>>132続き)
 
僕、個人の名声なんてウンコだと思っていて、それより何より、シルクドソレイユの「オー」とか「カー」とか、
あるいはディズニーランドを観た時に発生する嫉妬を拭いたいんですね。

彼らは一人であのエンタメを作ったわけではなくて、
バトンを繋いだ結果、あの境地に辿りついているわけじゃないですか?
要するに、地盤調査をした人がいて、基礎工事をした人がいて、建てた人がいて、屋根を作った人がいて、
クロスを貼る人がいて…そうやって、役割のバトンを繋いで、あそこに辿りついている。
 
それでいうと僕なんかは「基礎工事をする人」だと思うんですね。
だから、瀬戸口がウチに来た時には、
「お前は基礎工事なんてしなくていいから、その次の仕事をしろ」
と伝えました。
 
その結果が、「ミュージカルの無料公開」であり、「ブロードウェイの挑戦」です。
 
■若手は「基礎工事」が済んだ物を見つけて、そこに賭けた方がいい

僕、いろんな国を転々としていて(まぁ、エンタメしか見れていませんが)その度に感じるのですが、
日本だけなんですよ。「基礎工事」を延々と繰り返してるの。
あるいは、自分で「クロス貼り」までやりたいから、「基礎工事」の面積が小さい。
 
サグラダファミリアをイメージしていただけると分かりますが、
海外は「完成を見ないまま一生を終える」と思って(覚悟して)作業にあたっている人だらけなんです。
「次の世代にバトンを渡す」という発想で、「自分のした苦労はしなくていい」という考え方なんです。
 
でも、日本は「俺がした苦労をお前もしろ」なんです。
当然、グローバル競争になると負けるんです。
だって、日本は世代が入れ替わっても「基礎工事」しかしてないから。