「また冷奴か。少しは長官の奥方をみならったらどうだ」
「長官とあたなとじゃ月とすっぽんじゃなーい」
「俺はな、心がけのことを言ってるんだ」
「そんなこと言う暇があったらもっと出世すればー」
「お前はいつもそれだ。出世だけが男の価値ではあるまい」
「いいえー。30俵二人扶持の貧乏暮らしに何の価値があるのかしらねー」