東京創元社の『ミステリーズ! 新人賞』ってこのスレでいいんだろうか。
今年度の受賞作、斎藤飛鳥「屍実盛」読了。

胴体のみの五つの屍から、本物の斎藤実盛の胴体を見つけ出すという導入は面白いけど、遺体候補を絞っていく過程がなんかあっさりというか手抜きというか。
いくら塩漬けとはいえ死後数か月たった死体をそれほど「検屍」できるのかという疑問もある。ミステリのロジックとしては弱点がある。

ただ選考委員の米澤氏が言っていたように、ある登場人物(実在)の一人の行動(史実)の「謎」というか動機を含めれば、一篇の小説としての評価はあがる。