『80歳の壁』という本が売れている。
1週間に4回も増刷があり、すでに6万部に達した。
『70歳が老化の分かれ道』という本を出した時にも私が提起したのは、今、本を読む世代は70代以降だということだ。
団塊の世代以降の少子化(たった10年で出生率が4.5から2.1にまで下がっている)と高校や大学の定員の増加、そしてマスコミの受験批判によって、60代ですら学力や競争する力、そして読書力では70代の人に太刀打ちできない。
ジャパネットたかたの創業者の高田明氏が大阪経済大学卒なのに息子が東大ということをネットで話題にしていた人たちがいたが、団塊の世代では地方の高校から大学に入るだけで、ものすごい学力だということがわかっていない。
人と違うことを聞くのは、前頭葉を刺激する。
テレビをみてロシアに怒るより、よほど脳の老化予防につながると私は信じている。
さて、ワイドショーをみていると、インドがロシア非難に棄権したり、経済制裁に参加しないことが批判されていた。
私は基本的に外交というのは、正義の実現などにとらわれず、本当の意味で国益を追求し、つねに駆け引きが必要なものだと考えている。
みんながきちんと考えて利益を追求すれば、結果的に人類は発展するし、良い社会になっていくというのが資本主義の基本的な考え方だ。
余計な規制より、自由にさせたほうが結果がよいという発想である。
たとえば経営者たちが強欲で、自分たちだけが高額収入を得て、従業員を低賃金でこき使っていると市場がシュリンクするので結果的に利益が減ってしまう。そうこうするうちにいちばん利益があがる労働分配率に落ち着いていくという発想だ。