>>933続き)

僕らが見落としてはいけないことは、「人は、知らないものには共感できない」ということです。

具体的に言うと、「『前に進んでいる』ということと、『いいね』の数は比例関係にない」ということ。
このことを忘れて、盲目的に『いいね』や『再生回数』を獲得しにいくと、
「多くの方に共感されてはいるけれど、その場で足踏みしている」という落とし穴にハマってしまいます。

ここは本当に気をつけた方がいいなぁと思っています。
「共感」が鮮明に数値化されるようになった今、僕らは「共感」が基盤となる経済圏に住んでいます。

ここは、より多くの「共感」を集めた者の声が大きく世界線です。
英語圏や中国語圏やヒンドゥー語圏やスペイン語圏ならば、
「共感を集める」という戦い方でもそのまま逃げ切れそうなものですが、
「人口が減っている&高齢化が進んでいる日本語圏」の共感を集めることに終始してしまうのは、
なかなか厳しい。

ところが、自分の「進み」が確認できるモノサシが(パッと目に入るところでいうと)
今のところ「売り上げ」か「共感」ぐらいしかないもんだから……どうしても、そちらになびいてしまう。

■「共感」を、どれだけ程々に無視できるか?

チームラボは今日も着々と前に進んでいるのですが、
チームラボがマイアミに体験型のアートセンターを作ったことなど、ほとんどの日本人は知りません。
一方で、有村昆の不倫については、やたら詳しい(笑)。

皆が共感を欲しているから、「皆が共感できるような情報」しか入ってこないんですね。

チームラボの他にも、「#FR」や「OWNDAYS」などを見ていても思うのですが
(※詳しくはスナック西野でご確認ください)、
前に進んでいるプロジェクトは、「共感」を参考にはしているけれど、まるまる反映はしていない。