無知蒙昧の人がいますね。謙虚さがないのであまり教えたくもないですがペイフォワードしておきましょうか。

読書が必要なのは技術的な習得はもちろんですが、大事なことは「空気」を読むことです。
簡単に言えば「流行を知る」ということですが、読書というのは実のところマイナーな世界なので流行というほどのものではありません。読書好きの狭い世界です。

だからあえて例えるなら、コアなサッカー好きが集まっている中で、事情をあまり知らないド素人がやってきてサッカーを語るのに等しいのです。
ボールを蹴ったり走ったりするのは誰でもできますから、ルールさえ覚えればサッカーくらいできる、「俺は絶対にできる」と豪語しているようなものです。
呆れますね?

サッカーでも縦パス一本だったら笑われるし、一選手のドリブルばかりでも面白くありません。
「文体とパスの精度」などという本もありましたが、他人の巧さを知らなければ、自分の技術がどれだけのものか、自分では全く判断できないのです。

具体的にいえば、異世界ものが流行っているのを知らずに異世界ものを書いて、こんな発想俺は天才じゃないか、と勘違いする、とか。
異世界ものが流行っているのは知っているけれども、それがすでに深化して今ではただの異世界ものに終わっていないのに、周回遅れ(時代遅れ)の異世界ものを書こうとしている、とか。

つまりこういうことは最新の本を読んでいないとわからないのです。

読書が嫌いなのはかまいませんが、そういう人は、自分の得意とするジャンルがわかっていないと思います。違いますか?

まずは己の未熟さを自覚することで、読書をしなければならない、他の作家のレベル以上のものを書かなければならない、という気にさせてくれるでしょう。