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ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【238】

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0001ぷぅぎゃああああああ ◆Puuoono255oE (ワッチョイ 322f-9Hqw)
垢版 |
2022/10/22(土) 07:04:58.34ID:kuFxbrL00
オリジナルの文章を随時募集中!

点数の意味
10点〜39点 日本語に難がある!
40点〜59点 物語性のある読み物!
60点〜69点 書き慣れた頃に当たる壁!
70点〜79点 小説として読める!
80点〜89点 高い完成度を誇る!
90点〜99点 未知の領域!
満点は創作者が思い描く美しい夢!

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前スレ
ワイが文章をちょっと詳しく評価する!【237】
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0035善意のわだち38 (ワッチョイ 3901-UoHw)
垢版 |
2022/10/22(土) 10:40:38.54ID:E0p8ODnG0
 翌日、私はスラム街の近く、川にかかる橋の北側まで、車を走らせた。
 トラックを襲撃した子供は、1人を除いて皆殺しにされた。
 あの、私の財布をすって川に逃げた子供は、どうなったのだろうか。
 スラム街の大人たちに殺されたのだろうか。それとも、今なお逃げているのだろうか。

 確かめたかった。が、どうしても橋を渡ることはできない。
彼等とのビジネスは難しいかもしれない。
 行動が暴力的、直接的過ぎる。
もっと別の、例えば給食サービスなどを立案した方が、成長性が見込めるかもしれない。
 などと、車を降りて考えていたあの土手で、私は再び目撃した。
 私の財布をすった子供を。
 彼は、岸までもう少し、という川面でおぼれていた。
 私は上着を脱ぎ、救出に向かった。

 ……結局、街に戻れなくなった彼をかくまう形で、私は彼と生活をすることになった。
 彼の名前は、ヴォイといった。

「……ヌンヴィエ」「何だい? ヴォイ」
「これ、不味い」「そうかなあ。頑張ったんだけどなあ」
「……何かが違う」「でも、茶は美味いだろ?」
「……うん」
「……ヌンヴィエ」「何だい?」「何が違う?」
「茶の淹れ方かい?」「ンエ人とヌル人」
 私は黙った。ヴォイは、テーブルの向こうから、真っすぐに私を見上げていた。
 私はテーブルに両肘をつき、指を組んで、じっとヴォイを見つめた。

「ヴォイ。君はヌル人だ」「……うん」
「私は、ンエ人とヌル人は、そこまで違いはないと思う。
目の色は、ンエは薄いけれど、白人のように青くはない。
 でもそれは、身体的な特徴だ。けれど、精神的には、決定的に違う点がある」
「……それは何?」
「君たちは助け合わない」
0036善意のわだち39 (ワッチョイ 3901-UoHw)
垢版 |
2022/10/22(土) 10:49:20.04ID:E0p8ODnG0
 ※※※※※

 動物園を抜けて、私たちは大使館に到着した。
「着いたな」「着きましたね」
 雇用主は大きく息を吐き、ドアを開けて、降車した。
 それから、抱えていた植木鉢を、地面に叩きつけて、割った。
「くっそ暑かったぜ。全くよお!!!」「銃があれば、もっと快適でしたね」
「大統領のファッキンがよお。計画してやがったんだなあ」
 治安の向上を目的として、都心での銃の所持は、ヴォイの就任2年目、
つまり昨年から、自宅のみに限られていた。
 元々、銃の所持は白人のみに許されていた特権だったし、
ある程度の反対はあったものの、法人税の減税とバーターにしてきたので、
白人たちは法案を受け入れた。
 そもそも、大統領の就任以来、治安は確実に向上していた。
 だから、白人たちも、刑事罰のリスクをおかしてまで銃を所持することに、
利得を覚えなかったのだろう。雇用主を見れば分かる。

「そうですね。ずっと、ヴォイは計画していたんでしょうね。
彼は兄弟を☓☓されていますから」「ンエ人にか?」
「いいえ。ヌル人にです。でも、原因はンエ人ですから」
「興味深いな。けどな、俺はそんな話をお前とちんたらしてる時間はない」
 声色から、私は理解していた。
この男は、現地民の人生に、事情に全く興味がない。
もちろん、私や、家族にも。私はうなずき、微笑む。
「ではここまでですね。私はこのまま、家族のところに行きます。
幸い、メーターも半分残ってますから」「なあ。ヌンヴィエ第一秘書」「はい?」
首を傾げる私に、雇用主は真剣な目をした。
「このまま俺と、大使館に保護されないか? あれだろ?
スマホは通じない。お前の家はヌル人のスラムが近いだろ。もう……」
「私は行きますよ。家族ですから。行かないといけないのです」
 雇用主は真顔のまま、目に力がなくなった。
 この男のこんな真顔は、人生で初めて見た。力なく肩を落とす姿も。
 不意に、いら立ちを覚える。
何が白人だ。そんな顔ができるなら、普段から、自分の人生とまともに向き合え。
私を心配するな。必要とするな。
 あんたは、もっと傲慢だろう。全てを見下しているんだろう。たかだか人種の違いで。
……罵倒された方が去りやすくなる。
知っている。私たちが再会する可能性は、無いに等しい。

「それに、私が社長、貴方と保護されたら、猛烈に禁酒をすすめますよ。
脱ドラッグもです」
「ああ。それは勘弁だな。さっさと行っちまえ。ンエ野郎」私は微笑んだ。 
 友情というには薄すぎるけれども……。
情というものが、実は存在していたのかもしれない。
0037善意のわだちラスト (ワッチョイ 3901-UoHw)
垢版 |
2022/10/22(土) 10:50:51.83ID:E0p8ODnG0
 では、と言って、雇用主側のドアに回り、閉めようとすると、鍵の束を押し付けられた。
「俺の家を使っていい。
金庫ももう意味がねえからな。
番号は忘れたが、ポメラニアンのドッグタグに刻んである。
ヌルの野郎どもも、白人は襲わねえだろ。
 しばらくはな。だから、隠れてりゃいい」
 雇用主の言葉に、こみ上げるものがあった。
 私は、無言でその束を受け取って、運転席に回り、アクセルを踏み込み、発車する。
 何故、礼を言わなかったのか。
言うと、何かが全部、崩れそうだったからだ。
 だから、また会えたら、その時に言おうと思う。
 ワロロワとの食事の場所も、確保しておかなければならない。どこが良いだろうか。
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