新型コロナウイルスが全世界で猛威を奮い始めてから約3年経つ今も、感染による後遺症の研究を科学者たちは続けている。わからないことがまだまだ多い中、新たな研究から、コロナ感染と、直後に糖尿病になることには関係があることがわかった。

米国医師会発行の雑誌『JAMA』に掲載された研究では、最低1回でもコロナに感染した成人23000人以上の診療記録を分析。コロナ感染後3ヶ月以内にどのように糖尿病や高血圧、高コレステロールになっていったかに注目し、感染前3ヶ月のリスクと比較した。一つだけ注意したいのは、糖尿病のタイプは特定されていないこと。

研究の結果、コロナに感染した人は、前述した3つの症状を発症するリスクが高いことがわかった。だが、データをベンチマーク診断と呼ばれるものに当てはめてみたところ(この場合では、コロナとは関係のない2つの一般的な症状である胃酸の逆流や尿路感染症か、他の症状か)、糖尿病を発症するリスクだけが著しく高くなることがわかった。ここでも糖尿病のタイプは特定されず、コロナに感染すると糖尿病になるリスクが約58%高くなったとだけ示されている。

また、患者が感染前にワクチンを接種していたかまで細かく調べたところ、ワクチンを接種していた人は、感染後に糖尿病になるリスクがごくわずかしか高まらなかった。一方、ワクチン未接種だった人が糖尿病になるリスクは約80%高かった。

新型コロナ感染と糖尿病の関連についての研究結果はこれまでも出ており、2022年にはコロナに感染した子供は糖尿病になるリスクが2.5倍高いという研究が発表されている。

また、2021年に科学雑誌『Cell Metabolism』で発表された2つの研究でも、コロナ感染と糖尿病が関連付けられている。2021年に『Diabetes, Obesity, and Metabolism: A Journal of Pharmacology and Therapeutics』で編集長への投書の中で発表されたデータからも、コロナ感染と糖尿病の関連がわかっている。