今更ながら読んでみて面白かったので考察。

多分誰もがミスリードに引っかかってると思うんだけど、亮司は死んでないと思う。
トリックスターの東野がラストシーンは多くの人が勘違いしてるという発言の真意はそれ。

笹垣が見つけたのは多分、本物の亮司。エスカレーターを何の迷いもなく飛び降りたのは、そこに巨大なクリスマスツリーがあったから。つまりツリーとともに倒れれば直接一階に落ちることはない。
その後の描写は、巨大なツリーが倒れた音と、うつ伏せになった亮司の鋏が刺さった死体。
このうつ伏せの時点では亮司の死体だと思われてる。そして仰向けにさせた後の笹垣の第一声が、
「この男は、誰ですか?』
これをほとんどの読者が雪穂のために命まで投げ出した亮司のことを知らないフリが出来るのかって解釈させるのがミスリード。この発言の意味は言葉通りの意味。
そして雪穂の「全然知らない人。アルバイトの採用は店長に任せてる。」
これも雪穂のために死んだ亮司の意図を汲んで知らないフリをしたわけじゃなく、死体が亮司じゃなく本当に全然知らないアルバイトだったから。人形のような無関心な顔と一度も振り返らなかったのはそのため。
そして店長がすぐに入ってきたのも死体が自分が面接して雇ったアルバイトだったから。そして警察は雪穂ではなく店長から事情聴取。死体が亮司だった場合、松浦の死体が雪穂の実家から見つかった等の関係から雪穂をそのまま行かすわけがない。

その後、笹垣がふらふらと刑事の輪から外れたのも20年近く追った亮司が死んでしまったからじゃなく、やっと追い詰めたはずが死体は亮司じゃなく結局捕まえられなかったから
。ラストの雪穂が白い影に見えたって言うのは、やっと真実を掴んでここまできたはずなのにこのざまで、雪穂の事が実体のない掴めない白い影のように感じた笹垣の感情かな。

白夜行は三部作で完結の物語。三部では亮司と笹垣が絶対にまた出てくると予想。じゃないと話も持たないしね。
幻夜でも美冬はコンピュータープログラムの犯罪が出来る知り合いがいる事が描写されてるから、これは雪穂時代の亮司の知り合いじゃなく亮司本人。3部への伏線。

幻夜はまだ途中までしか読んでないから、ラストまで読み終わったら亮司生存説の続き書きます笑