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雨の匂い (中公文庫)

癌で入院中の父親と寝たきりの祖父、二人の介護とアルバイトで日々をすごす大学生の柊一。
塗装工だった祖父の代理で、ある家の塀塗りを引き受けるが、同じ頃、謎めいた少女・李沙と出会って関係を深めていく。
やがて町内で放火事件が発生し…。
降りしきる雨の中で育まれていくのは愛か、殺意か。
著者真骨頂の切ないミステリー。