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中島英樹を創作文芸板から排除するスレ [無断転載禁止]©2ch.net

レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
0900名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:33:20.39
28 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/09/24(木) 00:16:54.71
中島は2ch.netでスレ立てすると自分のものと勘違いするから、
ねらーに嫌われるのわかんないのかねぇ
マナーを守らないのは自分の方って気づかない
0901名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:33:28.81
ん?
0902名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:33:42.19
33 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/11/24(火) 22:47:03.35
中島ってデザイナーをやっていたみたいな話をするけど、
よく聞くと印刷職人なんだよね
オペレーターに過ぎない
0903名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:33:53.81
ん?
0904名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:34:01.27
34 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [] 投稿日:2015/11/24(火) 22:55:27.59
>>33
アシスタントデザイナーも出力オペレーターもエディトリアルデザイナー
もwebデザインも経験しながら、やってることは絵描きなんだけど。

もともと絵を描きたいから働いているだけざんす。それは今後も変わらないよ
ただ方法をいくつか考えて、自分の理想を実現するために試行錯誤している
わけ。小説を書いているのも自分の思い通りになるコンテンツデータが欲しい
から書いているだけ。出力先はKDPだけ。

紋きりでいうなら33は永久に公募で受賞出来ないワナビに過ぎない。
と言われたらどう思うかね?
0905名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:34:41.56
51 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2015/12/02(水) 08:24:26.77
五十近いおっさんが正社員でもなしに胸張って働いてると言えるのか?
俺にはお前の方が普通の人間には見えないよ、現実と妄想の区別すらつかない統合失調症患者さん。
0906名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:34:49.75
ん?
0907名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:36:04.13
ん?
0908名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:36:05.56
52 名前:ブルーアイリス ◆1pVQTmlaVU [sage] 投稿日:2015/12/02(水) 08:37:27.59
>>51
出版業に関わる、非正規の人の職業。フリーのデザイナー・フリーのライター
フリーのスタイリスト、カメラマン。などなど出版業は多くの非正規雇用で
成り立っている、と言う事を知らない51は、出版業に係わった事ないのだな、
と、思う。正社員・非正規・個人事業・合同会社の代表社員などなど、自分
のゆく道は一つなのだが、51はそんな可能性も考えられない判断基準しかない
未熟者の能なし、と世の中の年よりには見切られる。そして相手にされない
程度に社会で外されて生きていくのだろう。51は正社員かも知れない、でも
正社員以上の事に絶対成れないで、「会社に飼われて」、65歳まで働きっぱなし。
51が死ぬ前に思う事は「ああ、公募で受賞したかった」と言う事かな。
0909名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:36:37.11
こそこそROMり〜の♪
ネットストーキングし〜の♪
0910名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:36:45.42
ん?
0911名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:37:06.05
402 名前:デンドロビウムファレノプシス ◆NaMORuhNce4w [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:51:41.95
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154927761

中島センセの小説まともに読むの初めてなんだけど、
びっくりするぐらい文章が下手糞だな。

403 名前:ポッポ ◆s6Vme6ztkk [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:54:16.76
ほんとだ、一行目から終わってる笑

404 名前:ポッポ ◆s6Vme6ztkk [sage] 投稿日:2016/03/28(月) 12:55:48.03
これは酷い、中島は文章の基礎技術ができていない。
0912名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:37:29.44
516 名前:デンドロビウムファレノプシス ◆NaMORuhNce4w [sage] 投稿日:2016/03/30(水) 14:14:34.80
キャラクターがびっくりするぐらいに生きてないんだよ。
ナカジーに言わされている感が半端ねぇ。
棒読みって感じ。
五十路手前でこのレベルじゃ、一生僕には追いつけねぇな。
0913名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:37:56.31
埼玉県と東京都を中心に様々な世界をさまよい歩き、人生の核心とは何かを考える様になって、20年。現在倉庫で働きながら、「考える」事の結果を小説や絵画にして発表しています。より遠く、より高く、自分の心が飛んでいければな、と思っています。
0914名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:39:33.50
超連載小説 PERFECT SITUATION

第一話 真里さん

 僕は明日で三十歳になる。それまでの間、七人の女性と付き合った。告白されて、OKした数を入れるともう少し増えるが、そんなのは付き合った内に入らない。
かといって、その七人の中でも最後まで関係を持ったのは三人なので、正確にすると、三人の女性と付き合った、という事ことになるのかもしれない。
 しかし重要なポイントはそこではない。七人の女性と付き合って、その内六人に振られて終わった。結婚を前提とした付き合いもあった。
そういうことが繰り返されると、もう彼女なんて作ろうとも思わなくなる。上手くいって付き合ったとしても、どうせ振られる。それはもうわかりきっていることだ。
 色々あって、友人も激減した。記憶はないが、おそらく僕が悪いんだろう。連絡なんて全く取っていないし、取ろうとも思わない。

 今日、つまり木曜日、訪問看護の女性に起こされ、体温やら血圧を計り、少しだけ話をして、その足で大学病院の精神科へ行く。
十一時半に受付を済ませて、ごった返している精神科の椅子に座り、読書をする。今読んでいるのは、図書館で借りた、奥田亜希子の左目に映る星だ。
すばる文学賞を受賞した作品だ。僕も以前、すばる文学賞に出したが、結果は散々なものだった。
 スマート・フォンで時計を確認すると、もう十二時半になっていた。小腹が空いたが、ひたすら我慢。あまりお金は使えない。相変わらず席はほとんど埋まっている。
本を鞄にしまい、一度だけ背伸びをし、煙草を吸いに行くために立ち上がり、何となく右隣の席に目をやると、一人の女性とばっちり目があった。
顔は十分なまでに整っていて、化粧は濃くなく薄くなく、髪はショートカットの茶色で、肩以降がむき出しになった服と――僕はファッションに関しては無知だから、
それが何なのかはわからない――、生足をさらけ出したショート・パンツ――さすがにこれはわかる――で、胸はそれなりにあり、髪が壁に備え付けられた扇風機の風力でたまになびいて、耳たぶと軟骨に貫通したピアスが光っている。
 瞬間的にこの女性の全身をくまなくチェックし、導き出された答えはただ一つ。

「結構美人!」
0915名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:40:09.78
 しかし、そんな女性が僕と何か関係を持とうだなんて、思うはずがないので、目をそらして廊下を歩いていく。
様々な人たちとすれ違う。老若男女関わらず。病衣を着て点滴棒をからからとさせながら歩いている人たちもいる。
階段を下りて、一号館と二号館の間にある自転車置き場で喫煙するのがいつものパターンだ。
八月も半ばとあって、完璧なまでに暑い。特に、院内はエアコンが完備されていたので、その寒暖の差が余計に暑く感じさせる。
 高校時代から吸い続けているハイライト・メンソールを吸いながら、腹が減ったからどこかに食いに行きたいが金がない、
喉が渇いたから自動販売機で買いたいが金がない、毎日パスタ生活はきついだのなんだの、どうでもいいことをうだうだ考えていると、
突然隣に誰かが現れた。僕は心臓が赤ちゃんの爪ほどもないぐらいに怖がりなので、小さな悲鳴を上げて少しだけ後ろに飛んだ。その衝撃で煙草が地面に落ちた。
 隣に立っているのは、待合で僕と目が合った、さっきの女性だった。
「いっつもここで煙草吸ってんの?」と女性は、笑顔でもって軽快に言った。
「え? あぁ、はい、そうですよ」と僕は、無表情でもってつまりながら言った。
「ここは禁煙なんだよ」
 からかうような表情。とても可愛い。
「いや、まぁ、でも、注意されたことないし……」
「ふうん。じゃあ私も今日からここで吸おうっと」
0916名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:40:24.44
ん?
0917名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:40:42.87
 と言いながら、ショート・パンツのポケットから、素早い動作でセブン・スターを取り出し、口にくわえ、ライターで火を付けた。この煙草になりたい。
 女性は煙草を口にくわえたまま、地面に落ちた吸いかけのハイライト・メンソールを取り、僕に渡した。
「ごめんねぇ」
「いや、大丈夫ですよ」
 僕はその煙草をくわえた瞬間、女性が、「あぁ!」と声を上げた。
「ど、どうしたんですか?」
「そいやさぁ、自己紹介がまだだったね」
「は、はぁ」
「私の名前は小林真理。年齢不詳」
「僕は、渡辺透、明日で三十歳です」
「へぇ、もうちょっと若いのかと思ってた」
 こうやって女性と話すことを事前に知っていたら、学生時代から着古しているボロボロのTシャツで来なかったし、髭だって剃っていたし、
何より坊主頭って何だよ。しかしそれが逆に、心を落ち着かせてくれた。こんな格好をしている男に、好意を抱くなんていうことはありえない。
村上春樹の小説や、古谷実の漫画じゃないんだから。
0918名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:40:58.91
「精神科ってかなり待つよねぇ」
「そうですね」
「毎週来てんの?」
「はい、毎週です」
「私も今回から毎週になった。どうも眠れなくてね」
 言いながら、座り込んで石壁にもたれたので、僕もそれにならう。看護師や患者が、僕たちに何か言いたそうな顔をして通り過ぎてゆく。
「僕もです。色々睡眠薬は試してるんですが」
「合うのなかなか見つかんないよねぇ。主治医は誰?」
「T先生です」
「あ、だからよく見かけたのか。私もTだよ」
 この病院のデイケア繋がりの友人たちは、T先生の事を呼び捨てにしていた。しかしそういうことも関係なく、医者は呼び捨てにされるものなのだろうか。
「T先生ってかなり待ちません?」と、初めてこっちから話題を振ってみた。
「待つ待つ! 三、四時間なんて当たり前だよね!」
 同時に煙草を地面に落とし、踏みつける。
「話す人もいないんで、もっぱら読書か音楽聞いて時間潰してます」
「私読書は全然しない。音楽はそれなりに聞くかな」
「へぇ、誰聞くんですか?」
「最近はホルモン、マキシマム ザ ホルモンを結構聞いてるよ」
「え、僕も好きで集めてるんですよ。高校の時からファンで、何度もライヴ行きました」
0919名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:41:01.02
言っとくが、中島氏は大畑よりは上だぞw
0920名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:41:07.11
ふむふむ
0921名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:41:34.53
NGword推奨

中島氏
0922名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:41:48.31
「あ、そうなんだ! 共通点一個あったね。私はDEATH NOTEの主題歌を聞いて、ファンになったよ」
「ありましたね。そこからガクンと売れ始めた感じがします」
「いやぁ」と言いながら、小林真理は大きく背伸びをした。綺麗に毛が剃られた腋が目の中に入る。慌てて顔を逸らせた。
「よかったよかった、こうやって話せる人がいて。待ち時間暇しないよ」
「ほんとそうですね。僕も暇だったので」
「家どこなの?」
 僕はここから歩いて三十分かからない、自宅の住所を教えた。小林真理も住所を言ったが、それがどこなのかわからなかった。それを正直に言うと、小林真里は少し小馬鹿にしたような表情を浮かべた。
「あのねぇ、蒲田駅あるじゃん?」
「はい」
0923名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:41:55.32
ふむふむ
0924名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:42:07.33
「そっから自転車で十分ほど、こっちとは反対方向に行く感じ」
「あ、じゃあ、病院から結構近いんですね」
「遠かったら来ないよ」と小林真理は大きく笑った。どきりとさせられる。
「遠いわ何時間も待つわじゃ、近所のクリニック行った方がまし!」
「ほんとそうですね」
「渡辺君はスマホ?」
「はい、iPhoneです」
 これは……。
「LINEやってる?」
 もしかして……。
「やってますよ」
 来るか……?
「ID交換しない?」
 ビンゴ!
「も、勿論です。お願いします」
 お互いにスマホを出して交換作業を終える。
「まだ待つかなぁ」
「取り敢えず待合い戻って受付に聞いてみますか?」
「うん、そうだね。まだ待つなら、どっかご飯食べ行こう」
「あ、はい、ぜひぜひ!」
0925名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:42:38.44
 診察でさっきの話をすれば、間違いなくからかわれるだろうから、言わないでおいて、家に帰って、ちょっと意味がわからなくなった。素直に喜べない。
巷では彼氏にしたくない男ナンバーワンを長年キープし続けている僕に、綺麗な女性が話しかけてきただと? そんなことあるわけじゃないじゃないか! まったくもう……と、
部屋に敷きっぱなしの敷布団に寝転んで、煙草を吸っていると、鳴らなすぎて怖い、最新のiPhone使ってる意味あるの? いやあれは、宇宙人との連絡手段なんだよ、という都市伝説を生みだした僕のスマート・フォンが鳴った。同時に心臓が跳ねた。
 どきどきしながら確認すると、あの女性だった。しかし果たして、目に見えているものが、本当なんだろうか。液晶には、小林真理という表示がある。それはただの僕の願望であって、
実際は、アダルトのスパム・メールなんだ。ふん、そんなものに引っかかるほど、僕は落ちぶれちゃいない。
 僕はスマート・フォンを布団の上に投げ捨て、横になって、日課の読書に励むことにした。奥田亜希子の左目に映る星だ。毎月文芸誌を買うようになってから、色んな知らない作家を知ることができた。
その中には外れもあるが、当たりだってたくさんある。
0926名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:42:42.39
ふむふむ
0927名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:43:11.67
 部屋には時計がないので、どれぐらいの時間、読書に没頭していたかはわからない。
ちょっと休憩するか、と思った瞬間、スマート・フォンが激しく鳴り始めた。メールやLINEではなく、これは電話だ。
最近の僕は電話を知らないふりする傾向があるので、スマート・フォンを確認することさえしない。またもや読書に没頭していると、次は一度だけ鳴った。
僕の大切な読書タイムが侵される苛々で、つい確認してしまった。

 そこにはくっきりと三つ、小林真理と書いてあった。LINEメッセージが二回、LINE通話が一回。僕は指紋認証システムを使い、LINEを開いた――。

「渡辺君今なにしてる? 私ちょー暇!」
「忙しいの〜?」
 着信:一件
0928名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:43:17.97
ふむふむ
0929名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:43:48.07
 いったい全体、何が起きているんだ……? もうわけがわからない。これは現実なのか? 幻覚なのか? 妄想なのか? iPhoneを持っている右手が、小刻みに震えている。
目をつむって、一度だけ深呼吸をし、目を開く。何も変わっていない。つまり、これは現実だし、幻覚ではないし、妄想ではない。
 ふむ……。
 僕の頭の中に、僕Aと僕Bが現れた。
「ちょっと、何してるんだよ? あんな美人が、冴えないお前みたいな男に、連絡をしてきているんだぞ。
しかもLINEだけでなく、着信までも! 早く返事しないと、変に誤解が生まれるぞ!」と僕Aは言う。
「騙されないで! 僕Aは、あなたにどん底の絶望を味あわせようとしているのよ。
よく考えてもみなさい、あなたは美人から好かれる要素なんて、これっぽっちもないの! 騙されないで!」と僕Bは言う。
 思考をまとめるべく、煙草に火をつける。僕Aと僕Bが、頭の中で争っている。どちらの意見も、間違ってはいない。
少し言葉遣いが荒くて、少し僕を傷つけているだけだ。僕ならどちらを選択する?
「向こうは待っているんだよ。こういう時ぐらいしっかりしてくれよ?」
「駄目よ! 宗教かねずみ講の誘い、もしくは絵か何かを高値で売りつけてくるに決まってるわ」
0930名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:44:03.09
ふむふむ
0931名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:44:30.79
 僕はこれまで、かなりの辛酸を嘗めてきた。人間関係、特に女性関係で。DV男から逃げてきた女と付き合ったのに、結局DV男のもとへ戻られたり、
告白されたから付き合ったのに、「思っていたのと違う」と言われて振られたり、そもそも付き合ったのに自然消滅したり、絶対に浮気をするなと言った女性に、
逆に浮気されたり、浮気相手の子どもを身ごもられたり、告白されたから付き合ったのに、次の日にはもう他人になっていたり、好意を抱いていることを逆手に取られて、
色々利用した挙句、「私たちって、友達だよね」と言われたり、きりがないくらいに辛酸を嘗めさせられてきた。反吐が出るぐらいに。
 だから、女性関係に関しては、すごく臆病になっている。いや、それだけではない。
 もう一つは、僕は精神病で生活保護を受けている、ということ。どんなにイケメンであろうが、働いていない男に女性はなびかない。
いや、正確に言うとそうではない。それなりに歳を重ねて結婚を意識しだした女性は、働いていない男になびかない。三人目以降とは、
無職の間に知り合って、付き合った。若い女性ばかりだ。一度三十九歳の女性に勢いで告白したら、「働いていない人はちょっと……」と言われた。まあその歳ならね。
0932名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:44:36.96
ふむふむ
0933名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:44:52.64
 いや、単に、逃げているだけなのかもしれない。いろいろな理由を作って、自分が傷つかないようにしているだけ。男として、情けないを通り越している。
 もう逃げるのはやめよう。傷つかないように生きていくなんて不可能だ。何を恐れるものがあるか。今回が駄目なら次がある。……おそらく。
 僕はもう一度深呼吸をして、煙草を灰皿にねじ入れ、iPhoneを左手に持って、小林真理をタッチし、文字を打ちだした――

「着信に気づかなくてすみません!」
「いいよ〜。でももう薬飲んじゃったから、今日はできないわ〜」

 今日はできない? 今日は? ということは、今日じゃなかったらできるということか? 例えば、明日ならできるかもしれないということか? ふむ……。
0934名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:45:27.04
 それから他愛もない話が続き、終わった。僕は前述したように、女性に対して臆病になっているが、文字上なら話は別だ。
積極的な男を演じることができる。だから一つ約束をした。次の木曜日、診察待ちの間に食事に行きませんか? と――

 土曜日に友人のAがやってきたので、真里さんとの一部始終を説明した。するとLは少し興奮気味に、
「向こうから来たんだろ? だったら行けんじゃん!」と言った。
僕もそう思っていたが、一応のポーズとして否定しておいた。
「で、木曜日飯でしょ? どこへ行くか決めたの?」
「いや、診察待ちだしそんなに時間取れないし、金もないから、近場のファミレスでいいかな、と」
「いいねいいね、当然こっち持ちでしょ?」
「まあ、誘ったのはこっちだし、礼儀としてね」
「盛り上がって来たな!」
 しきりにAは楽しそうにしていた。
0935名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:45:32.97
ふむふむ
0936名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:46:01.12
 あんなにも木曜日が来ることを待ち焦がれていたのに、いざ当日になってみると、不安と緊張が体を支配していた。
アルコールでも入れたらましになるんだろうけれど、さすがに昼間っからは呑めないし、
一応薬の関係もあってアルコールは禁止になっているので、ばれると色々まずいことになる。
 十二時過ぎに家を出て、三十分近くかけて歩き、受付を通す。ざっと椅子を見渡しても、真里さんはいない。
早かったか? と思いながら、喫煙スポットへ行く。大量に並んだ自転車の隙間を通り、石壁にもたれかかって火をつける。
白い煙がゆらゆらと空へ流れていくのを見ていると、突然目の前に顔が現れた。僕は瞬間的に、殺される! と感じ、小さな悲鳴を上げた。しかしそれは、誰でもない、真里さんだった。
「びっびっ、びっくりしたぁ」
 僕が何度もその言葉を繰り返すたび、真里さんは腹を抱えて笑っていた。
 今日も、シンプルな薄着だ。Tシャツから白くて細い腕が伸びている。これも考えものだと思う。僕のように、生腕や生足に興奮する性癖の持ち主もいるんだから。
外を歩くだけで発情してしまう。
 腹痛い腹痛いと言いながらひとしきり笑った後、急に真剣な目つきになった。
「なんかさぁ、今日も結構待つみたいだよ」
「まあ仕方ないですねぇ」
0937名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:46:12.82
ふむふむ
0938名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:46:29.51
 僕は敢えて、先週の約束のことは言わないでおいた。これはある意味、生きる上での重要な作戦だ。なによりも、自分から言って拒否されるのが一番苦しい。
「だとしたら、時間どうやって潰そうかなぁ」
 白々しいまでのこの独白に、真里さんは一言、「覚えてないの?」と言った。完全に僕の作戦に引っかかった。約束事を忘れたふりをして、相手に言わせる。
相手が言ってこなければ、相手が忘れているか、ただの社交辞令かのどちらになる。しかし相手は言った。つまり、僕と食事へ行ってもいい、ということだ。
「あ、そうだ、食事でしたよね!」と、さも今思い出した、木曜日を待ち焦がれて指折り数えていたわけではない、あなたを特別視しているわけじゃない、
という思いが伝わるように言った。そしてすぐさま謝罪する。
「えぇ? 忘れてたの?」と、いたずらな目で僕を見る。……っ可愛いなぁ。
「いえいえ、忘れてませんよ。じゃあどこへ行きます?」
「まあいいけれどさ。……あそこのファミレスでいいんじゃない?」
「わかりました、行きましょう」
 二人並んで歩く。ぴったりくっついたり、手を繋ぎ合ったり、腕を絡ませたりすれば、彼氏彼女に見えるだろうが、悲しいかな、
会って二回目の僕たちの間には、四十センチ以上の隙間が空いている。
0939名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:46:38.68
ふむふむ
0940名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:47:01.55
 ランチ時なので、中はそれなりに混んでいた。しかし順番待ちをすることなく、席を案内される。四人席のソファー。向かい合って座り、メニューを二つ取って、片方を真里さんに渡す。
「あ、ありがとう」
「いえ。なににしようかなぁ」
 二人してメニューを開き開き、数十秒間食べたいものを探していると、ウエイトレスが、氷の入った水と、箸フォークナイフスプーンの入ったプラスティックの細長いケースを出してきて、
「今日のランチは、洋食が三番、和食が四番です」と言って去った。洋食の三番は、ライス、ハンバーグ・プレート、スープ・バー。
「じゃあ私は、洋食のランチにしようかな」
「僕もそれで。押しますね」と言って、呼び出しのブザーを押忍。しばばらくして、今度は別のウエイトレスが来た。「洋食の三番、片方ご飯大盛りで」と注文する。
「よし、スープ入れに行こうよ」
「わかりました」
 二人して、ドリンク・バーの横にあるスープ・バーへ行く。今日のスープは、とうもろこしと玉ねぎのコンソメ・スープだ。小さなカップにすくい入れ、席へ戻る。
その際、灰皿を二つ取るのを忘れずに。
0941名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:47:07.98
ふむふむ
0942名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:47:32.28
 煙草を吸い合い、他愛もない話をしていると、プレートが計四枚運ばれてきた。大盛りライス、ライス、ハンバーグ・プレート。プレートにはオーソドックスなハンバーグ、茄子とひき肉の炒め物、少量の刻んだサラダ。
僕はナイフやらフォークやらを使うのが嫌いなので、箸で食べる。食事の時は、目の前の飯を食べることだけに集中し、一気に済ませる。そんな姿を見た真里さんは、少しの驚きと少しの笑いでもって、
僕に、「もっと噛んで食べなくちゃ」と言った。口の中にハンバーグと米を押し込んだ直後だったので、それを咀嚼して飲み込んで水を一口飲んでから、「癖なんですよね」と、苦笑いを浮かべた。
 そんな真里さんは、ナイフとフォークを上品に扱い、一口サイズにしてから口へ運んでいる。真里さんが半分食べ終わる頃には、僕の皿は二枚とも空いていた。食後の一服をしたいところだが、我慢。
居酒屋は例外として、食事を続けている人の前で食後の一服をするなんて、マナーがなっていない。
 真里さんが食べ終わり、水を飲んで煙草に手を伸ばしたのを確認して、僕も煙草を手に取り、火を付ける。
「小林さんって――」と言葉を出そうとした瞬間、真里さんが煙草を持っていない方の手で僕を制した。
「そんな、堅苦しいじゃん。真里でいいよ真里で。私も透君と呼ぶからさ」と笑って言った。
0943名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:47:37.81
ふむふむ
0944名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:47:52.43
「じゃ、じゃあ、真里さんって、生まれは東京ですか?」
「うん、そうだよ。実家が蒲田」
「いいですねぇ、都会っ子ですね」
 田舎者の九割は、東京に憧れているというデータがある。自分で作ったデータだが。
「透君はこっちじゃないの?」
「いや、僕は生まれも育ちも兵庫ですよ」
「あっ、そうなの? その割には全然訛ってないじゃない」
「もう東京に来て六年ぐらいなので、さすがに薄れてきましたねぇ」
「なるほどねぇ。じゃあ一人暮らししてるの?」
 真里さんが、吸い終わった煙草を消す動作を眺めていた。
「そうですよ。バリバリ一人暮らしですよ。狭い狭いアパートで」
「へぇ、いいなぁ。私はずっと実家暮らしで、ストレス溜まるんだよね」
「まあそうですね、ストレスは溜まりますね。でも、洗濯や食事は家族がやってくれるから、その点で言えば、実家暮らしは楽ですよ」
「そうなんだよね、そこはありがたいよ。でもうるさいよぉ。もう結構な歳だからさ、顔合わすたびに、結婚しろ結婚しろって」
 情報一 結婚していない。入手。
「あぁ、結婚かぁ。僕ももう三十なんで、そろそろ親に言われそうな……」と言いながら、僕も煙草を揉み消した。
「透君は彼女いないの?」
0945名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:47:58.96
ふむふむ
0946名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:48:14.52
 この質問が来るのを待っていた。背中がひんやりとする。
「いるわけないじゃないですかぁ!」と、おどけながら笑って言う。
「いそうだけれどねぇ」
 一旦精神を落ち着かせるため、煙草に火をつけ、一口煙を吸って吐く。
「……そんな真里さんこそ、彼氏はどうなんですか?」
 この質問をする最中、ずっと煙草を挟んでいた右手指が小刻みに震えていた。
「いるわけないじゃん!」と、おどけながら笑って言った。
 その返事を聞いて、ほっと胸をなでおろしつつ、緊張しつつ、喜びつつ、「いそうですがねぇ」という言葉を絞り出した。

 そろそろ呼ばれているかもしれないので、店を後にする。僕が伝票を持って入口前のレジへ行き、財布を開くと、真里さんは、「私いくら?」と聞いてきたので、
「僕から誘ったんで、僕が出すのが普通ですよ」と僕が言うと、「いやいや、そこは年上の女性に任せなさい」と返してきたので、そこは素直に従っておいた。
0947名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:48:20.58
ふむふむ
0948名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:48:48.60
 病院へ戻ると、もう真里さんの番号は呼ばれていたので、受付で話を通し、並んで椅子に座った。お互いが、ファミレスで話したことを掘り下げないで、違う会話をしよう、と思っているのか、話題は趣味の方へ飛んでいった。
共通するもの、しないもの。しないものは相手が興味のないからしないわけなので、そんなに長くは話さない。
 二十分ほど話すと、真里さんが呼ばれ、五分十分で出てきた。さすがに診察が終わっても会話を続けることはしないだろう、と思っていたら、まさにその通りだった。なんでも、家の近所にあるデイ・ケアに通っているようだ。
いや、正確にすると、通いたくないのに無理やり通っているようだ。T医師はどう言っているのかはわからないけれど、どうやら両親が、週にニ、三日は行くように、と言っているようだ。
いくら病気だからといって、毎日毎日家でごろごろとされるのは、たまったものじではないのだろう。家にいるのがストレスと言っていたので、家を離れて、デイ・ケアでいろんな人と交流するのもいじゃないですか、と言うと、
デイ・ケアはデイ・ケアで、ストレス溜まるのよ、と返してきた。そういえば、そのあたりの身の上話をしていなかったな、と少し反省。
「僕はまだ呼ばれそうにないので、ここで読書でもしてます。まあ嫌でしょうが、デイ・ケア頑張ってください」
「うん、わかった。今日はありがとうね、じゃあまた」
 最後に、「こちらこそ、楽しかったです。また飯行きましょう」と言うのを忘れずに。
0949名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:48:53.26
ふむふむ
0950名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:49:29.68
 色々あって、もう自分から女性に向かっていくことはしなくなった。どうせ頑張ったところで、痛い目をみるのは自分だ。思い返せば、元々の性格がそうだった。
小学生の時は別として、中学生の時も、高校生の時も、その後も、自分から向かって成功した試しなんてない。前述した通り、辛酸を嘗めてきたから、という理由ではなく、
根本的なところの問題だ。友人が、「あの子絶対お前に惚れてるよ」と言おうが、向こうから迫ってきて、その勢いで僕の部屋に泊まろうが、そんなわけがない、あるわけがないと、シャット・アウトしてきた。
元々持って生まれたものが違う。日本には、目に見えるヒエラルキー――つまり身分や階級の制度がないが、目に見えないヒエラルキーはある。地位、仕事、金、そして見た目。
僕にはそのどれもが備わっていない。一言で言えば、負け組だ。負をを持って生まれた負け組は、どう足掻こうと、負け組にしかならない。鳶が鷹を生むわけがないのだ。海老で鯛を釣るなんてことは不可能だ。
そして負け組として生まれた者は、負け組として人生を終える。そこに光はない。ただひたすら――闇だ。
 人は綺麗事を言う。努力がすべてだと言う。夢が大切だと言う。……ふざけるな。
0951名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:49:35.45
ふむふむ
0952名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:49:53.52
 深夜、睡眠薬を飲んでも眠れず、ひたすらそういうことを考えていた。
考えても答えは出ないことは重々承知であるはずなのに、考え続ける。
しかし、今は違った。一つの答えが出た。いや――出さざるを得なかった、と言ったほうが正しいかもしれない。
0953名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:50:00.84
ふむふむ
0954名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:50:24.38
 真里さんの連絡先を削除することを決めた。人並みの幸せを手に入れることは不可能だ。煙草に火をつけて、削除ボタンを押そうとした瞬間、真里さんからLINEメッセージの着信があった。
「夜中にごめんね。もう私、死んだほうがいいのかな」
 煙草が敷いたままの布団に落ちて、丸い焦げを作った。僕は慌ててそれを拾い、口に咥え直し、なんて返信するかを考えた。足りない脳みそをフル稼働し、考えた。
真里さんは、こんな僕に、助けを求めている。それなのに僕は、自分の勝手な考えで、真里さんを突き放そうとしていた。真里さんは、自分の人生を終えようとしている。
だとしたら僕はなにをすべきか? どうにかして真里さんの思考を、生に変えるべきだ。いや、それが正解なのだろうか? 終えようとしている人を、もう一度レールに乗せることが、
そうやって強引にすることが、幸せなのだろうか。真里さんを助けたい、そう思うことは、ただの傲慢なのではないだろうか。
 でも僕は、真里さんに死んでほしくはない。煙草を灰皿にねじ込み、iPhoneの通話ボタンを押した――
0955名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:50:28.72
ふむふむ
0956名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:51:07.14
 呼び出し音が一回、二回、三回、四回、五回、六回、七回、八回、九回、十回、十一回鳴った。真里さんは出ない。十二回、十三回、十四回、そして十五回目で、呼び出し音が止んだ。
 無言の時間が、何秒、何十秒、何分経ったかわからない。僕は意を決して言葉を出した。
「ま……真里、さん? 大丈夫……大丈夫ですか?」
 反応はない。
「大丈夫ですか?」
 反応はない。
「今から……今から会いませんか?」
「……ごめんね……」
 ようやく反応があったその言葉は、僕が求めていないものだった。
「今、どこにいるんですか……?」
「自分の部屋だよ……」
 次いで出てきた言葉に、ようやく僕は安心した。少なくとも、今すぐ発作的に行動を起こすことはなさそうだ。
「今から会いましょう! どこでもいいですよ、どこにでも行きますよ!」
「うん……ありがとう」
「住所を教えてください、近くまで行きます」
0957名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:51:15.44
面白い
0958名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:51:45.38
>>934
Aと話してるのにいきなりLが話しかけてきてるが
いきなり誰だよLて
クッソワロタ
いきなりデスノートとか、こわいわw
0959名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:51:47.10
 焦りが、語尾を強めていく。どうこう考えている場合じゃない。今すぐに真里さんに会わないと、僕は死ぬまで後悔する。なんだっていい……なんでもいいから、
会話を続けて、落ち着かせて、話はそれからだ。以前の僕もこうだった。そして、友人たちに救われた。それと同じことを真里さんにするだけだ。
本人にとってなにが幸せなのか、そんなことわかるわけがない。僕にとってなにが幸せか、それだけを考える。傲慢だのどうのこうの、そんなことは今必要じゃない。
僕にとっての幸せは、どんな形であれ、真里さんが生き続けることだけだ。
 なにをすべきか、ようやくわかった気がする。
「真里さん、住所を教えてください」
 何度この言葉を言っただろうか。ようやっと、真里さんの口から、住所が告げられた。僕はそれを頭に叩き込んで、すぐに行くとだけ告げ、電話を切り、すぐにタクシーを呼んだ。
0960名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:52:03.99
面白い
0961名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:52:35.71
 一人でタクシーに乗ったのは、三十年間生きてきて初めての経験だった。後部座席から少しだけ見える運転手は、僕の父親ぐらいの年齢の顔つきをしていた。気軽に僕になにかを話しかけてきていたが、
そんなとりあえずの会話が、今の僕の頭に入るわけがなかった。大通りを走り、知らない道を走り、いくつかの信号で止まり、何度か右折や左折をし、やがてタクシーは静かに止まった。
金を払い、タクシーを降りる。住宅街だ。東京なのだから当たり前の話だが、いかにも金を持っていそうな、上流階級向けの住宅街。家の形は大体同じようで、大きな玄関の横には駐車場があり、
高級車と数台の自転車が止まっている。家は三階建が多い。
 真里さんに電話をかけると、数回の呼び出し音の後、止んだ。
「あ……もしもし? 真里さん?」と呼びかけると、「あなたが透君?」という声が聞こえた。真里さんの声ではない。なんといえばいいだろう……もう少し年上の女性の声だった。僕は少し面食らったが、
真里さんの姉かなにかだろうと頭の中で整理をした。今はそんなことはどうでもいい、真里さんの無事を確かめることが先決だ。
「真里さんは無事なんでしょうか?」
「うん、大丈夫」と声の主は言った。とりあえず安心した瞬間、汗が一気に吹き出た。情けないような声を漏らし、地面にへたり込む。
「あなたは今どこにいるの?」
「おそらく、家の外にいます」
「今から行くわ。じゃあ、切るわね」
0962名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:52:44.93
面白い
0963名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:53:06.94
 急激に煙草が吸いたくなり、ポケットを探る。くしゃくしゃになったパッケージに、一本だけ入っていた。しかしライターを忘れたので、口に咥えたままぼうっとへたり込んでいた。
 とある一軒家の玄関に明かりが灯り、大きな扉が開いた。最後の力を入れて立ち上がり、声の主を待った。出てきたのは、思った通り、真里さんより年上の女性だった。
部屋着のまま出てきたという感じで、緑色のTシャツに、下は灰色のスウェット・パンツ。髪の毛は金色に近い茶色で、後ろでまとめている。背は、百七十近くあるだろうか、僕より高い。
化粧はほとんどしていないようだ。僕の姿を確認すると、微笑みつつ右手を上げ、僕を家の中へ招き入れた。左手の指には、火をつけたばかりの煙草が挟まっている。
0964名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:53:14.72
支援
0965名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:53:46.91
 玄関は広かった。きっちりと整理整頓されており、真里さんのの匂いがした。間違いなくここは、真里さんの家だ。入って左にすぐ階段があり、右手に廊下が伸び、その先には木とすりガラスの扉があった。女性は僕が咥えたままの煙草に火をつけてくれ、
「とりあえず、奥で話をしましょう」と言った。廊下を抜け、扉の先には、オープン・キッチンがあり、木でできたテーブルと椅子があり、奥にソファと三十インチ以上の大きな液晶テレビがある。
女性がキッチンの前にある椅子に座ったので、向い合せになるように座った。テーブルには、ガラスの灰皿以外になにもない。女性は思い出したかのように突然立ち上がり、冷蔵庫からアイス・コーヒーを取り出し、
続いて食器乾燥機から洗いたてのグラスを手に取り、僕にそれを振る舞った。頭を下げてそれを受取り、一気に喉へ流し込む。あまりにも冷たくて、美味しかった。
 女性はそんな僕をみてにこりと笑った。そしてその表情を崩さないまま、静かに言った。
「もう二度と、真里に会わないで貰いたいの」
 僕は静かにため息をついた――


続く
0966名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:54:26.31
中島氏のを劣化させたような駄作だよなw
加齢臭だけ受け継いでるわ
0967名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:55:29.11
超連載小説 超戦士ジャップマン
第七レツダン
第一話 ジャスティスの誕生

第一話
0968名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:55:39.81
支援
0969名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:56:07.46
 いくら四月も半ばを過ぎようとしていても、早朝、かすかに残る寒さのせいで毛布から抜け出せないでいた。けたたましい音が鳴る目覚まし時計を毛布から伸ばした右手で止め、そのままごそごそと動かして煙草を手にする。
首から上だけを毛布から出し、煙草を咥えて火をつける。目覚まし時計の針は七時を指している。
気合を入れ毛布を体から剥ぎ取り、咥え煙草のままユニットバスへ向かい、放尿を済ませる。手を洗いユニットバスから出、部屋へ戻る。
五畳の部屋はパソコン、テレビ、ゲーム機、本棚が溢れている。部屋の片隅に乱雑に置かれている、何度洗っても汚れが取れない青い作業着を取り、スウェットを脱いで着替える。
また今日も残業だろうな、と思うと、気が滅入って大きなため息が漏れた。
0970名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:56:14.12
支援
0971名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:56:38.06
 五畳五万六千円、ユニットバスのアパートから自転車を走らせること十分のところに工場はあった。従業員二十人程度の零細企業だ。そこで僕は機械オペレーターの仕事をしている。
働きだしたのは二十五歳の頃だから、もう勤めだして五年になる。従業員は全員僕の先輩で、後輩は一人もいない。新しく従業員を雇い入れることをしないのだ。
門を抜け工場内へ入り、右に進むと自転車置き場がある。そこに止め、目の前にある階段を上ると事務所がある。ドアを開けると既に事務の中年女性二人が事務椅子に座って世間話をしている。
僕は挨拶を済ませるとドアの横にあるタイムカードを機械に通し、階段を下りた。階段の下に小さな喫煙所がある。ドアを開けると田中さんが丸椅子に座っり、スポーツ新聞を読みながら煙草を吸っていた。僕は挨拶をした。
0972名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:56:44.85
支援
0973名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:57:13.57
「おお、タダノヒトか。おはよう。巨人勝ったで」と新聞からは目を離さずに言った。年齢は三十八歳。薄くなった髪の毛が頭皮にわかめのようにへばりついている。
座っているせいもあるだろうが、腹の贅肉がこぼれんばかりにむき出しになっている。出身は関西の方らしく、上京して二十年近くにもなるのに関西弁が抜けずにいた。僕は田中さんの隣に座り、煙草に火をつけた。
「あれ、田中さんって巨人ファンでしたっけ?」
「それ以前に野球に興味あらへんがな」
「そうですか」
 しばらくの沈黙の後、「ちわーっす」と言いながら金髪長髪の斉藤さんがやってきた。僕より一つ年上の三十一歳。
若かった頃の栄光が忘れられないのか、作業着の前のボタンはとめず、両耳にはピアスを何個も飾り、傷んだ毛先を指でいじっている。
三人座ればいっぱいになるほどに喫煙所は狭い。
「今日も残業っスかねぇ?」と斉藤さんは煙を吐き出しながら言った。
「せやろなぁ。社長も従業員もっと増やせばええのに。どんだけケチやねん」とやはりスポーツ新聞からは目を離さずに言った。
「タダノヒトさぁ、煙草一本くれよ」と斉藤さんは右手を差し出してきた。仕方なく一本やる。
0974名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 13:57:17.44
支援
0975名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:57:48.39
 僕の名前は只野比呂だが、これといった特徴も無く、根倉で、ただ家と工場の往復だけで、彼女なんてもう七年いないという理由から、タダノヒトと呼ばれている。
この仕事だって好きで選んだわけじゃない。早くに父を亡くしたせいもあって、大学には行かせてもらえず、高卒で働くことになったのだが、この不況で仕事があるわけもなく、
仕方なく営業職に就いた。それが間違いだった。超絶ブラック企業で、僕は入社二年目でうつ病を患った。そしてクビ。それからバイトを転々とし、
この仕事に就く二ヶ月前に母を亡くし、さすがにぷらぷらしているわけもいかず、取り敢えずこの仕事を選んだ。給料だって安いし拘束時間も長いけれど、
この歳で転職なんてできるはずも無いから、仕方なく続けている。
「そろそろ行こか」と田中さんが言うので、僕と斉藤さんはそれに続いて作業場へと入っていった。
0976名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:57:56.17
支援
0977名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:58:19.09
 油と汗にまみれながら午前中を終わらせ、楽しみの一つである昼食の時間となった。食堂は無いため、会社がまとめてとっている四百五十円の日替わり弁当と自販機のお茶を手に取り、
道路を挟んだ向こう側にある小さな公園で昼食を取る。田中さんと斉藤さん以外の従業員は高齢のため、僕と話が合わないのであまり話をしたりしない。弁当を食べるのも田中さんと斉藤さんと一緒だ。
 五十代の作業員鈴木さんは携帯ラジオを聴きながら弁当を食べるのが日課だ。白髪頭は殆ど禿げ上がり、同じく白い髭はただ伸ばしているだけ。贅肉はついておらず痩せている。
そのラジオを何とはなしに耳に入れながら、田中さんと斉藤さんと話していると、突然ラジオから大きな笑い声が聞こえた。全員がラジオを見た。
「ははははははははははは!」
「なっ、何をしているんだ君は!」
「うるせぇ! 死ね!」
 銃声と女性の悲鳴が聞こえた。
「あー、あー、聞こえているか愚民共。先代ジャップマンが魔界の扉を封印して二十年、遂に効果が切れた。俺の名前はワルイー・ヤーツー。
暗黒魔王サイキョウ様の封印を解いて日本を崩壊させる。まずは大阪だ」
 僕は慌ててポケットからスマホを取り出し、ワンセグを開いた。矢部首相が汗をハンカチで拭きながら立っている。画面には「緊急記者会見」と書かれている。音量を上げた。
0978名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:58:25.31
支援
0979名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:59:16.46
「皆さん、落ち着いてください。これは新手のテロです。我々は米国と手を組み――」と言ったところで画面が切り替わり、砂嵐になった。
「諸外国と手を組むと日本を丸ごと消滅させる。飛行機、船で海外へ誰か一人でも逃げた場合も同じだ。そうされたく無ければジャップマンを差し出せ」というところでテレビが切れた。
 ジャップマン? ワルイー・ヤーツー? 暗黒魔王サイキョウ? 何を言っているんだ? これは夢なのだろうか? いや、夢じゃない。
従業員たちは全員箸を止めてただ茫然と座り込んでいる。と、田中さんが突然立ち上がった。
「お、お、大阪が崩壊って? え? え? どういうこと? 俺の実家大阪なんだけど?」
「事務所にテレビがあるから行くぞ」と従業員の一人が言うと、僕たちは小走りで事務所へ駆け込んだ。
0980名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:59:23.70
支援
0981名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 13:59:46.77
 テレビはどれも同じ映像を映している。火の海となった大阪だ。逃げ惑う人々、崩れゆくビル。阿鼻叫喚とはこのことをいうのだろうか。こういう時どうすればいいんだ? 助かる方法なんて無い。ジャップマンがどうとか言っていたけれど、何が何やら……。そうだ!
「お母さんに電話しよう」
 取り敢えず無事であって欲しい……。そう願いながらスマホをポケットから取り出した。何度か鳴った後お母さんが出た。
「比呂!」
「お母さん!」
「無事で良かったわ」
「お母さんこそ」
「緊急事態だから手短に言うわね……」
「何?」
「さっきのテレビ観たでしょ? ジャップマンがどうとか」
「僕には何のことかさっぱりわからない」
「――あなたなのよ」
「え?」
「あなたがジャップマンなのよ。話は後で。家に帰ってきなさい!」
0982名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:00:43.56
支援
0983名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 14:00:58.32
母が一人で住む都営住宅は、僕のアパートから自転車で十五分ほどのところにある。六畳一間で床にはカーペットが敷いてある。母は僕に座らせ茶を出し、自分はというと押入れをごそごそとやっている。後姿が疲れて見える。もう五十五歳だもんな。
「お母さん、何をやってるの?」
「これよ」と腕時計のような物を差し出してきた。
「こ、これは……?」
「あなたにはいつか話そうと思っていた。……只野の家系は日本を守るスーパーヒーロー超戦士ジャップマンの家系でもあるのよ!」
「え? ヒーロー? 超? ジャップマン?」
 混乱している僕をよそに、母は続ける。
「二十年前、お父さんが亡くなったのを覚えているわよね?」
「そりゃ、覚えてるよ。交通事故で――」母が遮った。「違うの!」
「ち、違う……?」
「お父さんは敵を封印するために……死んだのよ」
 正直話についていけない。しかし物事はそんな僕をよそに猛スピードで進んで行く。
「ジャップウォッチをつけなさい」
 言われるがままに時計を腕に嵌める。
0984名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 14:15:33.73
規制されたかハゲw
0985名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 14:26:09.07
支援
0986名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:27:49.99
支援
0987名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:29:58.22
「超戦士ジャップマン参上! と叫びながら時計の真ん中のボタンを押しなさい」
 少し恥ずかしいが今はそんなことを言っていられない!
「ちょ、ちょ、超戦士ジャップマン参上!」
 すると僕の体を虹色の光が走り、作業着が消え、代わりに黒色の全身タイツが体を包み込んだ。両腕と両足には鼠色のグローブとブーツが装着されている。
『只野比呂様……イエ、代三十二代目超戦士じゃっぷまん様、私ハすーつニ内蔵サレテイルAI、えれくとろにかト言イマス』という声が直接頭の中に響いた。
「エレク……トロニカ?」
「ジャップスーツにはAIが入っていて、導いてくれるのよ」と母は言った。
「じゃあ、ぼ、僕が……その、超戦士ジャップマンになって、あの悪い奴らを倒せ……ということ?」
「そうなるわ」『ソウナリマス』
 一体……どうなっているんだ……?
「じゃあ後はエレクトロニカの指示を仰ぎなさい。私は寝るわ」
 そう言ってお母さんはカーペットに横になった。そしてすぐにいびきが聞こえてきた。
「エレクトロニカ、僕が第三十二代超戦士ジャップマンということはわかった。でも、僕はこれといって特徴も特技も力も無いし頭も弱い、ただの一般人だよ。あの……何だっけ」
『わるいー・やーつーデスカ?』
0988名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 14:30:30.12
「そう、それ。勝てる訳が無いじゃないか」
『わるいー・やーつーハ暗黒魔王さいきょうを復活サセルノガ目的デス。ソレマデニわるいー・やーつーヲ倒セバイインデス』
「いや、だから、どうやってそいつを倒すんだよ!」
 僕が地団駄を踏むと部屋が揺れた。壁がドンドンと鳴り、隣から「うるせぇぞ!」と怒鳴り声がした。僕は小声で「何か武器とか必殺技とか無いの?」と言った。
『じゃっぷまん様、武器ハアリマセンガ安心シテ下サイ』
「ぶ、武器も無いのにどうやって!」
『じゃっぷぱんちトじゃっぷきっくデ敵ヲ地獄ニ落トスノデス!』
「ジャ、ジャップパンチ? ジャップキック?」
『説明シテイル時間ハアリマセン。トリアエズあぱーとヲ出マショウ』
 僕は言う通りに部屋を出て階段から外を眺めた。外は人で溢れかえっていた。「大阪が潰されたら、次は東京だろ!」とおじさんが叫んでいる。
しかし逃げる場所は無いのだ。ワルイー・ヤーツーが言っていた。「諸外国と手を組むと日本を丸ごと消滅させる。飛行機、船で海外へ誰か一人でも逃げた場合も同じだ。
そうされたく無ければジャップマンを差し出せ」と。と、いうことは――。
「するってぇと何かい? 僕がジャップマンだとアピールすれば、ワルイー・ヤーツーのところに行けるってことじゃねえか」
0989名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2017/09/19(火) 14:32:07.97
「そういうことになるウホという男の叫び声がして、次いで人々は叫び声を上げて逃げ惑う。
都営住宅の駐車場にとめてあったワゴン車が上空へ吹き飛んだ。一台では終わらず、次々と車が上空へ吹き飛んでいく。
凄まじい爆発音が鳴り響き、煙が充満し、人々と駐車場を包み込んだ。そして最後の一台はまるで狙っているかのように、僕の方へと吹き飛んできた。
「ヤバいよエレクトロニカ! 車が吹き飛んできた!」
『じゃっぷばりあヲ使ッテ車ヲ止メルノデス!』
「ど、どうやって!」
「じゃっぷばりあト叫ンデ手ヲカメハメ波ノ様ニ目ノ前ニ出シテ下サイ!』
0990名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:32:16.89
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0991名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:32:54.38
 言う通りにした。すると吹き飛んできた車――黒のアコードだ。そういえば、と思い出す。
僕が七年前に付き合っていた女の元カレが黒のアコードに乗っていたな。付き合って半年して元カノの家に遊びに行ったら、
家の駐車場にとめていたその黒のアコード内で元カレと元カノがセックスをしていた。そして別れた。思い出すだけでムカムカしてくる。
ワルイー・ヤーツーを倒したらその元カレも地獄に叩き落してやろう――が空中で停止した。
『ソノママ手ニ力ヲ入レテ下サイ!』
 はっ! と力を入れると、空中で停止した黒のアコードが逆再生されるかのように元の場所へと吹き飛んでいった。そして大きな爆発音がして人々が阿鼻叫喚、
逃げ惑い、黒のアコードの残骸から煙がもくもくと立ち上り、「フフフ、そんな攻撃では私は倒せんウホ」と叫び声が聞こえた。
『コレガじゃっぷばりあトじゃっぷかうんたーデス』
「凄いな……無敵じゃないか!」
0992名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:33:19.51
「無敵ではない! そんな攻撃では私は倒せんよと言ったウホ」
 僕は慌てて階段を降りて駐車場へ行き、黒のアコードの残骸へ走り寄った。すると黒のアコードが空中浮遊した。
いや、違う! 黒のアコードの後ろには何者かが――煙が立ち上りシルエットしか見えない――立っていて、持ち上げているのだ! 煙が徐々に消えていくと、三メートル程のずんぐりむっくりしたゴリラが姿を現した。
「ゴ、ゴリラ!」と僕が叫ぶと、「ゴリラではないウホ! 怪人キング・ゴリラだウホ!」と声が聞こえた。
そして持ち上げた黒のアコードを都営住宅の壁に投げ捨てると、大きな音を立てて黒のアコードが爆発した。あれが元カノの元カレの車だったら良かったのに。
人々は逃げ去って、僕と怪人キング・ゴリラ以外誰もいない。
「か、怪人! キ、キング・ゴリラ!」
「そうだウホ!」
 ゴリラが喋っている。どこからどう見てもゴリラだ。胸を両拳で叩いてアピールをしている。どこからどう見てもゴリラだ。
「バナナを食べるかい?」
「うむ、バナナは好きだウホ」
 やっぱり……ゴリラだ。
0993名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:33:27.69
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0994名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:33:45.90
「ジャップバナナ!」と僕は叫んだ。しかし何も出ない。『ソンナノアリマセンヨ』とエレクトロニカが言った。やっぱりね。
「怪人キング・ゴリラめ! 僕が超戦士ジャップマンと知ってのことか!」と、さっきの技――ジャップバリアとジャップカウンターだ――で少し強気になった僕は叫びながら怪人キング・ゴリラを指さした。ぼ、僕、恰好良い!
「フフフ、知っているウホ。ワルイー・ヤーツー様からのご指示で、貴様を倒しに来たウホ」
「ゴリラごときが僕に勝てると思っているのかぁ?」
「ゴリラではないウホ! 怪人キング・ゴリラだウホ!」
0995名無し物書き@推敲中?
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2017/09/19(火) 14:34:08.15
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2017/09/19(火) 14:34:27.32
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2017/09/19(火) 14:34:36.61
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2017/09/19(火) 14:34:43.39
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2017/09/19(火) 14:34:52.97
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