東京都狛江市の強盗殺人事件に関与した疑いで22日に逮捕された石川県白山市出身の私立大生の男(19)は、ギャンブルとマッチングアプリが中心の「普通ではない」(知人)大学生活を送っていた。講義は欠席しがちで、デート相手から小遣いを得る「ママ活」にも手を広げていたとみられる。

 複数の知人によると、男は虫捕りが好きで、水泳教室にも通う活発な少年時代を送り、金沢市内の中高一貫校に進んだ。実家近くに住む70代男性は「面倒見の良い少年だった」と振り返り、別の男性は「勉強ができる子という印象だったので驚きだ」と語った。

 ところが、大学進学をきっかけに石川を離れると、生活は一変した。「人に言えない、危ないことでお金を稼いでいる」。大学で同級生の男子学生は、ギャンブルに大金を使ったと自慢する男に「よくそんなにお金があるね」と尋ね、こう返されたと明かす。

 男子学生の話では、男は大学にほとんど顔を出さず、「稼いでいるから留年しても大丈夫」などとも語っていた。マッチングアプリにも熱心で、男とみられる人物とやりとりをした女性は「急に『週末遊ばないか』と誘われ、断ると『じゃあこの日は』としつこかった」と証言した。

 別の男子学生(19)によると、男はパチンコに興じる様子を写した写真を交流サイト(SNS)上に度々投稿。同級生を「封筒をもらうだけの簡単な仕事」に誘うこともあった。

 強盗殺人翌日の1月20日には男子学生に「身分証がないから物も売れない。金を貸してほしい」とメッセージを送っていた。その約10日後、偽造免許証を使った疑いで金沢東署に逮捕された。

 捜査関係者によると、男は「就職先を探すため、大学をやめて地元に戻って来ていた」と説明している。