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僕が君の文章を評価する

0001名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2010/09/30(木) 11:36:40
します。
0047名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2010/10/03(日) 18:15:08
>>46
だねー。
とりあえず、燃料投下。二次創作サスペンス。超超短編。
ラノ臭がただよってたらごめんね。くまたんよろしこ。


 トントントントン、木製の階段を二階に駆け上がってくる足音。続くふすまの開く音に振り返ると、そこにはのび太が立っていた。彼の顔は蒼白で血の気がない。彼がこんな表情を見せるのは、いつも。
「……すまないが、タイム風呂敷を貸してくれないか?」
 やはりそうだ。またなにか道具が必要になるようなトラブルに見舞われている。
「どうしたんだよ。また剛田がらみのトラブルか? どうした」
 溜息交じりに俺は訊ねた。よく見ると、いつもののび太とは少し様子が違う。いつもは泣きがるようにして、便利な道具はないのかと聞いてくる。
今日に限って道具を指定してきた。それに彼の表情も妙だ。いつもの困惑顔と思っていたのだが、どうもおかしい。目が暗い。そうとしか言いようのない宙を見るその目は、すっかり生気を失ってしまっている。
「……」
 のび太は黙ったままだ。
「黙ってちゃわからない、俺とお前の仲じゃないか。信用してくれ」
「……刺した」
「え?」
 聞こえた言葉に不安が募る。彼からの返事を聞く前に、自分の額に冷や汗が滲むのがわかる。聞き間違いであって欲しい、そんな俺の想いとは裏腹に、予想通りの言葉がのび太の口から告げられた。
「刺しちまったんだ、源静香を」
 悲痛の表情を見せるのび太、彼が背後に隠していた手を前に出す。その手にはどす黒い血の塊が刃先についた大型のアーミーナイフが握られていた。
 くそ、こんな時、俺の手に指があれば片手で両こめかみを押さえて悩むことができたものを。今悩むべき問題ではないとわかっているが自分の手の構造の簡易さに腹が立つ。が、今はそれどころではない。
証拠となるナイフを処理しなくては。タイム風呂敷か、のび太にしてはよく考えたものだな。
「とりあえずそのナイフをよこせ。お前が言うようにタイム風呂敷でナイフから証拠を消しておこう」
 刃先に血糊のついたナイフを風呂敷で包む。しばらく置いて風呂敷から出てきたナイフは、新品同様に綺麗になっていた。

(つづく)
0048名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2010/10/03(日) 18:18:50
(つづき)
 
 俺は、血の消えたナイフを見ながら、のび太の顔には振り向かず話しかける。
「とりあえずはこれで大丈夫だろう。この手のナイフは購入時に登録されてしまっているだろうから持っていないと逆に疑われる。お前がどこかに保管しておけ。ところで、顔は見られてないんだろうな?」
「ああ、背後から襲ったからな。周りにも人はいなかったと、思う」
「その後、どうした?」
「きゅ、救急車を呼んだ……たぶん命は取り留めたと思う」
「救急車だと? お前の携帯から呼んだんじゃないだろうな」
「それは大丈夫だ、公衆からかけたよ、匿名で」
 ほっと胸をなでおろす。こいつもバカじゃないか。
「とりあえず、どこでもドアで南の島にでも行ってろ。あとは俺がなんとかする」
 俺は四次元ポケットから、どこでもドアを取り出すと畳の上へと置いた。
「……すまん」
「いいから、早く行け」
 まったく、のび太には手を焼く。どら焼きでも食わなきゃやってられない。まだ、2つくらいは台所の棚に残っていたはずだ。
「のびちゃん? 警察の方が話を聞きたいって訪ねて来てるんだけど。いない?」
 ママさんの声が一階から届いた。警察も初動捜査でここまで来るとは立派だな。
「のび太君は宿題済ませるって、図書館に行きました。話は僕が伺いますよ」
 一階のママさんに向かって答える。

「やってらんねーぜ、まったく」
 悪態をついたドラえもんは、どこでもドアを四次元ポケットに戻すとのび太の部屋を出た。
 このとき、のび太は、いやドラえもんでさえ気づいていなかった。タイム風呂敷は、物品の時間を移動をさせているに過ぎない。血糊で汚れたナイフが新品になったとしても血が消えるわけではない。
新しくなった血糊、固まる前の血液に戻ったそれは、タイム風呂敷に浸みてナイフの上から消えただけだった。静香の血の付いた風呂敷は、今、のび太の机の上にのっている。

 その後、タイム風呂敷が四次元ポケットの中に戻ることはなかった。

(了)
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