本稿を書いている今(七月中旬)、新潮新人賞の予備選考作業が佳境を迎えている。
この機会に小誌新人賞の運営を「情報公開」しよう。

今年三月末の締切までに集まった応募作品は一九六一篇。
編集部によるプレ選考で約一一○○篇に絞り、信頼のおける外部の一次選考委員八名に読んでいただく(個人情報保護法に従い、各委員と機密保持契約を結ぶ)。
評価はA=受賞の可能性がある、B=二次選考での再検討に足る、C=再検討の必要なし、の三段階。
一次選考委員は三段階評価のみならず、全作品について個別の評価メモを記す。
この過程で百数十篇にまで絞り込まれた作品を、各篇につき二名の編集部員が読むのが二次選考。
今現在は、残った二十数篇を四人の編集部員全員で精読する三次選考の最中だ。

そして七月下旬には最終候補作(昨年は小説部門五篇、評論部門三篇)を決定し、
候補者の方々に連絡をとり、五名の選考委員に原稿コピーを送り届ける。選考会は例年九月上旬。