>>625
ここは「蓑虫」以上に気になっていた箇所。
「とても静か」という表現が素晴らしいと思った。
この一言でその場の異様な空気と、その後に起こる悲惨な光景が際立つ。
とても重要なフレーズなので、改稿しても削れなかったのだろう。
忘れてはならないのは、この言葉はその場にいなければ決して出てこなかったであろう表現であること。
それを安易にかっさらう行為には、心底嫌悪感を覚える。

それにしても「空の境と海の堺」といい、この手記を書いた人の方がよほど文学的才能があるのではないか?