宋の検屍官の参考資料とされる
「中国人の死体観察学」に記載されている内容についてまとめ

1999年8月に出版された本であり
13世紀前半の宋で記された「洗冤集録」を和訳し
約200ページ15章で再構成したものである

☆頭の釘について
頭部への外傷についてはそれなりに記載されているが
釘で殺された場合についての記載は200ページ中わずか2か所合計4行だけであり
それぞれ別の章に記載されている。

一つ目は「もし男の死体ならば、ぼんのくぼを検査しなければならない。
     なぜなら平頭の釘が打ち込まれているおそれがあるからである」
読めばわかるように、「男の死体ならば」と限定した書き方であり
女性や妊婦については全く言及がない

二つ目は「焼いて熱した釘が打ち込まれているかもしれない」である。
こちらも女性や妊婦への言及は全くない。

ちなみに別の中国古典「輟耕録」にも頭に釘を打ち付ける殺人事件が登場するが
こちらも被害者は男性である

まとめると、現時点では「妊婦の頭に熱した釘を打ち込み自然死を偽装する」
というトリックおよび設定は「宋の検屍官」が初出であり
「後宮の検屍女官」以外に類似した作品は見つかっていない