朝早くすみませんねー酷評お願いします
『ちゃんばら』
 てぇい!やぁ!
 僕らは新聞紙で作った棒を振り回している。相手に「参った」と言わせれば勝ち。ルールはそれだけ。
 彼の突き出した棒が、防御態勢にあった僕の棒や腕をくぐり抜け、みぞおちに当たった。ぽす、と弱々しい音を立てて、彼の棒の先端がへこんだ。痛みは全くない。
 それ故か、二時間経っても彼は降参する気配がない。もちろん僕も、「参った」と言うつもりはない。まだまだ戦える。
 僕の振り下ろした棒が彼の額に当たる。ぱす、と音を立てて、棒が少し曲がる。
 そんなことを続けて、一体何年経っただろう。十年か、百年か――いや、どうだっていい。大切なのは、勝つことだけだ。
 彼は何も言わない。しかし、僕と同じことを考えているというのは、棒を通して伝わってくる。
 五億年が経った。と、彼は言った。それきり黙って、ただいつものように棒を振る。
 時は五月。