「おいおいおい、どうしちまったんだよジョン? やりたくねえのか?」
「そんなことより、早く治安本部見に行くぞ」
「なんだよつまんねえなぁ……」
「文句あんのか?」
 脅すようにジョンが睨みつける。
「いや……別にねえけど……」
「なら早く行くぞ」
 ジョンは話を切り上げると、クアイサに「じゃあな」とだけ言って、その場を後にしよ
うとした。
 しかし、ジョン達が出発しようとしたその時、クアイサが口を開く。
「治安本部の方は……!」
 勇気を出して絞り出したような大きな声。その声に、ジョン達の動きが止まる。
「あ?」
「治安本部の方は……、ガバンがいて危ない……」
 放っておけば良かったものの、人のいいクアイサは、治安本部の方は危険だと教えてし
まう。
「ええ?」
「マジか?」
「うん……」
 ジョンは微動だにしなかったが、仲間2人は明らかに動揺していた。
「どうするジョン?」
「どうするもこうするも、俺はそのガバンに用があんだよ」
「はあ!?」