所詮中古のぼろ船だったモリ』
「ピピッ、イマナンテ?」
『モリは新しい物件に引っ越したモリ。さっきから見えているあれが、モリの新しいおうちだモリー』
 それは彼らの眼前で、無視することのできない存在感を放っていた。
 闇を背にして浮かぶ球体。
 それは巨大な、あまりにも巨大な、緑色の毛玉。
「あっ、あれは一体なんでございますか……!」
『小惑星を改造した宇宙要塞だモリ。「<モリちゃんずの軌道ハウス>モリ♯スター」だモリー! 緑の毛で電磁波を吸収するモリ。ステルスだモリー』
 怪人は得意になって続けた。
『あそこに着いたら、まずは積み荷を降ろすモリ。船はスクラップだモリ」
「ピピッ、イマナンテ!?」
「乗員は、積年の恨みだモリ! へけっ、ミニスカートの制服で強制労働なのだモリー!』
「それはまた随分と強引な罰ゲームでございますね……」
 ハチベックスは困惑することしきりであった。
 片やドン・タローテは。
「ふっ、積年の恨みだと……? ふふふふ……ふははっ……ふははははっ!」
『モリモリ。ますます頭がおかしくなったモリ』
 ドン・タローテは、本当に楽しそうに笑っていた。ひとしきり笑うと、一転、不敵な表情を浮かべて、画面の向こうに立つ怪人を見据えた。
「モリよ……『<ハクアたんの忠実なるしもべ>ドン・タローテ』をなめるでない……」
『モッ、モリモリ』
「『積年の恨み』などど……笑わせる。俺の怒り、いや、ハクアたんの偉大さの前には、お前の恨みなど一ミクロンほどの価値もない……」
 要するに、ドン・タローテは、VRライブが途中で切断されたことを怒っているのだった。
「事ここに至っては、伝家のブレードを抜くこと、是非に及ばず……」
 そう言いながら、ドン・タローテは、ブリッジを埋めるグッズの一部を片付け始めた。
 グッズをどけると、そこにはボタンが三つあった。
 黄金のボタン。
 銀のボタン。
 普通のボタン。
「こっ、これは何をするボタンでございますか……!」
 ハチベックスが、外連味(けれんみ)たっぷりに合いの手を入れた。
「ふっ、見ているが良い、ハチベックスよ。ヘイ、イマナンテ! チェンジ、ロボットモード!」
「ピピッ、イマナンテ?」
 ドン・タローテは、知っていたとばかりに、黄金のボタンを押した。
「ピッ。モードセンタク、ロボットモード。アクティベート」
 イマナンテが変形を始めた。
「なんかどこかで見たような……でございますね……」
「これがイマナンテのロボットモード、マキシマムニャンダ――」
「は? いい加減しつこいでございますよ」
 ハチベックスがあまりにも冷たく言い放ったので、ドン・タローテはとってもびっくりした。彼は普通のボタンを押した。
「ピッ。モードセンタク、ドラゴンモード。アクティベート」
 イマナンテの船首が、ドラゴンの顔のような形に変形した。
「イマ……ナンテー!!」
「ヘイ、イマナンテ! ドラゴン・ノーズ・ブレスだ! 目標、緑の毛玉!!」
「イマナンテー!!」
 強烈な鼻息が噴射された。軌道ハウスを覆っていた緑のもふもふは、銀河の果てまで飛ばされていった。
0555この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 01:45:23.45ID:Ew1yJaMW
【機知に富んだ艦長ドン・タローテ】(4/4)

 だが、これで終わりではなかった。
「あれは……なんだ?」
『モリモリモリモリモリ! モリは負けないモリ!』
 毛のなくなった小惑星の地表には、恐るべき光景が広がっていた。
「あれは……ワーム……みんな大好き、大きな口に沢山の牙が並ぶ、キモ過ぎる危険生物でございますよ!」
 数え切れないほどのワームたちが、灰色の岩盤の上をうごめいていた。
『土壌改良のために使ってるモリ。だがそれだけではないモリ! オーダー∞(インフィニット)だモリ! 持てる質量すべてを燃やし、こいつらを消し炭にするモリ!!』
 ワームたちが一斉にこちらを向いた。無数に並んだ円形の口が、赤々と輝き始める。
「タローテ様、これはさすがにまずいでございますよ! どうするでございますか!?」
 さしものハチベックスも、これには肝を潰した。だが、ドン・タローテは動じない。
「覚えているか、ハチベックスよ」
「いいえ、記憶にないでございます」
「ヘイ、イマナンテ! あの録音テープを」
「ピピッ、イマナンテ?」
「もちろん覚えているでございますよ」
 それは遠い昔の、二人とイマナンテだけの誓いだった。内容は秘密なので、ここでは触れない。
「それがどうしたでございますか?」
「ふっ、特に意味はない。……ハチベックスよ、これで少しは落ち着いたか?」
 ハチベックスは白けた顔をした。ドン・タローテは、ごまかすように叫んだ。
「しっぽの星、再起動! 給電モードへ移行! ヘイ、イマナンテ! 受電モードだ! 主砲開放せよ!!」
 言いながらドン・タローテは、ほとんどすべてを自分で操作した。
 宇宙空間のどこからか、九本のガイドレーザーが照射された。イマナンテの側面にせり出してきた受電装置が、その信号を受け止めた。同期が完了すると、ものすごい出力の電波が送られてきた。
『そっ、――は、――キャノンかモリ!』
「その通りだ! アルティメット・ナインテイル・ドラゴンブレス・キャノン!」
「ピピピッ、ウテマス」
「うおおおおおおおお!」
『モリモリモリモリモリモリ!』
 ドン・タローテと怪人は、二人で勝手に盛り上がっていた。
 今、正に、すごいビームが発射されようという、その時。
『はーい、そこまでですー』
 優しげな女の声がした。
「今の声は……うわっ、なんか一杯ワープしてきたでございますよ! すごい無茶をするでございますね」
 何隻もの宇宙船が、小惑星やイマナンテを包囲するように、突然どかどかと出現した。
『無茶はそっちですー。こんなところでー、そんな兵器を使われたらー、この宙域がめちゃくちゃになってしまいますー』
 出現したのは宇宙警察の艦隊で、女は提督である。物理的に光り輝くすごい美人で、ドン・タローテやハチベックスとは顔見知りであった。
『まずはー、全員逮捕ですー』

 *

 真相は次のようなことであった。
 ドン・タローテは、ハクアたんのVRライブに必ず参加するため、違法な出力の電波を発信するブースター衛星、『しっぽの星』を九基も使用していた。怪人との交信が不調だったのは、このためである。
 VRライブの通信が途絶したのは、海賊の本拠地の周辺が、電波障害を引き起こしやすい環境になっていたからであった。これはもちろん、本拠地を隠すためである。
 大出力の通信が止まったため、狭い範囲で弱い電波を使用する、通常のビデオ通話が復活した。
 最後はイマナンテの鼻息で、色々なものが吹き飛ばされた。それで、『しっぽの星』との接続も、遭難信号も、すべてが万全の状態になった。
 宇宙警察は、犯罪者たちの居場所を特定し、大急ぎで駆け付けた。

 *

 ドン・タローテとハチベックスは、程なくして開放された。
 海賊たちに賭けられていた懸賞金は、一部が支払われたものの、大部分は宇宙警察に取り上げられてしまった。
 とは言え、残った分も、それなりの金額にはなった。
「ハチベックスよ、やはりお前は優秀な副艦長だ。俺と一緒に来ないか」
「それは困りますー。ハチベックスさんはー、優秀な水先案内人であると伺っておりますー。宇宙警察にスカウトしたいくらいですー」
 今、ハチベックスは、人生の岐路に立たされていた。
「ハチベックスよ、がっぽがっぽだ」
「ハチベックスさん、安定ですよー」
「わっ、わたくしは……」
 夢か、現実か。お金か、生活か。彼女はどちらを選ぶのであろうか――――
0557この名無しがすごい!
垢版 |
2021/03/28(日) 22:01:05.36ID:qc7rMkPD
>>538

【機構世界の戦車乗】
 五階建ては有りそうな巨大な構造物が、まるで列車の様に連なりながら砂埃を上げ疾走する。個人用武装戦車のコクピットで、上村 凪は何の感慨も無く、その光景をホットドックをモゴモゴと咥えながら見つめていた。
 8両のグランドシップを中心に、武装した装甲車や戦車、改造バギーや武装バイクが、列を成して進んで行く様は、あたかも小さな都市がそのまま移動しているかの様に思える。
 この物々しい集団こそが、都市国家間を移動する武装船団であった。

『マスター、警戒はワタクシが行っているにしても、依頼の最中に気を抜き過ぎではないですか?』

 コクピットに響く合成音声に凪が気怠そうに視線を動かす。
 空中に投影されたデスプレイの中には、“ワタクシ怒ってますよ”と言うポーズの、アンドロイドの姿が映っている。
 凪の相棒でもある、メイドロイドのスターシャだ。

「大丈夫だよスターシャ。敵が襲ってきたら真面目にやる」
『警戒も依頼の内です。こっちも真面目にやってください』
「人間、アンドロイドと違って、集中力が継続できる時間は長くないんだよ、四六時中気を張ってたら、肝心な時にバテちまう」

 手元に垂れて来たケチャップを舐め取りながら凪が言う。そんな彼を見て、スターシャが嘆息した。
 実際、アマルガムの街を出発してからのこの3日、武装盗賊団どころか野生のクリーチャーの襲撃すらなかった。
 今回の武装船団の規模は、過去最高と言う事も有り、その護衛の数も桁違いではある。
 だからこそ、下手な盗賊やクリーチャーも手出しができないと言う事も有るのだろうが、逆に考えればそれ相応の自信か強さの有る敵であれば襲って来ると言う事でもある。

「まぁ、ドラグーン級のクリーチャーか、都市国家を敵にまわす様なテロリスト集団でも無けりゃ、こんな大規模の武装船団は押さって来ないだろう?」

 カカカと笑う凪の言葉に、スターシャが『それ、フラグですよ?』と呟いた、その時だった。

 パーーーーーーーン。

 乾いた火薬の音が響くと共に、最前列のグランドシップから信号弾が発射されたのだ。
 一筆書きの様な信号弾の軌道から、相手が陸竜と呼ばれる、いわゆるドラグーン級のクリーチャーで有る事が読み取れた。

『だから言ったじゃないですか……』
「これ、俺の所為か!?」

 とは言え、契約上、迎撃をしなければ成らない。
 凪はアクセルを踏み込むと、自らの個人用武装戦車を先頭車両の方へと加速させたのだった。
0558この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:02:51.46ID:qc7rMkPD
ごめんなさい
お題は『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』です
ギリギリな上中途半端でしたorz
0559三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/28(日) 22:11:03.62ID:Ew1yJaMW
お題→『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』締切

【参加作品一覧】
>>542【シンプル】
>>549【弱虫のひとりごと】
>>557【機構世界の戦車乗】
0560三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/28(日) 22:12:44.50ID:Ew1yJaMW
では今回も通常お題4つですー

お題安価>>561-564
0561この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:13:57.40ID:wOSsewI5
仙狐
0565この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:15:10.03ID:bdVwIaTm
ペロペロキャンディー
0567この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:16:48.31ID:bdVwIaTm
チクショー!
乗り遅れてしまった!
0568三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/03/28(日) 22:17:11.00ID:Ew1yJaMW
☆お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→4/4の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0569この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:19:04.65ID:Ew1yJaMW
ね、どうなってんだこりゃ
ちょっと迷ったけど、今回は5つではなく4つで通します

今週も引き続きお題スレをよろしく
0572この名無しがすごい!
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2021/03/28(日) 22:49:57.55ID:Ew1yJaMW
まー集まらないよりは、やっぱり進行は楽になるので助かる

>>557
まぁ言いつつちゃんとまとまってますが><
冒頭、五階建て=グランドシップだと思いますが、ちょっと分かりにくかった
戦闘シーンまで進めずですが、しかし用心棒はなかなか楽ができないものですねw
0573この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 01:19:49.23ID:EeloasKE
>>568
☆お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ(1)】

「こんにちは、お嬢ちゃん。ペロペロキャンディーあげよっか?」
 そう言って話しかけて来た知らないおじさんを無視した昔のことがなぜか強く記憶に残っている。毛むくじゃらの太い手が、怖かった。
 確か小学校四年生の時だった。林間学校から帰って間もなくのことだったのでよく覚えている。
 知らないおじさんとは言っても怪しい人ではなかった。私の父が請け負っている架橋工事にやって来た人夫だった。人夫なんて言葉、今の時代に使っても怒られないか知らないけど、彼らの仕事を表す言葉を私は未だにそれしか知らない。
 昔、といっても小学校四年生の頃だから、まだ5年前のことだ。
 私は中学生になった。父の手掛ける橋はまだ完成していない。

 一樹はあの時3歳だったということになる。
 あの頃から笑顔の可愛い子だった。

 私の家には今でも毎日のように人夫の男達がやって来て、朝から晩までごはんを一緒に食べる。
 中学生になると昔のようには彼らも私を構おうとはしなくなった。子供の頃はおじさん達は皆、私と遊ぼうとしてくれて、反応の悪い私にポリポリと頭を掻いていたものだ。
 可愛げのない子供だと思われていたことだろう。今は『反抗期』という言葉で済ませるから楽ではある。

 私は人夫のおじさん達とは決して遊ばず、隣の家の一樹とばかり遊んだ。
 一樹は私と違ってとても愛想のいい子供だったし、今ではさらに笑顔の気持ちいい8歳の少年になったので、おじさん達からもとても可愛がられていた。
 毎年入れ替わりにやって来る、毎年顔ぶれの違うおじさん達に一樹は可愛がられ、私はそっと放っておかれた。

「ねねちゃん、待ってよう」
 そう言いながら後をついて岩を登って来る一樹。これを始めた1年前よりはついて来られるようになったけど、まだまだ私のほうが速い。もうあと5年もしたら抜かれるかな、と思いながら私は得意顔で立ち止まり、待ってやる。
 岩の上に登ると島の全貌が見渡せる。危険だからやめるようにと大人達からは言われていたが、やめられなかった。
 打ち寄せる白い波を遠くに見下ろしながら、岩の上に並んで座って一樹と持って来たおやつを交換するのが何よりの楽しみだ。というよりこんな孤島みたいなところではこんなことしか楽しみがない。
 巨大な柱が島の真ん中に聳え立っている。その上に乗っかる橋の鉄骨にはもうかなり肉がついている。

 昔は私が持って来たおやつを一樹に分けてあげていたが、今では一樹も持参するようになった。
「今日も杏仁豆腐?」と一樹が言う。
「もちろん」と、私はプラスチック容器に貼られたビニールの蓋をはがし、持って来たプラスチックスプーンのひとつを一樹に渡す。
 一樹が持って来たチョコレートと杏仁豆腐を交互に食べた。
「ねねちゃん、どうして人夫のおっちゃん達と仲良くしないんだよ?」と、一樹が私に聞いた。
「なんとなく」とだけ私は答えた。実際、自分でもなぜかはわからなかった。

 家に帰ると新しい人が二人、島にやって来ていた。
 私はそのうち一人に興味をもち、一人には理由の知れない恐怖を覚えた。
「こちら工事の依頼元のお偉いさんのお嬢さんの沙紀ちゃんだ。高校二年生だそうだから、寧々の三つ上だな」
 お父さんの紹介を受けると柄のワンピースを着た人懐っこそうなお姉さんが、白い鍔広帽子の下で白い歯を見せて笑った。
「君がねねちゃんかー。わー、可愛いねー」
 沙紀さんは私の名前を気安く呼ぶと、両手でぶんぶんと握手をして来た。都会的な匂いがする人で、なんだか私の知らない世界から来たみたいな人で、私は珍しく他人に興味をもった。
 もう一人は20歳代後半くらいの男の人だった。彼の目つきには私は寒気を覚えた。
「こっちは坂本くん。明日から工事に入ってくれるんだ」
 坂本は紹介されると、何か獲物を見つけたハイエナのようなどろりと濁った目で私のほうを見て、何も言わずに口だけ笑った。
「これでまた少し賑やかになるね!」と、私の後ろで一樹が明るい声を上げた。
0574この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 01:22:23.96ID:EeloasKE
>>568
☆お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ(2)】

「この島、コンビニもスーパーもないんだね」と、沙紀ちゃんが言った。
「でも商店と学校はあるから」私は答えた。「学校っていっても、小中高一緒くたで、生徒は私と一樹だけだけど……」
「うぇー!? まじでー!?」沙紀ちゃんは笑ったが、見下すみたいな感じはまったくなかった。
「沙紀ちゃん、東京から来たんだよね? すっげー!」一樹が言った。「おれ、東京なんてテレビん中でしか見たことねーよ」
 私達3人は岩の上に並んで座り、島の全体像を眺めていた。
 まさかついて来るとは思ってなかった。聞くと沙紀ちゃんはフリークライミングとかいうのをやっているらしく、こんなのは朝飯前だと言った。
「夏休み利用して来てみてよかったぁー」沙紀ちゃんは本当に楽しそうに笑った。「こんな景色が見れるなんてぇー。涼しいし!」
 私は何か気の利いた言葉を返そうとしたけど、何も言えずに笑っただけだった。それでも雰囲気は気まずくならず、沙紀ちゃんは心から楽しそうに笑ってくれた。

 いつも通り、おやつを交換して食べた。沙紀ちゃんにも持って来るように言ってあった。
「また杏仁豆腐だよ!」一樹が私が取り出したものを見て笑う。
「好きだもん」私は気にせず、ビニールの蓋をはがす。
「おー、ちょうどよかったかも!」と沙紀ちゃんが私の杏仁を見て声を上げた。「これ、かけてみない?」
 そう言って沙紀ちゃんがバスケットから取り出したものを私は知らなかった。黒とオレンジと赤の何かだった。ちっさいケチャップみたいな。
「それ、何?」と、一樹が聞いた。
「トッピングソース」と、沙紀ちゃんが答えた。「どれが一番合うか、やってみようよ」
 とは言っても杏仁豆腐は1つしかない。どうするのかと思っていたら、沙紀ちゃんは私にどれか1つソースを選べと言って来た。チョコもオレンジも合いそうだったけど、なんとなく私はストロベリーソースを指名した。

 白い杏仁豆腐をスプーンでサイコロ状に崩し、そこにとろーりとストロベリーソースをかけた。
 ぷうんと甘酸っぱい香りが広がって、アーモンドの風味に変化が生まれた。
 3人揃ってスプーンを突っ込み、同時に口に運んで、一緒に笑った。
 3人でかき混ぜて杏仁豆腐の世界はぐちゃぐちゃになったけど、白と赤が混ざりすぎてなんだかピンクになったけど、私は不機嫌にならなかった。むしろ凄く新鮮な気持ちで清々しくその惨状を楽しんだ。
「ようし。ここにチョコとオレンジもかけよう」沙紀ちゃんがぺろりと舌を出しながらそう言った。
「おー、すっげー! 紫色? これ、紫色?」と、一樹がはしゃいだ。
「どどめ色だよー。どどめ色だよー」と、沙紀ちゃんが教えてくれた。
 私はお腹がよじれてしまうほど笑った。こんなに笑ったのは久しぶりだと思った。

 あとは沙紀ちゃんの持って来たマフィンとかいう名前のケーキにそれぞれ好きなトッピングソースを乗せて、私達3人は一生忘れないような景色を楽しんだ。
0575この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 01:24:36.36ID:EeloasKE
>>568
☆お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ(3)】

 沙紀ちゃんはたった3日だけ家に泊まると、東京へ帰って行った。
 また来年も来てくれると約束して。私のために3本のトッピングソースを置いて。
 沙紀ちゃんが帰ると私は胸が苦しくなった。寂しいという気持ちを私は初めて知った。

 寂しいのは沙紀ちゃんが帰ったからだけの理由じゃなかった。一樹も私と毎日は遊んでくれなくなったのだった。
 私は岩の上に座って1人で杏仁豆腐にストロベリーソースをかけて食べた。味気なさに山を降りるとまっすぐ一樹の家に行って、おばさんに聞いた。
「おばさん、一樹は?」
 大根の皮剥きをしながらおばさんは答えた。
「最近、あの新しく来た工事の人によく遊んでもらってるみたいだねぇ。グローブとボール持ってったから、キャッチボールしてるんじゃない?」

 やっぱり一樹は男の人と遊ぶのがいいのだ。
 私は無人島に1人で漂流した女の子みたいな気分になった。

 自分の家でゲームをしていると、隣の家に一樹が帰って来る物音が聞こえた。ゲームを中断して外へ出ると、ひょろりと背の高いあの坂本という人がいて、一樹に声を掛けていた。
「また遊ぼうなー、一樹」
 そして玄関から半身を出して見ている私に気づくと、しげしげと私の顔を眺め、気持ち悪い動作で頭をべこりと下げた。
 私はなんだか怖くなって、急いで家の中に隠れた。

 もうあの坂本って人と遊ぶなよ、と一樹に言いたくてたまらなかった。なんだかあの人は怖い。どろりと濁った目が怖い。口だけで笑う笑い方が凄く怖い。
 何より何を考えているのかまったくわからないくせに、人を見る時に異常なくらいに興味を持ってそうなあの雰囲気がとても不気味だった。
 一樹もきっとあの人のことは嫌いだろうと思った。あんな人と遊ぶより、私と遊んだほうが絶対楽しいに決まってる。実際、一樹は嫌々あの人に付き合っているように見えた。玄関先で声を掛けられている時、ちっとも楽しそうじゃなく、私のほうを助けるように見てた。

 今から思えばそれを一樹に言っておけばよかった。

 それから暫くして、一樹と坂本は同時に行方不明になったのだった。
 坂本が一樹を連れてどこかへ行くのを人夫のおじさんの1人が見ていた。

 一樹に父親はなく、島に男はうちのお父さんと人夫のおじさん達、あとはご老人しかいなかった。
 捜索に出た男達は山のほうには行かなかった。坂本が一緒だとしても、あんな危険な場所に小学校二年生の子供が行くわけはないだろうと判断し、海のほうばかり捜していた。
 一樹のお母さんはパニックを起こして私に一方的に物語を聞かせた。1年か2年したら一樹を連れて島を出て、町で暮らすはずだった物語を。私はそんなこと初めて聞いた。

 山だよ、と私は思った。
 もしかしたら一樹のやつ、坂本を連れて山の上に登り、一緒におやつを食べているのかもしれない。
 坂本はあんなヒョロガリだから、登ったはいいけど降りて来られなくなったのかもしれない。
 私は大人達にそう言おうと思ったけど、いつも危険な山の上に登っていることがばれるのが怖かった。
 だから1人で捜しに行った。
0576この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 01:25:27.08ID:EeloasKE
>>568
☆お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ(おわり)】

 いつも登っている山なのに、霧が出ているせいか、その時はなんだか雰囲気が違った。仙狐がひょっこり現れて私を道に迷わせそうだった。
 大丈夫かな、山を降りるまでに日が暮れたりしないかな。そう思いながらも、私は頑張って一樹を捜した。
「一樹ー!」
 なるべく麓の大人達に聞こえないぐらいの声で、私は一樹の名前を呼び続けた。
 霧で足元がたまに見えなくて、何度か崖から落ちそうになったけど、やめるわけにいかなかった。
「一樹!」
 呼んでも呼んでも返事はなかった。でも間違いなく一樹はここだと、理由もなく私は確信していた。

 そのうち、見つけた。
 チョコレートの包み紙が落ちているのを。
 やっぱりここにいるんだ。私は声を少し大きくして叫んだ。
「一樹! いるの?」
 岩を登り、霧が少し晴れた中に私はそれを見た。

 岩場が土に変わっているところにそれはあった。
 それを見つけて、私は思わず呟いた。
「あれ……? なんであんなところに……」
 私はまっすぐそこへ近づいて行った。遠くにストロベリーソースをかけた杏仁豆腐があったのだ。しかし、おかしいとすぐに気がついた。あんなに遠くにあるのに……。そしてまた、すぐにわかった。
 地面に穴が掘られていた。そこにサイコロ状に砕かれた白い一樹が詰め込まれていて、赤いソースがそこにかかっていて……。
 真ん中には目を閉じた一樹の顔が乗っていた。

 私が大声で叫んだ時に隠れていたのだ。気づくと背後に坂本が立っていた。
 ズボンもパンツも穿いていなくて、下半身は大人の男の人のほんとうの姿を曝け出していた。
 手には大きなスコップを持って、どろりと濁った目で私を見つめて、口だけが笑った。
0577この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 13:00:01.32ID:EeloasKE
>>552
宇宙のトラック野郎ドン・キホーテ+アイヲタみたいな感じで読みました。
なんか趣味の世界をひたすら突っ走ってる感じで正直途中で振り落とされそうになりました(^_^;)
一番びっくりしたのが……『けれんみ』ってそんな字を書くんですね!!Σ( ̄□ ̄;)

>>557
やっぱり『船団』『戦車』といえばこういう世界観になりますよね!
硬質な世界に軟弱そうなキャラがマッチしてて、そしてあるあるフラグ。ごちそうさまでした(o´▽`o)ノ
0578この名無しがすごい!
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2021/03/29(月) 23:47:36.94ID:ePDBZiVN
>>573
このお題だとこうなるか、、まぁそれも使うよね、というw
相変わらずの速書き、、よく瞬時にこれが出てくるなぁ、、というのが正直な感想です
内容の都合上作者が一歩引いており、しかし文体には余裕が感じられ、ホラーな結末も相まって、うーん、、あんまり気分のいい話ではないですね><

>>577
感想ありがとうございます
結局は作者の読みたいものを詰め込んでしまうので、どうしてもそんな感じにはなりますね^^;
0579この名無しがすごい!
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2021/03/30(火) 10:09:58.42ID:iYAY/J1P
>>578
感想ありがとうございます。
今回は松浦理恵子の短編『風鈴』のパクりと言われても仕方ない内容なので、速いわけです┐(´〜`;)┌
あくまでも『風鈴』ベースのオリジナル作品であり、似ているのは『かわいいものと無惨なまったく別なあるものを比喩でイメージを重ねる』というところだけなのですが、
『JCの主人公が、近所の男子小学生といつも遊んでて、東京から来たフリークライミングやってるJKと仲良くなって、3人で一緒にかわいい風鈴を作った。ペドでホモでヲタな男に男子小学生が殺されて、崖から吊るされてるその子の姿が風鈴みたいだった』
 というところの粗筋だけ抜き出したら……なんということでしょう、まったく同じだ!Σ( ̄□ ̄;)

ところで名無しにしたのになぜ毎回、私がうーたんだとわかるのでしょう?
作品投稿だけでなく、感想コメの時とかでもバレてたような??
0581この名無しがすごい!
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2021/04/04(日) 21:59:14.78ID:B2EJ7XIz
>>568
お題:『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【探偵のお仕事】(1/2)
 眼前の杏仁豆腐をパクつく美少女に、東 十五は胡乱気な視線を送った。
 純白を思わせるプラチナブロンドにハシバミ色の瞳。だが、その面差しは東洋系のソレであり、巫女服の様な衣装も相まってどこか幻想的な雰囲気を漂わせていた。

「ワシが昔食べた時はもっと硬くてこんなに甘くは無かったのじゃがな」
「あー……シロップ漬けのあれですか? フルーツポンチに入ってる様な……」

 首を傾げる美少女の言葉に、十五は思わず口を出してしまった。確かに十五の記憶でも、昔の杏仁豆腐と言う物は、ひし形に切られた白い寒天の様な物で、こんな風にプリンの様に食べる物ではなかった。
 だが、その記憶は十五が子供の頃の記憶であり、20年以上も前の物だ。
 だとすれば、十代中頃に見える、坂本と名乗った彼女が自称した仙狐と言う言葉も本当の事だろうか?
 十五はそう考えるも、決め手には欠けていた。

 十五は探偵である。確かに人智を超える様な体験も散々して来たが、依頼人が妖怪と言うケースは初めての事だった。
 普通であれば虚言と斬って捨てる所であろうが、先日体験した古い邪教関係の出来事から、この世には未だ底知れぬ深淵が有る事も理解していた。
 それどころか、十五の知り合いにも祓い屋と言う胡散臭い商売をしている者が居る事も有り、全くのガセであると一笑に伏す事も出来なかったのだ。

「えーっと、『坂本』さん? と言うか、下の名前は?」
「うん? 坂本だけではいかんか? 真名は名乗りたくは無いのだがな」

 十五には詳しくは分からないのだが、取り敢えず偽名であるらしい。だとしても偽名を堂々と名乗る気持ちは、彼には理解できない類の事だ。
 そんな十五の葛藤を見て取ってか、坂本がコロコロと笑いながら口を開いた。

「住んでる所の名前じゃよ、周りの者からは『坂本の古狐』と呼ばれておるのでな」

 偽名と言うより通称であったらしい。

「坂本って言うと、日吉大社の辺りの?」
「ほう、知っておるか」
「滋賀県の西の方でしたっけ? 日吉大社の類系の方ですか?」

 そんな十五の言葉に、坂本がその美眉を顰めた。十五にしてみれば『神社=お稲荷様』位の認識だったのだが、どうも色々と複雑な背景があるらしい。

「むしろ逆よ、あのサル共の所為で!!」

 ぶわり、と空気が渦巻いた。
 十五は知らなかったのだが、日吉神社の主神は山王権現であり、その使御いは猿である。そしてお稲荷様の主神は宇嘉御霊、もしくは荼枳尼天であり、その御使いが狐ではあるが、坂本とは関係は無いらしい。
 話……愚痴を聞く限り、御使いの神猿と、仙狐である彼女達との間は決して良好ではなく、互いに反目する仲であると言う。
 狐がイヌ科である事を考えれば、さもありなんと十五などは思う。いわゆる『犬猿の仲』と言う奴だろう。
0582この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/04(日) 21:59:56.25ID:B2EJ7XIz
【探偵のお仕事】(2/2)


「ヤツ等の暴挙の所為で、妖狐等は吹き飛ばされ、あちこちに散ってしまったのじゃ」

 どうやら少し前に、妖怪合戦とも言うべき諍いがあり、彼女の眷属である妖狐が付近に飛ばされていまったらしい。
 元々は、秋の実りの取り合いから発展した物だったらしいが、妖猿の味方をした神猿の神通力が暴走し、一帯に嵐を起こしてしまったのが原因であるらしい。正しく神風と言う奴だった。

「……いや、ペット探しも依頼の内ですけどね」
「人の世の事は人に任せるのが道理じゃろう? 『蛇の道は蛇』と言う奴じゃ」

 腕を組み十五が唸る。
 確かに彼女の言う事は一理ある。だが、流石に妖怪関係は彼の範疇外だった。だが……

「上手く行くかは分かりませんが……」

 そう前置きをして、十五は依頼を受ける事にした。

 ******

 しゃくしゃくと、バニラアイスのストロベリーソース掛けを食べる子狐を嬉しそうに眺める坂本を見ながら、十五は嘆息した。

 結果から言えば、依頼はあっさり達成されたからだ。
 あの後、十五は、唯一の心当たりである祓い屋の友人の所に情報を仕入れに行ったのだが、そこで保護されていた子狐が、件の『吹っ飛ばされた』妖狐であったのだ。

「世間は狭いと言うけどさ……」
「なに、変に苦労するよりは、容易に片付いた方が良いじゃろう?」
「まぁ、そうですけどね」

 そう言う十五に、坂本はクスリと笑うと、子狐を抱きかかえる。

「うむ、今回の事、大儀じゃった、また何か有れば頼る故、その時はよりしく頼むのじゃ」

 そう言って坂本がすうっと消える。
 最初に来た時もそうだったが、唐突な帰えりに、十五は溜息を吐いた。
 だが、その一瞬の後、「あ」と言う声が彼から漏れた。

「依頼料、貰ってねぇじゃねーか」

 その事を思い出し、十五はガックリと肩を落としたのだった。
0583三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/04/04(日) 22:09:01.45ID:upJD+NBx
お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』締切

【参加作品一覧】
>>573【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ】
>>581【探偵のお仕事】
0584三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/04(日) 22:10:30.36ID:upJD+NBx
では通常お題4つでお願いします

お題安価>>585-588
0585この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/04(日) 22:10:37.58ID:GYRQQane
オタク文化
0586この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/04(日) 22:10:40.12ID:B2EJ7XIz
遅レスですが……

>>549
縦読みを不自然なならない様に作文するのは、結構大変ですよねw
それでも据えた様な男の世界を解豆れる様な文章に感嘆が漏れました

>>573
美しい世界と歪んだ世界と言った所でしょうか?
日常は容易く崩れ去ってしまうのに、それに気が付かない事が多いですよね

>>552
ぶれないキャラクター達が楽しいですね
ファンタジーに学園物にSFにと、次はどんなワールドに進出するのか楽しみですw
0588この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/04(日) 23:02:32.99ID:VAJpdilN
天丼
0589三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/04(日) 23:05:29.18ID:upJD+NBx
☆お題→『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→4/11の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0590三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/04(日) 23:06:52.88ID:upJD+NBx
今回は5つにしようかと思いましたが、なんか集まりが悪いので4つで通します

引き続きお題スレをよろしくですー
0591この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/04(日) 23:08:28.96ID:upJD+NBx
>>586
感想ありがとうございます
次は、、また間に合いませんでしたが、、今書いてます^^;

>>581
あれーこんなやついたっけー? と思って探してしまったw
なんか事情を聞かされて、、そんな坂本! どこに行ったのかと思えば・・・
依頼料は、次に来た時に回収ですかね・・・w
0594この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/05(月) 06:54:06.04ID:cmyCct9x
>>589
☆お題→『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』

 【その小さき体に(1/2)】

 世界一のオタク文化を誇る日本を代表する大都会・岡山!
 その外れにある誰もが「ここ倉敷市じゃろ」と思い込んでいる早島町の丘の上に聳え立つコンベックス岡山で今、世界一の幼女を決するべく『世界一幼女決定戦』の決勝戦が行われようとしていた!!!

 赤コーナーはホームである日本代表、地元岡山県は津山市出身の美袋(ミナギ)ユウたん。
 今日も特注のミニミニサイズの空手着があどけない顔にアンバランスで可愛い。
 しかしその眼光は鋭く、対戦相手であるロシア代表のエカチェリーナ選手を睨みつけている!

 青コーナーはそのロシア代表、エカチェリーナ・イワノーヴナ・トルストフ。
 薄青い日本の幼稚園のスモックに黄色い帽子を被り胸には名札というロリ・スタイルだが、美しい顔には大人びた微笑が浮かび、ユウたんを横目で嘲るように見つめているッ!

 奮起せよッ!
 舐められているぞ、ユウたんッ!!

「遅レスですが……」
 エカチェリーナ選手が口を開いた!
「わたくしのことは愛称で『キチイ』とお呼びなさい。くれぐれも言っておきますが『チ』と『イ』の間には『ガ』を入れないようにね」

 おーーっと! 釘を刺したーーッ!
 エカチェリーナ選手、突っ込まれそうなところに前もって釘を刺し、先制攻撃を封じました!

「フン。見た目の可愛さで私を舐めるなよ?」
 美袋ユウ選手が口撃を返す!
「私はあの優勝候補だったリー・チェンナを倒した幼女だぞ?」

 そうです。美袋ユウたんは準決勝で優勝候補筆頭だった中国代表のリー・チェンナたんを下しているんですね。
 黒い暗殺者装束を纏った小さな体をノコギリ手裏剣やら暗黒魚雷やらに変形させて、しまいには核ミサイルに変身して会場どころか岡山市ごと相手を葬ろうとしたチェンナたんを、ユウたんは力技の中断正拳突きで止めたのです。
 キチイたんもこれは相手が超可愛いからといって舐めては痛い目に遭いますよ?
 ちなみに台湾にリー・チェンナという歌手がいますが、中国代表のリー・チェンナ選手とは別人です。台湾の方は大人ですからね。

 ありがとうございます、解説の榎本さん。ちなみに榎本さんは以前は年に20回以上台湾に旅行されていた金持ちの猛者ですが、今はコロナでその動きを封じられております……あーっと! 今、ゴングが鳴った! 鳴りましたーッ!!
0595この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/05(月) 06:54:45.79ID:cmyCct9x
☆お題→『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』

 【その小さき体に(2/2)】

 美袋ユウ選手がじりじりと前へ出て間合いを詰めます。
 エカチェリーナ選手は余裕のスマイルを浮かべてそれを離れた位置から見ている。
 おーっと! ユウたんが先制攻撃に出た! うさぎがピョンと跳ねるような可愛らしい動きで一気に間合いを詰めたーッ!

「遅レスですが……」
 エカチェリーナ選手、余裕の口撃でのカウンターだ!
「あなたではわたくしには勝てませんわよ?」

 ユウたんの正拳突き! ……しかしキチイたん、これをかわす! かわしたーッ!!

「あなたはその小さな体を活かしていない」
 キチイ選手、攻撃をかわすと同時に嘲笑ったーッ!
「むしろそれではハンデだわ。せっかくの体の小ささを利用する戦い方をしたほうがよくってよ」

 あーっと! 今、『天ぷらのアキノ』から出前持ちが会場に入って来ました!
 天丼だ! 天丼を出前のケースから1つ出した! それをキチイたんが受け取る! お昼ごはんか!?

 怒ったユウたんが怒濤の連撃を叩き込む! さすがは4歳にして黒帯だ! 短い手足を振り回してのコンビネーション攻撃は……しかし、当たらない! 当たらなーいッ!!
 キチイたん、悠々と天丼を頂きながらすべての攻撃を避けております! ユウたんの攻撃をすべて見切っているーッ!

「まるでおままごとね」
 キチイたん、言葉でユウたんを挑発! 挑発です!
「この小さな体の正しい使い方を今から貴女に見せて差し上げるわ」
 おっと攻撃予告が出ました! 危ないぞ! 怪我しないで頑張れ、ユウたん!!

            (次回のお題に続く?)
0596この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/05(月) 19:26:35.99ID:JLiMWqVV
広島県倉敷市だと思ってた人 (`・ω・´)ノ

>>594
一転何かが始まった!
登場人物の名前が普通だった!
幼女はちゃんと幼女しててすごいですけど、それ以外は客観的に見るとなんかよく分からない話だったw
こ、、これはちゃんと続くのか、、待て次回ですね・・・
0597この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/05(月) 20:47:35.58ID:+e7Ud06o
>>594
世界一の幼女と言うのは、結構なパワーワードだと思いますw
それも可愛らしさや賢さではなくパワー・オブ・ストレングスでの戦いとかw

>>572
感想有難うございます
確かにつながりが分かり辛かったですねorz
サイバーパンクは好きなので、同じ世界観でまた書いてみたいですね
今度は戦闘もw

>>577
感想をいただき、有難うございます
そして戦車は人型にw
メイドロイドとバイオノイドの獣人少女とかは鉄板だと思います

>>591
感想、いつも有難うございます
あの古物商や祓い屋と、この探偵は同世界線上のつもりで書いて居ますが
探偵は新キャラですw
0598この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/06(火) 19:30:59.72ID:cHh4H13Q
>>586
549です、ありがとうございます。
昔、某板で縦読み職人とバトルした経験がこんなところで活きた!(o´▽`o)ノ
ただ、ケチャップのャとッは斜めに使えばよかったなぁ、と後から……(´・ω・)

>>596
感想ありがとうございます。
ちなみに広島に倉敷はなく、倉敷は岡山県であり、
出雲大社は島根県、鳥取砂丘はとっ……
次回、どんなお題が出ようと続けてみせます( ・`д・´)

>>597
感想ありがとうございます。
幼女の小さな体を活かす戦い方って……どうしよう、とただ今考え中です( ・`д・´;)
0599この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/06(火) 19:36:58.01ID:cHh4H13Q
>>581
あのフルーツポンチに入っててのって杏仁豆腐だったのか!!Σ( ̄□ ̄;)
確かに今のと全然違いましたね、タニタ食堂のなんてぷるんぷるんのトロントロンだし……
続きものでも途中から読めるこの書き方、見習いたいなぁ
狐はずる賢いからお金払わずに逃げるのも自然にうまいんですね……っていうか狐って本当にずる賢いのかどうか見たことないけど(´・ω・)
0600この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/06(火) 22:54:32.22ID:hAVOb7gW
>>599
感想有難うございます
杏仁豆腐だけではなく、子供の頃に食べたタピオカも黒く無かった覚えがあります
色々と変わって行っているんだなぁと
狐は家畜を狙うので農家などから嫌われていたので
悪いイメージが付いているのだと思います
罠とかを回避するのはイタチも同じなんですけどね
0601この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/07(水) 11:50:55.16ID:KHZ4Xbpn
>>600
イタチ飼ってるけど……確かに賢いですねえ……飼い主が嫌がること知っててわざとやるし(^_^;)
あと散歩に連れて行くと年配の方から「あー、これ、悪さするんで昔よく捕まえた!」とか言われます(´・ω・)
0602この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 01:36:16.34ID:sVnbOi1y
>>568
前回お題作品、また締め切りに間に合わず、供養枠で失礼します

使用お題→『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【機知に富んだ小動物ハム・タローテ】(1/4)

 少女は呼ぶ、その名を。
「ハム・タローテ!」
 我らが小さき英雄の名を。
「ハム・タローテ!」

 機知に富みし ハムスター ハム・タローテ
 才知あふるる ハムスター ハム・タローテ
 大好きなのは かの白き娘 ハクアたん!
 愛と夢に生く ハムスター ハム・タローテ

 ケージの外へ ハムスター ハム・タローテ
 隅をさすらう ハムスター ハム・タローテ
 大好きなのは かの白き娘 ハクアたん!
 風と草と生く ハムスター ハム・タローテ

 宵に目覚めし ハムスター ハム・タローテ
 友の声を聞く ハムスター ハム・タローテ
 大好きなのは かの白き娘 ハクアたん!
 心歌い魂躍る ハムスター ハム・タローテ

 *

 遠く現代風の地方都市に一匹のハムスターがいた。
 彼は頬袋に一杯のヒマワリの種よりも冒険が好きで、飼い主の少女が不在の時は、必ずケージから飛び出して、そこいら中を調べて回るのが日課だった。
 世界の広さは彼を魅了し、また、多くの感動を彼に与えた。経験を積み、自信を深めた彼は、今日もくしくししながら、旅立ちの機会をうかがっている。

 *

 今は、朝。爽やかな朝だ。少女の自室。太陽の光に照らされて、彼女は眠っていた。
 そこへ唐突に。
「ピピピッピピピッピピピッ」
「うーん……」
「オイオキロ、オイオキロ、ピピピヒピピピピピピッ!」
 『<インテリジェント目覚まし時計>イマナンジ』にセットされていたアラームが鳴る。
 少女がもぞもぞと動き、のろのろと手を伸ばし、だが、その手は何に触れるでもなくマットレスに打ち付けられる。
「今は……何時で……ございますか……」
「ピピッ、イマナンジ?」
 ようやく起き上がった彼女が、重いまぶたの下から、時計の文字盤をにらみ付ける。
「ああ……危ないところでございました……。遅刻などしては…………はっ!?」
 深いところを漂っていた意識が、にわかに浮上した。それは寝ぼけた体を突き動かし、彼女は文字通り飛び上がった。
「遅刻でございますよ! なんで!? ヘイ、イマナンジ! 何をしたでございますか!?」
「ピピッ、イマナンジ?」
 大慌てで身支度を済ませる彼女。
「では行ってくるでございます! ハム・タローテ、大人しくしているでございますよ!」
 そう一言、声を掛けると、彼女は部屋から飛び出していった。

 *

 誰もいなくなったと見るや、彼は今日も活動を開始した。
 丸くて小さな体が、巣箱からちょろちょろと走り出る。迷いなく直進して、ケージの戸に張り付く。
 彼自身と広い世界とを隔てるそれ。金網の戸を器用に持ち上げると、彼はためらうことなく、自由と危険とが待つ、外の世界へと転がり出たのだった。
0603この名無しがすごい!
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2021/04/10(土) 01:36:59.45ID:sVnbOi1y
【機知に富んだ小動物ハム・タローテ】(2/4)

 彼には多くの友達がいる。
 隣の家に住むのは、親友のヤギュウちゃん。変わった口調で話す女の子だ。
 背が高くて、ちょっと耳が遠い、イマナンテくん。普段は役に立たないが、いざという時には大活躍してくれる。
 白くてかわいい、憧れの女の子、ハクアたん。テレビに出たりして、ものすごい人気らしい。
「……しかし、珍しいこともあるものだ」
 彼は今、一匹……一人である。
 いつもは誰かしら出てきて遊んでくれるのだが、この日はみんな忙しいのか、誰とも行き合わないのだ。
「こんな日もあろう。一人で放浪することも、時には必要であろう」
 最初は一人だったのだ。誰しも最初は一人であった。
「どれ、公園の方にでも行ってみるかな」
 少し遠出をしてみようと彼は思った。行けば、誰かがいるかも知れないし、いないかも知れない。
 道を曲がって、歩道の隅を走る。家と家の間の、背の低い塀の上を進む。花壇の中をくぐり抜けて、ブロックの陰から飛び出した時、彼は何者かとぶつかった。
 ハム・タローテと、そのぶつかった相手は、どちらもその場に転がった。
「あいたたた……不注意なことであった……」
「モリモリ……急に飛び出しては危ないモリ……」
 相手は、ひょっとして、かわいい女の子なのではないか。まさかとは思うが、ハクアたんだったりして!?
 そんな期待は一瞬で打ち砕かれた。相手は汚らしい緑色の毛玉だった。
「おっ、お前は……誰だ?」
「モリモリモリ、お前こそ誰だモリ」
 こんな時、やはり自分から名乗るのが礼儀だろうと思われた。ハム・タローテは姿勢を正すと、重々しい口調で言った。
「ふっ、名乗るほどの者ではないが、聞かれたからには答えてやろう。俺の名は『ハム・タローテ』。ハクアたんを慕う一介のハムスターだ」
 ハム・タローテの名乗りは少し回りくどかったが、相手は真面目に聞いていた。毛玉が口を開いた。
「モリの名前は『モリのタイショウくん』だモリ。この近くの公園に住む、野良ハムスターだモリー」
 丁度公園へ行こうと思っていたハム・タローテは、このハムスターに興味が湧いた。
「『タイショ○くん』か。面白い名前だな」
 モリのタイショウくんは、危険を感じて、ハム・タローテの誤りを訂正しなければならないと思った。
「『モリの』タイショウくんだモリ」
「して、タイショ○くんよ。お前の軍団はどこにおるのだ?」
「『モリの』タイショウくんだモリー!」
 ハム・タローテは、このことについて追求するのはやめておこうと思った。彼の軍団は敵との戦いで全滅してしまったに違いなかった。
「時にタイショ○くんよ。俺は公園へ行こうと思っていたのだが、良かったら案内してもらえないだろうか。いや、もちろん、断ってくれて構わないのだが」
「『モリの』タイショウくんだモリー!!」

 *

 ハム・タローテは、モリのタイショウくんに公園を案内してもらった。
「助かったぞ、モリよ。俺一人ではどうなっていたことやら」
「モリモリ。ここは危険が一杯だモリ。だけどモリがいれば安心だモリー♪」
 今、二人は、モリのタイショウくんが作った地下道を歩いていた。
「しかり。ところでモリよ。俺たちは今どこへ向かっているのだ?」
 曲がりくねった地下道。先がまったく見通せない。複雑に入り組んだトンネルが、侵入者を阻む迷路になっている。
「モリモリ。それは着いてからのお楽しみだモリー」
 ハム・タローテは、いささかの疑いも持たず、モリを信じて付いていった。
 やがて、二人の前に、小さな扉が現れた。
「この中だモリ。ようこそだモリー」
 モリが扉を開けた。ハム・タローテは、促されるまま、中へと足を踏み入れた。
「ここは……」
 小さな扉の先は、大きな部屋だった。
「ここがモリの『地下ロッジ』だモリ。モリはここに一人で住んでいるモリー」
 閉ざされた地下の空洞は、ハム・タローテのケージよりも広く感じられた。
 高い天井を見上げる。そこから徐々に視線を下ろす。部屋の奥には大きな段差があって、ロフトのようになっている。階段も見える。
「……う……うむ。とても広くて、良い部屋であるな……」
 階段を上から下へ、ハム・タローテたちが立っている一階部分。
「へけっ、そう思うかモリ。だけど最近、部屋が狭いのだモリ。もっと広くするのだモリー」
 大量のがらくたで散らかっている。
 ハム・タローテは、まずは掃除だろうと思った。口を開いて、思ったままを言いそうになったが、彼は踏みとどまった。
 思慮深い彼には、その程度の自制心は当然に備わっていた。
0604この名無しがすごい!
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2021/04/10(土) 01:37:34.40ID:sVnbOi1y
【機知に富んだ小動物ハム・タローテ】(3/4)

 モリはハム・タローテを椅子――として丁度いいがらくた――に座らせると、部屋のどこからか、大きくて平たい透明な小袋と、ハムスターサイズの食器を持ってきた。
「モリモリ。お近付きの印に、まずは乾杯だモリー」
 何かお菓子に付属していたのだろう小袋には、赤い液体が入っていた。
「ストロベリーソースだモリ。公園で拾ったのだモリー」
 モリはかじかじして袋を開けると、中身を食器に注いだ。
「モリたちの出会いに乾杯だモリー」
「うむ。乾杯」
 ハム・タローテは、小さなおわんの中をのぞき込んだ。じっと見詰めると、なぜだか分からないが、そこにヤギュウちゃんの顔が重なった。
 少しとろみのある液体に、ハム・タローテは口を付けた。
「うわ、あまっ!」
「甘くておいしいモリー」
 ヤギュウちゃんにも飲ませてやりたかったなぁ、などと考えていたハム・タローテは、その考えをすっかり改めることとなった。
 彼女には、もっと、こう、何か、金目の物を上げる方が喜ばれるだろうと、ハム・タローテは思った。
「テレビでも見るモリ」
 ハムスターサイズのブラウン管テレビが、がらくたに交じって置かれていた。モリはその電源を入れた。
「こんな物が……」
「先史文明の遺産だモリ。ハムスター人類だモリー」
 画面がゆっくりと明るくなる。
「ちょっと小さくし過ぎたらしいモリ。南極の地下に保存されているらしいモリー」
 その小さな人類が使っていたであろう家庭用電化製品の中に、見知った顔が映った。
「あ、ハクアたん」
「『坂本どうぶつ共和国』だモリー」
 それは人間たちの間で人気のテレビ番組だった。
 司会は『坂本くん』という名前のおっさんで、一見、少し毛深いだけの普通の人間のようである。
 だが、彼の正体は強化手術を受けた白い犬であり、首に巻かれた赤いコントロールデバイスを外されると、犬の姿に戻ってしまう。
「ああっ、坂本くんめ、ハクアたんになれなれしく話し掛けおって」
 出演者の並ぶスタジオで、坂本くんとハクアたんが、次のコーナーを紹介していた。
「モリモリ? 『出雲(いずも)の奥地に美の化身を見た!! 人類未踏の大洞窟! 幻の光る仙狐(せんこ)は実在した!!』」
 コーナーのタイトルである。
「坂本くんめ。なんだってそんな危険そうな場所にハクアたんを行かせるのだ……。けがでもしたらどうするんだ!」
 画面がロケの映像に切り替わる。場所はどこかの山奥である。
 ハクアたんのケージをカメラの前に掲げるのは、どことなく変身しそうな、人間のおっさんである。
 歩き出すおっさん。道無き道を前進する、おっさんとハクアたん。やがて彼らの前に現れる、土の斜面と大きな穴。
「人間風情が、あんな穴の中に入るのか」
「モリモリ。『大洞窟』という感じはしないモリ。普通の洞窟に見えるモリー」
 穴の中に突入する取材班。中は真っ暗で、足場も良くない感じだが、おっさんたちは危なげなく進む。
「しかし……モリよ。『仙狐』とはなんだ?」
 ハム・タローテは教養深い方ではあったが、そんな彼でも知らないことはある。
「モリモリ。『仙狐』というのは、キツネの妖怪みたいなものだモリ。だけど妖怪ではないモリー」
 モリは親切に教えてくれたが、ハム・タローテの表情は険しくなった。
「キツネだと? まさかあやつら、ハクアたんを仙狐とやらの餌にするつもりではあるまいな!?」
「落ち着くのだモリ。仙狐なんていないモリ。フィクションみたいなものだモリー」
 いきり立つハム・タローテに対して、冷静に返すモリである。
「フェイクか! フェイクニュースか!?」
「モリモリ。そもそもニュースではないモリ」
 画面の中では、おっさんたちが着実に歩を進めていた。
「む……? あれは……」
「モリモリ? 仙狐なんていないモリー」
 やがて、洞窟の奥から水音が聞こえてきて、何か光るものが遠くに見えた。おっさんたちは緊迫した様子で前進する。
「仙狐だ。ああ、ハクアたん……!」
「モリモリモリ」
 水音はどんどん大きくなり、光も強くなる。おっさんが駆け出して、カメラがその後を追う。
 画面が揺れて、ハム・タローテの不安はどんどん膨らんでいった。
 おっさんとハクアたんが大写しになって、光るものの正体が――――
「うわぁああああ!!」
「モリモリモリモリ!?」
0605この名無しがすごい!
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2021/04/10(土) 01:38:00.35ID:sVnbOi1y
【機知に富んだ小動物ハム・タローテ】(4/4)

 その人物は水面に浮かぶようにして立っていた。全身が光り輝いており、顔も服装も判然としない。ただその輪郭から女性であるように思われた。
 おっさんが相手に質問すると、相手が答える。
『そうですー、私が泉の仙狐ですー』
 こんな人里離れた山奥で何をしているのか。
『ここはー、私のサロンですー。違いますー、地下帝国ではないですー。世界地図に描かれていないー、「美の泉」ですー』
 おっさんがハクアたんのケージを差し出す。
「ああっ、おっさん! ハクアたん!!」
『ええ、ハムスターのトリミングも承っておりますよー。納税ですかー? それは税理士さんにお任せしておりますー』
 仙狐はハクアたんの白い毛を丁寧にブラッシングした。
 元から素晴らしく白かったハクアたんの毛は、少しばかり整えたところで、大した変化はなかった。それでも大半の視聴者は、この映像を見て満足したであろうと思われた。
 ハム・タローテは、心臓に悪いテレビ番組のせいで、すっかり疲れてしまった。
 彼とモリは再会を期して、その日は別れた。

 *

 夜。飼い主の少女の自室である。
 ハム・タローテが机の上でくしくししていると、少女が話し掛けてきた。
「そうそう、ハム・タローテ。こんな物を手に入れたでございますよ」
 ハム・タローテは少女を見上げた。彼女が差し出してきたのは、プラスチック製のおもちゃだった。白いカップの中から顔を出す、白いハムスター。
「拾った小銭でガチャを回したでございますよ。そしたら当たったでございます」
 それは犯罪ではないかとハム・タローテは思ったが、優しい彼は、もちろん通報などしない。
「点心をイメージしているそうでございますよ。かわいいでございますね」
 ハム・タローテは、そのおもちゃをくんかくんかした。言うまでもなく、本物のハムスターとは全然違う。
 少女は日記帳を開いて、鉛筆を動かし始めた。何事か書き付けてから、ハム・タローテとおもちゃに目をやる。
 その時、少女は、それが現実なのか、彼女自身の妄想なのかは分からなかったが、何匹もの友達と一緒に走り回る、ハムスターの姿を見た。
 彼らはすぐに見えなくなった。だが、それだけで十分だった。

「今日はとっても楽しかったでございますね。明日(あした)はもーっと楽しくなるでございますよね、ハム・タローテ」

 *

「あ、そうそう、新しい目覚まし時計も買ってきたでございますよ。アラームの時間を勝手に変えてしまうような欠陥品は要らないでございます」
「ピピッ、イマナンジ!?」
0607この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 16:36:22.16ID:sVnbOi1y
>>589

使用お題→『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』

【劇場版】

??? オタク文化語るマン ◆uQawnSxpqaoD 2021/04/10(土) ??:??:??.?? ID:gsSC8YLH0
遅レスですが……

見てきました!
いやー良かった良かった、歴史に残る傑作ですな
それがし号泣www隣の席の幼女様に、いい子いい子されるwww
嫁じゃwww未来の嫁がおるwwwお母さん娘さんを下さいwww
幼女様の母上ドン引きwwwwww
事案不可避でござるwwwwwwwww

??? オタク文化語るマン ◆uQawnSxpqaoD 2021/04/10(土) ??:??:??.?? ID:gsSC8YLH0
作品の内容は、天丼男がとても良かったです(幼並感
0608この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 16:38:55.51ID:sVnbOi1y
そして今回分を

コピペ改変とかではないので、そういう意味では手抜きですが・・
0609この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 17:32:03.31ID:XPhqYTrK
>>602
ぬおおっ……!?
これは……明らかにリボ○ちゃんよりハクアたんのほうが可愛いではないですかっ!?
タイショ○くんは確かにヤヴァいかも……。おい! へけって言うなあー!!!
ドン・キホーテとハム太郎のフュージョンとはお見それしました。くしくししますよねぇ……彼らは。
読んでいてハム様とともにどんどん冒険を突き進んで行くようでいて毎日安全なおうちに戻れてとても楽しかったです。
でも……締切間に合わせような(#゚Д゚)y-~~
0610この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 17:34:56.27ID:XPhqYTrK
>>607
この短い中にすべてのワードが綺麗に収められていて驚愕しました。
っていうかこのお題だとこうなるんですね、やっぱり。意外性はないかと。
こういう形の小説があってもいいと以前から思っていました。
0611この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/10(土) 19:40:18.43ID:sVnbOi1y
>>609
感想ありがとうございます、ちゃんと元ネタを知ってる人がいて良かったです^^;
ハムの主観なので、さすがにそれはリ○ンちゃんに申し訳ないw
モリ氏ですが、実はシリーズの最初から『へけっ』って言ってたりします
締め切りは・・・どうも常習犯でゴニョゴニョ・・・

>>610
こちらも感想ありがとうございます
そのまま足し合わせたら、これしかないだろう、という感じですw

当スレでこの系統だと、スレ7→648があります
手前味噌ですがスレ5にも長いのがあったり・・
0612この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 22:01:19.99ID:KVyDtW/T
>>589
お題:『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』

【未来冒険】
 ペタペタと素足の幼女が、ネオンの煌く裏通りの様な場所を歩いて居た。

『おわた〜』  『ササクレッテロ』 『orz』 『(-v-)/』 『遅レスですが』  『ノシ』

 宙に浮かぶ、そのぼんやりと光る文字の海を見ながら、幼女……シオンが、その薄い唇を開く。

「オタク文化全盛の頃か」

 外見に合わない低い声。

 周囲の記録を見ながら、そこが自分が探しているログが埋まっている場所だと確信した彼女は、その中からさらにワードを限定するべく周囲を見回した。
 彼女の目的は、いわゆる『人類の文化』と言う物を掘り起こす事だ。

『遅レスですが』

「これか?」

 端々がブレ、何処からかノイズ音が聞こえる、その文字の一つにシオンが触れると、赤色に変わり警告が流れ、次の瞬間ブラックアウトした。

 ******

「ッチ、ウイルスを踏んだか」

 接続ケーブルを強引に外し、大きく溜息を吐く。

「はーい、お疲れぇ」

 ケーブルを外したシオンと同じ顔が傍らでニマニマとそう言う。

「残念だったね? じゃ、次はボクって事で」
「チッ」

 舌打ちをしたシオンが、同じ顔の妹であるミネルバにその席を譲る。
 仏頂面のし恩とは対照的にミネルバは、まるで遊びに出かけるかのような気安さで情報の海にダイブした。

 彼女達はダイバーと呼ばれる仕事をしていた。
 過去の記録を漁り、その情報を持ち帰る仕事である。
 彼女達は、そのダイバーの中でも、ウィザート級と言う凄腕のコンビだったのだが……

 ******

「何でオレが踏んだワードと同じワードを踏むんだよお前は!!」

 警告音と、『ウイルスを駆除してください』と言う画面表示を処理しながら、シオンが叫ぶ。

「えっと、天丼はお約束かな? って」

 何故か照れた様にミネルバが言った。

 西暦4578。娯楽と言う物が想像されなくなった未来の話である。
0613この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 22:03:18.09ID:KVyDtW/T
間に合わなかった上に、いまいち練り切れなくてモヤっとしていると言うorz
0614三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/11(日) 22:11:34.67ID:eFu1JdPT
お題→『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』締切

【参加作品一覧】
>>594【その小さき体に】
>>607【劇場版】
>>612【未来冒険】
0615三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/11(日) 22:13:15.69ID:eFu1JdPT
よしでは通常お題4つでお願いします

お題安価>>616-619
0616この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 22:13:55.31ID:NlF0lUpd
画鋲
0617この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 22:22:30.27ID:hQGx+AhX
奴隷
0620三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/11(日) 22:39:14.01ID:eFu1JdPT
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→4/18の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0621三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/11(日) 22:40:48.70ID:eFu1JdPT
なんか今回はいい感じですね
お題、作品、感想など、ありがとうございます

引き続きお題スレをよろしくです
0622この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 23:07:02.78ID:eFu1JdPT
>>612
おおー、、これはw
短過ぎて残念ですけど、キャラが魅力的、世界観もかっこいい
『天丼』はまぁそうだよねというw、『オタク文化』の処理も自然ですね
0623この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 23:19:10.27ID:KVyDtW/T
>>607
見ただけで分かる世界観ですよね
オタ系がギュッと詰まった様な内容に苦笑しか出来ません

>>602
そしてハ〇太郎w
小さくて大きな冒険です
もっとも、本当に脱走したハムスターは戻って来る事など有りませんがorz
0624この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 23:22:55.17ID:KVyDtW/T
>>622
感想有難うございます
考えすぎて動けなかった例ですorz
もっと、何か書けそうだと思ったのですが
消化しきれませんでした
0625この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 23:36:43.25ID:eFu1JdPT
>>620

使用お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【劇場版2レス目】

??? な、なぜだ、なぜ私が名無しに 2021/04/11(日) ??:??:??.?? ID:g0eDjINOp
子どもと一緒に見た
大人で泣いてるのがいてびっくりしたけど、まあ泣くのも分かる
なんかゲームブックとか売られてて買ってしまった
子どもじゃなくて私が遊んでる

??? な、なぜだ、なぜ私が名無しに 2021/04/11(日) ??:??:??.?? ID:g0eDjINOp
戦闘員みたいなのとか、動きがすごかった
奴隷を助けて逃げるところは、どきどきした

??? 母ですが 2021/04/11(日) ??:??:??.?? ID:g0eDjINOp
>>???
お前か

??? 母ですが 2021/04/11(日) ??:??:??.?? ID:g0eDjINOp
>>???
娘はやらん

??? 母ですが 2021/04/11(日) ??:??:??.?? ID:g0eDjINOp
>>???
画鋲刺すで
0626この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/11(日) 23:48:46.82ID:eFu1JdPT
今回は調子良く!(超短い

>>623
どちらも感想ありがとうございます
ステレオタイプなやつですw
ハムは、、実のところ、他人の家でテレビ見て騒いでただけという^^;
まさか逃がしてしまった経験が・・・
0627この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/12(月) 20:14:17.48ID:XWpaqd4x
>>625
まさかの連作ですねw
ドン引きしていたお母さんからの逆襲
よっぽどアレな事を仕出かしたのでしょうね
0628この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/12(月) 23:52:51.77ID:rczr83Pf
>>627
感想ありがとうございます!
ま、まぁ、お母さんはマジおこですけど、ドン引きは本人が言ってるだけなので^^;
事案発生までの事態ではなかったはずですw
0629この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/13(火) 15:03:27.62ID:O0jMNzWL
>>620
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【その小さき体に2(1/3)】

 世界一のオタク文化を誇る日本!
 その大日本を代表する大都会、岡山市!
 その西端にあるコンベックス岡山では、世界一の幼女を決定するため、その名も『世界一幼女決定戦』四歳の部の決勝戦が行われています!
 実況は私ななし、解説は台湾旅行に以前は年に20回も行ってたのにコロナで暫く行っていないので欲求不満溜まりまくりの榎本克己さん(62歳)でお送りしております。

 どうも榎本です。よろしくお願いします。

 さて榎本さん。前回年少さん(三歳)の部で優勝し、今年も優勝候補筆頭だった中国代表のリー・チェンナたんは既に破れ、大番狂わせが起こっております。

 えらいこっちゃですねぇ。

 決勝に残ったのは日本代表、しかも地元岡山県は津山市出身の美袋ユウたんとロシア代表の……
 えー、ここで訂正がございます。前回私、ロシア代表選手の名前をエカチェリーナ・イワノーヴナ・トルストフと申し上げましたが、正しくはエカチェリーナ・イワノーヴナ・トルスタヤ、でした。慎んでお詫び申し上げます。

 ロシア人の名前のルールは難しいですからねぇ。

 ここまでの試合の流れですが……。さて、どうですか榎本さん?

 はい。前回、美袋ユウたん選手が攻めに攻めまくりましたが、エカチェリーナたん選手に余裕で天丼を食べながらすべてかわされましたね。やっぱり手足が短いというのは相当なハンデですね。

 エカチェリーナたんも同じくらい短いですが……?

 てすから美袋ユウたん選手のように空手で闘うというのは、体のちっちゃい幼女にとって賢い戦法とは言えないんです。それに対してエカチェリーナたんはご存じの通り──

 えー。榎本さんがネタバラシしようとするのでちょっと阻止しますね。前ラウンドはユウたんの攻撃をすべて余裕でかわしたエカチェリーナたんが攻撃に転じようとした途端、ゴングが鳴りました。

 ゴングに救われましたよね。

 現在、両選手とも、お昼寝の時間です。セコンドが敷いたお布団ですやすや眠っております。

 可愛い寝顔ですよね。あっ、ユウたん選手、よだれが垂れていますよ? 誰も拭いてあげないんでしょうか? ……私が拭いてあげて来てもいいのかな。

 だめですよ、榎本さん。そういうのはご自分のお孫さんにしかやっちゃだめなんです。

 そういうものですか……。

 ところで榎本さんなんかにとっては両選手ともやっぱり、お孫さんみたいなものですよね?

 いえ、普通にハァハァしますよ。

「ななしさん。ななしさーん」

 あっ。今、スタンド席にいる海宮美靴(かみやみくつ)レポーターから私に声がかかりました。レポーターっていうか女子アナですけどね。どうしました? 海宮さん?

「準決勝で美袋ユウたんに敗れました優勝候補の中国代表リー・チェンナたん選手がスタンド席で観戦してるところを見つけました。インタビューしてみますね」

 おお! 黒い暗殺者装束に殺気100%の幼女! 間違いなくリー・チェンナたん選手ですね! 腕組みをして観客席からお昼寝する両選手を睨んでおります。優勝候補とあれだけ言われてたのに悔しそうだ! 榎本さん、どうですか?

 ほっといてあげたほうがいいと思いますけどね。

 海宮リポーターは世界中すべての言語が話せるので大変助かります。便利です。海宮リポーター? チェンナたんにインタビューをお願いします。
0630この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/13(火) 15:05:28.01ID:O0jMNzWL
>>620
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【その小さき体に2(2/3)】

「では、今の気持ちを聞いてみます」

 おー。海宮リポーターが中国語でチェンナたんにインタビューしています。中国語を喋る女性っていいですよねぇ……榎本さん?

 おっさんの中国語はやかましいだけですけどね。

 海宮リポーター、通訳をお願いします。

「ククク……。貴様ら命拾いしたな? 私が美袋ユウに勝っていたら貴様らも死んでいたところだ。しかし美袋ユウよ、負けたら承知せんぞ。私を下したお前が負ければ、私はナンバー3になってしまう。絶対……勝てよ? 応援はせんが、信じているぞ」

 海宮リポーター、声真似まで丁寧にありがとうございました。しかし確かにチェンナたんが準決勝でもしも勝っていたら、この大会どころか岡山が終わっていたところでした。

 核爆発を使おうとしていましたからね。

 それを美袋ユウたんが中段正拳突きで止め、そのまま連打を叩き込んで決勝進出を決めたのです。……ここで再び訂正とお詫びがあります。前回、私は『中段正拳突き』を『中断正拳突き』とか言っちゃってました。重ねてお詫びを申し上げます。

 いいんじゃないですか? 相手の攻撃を中断させたわけだから意味は合ってます。音だけ聞いたら同じですしね。

 しかし、そうです。美袋ユウたん選手はあの優勝候補だった『暗黒幼女兵器』リー・チェンナたん選手に勝っているのです! 決勝戦も期待していいでしょう!

「ななしさーん」

 あっ? また海宮美靴リポーターからだ。今度はどうしましたー?

「こちらには準決勝でエカチェリーナたん選手に敗れましたオランダ代表のエラ・フレイヤたん選手を見つけました。インタビューしてみますね」

 おお! 『世界一美しい幼女』の異名を持つエラたんだ! まぶしい! 是非、インタビューお願いします!

「エラたん、ハロー」
「はい。おハロー」
「エラたんは実は日本語が喋れるんですよね?」
「はい。はなせます。へただけど……」

 おお! 神々しいまでに純白の美幼女の口から日本語が! 日本語が飛び出しましたあ! こんなことがあっていいのかあー!?

 興奮しますね。

 えー解説いたします。エラたんはオランダの幼稚園で日本のアニメ『らき☆すた』を観て感動し、それをきっかけに日本語を勉強し始めたそうです。

 えらいですね。

「インタビューを続けまぁす。エラたんは決勝戦、どっちの子が勝つと思いますか?」
「やっぱりわたしを倒したエカちゃんに勝ってほしいな。うふっ」

 ああああ「うふ」って言った! 絶世の美幼女が今、「うふ」っていいましたよ榎本さん!

 興奮しすぎますよね。

「ところでご本を読んでるけど、何のご本を読んでるんですか?」
「ゲームブックです。日本語の勉強がなるから」

 日本語の勉強「に」です! 「が」じゃないです! てにをはを間違えてますよ、エラたん!

 頑張って日本語を勉強してくれてる外国人の幼女の方にそういうツッコミしちゃいけないと思いますけどねぇ……。
0632この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/13(火) 15:09:59.78ID:O0jMNzWL
>>620
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【その小さき体に2(3/3)】

「ところでエラたん、とうとう最後まで一回も攻撃しなかったけど、それでも準決勝まで進めたの凄かったねぇ?」
「はい。わたし、人きずつけるの、きらいだから」

 おーっと! そう言ってにっこり笑いましたぁー! 天使だー!

 しかしよく攻撃なしで準決勝まで進めましたよね。

 えー、解説いたします。オランダ代表エラ・フレイヤたん選手はすべての試合を『判定勝ち』で準決勝まで勝ち進みました。しかも海宮アナが言う通り、攻撃は一発も出しておりません。相手の攻撃をすべて防御し、お顔もそのため綺麗なままです。
 判定での勝利基準は1に有効打数、2に手数、3に防御ですが、これは攻撃に繋がる防御のみがカウントされ、単なる防御は判定勝ちの対象とはなりません。
 この判定基準と別に『芸術ポイント』がありまして、こちらは1に見た目の可愛さ、2に動きの可愛さ、3に同情に訴えるけなげさ、となります。
 単なる防御のみでエラたん選手が勝ち上がったのは、この芸術ポイントが非常に高かったためです。

 神がかっていますからね。CGより美しい幼女なんて彼女ぐらいでしょう。

 23歳ぐらいになるのが楽しみですよね。

 いえ、私は永遠に今のままでいて欲しいですね。

 しかし準決勝、エカチェリーナたん選手はこの奇跡の美幼女エラたんに……なんと判定勝ちをしているんですよね!

 エカチェリーナたんも結構な美幼女ですからね。

 それに加えてエカチェリーナたん選手のあの凄まじいオバケ攻撃……!

 ちょっとななしさん。ネタバラシになっちゃいますよ?

「じゃ、エラたん。邪魔してごめんね。ゆっくりご本を読んでね」
「はい。……あ、このゲームブック、エカたんにもプレゼントしたよ」
「エカチェリーナたん選手に? でも日本語のゲームブックでしょ? エカチェリーナたんはロシア語しかわかんないはずだよ?」
「はい。だから、意味わかないとおもいます。でも、友達なった、そのしるし……」

 うわあああ天使だ! 純白の天使は心まで真っ白だったあー!

 家に連れて帰りたいですね。

 でも……ところで榎本さん? エカチェリーナたん選手は試合中、確か美袋ユウたん選手と会話をしていましたよね? 日本語はわからないはずなのに? あれ、何語で喋ってたんでしょう?

 拳で語り合ってたってやつですよ、たぶん。

「ななしさーん」

 えっ? 海宮アナ。今度は誰を見つけましたか?
0633この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/13(火) 15:13:44.47ID:O0jMNzWL
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【その小さき体に2(4/3)】

「日本代表決定戦の決勝で美袋ユウたんに惜しくも敗退した茨鬼(いばらき)ももたん選手を観客席に見つけました」

 あっ。岡山市南区に在住の岡山市立『ふくふく幼稚園』に通う、茨鬼ももたんですね? 

 健康優良女児でむっちむちですねぇ。

「折角だからインタビューしてみますね。ももたん、こんにちは」
「……フン」
「今日はやっぱりユウたんを応援しに来たの?」
「……なわけねーだろ」

 おおっと。なんだか機嫌が悪いようだぞ?
 解説しますと、茨鬼ももたんは美袋ユウたんとは殺人幼女集団『とらタンのあな』で互いに研鑽を重ねあった仲だと聞き及んでおります。ちなみに2人ともきりん組だったそうです。
 またちなみにですが、ももたんは『とらタンのあな』での戦闘員としての訓練を、生後10ヶ月の頃から受けていたそうです。対してユウたんは2歳からだそうです。

 後から来たのに追い越され……ってやつですね。

 相当悔しかったでしょうね、ももたんは。1年以上も後から入って来たユウたんに負けたわけですから。

 上履きに画鋲とか入れたくなったんじゃないですかね。

 あーっ! 今、お昼寝の時間が終わりました! 美袋ユウたん選手、エカチェリーナたん選手、両者とも目をこすっている! まだおねむだー!

 あまり大きな声出さないであげてください。

 両選手、今、寝起きの体操をしております。体力満タンに回復しております。

 昨今、昼寝のある幼稚園は少ないですが、やはりお昼寝は必要ですね。

 さあっ! 両選手、今、リングに上がり、睨み合っております! 睨み合ってる姿も可愛い!

 3頭身がいいですよね。

「ホホホ……。またおバカの一つ覚えみたいにその短い手足でカラテ技を出しまくって来るおつもり? 赤ちゃんねぇ」
 おーっと! エカチェリーナたん選手、早速挑発だ!

「吠えてろ。あたちには空手しかねーんだ」
 美袋ユウたん選手、あくまでも次のラウンドも空手技で行くつもりだ! っていうかロシア語わかるのか!?

「いいわ。受けて立ってあげる。ただし忠告しておいて差し上げるわ。そんな小さい体での突きや蹴りなんて、わたくしには一発も届かなくってよ。オーっホッホッ!」
 エカチェリーナたんも日本語が通じてる! 理解しています!
0634この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/13(火) 15:16:29.57ID:O0jMNzWL
>>620
☆お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【その小さき体に2(5/3)】


「教えておいてやろう」
 おーっと! ユウたん、エカたんに何を教えるつもりだ!?
「小さき体に大きな闘志が充満する時、その闘志が大きければ大きいほど、そしてそれを容れる体が小さければ小さいほど、闘志は圧縮される。そしてそれが開放されし時、その爆発力は信じられぬほどに大きなものとなるのだ」

「へえ?www」

「わたちのこの小さな体には、日本全土と同じ大きさの闘志が充満している。それを今から貴様に見せてやりゅ」

 噛んだーっ! 難しいセリフを格好よく決めていたユウたん、最後に噛みましたーっ!

 しかし子供らしく「ちきゅうとおなじ大きさ」ではなく、「日本全土」というのが真実味を感じさせるスケールですね。これは期待できそうですよ?

「せいぜい今のうちに強がっておきなさい」
 エカチェリーナたん、上から目線だ! 偉そうです!
「あなたをわたくしの奴隷にして差し上げるわ」

 あーっと! 今、ゴングが鳴りましたー!

           (次回のお題に続く)

=====
文字数5000ないのに改行が多すぎるためか、5つに分かれてしまいました(>ω<。)
0635この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/14(水) 00:32:50.03ID:xLG0mH2n
みんな書くの速いな!(上から目線

>>629
1レス60行が上限なので、ご留意ください
修正が許されるなら、エカチェリーナの愛称はカーチャが普通ですね
かーちゃんじゃねーよ、っていう

まさかのお昼寝タイムとは・・・
後出しで続々登場する戦闘美幼女たち・・・どうするんだこれw
桃○郎の起源論争の気配もありますが、、この調子なら次回もなんとかなりそう・・・!

>>631
これはかなり珍しい設定では、、と言うか初めて見た!
淡々と進むのがTSとしても恋愛としても不利だし、言われると確かにシンプルでもない気がしますが
説明に説得力があるし、ちょっとこういう状況でのリアリティがあって面白い
0636この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/14(水) 20:54:00.16ID:XUd3IfOc
>>629
物騒な幼女達の戯れw
つよ可愛い幼女しか生き残れない舞台で、果たして決着はどうつくのか?
これで安価が『猫耳のじゃロリメイド』『盾ロール悪役公爵家令嬢』『ぽわぽわお姉様シスター』『ツンデレハイエルフ姫』とかだったらドウンなお話に成っていたのでしょう……

>>631
色々と考えさせられるお話ですね
胡蝶の夢の様なアニマとアニムスの様な
0637629
垢版 |
2021/04/15(木) 17:42:08.84ID:/h2XEZqJ
>>635
感想ありがとうございます。
えー? My愛読書「アンナカレーニナ」に出て来るエカチェリーナさん(LOVE)がみんなから「キチイ」って愛称で呼ばれてるよー?
これ古風な愛称なのかな?(´・ω・)
ちなみに昔一緒に暮らしてたチンチラ猫に『エカチェリーナ16世』という名前つけて「キチイ」とか「キー子」って呼んでました(恥)。

>>636
>これで安価が『猫耳のじゃロリメイド』……

 なるほど! 実は私8年もヲタの世界から離れてるもんで、そういう萌え感覚を失っていたようです!Σ( ̄□ ̄;)
大変勉強になりました。これからもよろしくお願いします。
0638この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/15(木) 17:46:07.81ID:/h2XEZqJ
>>631
戦闘員が女子高生の姿してたらヒーローさんも倒しにくそうだなあ。。。
「自分が女なのか男なのかわからない」というのは切ないなぁと思う上、実は非常に共感します。
私、ちょこっとそういう人ですので。。。
0639この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/15(木) 21:13:23.75ID:FlQoRpds
>>637
そういうことですか、、おかしいと思ったぜ・・・
今調べたところ、それはフランス語、、ナポレオンどーん! ではなく、、大英帝国どーん!! 英国風の愛称らしいです・・・知らねぇ
つまり Kitty なので、猫の名前としてはこの上なく
0640この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/16(金) 18:27:48.95ID:MUlNwKKu
遅くなりました。皆様、感想ありがとうございます。

>>635
淡々と進んでるのは設定ひねりすぎて説明が多くなったのと、多分文章書きなれていないからだと思います。
早く安定した文体で書けるようになりたいです。

>>636
プロット段階では相当コメディ寄りにつくったつもりだったんですが、
勢いで書いたせいで中盤から終盤にかけてシリアス病が発症してしまいました。

>>638
戦闘員を全員戦いにくい風貌にして〜みたいなコメディも面白そうかもと今思いました。
戦闘員が全員子どもの外見で、街中でヒーローが殴ったら児童虐待で逮捕されるから手を出せないとか笑
0641この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/18(日) 08:55:17.10ID:UXkPTRhr
色々見逃してた……

>>612
今も過去になるんですねぇ
今「もうだめぽ」とか書き込んだら「古っ」とか言われるんですよねぇ
でもこのぐらい古くなれば返ってプレミアついて有り難がられるんですねぇ
そして時代が変わっても人間は変わらない
短い中にこれほどコメントしたくなる内容がぎっしり詰まっている上にシアンたんの名前が一瞬化けるという細かい芸まで!…

>>625
こ、これは……
もう通用しませんよと言いたくなるというか……
お題出てから1時間でこれは当たり前だろうというか……
なんというか……
なんてコメントしよう……
0643この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/18(日) 12:25:28.61ID:vHSBblJu
>>641
感想ありがとうございます
ふと思い付いてしまったので、書くほかありませんでしたw
0646三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/18(日) 22:09:38.81ID:vHSBblJu
お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』締切

【参加作品一覧】
>>625【劇場版2レス目】
>>629【その小さき体に2】
>>631【戦闘員のハヤミヤさん。】
0647三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/18(日) 22:11:03.52ID:vHSBblJu
では今回も通常お題4つでお願いします

お題安価>>648-651
0648この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/18(日) 22:12:26.90ID:dmPd7QtQ
ラウンドアップ
0649この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/18(日) 22:21:24.99ID:N1hCMisj
幼馴染
0650この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/18(日) 22:26:18.87ID:Qb8cW7DM
『追憶』
0652三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/18(日) 22:56:28.65ID:vHSBblJu
☆お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→4/25の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0653三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/18(日) 22:58:21.41ID:vHSBblJu
な、、なぜにグリホサート?w
ともかくお題も作品も感想などもありがとうございますー

引き続きお題スレをよろしくー
0654この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/19(月) 06:09:36.40ID:gllgGFdP
乗り遅れた!(>ω<)

>>653
ありがとうございます。
そのレスがなかったら『ラウンドワン』と間違え続けて書いてたところでした。。。
0655この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:22:05.39ID:qvI0EmmG
供養枠です

お題:『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【超軽文庫遊戯本】


 これから始まるのはアナタの物語です。
 アナタは文章にある選択肢に従って話を進め、エンディングを目指してください。
 さあ、アナタはの選択の先にある結末はどんなものになるでしょう? 1へ

1 どこかぼんやりとした意識が次第に霧が晴れる様にハッキリとしてきた。
 アナタは……
 A.侯爵家令嬢との婚約解消をしないと。36へ
 B.文化祭のポスターを貼らないと。20へ

2 襲撃時のショックでアナタは正気を取り戻した。どうやら魔王に洗脳されて居た様だ。
 A.今更ながら魔王を倒す。17へ
 B.今更ながら逃げ出す。33へ 

3 半ば砂漠の様な国で、飢えに苦しむ人々がいる。
 A.苦しむ人たちの為にボランティアをする。18へ
 B.「自分には何もできない」と立ち去る。31へ

4 城中を探し回り、アナタはようやく魔王を見付けた。魔王は不敵に笑う。

「人間の暗殺者か? 面白い相手に成ってやろう!!」

 A.「待て!! その前に話がしたい!!」ENDING‐1へ
 B.「わかった、その代わり自分が勝ったら話を聞いてもらう」23へ

5 たまたまそこに発現した特異点を画鋲の先が刺激してしまった事によるn時空偏差により、ワームホールが時空連続体の移送をずらしてしまった為に空間の穴が開き、アナタはそこに落ちてしまった。14へ

6 速攻で捕まり、犯罪奴隷として魔王領の鉱山に収容されてしまった。
 A.負けて堪るか!! どんな事が有っても生き延びてやる!!37へ
 B.もうだめだ……34へ

7 「そんな事に成っておったとは」男爵は項垂れた。元々学園と言うのは閉鎖空間の為、大人達の眼が届かない場所ではある。だが、それ程のいじめが行われて良い場所ではない。
 だが、教師陣も見て見ぬふりをしていると言うのなら、おそらく侯爵家からの圧力がかかっているのだろう。
 「こうなったら」……
 A.国王に報告する。28へ
 B.侯爵家に抗議する。45へ

8 魔王城への潜入は成功した。
 A.当然、玉座の間へ。17へ
 B.勿論、執務室へ。49へ 

9 無理がたたり、アナタも病気になってしまった。
 A.もうだめだ……34へ
 B.大丈夫だ、安静にして居たらきっと治る。22へ

10 人間領へと足を踏み入れたアナタは、しかし路銀など無かった為、空腹で倒れてしまった。
 A.もうだめだ……34へ
 B.こういう時は優しい美少女が助けてくれるのがお約束だ。25へ

11 無事に逃げ果せたアナタだが、流石に行き倒れが逃げ出せば不審に思われるだろう。
 A.とりあえず人間領に潜伏する。27へ
 B.魔王領に逃げる。32へ

12 ……と言う事が有って、自分が転生したのだと、この時、記憶がよみがえった。6へ
0657この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:24:41.23ID:qvI0EmmG
【超軽文庫遊戯本】(2/3)


13 だが、すでにアナタの存在は知られて居た様だ。侯爵の暗部戦闘員が現れた。
 A.戦う。39へ
 B.ダッシュで逃げる。33へ

14 「知らない天丼だ……」そう呟いたアナタが、周囲を見回すと、そこは見知らぬ場所だった。と、そこに幼女が歩いて来た。
 A.事案に成りそうなのでダッシュで逃げる。33へ
 B.下心など無いので話し掛けて見る。26へ

15 「こんな!! ひどいですわ!!」彼女は泣いてしまった。流石に公衆の面前で侯爵家令嬢に恥をかかせたのはまずかった。
 下手をすれば侯爵家からの追及もあるだろう。
 A.国王に弁明しに行く。28へ
 B.侯爵家の弱みを握り、今回の事を握りつぶす。24へ

16 そんなアナタは周囲から嫉妬の目で見られ、嫌がらせを苦にして……12へ

17 ようやく魔王へと辿り着いたアナタは……
 A.当然戦う。31へ
 B.戦うと思うだろ? だがあえて逃げる。33へ

18 半年にわたるアナタの活躍で、少しづつ周囲の生活は楽になって行った。すると、貴方の評判を聞きつけた魔王城から、アナタを召喚する様に言われ、兵士がアナタを訪ねて来た。
 A.「……分かった行こう」44へ
 B.ダッシュで逃げる。6へ

19 アナタは健闘した。とても頑張った。だが、一歩届が遠い。
 A.転生者or転移者。43へ
 B.普通の貴族。30へ

20 商店の店先へとポスターを貼る。その時、手元から画鋲を取り落として……
 A.転がった画鋲を追った先で……5へ
 B.「まぁ良いか」と放置した結果……47へ 

21 加速して行くにつれ、次第に周囲は、遅く視界が狭くなる。いや、これは前方に収縮していっているのだろうか? そして次第にその光景は更に遅く、狭くなり、極小の高密度光と無限の虚無が……1へ

22 だが、君の意志とは裏腹に、意識が混濁し、目の前が真っ暗になる。
 A.ボランティアに参加した35へ
 B.ボランティアへ参加していない42へ

23 アナタは健闘した。とても頑張った。だが、一歩届が遠い。
 A.転生者or転移者。46へ
 B.普通の貴族。30へ 

24 色々と探って居る内に、どうやら侯爵が魔王と取引しているらしい事を突き止めた。だが、これだけでは証拠が足りない。
 A.魔王領に行くしかない!32へ
 B.さすがに魔王領までは……13へ

25 「知らない天丼だ……」そう呟いたアナタが周囲を見回すと、そこは豪奢な造りの部屋だった。すると、メイド姿の女性が中に入って来る。
 彼女の説明によると、ここはスピルネス男爵の屋敷であり、そこの御令嬢に拾われたのだと言う。
 A.ありがたい、何とかお礼をしたい。40へ
 B.へ、へぇ(貴族とか面倒臭い。何とか脱出しなくちゃ)。11へ

26 幼女に見えたのはホビットと言う旅好きの亜人だった。彼女の説明では、ここは魔王領と人間領の丁度真ん中であり、どちらへも行けると言う。
 A.もちろん人間領へ。10へ
 B.魔王領へ行ってみようかな。32へ

27 しかしそんなに世間は甘くなかった。アナタは奴隷商に捕まり、魔王領にある鉱山に送られてしまった。37へ 
0658この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:27:05.65ID:qvI0EmmG
【超軽文庫遊戯本】(3/4)


28 例えどんなに非道を行っていたとしても、それを免罪符にして良い訳では無い。アナタはその為に直々に国王へと上奏に行った。
 国王は、そう言う事ならと、二つ返事で許可を出してくれたのだが、しかし、その為に一つ『お願い』を聞かなければ成らない事に成った。
 A.侵略をして来た魔王領を探って欲しい。32へ
 B.最近きな臭い侯爵家を探って欲しい。24へ

29 たった一人で人間達の兵士を壊滅させた君は、魔族から厚い信頼を受け、魔族の英雄として祭り上げられ、その生涯を戦場で過ごすし、伝説となった……HAPPY END?

30 やはり、上級貴族と言えど、単独で魔王を倒すのは無理だった。
 A.くっころ! 37へ
 B.死にたくないです!! 42へ

31 戦いは3日3晩続いた。双方が荒く息を吐く中、魔王が声を掛けて来た。
 A.問答無用。19へ
 B.話を聞いてみる。44へ

32 アナタは魔王領へと足を踏み入れた。見れば、土地は荒れ、植物もまともに育たないようだ。
 A.しかし、貧しい国だな。3へ
 B.やっぱり、魔族が統治する様な国はダメだな。41へ

33 しかし回り込まれた。
 A.もうだめだ……6へ
 B.さらに加速する。21へ 

34 アナタは絶望の内に亡くなった。BAD END

35 数々の功績で、君は治療を受けられる事と成った。
 A.ありがたいと感謝し、自分に様な者がもう出ない様に環境整備を申し出る。18へ
 B.これ以上は働けない。仕事を変えてくれるよう申し出る。42へ

36 目の前には婚約者であるアナスタシア・ベルンガルド侯爵令嬢が居る。彼女は庶子であったルノア・スピルネス男爵令嬢に対し、あまりに非道なる嫌がらせを続けた事も有り、アナタは既に愛想をつかしていた。
 あまりにもひどい選民思想は、この国の公爵夫人としても相応しくないだろう。
 今も、ルノア男爵令嬢に対し紅茶をかけると言う非道を行っていたのだ。
 A.今すぐ『婚約破棄』を言い渡す。15へ
 B.いや、先ずは根回しからだ。28へ

37 鉱山へ奴隷としてやって来たアナタは、周囲の人々の暗い顔を見る。あちらこちらで病気に成り、まともに働けない者も居る様だ。
 A.それでも、がんばって刑期を減らす様働く。9へ
 B.「このままだと効率が悪い」と上の人に環境改善をかけあう。18へ

38 果たしてどれ程の時が流れただろう。果てしなく続く戦いの日々。そんな戦場の一つで、奇襲を受けたアナタは……
 A.痛いわ!! 何してくれとんねん!! 29へ
 B.自分は何を……2へ

39 あまりにも華麗に避けた為、その様子をツイートされ、その結果バズる事と成った。
 A.当然だね。48へ
 B.やれやれ、目立ちたくは無いんだがな。16へ

40 アナタは高等な教育を受けていた事を見抜かれ、お嬢様の執事に取り立てられる事に成った。とは言っても、基本的には荷物持ちなのだが。
 そんな日々を送っていたアナタだったが、ある日、ルノアお嬢様が、別のお嬢様に嫌がらせを受けている所に遭遇してしまう。
 A.男爵に相談する。7へ
 B.やられたらやり返す! 倍返しだ!! 15へ

41 魔物から逃げ、人目を避けて進む事数日。アナタはようやく魔王城に辿り着いた。
 A.こっそり忍び込む。8へ
 B.正面突破する。6へ 

42 アナタは魔王様の厚意で戦闘員へと改造され、命を繋ぎ止める事ができた。これからは魔王の下っ端として活躍する事だろう。To be continued……38へ
0659この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:28:00.77ID:qvI0EmmG
【超軽文庫遊戯本】(4/4)


43 その時奇跡が起こった!! 隠しステータスが発動し、チートパワーが発揮されたのだ!!
 形勢は逆転し、魔王を瀕死の状態まで追い詰めたのだ。
 A.降伏してください。悪い様にはしません。ENDING‐1へ
 B.魔族は消毒だぁ!!ENDING‐2へ

44 アナタを家臣として取り立てたいと魔王が言う。
 A.話を受ける。ENDING‐1へ
 B.だが断る! 自分は魔族の下になど付かない!!6へ

45 だが、対応は暖簾に腕押しだった。
 A.国王に直訴する。28へ
 B.独自に証拠を集める。24へ

46 アナタはその身に秘めた力を解き放った! 一介の人間には過ぎた力だと思っていたそのチート能力をだ。
 形勢は逆転し、アナタは魔王の首に剣を突き付けた。

「さぁ、話を聞いてもらいますよ?」
「わかった、魔族は強者に従う種族だ。何でも言え。」

 A.「貴方の力に成らせてください」ENDING‐1へ
 B.「自分の下につけ、その力、使わせて貰う」ENDING‐3

47 画鋲を踏んで思わず道路に飛び出た老婆を避ける為にハンドルを切ったトラックが突っ込んで来てしまった。
 A.華麗に避ける。39へ
 B.あ、おわた。12へ

48 そんな傲慢さがツイートに出ていたのだろう。アナタは大炎上し、外を歩けなくなったのだった。BAD END

49 執務室には様々な書類があった。それは、魔王領の絶望的な現状が赤裸々に書かれていた。
 A.魔王にも侵攻する理由が……4へ
 B.そんなの関係ねぇ! 17へ

 ******

ENDING‐1 アナタは今、魔王領で環境改革を行っている。魔王が人間領域を侵略せんとしたのは、食料の採れる土地が無くなって来たからだった。
 アナタは土壌の改良を始め、NaiseiTueeeeee!! での魔王領を再生する事を決めたのだ。
 これが上手く行けば、もう魔王が侵略をする事も無くなるだろう。

ENDING‐2 魔王及び魔王領は滅ぼした。そして、人間領内で魔族と繋がっていた貴族の粛清も終わった。これで世界は平和になるだろう。
 全ての国を統治した人間領は、これから増々発展して行くはずだ。
 それが、勝者の務めであり、義務でもあるからだ。

ENDING‐3 アナタは魔王を従え王城を襲撃した。少しずつ侵略するのではなく、一気に頭を攻めたのだ。
 完全な縦社会である人間領は、頭さえ押さえてしまえば、それ以下はどうとでも成る。忠義で動く者等、皆無な事はアナタが一番分かって居る。
 精々、自分に下った方が旨味が有る事を示してやれば、反発も少ないと考えたのだ。
 この強襲は成功し、国王は幽閉した。どこかホッとした様な国王の顔が印象的だった。
 こうしてアナタは、最小の犠牲で人間領と魔王領を統一したのだった。
0660この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:30:17.41ID:qvI0EmmG
分割の表示を色々と間違えてしまいましたorz
結局書き上がるまで4日も掛かってしまいましたよ……もっと筆速が早くなりたいです
0661この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:35:04.79ID:qvI0EmmG
>>641
感想有難うございます
記〇屋ジョニーと言うSFを思い出しながら書いて居ましたw
0662この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:36:23.44ID:K6HwzLQY
事故ってしまった! すみません

>>655
そして前回お題の真打登場ですね!!
旧作を超えたとんでもない力作を4日で書いてくるという、よく分からないことになってますが・・・w
後でゆっくり遊ぶ!
0663この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:38:59.95ID:K6HwzLQY
>>620
締め切りに間に合いませんでしたので、供養枠での投稿です

使用お題→『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【Prolog の文法でなろう小説っぽいゲームブック風の何かを書こうとした残骸】

https://ncode.syosetu.com/n6418gx/
0664この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/20(火) 23:41:52.16ID:K6HwzLQY
そして真打の後に何かを出してくるという><
論理学のトートロジー的な不思議さを感じていただければ・・・
0665この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/21(水) 00:20:21.19ID:sxEtoCcx
選択肢の致命的ミスを発見してしまいましたので、改正版をorz

【超軽文庫遊戯本(改)】(1/4)


 これから始まるのはアナタの物語です。
 アナタは文章にある選択肢に従って話を進め、エンディングを目指してください。
 さあ、アナタはの選択の先にある結末はどんなものになるでしょう? 1へ

1 どこかぼんやりとした意識が次第に霧が晴れる様にハッキリとしてきた。
 アナタは……
 A.侯爵家令嬢との婚約解消をしないと。36へ
 B.文化祭のポスターを貼らないと。20へ

2 襲撃時のショックでアナタは正気を取り戻した。どうやら魔王に洗脳されて居た様だ。
 A.今更ながら魔王を倒す。17へ
 B.今更ながら逃げ出す。33へ 

3 半ば砂漠の様な国で、飢えに苦しむ人々がいる。
 A.苦しむ人たちの為にボランティアをする。18へ
 B.「自分には何もできない」と立ち去る。8へ

4 城中を探し回り、アナタはようやく魔王を見付けた。魔王は不敵に笑う。

「人間の暗殺者か? 面白い相手に成ってやろう!!」

 A.「待て!! その前に話がしたい!!」ENDING‐1へ
 B.「わかった、その代わり自分が勝ったら話を聞いてもらう」23へ

5 たまたまそこに発現した特異点を画鋲の先が刺激してしまった事によるn時空偏差により、ワームホールが時空連続体の移送をずらしてしまった為に空間の穴が開き、アナタはそこに落ちてしまった。14へ

6 速攻で捕まり、犯罪奴隷として魔王領の鉱山に収容されてしまった。
 A.負けて堪るか!! どんな事が有っても生き延びてやる!!37へ
 B.もうだめだ……34へ

7 「そんな事に成っておったとは」男爵は項垂れた。元々学園と言うのは閉鎖空間の為、大人達の眼が届かない場所ではある。だが、それ程のいじめが行われて良い場所ではない。
 だが、教師陣も見て見ぬふりをしていると言うのなら、おそらく侯爵家からの圧力がかかっているのだろう。
 「こうなったら」……
 A.国王に報告する。28へ
 B.侯爵家に抗議する。45へ

8 魔王城への潜入は成功した。
 A.当然、玉座の間へ。17へ
 B.勿論、執務室へ。49へ 

9 無理がたたり、アナタも病気になってしまった。
 A.もうだめだ……34へ
 B.大丈夫だ、安静にして居たらきっと治る。22へ

10 人間領へと足を踏み入れたアナタは、しかし路銀など無かった為、空腹で倒れてしまった。
 A.もうだめだ……34へ
 B.こういう時は優しい美少女が助けてくれるのがお約束だ。25へ

11 無事に逃げ果せたアナタだが、流石に行き倒れが逃げ出せば不審に思われるだろう。
 A.とりあえず人間領に潜伏する。27へ
 B.魔王領に逃げる。32へ

12 ……と言う事が有って、自分が転生したのだと、この時、記憶がよみがえった。6へ
0666この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/21(水) 00:22:31.37ID:sxEtoCcx
【超軽文庫遊戯本(改)】(2/4)


13 だが、すでにアナタの存在は知られて居た様だ。侯爵の暗部戦闘員が現れた。
 A.戦う。39へ
 B.ダッシュで逃げる。33へ

14 「知らない天丼だ……」そう呟いたアナタが、周囲を見回すと、そこは見知らぬ場所だった。と、そこに幼女が歩いて来た。
 A.事案に成りそうなのでダッシュで逃げる。33へ
 B.下心など無いので話し掛けて見る。26へ

15 「こんな!! ひどいですわ!!」彼女は泣いてしまった。流石に公衆の面前で侯爵家令嬢に恥をかかせたのはまずかった。
 下手をすれば侯爵家からの追及もあるだろう。
 A.国王に弁明しに行く。28へ
 B.侯爵家の弱みを握り、今回の事を握りつぶす。24へ

16 そんなアナタは周囲から嫉妬の目で見られ、嫌がらせを苦にして……12へ

17 ようやく魔王へと辿り着いたアナタは……
 A.当然戦う。31へ
 B.戦うと思うだろ? だがあえて逃げる。33へ

18 半年にわたるアナタの活躍で、少しづつ周囲の生活は楽になって行った。すると、貴方の評判を聞きつけた魔王城から、アナタを召喚する様に言われ、兵士がアナタを訪ねて来た。
 A.「……分かった行こう」44へ
 B.ダッシュで逃げる。6へ

19 アナタは健闘した。とても頑張った。だが、一歩届が遠い。
 A.転生者or転移者。43へ
 B.普通の貴族。30へ

20 商店の店先へとポスターを貼る。その時、手元から画鋲を取り落として……
 A.転がった画鋲を追った先で……5へ
 B.「まぁ良いか」と放置した結果……47へ 

21 加速して行くにつれ、次第に周囲は、遅く視界が狭くなる。いや、これは前方に収縮していっているのだろうか? そして次第にその光景は更に遅く、狭くなり、極小の高密度光と無限の虚無が……1へ

22 だが、君の意志とは裏腹に、意識が混濁し、目の前が真っ暗になる。
 A.ボランティアに参加した35へ
 B.ボランティアへ参加していない42へ

23 アナタは健闘した。とても頑張った。だが、一歩届が遠い。
 A.転生者or転移者。46へ
 B.普通の貴族。30へ 

24 色々と探って居る内に、どうやら侯爵が魔王と取引しているらしい事を突き止めた。だが、これだけでは証拠が足りない。
 A.魔王領に行くしかない!32へ
 B.さすがに魔王領までは……13へ

25 「知らない天丼だ……」そう呟いたアナタが周囲を見回すと、そこは豪奢な造りの部屋だった。すると、メイド姿の女性が中に入って来る。
 彼女の説明によると、ここはスピルネス男爵の屋敷であり、そこの御令嬢に拾われたのだと言う。
 A.ありがたい、何とかお礼をしたい。40へ
 B.へ、へぇ(貴族とか面倒臭い。何とか脱出しなくちゃ)。11へ

26 幼女に見えたのはホビットと言う旅好きの亜人だった。彼女の説明では、ここは魔王領と人間領の丁度真ん中であり、どちらへも行けると言う。
 A.もちろん人間領へ。10へ
 B.魔王領へ行ってみようかな。32へ

27 しかしそんなに世間は甘くなかった。アナタは奴隷商に捕まり、魔王領にある鉱山に送られてしまった。37へ 
0667この名無しがすごい!
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2021/04/21(水) 00:24:01.14ID:sxEtoCcx
【超軽文庫遊戯本(改)】(3/4)


28 例えどんなに非道を行っていたとしても、それを免罪符にして良い訳では無い。アナタはその為に直々に国王へと上奏に行った。
 国王は、そう言う事ならと、二つ返事で許可を出してくれたのだが、しかし、その為に一つ『お願い』を聞かなければ成らない事に成った。
 A.侵略をして来た魔王領を探って欲しい。32へ
 B.最近きな臭い侯爵家を探って欲しい。24へ

29 たった一人で人間達の兵士を壊滅させた君は、魔族から厚い信頼を受け、魔族の英雄として祭り上げられ、その生涯を戦場で過ごすし、伝説となった……HAPPY END?

30 やはり、上級貴族と言えど、単独で魔王を倒すのは無理だった。
 A.くっころ! 37へ
 B.死にたくないです!! 42へ

31 戦いは3日3晩続いた。双方が荒く息を吐く中、魔王が声を掛けて来た。
 A.問答無用。19へ
 B.話を聞いてみる。44へ

32 アナタは魔王領へと足を踏み入れた。見れば、土地は荒れ、植物もまともに育たないようだ。
 A.しかし、貧しい国だな。3へ
 B.やっぱり、魔族が統治する様な国はダメだな。41へ

33 しかし回り込まれた。
 A.もうだめだ……6へ
 B.さらに加速する。21へ 

34 アナタは絶望の内に亡くなった。BAD END

35 数々の功績で、君は治療を受けられる事と成った。
 A.ありがたいと感謝し、自分に様な者がもう出ない様に環境整備を申し出る。18へ
 B.これ以上は働けない。仕事を変えてくれるよう申し出る。42へ

36 目の前には婚約者であるアナスタシア・ベルンガルド侯爵令嬢が居る。彼女は庶子であったルノア・スピルネス男爵令嬢に対し、あまりに非道なる嫌がらせを続けた事も有り、アナタは既に愛想をつかしていた。
 あまりにもひどい選民思想は、この国の公爵夫人としても相応しくないだろう。
 今も、ルノア男爵令嬢に対し紅茶をかけると言う非道を行っていたのだ。
 A.今すぐ『婚約破棄』を言い渡す。15へ
 B.いや、先ずは根回しからだ。28へ

37 鉱山へ奴隷としてやって来たアナタは、周囲の人々の暗い顔を見る。あちらこちらで病気に成り、まともに働けない者も居る様だ。
 A.それでも、がんばって刑期を減らす様働く。9へ
 B.「このままだと効率が悪い」と上の人に環境改善をかけあう。18へ

38 果たしてどれ程の時が流れただろう。果てしなく続く戦いの日々。そんな戦場の一つで、奇襲を受けたアナタは……
 A.痛いわ!! 何してくれとんねん!! 29へ
 B.自分は何を……2へ

39 あまりにも華麗に避けた為、その様子をツイートされ、その結果バズる事と成った。
 A.当然だね。48へ
 B.やれやれ、目立ちたくは無いんだがな。16へ

40 アナタは高等な教育を受けていた事を見抜かれ、お嬢様の執事に取り立てられる事に成った。とは言っても、基本的には荷物持ちなのだが。
 そんな日々を送っていたアナタだったが、ある日、ルノアお嬢様が、別のお嬢様に嫌がらせを受けている所に遭遇してしまう。
 A.男爵に相談する。7へ
 B.やられたらやり返す! 倍返しだ!! 15へ

41 魔物から逃げ、人目を避けて進む事数日。アナタはようやく魔王城に辿り着いた。
 A.こっそり忍び込む。8へ
 B.正面突破する。6へ 

42 アナタは魔王様の厚意で戦闘員へと改造され、命を繋ぎ止める事ができた。これからは魔王の下っ端として活躍する事だろう。To be continued……38へ
0668この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/21(水) 00:24:51.92ID:sxEtoCcx
【超軽文庫遊戯本(改)】(4/4)


43 その時奇跡が起こった!! 隠しステータスが発動し、チートパワーが発揮されたのだ!!
 形勢は逆転し、魔王を瀕死の状態まで追い詰めたのだ。
 A.降伏してください。悪い様にはしません。ENDING‐1へ
 B.魔族は消毒だぁ!!ENDING‐2へ

44 アナタを家臣として取り立てたいと魔王が言う。
 A.話を受ける。ENDING‐1へ
 B.だが断る! 自分は魔族の下になど付かない!!6へ

45 だが、対応は暖簾に腕押しだった。
 A.国王に直訴する。28へ
 B.独自に証拠を集める。24へ

46 アナタはその身に秘めた力を解き放った! 一介の人間には過ぎた力だと思っていたそのチート能力をだ。
 形勢は逆転し、アナタは魔王の首に剣を突き付けた。

「さぁ、話を聞いてもらいますよ?」
「わかった、魔族は強者に従う種族だ。何でも言え。」

 A.「貴方の力に成らせてください」ENDING‐1へ
 B.「自分の下につけ、その力、使わせて貰う」ENDING‐3

47 画鋲を踏んで思わず道路に飛び出た老婆を避ける為にハンドルを切ったトラックが突っ込んで来てしまった。
 A.華麗に避ける。39へ
 B.あ、おわた。12へ

48 そんな傲慢さがツイートに出ていたのだろう。アナタは大炎上し、外を歩けなくなったのだった。BAD END

49 執務室には様々な書類があった。それは、魔王領の絶望的な現状が赤裸々に書かれていた。
 A.魔王にも侵攻する理由が……4へ
 B.そんなの関係ねぇ! 17へ

 ******

ENDING‐1 アナタは今、魔王領で環境改革を行っている。魔王が人間領域を侵略せんとしたのは、食料の採れる土地が無くなって来たからだった。
 アナタは土壌の改良を始め、NaiseiTueeeeee!! での魔王領を再生する事を決めたのだ。
 これが上手く行けば、もう魔王が侵略をする事も無くなるだろう。

ENDING‐2 魔王及び魔王領は滅ぼした。そして、人間領内で魔族と繋がっていた貴族の粛清も終わった。これで世界は平和になるだろう。
 全ての国を統治した人間領は、これから増々発展して行くはずだ。
 それが、勝者の務めであり、義務でもあるからだ。

ENDING‐3 アナタは魔王を従え王城を襲撃した。少しずつ侵略するのではなく、一気に頭を攻めたのだ。
 完全な縦社会である人間領は、頭さえ押さえてしまえば、それ以下はどうとでも成る。忠義で動く者等、皆無な事はアナタが一番分かって居る。
 精々、自分に下った方が旨味が有る事を示してやれば、反発も少ないと考えたのだ。
 この強襲は成功し、国王は幽閉した。どこかホッとした様な国王の顔が印象的だった。
 こうしてアナタは、最小の犠牲で人間領と魔王領を統一したのだった。
0671この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/21(水) 23:59:39.05ID:0ivjXHi/
>>670
感想ありがとうございます
って言うかわざわざ読んでもらってありがとうございます><
むしろほぼ数学そのもの、という感じなので、その読み方が一番正確だと思います
0672この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/22(木) 20:37:19.55ID:2PqgrCo/
>>663
実際やってみたけどすげ&#12316;なこれ。
小説は自由だってWikipedia 先生も言っているし、ジャンルは何でもいいんじゃね?
述語論理というのをいまいち理解できてないけど、このプログラムに関して言えば、小説として読もうとするとネタバレ不可避なのが致命的だな。
そして、画鋲は石より強し!

>>665
こちらは真っ当なゲームブック、しっかり真っ当な楽しかった。
3つのエンディングに向けてうまく選択肢をまとめている。
ただ、個人的な好みを言うなら、1番のように主人公の選択次第でそもそもの設定が変わってしまったり、28番のように本来主人公に選択権が無いようなことが選択肢になっているのはあまり好きでは無い。
5番は意地でも転生させるという意志を感じるので結構好き。
0673この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/22(木) 22:50:52.65ID:7n+QlfEO
>>672
感想有難うございます
なるべく意表を突きたくて、あの様な始まりにしましたが、もうちょっと何とか出来れば良かったですね
0674この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/22(木) 23:20:02.84ID:RFqg6MSU
>>672
おお、、遊んでみた人が、、ありがとうございます
隠すほどのネタもないので、そこは仕方ないかなと^^;
画鋲は、刺さると痛い武器なんですw
0675この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/23(金) 18:25:37.70ID:OF+9Gu6h
>>652
☆お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【その小さき体に 3(1/3)】

 皆様、おはこんばんちわ!
 ここ大都会岡山にあるコンベックス岡山では「世界一幼女決定戦」四歳の部の決勝戦が行われております!
 数十年前にはあの則巻ア○レ選手を輩出しましたこの大会、今年もつよ可愛い子が揃い、戦い合い、遂に四歳児最強のタイトルを賭けての決勝戦であります!
 実況は私、ななし。解説には62歳にして現役バリバリの幼女好きの榎本克己さんをお迎えしております。

 どうも、榎本です。「誰だよ」とか言わないでくださいね。

 さてゴングは鳴っております。しかし両者とも動かない! 相手の出方を覗っている! ちょうどいいのでこの時間を利用して両選手の紹介を皆様にしたいと思います。

 都合がいいですね。

 特設リング上赤コーナー、白いこども用空手着に黒帯姿は、日本代表、美袋ユウたん選手です。短髪黒髪に凛々しい目がいかにも日本男……女児という感じです。
 好きなものは『おじいちゃん』。好きな食べ物は『納豆』、『うずまきアイス』、『塩サバ』。ちなみに塩サバは綺麗に骨だけ残して食べるそうです。

 いいですね。それでこそ日本のこどもです。

 これまでに見せた必殺技は『中段正拳突き』『うずまき旋風脚』『しょうユウ拳』ですが、まだまだ奥の手を隠し持っていそうです。

 波動拳はないんですかね。

 対する青コーナー、水色のスモックに黄色い帽子から覗くシルバーの縦ロールは、胸の名札を見ればおわかりの通り、ロシア代表、エカチェリーナ・イワーノヴナ・トルスタヤたん選手です。
 好きなものは『奴隷』、『鞭』、『ラウンドアップ』……

 ラウンドアップって何なんですかね。

 好きな食べ物は『天丼』。これまですべての試合を必殺技『ボボーク』1つで勝ち上がっています。

 ねえ、ラウンドアップって何なんですか?

 あーっと! 今、美袋ユウたんがようやく仕掛けた! 中段正拳3段突き!

「やあっ! たあっ! ちぇすとーっ!」

 可愛い掛け声とともに前進しながら突く! 突く! が……! 届かないーーっ!!!

「ホホホ! そんな小ぶりなボンレスハムみたいな腕では届かなくってよ」

 エカチェリーナたん、リングの上をまるで滑るかのような華麗な足捌きで避ける! 避ける! 避けるーーっ!!!

「美袋ユウは先陣攻撃型だ。スゥエーと後陣からの魔法攻撃を得意とするエカチェリーナとは相性が悪いな」

 うお!? 解説&実況のこの私と榎本さんを差し置いていきなり解説を始めたのは誰だ!?

「私でぇーす」

 あっ! リポーターの海宮(かみや)アナ? 何やってんですか!

「今大会の優勝候補だったのに負けてしまった中国代表のリー・チェンナたん選手が今、観客席で独り言を始めましたので翻訳してみましたーぁ」

 あっ! なるほどチェンナたんによる中国語の解説を訳してくれてたんですね? ではチェンナたんに聞いてみてください。好きなものはなんですか?

「……幼馴染み」

 チェンナたん答えてくれました! チェンナたんの好きなものは幼馴染み。幼馴染みです! どんな男の子なんでしょうかね、榎本さん?
0676この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/23(金) 18:32:02.89ID:OF+9Gu6h
>>652
☆お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【その小さき体に 3(2/3)】

 っていうかチェンナたん四歳ですよ? 幼馴染みって大きくなってから出来るもんじゃないですか?

 ああっと! チェンナたんの好きなものを聞いてるうちにエカチェリーナたん選手が仕掛けた! 遂に仕掛けましたーっ!

「う……ぅぅ……」
 エカチェリーナたんの美しいお顔が歪みます! 遂にあれが出るぞ! すべての対戦者を葬って来たあの必殺技が出るぞ!
「うえぇ……!」
 泣いたーーっ! エカチェリーナたん選手、得意の嘘泣きが炸裂したーーっ!!
「び……びええぇ〜え〜ぇ〜っ!!!」
 出ましたーーっ! これぞロシア貴族の末裔幼女にのみ伝わる恐怖の魔術! ボボーク! ボボークです!

「恐ろしい技だ……。ボボーク」
 おおっと! チェンナたんが解説をしてくれるようだーっ!
「ロシア貴族の血を引く幼女が号泣する時、その誇りを守らんとして、遠くペテルブルクの墓場から幽霊が守護に現れるのだ。『ボボーク』とはロシア語で『豆』という意味であり、文豪ドストエフスキーが書いた唯一の怪談話のタイトルだ」

 ほう?チェンナたんはその作品を読んだことが?

「幼女にそんな怖そうなもん読めるかボケ殺すぞ」

 あーっと! チェンナたんの解説の通り、今、エカチェリーナたん選手の前に立ち塞がるように、真っ白な髪に青い顔の痩身のロシア人男性が現れました! これは明らかに死んでいます! 幽霊です! 幽霊です!
 そうです! 幼女はオバケが苦手なのです! これまでの対戦相手はこのオバケを見るなりほぼ全員が泣いてリングを自ら飛び降りて敗北していました。リングアウトは負けのルールとなっております。
 唯一リングアウト負けしなかったのは準決勝のオランダ代表エラ・フレイヤたん選手だけですが、彼女も必死で、頬を膨らませて、涙を耐えていました。

 あれは『健気ポイント』が高かったですけどね。結局泣き出してしまい、判定負けしてしまいました。

 さあ、美袋ユウたん選手、耐えるか!? オバケに耐えれるか!?

「ボボーク、ボボーク、ボボーク……」
 おおっと! 幽霊が怖がらせようとして低い声を出したーーっ! 耐えれるのか、ユウたん!?

「それがどうした」

 おおおーっと!ユウたん、まったく怖がってない! 腕組みをして余裕のポーズだ!

「なっ……!? あなた、オバケが怖くないとおっしゃるの!?」
 さすがにこれにはエカチェリーナたん選手も動揺したかー!?

「追憶がわたちを強くする」
 ユウたん、何か語り出した!
「じーちゃんと一緒に修行した中国山地での日々にわたちは精神を鍛え抜かれている。オバケなんぞ毎晩のように会って、戦っていたわ」

 頼もしい! 頼もしいぞ、我ら日本が誇る最強カラテ幼女、美袋ユウたん!

 どんなオバケと会ってたんでしょうか。

「くっ……!」
 エカチェリーナたん、ユウたんの反応に思わず唇を噛みしめた!
「でも……わたくしの必殺技はこれだけではなくってよ!」

「それはもちろん、わたちもだ」
 おーっと! ユウたん選手、これは未公開の超必殺技発動の予告か!?
「行くぞ……。見せてやりゅ」
 あーっと! 決めるべきところで噛んでしまい、俯いております!
0677この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/23(金) 18:35:17.56ID:OF+9Gu6h
>>652
☆お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【その小さき体に 3(3/3)】

「よし、美袋ユウよ。それでこそこの私を倒した幼女だ」
 ここで中国代表優勝候補だったのに準決勝でユウたんにころりと負けたリー・チェンナたん選手がまた語り出したーっ!
「ぐぬ……! ころりとか言うな。殺すぞ。……しかし美袋ユウには絶対に勝ってもらわねばならん。そうでなければ私はエカチェリーナよりも弱いナンバー3ということになってしまう」

 あのー……。チェンナたん? 前回もそういうボケたことおっしゃってましたが……。

「あ?? 誰がボケだボケはお前だボケ殺すぞ」

 いいですか? チェンナたんは『ナンバー3になってしまう』も何もなく、準決勝で負けたんで既にエラ・フレイヤたん選手と同位で3位確定してるんですよ?

「な、なんだと?」

 まだちっちゃいですからわからなくても仕方ないですけど、この決勝戦に勝ったひとが1位、負けたほうが2位、そしてチェンナたんとエラたんはもう3位が決まっちゃってるんです。

 おっ? みるみるチェンナたんの顔が赤くなりましたよ?

「そんなのはいやだ!」

 いやだと言われましてもねぇ。

「あのエラとかいうぽわぽわ女と殺(や)らせろ! 同位なんていやだ! 私が3位を独占してやる!」

 あ……。そういうことですか。

「今すぐ3位決勝戦をやらせろ! さもないと会場ごと原子爆弾で吹っ飛ばすぞ!」



 えー……。
 チェンナたんのわがままな要求で決勝戦、中断してしまいました。暫くお待ちください。

 やはりこどもとはいえさすが中国人の血を引いていますね。強引です。

 あっ。今、大会関係者のほうから発表がありました! チェンナたんの脅……要求を呑み、決勝戦をひとまず置いといて、先に3位決定戦をやるそうです。ただ、対戦相手となるオランダ代表エラ・フレイヤたん選手が了承しなければチェンナたんの不戦勝となり、引き続き決勝戦をやるそうですが……

 エラたん、戦うのが嫌いですからね。降りるんじゃないですか?

 あーっと! エラたん、3位決定戦を受けたそうです! 今、エラたんのお父さんから発表がありました!

 意外ですね。

 そのエラ・フレイヤたんが今、リング上に再び姿を現しました。おっといつの間に結んでいたのか? 長い金髪をツインテールにしています。しかもお団子ツインテール。まるでセーラームー……おおーっと! ここで観客席から大拍手に大歓声、そして声を揃えての『エラたんコール』だ!

「「エラたん!」」
「「エラたん!」」

 さすがは『世界一の美幼女』の異名をとるエラ・フレイヤたん。人気に関しては飛び抜けて凄まじいですね、えのも……あーっと! 榎本さんも私の隣で絶叫中だ! 絶叫しています!

 エラたんッ! エラたーーんッ!!!

 エラたん、青コーナーに立ちました。今日7回目の衣裳チェンジで今回は黒と白のシックなメイド姿。恥ずかしそうな笑顔でほっぺに両手を当て、照れ臭そうなダブルピースサインで大歓声に応えております。

「おハロー。エラにゃんです! くしゅっ……」
0678この名無しがすごい!
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2021/04/23(金) 18:37:10.71ID:OF+9Gu6h
>>652
☆お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【その小さき体に 3(余り)】

 おおーっと! いつもの挨拶が出たーっ! しかも最後は自分のセリフに自分で照れ笑いだ! それを見た榎本さんが私の隣で今、失神してしまいました!

 きゅう……。

 そして今、赤コーナーには黒い紙飛行機が飛んで参りました。そうです、いつもの登場の仕方です!
 紙飛行機が溶けて幼女の形となり、今、舞い降りました! 中国代表、黒い暗殺者装束に身を固めたリー・チェンナたん選手! 今、リングに降り立ちました!

「よく受けたものだな、エラ・なんとかよ。腰抜けな貴様のことだから逃げ出すかと思っていたぞ」
 おおーっと早速目の前のエラたんを挑発だ! しかも英語だ!
「貴様を殺して私が単独3位になる」

 エラたん、これにどう返す!? やはり彼女も単独3位になりたくて受けたのでしょう。にっこり笑って、エラたんが今、チェンナたんに言葉を返す!

「はい。またリングに上がれて嬉しいです」
 おお〜! エラたんからやる気満々の言葉が出ました!
「だってリングに上がるたびに友達増えるから。嬉しい……エヘヘ」
 なんとぉぉー! 目的は友達作りです! エラたんは戦った相手と友達になるために大会に参加していたーーっ!

「ラウンドアップはいらん。すぐに始めろ」
 ラウ……ウォーミングアップのことでしょうか。チェンナたん、黒い手袋をキュッと締めました。

「チェンナたん、試合が終わったら一緒にラウンドアップ行ってボウリングしましょ?」
 ラウンドワンと言いたいのでしょう! エラたん、チェンナたんを笑顔でデートに誘いました!

                      (次回のお題に続く)
0679この名無しがすごい!
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2021/04/24(土) 15:42:51.38ID:86HLID6p
>>675
まだまだ続く幼女の宴と言った感じですねw
怒涛のラウンドアップぼけがw
昼間のテレビショッピングの時なんかでは結構CMをやって居たんですけどね
真面目に働いている人だとラウンドアップは分からない人の方が多いのかもしれませんね
0680この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/24(土) 19:35:04.95ID:LgMHo2Na
>>665
前作も改めて遊んでみましたが、こっちは大ボリュームだった
繰り返してるうちに頭が混乱してくるw
なんか色々と逃げられないのと、天丼と、今回お題も軸になっており・・・
波瀾万丈な物語でした!

>>675
ラウンドアップが好きな幼女とは一体・・・
そして必殺技が幽霊召喚とは、なるほど考えましたね・・・
このまま大人しく終わるかと思ってましたが、そんなわけなかったw
どっ、どこまで続くのか!
0681この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 00:26:27.39ID:cnafqQ1U
スマホ替えたら書きにくい書きにくい

>>663
こんな見た目の詩を見た記憶が……確かある
どこで見た誰の詩だったか忘れたけど

正直言います、読む気になれません(笑)

>>665
力作です、お疲れ様です
どう進もうとも最後にはグッドエンディングしかないという、ハッピーエンドじゃない物語は読まないという人には嬉しい作りですね
個人的にはバッドエンドあってこそだとは思うのですが……
0682この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 00:31:03.64ID:cnafqQ1U
>>679
感想ありがとうございます
1日19時間以上仕事してるので……テレビはほぼ見てない(泣き顔)


>>680
感想ありがとうございます
先を何も考えずに続きものにしてるので閃いた時が快感です
0683この名無しがすごい!
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2021/04/25(日) 11:59:23.48ID:FBeScNkc
>>681
感想ありがとうございます
これって小説になるんじゃね? という、ほぼアイディアのみなので、本文はあんまり^^;
見た目が詩に近いのは、何に近いかは分かりませんが、同じくちょっと思いました
0684この名無しがすごい!
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2021/04/25(日) 12:11:18.50ID:6xpkkcAP
>>681
感想有難うございます
自分的には魔族を滅ぼしたり世界征服をしているのでグッドエンディングのつもりはありませんでした
そしてよく見ると本文中にバッドエンドが潜んでいますw
0685この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 12:54:57.46ID:C6ZoFrT5
>>684
ははぁ21ですね?
それにしても最終的には自分にいいことのある結果へ辿り着き、血も流さず国王もほっとしてるんだからグッドエンディングでしょう
作者様の優しさが垣間見えます
サイコパスの自分なら絶対主人公が虐殺を初めてみんなを不幸にし、女の子には嫌われ、新たにやって来た転生者にギッタギタに殺られるエンディングを用意しますもん
0686この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 14:40:03.12ID:FBeScNkc
>>685
作者ではなく横からですが、21じゃないですw
そこまで意地悪じゃないけど、それに近いエンドもあるー
0687この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 21:42:00.59ID:6xpkkcAP
>>652
お題:『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【とある老人の記憶】(1/2)


 『ラウンドアップ』と書かれた緑色のプラスチック容器の、そのスプレーノズルを畑の畔に向け吹きかける。
 昔は噴霧器を背負って、シャコシャコとレバーを上下させつつ結構な量の除草剤を撒いていたのだから、その頃に比べれば、今は随分楽になった物だと義治は思う。
 若い時の作り始めた頃に比べれば、この畑も随分と広くなったものだ。
 自給自足とまでは行かないが、それなりの種類と量をこの畑で賄えると言うのは、実は密かな自慢だったりする。

「そろそろ一服にしませんかぁ?」
「おお、そうだなぁ」

 妻の邦子に声を掛けられ、義治はそれに応じた。
 皴の深い顔が義治の横に座る。
 最愛の妻は、微笑みをったえたまま、麦茶と小さなお結びの用意を始めた。
 当たり前の様にそうしてくれる彼女に、思えば、随分と迷惑をかけて来た物だと彼は心の中で頭を下げる。

 邦子は義治の幼馴染みで、昔から一緒に居た事も有って、当たり前の様に結婚をした。
 そこに決して愛が無かったと言う訳では無いが、しかし、今ほど最愛と呼べる相手ではなかったように思う。

 そして、彼女が最愛の人となった瞬間の事は、義治は決して忘れないだろう。

「どした?」
「ん? 何でもね」

 あまりにジッと邦子の顔を見過ぎていたのだろう。彼女が首を傾げ、しかし義治は苦笑しながら首を振った。

 ******

 天河 義治は、かつて将棋の棋士だった。それこそ、タイトルに手が掛けられる程の才能を持った棋士だったし、自身でも、タイトルホルダーに成れる事に疑問など持った事は無かった。
 少年の時分には、それこそ敵なしだったし、小さな大会で優勝する事も度々だったし、当時から横に居た邦子にも「何時かは名人、九段、王将に王位、王座も取ってやる!!」と豪語したものだった。

 だが……

 プロの世界へと飛び込めば、自分程度の才能などゴロゴロしている事を痛感する事に成る。
 それでも、諦める事など出来るはずも無く、義治はさらに将棋へとのめり込む事と成った。研究会に足繁く通い、リーグ戦に積極的に参加する。精力的に、それこそ、家庭など顧みない程に……

 転機は、邦子が倒れ、病院に搬送されたと連絡が来た時だった。
 リーグ戦の真っただ中だった義治は、その報を聞いても決して病院に向かう事は無かった。このリーグで勝つ事こそ、彼女に報いる事だと信じて疑わなかったからだ。

 だが、集中力を失くしてしまったのだろうか? 結局、かれは、そのリーグを勝ち抜く事は出来なかった。

 「あんた! 何してたんだよ!!」気を落とし、ようやく病院へと赴いた義治を迎えたのは、そんな息子の怒号と一発の拳だった。

「あんたの所為で母さんは倒れたんだ!! ずっとずっと、家庭を顧みないアンタに所為で苦労してたんだ!! 文句も言えず!! こうして倒れる程、無理をしてたんだ!!」

 そんな言葉を聞きながらも、頭のどこかで『そんな事は無い』と思っている自分に、義治は気付いていた。
 邦子は分かってくれている。自分がどれ程、将棋に命を懸けているかを。それこそ、幼い頃からずっと傍らで応援してくれていたのだ。
 そんな彼女が自分に対し文句など有るはずがない……と。
0688この名無しがすごい!
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2021/04/25(日) 21:42:45.81ID:6xpkkcAP
【とある老人の記憶】(2/2)


 だが、実際に病室で眠っている邦子の、同い年とは思えない程に老け込んだ顔を見た時、義治の頭は真っ白になった。

 彼女は、こんな顔だったのだろうか……

 最近の彼女の顔さえまともに見ていなかった自分に、背筋が寒くなった。
 確かに彼女は自分を応援して居てくれたのだろう。それこそ、ずっと自分を見ていてくれたはずだ。それは、何の不自由もなく将棋に打ち込めた自分が一番知っている。
 だが、逆に自分は彼女の事をどれだけ見ていたのか? そう思ってしまったのだ。

 ******

「畑をな、買ったんだ」
「あら!」

 無事に邦子が退院をしてしばらく経ってから、義治は、彼女にそう語った。
 どういう心境の変化だろうと首を傾げる彼女に、義治は口を開く。

「根を詰め過ぎて、視野が狭くなってしまっていたんだと気が付いてな」
「そうなんですか?」
「そうなんだ」
「それで、畑を?」
「うん」

 本当なら、もっと違った息抜きもあっただろう。だが、今まで将棋一辺倒だった義治には、今更始めようと思える趣味など何も思いつかなかった。
 畑にしたのも、料理好きだと言っていた邦子が腕を振るえる材料に成ればと言う思いからだった。

 ころころと邦子が笑う。

「また、突拍子も無い事を」
「そうかな?」
「そうですよ」

 そんな彼女の言葉に、義治は頬を掻いた。

 ******

「さて、続きを始めるかぁ」
「じゃあ、かたずけちゃいますね」
「おう」

 腰を叩いて立ち上がり、除草剤の容器を再び手に取る。
 あの後の義治の成績は、それまでよりマシにはなったが、しかし、上位に手が掛かる程では無かった。
 やはり、目先を変えた程度でどうにかなるほど、プロと言うのは甘くは無いのだろう。
 それでもどこか、“あの時”より若々しく感じる自分の妻の、その背中を見送りながら『それもまたよし』と義治は思ったのだった。
0689三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/25(日) 22:13:59.92ID:FBeScNkc
お題→『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』締切

【参加作品一覧】
>>675【その小さき体に 3】
>>687【とある老人の記憶】
0690三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/04/25(日) 22:15:31.08ID:FBeScNkc
少し遅れました・・・通常お題4つですー

お題安価>>691-694
0691この名無しがすごい!
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2021/04/25(日) 22:16:33.84ID:tsLABw43
野良犬
0692この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 22:20:47.71ID:c7dcZRrq
300年
0695三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/04/25(日) 23:18:37.03ID:FBeScNkc
☆お題→『野良犬』『300年』『怪獣』『サーフィン』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→5/2の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0696三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/04/25(日) 23:21:39.64ID:FBeScNkc
今回も楽しげな、、なんか書きやすそうで書きにくそうなお題ですねw

もう5月か・・・
引き続きお題スレをよろしくです
0697この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/25(日) 23:38:35.41ID:FBeScNkc
>>687
穏やかな老後、だけど若い頃は、、ですね
お題から素直に書いた感じですが、なんと言うか、奥さんに逃げられなくて良かったですw
0698この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/26(月) 21:17:03.16ID:ynrQIIpI
感想有難うございます
反省と感謝は、近い間柄だからこそ大切ですよねw
0700この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/27(火) 07:11:58.15ID:16kQY9iO
さてもうすぐ怒涛の連休がやって来ますが……
遊ぶような気がする自分……orz
0702この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/29(木) 07:22:57.33ID:un4D8Evw
>>695
☆お題→『野良犬』『300年』『怪獣』『サーフィン』

【その小さき体に 3(1/2)】


 えー。ただいま『世界一幼女決定戦(四歳の部)』は決勝戦を中断して3位決定戦をお送りしております。詳しいことは面倒臭いので割愛させていただきます。

 赤コーナーには中国代表、優勝候補の筆頭だったのに準決勝でころりと負けたリー・チェンナたん選手。黒い暗殺者装束に身を固めております。
 好きなものは『幼馴染み』らしいです。好きな食べ物は『何でも食う』とのこと。野良犬を食べたこともあるそうです。
 必殺技は『すべてを破壊する漆黒』。自らの体をどんな武器にでも変えられる闇属性のこの必殺技ひとつで準決勝まで勝ち上がりました。ちなみにすべて開始10秒以内のKO勝利。対戦相手をことごとく保健室送りにしております。
 ちなみに準決勝では美袋ユウたん選手の防御の固さにイライラして核爆弾に変身し、岡山県ごと消し去ろうとしましたが、観客に危害を与えるような真似をしたら即刻失格負けというルールを急遽作り、言い渡してあるそうなのでもう大丈夫でしょう。

 対する青コーナーにはオランダ代表、エラ・フレイヤたん選手が上がっております。観客席はエラにゃんコール一色。大人気であります。解説の榎本さんはまだ私の隣で失神中です。
 金髪お団子ツインテールに白と黒のメイド服姿。世界一美しい幼女と呼ばれ、その微笑みはパレスチナ紛争すら収めてしまうだろうと噂されております。
 好きなものは日本のアニメ。特に『らき☆すた』と『千と千尋の神隠し』がお気に入りだそうです。アニメをテキストに勉強したとのことで、日本語も喋れます。
 好きな食べ物はオランダ料理の『スタンポット』と日本料理の『寄せ鍋』だそうです。
 必殺技は『すべてを包み込む慈愛』。どんな攻撃も防御してしまう光属性のこの技ひとつで準決勝まで勝ち上がりました。ちなみに攻撃は一発も繰り出しておりません。すべて判定勝ちでした。

 そうです。このお2人、何もかもが対照的です。ことごとく違っております。黒と白、闇と光、そして攻撃と防御。いわばこれは最強の鉾と最強の盾の激突と言えます。

「最高の試合をしてお友達になろうね、チェンナたん」
 おっと。エラにゃん選手が試合前の握手を求めます!
「みんなにも感動してもらえるような闘いをしようよ。エヘヘ」

「フン」
 おーっと! チェンナたん選手、握手に応じない! 固く腕組みをしたままだーっ!
「貴様のような平和ボケした、顔が可愛いだけの幼女など敵ではない。ましてや仲良しごっこなどする気もないわ」

 あーっと! この冷たい反応にエラにゃん選手、泣きそうだ! 必死に涙をこらえているーっ!

 試合中ならこれは『健気ポイント』大量ゲットで判定に有利になったでしょうね、勿体ない。

 おっと! ここで解説の榎本さんが意識を取り戻しました! ではそろそろ試合開始です。榎本さん、よろしくお願いします。

 よろしくお願いします。勝つのはエラたんだーっ!

 榎本さん、解説者がえこひいきしないように。

 気をつけます。
0703この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/29(木) 07:24:32.05ID:un4D8Evw
>>695
☆お題→『野良犬』『300年』『怪獣』『サーフィン』

【その小さき体に 3(2/2)】

「2発だ」
 おっと? チェンナたん選手、指を2本立てて何かを予告するようです!
「攻撃2発で仕留める。1発目でみっともなく死にやがったら殺すぞ?」

「はい。大丈夫ですから」
 これに対してエラたん微笑んだーっ!
「エラにゃん、怪獣に踏まれてもへーきですから」

 ゴングが鳴ったーーっ!

「まずは1発目だ」
 早速チェンナたん選手が仕掛ける! おっと? これは宙に浮き上がったぞ? 何を……
 サーフィンだ! まるでサーフボードに乗っているようだ! 足を真っ黒なサーフボードに変形させてエラにゃん選手を襲うーっ! 先がナイフのように尖っているーーっ!!
「これしきも受け切れんとか言うなよ?」

 エラたん選手危ないーっ!

 見ていられません……っ!

 解説の榎本さんが目を塞いだーーっ!

「はい。いらっしゃいませ」
 エラにゃん選手、手を大きく広げてこれを抱きしめたーーっ!!!
「包み込んであげます」

 早速出ました『すべてを包み込む慈愛』! 眩い光が輝くと同時に巨大な聖母の手と胸が出現し、チェンナたん選手を攻撃ごと抱きしめました! そのまま締め技に持ち込むことも出来るのに、抱きしめただけです! あくまでも攻撃はしません! 今、抱擁から自力で抜け出したチェンナたん選手が着地しました。

「ククク。平和ボケの顔だけ幼女にしてはなかなかやるな」
 
「はい。全部受け止めてあげますから」
 エラたんスマイルだーっ!

「いや。言っただろう、次で終わりだ」
 おっとチェンナたん選手、次の攻撃は何に変身するつもりだ!?
「武器に変身するばかりが私の芸ではない」

「えっ!?」
 エラにゃん選手が珍しく動揺を見せました。

 手を大きく広げたチェンナたん選手の中に何かが……! 真っ黒な霧のようなものが集まって行く! 吸い込まれて行く!

「1発目をちゃんと防げた御褒美だ。特別に見せてやろう」
 あーっ! チェンナたん選手の中に集められているのは邪気だ! 会場中、すべての観客から邪気を引き出し、それを吸い込んでいる!
「これぞ中国300年の……間違えた中国4000年の歴史の黒暗裡で生み出された秘奥義……」

 エラにゃん選手、急いで頭に両手を当ててピースサインを作り防御の構えを取るーっ!

 漆黒の鎧を纏い、チェンナたん選手、小さな魔王のような姿に変わっている! 両腕を後ろに引き、溜めを作るこの構えは……! この技は……!

「か……め……は……め……」


                    (次のお題に続く)
0704この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/29(木) 09:35:21.45ID:/ySqL1t0
>>687
♪芸のためなら女房も泣かす それがどうした文句があるか
とはならなかったようですね。個人的には残念です←
あったかくて平穏で大切なひとが側にいる幸せ。10万字ぐらいで波乱と平穏の起伏を味わいながら読みたい内容ですね。
0705この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/29(木) 22:18:32.75ID:W9md19Jh
>>702
む、、タイトルが、誤:3、正:4 ですね
さすがに今回は引っ張ったりせず、真面目に戦い始めた、、と思ったらまた次回だw
頭にピースサインは、、分からない誰か教えて
今更ですがこの実況の人たち、キン某マンのイメージも重なりますねぇ
0706この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/30(金) 01:05:52.47ID:zVirtfWR
>>705
ほんまや! 4やったわ!
ありがとうございます。
地の文のない形で書きたくて始めたのですが、なるべく実況がうるさくないように気をつけながらも某肉まんみたいになってしまったようでまぁ、いっか。
頭にピースサインはエラにゃんのモデルになってるひとの決めポーズなのですが、まぁ普通、知らんわなw
次回、このポーズからの必殺技が発動する予定ではあります。
0707この名無しがすごい!
垢版 |
2021/04/30(金) 19:29:00.65ID:wrIpMT5A
>>706
片手ならまだ分かる気がするけど、両手というのはw
ともかく必殺技の溜めだったわけか・・・
0708三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/02(日) 22:11:02.57ID:k9qbAfeJ
お題→『野良犬』『300年』『怪獣』『サーフィン』締切

【参加作品一覧】
>>702【その小さき体に 3】(正しくは 4
0709三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/02(日) 22:12:40.13ID:k9qbAfeJ
では通常お題4つです

お題安価>>710-713
0710この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/02(日) 22:13:26.41ID:n7rNky01
チューインガム
0711この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/02(日) 22:16:34.15ID:ME/aX//L
賭博
0712ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE
垢版 |
2021/05/02(日) 22:17:22.02ID:9WBblVTo
ステージ!(`・ω・´)ふひひ!
0714三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/02(日) 22:21:47.96ID:k9qbAfeJ
☆お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→5/9の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0718この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/07(金) 19:24:14.53ID:cjOKxBUQ
>>714
☆お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【その小さき体に 5(1/3)】

「黒暗波!」
 出たぁ! 新必殺技だ!
 中国代表リー・チェンナたん選手! 今、会場中の邪気を集め、揃えた掌からかめは○波のように、真っ黒な波動を発射しました!
 ちょうど幼女に対する下心という名の邪気に包まれていた場内! その邪気を吸収して作られた威力! 巨大だ! 凄まじい! 青コーナーのオランダ代表エラ・フレイヤたん選手めがけ、凄まじいスピードで襲いかかります!
 エラにゃん選手、頭にうさぎの耳のように手を当ててこれを迎え撃ちます! 防ぐのか!? こんなのまで防げるのかーっ!?

「かわすことは不可能だ」
 チェンナたん選手、黒い笑みを浮かべて結果を見守る!
「もしもかわす術を持っていたとしても、お前がかわせば後ろの観客が全員死ぬことになるぞ」
 ちょっとチェンナたん選手! 観客に危害を加えたらあなたが失格になるんですよっ!?
「そんなことはわかっている。しかしあの平和ボケ金髪幼女がそれを許さんことも確実だ。もしもあいつが避けて観客を殺せば私は失格負けだが、あいつはそれ以上に、己の人生に負けることになる」

 そんなことを喋っている間にも黒く巨大な波動は凄まじいスピードで迫っているーっ!
 エラにゃん選手の額に! ほっぺに! 汗が流れ落ちる!

 エラたーーーんっ!

「身代わりうさぎ!」

 あーーっ!? エラ・フレイヤたん選手、頭に当てた手の指をぴんと伸ばした!
 こちらも新必殺技だ! エラにゃん選手を守るように今、ピンク色の巨大なうさぎが出現しました! エラにゃんの前に立ち塞がりました!
 黒い波動がうさぎを包み込む! うさぎが燃える! うさぎ、今、すべてのダメージを一身に受け、崩れ落ちました! これはまさに身代わりだ! 全人類を守る身代わりだ! エラにゃん選手、泣きながら叫ぶ!

「うさぎたーんっ!」

「いいんだ、エラたん。気にしないで」
 おおーっと! うさぎさんが崩れ落ちながら、エラにゃん選手に今、優しい言葉を遺します。
「僕は生き物じゃない。みんなを守るために作られたただの中間管理職のおじさんさ。みんなの心の中に残れば、それが僕にとって一番幸せなんだ」

 そしてうさぎさん、皆を守り、全身を砕かれ、今、消えてしまいました。感動の場面です! でも泣いているのはエラにゃんだけだ!

 なぜ中間管理職なんでしょうかね。

 さてエラにゃん選手、倒れませんでした。チェンナたん選手、予告通りに2発でのKOならず! どうですか、解説の榎本さん?

 予告通りにならなかったんだからもうエラにゃんの勝ちでいいんじゃないですか? もういいでしょう。もう、ハラハラして見てられませんよ。

 チェンナたん選手、顔を真っ赤にしてエラにゃん選手を睨みつけます。これは恥ずかしさのための赤面か、それとも怒りの紅潮か!?

「お前を見くびっていた」
 おっとチェンナたん選手、まだやる気だ!
「認めよう。お前は戦士だ」

 あーっと! そう言いながらチェンナたん選手の体が真っ黒な手裏剣に変わる! 回転しながらエラにゃん選手めがけて飛ぶーっ!
 しかしエラにゃん選手、これをまたしても受け止めました。抱き締めます。頬擦りまでしています!

「よしよし」
 エラにゃん選手、産まれたばかりの妹をあやすように抱き締めるーっ! 目からは慈愛の涙が流れているーっ!
「愛してあげますから」

「癒されんぞ!」
 チェンナたん選手たまらず飛び退く!
「癒されてたまるか! 殺してやる!」

 チェンナたん選手、どれだけエラにゃん選手に優しされてもほだされませんね。さらにチェーンソーに体を変えて襲いかかります。
0719この名無しがすごい!
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2021/05/07(金) 19:29:12.93ID:cjOKxBUQ
>>714
☆お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【その小さき体に 5(2/3)】

 人間不信になるような過去でもあったんですかね。

 あーっと! ここでゴングです! 1ラウンドアップ! 終了!

 ラウンドアップはもういいでしょ。



 ここで両者お昼寝の時間に入ります。お布団を敷いて眠る二人の幼女を観客が見守ります。
 さて、この間に放送席には決勝戦を中断させられて暇を持て余している美袋ユウたん選手に遊びに来てもらいました。ユウたん、こんにちは!

「こんにちわー」

 座るとこないからそんなところに座らせてごめんね。

「いいよー」

 えー。ただいまユウたんには解説の榎本さんの膝の上に座ってもらっています。ではユウたんに聞いて行きましょう。この3位決定戦、どちらが勝つと思いますか?

「どっちでもいいよー。ユウにはかんけーないもん」

「関係ねーこたねーだろ、美袋ユウちゃんよ」

 えっ!? いきなり乱入して来たのは誰ですか!?

「ハハハ! ミーはアメリカ代表幼女、ジェシカ・クリキントンね、よろしくッス!」

 なんだかやたらと明るくフレンドリーなブルネット幼女が放送席に乱入して参りました! チューインガムをくちょくちょ言わせながらお喋りして来ています!

「関係ねーこたぁねーとは、どういう意味だ?」
 おーっと! ユウたん選手、同じ幼女相手には口調が変わるーっ!

「どっちが勝つか、君も賭けないかい? 一口10ドルね」
 ジェシカたん、ユウたんに賭博話を持ちかけたーっ!
「ミーはリー・チェンナに500ドル賭けた。勝てば一万倍の500万ドルだ」

 一万倍!? じゃあ、エラにゃん選手のオッズは……

「エラ・フレイヤが断然人気ね。賭けても1.1倍にしかならないよ」

 えー……。ただ今調べましたところによりますと、ジェシカ・クリキントンたんもこの世界一幼児決定戦に参加しておりました。四歳になったばかりで大会最弱といわれていたエジプトのミーラ・モーラたん選手に一回戦であっさり負けております。

 道理で記憶にないわけですね。

「フン。つまらんことを……」
 ユウたん選手、ジェシカたんを睨みつけた!
「……おい、ちょっと待て。ということは、あたち達の決勝戦も賭けの対象になっているのか?」

「もちろんネ!」

「ど、どっちが人気なんだ? 私と、ロシアのエカチェリーナと?」

「それは」
 ジェシカたん、答えます!
「答えはネクスト・ステージで!」(次回のお題に続く)
0720この名無しがすごい!
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2021/05/07(金) 19:31:44.22ID:cjOKxBUQ
☆お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【その小さき体に 5(3/3)】


「ちょっと待て」

 あーっと! お昼寝中のリー・チェンナたん選手が何か文句ありげに起き上がったーっ!

「私に賭ければ一万倍だと?」

 やはりそれかーっ! バカにされたと感じたのでしょう! 殺気を放ちながら観客席を見回している!

「買うぞ。……自分に3000ドルだ」

 おおーっと! 違いました! チェンナたん選手、トトカルチョに乗りましたー! 3000ドルです! チェンナたん選手が勝てば約30億円が自分のものです!

「私は甘粛省の貧しい農村に産まれた」

 チェンナたん選手、何やら問わず語りで始めました!

「苦しかった……。地獄だった……。そこから中国マフィアに拾われ、這い上がって来たのだ。こんなところでは絶対に負けん!」

 やはりそういうありがちな辛い過去があったんですね。

 っていうかもう、負けてますけどね。これは3位決定戦ですよ?

「そしてお前ら、全部殺してやる……。1万倍だと? バカにしやがって……。バカにしやがって……!」

 おっと! チェンナたん選手、やはりバカにされたと感じてました。観客席を凄い目つきで睨み回している!
 この殺気を感じ取ってエラにゃん選手も目を覚まし、飛び起きました。間もなくゴングが……今、鳴りました!

「貴様ら……。私を見ろ」
 チェンナたん選手、呪詛の言葉を吐くように呟いております。
「私だ! この私を! 注目させてやる!」

 あーっと! チェンナたん選手、得意の『すべてを破壊する漆黒』を発動させ、何かの武器に自らの体を変形させて行く! 何だ? 何に変身するんだ?
 段々とその形がはっきりして参りました。これは……
 こっ、これはっ!

 核ミサイルですね。

「アホか」
 ユウたんがツッコむーーっ!

「放送席のななしさーん」

 あっ? 今、観客席にいるレポーターの海宮アナから何か……。どうしました? 海宮さん?

「ただいま決勝戦待ちで退屈しているロシア代表のエカチェリーナたん選手からコメントをいただきましたぁ〜」

 何ですか? 今、非常事態なんですけど!? どうぞ?

「エカチェリーナたん、この試合、どちらが勝つと思いますか? と質問してみましたところ、『あんたバカ? KO勝ちの展開ならチェンナ、判定までもつれ込めばエラ。決まりきってる質問しないでよ、ブス』とのことで〜す」

 いっ……いや海宮さん。もうこれ勝敗は決していますよ! チェンナたんが核ミサイルに変身した時点で前に言ってた通り反則負けですから!

「全員殺して自分も死ぬ!」
 あーっとチェンナたん選手、ヤケを起こしているーっ!
「死ね! 全員死ね! そうすれば勝ちも負けも何もない。ハハハハ! 日本列島ごと沈めてやるわ!」
0721この名無しがすごい!
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2021/05/07(金) 19:32:52.55ID:cjOKxBUQ
>>714
☆お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【その小さき体に 5(余り)】

 エラにゃん選手が慌てて包み込みに行くが……無理だーーっ! 相手がさすがに核ミサ……か、かく……

 ぼげげげげばばば!

「ピカドンじゃあ! ピカドンじゃあああ!」

「ふぁふぁふぁファッキュー!」




 ……はっ?

 静かです。……何も音がしません。私、死んだのでしょうか?

 リングの上では……。おや? 真っ白で巨大な真珠貝がリング上にあります。
 それが今、ゆっくりと開きます。

 エラにゃん選手だーっ! 真珠貝の中からエラ・フレイヤたんが現れた! 無傷だ! 綺麗なままの姿で貝の中に立っております!
 その胸にリー・チェンナたんを抱き締めています! 核爆発の自爆をした筈なのにチェンナたんも無傷だ!

「無茶をするヤツだな……」
 チェンナたん選手がエラにゃん選手の胸の中で今、呟きます。
「核爆弾を抱き締めて止めるとは……。まぁ、よかったな。誰も死ななくて……フン」

「本当によかった……」
 エラにゃん選手、微笑みながら涙を流しました。
「……あなたが死ななくて」

「虫酸が走るな、そういうの」
 チェンナたん選手、言葉のわりには大人しく抱かれております。
「私なんか、どうせ皆の嫌われ者だ。死んだほうがよかった」

「世界中がたとえあなたのことを嫌っても」
 出たーっ! エラにゃんスマイルだ!
「私があなたを愛してあげますから」

「フン……。虫酸が走るるうるる……」
 チェンナたんの大きな目が涙で潤んでおります……ああーっと! 泣いたーーっ!
「び……びええーーっ! えぐっ、えぐっ……!」

 チェンナたん選手の反則負けが今、正式に審判から言い渡されました!
 優勝……じゃなかった。単独3位はオランダ代表のエラ・フレイヤたん選手に決定いたしました!
 会場は大歓声に包まれております! アメリカ代表ジェシカたん1人だけが悔しそうだ! 馬券ならぬ幼女券を今、地面に叩きつけたーっ!

「オーマイガッ! 500ドル返せやッ!」

                 (次回のお題に続く)
0722この名無しがすごい!
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2021/05/07(金) 19:49:15.29ID:cjOKxBUQ
>>716
南の島に伝わる伝説でしょうか?
雰囲気出てます。波の音が聞こえて来ます。でもトゥフさん、最低。
「怪獣」のワードが出て来ませんが、直接ワードを使わなくてもトカゲの怪獣を出せばいいということ??
0723この名無しがすごい!
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2021/05/08(土) 01:20:41.80ID:Zusy+3Ds
>>718
なんだこれ絶好調か!w うさおじさん;;
カオスが加速して、なかなか楽しくなってきましたね
穴馬買いは失敗だったわけですがw

>>722
感想ありがとうございます
刺されて当然のクズですが(結局は無事でしたが)、本人はただの考えなしですw
『怪獣』はそういう解釈ですが、しかしこれは果たして『怪獣』なのか? という疑問は残ります
0724この名無しがすごい!
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2021/05/08(土) 07:36:16.96ID:NO74IOt5
>>723
感想ありがとうございます。
今回は3レス内にまとめようとしたのですが、またしてもはみ出てしまいました。
毎度すみません。
0725この名無しがすごい!
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2021/05/09(日) 21:57:19.21ID:eZuN2EU3
>>714
お題:『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【ギルマスの憂鬱】


「だからね、ギルマスなんてのは、ただの中間管理職なのよ」

 昔ながらのバーは、長いカウンターといくつかの頑丈さだけが取り柄のテーブル、入口左手には小さなステージがあり、右手側の壁は取っ払われドッグレースのレース場が設置されている。

 日も傾き、労働者が一時の憩いを求めて賑わう店内の片隅で、既に赤い顔を晒しながら愚痴愚痴と呪怨のような文句を垂れ流しているのは、冒険者ギルド王都第五支部のギルドマスター、ヘンリーだった。
 そんな彼と席を同じくしている、B級冒険者であるベルトロは、半裸の女性が踊りを披露しているステージを眺めながら「へえ」と、気のない返事を返す。

「おいぃ!! 聞いてるのか、ベルトロ!!」

 ダン!! っと木製のジョッキをテーブルに叩き付けながら、ツレない同席者にヘンリーは唾を飛ばす。
 そんなヘンリーに、ベルトロは「聞いてますよ」と溜息混じりに返した。
 実際、そんなヘンリーの愚痴など、この所酒の席で何度も繰り返されて居る事も有り、ベルトロとしても聞き飽きた…と言うのが本音だったからだ。

 苦労話が5週目に入ろうとした時、ドッグレース場がドッと沸く。どうやら大穴が出たらしい。

「……ッチ」

 ヘンリーが舌打ちをする。自分がこれ程不幸なのに、今この時に一攫千金を手にした者が居る事が気に入らないらしい。
 思えば、冒険者などと言う物も一攫千金を目指すギャンブラーであり、そこで犬の足の速さに一喜一憂している者達とさして変わらないのかもしれない。

 先程までよりも不機嫌になったギルドマスターの様子に、ベルトロは黙って噛み煙草の箱を差し出す。
 ヘンリーもその意図を察したのかどうなのか、黙ってそれを口に含んで……眉を顰めた。

「ガムかよ」
「新商品だってよ、チューインガムだったか?」
「甘え」
「ま、煙草よりは身体にゃ良いってさ」

 そのベルトロの言葉にヘンリーは増々顔を顰めた。

「冒険者が身体の心配かよ」
「まぁ、体が資本なんでね」
「チッ、賭博屋のくせによ」

 そんなヘンリーの言葉に、ベルトロが苦笑する。

「生きていてこそのこの世の春さ、中間管理職殿?」

 そう言われ、ヘンリーの表情は増々苦み走るのだった。
0726この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/09(日) 21:58:51.89ID:eZuN2EU3
先週は出張で参加できなかったので
今週こそはと息巻いてこの体たらくorz
0730三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/09(日) 22:14:52.09ID:IpbOEFsE
お題→『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』締切

【参加作品一覧】
>>718【その小さき体に 5】
>>725【ギルマスの憂鬱】
>>727【とある冒険者ギルド職員の昼休み】
0731三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/09(日) 22:15:45.18ID:IpbOEFsE
では通常お題4つでお願いします!

お題安価>>732-735
0732この名無しがすごい!
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2021/05/09(日) 22:16:59.99ID:dmS0izs7
馬車
0734この名無しがすごい!
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2021/05/09(日) 22:44:34.58ID:Bd0vpt1f
オーバー
0736三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/09(日) 23:29:17.86ID:IpbOEFsE
☆お題→『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→5/16の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0737三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/09(日) 23:31:46.14ID:IpbOEFsE
どっ、どうするんだろう、このお題・・・(汗

今週も、お題、作品、感想、ありがとうございます
引き続きお題スレをよろしくー
0738この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/09(日) 23:36:38.37ID:IpbOEFsE
>>725
ともかく乙です!
思ったよりもネタかぶりしてたけど、実際そこまでかぶってはいなかったw
こっちの方が素直におじさんっぽいですね
ギルマスも大変でしょうけど、付き合ってくれる飲み友達がいるのは、いいものですね
0739この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/15(土) 18:47:23.77ID:Qf1EXeCm
ハァ、なんかレイチェルさんがすごく恋しい・・・
0741この名無しがすごい!
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2021/05/15(土) 20:41:00.97ID:ixmXle8V
>>736
☆お題→『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』

【その小さき体に 6(1/3)】

 えー。皆様おはこんばんちわ。
『世界一幼女決定戦(四歳の部)』、中断させられておりました決勝戦がようやく今、再開されようとしています。
 実況は毎度お馴染みの私ななし。解説は幼女大好きな62歳の榎本克己さんでお送りしております。よろしくお願いします榎本さん。

 あばばば……。

 そしてもうお一方、放送席にはゲストにお越し頂いています。前回の3位決定戦で見事な勝利を収めましたオランダ代表の幼女、エラ・フレイヤたんです。よろしくね、エラにゃん。

「はい。よろしくお願いします〜」

 席が二つしかないのでエラにゃんには榎本さんの膝の上に座ってもらっています。どうですか、エラにゃん? 知らないおじいちゃんのお膝の上は?

「あったかいです〜。とっても」

 そう言ってにっこりと微笑みました。今日は青いオランダの民族衣裳に小さな身を包んでおります。世界一美幼女とよばれるエラにゃんのスマイル、さすがに眩しいですね榎本さん?

 ぶ、ぶひょひょひょひょ……。

 榎本さんはエラにゃんの大ファンですので感激しているようです。大好きなエラにゃんを膝の上に乗せてる今のお気持ちはどうですか、榎本さん?

 ふ……ふうっ! ふ、ふ、ふうっ!

 ダメだこれ。榎本さんが壊れてて使い物になりません。エラにゃん、代わりに解説をお願いしてもよろしいですか?

「はい。私なんかでよろしいですから」

 えー。エラにゃんはお聞きの通りカタコトの日本語が喋れます。アニメをテキストに勉強したそうです。

「はい。へたですけど。エヘヘ」

 ところでその天使キャラはやっぱり計算でやってるんですか?

「けい……さん?」

 オーバーなぐらいいい人ですもんね、エラにゃんは。でも私は騙されませんよ、子供だからといってそんなに清らかな人間などいるわけが

「あっ! かめさん? かめさんは、好きです。のろのろしてるけど、そういうひとだから。ふふっ」

 ごめんなさい。汚れた大人でごめんなさい。私、エラにゃんにひどいことを言ってしまいました。許してください。

「えっ? おじちゃんは汚くないですけど」

 汚いんですよ。心が汚れっちまっているんです。綺麗なものを見るとどうしても裏があるものと勘ぐって

「ほっぺにちゅーしてあげます。ちゅっ」

 …………

 あっ! いーな! いーな! えのたんにもしてほしーな!

「いーですよ。ちゅっ」
0742この名無しがすごい!
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2021/05/15(土) 20:42:21.29ID:ixmXle8V
>>736
☆お題→『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』

【その小さき体に 6(2/3)】
 …………

 …………

「はれれ?」


 …………

 …………

「おじちゃんもおじいちゃんも何も言わなく……はれれ〜……。エラにゃんひとりじゃ何もできません……よんさいだから。はれはれ〜……」

 お困りのようね、エラにゃん。

「あっ。みくつたん」

 皆様、実況と解説の男二人が壊れてしまったので、ここからは私、女子アナの海宮美靴(かみやみくつ)が実況しまーす。解説のエラにゃん、よろしくね!

「はい。よろしくおにゃがいします」

「で、今回のオッズはどうなっているんだ?」

「あっ。チェナたんだー」

 おっと! いきなり横から幼女がもう一人、乱入してきましたねー。3位決定戦でエラにゃんと死闘を演じ、破れた単独4位の中国代表幼女、リー・チェンナたん選手も放送席に来てくれました。

「今のところ、ロシアのエカチェリーナが人気だね」

 おーっともう一人! 私の横からいつの間にかアメリカ代表幼女、初戦敗退のジェシカ・クリキントンたん選手も来てくれました。大変です! 放送席がかわいい女の子だらけになってしまいました!

「ミーが賭博関係の解説をするね」
 ジェシカたん、さすがはラスベガスの出身です。
「ロシアのエカチェリーナが2.3倍、日本の美袋ユウが2.4倍で人気差は僅少だよ」

「フン。なら私は美袋ユウに10億賭けよう」
 チェンナたん、幼女のくせに賭博なんかしちゃダメでしょ、ぺしっ!
「フッ。これで美袋ユウが勝てば24億の儲けだな?」

「チェンナが賭けたからオッズ逆転したね。勝っても11億にしかならないね」

「あ……ま、待て。じゃあとりやめだ。美袋ユウに千円」

「もう遅いね」
0743この名無しがすごい!
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2021/05/15(土) 20:43:06.11ID:ixmXle8V
>>736
☆お題→『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』

【その小さき体に 6(3/3)】

「ち、ちくしょう……。エ、エラは……か、賭けないのか?」

 あれっ? チェンナたん選手、顔を赤くしてエラにゃんに話しかけました。
 っていうかエラにゃんは博打なんかしないですよね?

「はい。オランダではスマホゲームのガチャに課金するのもギャンブル扱いですから」

 あっ! 今、決勝戦を闘う二人の幼女がリング上に登場です!

 赤コーナー、日本代表の美袋ユウたん選手がこども用の空手着に身を包んで姿を現しました! 入場テーマはボン・ジョヴィの「リビング・オン・ア・プレイヤー」です。ユウたんが一番好きな曲だそうです。アンパンマンマーチよりも好きだそうです。

 青コーナーにはロシア代表のエカチェリーナなんとかたん選手。すみません名前が覚えられなくて……。こちらは貴族風の真っ赤なドレスに身を包み、クラシック音楽をバックに馬車に乗って優雅に登場です。

 前ラウンド、エカチェリーナたん選手が繰り出したオバケ攻撃が美袋ユウたん選手に通じませんでした。エカチェリーナたん選手、オバケを怖がらない幼女がいるなんて計算外

「かめさんがい?」

 あっ。ごめんねエラにゃん今は黙っててね。オバケ攻撃が効かない相手にこのラウンド、エカチェリーナたん選手はどう闘うつもりでしょう? どう思いますか、チェンナたん?

「フン。どういうつもりかわからんが……。ロシア幼女め。あの顔は自信満々だな。何か秘策がありそうだ」

 ありがとうございますチェンナたん。さすが頼れる幼女兵器。幼女に囲まれながらも立派に実況できそうです。

「ホホホ……」
 おっとエカチェリーナたん選手、美袋ユウたん選手に何やら話しかけます!
「オバケを怖がらないのには驚きましたけど、それでもワタクシの勝利は揺らぎませんことよ」

「何を出して来ようとも打ち砕くだけだ」
 美袋ユウたん選手、正々堂々と答えます!
「この熱く燃えたぎるこむしに賭けて!」

 こむしって何でしょうか!? 拳の言い間違えでしょうか!?
 とりあえずようやくです! ようやく決勝戦が今、再開しましたーっ!

                   (次回のお題に続く)
0744この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 15:06:28.16ID:e0aIkx7I
>>741
今回はゆっくりだったー、話も進まないけどエラにゃんがかわいいからいいや・・・
やる気が出るように厳しめの感想を書こうと思ったけど、せいぜい岡山要素がないなーというくらい
ちゃんと面白くなってきてるし、調子悪そうでもないから、まぁいいか、って感じですw
0745この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 21:58:12.59ID:6QXkvYKT
>>736
お題:『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』

【魔王討伐のその後で】(1/2)
 荒れ果てた土地と、未だ戦火の傷跡を残す地を幾人もの騎馬が護衛についた馬車が走っていた。
 その馬車の中には六人の男女が気怠そうに座っていて、しかし誰もがどこかピリピリとした雰囲気を醸し出していた。

「えーと、だな……やっと終わったな」

 ライトブラウンの髪と、とび色の瞳を持つ少年……勇者『マイト』がそう口にすると、厳つい鎧を着こんだ角刈りの男、重戦士の『サムスン』が「そうだな」と頷く。
 それを聞き、神官服を着こんだ少女である聖女『シャロル』が感慨深げに息を吐いた。

「そう、ですね、これでやっと……」
「うむ、皆、大事無い様で良かった」

 着流しの青年、剣聖『シゲミツ』が同意し、4人が笑みを漏らす。
 一人の少年から視線を逸らしながら。

「……」
「え、えっと、皆さんは王都に着いたら何をしたいですか?」

 シャロルが、そう口にすると、マイトがオーバーな程の身振り手振りで「あ、ステーキとか食べたいよな! こう、スッゲーでっかいヤツ!!」と話し、それに同意するかの様にサムスンが「高級なワインとかも飲みたいよな」と追従した。
 それに対しシゲミツは、「拙は焼酎の方が良いのだが」と、口にし、それにシャロルが「飲み過ぎはダメですよ!」と注意すると、誰ともなくハハハと笑いだす。

 が、それもすぐに治まり再び沈黙がその場を支配した。

「えっと、アンバーは何か希望解かないのか?」

 勇者が、アンバー……魔導士の少女にそう訊ねるも、アンバーは読んでいた本から視線を上げ、首を傾げるた後、再び本へと視線を落とした。

「い、いやぁ、しかし、強かったよな魔王」
「う、うむ、あれ程のタフな者など、そうは居ないだろう」
「そうであるな、拙も、あれ程の手練れは見た事が無かった」
「ですよね! 私も最後は精神力が尽きそうになりました!!」
「「「あ!」」」

 聖女が自身の失言に気が付き、慌てて口をふさぐ。

「「「「……」」」」」
0746この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 21:58:58.71ID:6QXkvYKT
【魔王討伐のその後で】(2/2)


 そして視線が一人の少年に集中した。

「だよね、足手まといが居なけりゃ、もっと楽だったよね」

 剣呑な目付きの少年は、口の端を引き攣らせながらそう言う。

「そ、そんな事は無いぞ? お前が居たからこそ俺は頑張れたんだし!!」
「そうだな!! 我の鎧もお前がメンテナンスをしてくれていたからこそ、最後まで持ったのだ!!」
「う、うむ。拙の刀も、貴殿以外に任せる訳には行かぬからな!!」
「そうですよ!! みんな、貴方に感謝しています!!」

 そんなみんなの言葉を聞き、少年……ロインは胡乱な目付きで皆に視線を送ると口を開いた。

「でもね!? 最終決戦の場に『鍛冶師』のオレは必要なかったよね!!??」

 そうロインが叫ぶと皆が一斉に目を逸らす。

「メンテとか砥ぎとか、あの場ではできないし、修理とか無理だからね!! 第一、耐久力クソ雑魚ナメクジのオレが居たせいで、むしろマイトの負担上がってたし、シャロルだって、無駄に【蘇生魔法】とか使わなくちゃいけなかったから精神力足りなくなったんだよね!?」
「い、いや、ほら、オマエは俺達の精神的支柱と言うか……」
「別に、その場に居る必要なんかなかったでしょ!? オレ、何回死んだと思ってるの?」
「24億回?」
「いや、アンバー、そこまで死んで無いから! ってか、そんなに死んでたらシャロルの精神力足りてないから!!」

 アンバーの無表情のボケにロインが突っ込みを入れる。

「うむ、流石はロイン。アンバーに突っ込みを入れられるのはお前だけだな」
「突っ込み要員って、戦闘パーティーに必要ないからね?」

 何故か頷くサムスンに電光石火の突っ込みを入れるロイン。

「いや、ロイン殿」
「何ですか? シゲミツさん」
「終わった事だ。今さら言っても、もう遅いぞ?」
「ほんとにね!!」

 そんなやり取りを聞きながらシャロルがクスクスと笑う。

「ロインさんは、本当に全方向に突っ込みを入れられますよね」
「だからと言って最終決戦では役に立たない能力だけどね!!」
「じゃぁ、48億回」
「その件、まだ考えてたの!? ってか増えてるからね?」

 ロインが突っ込み疲れで息を荒くしていると、さらにアンバーが口を開いた。

「ロイン……」
「何?」
「グッジョブ!」
「やかましいわ!!」
0749三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/16(日) 22:14:19.82ID:e0aIkx7I
お題→『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』締切

【参加作品一覧】
>>741【その小さき体に 6】
>>745【魔王討伐のその後で】
>>747【妹に婚約者クレクレされたけど、もう遅いです。大好きな彼は、誰にも渡しません。】
0750三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/05/16(日) 22:15:05.88ID:e0aIkx7I
では通常お題4つです

お題安価>>751-754
0751この名無しがすごい!
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2021/05/16(日) 22:15:34.49ID:uvZjmBuO
ホームレス
0752この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 22:20:09.03ID:a6/hC8ui
捜査
0754この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 22:37:58.84ID:fLrdD36X
アルミ缶の上にあるミカン
0755三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/16(日) 22:39:59.76ID:e0aIkx7I
☆お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→5/23の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0756三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/16(日) 22:42:17.59ID:e0aIkx7I
なんだこのお題!!ww

えと、とにかく引き続きお題スレをよろしくですー!
0757この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/16(日) 23:06:46.73ID:e0aIkx7I
>>745
な、、なんで連れてったし・・・!
これはまさかの発想でした・・・笑った・・・
もう遅くても、結果オーライってところでしょうか!
0758この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/17(月) 05:47:25.96ID:AzxyzxEf
>>744
感想ありがとうございます
そうです今回、逃げました
最近、気持ちが創作に向かない
ストンピングするくらいの勢いで厳しくしてほしかったな……

感想すら書いてなかったし

>>725
ギルマスの上にいるのはオーナーでしょうか?
その上はまさか開発者?
とりあえずオッサンの愚痴ほどうざいものはないですね
せっかくのお酒が味気なくなる

>>727
なぜ毎回10分遅刻するの!? 故意!?
内容はいつも通りとしか……
0759この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/17(月) 05:54:50.63ID:AzxyzxEf
>>745
本当、なんで連れてったの? なんでついてったの?
でもみんな優しくて、ざまぁ展開にならなくてよかったです
でも名前がたくさん出て来るのでちょっと迷子になった

>>747
前のギルマスが閲覧数やたら少なくて、こっちは結構評価もついてるのが個人的に謎ッス
どちらもパワーワードがタイトルに入った作品なのに??
名前のアルファベットはロミオ家のジュリエット様(女やん)とかいろいろ当てはめてみたけどよくわからん……
こちらも名前がたくさん出て来るけどアルファベットなので苦労なく……はっ? そのためのアルファベット!!?
いやいや、それなら姉妹だけはちゃんと名前あるはずだし……
それにしても今回も10分遅刻……たまには空耳アワーの安斎さんを見習って豪快に遅刻してみなさい!!!
0760この名無しがすごい!
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2021/05/17(月) 19:38:35.30ID:kW+lQYQt
>>758
なんだやっぱり調子悪いのか・・・

感想あり、、と言うか本人的には故意じゃないんです・・・
これでも必死なんです・・・

>>759
感想ありがとうございます、別に遅刻したいわけではないですw
自分の感覚では、『冒険者ギルド』も『妹』『婚約者』『もう遅い』も、PV自体は普通
正直色々考えるんですが、なんにせよランキングに載らないと話にならねぇ
名前は星新一のパクリ、、とか、どこぞの板の作り話風、、とかではなく
あからさまな手抜きで読者をびっくりさせようというやつです
0761この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/18(火) 00:59:23.08ID:Mo0NaQAo
>>758
まぁ、、ずっと思ってるのが、もう一つこう、頭で書こうとしてる感じ
なんかシリーズ全体で言うと、例えば>>519ブラコンシリーズみたいな狂気が足りないと言うか
だからってそっち(狂気)に走られても、それはちょっと分からないですけどw
それとキャラの人格が、いまだ十分に立ち上がっていない
思い入れが足りてないような感じがしますねー、という感じです
0762この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/20(木) 18:42:19.84ID:W5i16hrU
ブラコンシリーズ、一通り読んでみたけどとにかく虚無感が凄かった
姉弟の日常なのは分かるけどキャラが話によってブレまくってるというか安定性が無いし、
ストーリーも序盤辺りまでは傍若無人な小6女子が云々だけど途中からそういうの一切無くなってきて、方向性が全く分からない
作者が同じレイチェルシリーズは、キャラもストーリーも最後まで安定していて、主人公のレイチェルが西部劇大好きなのは一貫していて感情移入しやすかった
正直レイチェルシリーズと同じ作者?って疑問に感じるくらい、つまらない
0763この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/21(金) 12:23:56.09ID:tgOFD5wC
えー、、全然そうは思わない・・・
まぁ感想は自由だし、レイチェルシリーズの方が面白いのは同意だけど
0764この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/22(土) 21:41:42.65ID:EYse2pA8
レイチェルシリーズは本当に楽しくて面白かった
完結してもう続きは書かないみたいに言ってたけど、また何かしらの形で再開してほしいな
0765この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 04:17:48.40ID:ilsage7V
>>755
☆お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【その小さき体に 7(1/3)】

 世界各国から激しい闘いを勝ち上がって来た幼女たちがここコンベックス岡山に集まりました。
 特設リング上ではその頂点に立つべく、二人の幼女がかわいらしく睨み合っております。世界一強い幼女はどっちだ!?
『世界一幼女決定戦』、いよいよ決勝戦が再開されまーす!
 実況のななしさんと解説の榎本さんが美幼女の魅力に失神してしまいましたので、代わって私、かわいさbP女子アナ海宮美靴の実況でお送りしております。
 解説には3人の幼女たん。それぞれ大人の膝の上に座ってくれています。

 まずは失神している榎本さんの上にオランダの美幼女、エラ・フレイヤたん。

「みなさん、おハロ〜」

 同じく失神しているななしさんの膝の上には中国の幼女兵器、リー・チェンナたん。

「フン。……まぁ、よろしくな」

 そして私、海宮美靴の膝の上にはアメリカのギャンブラー幼女、ジェシカ・クリキントンたんが座ってくれております。

「おー、いえー!」

 みなたん、よろしくね。

「はい、よろしくお願いします」
「私はエラがいるからいるだけだからな」
「オッズに変動があり次第、ミーが伝えるね!」

 さあ! 今、ゴングが鳴りましたーっ!

「ちぇすとーっ!」
 あーっ! いきなり攻撃を仕掛けたのは我らが日本代表、美袋ユウたん選手! 空手キックが炸裂します!

「あれは飛び足刀横蹴りというんだ馬鹿者め」
 ありがとうございますチェンナたん。無知な美靴にこれからもフォローよろしくお願いします。
 おーっと! しかしロシア代表エカチェリーナたん選手、これを悠々と避ける! 優雅にミルクティーを飲みながら後ろへかわしたーっ!

「学習なさらないお猿さんですわね」
 エカチェリーナたん選手、得意の挑発だーっ!
「そんな短い幼女の手足では届かなくってよ」

「美袋ユウを舐めるな、ロシアの雌ブタめ」
 あーっと! チェンナたんの口から今、雌ブタなんて言葉が飛び出しましたが、エカチェリーナたんはご覧の通りスマートな令嬢ですよ?
「いや。なまっ白いからブタなのだ。社会主義に挫折した精神薄弱なただのブタだ。対して美袋ユウは虎だ。超人揃いのこの大会でただの空手のみで勝ち上がって来た。その意味をこの決勝戦で思い知るがいい、ブタめっ!」

「ぶたさんをばかにしてはだめですよっ」
 おーっと! エラたんが叱ったーっ!
「ぶたさんは必死で生きてるし、かわいいですから」

「ごめんなさい」
 おーっと! チェンナたんが素直に謝ったーっ!

 そしてリング上では美袋ユウたん選手の猛攻が続いております。中段正拳突きを連打! 連打! 連打ーっ! しかし当たりません! 当たりませーんっ!
0766この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 04:20:10.59ID:ilsage7V
>>755
☆お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【その小さき体に 7(2/3)】

「せいっ! せいっ! せいやーっ!」
「ホホホ! 手足の短い子豚さん」
 エカチェリーナたん選手、華麗なバックステップで逃げます、紅茶を飲みながら!
「逃げるばかりか? それでは勝てんぞ」
「それはどうかしら?」
「ただの防御は加点とならん。判定となれば積極的に攻撃を仕掛けたあたちの勝ちだ」
「あら? でもオランダのエラさんは判定ばかりでお勝ちになられてたわよ?」
「あいつは芸術点が高かった。お前にオランダ娘のような美しさはない」
「な」
 おーっと! エカチェリーナたん選手の形相が鬼のように変わったーっ!
「なんですってええええええ!?」

「ム?」
 美袋ユウたん選手、相手の様子が変わったことに警戒したか、動きを止める!

「仰いましたわね」
 エカチェリーナたん選手、わなわなと震える!
「仰いましたわねえええええ!!!!」

 これは禁句を口にしてしまったのでしょうか? エカチェリーナたん選手の小さな体中からどす黒いオーラが立ち昇る!

「しかしよく言葉が通じるものだね」
 ジェシカたんのツッコミが入る!
「ミーにはさっぱりわからないよ。日本語もロシア語も。HAHAHA!」

 そうです。二人はそれぞれ日本語とロシア語で会話し、通じ合っています!

「拳で語り合っているのだ」
 チェンナたんの言う通りなのでしょう。二人は今、言葉を越えた何かで通じ合っているのでしょう。
 ちなみに放送席の私達四人はみんな英語が喋れるので英語で喋っております。日本のTVの実況中継でほとんどの視聴者に伝わらないことをお許しください。

「攻撃して来るのか?」
 美袋ユウたん選手、日本語で言う!
「言っておくが幽霊はあたちには通じんぞ? どうするつもりだ?」

「ホホホ。さっきの長い中断が役に立ちましてよ」
 エカチェリーナたん選手、不敵な笑みを浮かべてロシア語で言う! ちなみに私、海宮美靴は世界中すべての言語が話せますので理解できます。
「あなたの苦手なもの、リサーチさせていただきましたわ」

「あたちの苦手なものだと?」
 おっと美袋ユウたん選手、頬に汗が浮かぶ!
「まさか……」

「フローシャ」

「ぎくり」

「現れなさい! テンノージ・コーエン・フローシャ!」
0767この名無しがすごい!
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2021/05/23(日) 04:21:35.20ID:ilsage7V
>>755
☆お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【その小さき体に 7(3/3)】

 ああっ! 呪文を唱えるようにそう言ったエカチェリーナたん選手の前に今、汚れた作業服を身に纏ったおじさんが現れました!
 段ボールの束を脇に抱え、虚ろな目で美袋ユウたん選手を睨みます!
 ホームレスのおじさんです! でも、これが何だと言うのでしょうかーっ!?

「う……」
 あっと!? 美袋ユウたん選手、明らかに怯えている!?
「う……あ……あ、あ……」
 怖いのでしょうか!? ただのホームレスのおじさんですよ!? 上野公園によくいるような? 確かに……岡山では見ないけど。

「ユウ・ミナギ。あなたは2歳の頃、家族で旅行に行ったオオサカのテンノージ公園で見たホームレスのおじさんを見かけて、それがトラウマになっている」
 エカチェリーナたん選手の解説が始まりました!
「あなたの生まれ育ったオカヤマでは見たことのなかったホームレスにあなたは驚いた」

「うう……っ!」

「そして、ホームレスのおじさんは、あなたのあまりの可愛さに、話しかけて来たのですわよね?」

「あ……あ……」

「『お嬢ちゃん、オムライス食うかい?』そして差し出されたオムライスをあなたは見た!」

「や……やめてくれ……!」

「それはホームレスのおじさんが前夜に食べたオムライスのリサイクル品……つまり……オムライスの形に盛り付けられたおじさんのウンコだった!」

「ぎ、ぎゃあああーっ!!」

「さあ、フローシャよ! その手に持ったオムライスをユウ・ミナギにプレゼントして差し上げなさい!」

「く、来るなーー!!!」

 美袋ユウたん選手、泣き叫びはじめました!
「これは私でも泣きますから」
「なんて卑怯な攻撃だ。ロシアのブタめっ!」
「ミーはロシアに賭けてるからいい展開ね!」
 解説ありがとう3人の幼女たん! ああっ! ホームレスのおじさんがずんずんとユウたん選手に迫る! ユウたん、大ピンチですっ!

「ホホホ。そのままリングアウトで敗北なさい」
 エカチェリーナたん選手、勝利を確信しての高笑いだ!
「それにしても我が国の誇るKGBの捜査員の情報網はさすがですわ。まさか幽霊よりもホームレスが怖いだなんて」
「アホか。KGBなら捜査員ではなく諜報員だろうが、ブタめ」
「ハア!?」
 おーっと! 放送席のチェンナたんとリング上のエカチェリーナたん選手との間で何やら始まりました!
「大体、KGBなんぞとっくの昔に解散しとるわ。自分の国のこと何も知らんのか。今はGRUだ、ブタめ」
「あなた! さっきからワタクシのことをブタだブタだと……。聞こえていましわよ! この、中国の山奥の、おサルさん!」
「フン。それに諜報機関の優秀さなら我が国に勝るものはない。貴様の国レベルの諜報機関を中国が一体いくつ持っているか、知っているか? ん?」
「5ちゃんねるにサイバーテロを仕掛けるようなセコい存在としてならよく存じ上げていましてよ。ホホホ!」
「ブタが……!」
「サール! サール! おサルさん! オッホホホホホホ!」
「アルミ缶の上にあるミカン」
「!?」
「!?」

「……アルミ缶の上にあるミカン」
0768この名無しがすごい!
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2021/05/23(日) 04:24:43.98ID:ilsage7V
>>755
☆お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【その小さき体に 7(4/3)】

「アルミ缶の上にあるミカン」

 こっ……これは!?
 ホームレスのおじさんに迫られながら、美袋ユウたん選手、何やら呟き始めました。
「だっ……だじゃれ……っ……ですねっ……! おっ、おもっ……ヒーヒー!」
 日本語のわかるエラにゃんが1人、放送席で笑い転げていますっ!

「アルミ缶の上にあるミカンっ!!」

 な、何なのでしょう、この呪文のような呟きは?

「精神統一のおまじないでち」

 あっ!? そう言いながら放送席にまた1人、新たな幼女が姿を現しました!
 あなたは……国内予選で美袋ユウたん選手に決勝戦で敗退した……岡山市立ふくふく幼稚園の……茨鬼ももたん!?

「そうでち」

 精神統一のおまじないとは? どういうことですか、ももたん!?

「あたしと美袋ユウは同じ殺人幼女養成施設『とらタンのあな』で訓練を受けまちた。そこで教わったのでち」

 アルミ缶の上にあるミカン、ですか?

「そうでち。心が乱れた時に唱えるおまじないでち。アルミ缶の上にあるミカンとは……」

「やっ、やーめーてー! おなかが……! 笑い死にますー!」
 エラにゃんの笑いっぷりがかわいいのでもっと言いましょう! アルミ缶の上にあるミカン!
「……! ……! ヒーヒー!」

「でっ……、でもそんな呪文でホームレスのおじさんはかき消せなくってよ!」
 エカチェリーナたん選手、戸惑いながらもまだ優勢です!
「オムライスはそれでも止まることなく貴女に迫りますの! どうしようもなくってよぉー!」

「アルミ缶の上に〜……あるミカンっ!!!」
 ユウたん選手、目をかっと見開いて叫んだーっ!

 あーっと!
 その言霊にまるでかき消されるかのように!
 ホームレスのおじさんが! 天王寺公園に! 帰って行きます!
 いなくなりましたーっ!
 そしてエラにゃんが今、おかしさのあまり仰向けになって失神したーっ!

「いかん! 人工呼吸だ!」
 チェンナたんがドサクサ紛れにエラにゃんの唇を狙うーっ!

「よくもやってくれたな、エカチェリーナ」
 美袋ユウたん選手、そのまま対戦相手ににじり寄る!
「今度はあたちの番だ!」

               【次回、最終回(予定)】
0769この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 14:16:53.40ID:81a/W5/A
話の本筋には関係ないけどKGBの後継組織は対外情報局(SVR)と連邦保安庁(FSB)じゃね?
GRUは軍の情報機関でソ連時代からあるし。
別にGRUが日本で活動しててもおかしくはないけど。
0770この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 16:55:22.56ID:ilsage7V
>>769
わっ! そうだったんですねっ!?
ググって調べただけで本当は何も知らないもんで……勉強になります!
0771この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 17:55:03.23ID:OmzYINVw
それは同じく言おうと思ったでござるー
大統領のプーさん = KGB = FSB でござるー

>>765
なんだかんだ言いつつちゃんと書きに来る^^;
次回で完結できるのか! すっかりにぎやかになった放送席
話の内容は違和感なく、、違和感ないのか??、、しかしオム、、やめなはれw
ホームレス、、こっち(人口減少中の地方都市)では最近見ないですけど、岡山市内なら実は結構いそう
0772この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 20:04:25.36ID:ATFd/B9O
遅レスですが

>>702
物騒な暗殺技使い幼女とゆるふわメイド幼女の戦いですかw
いや「かめはめ」て……
何故かア〇ドライバーを思い出しましたw

>>718
これ、放射能とか大丈夫なんでしょうかね?
そう言えば「陰〇実力者に成りたくて」と言う小説に
アイアムアトミックと言う技がありましたね

>>714
このお話だけ読むと、岡山がロリコン大国の様に思えますがw
前回の賭けのお話が良い伏線に
しかし億単位のお金を持っている幼女ってw

>>765
正当競技者と搦め手競技者の戦いと言った所でしょうか?
相変わらず煽り耐性の低いロシア代表w
ですがリアル部外者を呼び込むのは競技としてありなんでしょうか?
0773この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 20:46:14.99ID:ATFd/B9O
>>716
本当にありそうな現地のお話ですね
嫉妬で変身して怪物に成ると言う民話は世界各国にあります
げに恐ろしきは女の性と言う事でしょうか?
まぁ浮気する男の方が悪いんですけどね

>>727
まさかのネタ被りでしたw
もっとも内容は全然違っている訳ですが
バフ系のチューインガムと言うのは斬新な設定ですね

>>747
流行りの『妹ざまぁ物』ですね
これは取られた訳じゃないですが
我儘ばかり言っているせいで、良い物を取り逃がしてしまったのですから
姉に文句を言うのは筋違いですよね
0774この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 21:40:35.27ID:ATFd/B9O
>>755
お題:『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【漫才商売】


『この段ボールがホームレスのホームれす』
『この捜査は警視庁がするそうさ』
『ミルクティーを見るクティー』
『アルミ缶の上にあるミカン』

「いや、却下だろう」

 相方の言葉に洋司が眉を顰めた。

「そう言われてもさ、さんざん考えたんだぜ? これ以上ネタなんて出ねぇよ」
「いや、オマエ、何か見失ってねぇか? 俺達は漫才師だぞ? なんでダジャレの連発なんだよ」

 洋司と正彦はコンビの漫才師だ。
 テレビの漫才バトルで惜しい所まで行った実績もある。
 その時、披露したネタがダジャレに対して突っ込みを入れるネタだった事も有り、洋司はその方向でネタを考えていたのだが……

「ボケと突っ込みが基本だし、それについては文句なんてねぇがよ、だからと言ってダジャレを連発して、それに逐一突っ込んでいくってのは、そんなもの、漫才の面白さを態々説明するようなもんだろ? それはまたちょっと違うだろ」
「だけど漫才バトルじゃ、このネタで……」
「ありゃ、一発ネタの様なもんだ、今、オマエが書かなくちゃいけないのは恒常的に笑いを誘えるネタなんだよ」

 そう言う正彦に、洋司が顔を顰めた。
 『ダジャレ突っ込み』で笑いを取れたのだから、世間が求めている“笑い”とは、そいう言う物だろうと思ったのだ。
 その表情で察したのか、正彦が「はぁ」と溜息を吐いた。

「あのな、ダジャレに突っ込みを入れるのはネタとして有りだとは思うけどよ、それはそう言うネタも在るってだけの話なんだよ」
「いや、なら!」

 フンスと鼻息を荒くする洋司を正彦が手で制す。

「『在り』ってだけで、それだけを連発するのは『良く』はない」
「……どういう事だ?」
「客ってのは本来飽きっぽいもんなんだよ、確かにダジャレ突っ込みは受けたかもしれないが、そりゃ、『目新しい物』があったからだ」
「……っ」

 そう言われ、洋司が言葉に詰まる。

「なのに、そのダジャレの連発なんてしてみろ、あっと言う間に飽きられちまうわ」
「……なら、どうしろってんだよ」
「しらん」
「な、おまっ」

 あまりに無責任な言葉に洋司の眉が吊り上がる。

「だってそりゃ、オマエの領分だろう? 俺にはオマエみたいに『ネタを作る』才能は無いんだから」

 そう言って苦笑する正彦に洋司が言葉を詰まらせる。

「心配するな、オマエは俺が認めた『天才』だ! それは、この俺が保証してやる」
「……お前に保障されてもな」

 小さく嘆息した洋司だったが、しかし、自身の頬をパチンと叩くと、どうやら、意識を切り替えた様だった。
 それを見た正彦は思う。(これなら大丈夫だろう)と。
0775三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/23(日) 22:10:52.41ID:OmzYINVw
お題→『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』締切

【参加作品一覧】
>>765【その小さき体に 7】
>>774【漫才商売】
0776三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/23(日) 22:12:54.11ID:OmzYINVw
では、今回も通常お題4つですー

お題安価>>777-780
0777この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 22:13:31.14ID:dorJvbLs
ラッキーセブン
0779この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 22:18:41.54ID:4k0uKsyQ
古代種
0780この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 22:24:56.86ID:ce0kIJzM
ジューンブライド
0781三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/23(日) 22:29:01.03ID:OmzYINVw
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→5/30の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0782三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/23(日) 22:31:10.40ID:OmzYINVw
なかなか面白みのあるお題では

今週もお題スレをよろしくでござるですー
0783この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 22:49:40.42ID:OmzYINVw
>>774
ずるいなww、だけど内容は短いながらシリアスだった
役割分担のできてるコンビ、って感じですね
成功するには相方との相性は大きいのかも・・・
0784この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/23(日) 23:34:39.53ID:OmzYINVw
>>773
感想ありがとうございますー

716、昔話テンプレやでー、と思って書いたのですが、こういうことは実際あったのだろうと思われますw
死ぬほど追い回されたのに、あんまり反省してない主人公です^^;

727、正直かぶりそうだなー、とは思ったのですが、、これしか思い付きませんでしたw

747、テンプレ詐欺に近い上に、実はちゃんとしたざまぁにはなってないんだ・・・
?「あれは違うの。お姉ちゃんに譲ってあげたの。私はもっといい男を見付けてやるんだからー」
0785この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/27(木) 18:44:28.86ID:JJvImIKl
>>771
ありがとうございます。
ちなみに岡山に住んでて私はホームレス見たことがないですね。
ちょっと調べたら支援する施設があって、そこに入れてもらえるみたい……。

>>772
ありがとうございます。
タブレットで見るとこのレスがあぼーんになってて、スマホで見てようやく感想に気がつきました……。
疑問点に対しては最終回でお答えできる……のか!?
0786この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/27(木) 18:49:54.91ID:JJvImIKl
>>774
まさか冒頭ですべてのお題を使い切るとは……っ!
ダジャレは寒いだけだからやめときなはれ
とか偉い人に言われたら反抗したくなるもんだけど、さすがにこれは相方が正解ですねぇ……
オランダの某美幼女の前でやったらまんまと笑い転げてくれるとは思いますけど
0787この名無しがすごい!
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2021/05/28(金) 18:56:39.95ID:Up+aRVki
あぁ、レイチェルさんがマジで恋しい・・・
0788この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 17:35:49.79ID:AfXO91Be
>>781
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【その小さき体に 〜最終章〜 (1/3)】


「まさか……まさか」
 エカチェリーナたん選手、たじろぐーっ!
「あなたはホームレスのおじさまがお嫌いなはずよ。怖いはずよ! この短時間で克服したとでも仰るの!?」

「あたちは言わば古代種の幼女なのだ」
 おーっと! 美袋ユウたん選手、何か凄いことを言い出したぞ!?
「火も怖い。地震も怖い。幽霊も怖い。ホームレスのおじさんもウンコも怖い。怖いからこそ進んで体験し、克服して行く。そんな魂の漂流者なのだ」
 なんか四歳児の言葉ではありません! でもなんだかなんとなくカッコいい!

 途中から番組をご覧になっている視聴者の方、今晩は。ただいまコンベックス岡山の特設リング上では「世界一幼女決定戦」の決勝戦が行われています!
 優勝するのはロシア代表のお嬢様幼女、エカチェリーナたん選手か? それとも我らが日本代表のカラテ幼女、美袋ユウたん選手か? 今回、その勝敗が決します!
 実況は私、女子アナの海宮美靴(かみやみくつ)、解説には中国の幼女兵器チェンナたん、オランダの美幼女エラたん、アメリカのギャンブラー幼女ジェシカたんの3人の幼女にお願いしております。みなたん、よろしくね!

「白ぶたのたんこぶ〜」
「きゃはは……きゃははっ! チェナたんおもしろーい!」
「オッズがまた変動したね! 誰かロシアにごっそり賭けやがった! チッ!」

 あー……。ちょっと君たち、静かにしてね。

「さあ、今度はあたちの番だ」
 あっ! リング上、美袋ユウたん選手、攻撃に転じます。しかし……
「ちぇすとー!」

 正拳突きを繰り出す! しかしこれは何度もやってることだ! 逃げ足の速いエカチェリーナたん選手には通じません!
 エカチェリーナたん選手、素早いバックステップで避ける! 届かない! ユウたん選手の手足は短いからーっ!
 そうです! 考えたら美袋ユウたん選手が決勝まで勝ち上がって来れたのは奇跡に近いのです! 何しろこの大会に出場している幼女たちは皆ほぼ超能力者といっても差し支えないような力の持ち主です。が、ユウたん選手の武器はその小さな体を使って繰り出される空手技のみなのです!

「その空手だけで勝ち上がって来たことこそ美袋ユウが真の戦士である証拠だ」
 あっ! チェンナたん、解説ありがとうございます!
「準決勝で闘った私だからわかる。やつは絶対に優勝する」

「ノー! 勝つのはエカチェリーナね!」
 おっとジェシカたんが食いついた! やっぱり超能力が使えないのは不利だという理由ですか?
「だってミーはエカチェリーナに500ドル賭けてるね!」
 あくまでギャンブルの話だったーっ!

「プーさん!」
 あっ? エカチェリーナたん選手、その能力を繰り出します。
 エカチェリーナたん選手の前に大統領が出現しました! 巨大な大統領です! 頭にはくまさんの耳をつけている!
 ちなみにこれは部外者ではなく、エカチェリーナたん選手の召喚術です。あくまで彼女の能力ですので反則とはなりません。

「いや、あれは卑怯だろ」
 ……とチェンナたんがコメントをくれましたが、武器の使用は反則でも自分の体を武器に変化させられるチェンナたんが反則にはならないようなものです。

「うぐぅ……」
0789この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 17:39:21.50ID:AfXO91Be
>>781
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【その小さき体に 〜最終章〜 (2/3)】

 ぬおーっとエカチェリーナたん選手を守るように大統領が両手を広げてユウたん選手に襲いかかります!

「あたっ! あたっ! あたたたーっ!」

 ユウたん選手、掛け声とともに高速で連続蹴りを繰り出す! 大統領に叩き込みながら、蹴りでその巨体を駆け上がって行くーっ!

「うあああーっ!」
 大統領、断末魔とともに消え去ります! 頼りない! 何をしに出て来たのでしょう!?

 さあ、エカチェリーナたん選手も決め手がない! 何を召喚してもユウたん選手にことごとく破られています! このまま判定となれば不利なのはエカチェリーナたんのほうですよね、チェンナたん?

「そうだな。有効打数で美袋ユウのほうが明らかに上回っている」
 的確で客観的な解説ありがとうございます!
「それにしても卑怯すぎるわ、ロシアの白ブタめ。自分は傷つくことなく召喚獣にムチ打って闘わせ、勝利の甘い汁だけを吸おうだなどと、いかにも薄汚いブルジョアのやり方だ。負けろ! 負けて美袋ユウに賭けている私に1億円還元するのだ!」
 解説に私情を持ち込まないで!

「さあ、手が尽きたようだな」
 あっ! ユウたん選手がエカチェリーナたん選手をリング隅へ追い込みはじめましたよ!
「疲れて来たか? 自慢の逃げ足も鈍りはじめているようだぞ?」

 エカチェリーナたん選手、いくら逃げ回るのが上手とはいってもやはり幼女。そろそろスタミナが限界でしょうか?

「ハアハア……」
 息が切れています!
「ハアハア……アハハ……アハハハラッキーセブンですわ!」
 意味のわからないことを言い出した! まだ3ラウンドですよ?

「観念してお縄を頂戴しろ」
 ユウたん選手も意味不明だ! こっちも疲れているのか!?
「顔はやめておいてやる。ボディーだ、ボディーを狙う」
 おっと一発KO宣言ですかね? どう思いますか、チェンナたん?

「プーさんのまね!」
「きゃはははは!」
 おっとチェンナたん、エラにゃんと戯れております! さっき見たばかりの大統領の真似をして笑わせております……っていうか真面目にやれー!

「ホホホ……」
 リング上、エカチェリーナたん選手が笑い出しました。ヤケクソ笑いでしょうか?
「遂に奥の手を使う時が来たようですわね……」

「強がりはやめろ」
 ユウたん選手、ゆっくりと間合いを詰め、追い詰める。
「負けを認めろ。そうすれば痛い目には遭わせないでおいてやる」

「あなた……試合開始前に仰ってたわよね? この世で一番好きなものは『おじいちゃん』だと」

「そうだが、それがどうした?」

「嫌いなものが通じないなら、好きなものを使って攻撃するのみですわ」

「なんだと?」

「あなたのおじいちゃんをここに召喚します。大好きなおじいちゃんに攻撃されて、あなたは反撃できますかしら?」
0790この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 17:42:06.96ID:AfXO91Be
>>781
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【その小さき体に 〜最終章〜 (3/3)】

「バカな!? だっておじいちゃんはあそこに……」
 ユウたん選手、観客席の一点を見つめます。
「あそこで応援してくれてる最中なんだぞ!?」
 見つめる先で優しそうなご老人がユウたん選手に手を振っています!

「おじいちゃん……召喚」

 ああっ! エカチェリーナたん選手が呪文を唱えるようにそう言った途端、客席のおじいちゃんが苦しみはじめました! これは魂が抜けているのか!? 魂を抜かれているのでしょうかーっ!?
 そしてリング上、エカチェリーナたん選手を守るように、その前に巨大な老人が現れました! 観客席にいらっしゃる美袋ユウたん選手のおじいちゃんにそっくりです! そのままです! ただしサイズは約2倍だ! 観客席のおじいちゃんは眠ったようにぐったりしているーっ!

「貴様……!」
 美袋ユウたん選手、髪を猫の耳みたいに逆立てて怒る!
「貴様……おじいちゃんに何を……! 許さんぞーーっ!!」

「ホホホ! わたくしに召喚されたモンスターはわたくしをマスターとしてその命令に逆らえませんの! あなたの大好きなおじいちゃんにカラテ技を叩き込めて? 体は霊体ですが中身は本物ですのよ? そして大好きなおじいちゃんから平手打ちを受けただけでもあなたの精神的ダメージは大きい筈!」

「外道が……!」

「ホホホ何とでも仰い! 勝てば正義ですのよ」
 エカチェリーナたん選手、高笑う!
「さあ、おじい様! あなたのことを嫌いになるまで孫娘にトラウマを叩き込んでやりなさい!」

「ユウよ」
 おーっと! 召喚されたおじいちゃんが喋ったーっ!
「わしの教えた空手でよくぞここまで勝ち上がった。さすがは古代種の幼女、魂の漂流者よ。へんなことになってしまったが、これを最後の試練としてお前に与える。今こそこのわしを乗り越えてみよ」

「なっ……!?」
 喋り出したおじいちゃんにエカチェリーナたん選手も驚いています!
「そんな……喋れる筈が……」

「ロシアの幼女よ」
 おじいちゃんが振り向いてエカチェリーナたん選手に語りかけます!
「心配するな。わしはお前の奴隷じゃ。お前のために、目の前の可愛い我が孫娘をぶちのめし、お前に勝利をプレゼントしてやるわい」

「じいちゃん……」
 ユウたん選手、おじいちゃんに向かってファイティングポーズを取ります!

「行くぞ、ユウ」

 ああっ! 身構えるとともに、おじいちゃんの巨体がさらに膨れ上がって行くーっ!
 凄まじいオーラです! さっきまで観客席で手を振っていた優しそうなご老人とは思えません!
 10倍に膨れ上がり、隕石のようになった腕で、可愛い孫娘にパンチの雨を降らせるーっ! なんということでしょう! 容赦ありません!

「ああ。あれは本気だな」
 チェンナたん、やっぱりそう見えますか!
「完全に殺す気だ。あそこにいるのは美袋ユウの祖父などではなく、血に飢えた1人のファイターだ」

 隕石が降ったような攻撃が止み、煙が晴れて行きます。果たしてユウたん選手、無事なのかーっ!?

「へへへ……。楽しいな」
 おーっと! 無事です! 無傷で笑っていますーっ!
「じーちゃんと本気で闘れるとは思わなかった」

「そうじゃ。今のわしはリミッターがはずれておる。手加減なしのわしを倒せるか? ユウ」
0791この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 17:44:27.93ID:AfXO91Be
>>781
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【その小さき体に 〜最終章〜 (余り)】

「わからない。でも……」
 おっと? ユウたん選手の小さな体からもオーラが立ち昇りはじめましたよ?
「あたちもこれでリミッターがはずせる」
 わっ? まだまだオーラが大きくなって行きます!
「エカチェリーナごとき相手では殺してしまうかもしれんので抑えていたこの闘志を……」

「そうじゃ! ユウよ」
 おじいちゃんが嬉しそうに笑いを浮かべます!
「お前の闘志を解放するのじゃ。遠慮はいらん。すべてを解き放ってみよ!」

「小さき体に……」
 ユウたん選手のオーラ、まだまだ大きくなって行くーっ!
「……大きな闘志が充満する時、その闘志が大きければ大きいほど、そしてそれを容れる体が小さければ小さいほど、闘志は圧縮される。そしてそれが開放されし時、その爆発力は信じられぬほどに大きなものとなる」

「そうじゃ! わしが教えた通りに」

「今こそ、解き放つ!」

 うわーっ!
 会場中が地震のように振動しています!
 美袋ユウたん選手を爆心地として爆発が広がるように……今、今……!

「やばい! エラ!」
「チェナたん!」
「ノォーッ! これはギャンブルどころではないねーッ!」

 ば、爆発だーーッ!!!

「エラーっ!」
「はい! チェナたん! 任せて!」
「オオオオママママイイイガッ!!!」




 あ

 あれっ? 静かです。私、死んだのでしょうか?

 リング上は……。

 美袋ユウたん選手、立っています!
 エカチェリーナたん選手、泡を吹いて倒れているーっ!

 と、いうことは……日本代表、美袋ユウたん選手、ゆうしょ……

「反則負け!」
 あーっと! 今、レフェリーの今田さんから美袋ユウたん選手に反則負けが言い渡されました!
 そうでした! チェナたんが核ミサイルで岡山県ごと破壊しようとした時に追加された新ルールがありましたっけ。観客に危害が及ぶような攻撃を出してしまった美袋ユウたん選手、反則負けです!

 今、レフェリーの今田さんが失神しているエカチェリーナたん選手を抱き上げ、その可愛いお手々を持ち上げて優勝を告げました!
 ロシア代表エカチェリーナ・イワノーヴナ・トルスタヤたん選手が第51回世界一幼女決定戦の勝者に決定いたしましたーっ!
0792この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 17:46:11.05ID:AfXO91Be
>>781
☆お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【その小さき体に 〜最終章〜 (さらに余り)】


 あれっ? 放送席ではエラにゃんがぐったりしていますよ? どうしたんですか?

「エラが咄嗟に『身代わりうさぎ』を百体出してみんなを守ったのだ」
 え。そうなんですか、チェンナたん?
「エラよ……。お前は素晴らしい。私の中ではお前こそがこの大会の優勝者だ」

「チェナたん……みんなは……?」

「ああ、無事だ。エラ、お前が守ったんだぞ」

「よかった……です」

「結婚してくれ、エラ」

「……はい?」

「国籍だとか同性だとか、年齢だとか関係ない。私は産まれて初めて人間を好きになった。どうか、私と結婚して、一緒に暮らしてほしい。エラ……」

「わっ。今けっこんすると私、ジューンブライドですか?」

「そうだ。美しいお前の花嫁姿が見たい」

「します。私もチェナたん大好きですから」

 えーと……
 お幸せそうな二人を邪魔しちゃいけませんね。
 これで放送を終わります。
 皆様、長い間お付き合いいただきありがとうございました!

               (了)
0793この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 18:30:07.17ID:d4fSGpIn
おお・・・さすがに5レス書いた人は記憶にな・・・と思ったけど、当人が同じシリーズでやってた^^;
0794この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 18:30:35.33ID:d4fSGpIn
>>781

使用お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【しりとり☆リターンズ#しーくえる】

「――――『ジューンブライド』」
「『ど』かぁ。どーしよっかなー……」
「『ド○フタ○ズ』」
「えっ、誰?」
「なんか知らない人が出てきた」
「『ず』……『ズニケラトプス』」
「いやだから誰です?」
「知らない人が増えてるし!」
「ズニケラトプスって何?」
「ズニケラトプスとは――」
「『す』。『スロットモンスター』」
「何その不自然な」
「ってかマジで誰?」
「意味不明」
「ねえ! ズニケラトプスって何!?」
「『たー』……」
「はいはいはい、あたしあたし! リベンジね。『タールピット』!」
「タールピットって何?」
「タールピットとは――」
「いや説明とか要らないから」
「次! 次の人は?」
「次は誰?」
「誰でもいいんじゃない? もう順番とかめちゃくちゃだし」
「んー。じゃーねー……。『と』……。『トラ』」
「トラって……トラ?」
「そう、トラ」
「なんか普通だね」
「普通が一番よ」
「『ら』かぁ。って言うか次は――」
「話は聞かせてもらった! 面白そうなことをやってるな!」
「あっ、会長の愛人だ」
「いや愛人ではないが……その方が面白いだろうから強くは否定しないが……」
「えっ、愛人……!?」
「ほらー。正妻殿が固まってしまったではないか」
「固まってもかわいいなぁ」
「かわいいは正義」
「そんなことより次は?」
「次は私だ! 異論は認めない! 『ら』だったな。ふふふ」
「いいから早くしてよ」
「そうせかすな。『ら』だろ……『ラッキーセブン』! ……あっ」
「はーい次の人ー」
「いや待ってくれ! 今のは何かの間違いだ! 『ら』! 『ら』、『ら』、『ら』……『ラ○メ○マン』!! …………あれっ?」
「やる気がないなら帰ってもらってもいいんだよ?」
「一人で二回も間違える人って」
「くっ、殺させはせん! 殺させはせんぞ!!」
「あきらめて? 試合は終わってるよ?」
「『ら』『ら』『ら』…………『ら』っ! 『ランダムアクセス』!!」
「は?」
「えっと」
「あのさぁ」
「らん……? よく分かんないけど頭良さそう。……『す』?」
「くっ……それじゃあ……『ランタイムライブラリ』!」
「……」「……」「……」「……」「愛人……」「……」「……」
「…………『ラウンドロビンスケジューリング』! …………ラ――――」
0795この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 18:35:29.07ID:d4fSGpIn
色々考えたけど、これしか形にならなかった
一応、前スレ以前からの続き物です
0796この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 20:40:22.62ID:AfXO91Be
>>793
申し訳ありません
文字数は5000字もないのに……(;_;)
「改行が多すぎます」って゚(゚´ω`゚)゚。

>>794
しりとりと漫才は会話ばかりで面白くできるのがいですね
特殊な述語の中にトラ出て来るとかえって違和感が出るというのが凄い
ズニケラトプスって何やねん……って調べたら……本当にいた! で、これが古代種?
漂流者は……? ラーメンさん?
0797この名無しがすごい!
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2021/05/30(日) 22:09:44.77ID:SOR3SlB4
ギリギリアウトですorz

>>781
お題:『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【太古の記憶】(1/3)
 浅黄と行猫が漂流者となってから、既に1週間が過ぎていた。
 二人は同じ孤児院で育った幼馴染で、丁度一週間前に披露宴を行ったのだが……

「大丈夫か? 行猫」
「うん、浅黄にぃこそ大丈夫?」
「オレの丈夫さは、オマエが一番よく知ってるだろう?」
「そうだね」

 小さなボートの中でニコリと笑う幼馴染にして妻となった女性の健気な姿に、浅黄は努めて明るくそう言った。
 彼らがこうして漂流者となってしまったのは、偏に不運が重なったからだ。

 二人とも親族の居ない孤児ではあるが、しかし、行猫が幼い頃から花嫁と言う物に憧れを抱いていた事を知っていた浅黄は、せめて披露宴ぐらいは立派な物にしたやりたいと色々と検討して居た訳なのだが、その過程で、ある業者の『ジューンブライドフェス』が目に留まった。

 いわゆる合同結婚式と言う物ではあったが、その会場が、豪華客船を貸し切っての物だった事も有り、職場の同僚や、共通の知人位しか招待客の居ない二人でも、豪華な、記憶に残る結婚式が行えると思ったのだ。
 一も二も無くその『ジューンブライドフェス』に申し込んだ浅黄だったが、日ごろの行いが良かったのか、運よく、そのイベントに受かったのである。

 『ジューンブライドフェス』は、多少の小雨こそ降っていたが、しかし、つつがなく開催され、二人は他のカップルと同じ様に最高の一時を味わっていた。
 しかし、悲劇はそのイベントの最後に起こった。

「さ、次は俺達の番だな」
「浅黄にぃ、ちゃんとボート漕げるの?」
「……まぁ頑張る」

 今日結婚式を行ったカップルが、それぞれ小型のボートで送り出され、港で迎えられると言う、いわゆる、車で皆に送り出されると言うかつての結婚式の海バージョンのイベントを行った時の事だった。
 確かに多少海面は荒れてはいたが、しかし、場所は港が見える程度の沖合で有る。
 問題は無かろうと、そのイベントも決行されたのだが……

「え! 何だ?」
「きゃっ!! どうしたの? 浅黄にぃ!!」

 離岸流であろう流れに捕まってしまった二人のボートは、あっと言う間に沖へと流される。浅黄も、必死でオールを漕いでは見たのだが、大自然の力に敵うはずも無く、成す術も無く大海原へと送り出されてしまったのだ。
 そして不孝とは重なるもので、港近くではそれなりに穏やかだった波は、沖合では結構な荒れ模様であり、あっと言う間に二人は自分達の今居る位置も分からなくなってしまった。
 披露宴でタキシードとドレスへと着替えた為に、スマホを所持できていなかった事も致命傷だった。
 こうして二人は、予期せぬ海上の人となってしまったのだった。
0798この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 22:12:03.21ID:SOR3SlB4
【太古の記憶】(2/3)


 ******

「あれから一週間か……」
「みんな、心配してるよね?」
「そうだな……」

 不幸中の幸いと言って良いのだろうか? 二人の乗っていた小舟は救命ボートを飾り付けしたものであり、中には数日分の水と食料が積んであったため、この一週間、何とか生き延びる事は出来ていた。
 だが、それも限りがある。食料は切り詰める事は出来ても水はそうもいかない。
 六月と言う事も有り、海の上でも雨が降る為に、多少は雨水で賄う事も出来てはいる。だが、あまり体には良くないだろうし、いつまでも、そんな幸運に頼っては居られないだろう。
 実際浅黄は、行猫には保存されていた水を飲ませ、自分の分は雨水で賄っていたが、しかしこの所、多少体がだるく感じていた。

「こればかりは、頑丈な自分の身体に感謝だな」
「ん? どうしたの?」
「いや、ほら、漂流して七日経つだろ? ラッキーセブンって事で、陸地でも見えないかなってさ」
「何それ」

 クツクツと笑う行猫の表情に、浅黄の頬も緩む。
 と、その時の事だった。

「!!」
「え? なに?」

 やや高い波の間に黒い山の様な物が見えたのは。

「本当にラッキーセブンかも知れない」
「え?」
「陸地だ」
「本当!?」

 「ああ」と、行猫に応えた浅黄は、オールを握り、力強く漕ぎ出す。流石に一週間も海の上だったのだ。あの時よりも随分とオール操作も上手くなって居る。
 ひと漕ぎ毎に進んで行くボート。やっと見つけた陸地に、二人の心も逸っていた。

「あ、浅黄にぃ!!」
「何だ?」

 顔を青くする行猫の様子に、浅黄も異常を感じる。振り向いた先に在ったのは、目を瞠るほどの巨大なサメのヒレ。
 水面下には、優に20mは超えていそうな巨体がある。

「メガロドンか?」

 サメの古代種であるメガロドンを思い出し、背筋がゾワリと寒くなる。その大きな口は、人間などマル飲みどころか二人とも一飲みだろう。

「浅黄にぃ」
「しっ、静かに」

 確かサメは、嗅覚は犬以上だが、眼はそれ程良く無かったはずである。視認できる距離に居るにも拘らず動きが無いのは、こちらに気が付いて無いからだろう。
 二人で抱き合い、身を固くする。
 と、やがて、メガロドンは、向きを変えると、島の方向へと泳ぎ始めた。

「助かった……のか?」
「浅黄にぃ……」
0799この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 22:12:57.13ID:SOR3SlB4
【太古の記憶】(3/3)


 二人がほっと胸を撫で下ろした次の瞬間だった。

 バッシャーーーーン!!!!

 突き上げるかの様にメガロドンが宙を舞い、しかしその腹部にはさらに巨大な海棲生物が牙を立てていたのである。

「モ、モササウルスゥ!!!!」

 メガロドンと同時期に生存していたとされる海棲爬虫類。当時の捕食者の頂点であり、もっとも危険な海竜でもあった。
 そんな最悪の捕食者の姿を確認した次の瞬間、浅黄たちの姿も宙を舞っていた。
 見れば、もう一頭居たのであろうモササウルスの攻撃を食らい、ボートが真っ二つに割れている所であった。

(そう言えば、モササウルスは翼竜すら獲物にしてたんだっけ)

 そう思いながらも、腕の中の行猫をギュッと抱きしめる。そして、海面に叩き付けられると同時に、浅黄は、その意識を手放したのだった。

 ******

「………」
「お、おい!! 浅黄!! 大丈夫か!?」

 次に浅黄が意識を取り戻した時、そこは病室の一室だった。彼の隣のベッドでは、行猫も寝息をたてていた。

「お、俺は……」
「良かったなぁ、お前、浜辺に打ち上げられていたんだぞ!?」
「え?」

 意識を散り戻した浅黄の所に居たのは、同じ孤児院で育った友人だった。彼の話によれば、二人は抱きしめ合ったまま、あの結婚式場の近くの海岸に打ち上げられていたらしい。

「助かったのか?」
「何がだ?」

 気を失う前に見た光景を思い浮かべ、しかし、浅黄はその口を噤んだ。到底、受け入れられるはずのない光景だったからだ。

「いや、何でも無い」
「ん? そうか」

 浅黄は再び記憶を巡らせる。
 あの島の事。モササウルスによって打ち上げられた時に見た、島の光景。
 ブラキオサウルスが木の葉を食み、ラプトルが走り回り、Tレックスが闊歩する、太古の島の光景を。
0800三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/30(日) 22:15:11.52ID:d4fSGpIn
お題→『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』締切

【参加作品一覧】
>>788【その小さき体に 〜最終章〜】
>>794【しりとり☆リターンズ#しーくえる】
>>797【太古の記憶】
0801三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/30(日) 22:16:25.76ID:d4fSGpIn
よしよし、、では通常お題4つでお願いします

お題安価>>802-805
0802この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 22:31:11.41ID:FbJodWNa
白ツツジ
0803この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 22:32:10.24ID:BWvQqF6F
ナメクジ
0804この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 22:53:11.88ID:1ZVsQGNx
『スーパーロボット』

ここで『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』と書いたらどうなるんでしょうね?
0806三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/30(日) 23:41:31.73ID:d4fSGpIn
☆お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→6/6の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0807三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/05/30(日) 23:58:24.62ID:d4fSGpIn
えー、どーするんだよそれー・・・

〈白きスーパーロボット〉ロードデンドロンに搭乗するおじさんとロリ巨乳ケモミミツンデレメイド
ナメクジ大怪獣と決死のど突き合い
ピンチに陥るスーパーロボット! だがロリ巨乳以下略の真の姿を解放してすごいパワーアップ
世界は量子レベルから再構成され、おじさんとロリ巨乳の認識論

お題、作品、感想など、ありがとうございます・・・
引き続きお題スレをよろしくです・・・
0808この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/30(日) 23:59:29.42ID:d4fSGpIn
感想は後で書く!

>>796
感想ありがとうございます
いやまさか、ラーメンおじさんの方は普通に(作者にも)意味不明です><
漂流者でググれば一発です!
0809この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/31(月) 01:02:34.51ID:aQbWh5v7
おちょんちょん祭りー!!
0810この名無しがすごい!
垢版 |
2021/05/31(月) 19:58:41.92ID:quzWxDMK
>>788
長きにわたる戦いもこれでフィナーレと言った所でしょうか
最強の幼女は、異能力使いでも無手の努力家でも無く優しさを持った聖女だったとw

>>794
しりとりの会話劇再びですね
なにやら複雑な人間関係が醸し出されている様でw
0811この名無しがすごい!
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2021/05/31(月) 23:58:17.99ID:RN6Ezg/8
>>788
ついに完結、おめでとうございます
ここまでちゃんと続くとは・・・プーさんはともかく『おじいちゃん』言ってたな!
最後はしっかり盛り上げて、タイトルまで回収し、今田さん急に出てきたけど、元の解説の二人はどこへ行ったのかw
シリーズ的には、前半微妙、後半はキャラが立ってきて面白くなった
スレ的には無欠席の連続ストーリーが新しかった
にぎやかで楽しい最終回でした

>>797
ロストワールド!!!
いつにも増して名前が読めませんが、お題の消化に違和感なし
夢か現実か時空の裂け目か、二人は何を見てしまったのか
0813この名無しがすごい!
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2021/06/01(火) 07:44:38.90ID:V1DaWViE
>>810
ありがとうございます
ロシア幼女は優勝し、日本代表は実質最強を見せつけ、エラにゃんはみんなを守って裏で優勝し、チェナたんは最愛の人をゲットし、そしてジェシカたんは賞金ゲットし、と
みんなを幸せにしたかったのです(^.^)

>>811
ありがとうございます
前半なかなか進まなくて作者自身もイライラしてました(笑)
踏みつけられるのも好きですが、面白かったと言われるのはもっと好きです(〃∇〃)
0814この名無しがすごい!
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2021/06/01(火) 07:54:56.95ID:V1DaWViE
>>797
漂流といえばやっぱり無人島でロストワールド?
しかも結婚式当日に救命ボートで
イギリス古典SFっぽい設定に日本人的情緒感が漂い、しかし名前は変だ
ちなみに行猫って何て読み、そしてどこから出て来たんでしょうか?
0815この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/02(水) 00:02:21.74ID:T1zwPi3p
以前の感想返しは後々として、最近の物から……
>>811
感想有難うございます
最初はスターチャイルドが爆誕しそうな方程式物の続きにしようかとも思ったのですが
色々考えてこちらにしましたw

>>814
感想を頂き有難うございます
行猫(ゆねこ)は、『ゆめこ』のタイプミスだったのですが
家のPCの謎変換で一発目がこれだったので
そのまま通して見ましたw
0817この名無しがすごい!
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2021/06/02(水) 19:30:14.70ID:JudIcG81
>>808
ドリフターズって漂流者たちって意味だったのか!(´゚д゚`)
車でドリフトする人のことだとばっかり思ってた(^_^;)
0819この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/02(水) 22:09:58.86ID:oRaUt/20
>>806
☆お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【14年振りの再会(1/3)】

「おっ、おい! お姫様がいるぞ?」
 カフェのテーブル席に1人座って紅茶を飲んでいる西洋人女性に他の客たちの視線が集まっていた。見事な縦ロールの金髪に薄青いドレスを身に纏い、持参した白ツツジの花をウォーターグラスに差している。
「ほっ、本当にどっかの国のお姫様なんじゃね?」
「美人だなぁ。あんな美人初めて見たよ」
「近寄りがたいよな」

 カフェの扉が鈴の音とともに開いた。
 そして入って来た2人目の外国人女性客の姿に、その場にいた全員の息が止まる。
 その女性はケモミミツンデレメイドのコスプレをしていた。しかも微妙にロリで、絶妙に巨乳だった。
 何よりも全身が眩しく透き通るような金色に輝いていた。

「おっ……おい! なんだあれ!」
「エルフだ! ロリ巨乳ケモミミツンデレメイドのコスプレをしてはいるが……。すげえ……! エルフって本当にいたんだな!」
「いやよく見ろ! 耳が尖っていない! あれは……人間だ!」
「馬鹿な……。あんなに美しい人間がいるわけが……」

 コスプレ外人女性は入って来ると、お姫様を見つけて嬉しそうに顔を笑わせた。お姫様のほうは既に気づいていて、静かに手を上げて微笑んでいる。
 コスプレ女性が手を振りながら、言った。
「おハロ〜、エカたん!」
 お姫様は座ったまま、姿勢よく言った。
「お久しぶりね、エラにゃん」

☆ ★ ☆ ★

「少し遅くなったな」
 美袋ユウは腕時計を見ると、呟いた。
 トレーニングジムでサンドバッグを打ち続けていたら楽しくなってしまって、時間を忘れてしまった。おまけに調子に乗りすぎてサンドバッグを破壊してしまい、責任をもって修理していたら予定していた時間を過ぎてしまった。
 オレンジ色のTシャツに黒いボクサーパンツ姿はトレーニングしていた時のままだ。シャワーも浴びる暇がなかったので汗臭いのはわかっていたが、これから久しぶりに会うヤツらはそんな気を使うような相手ではなかった。
「走るか」
 そう呟くなり、ユウはいきなりトップスピードで走り出した。短く切り揃えた黒髪が風になびく。
 主に自動車が走るための国道だったので通行人はなく、快適に走り続ける。
 40km/hで走る兄ちゃんの原付スクーターを追い越してびっくりされたところでいきなり建物の陰から飛び出して来た黒い影にぶつかりそうになり、ユウは慌てた。
「おっと!」
 足は急には止まれなかった。ユウはブレーキ代わりに拳を前に突き出した。
 パァン! と甲高い打撃音が空まで響いた。
 それとともにユウの体が急停止する。
「……危ないな」建物の陰から現れた黒い女が殺気の籠もった声で言った。「気をつけろ」
 黒い掌がユウの拳を受け止めていた。
「そっちこそ危ないだろ! 急に飛び出して来て」
「なんだと? それがスピード違反していた不届き者の言う台詞か?」
「うっせーわ! 中国人のくせにルール違反をとやかく言うんじゃねー」
「なんだと? 今ここで戦争勃発させるぞ、この日本鬼子」
0820この名無しがすごい!
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2021/06/02(水) 22:11:20.77ID:oRaUt/20
>>806
☆お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【14年振りの再会(2/3)】

 ユウの顔が急に綻ぶ。
 嬉しそうな声で黒い女の名前を口にした。
「久しぶり、チェンナ!」
 真っ黒な中国拳法着に身を固めた目つきの鋭い女は、馬鹿にするように鼻で笑いながらも、嬉しそうな声を返した。
「フン。14年振りか? 逞しくなったな、美袋ユウ」

 ユウとチェンナは並んで歩きながら、会話をした。
「しっかし最後に会ったのが五歳の時とは思えねーなー。つい昨日ぶりみたいな感じがする」
「実際、昨日チャットで会話しただろ」
 チェンナはあくまで小馬鹿にするような口調を崩さない。
「それにお前の姿はいつもTVで見ている。女子総合格闘技の世界チャンピオン美袋ユウ19歳よ」
「へへ……。色んなヤツと闘ったけど、五歳の時のお前より強いヤツいなかったよ、チェンナ」
「その五歳の時の『世界一幼女決定戦』の決勝でお前は私を下したのだ」チェンナは悔しくもなさそうに言った。「四歳大会の時の準決勝に続いて、な。私に勝った貴様が他の者に負けては私が困る」
「チェンナはなんで格闘やめたんだ?」ユウの顔から笑いが消える。「もったいねーよ。裏の暗殺稼業からも足洗ったんだろ? 何やって食ってんだ、今?」
「オランダで真面目に会社勤めをしている」チェンナは幸せ一杯そうな顔で答えた。「四歳の時にエラと結婚して、暫くは好きなようにやっていたが、知っての通り、去年子供が産まれた。そろそろ固い仕事に就いておかんとな、エラを安心させてやらねばならん」
「あー……あのー……」
「なんだ?」
「それについて……聞きたいことあったんだけど……さ」
「だからなんだ。はっきり言え。殺すぞ」
「子供って……。間違いなく、お前とエラの子なんだろ?」
「そうだが何か?」
「おっ……お前ら、女同士じゃん?」ユウは言いにくそうに、しかし言った。「体外受精で産むにも……卵子と卵子じゃん? ふつう……女同士で子供作れないじゃん? 一体……どうやって作ったんだ?」
「おいおい」チェンナは呆れたように言った。「私の特殊能力を忘れたのか?」
「え? そりゃもちろん覚えてるよ。体をどんな武器にも変化させられる……。試合中、目の前で原爆に変身されて慌てた当人だからな、オレ」
「それならわかるだろ」
「え?」ユウは目を白黒させる。「つまり……体を変化させたの? 男のアレを生やしたわけ? でも、男のアレは武器じゃ……」
「知らんのか。男のアレは立派に武器だ」
「そっ……そうなのか!?」
「処女だな……貴様?」チェンナはまた小馬鹿にするように笑った。
「それは……さておき。じゃあ、今もお前、股間にそれついてるの!?」
「いや、今はちゃんと女のナメクジみたいなのがついてるよ」
 チェンナはビルの屋上を仰いだ。そこにあるデジタル時計を見て声を上げる。
「おい。遅刻もいいところだぞ。エラはともかく、ロシアの白ブタがキレるとまずい。急ごう」
「あー、うん。タクシーでも拾う?」
「私に乗って行け」
 そう言うとチェンナは体をスーパーロボットに変身させた。
「飛ぶぞ」

★ ☆ ★ ☆
0821この名無しがすごい!
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2021/06/02(水) 22:11:55.78ID:oRaUt/20
>>806
☆お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【14年振りの再会(3/3)】

「てっきり赤ちゃんも連れて来るものだと思っておりましたのに」エカチェリーナはテーブルを挟んでエラに言った。「お名前……メイちゃんでしたわよね? お会いできるのを楽しみにしておりましたのに……」
「海外旅行させるにはまだ早すぎるからね〜」エラは明るく笑いながら言った。「オランダのばあちゃんに預けて来たよ。エカたんに会わせたくはありましたけど」
「写真で拝見しましたけど、とんでもなく可愛らしい娘さんですわよね、まるでエルフのよう……。エラにゃんに似てよかったわ」
「エヘヘ〜、ありがとう。オランダでも中国でもどっちでも通用する名前をって思ってつけたんだよ、メイって名前〜」
「中国のサルとは仲良くやってらっしゃるの? 結婚15年目ですわよね?」
「はい。なんにも変わらないよ〜」エラは心から幸せそうな笑顔を浮かべた。「真面目な仕事に就いてくれましたし、メイのこともみっともないぐらい可愛がってくれますし、エラにゃんのことも大切にしてくれます」
「ところで……」
「はい? 何なに?」
「あの……。その……。お聞きしたかったのですけれど……」
「ん? 何? ふふっ?」
「女性同士でどうやって……」

 カフェの表で地響きが轟いた。
 着地したスーパーロボットは美袋ユウを降ろして変形を解くと、店に入って来た。

 エカチェリーナが言った。「あ……! 中国のサルが来た」
 チェンナもエカチェリーナを見つけ、言った。「よう、ロシアの白ブタ。歳とったな」
「エカチェリーナ! エラにゃん! 久しぶり!」ユウが笑う。「2人とも相変わらず綺麗だねー」
「ありがとございます」エラが日本語で言った。「ユウたんも相変わらず男らしい女の子ですねー」
「ちょっと、何時間遅刻したと思ってますの?」エカチェリーナはチェンナに文句を言う。「わたくし、この紅茶、三杯目ですのよ?」
「安心しろ。ストレートティーを何杯飲もうが太りはせん」
「ミルクティーですのよ! しっかり太りますわ!」
「いいから黙れ、ブタ」
「きぃぃぃぃっ! 遙々ロシアからあなた達のお祝いに駆けつけたわたくしに向かって何という言いよう!」
「まあ、まあ……」ユウが2人の間に入り、宥める。「せっかく14年振りに集まったんだ。仲良くしようよ」
「チェナたんっ」エラが腕組みをしてチェンナを睨みつけた。「エカたんと仲良くしないなら、離婚ですからっ」
「あ……あ……。ごめんなさい」チェンナは慌ててエカチェリーナに謝った。「仲良くしてください、白ブタさん」

☆ ★ ☆ ★

「エラにゃん、ご出産おめでとー!」
「ありがとございます。エヘヘ」

 4人はそれぞれの飲み物を手に乾杯した。
0822この名無しがすごい!
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2021/06/03(木) 00:54:25.82ID:U88KmoE2
>>819
こんなに早く後日談が来るとはw
微妙に〜微妙に〜微妙なお題消化に加えて、801穴的な誰得設定とは^^;
いやー困るけどこれは感心してしまいます
0823この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/03(木) 01:08:35.93ID:U88KmoE2
なんか最後冷たい言い方になったけど、率直によく組み込んだなと思った
0824この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/03(木) 21:55:56.25ID:fShSvf3R
>>819
最強幼女たちのグランドフィナーレと言った所でしょうか?
拳を交えた後は強敵と書いて友と読むの通り
仲良くチャットをしている様で良かったです
チェンナとエラの国際結婚はオランダ式だったのでしょうかね?
(結婚許可年齢 中国20才 オランダ15才)
0825この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 22:07:23.67ID:t5ruTVAt
随分余裕をもって書き始めたのにこの体たらくorz

>>806
お題:『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【異世界機構道中記】(1/3)


 “ただしイケメンに限る”と言う言葉は、どんな世界でも不変の真理らしいと柏手 衛牙が思ったのは、自分が操縦するロボットのモニターの端に映った、パーティーメンバーでもある物部 樹里亜に対し、預けた王女が蕩けた表情をしている事を確認したからだった。

『ナニ呆けてやがるです? 戦いの最中はもっと集中するです』
「分かってるよ!! コンチクショウ!!」

 サブモニターから姿を見せる、メイド幼女……ルブランの言葉に思わず叫び返す。実際、今は戦っている最中であり、余計な事を考えている暇など無いのだ。
 眼前に迫る巨大な怪物。サイクロプスが、その身体に見合った巨大な石のこん棒を振りかぶる。
 衛牙は、それを半身にする事で躱すと、その踏み込みのまま腹部に拳をめり込ませた。
 その一撃でサイクロプスが吹き飛び、背後の岩山に強かに打ち付けられ、周囲に地響きが鳴る。
 それを好機と捉えた衛牙がロボット……古代の発掘兵器であるエルディキャリバーの胸部に手をかざす。そこから現れるのは光の剣。

 次の瞬間、サブパイロットであるルブランがコンソールを叩き、エルディキャリバーによって増幅された衛牙のオーラが、サイクロプスに強烈なプレッシャーを与え、その身を拘束したかの様に空中に固定した。

『今です!! エイガ!!』
「分かってる!!」

 胸部より引き抜かれた光の剣は、衛牙によって更にオーラを追加され刀身を二倍へ伸ばし、脚部スラスターがエルディキャリバーの巨体を高速でホバーさせる。
 空中でもがくサイクロプスだったが、しかしその拘束を解く事敵わず、全エネルギーを込めた光の剣の一撃により、一刀両断となったのだった。
0826この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 22:08:55.55ID:t5ruTVAt
【異世界機構道中記】(2/3)


 ******

「ありがとうございます。貴方は私の命の恩人です!」

 怪物に襲われ、食べられる寸前の所で助けられた王女は、眼をハートにしながら礼を述べた……樹里亜に。
 実際に王女を助けたのも、サイクロプスを倒したのも衛牙なのだが、この光景は今に始まった事では無い。
 衛牙の風貌は、黒髪に三白眼と言う日本人として平凡な顔つきであり、この世界……衛牙と樹里亜の二人が転移した『リアース』においては、平凡以下と言える容姿だった。
 それに対し、ドイツ人のクオーターである樹里亜は、その血が濃く出た事も有って、このリアースにあってもイケメンと言うカテゴリーに入る少年だったからだ。

 それ故に、例えどんなに衛牙が頑張ったとしても、出会う女性出会う女性の全てが衛牙をそっちのけで樹里亜に好意を抱くのである。特に活躍をした訳でも無いのに係わらずだ。

「物欲しそうに見てるんじゃ無いですよ、とっとと野営の準備をするです」
「……分かってるよ」

 ジト目のルブランがそう言う。その頭部に生えている獣の耳が不機嫌そうに動き、メイド服の後ろから見える尻尾もユラユラと剣呑な風に蠢いていた。
 それを見て、衛牙も、野営の準備を再開する。
 エルディキャリバーで移動ができれば楽なのではあるが、あのロボットは戦闘用であり、通常は天空にある“ヴァルハラベース”でエネルギーを充填しつつ待機状態になっている。
 その為、普通の旅は自分達の足で行わなければならず、こうして野営の準備も自分達で行わなければ成らなかった。

 ******

「では、ジュリア様は回復師であらせられるのですね! 素晴らしいです!!」
「そ、そうかな?」
「ええ! とっても!!」

 衛牙とルブランが用意した食事を何故か、王女とその助かった護衛も一緒に食べながら、王女が樹里亜を絶賛する。
 確かに回復師は珍しいジョブではあるが、今回に限っては怪我をした者など居らず、彼は全く活躍などしてはいない。
 それでも王女は目をハート型にしながら樹里亜を褒めちぎり、樹里亜の方もまんざらではない様子で照れ笑いをしていた。

 金髪碧眼の王女は、まるで物語から抜け出て来たかの様なお姫様然とした少女で、こんな野営の最中だと言うのに、その高貴さには全くの陰りが無かった。

 樹里亜は衛牙の親友と言って良い相手であり、毛ほどの悪意も持て無い相手ではあるが、こんな絶世の、それもプロポーションも抜群の美少女に言い寄られている様を見れば、嫉妬心が湧かない訳では無い。
 ジーっとした視線を感じ、衛牙が振り向くと、ルブランが彼の事をジト目で見ていた。
 そのケモ耳が先程以上に不機嫌そうに動いている。
 ルブランも、その容姿を見ればかなり整っている方であり、衛牙の腰程度しかない身長から考えると、王女に見劣りしない豊かな胸のボリュームを誇っている。
 だが、如何せん年端もいかない幼女だ。
 女性として見れるかと言えば否である。

「何か失礼な事を考えてやがるですな?」
「いや、ソンナコトナイヨ?」

 次の瞬間には、衛牙はルブランに噛みつかれていた。
0827この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 22:10:56.27ID:t5ruTVAt
【異世界機構道中記】(3/3)


 ******

『ギニャーーーーーー!!!!』

 絹を裂く様な幼女の悲鳴で、衛牙は目を覚ました。
 テント内の隣を見れば、樹里亜はまだ眠っていて、その向こうに居るはずのルブランの姿が無かった。
 衛牙が慌てて外へと飛び出すと、そこにはへたり込むルブランと周囲に白い花が散らばると言う光景。

「お、おい!! ルブラン!!」

 青い顔で震えるルブランを覗き込むと、彼女は衛牙にギュッと抱きついた。
 いつもと違う様子に衛牙がドギマギとしながら彼女に何があったかと訊ねると、ルブランは目をギュッと瞑ったまま、その振るえる指で一方を指し示した。
 そこにあったのは白い花の茎で蠢く、一匹のナメクジの姿。

「あー、うん。あ、うん」

 ルブランにこんな弱点があったんだなぁと思いながら、衛牙は彼女が落ち着くまで、その背を抱きしめながら、頭を撫でるのだった。

 ******

 落ち着きを取り戻したルブランの語る所に依れば、早朝に目を覚ました彼女が、ちょっとした散歩をしていた所、白ツツジの群生を見付けたのだと言う。
 そこで彼女は、その花を摘み、花束として持って来たのだが、野営地近くで香りを嗅いでいた所でナメクジを発見し、思わず放り投げてしまったのだ言う事だった。

「ちょっとびっくりしただけなのです。決して嫌いなわけじゃないです。弱点なんかじゃないですから!!」
「はいはい」
「信じて無いですね!! 本当ですから!! いい気になるなです!!」

 ニヤニヤとしながら、未だに腰が抜けて立てないルブランの代わりに衛牙は白ツツジを集める。もちろんナメクジの這っていた花は遠くに捨てて来てだ。
 その花束をルブランに差し出すと、しかし彼女はソッポを向いたまま手を出さない。

「おい、受け取れよ」
「……」
「おい、ルブラン」
「元々、エイガに遣るつもりだったです。だから貰っておくです」
「俺に?」

 そう言って、白いツツジの花束に視線を落とす衛牙。それを見ていたルブランが慌てた様に言い募った。

「か、勘違いするなです!? 王女に見向きもされないエイガがあまりにも惨めに見えたからです!! 言わば、ノブレスオブリージュと言う奴です!!」

 あまりに慌てる様に言うルブランに、衛牙は思わず苦笑する。

「はいはい、哀れな非モテ男に同情ありがとうございますね、お嬢様」
「わ、分かれば良いです」

 そう言ってルブランが頬を染めた。
 そんな彼女の手を取り、衛牙は、ルブランを立たせてやる。

「そ、それじゃぁ、とっとと朝食の準備をするですよ! エイガ!!」
「はぁ、人使いの荒いメイド様だよ全く」

 そう言って笑い合う二人は気が付かないだろう。その白いツツジの花言葉が彼女の心情にひどく適したものだと言う事を。
 テントから顔を覗かせた樹里亜は、ただ一人、その真実を想いクスリと笑う。

「初恋……ね」

 そう呟きながら。
0828三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/06(日) 22:12:50.05ID:xqCB4zcW
お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』締切

【参加作品一覧】
>>819【14年振りの再会】
>>825【異世界機構道中記】
0829三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/06(日) 22:13:54.89ID:xqCB4zcW
では通常お題4つでお願いします

お題安価>>830-833
0830この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 22:14:42.79ID:/8hHO+tQ
ならず者
0832この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 22:15:44.69ID:DAItUlMl
メイド
0834三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/06(日) 22:19:22.87ID:xqCB4zcW
☆お題→『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→6/13の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0835三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/06(日) 22:24:44.19ID:xqCB4zcW
どしたん早過ぎ!

ところでずっと企画をやってないので、次回は一度、書き出しの一文指定をやってみようかと思います
お題は4つ+書き出しでいいかなと

引き続きお題スレをよろしくです
0836この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/06(日) 23:15:40.75ID:xqCB4zcW
ちな自作は全然間に合わず

>>825
異世界ロボットもいいものですが、どこで拾ったんそのケモミミメイド、っていうw
前半ロボとメイドと親友、後半ツンデレその他を順調に消化
なかなかすっきりと、いい感じにまとまってますよね
0837この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/07(月) 18:20:51.52ID:0bogxhMs
ムワアアアアアア
0838この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/07(月) 20:57:28.18ID:GCGOmTPe
>>836
感想有難うございます
ケモ耳メイドは、'70 '80年代アニメなら、ロボットを発見した遺跡で一緒に眠っていた事でしょう
最近のテンプレですと奴隷だった可能性が大きいですがw
0839この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/08(火) 15:25:27.76ID:gPpjtdSQ
トラトラトラトラトラトラトラ
0840この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/08(火) 17:41:17.42ID:gPpjtdSQ
ウシウシウシウシウシウシ
0841この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/08(火) 18:03:40.86ID:gPpjtdSQ
ウマウマウマウマウマウマ
0842この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/09(水) 12:39:37.60ID:MrpFa69y
ヤッホーイ!
0843この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/09(水) 17:32:46.91ID:+Qgav9zZ
>>822
感想ありがとうございます
投稿してから気づいたんですけど、
ここはどこの国だ?(日本)
エカチェリーナたんは現在、何をしてるんだ?()
等、不足が多かったように思います
っていうかこいつら作者的に気に入ってしまったので、もしかしたらなろうにデビューするかもしれません

>>824
ありがとうございます
チェンナたんに法律なんてものは関係ないので、『チェンナ式』ということになりますね
ちなみに結婚できる年齢は4歳からということになるようです
0844この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/09(水) 17:39:06.40ID:+Qgav9zZ
>>825
私の兄がイケメンで、従姉妹にアイドル級に可愛い娘がいるのですが、
3人で寝泊まりした時にその娘が浴衣の胸元から白い谷間を見せながら、兄とばっかりイチャイチャしていたのを思い出しました
兄が「腰がいてえー」と言ったら喜々としてその背中に乗ってマッサージを始めたので、
その横で私も「腰、痛い……」とぼそっと言ったら「自分でして!」と……
作品内ではいい相手がいたようでよかったです
0846この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/09(水) 20:20:34.54ID:44YerM/X
ロロロロロロロロロロ
0847この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/11(金) 10:27:06.37ID:x0FB9aSV
ドンドコドンドコドンドコ♪
0848この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/11(金) 22:49:46.54ID:bcKq8TU+
ウッタウッタウッタタッタ
0849この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/11(金) 23:00:28.17ID:BJwd4pDh
馬鹿なお話を思い付いたのですが
どう考えても18禁に成りそうなので泣く泣く没に……
0850この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/12(土) 09:48:34.33ID:z3mYxfMB
>>834
☆お題→『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』

【サラリーマン李(リー)くんの一日(1/3)】

 倉庫で在庫商品のチェックをしていると、一年先輩のホッフが後ろから入って来た。
「やあ、リーくん。頑張ってるねぇ」
 気さくに話しかけて来る先輩のことを心からうざいと思いながらも、私は笑顔を作って振り向いた。そして真面目ぶった言葉遣いのオランダ語で言った。
「ホッフ先輩、どうも。入社してもう3年にもなるのになかなか昇進できないもので、焦っているだけですよ」
「おいおい」ホッフ先輩は笑った。「まだ3年目の……21歳だっけ? そんなに早く係長にでもなられたら俺、びっくりした勢いで平社員から掃除係に転げ落ちちまうよ」
 チーズの食いすぎのせいなのか臭い息を口から吐いて、しかし笑顔は爽やかな先輩に、私は心の中で鼻をつまみながら、笑顔を返した。
「冗談ですよ。先輩が入社4年でまだ平社員なのに、私ごときがそんなに早く昇進など出来るわけがないです」
 むしろこっちのほうがジョークだった。初めに言ったほうが本心だったが、先輩に対する配慮が足りなかったと気づいてジョークだということに切り替えた。そうだった。コイツは4年も働いているのにまだ平社員なのだ。きっと10年後も平社員だ。とはいえこんな無能相手にも気遣いは必要、どこから昇進の話はやって来るかわからない。おべっかはどんなアホに対してでも使っておくべきだ。もちろん自分の面目は保ちながらだが。
「リーくん。今日、帰りに付き合わない?」ホッフ先輩は親しくもない私に馴れ馴れしく言った。「マーケットに案内するよ。屋台がいっぱい出るんだ」
 なるほど。友達がいないんだな。
 あるいは先に昇進して上司になりそうな私に今のうちから媚を売っているのか?
 どちらにせよ興味なんぞなかったが、私は物凄く行きたそうな笑顔を作ると、言った。
「ぜひ」


 マーケットに到着したのは4時半前だった。
 ここのマーケットは5時で閉まる。その上オランダ流の常識で大半の屋台は1時間前には閉店しはじめる。私はもちろん知っていたが、ホッフ先輩はオランダ人のくせにご存知なかったようで、閉店ムードの閑散とした場の雰囲気に慌てているようだった。
「ごめんね。こんなに早く閉まるものだとは思わなかった」
「でもまだ開いている店も多くありますよ」私は寛容なところを見せてやった。「酒でも飲むんですか?」
「いや、中国から来た君にオランダらしい場所を見せたかっただけだから」ホッフ先輩は言った。「ポテトでも食べる?」
「オランダらしいものだったらハーリングかケブリングじゃないですか?」私はつい口ごたえした。
 しまった。従順に『はい』と言えばいいところを余計なことをしてしまった。これもオランダ人がニシンばっかり食べるのを私が常日頃見下しているせいだな。まったく……なんでニシンなんだ。そんなによく獲れるのか。しかもオイルでギトギトしたものをだ。同じオランダ人でもうちの嫁ぐらい、ブリの目玉でもサルの脳味噌でも喜んで、軽く火を通しただけのものを食べる精神の冒険者とは大違いだ。
「そういえばリーくん、結婚してるそうだね」ホッフ先輩が突然そう言った。私が嫁のことを考えた途端にだ。いっちょまえに他人の心の中でも読めるのか?「しかも凄い美人だそうじゃないか。羨ましいなぁ。奥さん、なんて名前?」
「エラです」私は警戒しながらその名を教えた。
「あ。やっぱり? 噂には聞いてたんだ。君の奥さんが、あのYou Tubeでも有名なレイヤーモデルのエラ・フレイヤにゃんだって」
 なんだ、ただのエラのファンなのか。それで私に近づいたというわけか? そう思いながら私は頷いた。
「この間の、ロリ巨乳ケモミミツンデレメイドのコスプレ、見たよ。よかったなぁ」
「失礼ですが、ツンデレはコスプレではないですよ」
「いやいや。見事にツンデレキャラを演じてたじゃん」
「先輩はオタクなんですか?」
「っていうより女の子のコスプレを見るのが大好きなんだ」
「はあ……」
 うざい。早く帰りたい。そう思っていた。娘のメイは1歳になり、エラのお腹にはもう1人、はじまりの命が宿っている。側にいてやりたかった。
0851この名無しがすごい!
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2021/06/12(土) 09:50:05.23ID:z3mYxfMB
>>834
☆お題→『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』

【サラリーマン李(リー)くんの一日(2/3)】

 友達だの先輩だの、要らない。みんなフレンドリーな顔をして、他人のことを考えているフリをして近づいて来て、腹の中では自分の利益になることばかり考えている。
 私が信じているのはエラだけだ。彼女の両親も信用はしていない。私の本当の顔を知ったら、あいつらも掌を返して私を憎むような目で見るようになり、娘を守るために私から遠ざけるようになるだろう。そんなものだ。
 べつに彼らを汚らしいと思っているわけではない。最も汚れているのは自分だとわかっている。血にまみれ、社会に溶け込んでいるフリをし、愛想笑いで自分と家族を守っている。しかし、私は自分が汚らしいことをわかっている。汚らしいくせにシミひとつない綺麗な人間のつもりの他人が嫌いなだけだ。

「ところで」とホッフ先輩が言った。「君もコスプレしてるよね? なんで?」
 意味がわからないことを言い出した、と思った。
「は?」とニシンを食いながら愛想笑いで答えてやる。
 すると先輩はこう言い出したのだ。
「君、女の子でしょ? なんで男のフリなんかしてるの?」
 なぜわかったのだろう? 私はニシンを咀嚼する顎が止まった。
 性別詐称は完璧な筈だった。少なくともこんないかにも無能な先輩に見透かされるようなレベルではない筈だ。何しろ私はプロなのだ。アメリカの要人を黒人女性の秘書や白人男性のSPに化けて何人も暗殺した来たが、未だにバレていない。
 私は確かに男のフリをしてこの玩具メーカーに入社した。しかしそれは決してコスプレをしているのではない。べつに女性社員として就職してもよかったのだ。オランダは世界で初めて同性婚を実現した国だ、本当の性別を大っぴらにすることに問題などない。
 むしろ私はサラリーマンのコスプレをしているならず者なのだ、と思う。自分の過去、自分の本性を隠すために、コスプレをした上に性別を偽り、二重に本当の自分を隠している。
 それはもちろんエラと子供たちを守るためだ。私は本当は何者にもなれず、ゲゼルシャフト的な意味では何者にもなるつもりもない、ならず者なのだ。そのことを決して知られてはいけない。私は特殊なところなどひとつもない、家族を幸せにするために真面目に働いているただの男だということにしなければならない。

「何を言っているんですか」私はとぼけた。「どうしてそんなこと思うんです? 私が女だなんて」
「中国人の友達、いるんだよ」ホッフ先輩は言った。「その友達がさ、教えてくれたんだ。君の名前、チェンナ・リーって、女の名前だって」
 私は笑い飛ばした。
「オランダにもあるでしょう? 男にも女にもあるような名前。私のもそうですよ。女のほうに多いってだけで」
「そうなの?」ホッフ先輩は簡単に引き下がった。「なんだ。君の秘密、暴いたって思って喜んだのに」
「私が女だったらどうするつもりだったんですか? レイプでも?」
「いや、ファンになろうかと思って。君のルックス、とても俺好みだからさ」
 げえっ。
 目の前で今食べたニシンを吐いてやろうかと思った。
 私があまりの気持ち悪さに殺気を抑えるのに必死になっていると、先輩はとどめの言葉を言った。
「俺、東洋人好きなんだ。友達になってくれよ」

 猫の毛が逆立つ気持ちがわかった気がした。
 私は思わず殺気をぶち撒いてしまっていた。
0852この名無しがすごい!
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2021/06/12(土) 09:50:55.93ID:z3mYxfMB
>>834
☆お題→『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』

【サラリーマン李(リー)くんの一日(3/3)】

「ヒィ……ッ!?」

 鈍感なホッフ先輩でも殺気は感じるものらしい。
 先輩は小さく悲鳴を上げると後ろへよろめいた。よろめいた後ろは車道だった。ちょうどそこへ車が通りかかった。
 ホッフ先輩が倒れた上をタイミングよく車が通過する未来が見えた。

 あーあ。死んだな。
 ま、どうでもいいし。
 そう思いながらニシンを口に運ぶ私の前に、嫁が現れた。
 いつも優しく微笑んでいるその碧い瞳が厳しく私を睨む。
「チェナたんっ! あなたが一緒にいながら死なせたってどういうことですかっ!?」

 まぁ……そう言われるだろうな。
 詰られて、怒られて、冷たい態度を取られて……
 離婚を言い渡されて……

「いやだぁぁぁあっ!!」
 気がつくと私はそう叫び、左腕をムチに変えていた。真っ黒なムチが伸び、ホッフ先輩を巻き取ると、不覚にも車道から助け起こしていた。

 ハァハァハァと荒い息をつく私の顔を、ホッフ先輩が涙と鼻水にまみれながらじっと見つめていた。
「今……何がどうなったの?」
 そう聞く先輩の頭を私は胸に抱きしめた。ちゃんと胸は男の胸に変化させてあるので大丈夫だ。先輩の髪を撫で回しながら涙声で言った。
「危なかった! よかったです! 先輩が死ななくて!」
 本当によかった。先輩が死ぬのはどうでもいいが、それでエラに軽蔑の眼差しで見られるのは死ぬより辛い。先輩ごときの死なんかが原因でエラに離婚されてたまるものか。私は感謝の念が昂りすぎて、つい先輩の額にキスをしてしまった。

 ぶっちゅぶっちゅと口づけをしまくる私を先輩は暫く呆けたように見ていたが、やがてはっとしたように私の手を握ると、手の甲に激しくキスを返して来た。
「ありがとう! ありがとう! 君は命の恩人だ!」

 はっと私は我に返った。
 何やらとてもうざいことになりそうだと感じていた。そう。こいつら俗物というやつらは自分の損得しか考えないくせに、自分の人生に関わるほどに得なことをしてくれた相手には、やたらとつきまとう。まるで神のように崇め、自分よりも相手を大事に思い、しつこくお礼をして来たがる。
 私はこっそり先輩から見えないほうの腕を機関銃に変え、うざいことになる前に葬ろうと考えたが、またエラが目の前に現れ、私を睨む。
「チェナたんっ。いつでも私が見てますよっ」


「リーくん。これから僕のことはフィンって呼んでくれよ。僕の名前、フィンセントだからさ。愛称で呼んでくれ」
 帰り道、並んで歩きながら肩を抱いて来るホッフ先輩にげっそりしながら、私は考えていた。
 私は孤独な殺し屋ではなかったか。
 いつの間にか周りに人が増えた。
 私は人の中で生き、このまま自分もやつらと同じような俗物になって行くのだろうか。
「今度、リーくんの家に遊びに行ってもいいかい?」
 ホッフ先輩がまたうざいことを言い出した。耳でも引きちぎって暫く病院にいてもらうことにするか……?
「君の奥さんにも知らせたいんだ。車に轢かれそうになったところを君に助けてもらったこと。君に僕がどんなに感謝しているかってこと……」

 エラが私に惚れ直すような目を向けて微笑むのが見えた。

「ぜっ……ぜひ!」
 私は思わずホッフ先輩の手を握っていた。
「何なら今からでも……! ハイネケン冷えてますよ! 常温がお好きなら青島もあります!」
0853この名無しがすごい!
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2021/06/12(土) 16:30:32.24ID:OjYfDidM
シャルシャルシャルシャルシャル
0854この名無しがすごい!
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2021/06/12(土) 20:02:59.56ID:OjYfDidM
ケラケラケラケラケラケラケラ
0855この名無しがすごい!
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2021/06/12(土) 22:38:52.39ID:QyvHCLpD
例えば、こことなろうでR18の基準が違ったりはしますけどねぇ

>>850
やっぱり作者はこういう主人公が好きよね、と思った
下心なさ過ぎの先輩危機一髪w
しかしチェナたん、結局あなたが一番俗物ではないですか^^;

あと、これは感想ではないけど、自分が今書いてるのとあちこち要素がかぶってる(汗
0856この名無しがすごい!
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2021/06/13(日) 20:14:24.14ID:rfIgUHpz
ティットンティッタンティットンタン
0857この名無しがすごい!
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2021/06/13(日) 21:59:17.32ID:pK1XGIdx
時間がorz

>>834
お題:『サラリーマン』

【サラリーマンはつらいよ】
 騒がしい酒場の一角で、その男は項垂れていた。
 紺のスーツに白いシャツとそれに合わせたダークレッドのネクタイ。彼の足元にある薄い革の鞄と合わせて、誰がどう見てもサラリーマンであろう。それもうだつの上がらないと言う枕詞が着く類の。

 夜の酒場と言うシュチュエーションに於いては、ありふれた光景であろう。しかし、この場に至っては、この酒場に居る誰よりもその姿は浮いていた。
 なぜなら……

「おーーい!! こっちにエール追加ね! あ、それとオークの塩焼きも!!」
「おい!! この、クラーケンの煮込み定食一つな!!」
「給仕さぁん! 今日のお勧め何ぃ?」
「は〜い! ミノタウロスのローストですよ〜!!」

 ここは、冒険者の憩いの場であり、つまりは異世界の酒場だからだ。

「は〜…… 何で誰も買ってくれないんだろう?」

 スーツの男、箭内 続木が溜息と共に、そう零した。
 彼は見ての通り、元の世界でもサラリーマンをしていた。電気関係の営業であり、だが、あまり営業成績の良い方ではなかった。
 それでも、彼に出来るのは売り込みをかける事だけであり、逆にいえば、それ以外の才能……剣や魔法と言った浪漫技能は皆無だったのだ。

「開発部も無茶苦茶ですよ、“コレ”を冒険者に打ってこいだなんて……」

 そう言いながらチビチビとエールを飲む続木。そんな彼の隣にドカっとすわると、後ろから肩を組む男があった。

「よぉ!! ツヅキ!! 相変わらず湿気た顔してるなぁ!!」
「……ガーランドさん……いや、まぁ……」

 彼の名はガーランド、この世界で、続木が一番最初に出会った冒険者であった。その時、たまたま、続木が彼を助ける様に成った事が切っ掛けで、ガーランドは、何かと続木の事を気に掛けている。

「まったく、そんな染みっ垂れた飲み方じゃ、酒が不味く成っちまう!! おーい、姉ちゃん!! 蒸留酒をくれ!!」
「ちょ、ガーランドさん!! 私は明日も営業で!!」
「良いんだよ!! 細けぇ事は!!」

 そう言うとガーランドは、給仕の持って来た蒸留酒を瓶ごと続木の口に突っ込んだのだった。
0858三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/13(日) 22:09:41.52ID:HNKHLzj3
お題→『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』締切

【参加作品一覧】
>>850【サラリーマン李(リー)くんの一日】
>>857【サラリーマンはつらいよ】
0859三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/13(日) 22:10:50.36ID:HNKHLzj3
では予告通り、書き出しの一文指定をやります
お題は4つ+書き出しです

お題安価>>859-862
書き出し安価>>863
0860三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/13(日) 22:12:45.04ID:HNKHLzj3
すみません、ミスです、再安価します

お題安価>>861-864
書き出し安価>>865
0861この名無しがすごい!
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2021/06/13(日) 22:14:08.72ID:V0AM/ZFE
たぬき
0862この名無しがすごい!
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2021/06/13(日) 22:15:03.13ID:FZeIeMkJ
ヨット
0863この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/13(日) 22:28:13.73ID:g12B5F7L
みんなで決めるゲーム音楽ベスト100
0865この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/13(日) 22:34:50.82ID:zP/8mgNq
『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』
0866三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/13(日) 22:39:14.14ID:HNKHLzj3
☆お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→6/20の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0867三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/13(日) 22:41:41.14ID:HNKHLzj3
なかなかいい感じでは
書き出しは必須、他は1つ以上選択ね

引き続きお題スレをよろしくです
0868この名無しがすごい!
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2021/06/13(日) 22:51:01.04ID:HNKHLzj3
自作は全然書き上がらん

>>857
誰かが煮込みになってる絵が浮かんだ・・・
異世界酒場の異世界営業マンって、なさそうで、ありそうで、やっぱりないな、という感じですがw
売り物はなんなのか、、しかしアル中なるで^^;
0869この名無しがすごい!
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2021/06/14(月) 20:32:18.59ID:FPLNT4q5
>>850
惚れた弱みと言うところでしょうか?
彼女の反応で一喜一憂
見事なまでに尻に敷かれている訳ですが
それが嬉しいんだと言っていた知り合いも
それが辛いんだと言う友人も居ました

>>868
感想有難うございます

『それは褐色幼女のことかあああぁぁぁぁぁぁ!!!!』(内輪ネタ)

それはともかく
この話は18禁に成るかもしれないと思っていたお話の、そこまで行ってない部分を書いたものです
因みに彼がセールスしているのは冒険者向けアダルトグッズで
「命のボーダーライン上に居る冒険者は、種族保存本能でムラムラしてるだろう」と言う開発部の提案で
売り込みをしていると言う設定でした
で、酒場で暴れるならず者をグッズで撃退して……と言うお話だったんですが、汚いオッサンに自慰行為を強制させる話を読みたいか? と言う……
0870この名無しがすごい!
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2021/06/14(月) 21:01:28.41ID:36XMaPsJ
>>866
☆お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【日本語で日記つけてみたよ!(1/3)】

 これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!
 なんて
 かっこいい書き出し方はじめてみました〜♪

 これまではオランダ、日本と台湾を飛び回って仕事して来ましたけど、子どもが産まれてからオランダでばかりですので、せっかく覚えた日本語を忘れないために、日本語で今日から日記をつけてみるのです♪

 がんばるぞー!(オー!)

6月14日(月)
 おハロ〜☆
 エラにゃんですよ〜

 私の友達のひなこちゃんがレイヤーでファッションモデルの仕事仲間ですから、今日は一緒に近所の運河からyachtでSailingに出掛けてみましたよ〜

 子どもと夫も連れて行きたかったですけど
 まだ2歳の娘のメイと8ヶ月の弟のヤンですから、おまあちゃんに面倒をお願いしました。

 夫のチェナたんもついて来ると激しく言いましたけど、仕事を休むのいけません。折角昇進して係長になったのですから、頑張る時でしょう。「エラにゃんの冷蔵庫のプリン、食ってやる!」と涙目で脅されましたけど、チェナたんを寂しくさせた罰ですね。甘んじて受けましょう。チェナたん、私の代わりに美味しく食べて(Chu!)

 私も仕事なのですから。遊びではないです。プリンは惜しいですけど、それでチェナたんの気が晴れますか?ならいいです。

 よーし海へ漕ぎ出しまーす!

 ひなこちゃんはたぬき娘のコスプレで来てくれました。ウマ娘の次に日本では流行っていますか?たぬき娘。エラにゃんは知りませんでしたから。

「エラにゃんはエルフか〜!かわいいね」とひなこちゃんは言ってくれましたが、ウマ娘のつもりだったのです。
 わかってもらえなかったし、もう流行遅れなの?わからない!だから「エヘヘ、エルフだよ〜」と嘘つきました。ごめんなさい(-.-;)
 緑色のワンピにとんがった耳だから、そう見えるよね。でも、耳、頭についてるの、わかってほしい!

 とにかく2人は運河を抜けて、波の高い北海へとyachtに乗って、ニコニコして行きました。
 yachtっていっても小さな帆船のことじゃないですよ。大きくて、エンジンで動いて、白くて、お洒落で、かっこよくて。な、アレです。
 中にも入れますから。ご飯も食べれます。
 ひなこちゃんの持って来てくれた『ばら寿司』、美味しかった!
 お互いに撮影し合って、天気もよくて、背景の海も青くて、白いyachtにひなこちゃんのいっぱい着替え見れて、楽しかった!

 帰るのは明日の予定です:)
0871この名無しがすごい!
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2021/06/14(月) 21:03:35.58ID:36XMaPsJ
>>866
☆お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【日本語で日記つけてみたよ!(2/3)】

6月15日
 おハロ〜…
 エラにゃんです

 まさかこれが本当に善と悪との壮絶な戦いの日記になるなんて思ってなかった…

 朝、チェナたんからの電話で起こされました。

「大丈夫か、エラ?無事か?生きてるか?寂しくないか?」って、昨日からどんだけ同じ電話してくるの…。

 チェナたんはエラにゃんを愛してくれるけど、いつもうざい。
 うざいけど、もう18年も一緒にいる。
 私も愛してる証拠かな。ふふふっ。

 でもまさか、この朝起きた時は、後にあんなことが起こるなんて思ってもいませんでしたよ。

「私は天使にも悪魔にもなれるのよ」と、ひなこちゃんが言いました。
 銀髪のウィッグを被り、ハーフエルフの天使キャラになって、私が写真を撮ってあげたあと、ひなこちゃんは全部脱いでスッポンポンになりました。
 陸地の見えない海の上で2人とも開放的でしたから。
 私もウマ娘を脱いで、スッポンポンになります。
 持って来ていた衣裳の中からどれにしようかなーと選ぶのを楽しくしていました。

 天気は今日もとてもよくて、海がキラキラしていました。
 yachtにあるスピーカーから『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』が流れていました。はい。私もひなこちゃんも大好きなBGMですから。

 初夏の陽射しをスッポンポンの全身に浴びて、気持ちいいなーと思っていた時でした、

「エラにゃん……」と言って、ひなこちゃんが急に後ろから抱きついて来たのです。

 私の裸の背中に、ひなこちゃんの柔らかい胸の先端がツンツン当たります。

「えっ?ひなこちゃん、何?」と、私は言いました。

「私、悪魔になってもいい?」ひなこちゃんがそんなことを言い出しますので、
「はい。ひなこちゃんの悪魔のコスプレ見たいです」私が微笑んで答えると、
「ううん。そうじゃなくて」と言いながら、ひなこちゃんの悪魔の手が私の胸に伸びて来ました。
「ひえっ?」と、私は言いました。
「エラにゃんとずっとこんなことがしたかったの!」と、ひなこちゃんの手がいっぱい私を触ります。
 私は英語で「だめ!そんなとこ!やめてやめて!」と言いながら、抵抗しますけど、ひなこちゃんも英語で「そんなこと言って、エラにゃんも私のこと好きなんでしょ?ほら小猫ちゃんがよだれを垂らしてるわよ?」と言って、やめてくれませんから、私はひなこちゃんのほうを振り返って、そうしたら、下から中指で攻撃され、ああ……はれはれ〜と、力が抜けて……ダメです。これ以上は……。と思っていたら、空の向こうから何か黒いものが飛んで来ました。

 ドローンでした。真っ黒なドローンです。それが何か、私にはすぐにわかりました。

「やっぱり浮気してやがったな!」
 涙を激しく流しながら、チェナたんがドローンになって飛んで来たのです。
「こんなことだろうと思った!ついて来るなと頑なに言うから怪しんで見に来てみれば……!」
0872この名無しがすごい!
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2021/06/14(月) 21:07:13.70ID:36XMaPsJ
>>866
☆お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【日本語で日記つけてみたよ!(3/3)】

 何が飛んで来たのかわけがわからず怖がって私の後ろに隠れるひなこちゃんを守り、私は激怒して叫びました。
「チェナたんっ!仕事はっ!?」
「仕事どころじゃねェーだろ。妻が浮気してるってのに……」
「浮気じゃないです!女の子同士だから!」
「私ら夫婦も女の子同士じゃねェーか!」
「そんなことより仕事に行きなさいっ!せっかく係長に昇進したのに責任感なさすぎ!」
「あくまで私を邪魔者扱いするのかァーッ!ぐあああーッ!」
 血の涙を流しながらチェナたんはにょきっと機関銃をこちらに向け、連射して来ました。ひなこちゃんごと葬るつもりでした。

 私はチェナたんを悪と認めました。ひなこちゃんを殺そうとするこいつは悪だ。何よりこんなことで家族を壊そうとする夫は悪だ。そして家族を守るため、私は善になるです!
「鏡よ、鏡!」
 私がオランダ語でそう叫び、両手を上げると私の前に大きな鏡が現れます。
 鏡に当たった銃弾は全部跳ね返ってチェナたんに飛んで行きました。
「ぎゃあああっ!」
 蜂の巣になったチェナたんはハエみたいに落ちて来ます。甲板にべっちゃり落ちて、手足を上げてピクピクします。
 でもチェナたんがこんなことで死なないのわかってます。私は腰に両手を当てて、怖い顔をして見下ろしました。そして厳しくまた言います。
「仕事へ行きなさい」
「私を仕事に行かせて……2人で楽しむつもりかよ?」
 性懲りもなくそんなことを言いますので、足で踏みました。
 私は他人を傷つけるの嫌いですけど。運命共同体の愛する人なら遠慮なく攻撃します。何度も蹴りました。
「エラ!エラーっ!」
 遂にチェナたんは泣き始めました。
「愛してるんだ!愛してるんだよォー!」
「愛してるなら仕事でしょう!?」
 私は踏みました。
「家族を守るため、仕事行くでしょう!?」
 私はまた踏みました。

 ひなこちゃんはずっと陰に隠れて震えていました。



 いつも荒波の北海が凪ぎました。まるで私たちの夫婦喧嘩が終わったのに合わせたよう。
 私は今朝作ったカレーをチェナたんに食べさせました。もう今から仕事に戻ってもしょうがなかったので。

「私を信じられないの?」
 泣きべそをかきながらカレーをムグムグ食べるチェナたんに、優しく言いました。
「ひなこちゃんとはただのお友達。私が愛してるのはチェナたんだけだよ?」

「あんなことしてたくせに」
 チェナたんはしつこくそればかり言いました。

 ひなこちゃんが頭を下げてくれました。
「ごめんなさい。私が無理やり襲ったんです。エラにゃん、抵抗してました」

「ね?だから変なこと心配して、仕事を投げ出すなんてしないで」
 私は優しくチェナたんの顔を覗き込みました。
「今度したら離婚だよ」

 号泣しはじめたチェナたんを抱きしめてあげました。



 それからチェナたんは真面目に仕事に行くようになりました。私はひなこちゃんとまた仲良しを続けますけど、もう2人きりでどこかへは行かないようにしました。あんなことをしたひなこちゃんを許しはしましたけど、ちょっと危ない。
 危ないことは楽しいです。でも、私にはやっぱり、家族が一番大事ですから。
0873この名無しがすごい!
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2021/06/14(月) 21:22:41.52ID:36XMaPsJ
>>855
感想ありがとうございます。
チェナたんは作者の中では『抜けてる凄腕』というキャラですので……
あまり突っ込まないでやってください(^^)

>>869
感想ありがとうございます。
惚れたら相手に感化されて、影響受けて、変えられて……
惚れちゃったほうの負けなんですかねぇ……(*´&#65091;`*)
0874この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/14(月) 21:35:54.51ID:36XMaPsJ
>>857
なるほど。オークは豚肉、クラーケンはイカ、ミノタウロスといえば牛ッスね!
そう思えば美味しそうな料理の出される酒場。
何を売ってるのか描かれてない……未完の投稿? と思いきや、
>>869
なるほどそれを売ってたんですね。
個人的には通常描かれないところは何でも覗いてみたいですねぇ……(じゅるり)
0875この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/14(月) 23:59:37.87ID:wqb0TuE+
>>869
なるほどそれは、アウト寄りのセーフかも知れない・・・w

>>870
一方こちらは、なろうならアウトですねぇ
エラ日記かー、、うーんこれはエラにゃんが悪い!
しかしまぁ、離婚にはならなくて良かったです^^;
0876この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/15(火) 16:59:53.42ID:akxatwJT
トットントトットントントン
0877この名無しがすごい!
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2021/06/15(火) 21:17:34.65ID:8tFnwGVh
>>870
策謀巡る海の上と言った様子ですね
そもそもお仕事なのにカメラマンやスタッフが同行しない辺りで不審に思わなくてはw
そして今回チェナ哀れ(TT)

>>874
感想有難うございます
オチとしては撃退w に使った『メイド』ゴーレムと『ならず者』との間に『はじまりの命』が宿った事で
ならず者が改心し『サラリーマン』が仲人として結婚式に呼ばれると言う物でした
0878この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/19(土) 12:53:32.58ID:Ww+R+XYP
ドードドンパッパッパッパ
0879この名無しがすごい!
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2021/06/19(土) 13:42:18.02ID:Ww+R+XYP
ケロケロケロリンリンリン
0880この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 21:58:09.73ID:yzJytyrS
>>866
お題:書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【良く有る転生チートの話】(1/3)
 『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』

 黒い背景に白抜きで書かれた文字を見ながら、「時代だなぁ」と、感慨深げにそう呟いた。
 『地球滅亡』とか『人類存続の危機』とか『勧善懲悪』とか、あの時代には良く有った煽り文句だ。
 今では珍しい長方形のコントローラーを手に持ったオレは、オープニングのセレクト画面から『冒険の始まり』と言う文字を選択する。
 今では当たり前かもしれないが、画面の文字に漢字が使われていると言うだけでも、当時はその技術力の高さに驚いていたものだった。

 もっとも、今俺が手にしているゲームに限っては「クソゲー」の謗りを免れない物ではあるのだが……
 キャラクター選択画面で、当時お気に入りだったマッチョ親父を選択し、ドット画面でマッチョ親父が吠えるとゲームが開始される。

 今やってるゲームは斜め視点のアクションRPGで、悪の秘密結社に捕らわれた州知事の娘を救い出すと言うのが物語の骨子だ。
 その当時は疑問にも思なかったが、何故、人体改造をしてサイボーグコマンドなんかを創れるような組織が州知事の娘を誘拐なんかせにゃならんのか?

 そう、このゲームの敵である秘密組織は、世界規模で世界の裏から戦争をコントロールしていると言う設定なんだが、そんな秘密組織がこのゲームでやっているのが“州知事の娘の誘拐”であり、それを助け出す為に立ち上がったのが、州知事であり、攫われた娘の父親である「アーノルド」。
 州知事の娘のボーイフレンドである「ジョニー」。
 そしてジョニーのクラスメイトで、日本からの留学生にしてサムライの「タナカ」だ。

 なぜ『州知事自ら無手で奪い返しに行くのか?』とか、『例え「ケンカ無敗」だったとしても、一市民でしかないボーイフレンドが単身秘密組織に乗り込むのか?』とか、『サムライって何故? いや、ただのクラスメイトが友人の彼女を助け出しに行くのかよ!?』とか、もうこの時点で突っ込み所満載な訳だ。
 だけど、あの時代のゲームでは、そんな設定がそこかしこにあったし、洋画でも、似たようなものが多かった気がするので、それはもう“そう言う物が流行ってた時代だった”と言う事なのかもしれない。

 さて、このゲームがクソゲーの謗りを受けるのにも理由がある。まぁ、前述した設定自体も大概にアレだとは思うんだけど、それ以上に内容がグダグダなのだ。
 この当時、AIなんてたいそうな物は積んでいる訳がないから、プレイヤーが操るキャラクター以外がNPCとして同時にアクションを出来ないのは仕方が無いとしても、では、プレイヤーの操るキャラクター以外がその時どうしているのかと言えば、設定としては情報収集活動をしていると言う設定なのだ。

「いや、ただの学生が裏社会の情報収集とかどうやってやってるんだよ……」

 アクションシーンの間に挟まれるストーリーシーンを見ながら苦笑する。
 そもそも、敵組織の施設に殴り込みをかけているのにも拘わらず、ボスキャラを倒したその直後に情報を持って現れるって、どれだけご都合主義何だか。
 まぁ、そのじょうほうにしたって、次の敵アジトの情報しか無いのだから、RPGと言うにはあまりに一本道なシナリオだ。
 それに関しては、今のMMORPGの自由度が広すぎる為にそう思うのかもしれないけどさ。
 こう言ったアクションRPGを謳っておきながら普通のアクションゲーム並みの自由度の無さもこのゲームがクソゲー呼ばわりされていた理由の一つでもある。
 BGMだけは、『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』に入ってるほどの神音楽なのにな。
 だたし、クソゲー認定の理由はそれだけではない。

 多いのだ。このゲーム、バグが。
0881この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 21:59:37.76ID:yzJytyrS
【良く有る転生チートの話】(2/3)


「うわー、やっぱありえねぇよなぁ」

 床にめり込みながら匍匐前進する州知事を操りながら、オレは苦笑する。
 そう、このゲームはバグで床にめり込む事ができるのだ。
 てきの攻撃の辺り判定は画面中の一定の範囲にしかない。その為、このバグを使うと、まったく相手の攻撃を食らわずに進む事ができる。
 もっとも、こっちから攻撃も出来ないんだけどさ。

 バグはそれだけではない。例えば、四面のスタート地点なんかは、ドット絵の都合で壁の一部に隙間があるんだけど、そこに入り込む事によって、この面のボスの真裏に出る事ができるのだ。
 当然だけど、ファーストアタックからハメる事で安全にボスを倒す事ができる。

 これらのバグを利用していると、当然だがEXPを稼ぐ事は出来ない。
 RPGなだけあって敵を倒してEXPを稼がなければ攻撃力やHPゲージ等は増えないのだが、だが、このゲームに限ってはマックスに強化する方が問題がある。

 それは、最終ボスのステータスの計算が、最終ステージ到達時のキャラクターのステータス基準で算出されるからだ。
 その為、最終ステージに到達するまではなるべくキャラクターを成長させない方が最終的には有利に成る。
 ボスを倒す為に必死に自キャラを成長させたら、その方が図分が不利に成る訳だから、その情報が明らかになった時、このゲームをやっていた全てのプレイヤーが「なんじゃそりゃ〜!!」となったのは言うまでもない。

 だからと言って全く成長させなかったとしても、普通にステージをクリアするのに支障が出る。その為に必要なアイテムが『プリン』だった。
 いわゆるEXP取得の為の救済アイテムな訳だが、このプリン、ステージのありとあらゆる所に落ちている。
 アイテムであるのでアイテム欄にストックしておける訳だが、その為にボス戦直前のアイテム欄がこのプリンで埋まっているという現象が起こるのは必然だった。
 これから、ボスを倒そうって寸前の州知事が、その扉の前で、プリンを食べまくっていると言う光景をリアルに思い浮かべると、中々にシュールだ。

 最終ステージのボスが逃走の為に乗り込んだ“メガヨット”。ヨットと言いつつ、三層の階層に分かれていると言う結構な大きさの有る船である。
 ただし、この場所にもバグは有る。やはりドット絵の不具合で床に隙間が空いているのだが、実はこれには“敵キャラ”もはまり込んでしまうのだ。
 その為、ちょっとこの場所まで釣って来ると、ほぼすべての敵キャラがこの場所から動けなくなってしまうのである。

 普通にやるとナイトメアモードな難易度にも拘らず、ほぼすべてのステージにバグが存在し、敵を無力化できる上に、おそらくそんな鬼畜難易度だからと救済アイテムのプリンがあるおかげで、EXPを稼ぎ放題にできるこのゲームがクソゲーと呼ばれるのはある意味当たり前の事だろう。

 久しぶりにプレイしたゲームのエンディングで、娘を抱きしめるスチルを見ながら、「ああ、やっぱり相変わらずのクソゲーっぷりだった」と俺は呟いた。

 ******

 と言う記憶を振り返りながら、オレは目を開ける。

 目の前にはゴロツキのボスだと言うのにも拘らず、上等な紫のスーツを着た男。重厚なデスクとその隣には何故か信楽焼のたぬきの置物と観葉植物が置いてある。

「ふう、ゲームの画面通りだな」
「? どうしたのですか? 州知事。さあ、今度こそ良い返事をいただきたいものですな」

 オレの言葉に首を傾げつつも、ゴロツキのボスがそう言った。
 あのクソゲーの一面の、ボスの部屋のゲーム画面通りの内装に思わず苦笑する。全くここまで記憶通りだとは。本格的にこの世界がゲームの世界だと錯覚しそうだ。
0882この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:00:24.78ID:yzJytyrS
【良く有る転生チートの話】(3/3)


「どうしたんですか? 娘さんの命が惜しくないのですか?」

 実際、オレの今の名前はアーノルドだし、州知事でもある。そして今、目の前では誘拐されたオレの娘の画像がPCに映し出されている。
 ああ成程と納得する、オレの娘が誘拐されたのは、オレが組織の秘密文書と、メンバーリストを入手したからか。これが公開されれば、組織の身動きが取りづらくなるからな。

 娘には当然SPを付けていたんだが、そのSPの会社自体が組織の隠れ蓑だった上に、警察内部にも随分と組織の手の者が食らい込んでいるらしい。
 まったく、確かにこれでは自分達だけで動くしかない訳だ。
 まぁ、その為にジョニーとタナカを鍛えたんだしな。

「はは、君達に秘密文書を返し、今後は従順に従えば、娘は返してくれるし便宜も図って貰える……と。確かにそれは魅力的だ」
「ふむ、では……」
「だが、答えはNOだ!!」

 オレの答えにボスが目を剥く。

「このアーノルド、自分の悪事が絶対的有利に事が運んでいると思っている奴に『ノー』と叩き付けてやる事こそ本望!!」
「ク!! ならばお前の娘は!!」

 その言葉にオレはニヤリと笑う。

「あの子なら大丈夫だ!! オレはそれを“知っている!!”」

 その一言で、拳銃を向けたボスに肉薄したオレは、吸い込みパワーボム3連発からのジャイアントスイングで、一気にボスの意識を刈り取った。
 そこに、娘のボーイフレンドで、オレの弟子でもあるジョニーが駆け込んで来た。

「師匠!!」
「うむ、どうだった?」
「ああ、師匠の情報通りだった」

 港にあるメガヨット。オレの記憶によれば、そこが最終決戦の場となる。
 それを知っているのなら、わざわざ、拠点を一つ一つ潰して廻る様な手間など掛ける必要など無いだろう。
 だが、あのメガヨットは、脱出の為に使われていた物だ。今行ったとしても娘が居るかどうかは分からない。

「良し、オレは、ヤツ等の拠点を一つずつ潰して行く。お前とタナカは、メガヨットに先回りしていてくれ」
「分かったぜ、師匠」

 そう言ってジョニーが走って行く。
 未来の息子の背を見ながら、オレは気を昂らせる。
 脳内BGMは『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』にも選ばれたポップな曲調の音楽。

 さぁ、チートの時間だ!!
0883三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/20(日) 22:09:56.51ID:aymfsd2j
お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』締切

【参加作品一覧】
>>870【日本語で日記つけてみたよ!】
>>880【良く有る転生チートの話】
0884この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:10:35.75ID:aymfsd2j
>>806
締め切りに間に合いませんでしたので、供養枠での投稿です

使用お題→『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【クラスで僕にだけ塩対応のロリ巨乳美少女の弱みを握って好き放題したら、彼女が僕のことを「ずっと好きでしたにゃん」とか言い出した話】

https://ncode.syosetu.com/n8672ha/
0885この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:11:38.18ID:aymfsd2j
こんなタイミングで申し訳ないですが!
締め切りだけでなく文字数もオーバーですが・・・
0886三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/20(日) 22:12:59.46ID:aymfsd2j
えー、、では、今回は通常お題4つです・・

お題安価>>887-890
0887この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:13:28.11ID:0sLIlafb
カミソリ
0889この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:17:13.00ID:m48xP4my
佐賀
0890この名無しがすごい!
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2021/06/20(日) 22:19:00.96ID:ScnIRgCj
ポケット
0891三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/20(日) 22:24:11.99ID:aymfsd2j
☆お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→6/27の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0892三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/06/20(日) 22:30:11.90ID:aymfsd2j
すげー早い・・・ありがとうございます
引き続きお題スレをよろしくです

あと今日はもうクタクタなので、感想は明日以降書きますー
すまぬですにゃーーー
0893この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/21(月) 08:04:54.62ID:/GbGPXw8
>>880
なんか実在しそうな糞ゲーに心がワクワクしました。
ちょっとFFはFFでもスト2のあのメーカーの横スクロールアクションのFFみたいな設定にもドキドキ。
お題の消化も素晴らしく、『みんなで決めるゲーム音楽〜』の出し方なんてピッタリなのに糞ゲーゆえの意外性もあって、堪能できました。
惜しむらくはあと5千字あったら後半の展開もたっぷり描けてたことでしょう……。
0894この名無しがすごい!
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2021/06/21(月) 08:10:19.16ID:/GbGPXw8
>>875
感想ありがとうございます。
エラにゃん「私が悪いですか? ごめんなさい。反省します。でもチェナたんはもっと悪いですからっ! きーっ!」

>>877
感想ありがとうございます。
エラにゃん「ひなこちゃんは友達だから、そんなことなるとは思ってなかったです。まさか私みたいなブスにあんなことしたいだなんて」
チェナたん「私は私がどうなろうとエラを守る! それだけだッ!(泣)」
0895この名無しがすごい!
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2021/06/21(月) 22:27:07.06ID:De7K+E0J
>>884
片思い同士のすれ違いと言った感じですね
それでも一歩踏み出したからこその結果だと思います

>>893
感想有難うございます
あのクソゲーの販売元は「向こうは市長でこっちは州知事だから別物アル」等と言っており
盗作の容疑を否認しておりますw
このお話は桜〇吉先生のFF四コマを思い出しながら書きました(敵キャラがドラム缶やシャンデリアにわざわざカレーを設置していると言うw)
0896この名無しがすごい!
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2021/06/22(火) 01:12:01.43ID:Ur9NNzcj
>>880
これは楽しいw楽し過ぎるww
うちにはゲーム機がなかったので、、しかし当時の雰囲気がよく出てますね
クソゲー数あれど、なかなかここまで遡っての発想は珍しいのでは
しかし現実化しても、やっぱりプリンは落ちてるのでしょうか・・・w

>>895
感想ありがとうございます
二人の間では盛り上がりつつ、はたから見ると間抜けな話でもあります^^;
0897この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/22(火) 15:40:50.36ID:oWx3ZXKp
>>891
使用するお題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【ニーソを取り戻せ!】(1/2)

これはある真夏の日の、一人の女子高生の物語である。
雲一つない快晴の空の下、夏服でニーソを穿いた女子高生がルンルンと嬉しそうに歩いていた。
彼女の名前は、真田ミナミ。一学期の授業が全て終わり、明日から待ちに待った夏休みだ。

「明日から夏休み!夏休み!」

友達とお祭りや海水浴に出かけることを考えると、楽しくてワクワクが止まらない。
すると突然、ミナミは何かに足を滑らせ、ドテッと尻餅をついて倒れてしまう。

「い、イタタタ・・・。何なのよもう!」

落ちていたのはバナナの皮だった。まさか、こんな古典的なギャグに引っかかって転ぶなんて。

「ちゃんとゴミ箱に捨てなさいよね!常識のない人がいるから困っちゃうわ、まったく・・・」

立ち上がろうとしたその時だった。左足の方が少しスースーと涼しく感じる。
違和感を覚えたミナミは左足の方に目をやると、なんとニーソが少し破けて穴が開いてしまってるではないか。
まさか、さっき転んだ衝撃でだろうか。それにしてもピンポイントすぎる。

「もうウソでしょ、お気に入りのニーソなのに!」

とりあえず、どこか衣類を修理してもらえる店を探すことにした。彼女の母は裁縫が下手なのだ。
商店街に入っていくと、「FIX佐賀」と書かれた衣類修理の専門店を見つけた。

「よし、ここにしよう!」

ミナミがその店に入ると、一人の少年が現れた。

「あ、お姉さんいらっしゃい!」
「こ、こんにちは。店の人は、今は留守?」
「うん、お父さんもお母さんも今買い出しでいなくて、僕一人なんだ」
「あのね、この穴が開いたニーソを直してほしいの」
「これは大きな穴だね。もうじき帰ってくる頃だろうから、僕が預かっておくよ」
「う、うん。お願いするわ」

ミナミは左足の方のニーソを脱いで、少年に手渡す。しかし、彼女はやけにあの少年が胡散臭く感じてたまらなかった。
店を出た彼女は、近くの喫茶店で少し一息ついて冷たいジュースを飲んで楽しむ。
1時間ほどしてFIX佐賀に戻ってみるが、少年は出てこないし、店の主であろう彼の両親も帰ってきた気配がない。
0898この名無しがすごい!
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2021/06/22(火) 15:41:34.24ID:oWx3ZXKp
【ニーソを取り戻せ!】(2/2)

すると、近くの部屋の方から何やらテレビの音が聞こえてくる。ミナミは物音を立てないよう注意し、その部屋に近づき、ドアのカギ穴をそっと覗いてみる。
彼女は思わず目を疑った。見てみると、あの少年が自分のニーソをブンブンと乱暴に振り回したりして遊んでいるではないか。
今度はポテトチップスを食べ始めるのだが、油でベタベタになった手でニーソに触り、タオル代わりにして拭いている。

「(あ、あのガキ!まさかこれが目的で!)」

自分のニーソをオモチャにされて我慢できないが、ここは一旦冷静になって落ち着き、ニーソ奪還作戦を考えることにした。
あの少年の口ぶりから察するに、両親はまだ帰ってこないのであろう。とにかく両親が帰ってくるまでに、なんとかニーソを取り戻してこの場から去る。これがベストだ。

「よーし!絶対にニーソを取り戻してやる!あんなガキに負けたりしないんだから!」

ドアのカギ穴から少年の様子を伺っていると、少年はポケットの中にニーソを入れて、そのままソファーの上で昼寝を始めてしまう。
よし、今がチャンスだ。ミナミはこの隙を狙っていたのだ。ドアをゆっくり開けると、彼女は少年を起こさないよう、ゆっくり静かに注意深く歩み寄る。
そしてポケットの中に入ったニーソを掴んで出そうとした、その時だった。

ブーーーーーッ!!

少年は寝ぼけて、大きなオナラをしたのだ。その今にも鼻が曲がりそうな悪臭に、ミナミは思わずニーソを掴んでいた手を放してしまう。

「(こ、このガキ!ちゃんと栄養のある物食べてるの!?)」

とにかく片手で鼻をつまんだまま、再びニーソを掴みポケットから取り出す。

「(ラッキー!私の勝ちね。それじゃあね!)」

そのまま気付かれないよう店を出て、なんとかニーソ奪還作戦成功となった。

「これくらいの穴だったら、もうお母さんに直してもらおう。あと帰ったらすぐに洗濯しなくちゃ!」

ミナミが店を出て30分後、少年の両親が店に帰ってきた。

「やれやれ、新しいカミソリがなかなか見つからなくて遅くなってしまった。悪いな」
「いいのよ。この時間帯はお客さんほとんど来ないから」
「あいつはちゃんと留守番やってたかな?」

部屋を開けると、ポテチを床にばら撒き、オモチャも散らかしたまま昼寝をしている少年の姿に思わずビックリする。
ちょうど、少年も昼寝から目を覚ました。

「あっ、お父さんにお母さん!お帰り!遅かったね!」
「お前、ちゃんと留守番してろって言っただろうが!」
「こんなに散らかして!誰が掃除すると思ってんのよ!」
「えっ、そ、そんな・・・」

両親からお尻ペンペンされる哀れな少年なのであった。自業自得!
0899この名無しがすごい!
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2021/06/22(火) 22:24:50.98ID:Gof/1Ma+
>>897
これは確かに自業自得ですね
仮にも商家の家の息子なら、扱う商品を大切に出来ないのは致命的です
とりあえずこの一件で、顧客候補をひとりうしなったわけですから

>>896
感想有難うございます
昔のゲームは、どこかしらにバグがあったもので……
自分も、そんなバグを活用してゲームを有利に進めましたねw
そんな事を思い出しながら書いていました
プリンはきっと、敵の部下が設置した物を集めてボス戦の前に食べていますw
0900この名無しがすごい!
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2021/06/22(火) 23:40:39.80ID:Ur9NNzcj
>>897
作者様生きてたw待ってました!
話の展開としてはいつもの感じ^^;
奪還は無事成功し、オナラ少年に罰も下り、って言うかこれはもう自分で直した方が早いかもw
0901この名無しがすごい!
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2021/06/23(水) 08:21:51.90ID:bObitORf
レイチェルの人って、何だかシンディシリーズで燃え尽きてしまった感がすごい
0902この名無しがすごい!
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2021/06/23(水) 19:09:48.88ID:pMbGek80
>>891
☆お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【女店主エカチェリーナの憂鬱(1/3)】

 エラから届いた『日記』と題された長文メールを丁寧に読み終えると、お客のいない店内で独り、呟いた。
「エラさん、元気でやってらっしゃるようね。一緒にいるサルはともかく」
 口ではそう言いながら、チェンナのことも私は懐かしかった。もう3年、彼女らと会っていない。

 私はスマートフォンを机の上に置くと、メールの内容をフョードルに要約して教えた。
「エラさん、ヨットでお友達とクルージングに出て、そのお友達に襲われたんですって。襲われたと言っても性的な意味でですわよ?」
「そのお友達とは、男性の方ですか? 男性の方と二人きりで海の上へ出掛けられたのですか? それならば、そのエラさんという方は少々無防備すぎますね」フョードルは陰鬱な顔をして横に立ちながら、批判するように言った。
「わたくしの大切なお友達を批判しないでちょうだい、フョードル」
「失礼しました、お嬢様」フョードルは私に恐縮して頭を下げる。
「お友達とは女性の方よ。まさか同性に襲われるとは思わず、エラさんも油断したのですわ。そこを夫のチェンナに見つかり、夫婦喧嘩になったそうですの。まぁ、エラさんの一方的勝利で喧嘩は収まり、仲直りされたみたいですけど」
「しかしエカチェリーナお嬢様にお友達がいらっしゃるとは存じ上げませんでした」フョードルがまた無礼なことを言ったが、私は微笑んで見せた。「どんなお方です? そのエラさんというのは」
「綺麗な方よ。わたくしと同じぐらいに……と言いたいところですけど、悔しいことに、その美貌はこのわたくしさえ凌ぎますわね。嫉妬するほどですのよ。きいっ……!」
 フョードルは優しい目をして微笑み、私を見つめた。数々の歴史的名作を残した彼にそうやって見つめられると、心の中を見透かされているようで、私としたことが少し素直になってしまう。

 私はミルクティーを一口飲んだ。目を閉じて。顔が赤らんでいるのを意識した。
 悔しいとか、嫉妬するとか、あり得ない。エラは私の百倍美しくて、輝いていて、そして素晴らしい人だ。私はそれを認めている。
 明るくて、誰もを愛し、誰からも愛される。私とは大違いだ。夫のチェンナが不安になって尾行してしまうのもわかる。
 私のように周りに友達が1人もなく、暗い自分の店に一日中閉じ籠もっているいじけた娘とは正反対の、魅力的な女性だもの。

 暗い店内にオレンジ色の蝋燭がゆらめき、青白い顔色のフョードルが入り口を眺めて呟いた。
「しかしお客さん、今日は1人もいらっしゃいませんね」
「オープン当初の賑わいが嘘のようですわよね」
「やはり『降霊カフェ』というのは奇抜すぎたのではないでしょうか。普通に占いカフェでよかったのでは?」
「占いカフェでは嘘になりますもの。わたくしがするのは占いではなく、お客様が会いたいと願う死者の霊を呼び出す降霊術ですもの」
「しかしまさか、本物の幽霊を目の前に出されるとはお客さんも思わなかったのでしょう。気味悪がられて、引かれてしまったのだと思いますよ」
「新しいことをしてこそ価値があるのですわ。このお店がヒットすれば、きっと世界中に同じようなお店が爆発的に増えますわよ。ええ、メイドカフェのように。その元祖にこの店がなるのです」
「メイドカフェも日本以外の国ではかなり特殊なようですが……」
「あら。19世紀生まれの貴方がよくそんなことをご存知ですこと」
「せめてカフェを切り離しませんか。普通に霊能力者としてなら、お嬢様は本物ですので間違いなく有名になれます。カフェがつくとどうも安っぽくなる気がする」
「お黙りなさい。使用人風情が」
「申し訳ありませんでした」
 文豪フョードル・ドストエフスキーの霊は恭しく私に頭を下げた。

 私は自分でお代わりのミルクティーをカップに注ぐと、ゆっくりと口に運ぶ。
 フョードルの言う通りだ。しかし、このままでいいのだ。私はお金を稼ぐ必要がない。お父様の所有する財産で死ぬまで不自由なく暮らして行けるのだから。

 私には本当はやりたいことがある。フョードルにすらそれは気づかれてはいない。

 イップスというのだろうか。それに取り憑かれてもう18年にもなる。あの決勝戦の日から……
0903この名無しがすごい!
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2021/06/23(水) 19:11:31.23ID:pMbGek80
891
☆お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【女店主エカチェリーナの憂鬱(2/3)】


「ちーっす!」
 いきなり店の扉が開き、黒髪ショートの顔を覗かせて、トレーニングウェア姿の美袋ユウが入って来た。
「開いてる? 空気、重いなぁ」

「ゆっ……ユウ!? なぜ日本にいる筈のあなたがここに!? ここはロシアですのよ!?」
「総合格闘技の大会で来てるんだよ。びっくりしたか?」
「れっ、連絡ぐらいしなさいな!」
「連絡してたらびっくりしてくれないじゃないか」そう言って笑い、18年前に私にイップスを植え付けた張本人は、席に座った。「んー。オレンジジュース貰おっかな。あと、3年前に死んだじーちゃんに会いたい」

 私は戸惑った。18年前の世界一幼女決定戦の決勝戦で、私はユウと闘った。召喚師の私は彼女のお祖父様の生霊を呼び出し、ユウが世界で一番好きだと言うそのお祖父様を盾として使い、勝利を奪おうとした。(詳しくは>>788
 しかし予想に反してお祖父様とユウは凄まじい格闘を始め、遂には会場全体を巻き込むほどの爆発を巻き起こした。エラに救われたものの、その爆発で私は恥ずかしながらも失神してしまった。
 ユウの反則負けで私が優勝したものの、心に深い傷が残った。圧倒的な力で格闘する二人を目の前にして恐怖したというのもある。でもそれ以上に私を傷つけたのは、ユウが私には本気を出していなかったという事実だった。
 それ以来、私は闘えなくなってしまった。

「どうぞ」フョードルがユウの前にオレンジジュースを差し出した。
「あっ、すぱしーば」ユウは目の前にいるのが文豪ドストエフスキーだとは少しも気づかず、下手なロシア語でぺこりとすると私のほうを向き、日本語で言った。「ロシア語全然わかんねー。エカっちが日本語出来るようになっててくれて助かるよー。……それにしてもなんで日本語勉強したの? べつにアニメ好きでもないだろ?」
「まあ、エラさんが日本語お上手ですから、勉強しやすい言語だったというだけのことですわ」
「なるほどねー。でもお嬢様言葉まで身につけるとはさすがだなあ」
「わたくしは生粋の貴族令嬢ですもの。当然ですわ」ホホホと笑って見せた。本当はユウと会話がしたいから身につけたなんてことは、言わなかった。「ところで昨年の格闘技世界大会、優勝おめでとうですわ。まあ、ユウなら当然でしたけど」
「オレさー、性転換しようかなって考えてるんだ」
「な、なんですって!?」突然とんでもないことを言い出したユウに驚き、私は声が裏返ってしまった。
「だってさー。女子にはもう敵がいないんだよ。男相手だったらまた楽しく闘えるかなぁって思って」
「殿方にだってユウに叶うほどの強者はいないと思いますわよ。いるとしたらチェンナぐらい……」
「そーそー! チェンナなら相手にとって不足なしなんだけどさー。アイツ、お固くなっちまっただろ?」ユウはチェンナの声真似をして言った。「フン! 私には守るべき家族がいるのだ。ヤバい裏の仕事はもちろんのこと、格闘技などしている場合ではないわ!」
「不思議ですわね」私はくすっと笑った。「あなたとチェンナは言葉が通じない筈ですのに。拳語で通じ合うんですのね」
「お前とも昔はそうだったじゃん。お前が格闘やめてから通じなくなっちゃったけど」

「そうでしたわね」
 私はそう言って、過去を眺めた。

 懐かしく、充実した景色がそこにはあった。私はあの世界一幼女決定戦を勝ち上がり、全世界の幼女の頂点に立ち、高笑いをしていた。それは結局、幻だったのだけれど……。
0904この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/23(水) 19:12:56.96ID:pMbGek80
891
☆お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【女店主エカチェリーナの憂鬱(3/3)】

「なぁ」ユウが言った。「エカっちがオレのライバルになってくれん?」
「は? なっ、何を言い出しますの?」
「お前のあのカミソリみたいな切れ味の逃げ足が懐かしいんだよ。あれ、復活させてくれよ」「わっ、わたくしは逃げ足が速いだけの……召喚師ですもの。格闘家ではありませんわ!」
「エラのあれはその通り、格闘じゃないなって思うんだけどさ。お前は立派に格闘家だったって思うよ。あのカミソリみたいな動きを攻撃にも取り入れれば、かなりのところまで行けると思う。今からでも遅くない! オレと闘ろう!」

「ほっ……本気じゃなかったくせに!」
 私は遂にそれを口にしてしまった。
「わたくしごときに本気を出したら殺してしまうと……手加減してたくせに! ユウのバカ!」
 涙がこぼれて止まらなくなった。

「あ……」
 身を乗り出していたユウは後ろへ下がり、席に座り直すと照れたように頭を掻いた。
「そっか……。傷つけちゃってたか」

「わたくしも本当は世界の頂点に立ちたい……っ!」私は止まらなくなってしまった。「でも……! あなたに傷つけられたこの心が邪魔をするのっ! 人より高いところに立とうとしても、そのさらに高いところにあなたの姿が見えてしまって、萎縮してしまうのっ!」

「なら、倒したらえーじゃろ」

「え?」

 ユウはオレンジジュースを一口飲むと、真剣な顔で言った。
「オレ、あの時、本気で、逃げるお前のこと捕まえられなかったんだぜ?」
「本気で……ですの……?」
「ああ。本気で凄いと思ってた。お前の足捌き……。だからさ、また、闘ろうぜ。っていうか、お前と闘りたい」
「わっ……わたくしが、あなたに、勝てると……でも?」
「ああ。お前しかおらんじゃろ。オレを倒せるヤツなんて、世界中探しても」

 何かが私の中から吹き飛んだ。

 ユウはトレーニングパンツのポケットから何かを取り出すと、私に渡して来た。それはくしゃくしゃになったチケットだった。
「とりあえず試合、明日ペテルブルグの総合体育館であるんだ。観に来てくれよな。そしていつか、近いうちに、リングの上でお前と会いたい」

 嬉しかった。たまらなく嬉しかった。ユウが私をまだ、格闘技仲間だと思っていてくれたことが。チケットを震える手で受け取ると、私は言った。
「ほ、ホーッホッホ! 観に行って差し上げても別によろしいですし、気が向いたらリング復帰も考えないでもなくってよ。まぁ、気が向いたらですけど。ホーッホッホ!」
「ははは。なんで泣いてんだ?」
「なっ、泣いてなんかいませんわ! これは汗! 汗ですのよっ! きいっ!」
 そう言いながら私は、今日は早々に店じまいをして、ランニングから始めようと心に決めてワクワクしていた。
「お嬢様」傍らで見ていたフョードルが珍しく微笑みを浮かべて言った。「私には日本語はわかりませんが、良いお友達をお持ちのようですね。私には決して溶かせなかったお嬢様の心を固く包んでいた憂鬱を、あっという間に溶かしてしまわれた」


 ユウのお祖父様の霊を召喚するのは容易かった。面識があったし、思った通りすけべ地獄にいてブラブラされていたので。
「おお、ユウじゃないか」床からヌーッと出て来たお祖父様は元気に仰った。
「じーちゃん!」ユウは涙を流して笑っていた。「貸してた千円返せ!」
「おお、こちらはロシアの幼女か? ボインになったな」
「お久しぶりですわ、お祖父様」
「足も白くて綺麗じゃ。頼む、そのボディーで、夏服でニーソ穿いてるJKの格好をやってみてくれんか」
「何言い出してんだ、じーちゃん!」
「ユウはエレキベース持ってあれ歌ってくれ。ほれ、♪S、A、G、A、佐賀♪ってやつ。お前がやったら絶対似合う」
「オレ岡山県人なのになんで佐賀なんだよ!?」
「まあ、お祖父様ったら、地獄ボケされてますのね。ホホホホ!」
 私も笑った。こんなにも心から笑えたのは18年振りかもしれなかった。
0905この名無しがすごい!
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2021/06/24(木) 13:41:02.90ID:wfh0nQWe
>>902
なんか文字が詰まってるーと思ったけど、読めばちゃんとしてた
その後シリーズ、なんか陰気な店をやっていた話w
こっちはこっちで交流が、、ですが、くしくも例の歌のヒットも18年前とは・・・
0906この名無しがすごい!
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2021/06/25(金) 08:11:59.48ID:it8rtfSB
>>1-999
韓国・国民日報は、ドイツ・ベルリンにオープン予定の展示施設で、韓国のスペースが日本と中国の10分の1程度と計画されており、

その背景には「朝鮮は16〜19世紀には清の属国、1905年からは日本の植民地であり、古代文化が貧弱だ」という「歪曲(わいきょく)された認識」があると伝えた。

ベルリンの中心部にある「ベルリン王宮」は2013年に再建工事が始まり、今年、博物館や美術館の入る複合文化施設「フンボルトフォーラム」として生まれ変わる。
帝国主義の象徴だったかつての王宮で、過去の植民主義への反省を込め、アフリカ、米国、アジアなど非ヨーロッパ圏諸国の遺物を展示する計画だという。
しかし、記事は「韓国館が予定されている面積は、日本館、中国館の10分の1に当たる60平方メートルに過ぎず、二つの館に挟まれた配置であることが問題だ」と指摘している。
特に、中国館内の片隅にあるような配置であることから「韓国が中国の辺境文化に過ぎないという誤解を植え付ける恐れがある」としている。
さらに、中国、日本の展示品は数千点に上るが、韓国の展示品は予算の問題で僅か160点だという。

このような扱いを受ける理由について、記事は「韓国の古代文化に対する、博物館側の歪曲された認識」がそのうちの一つだと指摘している。

現地で芸術関係に携わる韓国人の話によると、オンラインで行われたワークショップで、韓国館担

当のキュレーターが「韓国は16世紀から1945年まで中国と日本の属国や植民地だったため古代遺物がない」と結論を下していたと証言している。j
0907この名無しがすごい!
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2021/06/26(土) 17:30:48.85ID:+Wu53R+J
>>866
>>324の続き、今回は供養枠ですにゃー

使用お題→書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第九話】

 これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!
 言うまでもなく、私が善で、囚人どもが悪だ。
 私は監獄惑星の看守……だった。
 広い惑星を警備艇で飛び回り、囚人どもを管理監督するのが私の仕事。
 丸腰の囚人たちに対して、こちらはパワードスーツで武装しているのだ。いついかなる状況でも、問題など起ころうはずがなかった。
 だが、忘れもしないあの日、一人の卑劣な囚人の手によって、私は警備艇を奪われ、自身は外を出歩けないような姿にされ、惑星に置き去りにされたのだ。

『覚えておけ……!』

 と、私は囚人に言ったが、あの間抜け面の男は、今でも私のことを覚えているだろうか。
 囚人を乗せた警備艇は、一度ワープして、それ切り行方不明になってしまった。
 本来であれば、強制的に帝国のど真ん中にワープさせられるはずだったのだ。それを解除するとは……。

「――――お呼びですか、艦長」
「おお、新人くん。呼んだ呼んだ、呼んだでごじゃるよ。入りたまえ」

 ここは小型の宇宙戦艦のブリッジ。軍人たちが忙しく立ち働いている……などということはなく、彼らの間には、少なからずだらけた空気が漂っている。

「新人くん。これだけは言っておく。我が輩はいかにも艦長ではあるが、艦はこんなにも小さく、乗員は数えるほどしかいない。よって、我が輩のことは『艦長』ではなく『隊長』と呼ぶでごじゃる」
「分かりました、隊長」

 でっぷりと太った、言うなればタヌキのようなお腹の隊長は、それでも部隊を指揮する者として、最低限の威厳は持ち合わせていた。

「君の事情は聞いているでごじゃる。大変だったでごじゃるな」

 警備艇を奪われた私は、責任を取る形で、この、脱獄囚を捜す部隊へと配属された。

「君が今考えていることは分かる。一刻も早く脱獄囚どもを捜し出し、罪を償わせたい」

 隊長は、手にした天丼プリンから一口、枝豆の天ぷらを口に運んだ。
 天丼プリンというのは、大きなプリンの上に天ぷらを載せた、高カロリーな宇宙食だ。

「しかし、でごじゃる。宇宙は広いでごじゃる。そんなに気を張っていては、いざという時、疲れてしまって使い物にならないでごじゃる」

 ブリッジには音楽が流れていた。艦内の雰囲気にふさわしい、ゆったりとした曲だ。それがアップテンポなものに切り替わった。

「む……うるさいでごじゃるが、仕方ないでごじゃる。今流してるのは、古いゲーム音楽が趣味の隊員が、なんとかかんとかベスト百、とか言って持ち込んだものでごじゃる」

 ご老体には煩わしいだろう。しかし、今の私の気分にはぴったりだった。

「とにかく、でごじゃる。ゆっくりするでごじゃるよ。話はこれで終わりでごじゃる」

 一刻も早く、あの間抜け面を捜し出し、まずは土下座させるのだ。
 私のことを覚えているか?
 覚えていたなら良し、忘れたなら思い出させるまでだ。
 絶対に見付け出して捕まえてやる!

 * * *

「よっと……ですにゃー。大丈夫ですかにゃー」
「ああ、大丈夫だ」
「便利なものですにゃー。パワードスーツ、とか言いましたかにゃー?」
「そうだ。これは元々、俺が捕まっていたところの、看守のやつらが使っていたものなんだが――――」
0908この名無しがすごい!
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2021/06/26(土) 17:31:42.90ID:+Wu53R+J
一度初心に返りつつ、これはどうしても書く必要のあった話

続きは・・・多分・・・次スレで・・・
0909この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 20:26:13.62ID:hKFEvT/4
パンパッパッパパンパンパパン
0910この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 21:49:02.96ID:jAgeiUHY
>>897
某中華圏の国へ旅行に行った時、途中でスマホの保護フィルムが剥がれてしまって、ちょうど手機用品街を歩いてたので近くの店に飛び込んだら、
奇麗な顔をした少年が1人店番をしていて、日本のスマホに合うフィルムがなかったけど「2時間待ってくれたらなんとかする! 待ってほしい!」と言われて、
その辺りにいくらでも同じような店はあったけど熱心さと少年の可愛さに打たれ、その間に近くの公園で寝ときたいこともあって、スマホは預けなかったけど待った時のことを思い出しました。
2時間後に行ったら少年の母親がいて、すごく美人で嬉しくなって、少年は丁寧に丁寧にフィルムを貼ってくれて、値段も500円ほどで、その2年後にスマホがダメになるまで綺麗さを保ってくれたので、
この話とは真逆だったんですけどね。
0911この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 21:57:29.15ID:jAgeiUHY
>>907
天丼プリン……。天ぷら要らねえ……(泣)
語尾が「〜ごじゃる」のキャラって……ありがちなようでいて思い浮かばないな……
で、続く……のか!? ちゃんと締切も守りながら?!
0912この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 21:59:28.00ID:XraC/MtM
>>891
お題:『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【夕暮れ】(1/3)
 長い参道を上がると朱塗りの鳥居が見えてくる。
 苔むした石段と手水。
 それをさらに上がると巨石を侍らした様な本殿が見える。
 三割は平野だと言う佐賀にあって、このお稲荷さんは随分と山中に在る物だと、仲代 当夜は息を切らせながら苦笑する。
 木々が生い茂り、やや暗い本堂周辺を見回し、右手側の岩を乗り越える。

「ああ、居たな」

 子供の頃はピンク系のランニングと空色のミニスカート、脚は素足にサンダルだったが、今は地元の制服の夏服で足元は二―ソックスとローファー。身長も高くなっていると言うのに、天パー気味のクルクルの髪も、膝を抱えて蹲っている様子もあの頃と何ら変わりがない。

 当夜が何も言わずに横に座ると、彼の幼馴染である遠坂 真希絵は、ビクリと肩を震わせた。

「真希絵……姉ちゃん、心配してたぞ?」
「……」

 当夜の言葉に、真希絵は更に固く身を竦める。

「お前にも言いたい事は有るんだろうけどさ、ひとまず家に帰ろう? な?」
「……」

 なおも身を固くする真希絵に当夜は……

「ぎゃ〜〜〜〜〜〜!! トーヤちゃんやめ!!」
「うるさいよ!! 何かある度に呼び出されるオレの苦労分かれよ!! 今度は何が気に入らなかったんだよ!! プリンを食べられた事か? お気に入りのピアス勝手に借りられた事か? それともおじさんの洗濯物と自分の洗濯物を一緒のカゴに入れられた事か? あぁ!?」

 彼女の頭を鷲掴みにして、強引に自分の方を向かせようとする当夜に、真希絵が必死に抵抗をする。

「話をする時には、相手の目を見なさいって、先・生・に・言・わ・れ・た・よ・なぁ?」
「黙・秘・権・を・行・使・す・るぅ!!」

 ギリギリと軋む頭蓋骨に涙目に成りながら必死に抵抗する真希絵だったが、しかし、男子の腕力には勝てなかった。
 強引に顔を揚げられ……
0913この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 22:00:43.81ID:XraC/MtM
【夕暮れ】(2/3)


「ぶっ、な、なんじゃそりゃぁ!! ぶふっぐっ!!!!」

 強引に上げられた真希絵は、余程嫌だったのか顔面を真っ赤に染め上げ、目尻にめいいっぱい涙を湛えながら、これでもかと眉間に皴をいせていた。
 だが、その表情には、何かが足りていなかった。
 即ち、ほとんど無かったのである……眉毛が。

「!! 〜〜〜〜//// トーヤちゃんのぉ!! あほおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」

 バッチ―――――――ンと、頬を叩く音が鳴り響いたのだった。

 ******


 ポケットからハンカチを取り出した当夜は、それを手水の水に浸し、未だジンジンと痛む頬に当てる。
 その間も真希絵は相も変わらずぷりぷりと頬を膨らませたままだった。

(でもま、しょげて蹲ってるより良いな)

 ぷりぷりと怒りながらも、真希絵はブツブツと当夜の自分の父に呪詛を吐く。
 そもそも真希絵がこんな事に成ったのは彼女の父親の所為だと言うのだ。

「え? なんで?」

 と、当夜が思わず口にしたのも当然の事だろう。
 なにせ、彼女の父親は、まだ家に帰って来て居ないのだから。
 その事は真希絵の姉に呼び出され、彼女の家にも上がっているので間違いがない。

「だ、だって……」

 なぜ、こんな事に成ったのか? それは数時間前に遡る。

 ******

「え? 当然なの?」

 そう驚く真希絵に、クラスメイトの女子は逆にマジで? と言わんばかりに驚いた表情をする。

「だって当たり前でしょ? 眉剃らないとボッサボサのままだよ? みんなそれくらいやってるって!」

 「ね〜」と言う言葉に他のクラスメイトもうんうんと頷く。
 それを聞いた真希絵は、自分が随分と流行から外れていると言う事に愕然とした。

「眉用のカミソリだって売ってるんよ?」

 そう言って、雑誌の広告を見せてくるクラスメイト。その時の真希絵の心情はいかな物だったか。
 帰宅後すぐに彼女は自分の姉に聞いてみた所、どうやらそれは事実だったらしい。
0914この名無しがすごい!
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2021/06/27(日) 22:01:32.01ID:XraC/MtM
【夕暮れ】(3/3)


「じゃ、じゃあ、お姉ちゃんの貸して!!」
「やだ」
「え〜!! 良いでしょ! ちょっとだけだからぁ!!」
「使えば切れ味落ちるでしょ? だいいち、自分で買いなさいよ」

 その言葉に、真希絵はウっと唸る。そうしたいのは山々なのだが、彼女は今月のお小遣は、既に使い果たして居たのだ。
 「貸して!!」「やだ」の押し問答を繰り返したが、姉が折れる事は決してなかった。
 そうして失意の内に部屋に戻ろうとした真希絵だったが、洗面室の鏡の前に有った父親の髭剃り用の安全カミソリを見た時、不意に悪魔が囁いたのである。

 ******

「いや、自業自得じゃね?」
「だって、あれだよ!!眉用のカミソリだったら絶対こんな事には成らなかったよ!!」
「いや、まぁ……」

 確かに、手元が見えなくなる安全カミソリだったが故に左右のバランスをとろうとして剃り過ぎたのかもしれない。
 だが、だからと言って父親のせいにするのはどうだろう? と当夜は思った。
 だが、ここでへそを曲げられたら、もっと帰りが遅くなる。
 自分の負担と、親父さんの不憫さを天秤にかけ、自分の負担の方に傾いた当夜は、「そんな所に安全カミソリを置いていた親父さんが悪いね」と、あっさり彼女の父親を売った。

「だよね!!」

 理不尽な八つ当たりではあるが、先程よりは機嫌を直したらしい。

「うんうん、じゃ、とりあえず日も暮れて来たし、帰ろう?」
「うん!」

 そう、真希絵を促しその場は治める事に何とか成功したのだった。

 もっとも、帰宅後すぐにお風呂に入ろうとした真希絵は、鏡を見て悲鳴を上げる事に成るのだが。
0917三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/27(日) 22:14:40.83ID:/UZzXxIa
お題→『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』締切

【参加作品一覧】
>>897【ニーソを取り戻せ!】
>>902【女店主エカチェリーナの憂鬱】
>>912【夕暮れ】
>>915【夏服でニーソ穿いてるJKを拾った】
0918三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/27(日) 22:15:43.56ID:/UZzXxIa
では通常お題4つです

お題安価>>919-922
0919この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/27(日) 22:17:53.75ID:1DOG28jZ
バスケットボール
0923三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/27(日) 22:27:08.83ID:/UZzXxIa
☆お題→『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』から1つ以上選択

☆文字数→3レス+予備1レス以内に収めれば何字でも可。
1レス約1900字、60行が上限。

☆締め切り→7/4の22時目安。
締め切りを過ぎても作品の投稿は可。

【見逃し防止のため、作品投稿の際はこのレスに安価してください】
0924三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/06/27(日) 22:30:29.10ID:/UZzXxIa
なんか今回も早いね・・
今週もお題スレをよろしくー

また今回も感想等、明日以降で失礼します
0925この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/28(月) 20:04:55.72ID:OgUvaxRF
>>911
感想ありがとうございます
作者自身これ誰だっけ、、と思いながら書いてたんですが、呼ばれて飛び出るあのお方ですね
って言うかどう見ても本人です! ありがとうございました!!
このシリーズは、普段は遅刻しないので大丈夫なはず、です^^;

>>912
一応ちゃんと佐賀の話を書いてきた
アホな幼なじみ大勝利(?)の話だった!
お姉ちゃん、人のピアスは借りるのにカミソリは貸さんのかw
しかしこの調子では、眉用のカミソリを使っても・・・><
0926この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/28(月) 22:24:20.43ID:h6zcG4m+
なろう公式の夏のホラー企画、今回のお題は「かくれんぼ」だそうですが、皆さんは何か考えてますか?
0927この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/28(月) 23:58:15.57ID:OgUvaxRF
自分は、ホラーは全然駄目だって分かったので、何も考えてないです・・・
お題でそれしか書けなさそうだったら、その時考えます><
0928この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/29(火) 01:01:06.04ID:lwo7z+tq
>>926
「かくれんぼ」だと「じゃあ、あれは誰?」みたいなのが定番だと思うけど、
「いかに定番から外すか」なのか「いかに定番の中で面白くするか」なのか、
どっちにしたほうがウケはいいんだろうかという問題をふと感じた
0929この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/29(火) 18:55:15.55ID:XuqvS1nX
>>899
>>900
遅くなってしまいましたが、感想ありがとうございます!
特に捻りのない展開、ではありましたがこういう靴下がぞんざいに扱われるネタってホント大好きなんですよねエヘヘ
ちなみに少年はこの後、お仕置きとして一週間外出禁止となりました(笑)

>>910
こちらも感想ありがとうございます!
まさか私の話と真逆の出来事を経験していたとはビックリ仰天です!
その少年、凄くプロ意識が感じられて、将来立派な店主になれそうで応援したいですね!
0930この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/29(火) 19:07:42.80ID:XuqvS1nX
>>915
おお、これはちょっぴり?際どい内容ですが面白かったですね
序盤でせっかく綺麗にしたニーソを中盤でまた洗濯機に放り込むところが大好きです

>>902
ユウの優しさにとにかく心打たれましたね
あとお祖父様、本当に分かってらっしゃるw

>>907
日本人って眉を本当に気にしますよね
眉毛が多少濃かろうが薄かろうが、それを個性として前向きに行こう!って言いたくなっちゃいますね(笑)
0931この名無しがすごい!
垢版 |
2021/06/29(火) 23:54:45.56ID:NqHpRCIf
>>930
感想ありがとうございます!
割と要所要所で夏服とニーソを活躍させられた気がします
靴下好きのお眼鏡にかなったようで、うれしいですw
0932この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/01(木) 08:23:53.52ID:JES5csrj
>>912
なぜお父さんのせいなのか判明したところで大笑いしました。可愛い。
雰囲気のある出だしから言葉遣いのカジュアルになるあたりへの変化がまたいいですね。可愛い。お題の使い方も見事。
最後の行は蛇足かなぁと感じました。

>>915
不思議な読後感。赤黒い匂いとは何か(想像はできるけど)など、敢えて具体的に描かれていないところが多い。
JKも実体感が希薄に描かれていて、安部公房並みに記号で書かれた世界のようなものを感じました。
でもまぁ、それでいて人間の臭いが染み出して来るとまでは行かない。もうちょっとだけ具体的な情報が欲しいかな。あと、これはエロ規制に引っ掛からないのだろうか……(謎)
0933この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/01(木) 08:31:00.96ID:JES5csrj
>>905
感想ありがとうございます。
何度やっても『改行が多すぎます』って言われて、改行消し消ししまくってたらこんなに詰め詰めになっちゃいました(T_T)
あのネタって18年前のヒットになるんですね。意識はしてなかった。

>>930
エカチェリーナさんは外面と内面がまったく違うキャラですが、ユウはそれをちゃんとわかってあげてるみたいです。
感想ありがとうございました。
0934この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/01(木) 11:26:14.92ID:lteas2ev
>>923
☆お題→『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』
【格闘女王美袋ユウの日常(1/3)】

「行ってきまーす」
 丹田呼吸法で家の奥に向かってそう言うと、いつもは見送りになんか出て来ない母が心配そうにパタパタと小走りでやって来た。
「どうしたの? ユウちゃん? そんな大声出して? いつもなら何も言わずに出かけるくせに? 行ってきますとか言っちゃって? もしかして何かあったの? 何か張り切っちゃうことでも? もしかして喧嘩? だめよ? わかってるの? あなたは人なんて簡単に殺せちゃうほどの……」
 ハテナマーク多っ! と思いながらも私は母のマシンガントークを遮って笑う。
「アホなこと言わんとって、お母ちゃん。散歩に行って来るだけじゃけぇ」
「散歩? ロードワークじゃなくて? なんで? あなたのんびり散歩する趣味なんてないじゃない? 本当は何しに行くの? 喧嘩? 出入り?」
「宿題出されたんよ、格闘技雑誌の編集さんに。『格闘女王・美袋ユウの日常』のタイトルでエッセイみたいなの書いてほしいんじゃて。そのためのネタ作りに行って来るだけ。家でずっとトレーニングしてますみたいなつまらん文章書けんじゃろ」
「まぁ、そうなの? それならももちゃんに書いてもらいなさい。あなた文章書くのとか苦手でしょ? 高卒だし。ももちゃん、四年生の大学卒業して岡山が誇る大企業EDWINに入社して、デスクワークやってるらしいわよ。あの子なら文章書くの得意だわ。代わりに書いてもらいなさい」

 私は苦笑した。母は私のことを脳味噌まで筋肉だと思っている。私のことを格闘家としてしか知らない他人がそう思うのは仕方ないとして、身内にそう思われているのはさすがに悲しい。
 祖父の教え通り私は文武両道を志して生きて来た。本もたくさん読んで来たのだが、母は見てくれていなかったのだろうか。私が大学に進まなかったのは単純に早くプロのリングに上がりたかっただけで、言わせてもらうが決して学力が足りていなかったわけではない。

「ははは。まぁ、行って来るよ。……あ、そうだ。言い忘れてたけど、この間ロシアに遠征に行った時、じーちゃんに会ったよ」
「おじいちゃんは死んだのよ。三年前に。そんなことも覚えられないほど頭悪いとは思わなかったわ……」
 頭を抱える母にため息をつき、私は外へ出て、玄関の扉を閉めた。


 家を出ると、私は二軒隣の家の呼び鈴を押した。
「こんにちは、おばちゃん。レオ散歩に連れてっていい?」
「あらユウちゃん。もちろんいっつも助かるわぁ。おじいちゃんの健康のために飼った犬なのに、おじいちゃんちっとも散歩に連れて行かないんじゃもん」
 裏庭に回る前からレオが嬉しそうに吠える声が聞こえていた。母は私に散歩の趣味なんてないと言っていたが、実はこの家の犬を連れてよく散歩はしている。母が知らないだけだ。
 犬小屋の前でしっぽを忙しなく振り、喜びのダンスを踊るレオはコンパクトな体格の、真っ白な雑種犬だ。つぶらな瞳がとっても可愛いやつだ。私は犬も猫も大好きなのだが、母が動物アレルギーなので家では何も飼えない。
「行くぞっ、レオ」
 鎖を外し、リードを首輪に繋いで私が言うと、元気に一声吠えて、レオは駆け出した。

 人の多いほうを避けて、用水路に沿ってのどかなまっすぐの道を歩いた。
 誰も私のことを知らなかった。女子総合格闘技のチャンピオンなんてマニアぐらいにしか顔も名前も知られていないのだ。
 レオは草むらを見つけるたびくんくん匂いを嗅いで立ち止まり、おしっこをひっかけた。あんまり見たことのない黒い羽のとんぼがたくさん飛んでた。少し向こうに目をやれば、交通マナーが悪いことで有名な岡山の車さんたちが車間距離詰め詰めで国道を走っているのが見えた。
「平和だなあ」と私は呟いた。
 もちろん平和なのはいいことだ。母はああ言っていたが、私は喧嘩なんてしたことはない。戦うのはリングの上だけだ。
 私は空手という武器を持っている。武器を持っているからこそ、日常の中では平和に座っていられる。何か事があれば立ち上がり、武器を用いてそれを退けることができる自信があるから、心を平和にしていられる。私に空手を仕込んでくれた祖父に心から感謝している。
0935この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/01(木) 11:28:13.99ID:lteas2ev
>>923
☆お題→『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』
【格闘女王美袋ユウの日常(2/3)】

 私には3人の仲間がいる。四歳の時からの付き合いなので、幼なじみとも言えるのだが、なぜかその言葉は私たちにはしっくり来ない。
 私たち4人は超能力者である、と言っちゃってもいいと思う。もし宇宙人が地球侵略にやって来ても、この4人だけで撃退してしまえる自信がある。嘘ではない。
 私たちは『世界一幼女決定戦四歳の部』のリングの上で知り合った。国はそれぞれ違ったが、拳で通じ合った。みんなそれぞれ凄い力を持っていた。私欲に走れば一国を支配できるほどの力を持ちながら、みんな平和な日常を生きている。
 レオを散歩させながら、彼女らのことを考えていると、ポケットの中でスマホが鳴った。オランダからの国際電話だった。
「エラにゃんだ」
 私はそう呟くと、笑顔で電話に出た。

 電話口から妖精が含み笑いするみたいな可愛い声が聞こえた。
『おハロ〜、ユウたん。エラにゃんですよ〜』
「やー、エラにゃん。元気? チェンナも変わりない?」
『大丈夫です、私の夫は今でもチェナたんですよ〜』エラにゃんの日本語はとても上手なのだが、たまに意味の伝わらない時がある。『あのですね、ユウたん。ウムト、アラフ……』
 突然エラにゃんの日本語が乱れ、電話の向こうに低くて殺気焼けしたような声の持ち主が出た。
『ハオジョウブージェン、メイダイ、ユィー』
「チェンナか!? いや、お前とは電話じゃ会話できねーだろーがバッカ!」
 私はツッコんだが、電話の向こうのチェンナは一人で喋り続けた。私は日本語しか喋れない。チェンナは中国語とオランダ語と英語が喋れるが日本語は喋れない。こんな二人でも顔を合わせて直接なら不思議と言葉が通じるのだが、電話では無理だ。まったく意味がわからない。
 ひとしきり何語なのかもわからない喋りを一方的に聞かされ、ようやく電話の向こうに再びエラにゃんの日本語が聞こえた。
『ごめんなさい、ユウたん。チェナたんははさみでお尻をつついてお仕事に行かせましたから』
「あー、オランダは今、朝? さっきチェンナのやつ、何言ってたの?」
『はい、ユウたん。私たちの娘、メイがですね、なんと! 3歳になりましたぁー!』
「あ、そうか。もうそんなになるんだね。早いなぁ。おめでとー!」と、私はボケた言葉を返した。気づいていなかった。
『それで私たち、今度日本に行くのですよー』
「それで……って、なんで? メイちゃんも来るの? へぇ……? へー! 楽しみだなぁ」
『何を言ってるですか、ユウたん』
「え?」
『世界一幼女決定戦、3歳の部が日本の大都会、岡山のマスカット・スタジアムで行われるでしょーがっ』

 あっ! と、頭の中で声が出た。
 そうか。彼女らの娘が出場するんだ。
 もうそろそろ19年も前になる、私たちが闘ったあの大会に。

『メイは凄いんですよー。チェナたんの攻撃力とエラにゃんの防御力を兼ね揃えたhybridなのです。絶対優勝はしますよー』
「ええ!? それは凄い!」私は声を上げた。
 私は結局エラにゃんとは闘ったことがなかったが、その絶対防御の凄まじさはよく知っていた。何しろ原子力爆弾の爆発を無効化してしまったことさえあるのだ。しかもただ抱き締めるだけで。
 その夫(女性だけど)チェンナの攻撃力は正直私を凌ぐ。自分の体をどんな武器にでも変えられるその能力が凄まじいのはもちろん、能力を使わなくともその攻撃のキレは一流の武術家のものだ。私はあの準決勝で彼女を下したが、防戦一方だった。なんとか防御しながらももう限界に来ていた私に、痺れを切らしたチェンナが自らの体を核ミサイルに変身させるという大技に出、その際にでっかい隙が生まれていなければ、私は勝ててはいなかった。
 その2人の間に産まれた娘、メイ・リー(3歳)に私は激しく興味を持った。
 闘ってみたい。格闘家の血が騒いだ。そして計算した。
 メイ・リーが18歳になる頃、私は38歳……。ギリギリありえる。それまで日々の鍛錬を怠らなければ。
0936この名無しがすごい!
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2021/07/01(木) 11:30:31.22ID:lteas2ev
>>923
☆お題→『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』
【格闘女王美袋ユウの日常(3/3)】

『ちょうどユウたんのタイトル戦の頃が世界一幼女決定戦の少し前です。タイトル戦が終わったらゆっくりして、ユウたんも見に来てくださいね!』
「そっか。オレの試合の数日後にメイちゃんの出る世界一幼女決定戦があるのか。見に行くよ」
『エへへ。ユウたんの試合ももちろん見に行きますよ〜。お相手はやっぱり、今、怒濤の勢いで勝ち続けてる、あの【遅れて来た超大型新人】さんでしょうか?』
「だと信じてるけど、まだ決まってない。今日決まるはずだけど、日本でロシアのTV番組観られないから……」
『きっとエカたん、勝ちますよっ』
「うん。あ、電話代ものすごいことになるよ? ぼちぼち……」
『どうもっ! エラにゃんでしたぁっ!』
 エラにゃんは慌てて電話を切った。さすがは主婦だ。


 私はネットの動画サイトで見たエカチェリーナの姿を思い浮かべた。
 エカチェリーナは自慢の金髪縦ロールお嬢様ヘアーをばっさり切っていた。金色のスポーツ刈りに黒いタンクトップ姿の戦士をそこに私は見た。

 彼女も四歳の時にあのリングの上で出会った私の仲間の一人だ。攻撃は幽霊召還というふざけたものではあったが、凄まじいのはそのフットワークだった。私が本気で追いかけても、エカチェリーナは私の動きを予知しているかのように逃げ回った。決して捕まえられなかった。まるで一流のバスケットボール選手のように、狭いリング上を縦横無尽に逃げ回った。天丼を食べたり、幽霊を出したりとおちょくったものではあったが、フットワークだけを見れば、まさに彼女は華麗なリング上の女王だった。

 動画を見たところ、エカチェリーナのフットワークは衰えていなかった。それどころかそこにまるでフェンシングのような手刀による攻撃を身につけていた。刺しては引きを繰り返す蜂のような動きを他のどの選手も捕まえることが出来ず、彼女はデビューからわずか半年で総合格闘技女王である私への挑戦権を賭けた決勝戦に今、臨んでいる。

 今、あのエカチェリーナと闘ったら、私は勝てるだろうか?
 四歳の時は捕まえられなかっただけだった。私が本気の闘志を爆発させたら、彼女は簡単に吹っ飛んだ。
 しかし私は感じている。今の私は、四歳の時の私より、弱くなっている。
 小さき体に大きな闘志が充満する時、その闘志が大きければ大きいほど、それを容れる体が小さければ小さいほど、闘志は圧縮される。そしてそれが解放されし時、その爆発力は信じられないほどに大きなものとなる。
 しかし私の体は、大きくなってしまった。

 それに対して闘志はそれほど大きくなってはいないと感じる。

 闘志を測る機械などないのでわからないが、むしろ弱くなっているのではないか。幼い頃はひたすらに純粋だった闘志に今は様々な雑念のようなものが混じってしまった。他人を敬う心、常識、社会に対する保身の念、怪我を恐れる無意識……これらが100%の私の闘志を抑制してしまう。
 あくまで印象だが、今の私の強さは、幼かった頃の1/3もないのではないか。

 それに対してエカチェリーナは、見たところ随分あの頃よりも強くなっている。衰えていないフットワークが長い足を得て、スタミナも比較にならないほど増えている。その上に遠い間合いからいきなり飛んで来るあの手刀……。

 勝てるのだろうか? 私は、今のエカチェリーナに?

 レオがワンと吠えた。

 公園でバドミントンに興じている子供たちを見つけ、そこに加わって遊びたいようだった。子供たちは短い手足を振り回し、全力で羽根を追いかけていた。
 私はそれを見て何かおかしくなってしまった。

 あんなに全力にならなくても、今の私は足を少し動かし、手を伸ばしただけで羽を拾える。
 そうだ、失ったものもあるが、得たものだって大きいじゃないか。今の私が幼い頃と同じ闘い方をする必要はない。何より楽しめ、だ。

 そう思っているところへトレーナーからメールが入って来た。今度のタイトル戦の相手の名前がそこにあった。
『エカチェリーナ・トルスタヤ』と。
0937この名無しがすごい!
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2021/07/01(木) 19:12:34.88ID:1MyEAg7k
>>932
感想ありがとうございます!
確かに、何かもう一つ生活感が足りてない感じはしますね
あるいは逆にもっと抽象化しても良かったかもです
R18は通報されてみないとですが、全部ほぼ朝チュンなので、これで駄目って言われたら困るなぁ・・・

>>934
これまであまり明かされてこなかったチャンピオンの内面・・・
ですが、細かい突っ込みどころが3つくらいはあるw
それは置いといて、でも本当は家でずっとトレーニングしてるんでしょ?とも思ったw
0938この名無しがすごい!
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2021/07/03(土) 16:52:20.99ID:oGMntj4Q
ムワアアアアアア
0939この名無しがすごい!
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2021/07/04(日) 21:19:39.95ID:MjjItW/Y
>>923
お題:『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』

【闘え!! 羽球男】(1/2)
 ダムダムダムダムとバスケットボールを叩き付ける音が響く。

 バスケットボールによる世界征服を企む悪の秘密結社「デスバスケ」、その企みを防ぐために立ち上がった男こそ、バドミントンマンである。

 そのバドミントンマンは、今、窮地に陥っていた。
 デスバスケの改造バスケ選手、デスプッシングとデスブロッキングにはさみ撃ちにされてしまったのだ。

「ホラホラどうした、どうした?」
「流石のバドミントンマンも、これが最期か?」
「くっ!!」

 周囲を飛び交うバスケットのボールをドッヂボールよろしく避けながら、バドミントンマンは苦痛に顔を歪める。
 まるでなぶり殺しにするかの様な執拗な攻撃もさることながら、この二人の改造バスケ選手は、バドミントンマンとは相性が悪すぎた。
 通常、相手選手との身体接触の無いバドミントンマンと違い、この二人は、特に相手の身体に接触するファールに特化していたからだ。

 その為、手を叩かれ、背を押された地した為、バドミントンマンは既にシャトルをすべて失っていたのである。

 攻撃手段の無いバドミントンマンは回避の一手しか打てない。

「クックック!! 遊びもここまでだ!! 死ね!!」

 デスプッシングが、バドミントンマンを狙う。
 止めとばかりにバスケのボールにトゲが生え、それがバドミントンマンに当たった……と思った瞬間。

「な……に……」

 バスケットのボールが打ち返され、逆にデスプッシングの身体に叩き込まれたのだ。
 だが、その代償は大きかった。バスケのボールをバドミントンのラケットで撃ち返したのだ。リストにかなりの負荷が掛かったのである。
0940この名無しがすごい!
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2021/07/04(日) 21:20:29.56ID:MjjItW/Y
【闘え!! 羽球男】(2/2)


「クッ、流石はバドミントン男と言う訳か、しかし、シャトルが無いのは変わらない。そのリストで、再び同じ事ができるか?」

 少し顔を青褪めさせながらもデスブロッキングはそう言う。手首を押さえながら脂汗を流すバドミントンマンの姿を目に捉えたからだ。
 なにより、さっきまで彼の手首を打ち据えてシャトルを叩き落として居たのはデスブロッキングだ。誰よりもバドミントンマンのリストが既に限界であろう事は、よく理解していた。

 だが、バドミントンマンは冷ややかに口の端を歪めると、ラケットでデスブロッキングを指す。

「ご託は良いさ、掛かって来いよ!!」
「何だと!!」

 対峙する二人の間に沈黙が満ちる。
 ダムダムとバスケットボールを叩き付ける音だけが響いた。

(クッ、また打ち返そうってのか? いや、そんな事で切る訳……)

 デスブロッキングはそう考えるも、未だ闘志沸き上がるバドミントン男のその瞳を見た瞬間、『コイツならやる』と考えを改める。
 例え今、リストを壊そうと、シャトルを失い、自ら先制して攻撃する手段の無いバドミントンマンは、必ず打ち返して来るだろう。

 ならば、打ち返せない所にボールを頬れば良い。
 流石に顔は警戒されているだろう。先程デスプッシングが狙ったのも顔だった。
 ならば、胴体か、意表をついて手元か、それとも下半身か……
 狙う場所はその三カ所の内の一カ所。
 狙いは1/3……

「くたばれ!!」

 そう叫び、デスブロッキングがバスケットボールを放つ。

「!!」
「読んでいたさ、下半身を狙って来る事は!!」

 追い詰められた時、思わず足を出してしまう事はバスケットボールの中ではままある事だ。それは本来キッキングと言うファールであるのだが、しかし彼等は反則を強化された改造バスケ選手だ、反則などしないであろうバドミントンマンの意表を突く為に、わざとそれを狙うだろう事は十分にあり得た。
 だからこそ、その相手の心理を読み取って、バドミントンマンは、その1/3を読みきったのである。

 打ち返されたボールで、デスブロッキングが打ち抜かれ崩れ去る。

「何とか、勝てた……ようだな……」

 ギリギリの勝利だった。リストと言う代償もある。
 薄氷の勝利だったが、しかし、それを喜んではいられなかった。
 バドミントンマンの闘いは、まだ始まったばかりなのだから。


 【闘え!! 羽球男】(未完)
0942三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/07/04(日) 22:11:09.56ID:orOQ3x21
お題→『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』締切

【参加作品一覧】
>>934【格闘女王美袋ユウの日常】
>>939【闘え!! 羽球男】
0946三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
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2021/07/04(日) 22:15:45.25ID:orOQ3x21
では通常お題、今回に限り『5つ』、現スレで取ります

お題安価>>947-951
0947この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/04(日) 22:16:22.51ID:gNHwx9ah
寮母
0948この名無しがすごい!
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2021/07/04(日) 22:16:25.14ID:3QPCol7n
ラズベリー
0951この名無しがすごい!
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2021/07/04(日) 22:19:01.00ID:ZS461e/L
戦場
0953この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/04(日) 22:49:52.13ID:orOQ3x21
>>939
正直書きにくいお題の挟み撃ちから、ひねり出された必殺の一撃、という感じですw
なんだこれとしか言えないww
面白さだけで言うと、現スレで一番かも知れません
0954この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/05(月) 18:20:15.69ID:nDg/atzJ
>>937
感想ありがとうございます。
ってか、ツッコミどころ見つけたら遠慮なくしっかりツッコみなさい!
その上で踏みつけてストンピングして遊んでくれても私は喜びます。
モヤモヤするよぅ……(&#175;―&#175;&#1637;)
0955この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/05(月) 18:25:43.36ID:nDg/atzJ
顔文字で文字化けしたの初めてだ

>>939
うん、シュール。
連載希望で次はアフガンで戦場舞台にカンパニー同士の謀略にも巻き込まれながら、トランジスタグラマーの寮母さんに励まされて貰ったラズベリーを口に含みながら立ち上がるバドミントンマンを期待
0956この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/05(月) 23:34:11.31ID:6chANbgK
こないだも文字化けしてた・・

>>954
えー、、めんどくせ・・w
まず一つ、お母さん、実はその会社、岡山とは縁もゆかりもないらしいですよ・・・!
もう一つ、犬やのにレオくんて(∪^ω^)レフ・トルストイカナ? ワンワンオ!
(現実では意外と多いようですが
最後は国際電話、今はインターネット電話等あるので、少し不自然かなと思いました
0957この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:05:36.52ID:gnx67VNi
募集期間2020.10/4〜10/11

『雪山』『Y』『かゆい』『ユニクロ』『愛が走りだす』

【参加作品一覧】
>>8【君がいないと】
>>16【静寂の世界】

 * * *

募集期間2020.10/11〜10/18

『家畜』『全知の神』『クライミング』『無能力』『牧童』

【参加作品一覧】
>>29【休暇はのんびり有意義に】
>>40【神豚の100の試練】
>>42【世紀末光頭伝エスニャンダモ(小説版)/第二十二話:高地の死闘! シャイニングニャンダモ対サタンニャンダモですにゃー】
0958この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:06:26.18ID:gnx67VNi
募集期間2020.10/18〜10/25

『落雷』『ひぐらし』『フルーツタルト』『ライブ』『蝶』

【参加作品一覧】
>>56【マイベストフレンド・シグレ】
>>64【雨宿り】
>>69【リ・ライブ】
0959この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:07:18.42ID:gnx67VNi
募集期間2020.10/26〜11/1

ジャンル『コメディー』+『ラップ』『アサルト』『液晶』『かなし』

【参加作品一覧】
>>83【大画面からこっそりと】
>>89【銃とゲームと幼馴染】
>>92【愛にあふれた変身ヒロイン野牛ハチベヱ】

 * * *

募集期間2020.11/1〜11/8

『ブロッコリー』『ノンレム睡眠』『チャーシュー』『氷柱』『グルメ』

【参加作品一覧】
>>109【夢のバカゲー】
>>111【婚約破棄されたぽっちゃり令嬢は傷心家族旅行で訪れた先のブロッコリー王子に溺愛される!】
0960この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:08:17.09ID:gnx67VNi
募集期間2020.11/8〜11/15

『竹』『ルーン』『牧場』『オーダー』『ミント』

【参加作品一覧】
>>126【俺の進む道】
>>129【王様の革命児】

 * * *

募集期間2020.11/15〜11/22

『スペシャル』『障子』『旅館』『異能』『回転寿司』

【参加作品一覧】
>>146【転生の多い異世界事情】

 * * *

募集期間2020.11/22〜11/29

『新婚』『鉄棒』『螺旋』『大彗星』『追放』

【参加作品一覧】
>>164【吉兆を追って】

>>185【大彗星の輝く夜に】(供養
0961この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:09:28.91ID:gnx67VNi
募集期間2020.11/30〜12/6

『空白』『壺』『マクドナルド』『ポジティブシンキング』『黄金の門』

【参加作品一覧】
>>178【なんだか寂しい】
>>187【魔王退治】

 * * *

募集期間2020.12/7〜12/13

『仙人』『変態』『シアン』『エイリアン』『男爵』

【参加作品一覧】
>>200【闘仙巫女】

>>213【学園乙女ゲームの世界に転生しましたがヒーローが変人ばかりなので全力で恋愛を回避します!】(供養

 * * *

募集期間2020.12/14〜12/20

『雪蛍』『漆黒の翼』『ネタ切れ』『破滅』『感覚共有』

【参加作品一覧】
>>222【生存戦略サバイバー】
0962この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:11:01.57ID:gnx67VNi
募集期間2020.12/21〜12/27

『氷柱』『思い出』『線路』『Xmas』『大混乱』

【参加作品一覧】
>>237【履き慣れないブーツは災いの元?】
>>242【年の暮れの】
>>244【私は入道雲を見上げた。あの日の暑さは、よく覚えている。】
>>248【年を重ねる】
0963この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:12:17.44ID:gnx67VNi
募集期間2020.12/27〜2021.1/3

『キャンプ』『毛糸』『シェフ』『笑ってはいけない』『スクロール』

【参加作品一覧】
>>269【母手編みのニーソ】
>>271【御令嬢達の大冒険】
>>275【どうぶつクエスト 〜ネズミにぬすまれた食材を探す〜】
0964この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:13:34.87ID:gnx67VNi
募集期間2021.1/4〜1/10

『初詣で』『RTA』『視聴率』『衰退』『お雑煮』

【参加作品一覧】
>>290【変わったり変わらなかったり】

 * * *

募集期間2021.1/11〜1/17

『不良』『作画』『キリン』『イチゴ大福』『松岡修造』

【参加作品一覧】
>>307【ラジオも聴かず】
>>309【キリン先生】

 * * *

募集期間2021.1/18〜1/24

『スライム』『魚釣り』『百花繚乱』『メガトン』『大仏』

【参加作品一覧】
>>324【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第八話】

>>335【魔王討伐譚】(供養
0965この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:15:01.45ID:gnx67VNi
募集期間2021.1/25〜1/31

『ガトーショコラ』『チキンレース』『ストーン』『デーモン』『すごろく』

【参加作品一覧】
(なし)

>>351【サバトはいかが?】(供養

 * * *

募集期間2021.2/1〜2/7

『アラスカ』『ピキ』『ダービー』『悪役』『ナニ○○』

【参加作品一覧】
>>360【令嬢の溜息】

>>383【彼らの消えた世界で、○○を探して】(供養
0966この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:17:02.74ID:gnx67VNi
募集期間2021.2/8〜2/14

『マーガリン』『少年』『シアン』『パンチ』『頭突き』

【参加作品一覧】
>>375【立ち上がれ、シンディ!】
>>385【ラッキーとかアンラッキーとか、そんなのどうだっていい!!】

>>396【荒野の1人】(供養
>>402【チョコ少女戰域】(供養
0967この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:19:07.25ID:gnx67VNi
募集期間2021.2/14〜2/21

『慎重』『忍者』『闇のチョコレート』『ロマンティック』

【参加作品一覧】
>>403【喪失感、だけど・・・】
>>414【しのこい】

 * * *

募集期間2021.2/21〜2/28

『雪解け』『エックス』『ブレイド』『奇乳』

【参加作品一覧】
>>434【新しく買ったバイクで】
>>441【駄目なネタ作文でお茶を濁す方法】
>>444【ナンバーズ】
0968この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:22:16.36ID:gnx67VNi
募集期間2021.2/28〜3/7

『ココア』『たんこぶ』『ネズミ』『那由他』

【参加作品一覧】
>>462【台湾でマンホールに落ちて異世界に転生してチート能力で最強になって英雄もハーレムも全然夢じゃないけど絶対に現世に帰りたいこの気持ちが神なんぞにわかってたまるか】
>>470【ムリョウ】
>>472【不到】
0969この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:25:28.70ID:gnx67VNi
募集期間2021.3/8〜3/14

『ソーダ』『ふきのとう』『ババ抜き』『せいんと』

【参加作品一覧】
>>487【退屈なしあわせ】
>>492【この姉弟は本当にどうしようもない】
>>496【中年勇者の魔王討伐日記】

>>509【春・ねこ・カード】(供養
0970この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:28:40.20ID:gnx67VNi
募集期間2021.3/14〜3/21

『水先案内人』『パーク』『仮想現実』『妖狐』

【参加作品一覧】
>>511【究極の小説 vs 至高の小説】
>>528【かいだん】

>>552【機知に富んだ艦長ドン・タローテ】(供養
0971この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:31:44.59ID:gnx67VNi
募集期間2021.3/21〜3/28

『船団』『一筆書き』『ケチャップ』『戦車』

【参加作品一覧】
>>542【シンプル】
>>549【弱虫のひとりごと】
>>557【機構世界の戦車乗】
0972この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:34:46.76ID:gnx67VNi
募集期間2021.3/28〜4/4

『仙狐』『ストロベリーソース』『杏仁豆腐』『坂本』

【参加作品一覧】
>>573【杏仁豆腐のストロベリーソースがけ】
>>581【探偵のお仕事】

>>602【機知に富んだ小動物ハム・タローテ】(供養
0973この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:37:56.09ID:gnx67VNi
募集期間2021.4/4〜4/11

『オタク文化』『遅レスですが』『幼女』『天丼』

【参加作品一覧】
>>594【その小さき体に】
>>607【劇場版】
>>612【未来冒険】
0974この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:41:10.88ID:gnx67VNi
募集期間2021.4/11〜4/18

『画鋲』『奴隷』『戦闘員』『ゲームブック』

【参加作品一覧】
>>625【劇場版2レス目】
>>629【その小さき体に2】
>>631【戦闘員のハヤミヤさん。】

>>663【Prolog の文法でなろう小説っぽいゲームブック風の何かを書こうとした残骸】(供養
>>665【超軽文庫遊戯本(改)】(供養
0975この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:44:28.63ID:gnx67VNi
募集期間2021.4/18〜4/25

『ラウンドアップ』『幼馴染』『追憶』『タイトル』

【参加作品一覧】
>>675【その小さき体に 3】
>>687【とある老人の記憶】

 * * *

募集期間2021.4/25〜5/2

『野良犬』『300年』『怪獣』『サーフィン』

【参加作品一覧】
>>702【その小さき体に 3】(正しくは 4

>>716【ムア・トゥフトゥフと彼の最初の妻の話】(供養
0976この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:47:32.77ID:gnx67VNi
募集期間2021.5/2〜5/9

『チューインガム』『賭博』『ステージ』『中間管理職』

【参加作品一覧】
>>718【その小さき体に 5】
>>725【ギルマスの憂鬱】
>>727【とある冒険者ギルド職員の昼休み】
0977この名無しがすごい!
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2021/07/08(木) 00:50:39.14ID:gnx67VNi
募集期間2021.5/9〜5/16

『馬車』『24億』『オーバー』『もう遅い』

【参加作品一覧】
>>741【その小さき体に 6】
>>745【魔王討伐のその後で】
>>747【妹に婚約者クレクレされたけど、もう遅いです。大好きな彼は、誰にも渡しません。】

 * * *

募集期間2021.5/16〜5/23

『ホームレス』『捜査』『ミルクティー』『アルミ缶の上にあるミカン』

【参加作品一覧】
>>765【その小さき体に 7】
>>774【漫才商売】
0978この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 00:53:49.45ID:gnx67VNi
募集期間2021.5/23〜5/30

『ラッキーセブン』『漂流者』『古代種』『ジューンブライド』

【参加作品一覧】
>>788【その小さき体に 〜最終章〜】
>>794【しりとり☆リターンズ#しーくえる】
>>797【太古の記憶】
0979この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 00:57:13.71ID:gnx67VNi
募集期間2021.5/30〜6/6

『白ツツジ』『ナメクジ』『スーパーロボット』『ロリ巨乳ケモミミツンデレメイド』

【参加作品一覧】
>>819【14年振りの再会】
>>825【異世界機構道中記】

>>884【クラスで僕にだけ塩対応のロリ巨乳美少女の弱みを握って好き放題したら、彼女が僕のことを「ずっと好きでしたにゃん」とか言い出した話】(供養

 * * *

募集期間2021.6/6〜6/13

『ならず者』『はじまりの命』『メイド』『サラリーマン』

【参加作品一覧】
>>850【サラリーマン李(リー)くんの一日】
>>857【サラリーマンはつらいよ】
0980この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 01:00:16.65ID:gnx67VNi
募集期間2021.6/13〜6/20

書き出し『これは善と悪の壮絶な戦いの物語である!』+『たぬき』『ヨット』『みんなで決めるゲーム音楽ベスト100』『プリン』

【参加作品一覧】
>>870【日本語で日記つけてみたよ!】
>>880【良く有る転生チートの話】

>>907【脱獄した俺は未開の星で帝国相手に無双するかも知れない/第九話】(供養
0981この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 01:03:22.87ID:gnx67VNi
募集期間2021.6/20〜6/27

『カミソリ』『夏服でニーソ穿いてるJK』『佐賀』『ポケット』

【参加作品一覧】
>>897【ニーソを取り戻せ!】
>>902【女店主エカチェリーナの憂鬱】
>>912【夕暮れ】
>>915【夏服でニーソ穿いてるJKを拾った】
0982この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 01:06:33.89ID:gnx67VNi
募集期間2021.6/27〜7/4

『バスケットボール』『バドミントン』『はさみ』『1/3』

【参加作品一覧】
>>934【格闘女王美袋ユウの日常】
>>939【闘え!! 羽球男】
0984三代目進行 ◆sjbsZxtbdD7t
垢版 |
2021/07/08(木) 01:33:15.06ID:gnx67VNi
規制がキツいっす
次からは埋め方を変えた方が良さそう・・・

残りは雑談や感想用に解放しておきたいので、埋め立てはご遠慮願います
0985この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 06:27:54.74ID:7/kH1tgs
>>956
めんどくさい中ありがとうございます(ぺこり)。

EDWIN……そうなのか。そうだったのか。仕事で岡山EDWIN行ったことあるけど道理で素朴すぎるなと思った……。

レオくんはね、実際近所にいたんです。手塚治虫『ジャングル大帝』の主人公に似てるからその名前つけたんだって。可愛かったよー(過去形(;_:))。

電話は……思った。自分「明日から海外いるから電話かけんな」って日本の知人に言って回るほどそういうの音痴なんで……。

あと自分でツッコミたいのは、中国語わからん人が書いてる筈の文章で『ハオジョウブージェン』はないだろう、とか
実は色々ありました。

ありがとうございました。
0986この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 08:28:26.03ID:q0T8q0fI
シンディシリーズ本当に面白かったし、途中ブランクができて
不安だったけど無事完結できて良かった
レイチェルシリーズもそうだけど、できれば何らかの形で続き作ってほしい気持ちも強い
0987この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/08(木) 23:57:57.09ID:gnx67VNi
ところで(小説の話ではなく)>>510の百年王国だけど、まだ遊んでる
アリアンロッドLv6、アマテラスLv6、イナンナLv7、ガイアLv8で裏面Sクリア達成
スクルドだけやっぱり難しくて、今はレベル上げ中です
0988この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/09(金) 00:11:10.18ID:PuNQLaUX
何作かピックアップしておく

レイチェルの作者様のだと、>>83とか、半端だけどかわいい話
>>29の映画の話も読みたい気はする

ベテラン氏のは、やっぱり数が多いので・・・最初から順に読んでいっても面白いけど
16、40、396、665、797、880を挙げておく
0989この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/09(金) 00:12:31.67ID:PuNQLaUX
老師の作品だと、一番出来がいいのは>>542で、一番面白いのは>>511だと思う
>>573は、元ネタがあると、そう言われると、不自然な構成にも納得
本文はやっぱりうまいけど、お○ん○んびろーんはちょっと・・・

単発の作者様は、今回は>>631のみ
0990この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/09(金) 00:27:27.74ID:PuNQLaUX
自作だとやっぱり>>42が、馬鹿丸出しでお気に入り
近作になると、なろう攻略も少し

例えば>>727とか、老師は謎って言ってたけど、別に謎でもなんでもない
なろうハイファンで、やる気なさそうなタイトルの短編が読まれる余地はないです

逆に>>747は READ ME 感一杯で出したので、それなりには読まれてますね
ただ内容が伴ってないので(ヒーロー不在で姉妹が仲良さそうにしてるだけ)、ポイントは入らない

>>884は、正直ちょっと期待したし、手応えもあったんだけど、ポイントはほぼゼロ
まぁ現実恋愛は過疎だし、短編需要もなさそうだし、お題で仕方なく書いたから男性向けの作品なのに話の骨格は女性向けだし
いずれにせよ、異世界恋愛で書いた方がいいな、という当たり前の事実を再確認できた・・・

ピックアップは以上です
0991うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/07/09(金) 18:57:44.78ID:TbClvYer
皆様、お疲れ様です。

途中参加でわからないことも多かったですが、楽しかったです。

個人的に面白かったのは
602
665
880
912
でした。
631も力作。

うーた賞をあげるとしたら>>880ですね。緻密でアホな設定がとても面白かった。後半尻すぼみになるのが残念だけど。

次点が>>602
元ネタとのギャップと主人公のドンキっぽさが楽しいパロディーでした。

自分の作品でお気に入りなのはやっぱり連続ものにしている「その小さき体に」シリーズですね、番外編も含めて。
キャラ達に対する愛が芽生えてしまっています。まぁここだけの話、実在の人物も混じってるんですけどね……ね、エラにゃん。
0992うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/07/09(金) 19:07:54.01ID:TbClvYer
お題で縛られると、普段自分が使わないようなワードでも使わないといけないし、そのワードを可能な限り物語に絡めないとと頑張るし、いいトレーニングになりますね。

レス数制限があるのも締切があるのもいい感じ。どれだけ創作意欲が下がってる時でも、ま、守らなきゃ……! って書いてしまう。

あと何と言っても有り難い感想が頂けるのがいいですね。
これからもよろしくお願いいたします。
0993うーた ◆vQ0KHrfdEY
垢版 |
2021/07/09(金) 19:10:20.66ID:TbClvYer
冒頭の1文縛りも面白かった。

ジャンル縛りなんかしても面白そう。

普段自分が書かない「時代劇」とか「ミステリー」とかで縛られたら新しい自分が芽生えそう。
0994この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/11(日) 14:02:41.65ID:XoCM0eMt
遅レスですが

>>902
元王者の黄昏と言った所でしょうか?
近代欧羅巴でも交霊会は流行っていたそうですが
雰囲気を味わうのではなく、そのままズバリを前面に押し出すと
それはすなわちホラーになってしまいますねw
それでも最後に笑えるのが王者だそうで

>>934
以外に普通な彼女の日常
でも、そんな感じのアオリでグラビアレポートを受けていそうな居なさそうなw

>>915
家出かお忍びか?
最近は保護者の許可なく未成年を家に上げただけでも罪になるとか
世知辛い世の中です

>>907
脱獄されたサイドのお話ですね
この生真面目そうな元看守とニャンダモがシナジーしてケミカルなマリアージュなお話に続くのですねw
0995この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/11(日) 14:28:24.08ID:XoCM0eMt
>>925
感想有難うございます
姉とはそう言う生き物です

>>930
感想、有難うございます
自分の個人的な感想としては、太い眉の娘さんも、結構いい感じだと思っています

>>931
感想を下さり有難うございます
神社と言う物の静謐さと、少女のともすれば下らない悩みのギャップを狙った所は有ります

>>953
感想を有難うございます
とりあえずツッコミ所満載にしようと思いながら書いたらこうなりましたw

>>955
感想いただき、ありがとうございます
それは殆どお話しでき上ってますので(ツッコミ
0996この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/11(日) 14:32:27.38ID:XoCM0eMt
>>991
うーた賞有難うございます
これを励みに、一層アホな設定を作って行こうと思いますw
0997この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/11(日) 19:18:38.55ID:iEcf/pZB
>>991
602のシリーズは作者も気に入っているので、そう言っていただけるとうれしいですw

>>994
感想ありがとうございます
915、元ネタに倣えば家出のはずですが、正体不明でもあります
907、いずれは本編と合流して、わけの分からない話になる予定ですw
0998この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/12(月) 07:28:00.26ID:qKMlua2G
埋め
0999この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/12(月) 07:28:35.17ID:qKMlua2G
埋め
1000この名無しがすごい!
垢版 |
2021/07/12(月) 07:29:12.05ID:qKMlua2G
これでおしまい
10011001
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