>>777続き)

これはウチのチームで仕掛けるエンタメが全てそうです。

「まずは、コンテンツにファンをつけて、それを最も丁寧に形にしてくださる方にお声がけしよう」
というのが僕らの理念で、それこそ年末にやってる『天才万博』という5日間のフェスなんて、
まともに出演者を発表していなかったりします。
「○○さんが出るから行く」とかじゃなくて、
「天才万博に行く」というお客さんを育てることが非常に重要だと思っています。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』にしてもそうですね。
「ミュージカル『えんとつ町のプペル』に行く!」という人を育てて、その後に、劇場で、
いろんな才能に出会ってもらう。基本、僕らのスタンスはこれです。

そんな感じで、カンパニーによって「キャスティング理由」は様々なんですが、
どのカンパニーのキャスティング会議でも、一つだけ共通して出てくるネガティブなワードがあって、
それが何かというと、「あの人のファンは面倒くさいから…」です。

時々、アイドル系のファンの方で「俺の(私の)推しに手を出しやがって」みたいなことを
言っている人とかって見たことありません?

彼ら彼女らが言う「手を出す」というのは、「暴力をふるった」とか、「恋愛関係を持った」とか、
そういうことじゃなくて、「オファーを出した」ということです。
「なんで、あんな人と共演するんですか?」みたいなことを言うコアファン、いるじゃないですか?

これ、絶対に知っておいたほうがいいと思うのですが、
「あの人のファン、面倒臭いから、あの人に声をかけるのはやめておこう」
となったキャスティング会議、僕、結構、見てきたんです。
「コアファンが『推し』の仕事を減らしている現場」を結構見てきました。

説明するまでもなく、これ、誰も幸せにならないんですよね。