俺は窓を閉めて帰ろうとした。
背後で窓を叩く音がした。
振り向くと彼女の顔が窓の下のほうに見える。
それが上下に揺れている。
「ったく…」俺はめんどくさいけど窓に近づいた
彼女の身長は159cm。たぶん、ぴょんぴょん飛んで窓を叩いているのだろう。

俺は窓を開けて「何だよ」と言った。
「スマホ忘れちゃった。ほら、ベットに…」
俺は見つけて手渡そうとした。
「ありがと」
彼女はそう言いながら窓枠から俺を強く引っ張った。
「バ、バカ、やめろ」俺は叫んだ。
頬に柔らかくて暖かいものが当たった。唇だった。

顔をあげたら彼女はすでに遠くにいた。
彼女は大声で聞いた。
「キュンときたーっ?」
「くるかーああああ」
俺はそう吠えて窓を閉めた。