>>91の続き

『 赤い目の奴らとその子供の関係は何なんだ… 』 『 …ここ(島)の教会へは行きましたか? 』
『 いいや… 教会が関係しているのか? 』 『 あいつらが姿を見せてから 牧師が「ついに神がジャッジしたと」町中を触れ回ったんです 』
『 神…? 』 『 そうです キリストの終末論の一つ 黙示録には救世主の再臨が預言されています 』
『 俺は無神論者だ 』 『 聞いてください… あいつらの出現は間違いなく あの子供と関係があります 』
『 科学者なのに 神を信じているのか? 』 『 …ただの仮説です 』
『 だったら 子供は何なんだ? 』 『 救世主だとしたら? 』
『 キリストの再臨だと? 』 『 そうです… 』
『 それは根拠があって言っていることなんだろうな? 』 『 神は人間との最終戦争を起こすと預言者は言ってます 』
『 ハルマゲドンか…? 』 『 ……はい 』

『 キリストは愛の神なんだろう!? 奴らは人を殺している! 』 『 …あいつらにとっては 殺しているのではないのかもしれません…』
『 なんだって… 』 『 もし…助けているとしたら? 』
『 バカな… 』 『 人間が背負った罪からの開放を手助けしている… 』
『 あり得ない… 奴らは人間を襲っている 』 『 襲っていません… 』
『 ?… 』 『 あいつらは ハグ(抱擁)するんです… 』
『 ハグ? 』 『 ハグされた人間は苦しみから解き放たれる… 』
『 笑わせる… 』 『 たった一本でいい…たった一本の指が触れるだけで 終わります(ゲームオーバー)』
『 科学者というのは長く研究していると 最後は神を信じる とか言うよな? あんたもその口か? 』 『 研究を長く続けていくと…科学では説明がつかないものは意外と多いんですよ… 』
『 ……… 』 『 この島の その子供のこととあいつらは その典型です… 』
『 じゃー聞くが…最終戦争というのは神が何の目的のために? 』『 聖書を信じている某集団は ハルマゲドン後に神が人間に永遠の命を与えると信じています… 』
『 妄信だろ… 』 『 不完全な人間は死して 完全な人間が新しい社会を築く… 』
『 完全な人間とは…何だ…? 』 『 子供がそうでしょう… 』
『 生き返るような人間のことか? 』 『 子供が蘇生する前に 細胞を採取しました そして培養してみました 』
『 それで…? 』 『 培養細胞から初代培養と継代培養に分け 後者を対象とした様々な実験を試みました…』
『 ……… 』 『 興味深かったのは…普通の人間なら細胞分裂の際に核中の鎖状のDNAがコピーされて2つになり それぞれの細胞に分けられます
          ところがコピーされたのにこの2つは長さが違うんです コピーしたほうが短い 端の長さが この端っこが
          「テロメア」と呼ばれ その短くなっていく度にカウントされているんです だんだんと短くなりカウントが0になった時 
          細胞は分裂を終えます…それが人間の寿命です 』
『 フッ…俺には難し過ぎるな・・・』 『 ところがですよ…少年はコピーされたDNAは短く コピーしたほうが長かったんです… 』
『 どういうことだ?わかりやすく言ってくれ 』 『 要するに……死なないんです 』
『 なんだと…… 』 『 永遠に分裂を繰り返すんです… 』
『 何かの間違いじゃ…? 』 『 何度も実験を繰り返してみました 結果はみな同じでした… 』