>>167の続き
・アタッキングサードでは自由です
(同ラインの選手が同じ動きをしない。二人の選手が同じスペースに居続けないなどの基本ルールはありますが)
戦術家はいくつかの選択肢を提供できますが、それを選ぶのは選手です。またまったく違うことをやってもかまいません
なぜなら、チーム力が大きく離れていない場合、リスクを考慮して、アタッキングサード全体で見れば、味方が必ず数的不利になるからです

その悪い状況を打開するためには、その時、瞬間、相手チームや個人の「隙をつく」しかないからです。そのために、1プレイでは無駄に見える行為も、90分の駆け引きでは必要になります
90分のゴール数で上回るため、相手に間違った学習をさせて、間違った守備を機能してると信じさせ、その逆をついて動揺させ、信じていたもの、基礎から破壊するのです
サッカー的には質的有利により、局面の数的同数、位置的有利を取るということです
フィジカル的に特徴を持った選手なら、相手にその特徴を押し付けて、誘導しやすくなるでしょう。高いレベルで大事なのは「誘導の結果による相手組織の破壊」です。能力の押し付け自体ではありません
(育成レベルでよく体の強さに頼ったプレイはダメとか聞きますが、それは間違っていて、ダメなのは体の強さをゴールの攻防にどう生かすか理解しないことであり、理解を助けないことです)


・数的同数のアタックというのは相当リスクの高い攻撃です
数的有利のアタックというのは狂気の沙汰です(少なくても試合開始直後にやるような攻撃ではありません)

強いチームの多人数攻撃は、よく見れば、自軍ゴールを背に相手を囲んで守備に移行できるようになっており、見た目ほどリスクは負っていません
得点のために、局面の数的同数を発生させる仕組み、あるいは局面の質的有利を発揮させる仕組みになっています
しかし、ダメなチームの多人数攻撃は、自軍ゴールと敵軍ゴールの間に、カオスに人が配置されており、攻撃の数的有利が、守備における大きなリスクになっています
単純にフルコートでの守備の数的不利を生んでしまっているのです。悪いバランスです

去年強かったあのチームがなぜ今年弱くなったのか
攻撃において人数をかけすぎて、守備のタスクを軽減しすぎ、ミドルサードの守備すら機能せず、バランスを失ったから、ということも起こりえるのです

数的有利。本当にそこに使うべきか。よく考えないといけません
組織も、数的有利も、言えば実現するというものではない。中身のない甘い言葉に乗せられてはいけません