>>58
概ね同意します。

ただ、Kが先生に見せつけた血潮は、すでにどす黒く粘って(まるで漆のように)いたように思われます。
己が恨みや嘆きを先生に突きつける一方で、その真情は全く語らない(当然遺書も素っ気ない)。
そのため先生はKを最後まで受容することができず、「よそよそしい頭文字」で呼び続けます。

しかし、先生は「温かく流れる血潮」を私に浴びせ、その真情を余すとこなく伝える。
その結果先生の死後も絶えない敬慕が生まれる。

そんなふうに考えていました。