子供への面会拒否 元妻の再婚相手にも賠償命令 熊本地裁
 毎日新聞2017年1月23日 07時45分(最終更新 1月23日 07時45分)
http://mainichi.jp/articles/20170123/k00/00m/040/114000c

熊本県内の40代男性が離婚後に別居した長男(12)と会えないのは元妻と
その再婚相手が拒んでいるためとして、2人を相手取って慰謝料300万円の
損害賠償を求めた訴訟で、熊本地裁(永田雄一裁判官)は、事前の調停で義務
づけられた面会の日程調整に関する連絡義務を怠ったとして再婚相手に元妻と
連帯して30万円を支払うよう命じた。元妻には70万円の支払いを命じた。
離婚後に別居した子供との面会交流拒否を巡り、元配偶者の再婚相手の賠償
責任を認めるのは異例。

判決は昨年12月27日付。判決によると、男性と元妻は2006年2月の
離婚調停で、親権がない男性と長男の月2回程度の面会交流に合意して離婚。
当初は面会できたが、元妻の再婚後の12年7月ごろ、男性に長男と会わな
いよう求める連絡が元妻側からあった。

男性は長男と面会交流できるよう熊本家裁に調停を申し立て、14年1月、
再婚相手を連絡調整役として面会交流することで合意。しかし、元妻や再婚
相手から連絡が滞り、日程を調整できないまま12年5月〜15年10月の
約3年5カ月間、男性は長男と面会できなかった。元妻は、自身の体調不良や
再婚相手と長男との父子関係の確立のために面会できなかったと主張していた。

永田裁判官は「被告の主張は面会日程を調整する協議を拒否することを正当化
するものではない。長男が7歳から10歳に成長する大切な時期に交流できな
かった原告の精神的苦痛は相当大きい」と指摘。元妻は日程を協議する義務を
怠り、再婚相手も連絡義務に違反したとして、いずれの賠償責任も認めた。

(つづく)