>>53
続き

それもあって、「宿泊にお金をかける人(かけられる人)の気持ちを分からなきゃダメだ」と思って、この2?3年、「安いホテル」と、そして「高いホテル」を意識的に泊まり歩いてみたんです。
 
そうすると、「宿泊費が上がれば上がるほど、『機能』が値段に見合わなくなる」ということが分かってきました。
 
グラフで見ると、「値段」と「機能」の関係は最初は順調に右肩上がりになるのですが、途中から、「値段は上がり続けるけども、機能は“ほぼ”横ばい」という状態になる。
 
でも、これ何となくイメージできますよね?
 
一泊4000円の宿と、一泊9000円の宿は「機能」がまるで違う。
 
4000円の宿には、部屋に風呂・トイレがなかったりするけど、9000円の宿にはバッチリとついている。
 
これが一泊1万5000円となると、ベッドはフカフカになってきて、一泊3万円ともなると、アメニティーが充実して、風呂もガッツリとした湯船があったりする。
 
このあたりまでは「値段」と「機能」は比例関係にあるわけですが、1泊10万円の宿と、1泊15万円の宿の「機能」の差って、ちょっとよく分からないんです。
 
安い時は「5000円」で、とんでもない差があったのに、高くなってくると「5万円」でも差が分からなくなる。


「何もない」が価値になることもある
 
世の中には一泊20万円の宿や、一泊30万円の宿などがあるわけですが、もうこのへんになってくると売っているものが「機能」じゃないんですね。
 
むしろ「何もない」が価値になってきたりする。
 
分かりやすいのが、少しイイところの宿にあるのが「部屋にテレビが無い」です。