船戸与一 2
100年後に残るのは『山猫の夏』か『猛き箱舟』かな 船戸は半永久的に読み継がれていく作家と思っているが
俺が過大評価し過ぎ? 船戸の”蝦夷地”と藤田宜永の”鋼鉄の騎士”でひとつの時代が終わった感はあるな
リバイバルブームでも来て再評価されればいいんだけど 満洲国が完結したのはなにより
ただ遺作はもっと先に読みたかった
最近リピート読みにハマってるのは新・雨月
蝦夷地もそうだけど、歴史モノのやるせなさ 新・雨月って、船戸作品群での位置づけは満州国演義の前日譚って聞いたけど。
蝦夷地の評価高いけど俺はイマイチだったな。
砂クロにドハマリしてその次に読んだせいか、場所変えて同じことやってるだけ感があった。
立場の異なる3人の主人公を決めて状況を立体的に書いてた砂クロに対して、
蝦夷地別件はわちゃわちゃしてとっちらかってる印象をうけたよ。 そりゃ砂クロは船戸作品ベスト3に入る傑作やから、比べるのは酷やと思うわ ベスト3ってなんだろ
個人的には、方舟、蝦夷地、砂クロあたりだけど 俺のベスト3は山猫、砂クロ、方舟かなぁ……
直木賞とったから「虹の谷の五月」が著者紹介で出されることも多いけど、あの作品褒めてる人あんまりいないよね 虹の谷は船戸にしては甘いからな
だからこそ大衆的な直木賞が獲れたとも言えるが >>778
俺もその3作だわ
というか、俺としてはその3作がダントツで、あとは少し離れてる印象
ただ、満州は買っただけでまだ読んでないけども 「山猫の夏」から「蝦夷地別件」の約十年は他の作家だと、
逢坂剛「カディスの赤い星」、佐々木譲「第二次大戦三部作」、藤田宜永「鋼鉄の騎士」が同時期なんだが、
船戸の全盛期と冒険小説の黄金期はかぶってたんだな そもそもだけど、冒険小説と歴史モノって相性はいいのか?
多少なりとも歴史的な知識があると、メタ的な視点で物語世界を俯瞰視してしまわないか
主人公目線での先の読めないドキドキワクワク感がイマイチ楽しめない、いやそれを補う歴史モノ特有の魅力はあるんだけどさ スマホとwikiがない時代に船戸傑作群を読めたのは本当にラッキーだったわ
今の自分だと、小説読みながらベネズエラだのクルドだの歴史とか概略を
全部チェックしてしまうから多分楽しめない >>781
鋼鉄の騎士、読んでみようかと思ったけどKindle版出ないんだな 毎年聖夜になるとこのシーン思い出す。
船戸与一の中ではマイナーな作品だが
自分の初船戸作品だったので…。
http://bunko.shueisha.co.jp/yomi/0403_5.html 東南アジア5部作って面白いか?
「夢は荒れ地を」はまぁまぁ楽しめたし、「虹の谷の五月」は賞を取るほどじゃないが暇つぶしになる程度には面白かったけど、他3つがツマらなすぎて流し読みしたんだが……。
満州国演技を書いてなかったら、作家人生の前半は良いのに後半の作品が残念なまま終わった作家って認識になるところだった。 蝶舞う館 ベトナム
降臨の群れ インドネシア
河畔に標なく ミャンマー >>791
ありがとう
全部未読だったわ
ミャンマーのやつは、一緒に取材に行ったドキュメンタリー作家?が書いた分は読んだことあるけど 安彦良和が、中東の火薬庫「クルディスタン」を舞台に描く冒険活劇の初期傑作、ついに電子化!
日本人の父とクルドの母を持つ真名部ジローは、生き別れになった母からの手紙に導かれ、10年ぶりにトルコを訪れる。しかし、その手紙はジローをおびき寄せるために、クルド武装ゲリラで「鉄の腕」(デミレル)の異名を持つカシムが出したものだった。
ジローはイスタンブールでクルド人ゲリラとトルコ治安軍
との対立に巻き込まれ、トルコ東部辺境の地クルディスタンへと逃れる。部族が潜む秘密の洞窟でジローが出会ったのは、同じ「ジロー」という名を持つ不思議な少年だった──。
クルディスタンは今もなお、国際政治の狭間で翻弄され、戦禍の中にある。しかし、トルコ治安軍の弾圧にも、サダム・フセインの化学兵器にも、イスラム国のテロにも、アサド政権の空爆にも屈しないクルドの人々。その不屈の魂の淵源に触れることができる、貴重な一冊だ。
「剽悍な民族クルドはそのような民である。典型的に勁くしたたかな、しかし非業の民である。絶えず生存をおびやかされながら、しかしきっと生存し続けてゆく民族である。我々は結局そういう彼等の姿を此岸から黙って見守るしかない」(著者あとがきより) ついに完結!
自分が族長の血を引くことを知ったジローは、クルド人のリーダーとして、デミレルと共にトルコ治安軍との戦いに身を投じていく。しかし、それを良く思わない部族のルークは
、執拗にジローの命を狙うのだった。やがて、行方不明の両親がノアの方舟伝説の地、アララト山にある秘密施設に関わっていたことが解る。
そこでは人類誕生へとつながる「進化の鍵」を密かに研究していた。母と逢うために、そしてすべての謎を解くために、ジローは厳寒のアララト山へと向かう──。
クルディスタンは今もなお、国際政治の狭間で翻弄され、戦禍の中にある。しかし、トルコ治安軍の弾圧にも、サダム・フセインの化学兵器にも、イスラム国のテロにも、
アサド政権の空爆にも屈しないクルドの人々。その不屈の魂の淵源に触れることができる、貴重な一冊。
「この作品は複数回の改装、再刊の幸運に恵まれた。多くの人の厚意を得、中公文庫版のあとがきに書いたように、
献身的なジャーナリスト氏の手でAK自動小銃を背負った美しいクルド人女性戦士の手にまで届けられたりもした。赤面の至りである」(あとがきより) Sykes-Picot Agreement
【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)
池内 恵 (著)
百年前、英・仏・露によって結ばれた秘密協定。それは本当に諸悪の根源なのか。いまや中東の地は、ヨーロッパへ世界へと難民、テロを拡散する「蓋のないパンドラの箱」と化している。
列強によって無理やり引かれた国境線こそが、その混乱を運命づけたとする説が今日では主流だ。しかし、中東の歴史と現実、複雑な国家間の関係を深く知らなければ、決して正解には至れない。危機の本質を捉える緊急出版! 6年か。
リバイバルブームが来ることもないだろうし、このスレが終わっても次スレは立たないだろうな。 デビュー作の非合法員(単行本)は8千部刷ったけど全然うれなかったから4千部断裁したって書いてあったけど(小学館文庫版非合法員あとがきより)、それ以外の作品はどのくらい売れたんだろ?
たまにブックガイドに載ることもある山猫の夏、虹の谷の五月くらいは売れててほしいが。 小学館と集英社が生命線かな
新潮社はなんとも言えんが 「猛き箱舟」は「山猫の夏」を読んでからの方が良い読書体験になると思う 1970年後期〜1980年代に才能ある冒険小説作家(ハードボイルド作家)がどんどんでてきたけど、
文句なしに売れたといっていいのは北方謙三と大沢在昌ぐらいなのかな。
賞とったり界隈内で大絶賛されてもそこまで儲かってないことがよくある業界だし……。 砂のクロニクル他、いくらでも大手書店のベストセラーランキング入ってたでしょ。
映画化・舞台化・漫画化された作品もあるし。
北方謙三、大沢在昌だけでなく、佐々木嬢、高村薫、船戸与一、逢坂剛、志水辰夫他
80年代から90年代にかけてのハードボイルド・冒険小説界のスタメン主力級は幾らでもいる。 かくも短き眠りと蟹喰い猿フーガ、電子書籍化してほしい 蟹喰い猿フーガと午後の行商人の内容が混ざってどっちがどっちだっけってなる 蟹喰い猿フーガは内容まだ記憶があるけど
午後の行商人あたりの後期作品はほとんど記憶が残っていない。
古い作品のほうがよく覚えている。 ミャンマーの柳生一族がkindle日替わりセールで199円になっとる
河畔に標なく読むときにぜひ >『蟹喰い猿フーガ』1996/01 徳間書店 、1999/04 徳間文庫
>『午後の行商人』1997/10 講談社、2000/09 講談社文庫
現物が手元にないからwikiの日付を参考にするけど、刊行時期はそんなに変わらんみたいだぞ >>762
>>763
みたいにwikiが間違ってる可能性もあり? 「デビューにあたって読書家の友人からハードボイルド傑作十選なるものを推薦され、読んだ。ハメット、チャンドラー、ロスマク等だ」
ってあるけど、その十選ってなんだろ。
ハメット、チャンドラー、ロスマクからそれぞれ2〜3作品くらいと生島治郎、大藪春彦とかかな? 2015年に出版された小学館文庫版の非合法員だよ。
あとがきがわりに「デビュウ事情」ってのが載ってる。5ページくらい。
亡くなる数か月前に、処女作の新装版でデビュー当時のことを書き下ろしたんだな。今となっては感慨深い。 てかその時点ですでに読んでいなかったのか。
作家デビューしようと思ったきっかけは何だったんだろう。 それも新装版非合法員に載ってるよ。
っていうか、簡単なデビュー経緯に関しては他のとこでも言ってた気がする。
大学時代、早稲田探検部で海外のいろんなところに行く。
↓
卒業後、出版社勤務を経てフリーのルポライターになる。
↓
編集者の白川充から「きみの文章は小説に向いてるね。デビューしてみない?」と誘われる。
はじめは社交辞令だと思ってたが、本気の誘いだった。
↓
読書家の友人からハードボイルド傑作十選を勧められ、分析的に読んで自分の文体を作る。
作品内容はルポライター時代を活かしたもの。
↓
非合法員で小説家デビュー
たしかこんな感じ。 手元にあるのは徳間書店ので、内藤陳さんの読まずに死ねるかの後書きのやつだけどど、「デビュウ事情」のためだけに新装版を買うか…
Kindle版も新装版ぽいから、数百円程度、安いものか。 Kindleで久々に非合法員読んだ。
船戸与一自体読むの久しぶりかな。
やっぱ面白いわ。
他のもKindleで買い直して読んでいこうかな。 いま「ハイパーハードボイルドグルメリポート」読んでるんだが、ここの住人なら結構合うと思う。お勧め。 「ミャンマーの柳生一族」高野秀行。
辺境冒険作家の筆者による「合法的な」ミャンマー滞在記である。
早稲田大学探検部の先輩で、作家の船戸与一がミャンマーを舞台にした作品を書きたいということで、ガイド役として連れて行かれる。
ガイド役として行きながら、それを一つの滞在記にまとめるところが筆者の真骨頂である。
なぜ合法的に入国かというと、これまで筆者はほとんどが違法に入国しているからである。 突然どうした
でもそれいい本だったよ
あまり読者が知ることのない船戸与一の一面を知れて良かった
宮部みゆきを「みゆき」と呼んでたのも、著書を読んだことがないのも面白かった 柳生一族はおわらいっぽい雰囲気だったような記憶。何か違う。 高野秀行『辺境中毒!』収録の短い対談でちょこっとデビュー前の経緯を語ってた
ハードボイルド名作十冊を勧めた友人は「今小学館の専務になっている白井」さんで
ハメット、ロスマク、チャンドラー、に加えて「フランスのノワール系のジョバンニとか」…まで4人の名前出してた 初出は2003年『青春と読書』4月号での対談らしい 短くも長くもない余生を過ごすのに、また新しい作家さがして読まなくても、船戸与一他の過去作品を繰り返し読むのでもいいのかな、などとも思う。 渡航資金貯めて旅に出ようとしていた矢先にパンデミックになってしまって、悶々としていたところだったので良い作家に出会えて嬉しいです
鬼籍に入った自分の祖父と同い年なので親近感沸きます
既読が「虹の谷の五月」「午後の行商人」で
今は「夜来香海峡」読んでます
後はラ米が舞台の作品全てと「満州国演義」読むつもりです
元々ルポや20世紀の歴史が好きなので読んでいてとても楽しいです! >>828
もっと初期の作品から行った方が面白いよ! これからあの大作群をイチから読めるとはうらやましい >>828
>既読が「虹の谷の五月」「午後の行商人」で
>今は「夜来香海峡」読んでます
本の好みは人によってそれぞれだから、もしかしたらその3冊が貴方にとって船戸作品Top3になることもあるかもしれない。
けど、やっぱり船戸作品で評判がいいのは初期のほうなので、そっちを強くお勧めしたい。(非合法員から砂のクロニクルあたりまで)
ラテンアメリカ3部作も初期の作品だし。 さあ、船戸与一の受賞作品は全部手に入れた。
それでは、船戸ワールドへGO! 本格、ハードボイルド。ゴルゴ13も書いたらしいが、描写が細かい。 砂のクロニクル
だが、あんなに日本の青年将校の様な感じの国民防衛隊
員が存在するのかな? >>839
脂が乗り切ってる時期だから間違いなく面白い
ただ舞台はいいが展開はいつものパターンなぞってるだけって批判もあった
あと本名でスパイ活動すんなよとは思ったけど
ジェームズ・ボンドじゃないんだから
だから簡単に身元がバレたんじゃないのか やっぱ、600ページの上下巻で端から端まで文字で埋め尽くしているのは、
話が面白くないと続かないが、船戸の作品はこんなのばっかり。 下巻は、508ページか、随分あるな。船戸大先生の山本周五郎賞受賞作
だから、読み切るつもりだが、血なまぐさいのはいただけない。 この凄い血なまぐささと人を無造作に殺していく描写は凄いね。 >>845
週刊プレイボーイの連載がメチャ楽しみだった。小峯も居た当時の週プレはミリタリ趣味全開だったなw
フランク・キャンパー、ゲイルリバース、落合信彦に柘植センセ。脱走兵毛利もw 砂のクリニクル
アラブ人の複雑な事情を上手く書いている。余程調べているね。
最近では、黒川博行が「国境」で北朝鮮の事を書いた小説があったが、
スケールが違うし、調べ方も違うみたいだね。これから船戸与一の
作品は連チャンで読むが、アラブ人を日本風に書くとこうなるんだろうと
思わせる描写がいいね。 >>831
自分は小説読む時も関心が強いテーマを扱っているかを基準に選ぶことが多いのでフィリピンやメキシコのゲリラを扱ったり、李香蘭を意識しているその3冊から手に取りました
最初の3冊の次から昨年内に読み終わったのは
「叛アメリカ史」「非合法員」「銃撃の宴」
ブラジル短編集「カルナヴァル戦記」他
「山猫の夏」です
登場人物の死亡フラグにすぐ気づくようになっていきましたが、全く飽きる気がしません
今月に「神話の果て」「伝説の地」「緑の底の底」「国家と犯罪」を読む予定でその後は未定です 肝心なこと書き忘れていました
自分は>>828です 砂のクリニクルを、ページ読んだ。オークションで
猛き箱舟を落札した。これから、賞をとった作品は、
全部買ったので、楽しみにしている。 砂のクルニクルだが、話がダイナミックだ。イライラ戦争の後と、イランの情勢、クルド人
を扱ったハードボイルドで、登場人物が当たり前のようにバタバタ死んで行ったり、
傷ついて行くのが、凄まじい。日本人離れした作風だ。 船戸ファンだけど、「船戸作品は場所と固有名詞を変えて同じことやってるだけ」って批判は、まぁその通りだなって思ってるので一気に多作品読むと胸やけするかも。
おもしろいのは長編なんだけど、バラエティに富んでるのは短編(新宿・夏の死、カルナヴァル戦記)な気がする。 夜のオデッセイア、炎流れる彼方、蟹喰い猿フーガの路線も欠かせない。 砂のクリニクルは最近読んだ中で一番の力作だったと思う。 今日、オークションで買った、猛き箱舟が来た。
これもボリュームがあるね。 人間としての名誉や尊厳にこだわって行動するかぎり人間としての限界も越えることはできないのだ。ぶつかりあえば、結局は総合力の優るほうが生き残ることになる。それをぶち破るにはただひとつ、完全な幽境からの使者と化す以外にない。 船戸与一は、どの作品も良くかけているよ。今、虹の谷の五月
読んでるけど著者は、フィリピンで生活したことがあるんだろうか。
生活臭漂う文章だ。 虹の谷の五月
傑作だ。あれこれ文句をつけるのだが、壮大なドラマ、
人物、構成など何処をとっても超一流で面白かった。
一読すべし。 日本が舞台だけど、大丈夫かな。いままでのイランイラククルドや
フィリピンゲリラの話は、面白かったが、今度は大丈夫か。