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クラウチ氏は、「男性たちに対するこうした偏見は、何十年も前からあった」と説明する。腕には、
「男たちを救え」と刻まれた黒と青のリストバンドを常に4本着けている。

「私がすべての女性を嫌っているという考えは、ばかげているし愚かだ」と不満そうに同氏は言う。

「私たちは開放的な組織で、多数の女性を採用している。私たちに反対する組織は感情に基づき
行動しているが、われわれは事実に基づき行動している。知能指数(IQ)が60を超える人であれば、
公平性と平等という基本的概念を理解できると思うだろう? 違うかい?」

NCFMは知的な議論では効果がないと考え、自分たちの主張をより強調する手段として法制度を
活用している。女性限定の集まりや女性客のみを対象にサービスを提供する多くの企業や団体を
訴え、そして成功を収めてきたのだ。

NCFMの主要メンバーの一人は、「多様性のための奨学金」を女性らに支給していた複数の団体
を相手取り、訴えを起こしている。

こうした訴訟のほぼすべての背後にいるのが、地元弁護士アルフレッド・G・ラバ(Alfred G. Rava)
氏だ。NCFMの元幹部だった同氏は、性差別を禁じるウンルー市民権法(Unruh Civil Rights Act)
を根拠に訴えを起こしており、過去3年の訴訟件数は300件に上る。これは約1か月に1件のペースだ。

訴訟のきっかけとなったのは、女性は無料、男性は10ドル(約1100円)の入場料が求められる
地元バーで、ラバ氏自身が入場料の支払いを求められたことだ。その夜に帰宅したラバ氏は、
カリフォルニア州では遅くとも1985年からレディースナイトが違法となっていることを知り、訴訟
に踏み切ったという。

クラウチ氏は、男性の権利を主張する上で、法的措置が最良、もしくは唯一の手段ではないの
かもしれないとしながら、「それでも訴訟の方が、法の改定よりも手っ取り早いのは確か」と話す。

そして、#MeToo運動と違い、急いで資金提供しようとする男性セレブたちはいないが、「でも反発
の動きはある」と笑いながら話した。