>>656続き)

まったく面倒なところに首を突っ込んじゃったもんです。
『えんとつ町のプペル』が始まる前は、仕事終わりに皆と呑みに言ったり、
時々、海に行ったりしていたのですが、もう戻れない。
毎夜毎夜、アトリエで「畜生め!」とボヤキながら、
何の足しにもならないチョコレート(糖分)を口に放り込んでいます。

そんな中、一昨日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の演出助手のモエコさんから、動画が送られてきました。
ご両親と一緒に『映画 えんとつ町のプペル』のドライブインシアターに行かれた時の動画です。

映画上映前に、サプライズで「お誕生日メッセージ」をスクリーンに映し出せるサービスがあって、
そこでモエコさんのお母様に向けたメッセージが流れたのですが、その時の様子が本当に最高だったんです。
「撮らなきゃ撮らなきゃ!」とお父様が慌てて、お母様は「楽しー!楽しー!」を連呼。
仕掛け人のモエコさんは、ひたすら笑っています。

とっても温かい家族の風景がそこにはあって、こういった家族の待ち合わせ場所となったのが
『えんとつ町のプペル』で……その動画を観た時に、何年間もアトリエで一人で過ごす時間が少し報われました。

「ああ、無駄じゃなかったんだな」と。

モエコさんは仕事で繋がりがあったから、こうして動画で教えてくださいましたが、
僕の知らないところで、僕が知らない家族や、友達や、恋人の待ち合わせ場所に、
『えんとつ町のプペル』が選ばれていることもあるでしょう。

モエコさんから送っていただいた動画を何度も何度も何度も見返して、
「大変だけど、もう少しだけ『えんとつ町のプペル』という作品と付き合っていこう」と思いました。

頑張ります。
それでは素敵な日曜日をお過ごしください。

西野亮廣(キングコング)