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>カナダで狩猟を生活の一部としていた鈴原冬二は…日本に帰国し独裁者としての頭角を現す。当初は挑戦的な
CMを出し注目を集め、世界経済が恐慌に向かい日本が未曽有の危機を迎えると政治結社「狩猟社」を結成し大
衆の支持を集めるようになる。国内の敵対勢力を手段を選ばず叩き潰し…まず自衛隊にダミー・クーデターを起
こさせ国会議事堂、首相官邸などを占拠させた。それから間もなく人質の解放と武装解除の交渉のためにテレビ
に登場し…。「愛と幻想的のファシズム」 >政治的な小説を書くとしたらそれは大作になるけど、
大作なんかにいきなり挑んでしまうと、いろいろとダメージが大きいからw
とりあえず作品タイトルでも考えていたらどうか? あまりにも良いタイトルが
思いついてしまったとしたら、パクられる心配もなきにしもあらず(?)なので、
適当なところ=仮題でも可とか、はどうだろうか。 >>5
イデオロギーの対立が鮮明となったころ、一部の運動家たちが武器を集め始めた、という情報がある月刊誌から漏れだしたのは三月のなかばで、
それは私が高校を卒業する時期と重なっていた。それから一年も経たないうちに国内は内戦状態に陥ることになる。
年が明けても景気が悪く、政府の支持率もかなり低いまま、二十二歳の男に九人もの女性が殺され、
頭部を被害者家族に送りつけたあの猟奇的殺人事件の報道が、暗い気分に追い打ちをかけた。
時を同じくして、革命思想のある左翼団体の存在が、社会でちらほら取り沙汰されるようにもなる。
このような情勢のなか、私はなんとか大学受験を終えた。
マクロとかミクロとか以前に、なにを伝えたいのかいまいちよくわからなかったので少しだけ直しました。
それと、「猟奇的殺人事件」「この」とか、同じ言葉の繰り返しが多すぎるのが気になりました。
「月刊の週刊誌」はもしかしてギャグ? とりあえず書いてみた。こんな書き出しはどうか?
掴みはオーケー?
1/3
「ボブ・ディラン好き」和恵は私に、そう云ったようだった。大学の講義前の講堂はほぼ満員であり、ワイワイガヤガヤ周りでしゃべる人間の声が煩くて、本当に和恵がそう云ったのか定かではないので、私は「ボブ・ディラン?」と聞き返した。
「そう、ボブ・ディラン、聴く?」と今度は、確かにそう云った。
「ああ、あのノーベル文学賞の……」
「そう、聴く?」
「いや、あんまり知らない」私は正直に答えた。
「じゃあ、ビートルズは?」
「ビートルズは多少聴く」
「ビートルズの中で誰が一番好き?」
「え?」
「まさかリンゴスターじゃないよね」和恵は人懐っこく笑った。
私は少し考えて「ポールかな」と答えた。和恵は、それを聞いて合点がいった、というように深く頷いて「智輝らしい」と呟くように云った。
和恵との会話は、講義が始まったのでそこで途切れたが、私はあとでポールとジョンの存在について考えてみた。
和恵が云わんとしていることは何となくわかった。ジョン・レノンも結局一周して「イマジン」に辿り着いたわけだから、初めからポールみたくいればよかったのに、私はこう考えた。
ところで和恵はジョンとポール、どちらが好きなのだろう?そのようなことを考えながら、
退屈な比較文化論の講義に耳を傾け、私は大学ノートに講義内容を書き写すことに意識を集中させた。 2/3
和恵と私との出会いは、今から二週間前に遡る。我々は大学の社会思想史の小川ゼミで知り合った。
我々の大学では一回生からゼミがある。普通大学のゼミというと三回生四回生が、就職や進学のために専門の教授について研究をしていくのが通常である。
私の大学は、一回生二回生の時にクラス分けを行う。このクラスを小ゼミと呼んで、三回生に所属するゼミを本ゼミと呼んでいるのだ。
この小ゼミのクラスで私と和恵は出会った。我々の小川教授のゼミには、二十七人もの学部生が所属しており、
この大所帯のゼミをさらに三〜五人の班に分けて前期にそれぞれの班でレジュメを作成させ、プレゼンテーションを講義の時に発表させる。この班分けで私は和恵と同じ班になった。
私の班のプレゼンテーションの日取りは五月の初めである。大学のカリキュラムがスタートして、今現在は四月中旬。
そろそろ我々もレジュメに取り掛からなくちゃならない。その相談をこの午前中の講義のあと、班の連中でランチを取りながらするのである。
退屈な講義の間、私は隣にいる和恵のことを考えていた。まだ知り合って間もないが、この子は今付き合っている人がいるのか、そのことを聞こうか聞くまいか、私は迷っていた。 3/3
講義が終了し、我々五人は食堂のあるラウンジへ移動した。
今講義が行われたB党を出ると、春の麗らかな空気が私を包み込み、何だか幸福な気持ちになった。
陽射しは草木国土をあまねく照らし、暑くもなく、寒くもなく、絶妙な雰囲気を醸している。
いくぶん強く吹く風に抵抗して歩いていると、すっかり散ってしまったソメイヨシノの葉が目についた。小さいが濃い色の葉は、まるで赤ん坊のようだった。
私は今、人間と季節の真っ只中にいた。これから何か始まるのか、春の陽気のせいで胸が躍る。
我々五人はラウンジに入ると向かい合わせになって座った。そこでランチをしながらの談話が始まった。
「何でもそうなんだけど、一つところに密閉されると、そこにあるものは腐るんだよ」
吉田は持ってきた果物をタッパーから出しておもむろにフタを開けた。タッパーの中にはリンゴと梨が四つずつ入っていた。
その一つをプラスチックの白い楊枝にさしてモグモグと咀嚼し始めた。私はこの吉田の一連の動作を何となく眺めながら、次の言葉を待った。
「物はね、常に空気に触れて移動していないと腐るの」吉田はシャリシャリと音を立てて果物を飲み込んだ後に云った。
「なるほど、松山も腐ったってこと」私は返事の代わりに吉田の云わんとすることを要約して言ってみた。
「つまりね、人も動かなければいつか腐る」
「熟成するとも言うけどね」和恵が口を挟む。
「松山はいったいどうなったんだろうな」内藤が続けて云った。
「あいつ引きこもって妄想してそうだよな」私がそう言った後に話の主導権は再び吉田に戻った。
あいつ人生哲学みたいなこと言ってたけど、結局物が腐っていくみたいに、だんだんと精神病っぽく妄想が酷くなっていってんだよ」
松山というのは四年浪人して、この大学に入ってきた仙人と称される小川ゼミの再重要人物だった。
入学後のオリエンテーションの時からその発言や言動がとにかく目立っていた。
その奇抜というか、個性的といおうか、強烈なキャラクターに二十歳前後の私たちは少なからず驚嘆した。我々と班は違えど、彼は話のネタは尽きなかった。 >>19
>「何でもそうなんだけど、【ひとっところ】に密閉されると、そこにあるものは腐るんだよ」
>「物はね、常に空気に触れて移動していないと腐るの」
これは間違った知識だろw 密閉が足りないから空気にに触れて酸化がはじまり、有機物はやがて
腐敗するんだろ? 缶詰のことを考えればわかるだろ? 諺としても科学としても正しいのは
「流れぬ水は腐る」だよ。
って、まあこんなことはただのミスだから訂正してすれば良いだけ。あるいは比喩で語ろうと
する必要もないから削除してしまえば済むよ。
※【】内は校正 漢字なら【一つ所(処)】が良い
文章アップロード 乙
Keep going! >あいつ人生哲学みたいなこと言ってたけど → あの人、人生哲学じみたことさかんに語ってたけど
>「なるほど、松山も腐ったってこと」 → 「なるほど”松山さん”も腐ってしまったってこと?」
>「松山はいったいどうなったんだろうな」→ 「松山さんはいったいどうなっちゃったんだろう?」
>「あいつ引きこもって妄想してそうだよな」 → 「なんでもあの人、引き篭もりで妄想の中に生きてた人って聞いたよ」
>だんだんと精神病っぽく妄想が酷くなっていってんだよ → ここ数日で急にわけわかんなくなってきてたんだってよ、もともとイッちゃってたんだな
>小川ゼミの再重要人物 → 小川ゼミの最重要人物
>二十歳前後の私たちは → まだ十代の私たちから見れば
>我々と班は違えど、彼は話のネタは尽きなかった → 小ゼミの班は違えど、松山さんは我々につねに話のネタを提供してくれていたのだ。 1/3
リライト
「ビートルズは好き?」
市原和恵は私に、そう云ったようだった。講義がはじまる直前の大講義室はほぼ満席で、学生たちがてんでに喋
る声が高い天上で一つになり落ちてきていた。
私は「ビートルズ?」と聞き返した。
「そう、ビートルズ、聴く?」
「ビートルズってあのビートルズ…」
「そう、聴く?」
「いや、あんまり」私は正直に答えた。
「ふうん」 和恵は私がビートルズの名前にたいして反応を見せないのに少しがっかりしたみたいだ。
「好きな曲はあるよ」と私は慌てて付け加えた。
「好きな曲って、全部いいじゃん…じゃあビートルズの中で誰が一番好き?」
どうやら和恵はビートルズは”神”系の洋楽ファンみたいだった。
「ポール? ジョン?」
私は少し考えて「リンゴスターかな」と答えた。
和恵との会話は、講義が始まったのでそこで途切れたが、私はリンゴスターの存在について考えてみた。
わりと真剣に。 3/3
>講義が終了し、我々五人は食堂のあるラウンジへ移動した。 →
講義が終わると、我々五人は学生食堂とは棟続きの2号館5階ラウンジへと移動した。
【読後感想文】
3/3 の冒頭部分「講義が終わり、我々五人は」を小説の書出しにしたらどうだろうか。
まず、「我々五人」とは誰と誰のことを指すのだろうか、講義とはどんな専門分野のものなのだろうか(当然、社会
思想史概説であるのだがw)、そしてラウンジ(休息用談話スペース)に移動した我々は何をしようとしているのか。
といった「問い」を読み手に抱かせる効果(ツカミ)があるはずだから。
以下のお花畑的な文言からなる感性を表現したいなら、例えば「ゼミの名物男」の口から語らせるとか、相対化する努力をした方がいい。
なんだか主人公がバカみたいに見えるぞw 春のキャンパスの情景描写をさらっとだけで、あとは割愛した方がいいと思うが…
一応、リライト案を出しておこう。
>春の麗らかな空気が私を包み込み、何だか幸福な気持ちになった。 →
渡り廊下に出たときにーー桜はすでに散っていたがーー春の風が私の身体を包み込んだ、その感覚がまだ残っていた。
>陽射しは草木国土をあまねく照らし、暑くもなく、寒くもなく、絶妙な雰囲気を醸している。 →
「陽射しは天地草木をあまねく照らし、寒暖の差これなく、見よ!この絶妙たる雰囲気の醸し出さるるを」と松山さん言った。
>私は今、人間と季節の真っ只中にいた。これから何か始まるのか、春の陽気のせいで胸が躍る。 →
「人間と季節の真っ只中に」と松井さんは叫んだ。言葉の選び方がいちいち大仰なのだ、このうんと歳上の同級生は。 評価してる人、マジレベル高いな。
ひとつひとつ納得してしまう。
俺もお願いしようかしら 自分が書いた文章の「原作者」(著者)という意味だろ?
群像スレで、リライトされた文章がまた別人にリライトされて、リライトの
レスに「ダメ出し」が入って、リライトした奴が「知らねーよ、原作者に聞けよ」
とか、そんな展開があったからw オリジナルを書いた人が「原作者」と名乗って
、混乱が起きないようにしてんじゃないかな。 アドバイスなら、原作者の個性を殺さないようにした方がいいと思うけど。 そりゃそうだけどw
でも、同級生仲良しグループって、ぜんぜん違うとはいえやっぱり「多崎つくる」を連想しないわけに
はいかないし、大学キャンパスで、知り合ったばかりの女子学生とビートルズ談義って、「ノルウエイの森」
丸出しと言う奴がいても擁護できないし、なんで一周回った「イマジン」がポール・マッカートニー
のいる「振り出しに戻る」のかわけがわからないし(知ったかと思われるのは小説書きにとっては
致命的だし、若い子に読ませるセンスを疑われかねないし)
大学入学早々、ギャルと知りあいになり、麗しい春の陽に幸福感半端なし! とか書いてある
上に、ディランとビートルズなんだぞw
それに松山というゼミ生は、ゼミの最重要人物というが、そんなものはたかだか4浪とかに
すぎんときてるし、東京芸大油絵学科ならいざ知らず、ただの多重浪人生上がりにすぎんじゃ
ないか(こんなFラン大学に4浪! とかいう主人公の自嘲とか入ると相対化されるかもしれん
がw)。
まあしかし、メジャー文学新人賞スレではないんだから、文章修業の観点からのみ評価する
べきじゃないかなと思うがな。傾向と対策なんて関係ないスレなんだから、良いところを伸ばし
なよ、と言ってもなあ…。
まあしかし文章を創作するのは難しいけど、読み手は気楽なもんだし、作文する比べれば、
感想をカキコするのはそれほど難しいことじゃないからね、だから作者はいちいち傷つく必要
はないんだよw ビートルズか何か知らんがロックバンドのメンバーなんて語る価値が全くないから
題材のミスチョイス
読んでないけど自分で読んで面白いと思うかどうか
自分の胸に聞いてみろ
話はそれから 評価対象の文章はどれなわけ?
スレタイのとおりに機能しているとは思えない >>37
>評価対象の文章はどれなわけ?
>>16
>>17
>>19
の「原作者」氏がアップした文章だよ。
でも、2ちゃんなんだから、他の人も自作の文章をどんどんアップしたらいいんだよ、もしそうしたいんなら。
>スレタイのとおりに機能しているとは思えない
スレタイのとおりに機能してないとして、そうさせるにはどうすればいいのかな? >>39
添削する側はボランティアなんだから無理
はい終了 意味がわからん。
みんな好きでスレに来ているだけだろ、誰もボランティアじゃねえしw 金がもらえるのでなければボランティアと言っても間違いじゃない
いくら投稿しても、ちゃんと添削してくれる、する能力のある他人がいないと成り立たない
だから無理 >>39
少なくとも俺は読んでて勉強になってるんだけどな
自演疑惑が出て悪かったな >>43
旧2ちゃんだぞ、むちゃな「正論」はくなよw
スレに顔出す者同士でやるだけじゃないか。ほかにどーしようがあるんだ?
まあこういうネガティブ・レスを含めて旧2ちゃんなんだから、なんでもいいんだけどw 大畑もちょっとした文章アップすりゃあ荒らしにはならんよな。そのかわり前に書いたものじゃなくて、今書いてよこせよ。 >>45
出来ることがあるとしたら、ちゃんと添削する人間が来るのをひたすら待つことだろうな
来る度に気に入らないといって追い出していたら、ただ待っているだけのスレになるが >>47
まだ立てたてほやほやのスレで、46レスしか消化してないから、簡単にロムれるだろ?
どのレスが「来る度に気に入らないといって追い出」すように読めたんだ?
まあこたえなくてもかまわないんだけどw ちょっとそう思ったから。 言葉は道具にしか過ぎない
文体だけ磨くことは何の意味も持たない
認識を磨くことこそが小説修行である >>49
切れない包丁で美味い料理は作れない。
道具を磨くことも大切。 なんで群像やすばるで二十年一次も通らないやつに添削してもらわなあかんねん。
免許のない医師が患者治療してるようなもんやで。
書いてるやつ死んでしまうわ。 >>53
公募にすら出したことないヤツ、長編を書けないヤツよりはマシかなと いや、マシも何も両方同じじゃん
そんなん比べてる時点で…… プロット公開しても注目度ゼロだし、宣伝してるの本人でしょw >>56
宣伝する必要ってある?
勝手に名前だして騒ぐ連中がいるのに そもそもやっぱりひとつくらい最終くらい残ってないと、ツイッターやフェイスブックで自分の宣伝する資格はないよな。 実を言うと、現在、北日本文学賞と群像新人文学賞に原稿を送っているんだけど、両方厳しいかもしれん。
先ず北日本文学賞は、日本語の間違いと意味の通らない箇所が、自分で読み返しただけでも4箇所ある。
北日本みたいな堅い文学賞ではちょっと致命的かも。
正解「へたり込む」を「へたれ込む」と書いて送った。
あとは「気温が低い以上に向かいから吹く空っ風が藤波の行く手を阻んでいる」という意味の通らない一文
を書いて送ってしまった。
物語的には良いものを書けたとは思う。
そもそも全部書いて、さあ送ろう、という日になって四百字詰原稿二十八枚分しかないことに気づいたから、締切日に無理に二枚付け足して送った。
もう最後は本当にいい加減に見直して送ってしまった。
それから群像新人文学賞に送った原稿は、正直物語性が薄い。これについても反省しているが、もう次の作品を書き始めている。 書いていてわかる。自分の原稿、推敲の回数増やさないと、日本語として細かい間違いや誤字脱字が多いです。
できれば編集やっている知り合いも欲しい。自分で気づかない部分も多い。 >>17
2/3
>和恵と私との出会いは → 和恵との出会いは(or 和恵と私の出会いは)
>普通大学のゼミというと → 普通、大学のゼミというと、
>研究をしていくのが通常である。 → 研究をしていくものだろう。
>この大所帯のゼミをさらに三〜五人の班に分けて前期にそれぞれの班でレジュメを作成させ
→この大所帯のゼミを三〜五人の班に分けた上で、前期にそれぞれの班にレジュメを作成させ、
>プレゼンテーションを講義の時に発表させる → プレゼンテーションを行わせる >>62
寄席用語の「へたれ」というのもあるから、それで間違えたのかも知れないが、動詞としては同じ「へたる」だか
ら、まあ「り」と「れ」のミスタッチとみられるかもしれないし、審査を左右するような大きなミスじゃないよ。
俗っぽい表現としてスルーされるかもしれないし。 >>62
>「気温が低い以上に向かいから吹く空っ風が藤波の行く手を阻んでいる」
「向かい風で、かつ空っ風」という表現は、ちょっとこなれてないかもね…、「気温が低く&アゲンスト」というのが困難さの度合いを強めているわけだから、
ぜんぜん意味が通じないことはないと思うけど…しかし前後関係に置いてみて、あきらかに意味がつながらないとしたら問題だね。 ありがとう。ちょっと安心した。
昨日の会話文、推敲、改変しました。
1/2
我々五人はラウンジに入ると向かい合わせになって座った。そこでランチしながらの談話が始まった。
「何でもそうなんだけど、水は流れずに一つ処に留まると腐る。物もそう。使わずに置きっ放しにしていると劣化していく」
吉田は持ってきた果物をタッパーから出しておもむろにフタを開けた。タッパーの中にはリンゴと梨が四つずつ入っていた。
その一つをプラスチックの白い楊枝にさしてモグモグと咀嚼し始めた。私はこの吉田の一連の動作を何となく眺めながら、次の言葉を待った。
「物はね、一つ処に留まっていると劣化を早める。食べ物は時間が経つと腐るの」吉田はシャリシャリと音を立てて果物を飲み込んだ後に云った。
「なるほど、松山さんも腐ったってこと」私は返事の代わりに吉田の云わんとすることを要約して言ってみた。
「つまりね、人も動かなければいつか腐る」
「熟成するとも言うけどね」和恵が口を挟む。
「松山さんはいったいどうなっちゃったんだろうな」内藤が続けて云った。
「あの人、引きこもってんのかなあ」私がそう言った後に話の主導権は再び吉田に戻った。
「あの人、人生哲学みたいなこと言ってたけど、所詮は引きこもりなんだよ。あの人の部屋見たことある?
物が散乱していて足の踏み場もないワンルームに暮らしているんだぜ。
なんでこんな散らかっているんだってくらい物が散乱している部屋で、寝っ転がって毎日、考えごとしているらしい。
あんな部屋に暮らしていたら人間が腐っちまう。結局物が腐っていくみたいに、あの人も腐っていったんだよ」 2/2
このメンバーのなかで、唯一松山さんの暮らしているアパートに足を踏み入れたことのある吉田の話を、みんな興味津々聞いていた。
松山さんというのは四年浪人して、この大学に入ってきた仙人と称される小川ゼミの最重要人物である。
入学後のオリエンテーションの時からその発言や言動がとにかく目立っていた。
その奇抜というか、個性的といおうか、強烈なキャラクターに二十歳になろうかという若い私たちは少なからず驚嘆し、影響を受けた。
我々と班は違えど、彼に関する話のネタは尽きることはなかった。
松山さんは一週間は、真面目に大学に来て講義を受け続けていたが、最近、姿を見たものはいない。小ゼミは先週も今週も休んだ。
「いくらなんでも(大学)辞めないだろ」と内藤が言うと「辞めないよ、休んでるだけだよ」と小坂という女が続けざまに言った。
「物は腐る」吉田は、まだ同じようなことをしつこく繰り返して言った。 >>67
1/2
>我々五人はラウンジに入ると向かい合わせになって座った。
【感想】なんか変だよ。五人グループの描写で、わざわざ「向かい合わせになって座った」と書く必要があるとは思えないもの。好意を感じている女子学生の向かいに座った、
とかなら描写の必然性があるかもしれないが、5人が交わす会話は、座席の位置関係はほぼ関係なく書かれているし。それならさらっとラウンジの描写を入れたほうが良くな
いか?
リライト例:昼どきのラウンジは混んでいたが、我々は運良く窓際のテーブル席に空きを見つけることができた。
>そこでランチしながらの談話が始まった。
【感想】「談話」という表現が適切でないというか、浮いている。 >>70
まあ、味のない一節だけど、エンタメ小説ならオーケーかと。
描写はやはり、ここの部分詳細な方がいいのかな。 >>70
君は何か書いてるの?
いや、冷やかしではなく、相当な実力者な感じがするから、読んでみたいなと。 >>68
やっばり「最重要人物」が引っかかる。
地の文だし、皮肉で言ってるなら「」付けた方がいいし、
あえてその表現使う必要なくね? >>67
1/2
>吉田は持ってきた果物をタッパーから出しておもむろにフタを開けた。
【感想】「おもむろに(徐に)」という表現がひっかかる、というか、不必要な修飾語を入れない方がいいよ。
この応募作品の作者はをどのような意味で使っているのか? ということを選考委員が指摘しかねない言葉だぞ、「おもむろに」は…。
例えば→吉田はリュックからおもむろに半透明の小ぶりなタッパーを取り出した。これならまだ収まりがいいと思うけど。蓋をあけるのに「おもむろに」なんて修飾をつけて、
しかも内容物は意外性ゼロのフルーツだろ…。例えば→浦島太郎は乙姫からもらった玉手箱を取り出して、おもむろに(ゆっくりと)蓋を開けた。なら開封に重大な意味を含
む表現になるけどw >>67
なかなか面白そうな話だと思う。
でも、>>70の言うことに同意!
そしてラウンジと、ランチ、談話
この言葉が変。しっくりこない。 1929年2月3日、ドイツのデュッセルドルフ。
女性事務員フラウは深夜、帰宅途中に何者かに後ろからいきなり首を絞められ、気を失った。気がついた時は病院のベッドで手当てを受けているところだった。
頭には24箇所も鋭利な刃物で刺された傷があり、中でもこめかみに受けた傷はひどく、脳髄(のうずい)が見えていたほどだったという。
所持品は何も取られていないし、性的暴行も受けていない。ただ、襲われて重症をおわされたのだ。
その五日後。今度はローズという名の幼い少女が街はずれの建築現場で死体で発見された。服に乱れはなく、レイプされた形跡はない。
首を絞めて殺された後、頭を13個所も鋭利な刃物で刺されていた。
先のフラウ殺人未遂事件と手口がよく似ていることから警察は同一犯として捜査を始めた。
三人目の犠牲者となったのは男性だった。55歳のエルドルフという機械工で、深夜、酒に酔って公園のベンチで寝ているところを襲われた。
いきなり刺されたらしく、犯人と争った形跡はなない。頭部と上半身に20個所の刺し傷があった。凶器は鋭利な刃物かハサミのようなものらしい。所持品は何も取られていない。
四人目はエルナという16歳の少女だったが、犯人にいきなり首を絞められ、仰向けに転(ころ)がされた時、エルナは必死に抵抗し、犯人の顔をツメで思いっきり引っ掻(か)いた。
一瞬犯人がひるんだ隙に何とか逃げ出し、これは未遂に終わった。 このエルナの犯行があったのは4月2日。そしてその翌日にはまたもや女性が襲われた。
同じように首を絞められて失神し、草むらを引きずられて行く時、彼女は意識を取り戻した。
恐ろしくて声が出なかったが、襲われる直前、犯人は突然走り去っていったという。
直後に数人の足音が聞こえたので彼女は大声で助けを求めた。おそらく犯人は人の気配がしたので何も出来ずに逃げ去ったのであろう。これも未遂に終わった。
そして7月にも同じく三件の絞殺未遂事件が起きた。襲われたのはいずれも女性である。
7月30日には35歳のエマという女性が、アパートの自室で絞殺死体となって発見された。
三人が殺され、四人が未遂に終わった。犯行の手口はどれも共通している。
相手を絞殺し、頭や上半身を刃物でメッタ刺しにするのだ。犯人は被害者から何も奪わないし、レイプもしていない。
では動機は何なのだろうか。警察は捜査本部を設置し捜査を進めたが、何ら有力な手がかりは得られなかった。 これら一連の事件の犯人は、同じデュッセルドルフ市内に住むピーター・キュルテンという男である。
キュルテンは当時47歳。妻は3つ年上で50歳。この時点ではキュルテンはまだ捕まっていない。
キュルテンは工場で働く平凡な男で、妻は飲食店で深夜の清掃をする仕事をしている。
礼儀正しく、優しい口調で話す紳士的な男・・それが周囲の人々の、キュルテンに対する印象だった。
このデッュセルドルフで、連続殺人事件に世間が震えあがっている時期、妻が深夜の仕事帰りが怖いというので、キュルテンに迎えを頼んだことがある。
「ねえ、今日の帰りは仕事場まで迎えに来てくれない? 連続殺人の犯人って、人を殺して血を吸うっていう噂まで流れてるし、私怖くって・・。」
「心配ないよ、お前が襲われることは絶対にない。それでも怖いというのなら、今日は迎えにいってあげよう。」 妻の仕事は、夜に出勤して深夜に帰宅する。妻が出かけてから、キュルテンは獲物を求めて夜の街を徘徊(はいかい)するのだ。
逮捕された後にキュルテンは殺人についてこう語っている。
「人を殺したいという衝動が日に日に増していった。特に、捕まる前の数ヶ月間はひどかった。この衝動は人を殺すまで決しておさまることがないのだ。
人間の首を絞めている時、私は絶頂感を感じて射精する。その後、死体を切り刻んでいる時、オルガズムに達することもあった。」
「ある時、少女をハサミで刺し殺した。こみかみの傷から鮮血が吹き出ていて、その血を吸った瞬間絶頂感を感じ、射精した。」
キュルテンはほぼ生まれながらの犯罪者に等しい。17歳の時、窃盗で刑務所に送られてからは刑務所を出たり入ったりで、
17歳から38歳までの間に3回刑務所に入っている。この間に一般社会で過ごしたのはわずかに二年足らずだった。
「刑務所に送られるたびに私は社会に対しての憎しみを増していった。私はまるで刑務所に入るために生まれてきたようなものだ。
極悪人の父の魂が私の中に入り込み、盗みや放火、殺人などをやらせるんだ。社会に出たら、思い切り残酷な犯罪を犯して世間の奴らを驚かせてやる。
そういう空想をするのが獄中での楽しみだった。」 機械工エルドルフ殺しについては次のように告白している。
「2月12日の夜8時ごろ家を出てから三時間ほど獲物を探したが、見つからなかった。
帰ろうと思っていたところで、公園のベンチでイビキをかいている男を見つけた。酔ってここで寝ているらしい。
私はハサミを取りだし、男のこめかみを思い切り突き刺した。深く突き刺したので、ハサミが抜きにくかったが、やっと引っこ抜くと、鮮血が噴き出した。
男はうめき声をあげながらベンチから転がり落ちた。その後、男の首と頭をハサミで突き刺した。傷口から鮮血が吹き出る光景を見たとたん、絶頂感を感じて射精した。」 8月8日に殺害した少女マリアに関して。
「その日は誰かを殺そうという意思はなかった。ただ、道端のベンチに座っていると一人の少女が近づいてきた。
私は外見的には穏やかな紳士に見える。子供が好感を持つのも当然だ。牧場へ行ってみないかと誘うと、うなずくので、二人で出かけることにした。
牧場から続く林の中を歩いている時、私はこの子を殺そうと決めたのだ。私は少女の首を絞めて失神させるとハサミを首に突き刺した。
意識を取り戻した少女が『殺さないで。』と懇願(こんがん)したが、私はハサミを心臓に突き刺した。勢いよく鮮血が吹き出た。これでやっと死んだ。
死体をどう処理しようか、あれこれと考えた。そうだ、死体はどこか見晴らしの良い場所に埋めて、これから時々その場所に散歩に来ることにしよう。
自分の思いついた素晴らしい考えに胸がドキドキした。少女を埋めた場所へはその後、30回くらいは訪れた。
この下に自分の殺した少女が眠っていると思うと、なんとも言えない落ち着いた気分になるのだ。」 >>67
1/2
>タッパーの中にはリンゴと梨が四つずつ入っていた → リンゴと梨が四切れつずつ
【感想】この描写にも違和感が。梨と林檎が4個ずつ、ってw。四切れじゃね? 楊枝で食べてるし。それに林
檎は時差出荷あるけど、四月の大学キャンパスが舞台なのに「梨」…。秋の季語だろ、まあ小説は俳句じゃない
けどw季節感がもたらす小説的効果はバカにできないぞ。 時季的に千疋屋とかにいかないと「美味しい梨」は手
に入らないんじゃないの?(吉田は自宅生で、母親がタッパーを持たせたのか? 裕福な家庭のマザコン設
定?) それともシロップ漬けなのか?
くだらない細部を指摘しているように受け取られるかもしれないけど、なんかいちいちひっかかるんだよね、こ
の文章…。読者にいらぬ気を遣わせないに越したことはないよ。まあしかし、第一稿に比べてずいぶんこなれて
きてると思うよ。 レスアンカーだけ書いて何か言ったつもりになっている奴っているよな。
とにかく俺の言う事が気に入らないもんだから
何とかして俺のレスを無効化してやりたいのだが、
かといってどこにツッコミ所があるのか具体的に指摘出来ないし
俺と正対して論破出来る知識も自信も無い、
何より自分の無知を曝け出す結果となって
かえって自分が周囲の嘲笑の的となってしまうのが怖い。
そこで、とりあえず無言でレスアンカーだけを付けておく事で
「こいつイタイなw晒し上げw」と必死に周囲に印象付けようとする。
具体的指摘を伴わない無言レスアンカーなら
自分の勘違いだったところで自分はちっとも傷付かずに済むからな。
肝心のどう“イタイ”のかについては周囲にお任せ。
きっと読んだ人それぞれが頭の中で勝手に考えてくれるさ!!
俺には、無言レスアンカーからは
「ママ、こいつをやっつけてよ!」という悲痛な叫びが聞こえてくるね。 怒らないでマジレスしてほしいんだけど
なんでこんな時間に書き込みできるわけ?
普通の人なら学校や会社があるはずなんだけど
このこと知った親は悲しむぞ?
現実見ようぜ /. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
丿 `| (( _゛_i__`' (( ; ノ// i |ヽi. _/| _/| / | | ― / \/ | ―――
/ i || i` - -、` i ノノ 'i /ヽ | ヽ | | / | 丿 _/ / 丿
'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ >>67
1/2
>内藤が続けて云った → 内藤が続けて言った
その上にある「云わんとすること」も気になるけどw >>67
1/2
>モグモグと咀嚼し始めた。
>シャリシャリと音を立てて
オノマトペは効果的につかわないと、文章力を低くみられかねないよ、
っていうのはよく言われる文章作法の基本だよ。果たしてこれでいいのかな? >>68
2/2
>小川ゼミの最重要人物である → 小川ゼミの「最重要人物」である
>地の文だし、皮肉で言ってるなら「」付けた方がいいし、
>>73 の人の指摘にある通り、いろんな意味で「重要人物」というニュアンスがほしいね。 >>84
>なんでこんな時間に書き込みできるわけ? 普通の人なら学校や会社があるはずなんだけど (…)
↓
なんでこんな時間に書き込みしてるわけ? 普通の人なら日曜日で学校や会社は休みのはずなんだから
(2ちゃんなんかに張り付いてんなよ、このことを知ったら親は悲しむぞ、素晴らしい天気の週末じゃないか) エンタメ脳だと松山さんの説明は名前が出たすぐあとなんだけど、エンタメ脳じゃないと違うの? >>89
/. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
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'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
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/ヽ ヽヽ、___,;//--'";;" ,/ヽ、 ヾヽ >>72
>君は何か書いてるの?
自分は小説書きじゃないよ。このスレには「【偽】文藝編集者」のつもりで書き込んでるw
やってることは「原稿チェック」といって、とりあえず「気がついた」「気になる」箇所を
拾い上げる、ごく基本的な作業だよ。 だからまったく「添削」「作品評価」といった作業
とは別物だよ。まあ「感想」くらいは言ってもいいだろw なんか、>>76 〜 >>81 まで凄そうなテキストがアップされているね!
これはオリジナルの文章なのか、何か既存の文章の引用・抜粋を貼っているだけな
のか、さっと読んだところでは判断がつかないな。 「言う」と「云う」については、既出だよ。
結論はどちらでもいい。
知恵袋では、このように言われている。
主体がいう場合には「言う」
客体がいう場合には「云う」
芥川龍之介のそんなのおかまいなしに「云う」を連発させていたが。
タッパーに四切れのリンゴとするのは、確かに正しい。ただ、4つでもいいんじゃないかなあ?
4つだと丸々四つ入っていたかどうか、普通の人なら読み飛ばすだろう。四切れ入っていた、だとリズムが悪い気がする。どうしても駄目か? 間違っているか? >>93
>ペーター・キュルテン wiki
ああ、世界の猟奇事件で実話なのかw 原テキストはどれなんだろ、ネットにいっぱいあるねw
>>76
>襲われて重症 → 重傷
>>79
>夜に出勤して深夜に帰宅する → 妻の仕事は、夜勤の清掃婦。夜明け前に帰宅する
>>79
>刑務所を出たり入ったりで、 17歳から38歳までの間に3回刑務所に入っている。
【感想】入獄・出獄の頻度や、服役回数、刑期、シャバでの時間の釣り合いが少し不自然に感じる >>95
まあまあ、作者としてはそういう考えだろうね。原稿チャック後、著者打合せ、という偽編集者
的には、作者の意向が優先されるから、こちらとしてはこれ以上何も言うことはないけどw
ただ、「私は返事の代わりに吉田の云わんとすることを要約して言ってみた」で、先の「吉田の云わんとする」は語源と整合性が
あるからいいけど、後ろの動詞は「言」という表記を使っているんだから、どちらかに寄せないと「不統一」と思う審査員もいないとも限
らないぞ。近代文学はそのあたりが自由だけど、同じように自由に使うのは、へんに文学趣味っぽい書き手なんだな、と思われるのがオチだよ。
りんごとなしが四つずつ、が作者の正解なら、スルーが結論になるだろうけど、
それよりも「モグモグ」はどうかなw この箇所は誰が読んでもナイーヴなオノマトペの使用だぞ。
まあ誰かもうひとり別の人物に意見を聞くにしくはなし、だけどな。 「言う」は、言葉にして言う場合のみに使い、
「云う」には、伝えるというニュアンスを込める場合に使う。
わたくし芥川龍之介はこうして使い分けている。
が、凡人には理解できず恣意的に使っているから困りものである。 1
その路地は東武スカイツリーラインの春日部駅東口のロータリーのドラッグストアの入っているビルを左に曲がるとある。
春日部の中でも古い街並みの道路の脇に、ひっそりとした佇まいで、飲み屋が何軒か軒を連ねて営業している、街の中のエアポケットの様な空間だった。
以前、たこ焼きを買いにこの路地の前を走っていたら、古い映画の看板がいくつか並んでいるのを見かけた。
昔、春日部に二軒の小さな映画館があった事へのオマージュだという。
路地の角にはスナックかれんと言う小さな新しい看板のスナックがあり、前から気になっていた店だったから、俺は日曜の黄昏時にその店を訪ねてみた。
俺は27歳、東京の電子専門学校を出て、大手町でスマホアプリの開発をやっている。春日部出身で、高校は清和高校を出た。
高校生の時は美術部で油絵を描いていた。高校を出て、何度かの恋愛をし、手痛い失恋をしてからは、仕事に逃げ込んでいた。
たまに息抜きでバイクでこの辺を流している。実家住まいだけれど、そろそろ東京にマンションでも買って自立しようか、そんなことを考えている。 2
今日は飲むのだからバイクで来るわけにも行かず、バスで春日部駅東口のロータリーに降りたって、ドラッグストアの脇を抜け、スナックかれんのドアの前に立った訳だ。
ドア横の看板が路地全体の雰囲気から比べるとかなり新しく見える。新装開店したばかりなのかもしれない。 新しめのドアを引いて中を見て入った。薄暗い店内はこぎれいで、やはり最近新装した店なんだ、と思った。
「いらっしゃいませ、はじめまして、ね」とカウンターの向こうに立つママらしき女性が立っていた。
「まだ早いから準備があんまり進んでいないんだけど。ビールにする?」
俺は店内を見渡し、カラオケセットや、ホステスだろう髪の毛を染めた若い女の子を発見しつつカウンターに座って言った。
「ああ、まずまぁビール。生中で」
「ありがとう。この辺じゃ見かけない顔ね。よその人?」
「え、いやぁ豊町に住んでいる」
「そう、私たちは杉戸から越してきたのよ」
「この店はじめたの最近?看板が随分新しいから」
「ええ、 1ヶ月前に新装開店。はいビールとお通し」 3
差し出されたのは小鉢の枝豆とビールの入ったジョッキだった。一口飲んで、枝豆を頬張った。ママは妙齢で、30代前半に見える。
奥のテーブルでおしぼりを巻いているホステスの女の子は20代前半に見える。二人の関係は?と言う所にも興味があったし、最近はパソコンとスマホにのめり込んで生きていたから、女性との会話が新鮮だった。
なのでカウンター越しのママからまず話しかけてみた。
「ママ?名前なんていうの?」
と軽く名前を聞いて見た。ママとおぼしき女性は右手を腰に当てて、笑顔を含ませて言った。
「私の名前はとりあえず店ではあんず。そっちの女の子はトモ。姉妹なのよ」
「へー姉妹でやってる店か。いや、最近女性と口聞く機会無くて新鮮だよ」
「あら、彼女とか居ないの?」とお通しを作りながら、目線はこっちに投げかけて、あんずママが言う。俺は見栄を張る訳にもいかないので、正直に答えた。
「 いや、一年前に痛い失恋してから、女性には興味無くて。仕事に打ち込んでいるんだよ」
「あら、いい男なのに、もったいないわね。どんな失恋?」
「そうそう、どんな失恋?」といつの間にかトモちゃんが隣の席に座って、会話に入って来た。 新しいテキストのエントリーきたーーー!
>>99
1
その路地は東武スカイツリーラインの春日部駅東口のロータリーのドラッグストアの入っているビルを左に曲がるとある。
【原稿チェック】
・結構長い「文」の中に一つも「読点」がないのはちょっと…。二行目はちゃんと読点入っているので、やはりあった方がいいと思う。
・の+の+の+の と続いているので、できれば3連「の」程度で止めたいところ。まあ第1稿ではよくあることだから、推敲しよう。
例:その路地は、東武スカイツリーライン「春日部駅」東口のロータリーに面した、(1階に)ドラッグストアが入ったビル(の角)を左折したところにある。 だん‐わ【談話】
[名](スル)
1 話をすること。会話。はなし。「なごやかに談話する」「談話室」
2 ある事柄に関して、非公式にまたは形式ばらずに意見を述べること。また、その内容。「首相の談話」
上記の使い方、間違ってなくねえか? 食堂で会話する大学生で語彙的に談話というワードは変すぎる
その爺さんの時代の語彙だと思う そうか? 談話という用語はアベックみたいなものなのか? 若者は談話しないのか? 意味的に間違いではないけど、若者は談話していたとか談話しようとか言わないから違和感はあるってことでしょう! >>100
2
>あった事へのオマージュだという。 → あったことへのオマージュだという。
>スナックかれんと言う小さな → 路地の角には「スナックかれん」という小さな
>今日は飲むのだからバイクで来るわけにも行かず、→ 今日は飲むのだからバイクで来るわけにもいかず、
>ロータリーに降りたって、 → ロータリーに降り立って
>前に立った訳だ。 → 前に立ったわけだ。
>新しめのドアを引いて中を見て入った。
【原稿チェック】
・ト書き的というのか、なんとなく座りの悪い描写に感じる…。
>カウンターの向こうに立つママらしき女性が立っていた。 → カウンターの向こうにママらしき女性が立っていた。 >>101
3
>一口飲んで、枝豆を頬張った。 → 一口飲んで、枝豆をつまんだ。
>二人の関係は?と言う所にも興味があったし、→ 二人の関係は?という所にも興味があったし、
>なのでカウンター越しのママからまず話しかけてみた。 → (俺は)カウンター越しにまずママから話しかけてみることにした。
>と軽く名前を聞いて見た。 → と軽く名前を聞いてみた。
>笑顔を含ませて言った。 → 微笑みながら言った。 705 名前: ◆hiyatQ6h0c [] 投稿日:2017/11/19(日) 21:07:26.17
今見てきたけど
酷評スレの人って大江健三郎とか
どう判断するんだろうか。 >>101
3
>俺は見栄を張る訳にもいかないので、正直に答えた。 → 別にここで見栄をはることもないな、と思って、俺は正直に答えた。 >>99 〜 >>101
【読後の感想】
春日部という街、はじめてひやかしてみる路地のスナックなど、そのローカル性を帯びたテイストに魅力を感じて読み始めたが、
すぐに語り手=主人公の「俺」がほぼ略歴のような自己紹介を地の文で手短かに終わらせてしまったので、ちょっと興ざめして
しまった。せっかくスナックでの客とママとの会話を書いているのだから、ママとのやりとりの中で、少しずつ「俺」がどうい
った男であるのか、垣間見えるような展開なら、物語の始まりにふさわしいテンションを維持できたのではないか。春日部とい
う舞台設置のローカル性もほとんど描かれていないのも、いかにも勿体ない。
聞かれてもいないのに「痛い失恋」をしたなどと、俺が語り出すも滑稽な気がしたが、その恋がどんなに「イタかった」のか?
という一点で読者の興味を繋ぎ止めることができるわけだから、とりあえず「スナックかれん」の夜が更けるのを待とうと
思い直した次第…w 一人でいる時の場面から二章を始めようと思います。
どうぞ批評してください。
1/2
雨の日に、ドラム式洗濯機の前でゴワゴワという音を立てて、回っているのを私はなんとなしに眺めていた。
窓を見ると雨脚が強まって、先程のシトシト雨からサーッという雨音が聞こえてきた。空模様は暗かった。
このゴワゴワとした乾燥機の音と、サーッという音が混じり合って、私は何故かアフリカのサバナみたいな乾季と雨季を繰り返す土地の晴れた日を連想した。
アフリカのサバナなんて行ったことないけど、乾燥機と雨音と湿気が相まって、私にそのような乾燥した土地の風土を思い起こさせたのだろう。
今日は、大学の講義をすべて欠席して、一切部屋から出ずにいようと決めていた。大学の講義といっても木曜は三コマしかない。
今日の講義のなかに単位取得必須の教養課程の講義が一コマあるけどなんてことない。欠席一が付くだけで、あとで清水にノートを見せて貰えば、
試験はパスできるだろう。必修課程を休んででも、私には精神的な休養が必要だった。
都会に暮らしていると物事が目まぐるしく変わって、時々立ち止まって考えないと心労が祟って身体を壊しかねない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています