1957〜1987年あたりの本格ミステリ作家達 4
手に入らない名作スレによると
草野唯雄が亡くなってたそうなので、3氏に追悼特集を期待 清水一行「銀行員」(青樹社文庫)★★☆
1971〜79年までの作品を収めた短編集。
巻頭の表題作、銀行の支店窓口から、あれよあれよという間に、他人の金を奪って去っていった男。
警備員が後をつけると、何とその男は近所の銀行の銀行員だった・・・。ミステリ味は薄いですが、現代
の池井戸潤の作風を先取りしたような「銀行員残酷物語」といったところ。もう40年以上も前に書か
れた作品ですが、銀行って全然変わってないんだなあ・・・。
「狂気の鎖」、「行方不明になった息子は、最後に会った友人に殺されたのだ」と信じ込み、イヤガラセ
を続ける老母。身に覚えのない友人は、実は溺愛の余り、その老母自身が息子を殺したのではないか
と疑うが・・・。これはヒネりの効いた良作のミステリ短編。真犯人の意外性も十分。しかし惜しい
ことに伏線が足りない。ただ、40年以上も前に正面からストーカーの問題を詳細に扱った先駆性は評
価すべきでしょう。
「走る男」は、健康のため、毎朝出勤前にジョギングを始めた男の話。或る男と知り合いになるが、妻が
男の開いている彫金教室に通うようになり・・・。うーん、意外性はあるけど、ちょっと「本格」とは違う
んだよなあ・・・。
冴えない三流会社員が、間違い電話で先方の犯罪計画を知り、その上前をハネようと企むお話「謀殺計画」
も同様。
あと、「現場消失」は、死体を発見したパトロール中の警察官が、所轄署が別の事件を抱えていて大忙しな
ため、その死体を川に流し、隣の所轄署に後始末をなすりつけたため、犯人にアリバイが成立してしま
うという話。或る古典名作短編と同趣向ですが、死体を流した警察官の行動を、伏線を匂わせるだけで
隠しておき、ラストで真相を明らかにすれば、ちゃんと謎解き物になるのに、最初からモロに全て描写
して、ただの「皮肉の効いたお話」にしてしまうのは勿体ないなあ・・・。
その他「陽気な未亡人」「逃げ水」などは特に論評すべき出来ではない。
・・・全体的に、思いもよらぬ人間関係、裏の共犯関係が浮かんでくるなどして、二転三転した末にドンデン
返しを迎える、というパターンが多く、その意味では真相の意外性に満ちてはいるのですが、一部の
作品を除いて、本格ミステリのテイストは感じられないなあ、というのが正直な感想。 山村正夫「死人島の呪い雛」(角川文庫)★★☆
1985年の、滝連太郎シリーズ第3弾の長編。
三重県・志摩に浮かぶ舟人島こと‘死人島’。古代中国の伝説「徐福伝説」を狂信的に研究していた島の
神主が謎の死を遂げてから数ヶ月後、その神主の遺志を継いで著書を完成させた女医らが主催する出版記
念パーティに招待された滝連太郎。だがパーティ会場のホテルで、密室殺人が勃発。被害者は、死人島の
村長の愛人だった。そして現場付近では死んだはずの神主の姿が目撃される。村長と対立していた今は亡
き神主が実は死んでおらず、復讐を開始したのか?滝は死人島へ向かうが、そこでも不可解な連続殺人が
発生する・・・。
・・・横溝の衣鉢を継ぐ、伝奇的・土俗的な本格ミステリを狙った意図は理解できます。しかし・・・、トリック、
プロットその他、一体どこにオリジナリティを求めれば良いのだろうか?色々と伏線やトリックも配し、
謎解き面の構成も配慮されてはいますが、余りにも分かりやす過ぎて、終盤に入る前に、真犯人もその
動機も感づかれてしまっており、飽くまで、映画・テレビ向け、初級者向け本格ミステリになってしまっ
たのが残念です。 田中文雄「猫窓」(集英社文庫)★★★
1988年のホラー物の長編。
東京・成城の亡父の実家に引っ越してきた若者夫婦。そこで一匹のネコに出会ったことから、身辺に
不審時が相次ぐ。夫に可愛がられるネコは妻に嫉妬しているのか?やがて夫は謎の病気に罹るが、その
時、妻は妊娠していた・・・。
・・・むろん、どうこじつけても本格ミステリとは言い難い作品ですが、ラストで提示される反転のネタ
が、結構、本格ミステリの影響を受けているようにも思えました。そこは「幻影城」出身作家、という
ことかw
ラストには少々驚いたけど、そこに至るまでが、読みやすいけど、ホラーとしても、或る「謎」の一発
ネタとしても、どこかパンチが足りないんだよなあ・・・。
生田直親「K峰(カラコルム)殺人事件」(光文社カッパノベルス)★
1985年の山岳ミステリ長編。
ヒマラヤの未踏峰・Kx峰に挑んだ東方大学山岳部パーティ。だが山頂にアタックした二人のメンバー
は登頂成功の帰りに悪天候の中で遭難、行方不明に。行方不明となった医学生・岩城の父親は、事故の
真相を求めるうちに、意外な事実を知ることに・・・。
・・・うーん、謎解きのミステリとしては余りにも杜撰。遭難事故の意外な真相も、さんざん引っ張りまわ
した挙句、脱力・・・。また、中盤以降で起きる或る人物の不審死と、容疑者のアリバイ工作の謎解きも、
全体の構成の中で浮きまくっている。駄作。 wikiに数行でまとめられてるが本当にドロドロだなw
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%A0%E8%B7%AF%E5%AD%90 谷甲州「36,000キロの墜死」(講談社)★★★☆
1988年のSFで本格ミステリに挑んだ長編作品。
22世紀の未来、地球周回軌道に浮かぶサイナス市は巨大メーカー・サイナス社が牛耳る工場都市だったが、
サテライトのラボで奇妙な不審死が発生。無重力状態のラボ内で、高所から墜落死したとしか思えない
死体が発見され、しかも事件を通報してきたのは、既に死んでいた被害者自身だった。この謎に立ち向
かうのは、市の保安部に所属するヒロサワ部長、ダグ刑事、新米のエレナ刑事たち。サイナス社と会社の
警備部が権力を振りかざして捜査を妨害する中、やがて容疑者と思しき男が、別の宇宙船で黒焦げの死体
となっていたのが発見される・・・。
・・・「あとがき」によると、作者は本気で「本格ミステリとSFの融合」を目指していたようで、「無重力
状態の墜落死」や「死後の被害者がかけてきた通信」、「軌道計算から証明されるアリバイ」などなど、それ
なりに面白そうなSFならではのトリッキーな仕掛けがあり、その伏線にも工夫の跡が見られます。が、
残念なことに中盤までにほぼ解決してしまい、終盤の展開がやや失速ぎみで、しかも謎解き興味から離
れてしまったのが惜しいところ。
とはいえ、SFで本格ミステリを描こうとした作者の努力は評価したく、その意味で一読の価値はある
かと思います。 小林信彦「サモアン・サマーの悪夢」(新潮文庫)★★☆
1981年の長編。
元恋人の伶子がハワイで自殺。テレビ・プロデューサーの柳井は現地を訪ね、彼と別れて別の男と
結婚するも、離婚してハワイでブティックを経営していたという彼女の死の真相を探るうちに、不
審な出来事に巻き込まれてゆく。ハワイで財を成した素性不明の老人・志水に食事に呼ばれたり、
その顧問弁護士や彼らを追う女性ルポライターに出会ったり・・・。伶子は果たして自殺したのか、
それとも・・・。
・・・「フラッシュ・バック」では、題名のみ紹介されていた作品ですが、なるほど、「本格ミステリ」
の構成に沿ってストーリーは展開し、真犯人の意外性も考慮されており、謎解きに必要な伏線も
無い訳ではないのですが、でも何かが足りない・・・。その「何か」を上手く説明できず申し訳ない
ですが・・・。何だろうな、このスッキリしない気分は・・・。 西村京太郎「ある朝 海に」(光文社文庫)★★★☆
1971年、ごく初期の長編で唯一(多分)、未読だった作品。
フリーのカメラマン田沢は、アパルトヘイトの南アで黒人少年を助けたことから、警察にマークされる羽目に。
そのピンチを救った現地の白人弁護士に誘われ、米国の豪華客船をシージャックするグループの仲間入りする
ことに。グループは乗っ取りに成功、南アのアパルトヘイト政策を批判し、国連に黒人運動家の証人を呼ぶよ
う全世界にアピールする。国連やアメリカ始め各国の思惑が錯綜する中、彼らの要求は通るかに見えたのだが、
船内で殺人事件が勃発する。凶器となった銃を持つ者は乗っ取り犯グループ以外にはいないことから、自分た
ちの身内に殺人犯がいることになるのだが・・・。
非常に読みやすいお話で、まあ国際的なダイナミックな動きの描き方など、現代の国際謀略物に比べると、やや
幼稚な感じがしないでもないですが、もう40年以上も前に描かれた作品なので、その点はご容赦をw
ただ、殺人犯を特定する推理が、伏線が無い訳ではないものの、やや取ってつけたような感じで、全体の流れ
から浮いてしまっているような・・・。
本作は、飽くまでシージャックをテーマにしたサスペンス物として秀逸な出来栄えであり、殺人事件の謎解き
は飽くまで付け足し、と評価した方が良さそうですね。 「別冊『宝石』−新鋭二十二人集」(昭和27年6月)
昭和20〜30年代に活躍した戦後派作家22名の22短編を収録。本スレの守備範囲以前の作品
ですが、内容紹介は珍しいと思うのでご容赦を。
著名な作家では、日影丈吉「天仙宮の審判日」、土屋隆夫「青い帽子の物語」がありますが、残念ながら
出来が良いとは思えません。当時の人気投票は、確か、朝山蜻一「巫女」、狩久「すとりっぷと・まい・
しん」、そして土屋隆夫の順だったと思いますが、これも納得できず、他のマイナーな作品の方に
興味深いものがあると思いました。
まず、埴輪史郎「ヒマラヤの鬼神」は、太平洋戦争中、東京・ベルリン単独飛行中に消息を絶ち、ヒマ
ラヤ山中に遭難した男と地元の娘の出会いを描き、角田實(後の左右田謙)「嫉妬」は、ゴムのチュ
ーブを使った奇矯な絞殺トリックが面白く、島久平「犯罪の握手」は長編「硝子の家」にも登場する
伝法探偵が連続殺人の密室トリックに挑みます。トリックは馬鹿馬鹿しいですが、犯人の意外性がまず
まず。
そして山沢晴雄の「厄日」。この人の作品、僕には非常に難解で、短編「電話」はともかく、「離れた
家」は未だに理解できません。この「厄日」は、推理作家が出会った事件を、彼の作品から心理的に
分析するもので、少々腰砕けですが、それなりに読ませます。 (承前)
川島郁夫(藤村正太)「法律」は、玉川上水での溺死事件を扱い、アリバイ工作は大したことはないです
が、法律の規定を逆手にとった犯人の動機に意外性があります。夢座海二「死の時」は、ラジオの時報を
使ったアリバイ工作と凶器消失による密室構成に工夫を凝らし、坪田宏「俺は生きている」も、外地から
の引揚げに絡む脅迫事件での風変わりなアリバイ工作がユニーク。
一番優れていると思ったのは、宮原龍雄「灰色の犬」と黒津富二「亜流『探偵小説』」の2本。
「灰色の犬」は、場末の工場で起こった人間消失トリックを扱い、埋立地をうろつく野良犬に萩原朔太郎
「月に吠える」の詩が被さる冒頭が上手く、さり気ない伏線も良く、トリックも従来の蒸し返しに近いで
すが無理がなく、傑作です。
「亜流『探偵小説』」は、作家が或る事件をモデルにした探偵小説の構想を友人に打ち明けて、ディス
カッションを進めながら、トリックを組み立ててゆく話。コーヒーの毒殺トリックや、インディアン・
ポーカー風の遊びによって色盲を見破る点など、緻密なロジックの積み重ねが光ります。最後に、作家が
見聞した事件の真相が作家の構想通りだった、というオチがつきますが、タイトルといい内容といい、
横溝正史の傑作短編「探偵小説」に挑戦したものと思われます。この黒津富二ってヒト、どういう来歴の
人なんだろうか・・・? 影山荘一ってなんで斎藤栄の本の解説ばかり書いてるんですか それはもう公然の卑弥津ということでいいんでしょうか わざわざ変名つかって解説書いてるのってどういうこと?
だれも解説を書いてくれる人がいないから自分で書いてるということなのかな。 長尾誠夫「秀吉 秘峰の陰謀」(祥伝社ノンポシェット)★★★★
1988年の歴史ミステリ。
戦国時代、台頭する羽柴秀吉と敵対するも、秀吉勢の前田・上杉に挟まれて苦慮する越中の佐々成政は
起死回生の策に出る。絶対に踏破不可能と言われてきた、真冬の立山・北アルプスを越えて、信濃から
三河に入り、秀吉と休戦していた反秀吉派の筆頭・徳川家康に再決起を促そうという奇策だった。佐々
は、主だった家臣や地元猟師らのほか、かつて謎の敵に襲われていたところを助けてあげた修験者の若
者・武虎をメンバーに加えて出発する。しかし立山の極寒地獄と猛吹雪の中、一人、また一人と脱落し
てゆく・・・。そこに敵方の放った刺客も襲い掛かってくる。果たして佐々成政は無事、立山を越える
ことが出来るのか・・・。
・・・傑作、お勧めです。
佐々成政の立山越えという史実を踏まえつつ、ラストの一発ネタともいえる大ドンデン返しに成功した
作品。そのドンデン返しは、或る人物にまつわる「説」に基づくもので、この頃には結構新鮮だったかも。
正しくは、本作とほぼ同時期に出た或る時代小説作家の有名作により、人口に膾炙したようですが、本
作の作者は「自分の方が先」と「あとがき」で主張しています。
・・・まあどっちが先であれ、本作の「意外な真犯人」には結構驚いた。残念ながら、中盤の無用な描写の
ヒントで、「もしかして・・・」と感づきつつもあったが(俺が戦国史に詳しくないせいかな?この時代に
興味のある人には、この時点で、或いはそれ以前から全てバレバレかも知れませんが)。いずれにせよ、
あの無用な描写さえ無ければ、ミスディレクションは大成功だったはず。
更に、新田次郎の遭難物の登山小説にも匹敵する、荒れ狂う冬山の描写も迫力十分で、冒険小説として
もなかなかの出来栄え。あと、題名もね・・・、或る理由から秀逸ですw 「別冊宝石33号−新人二十五人集」(1953年12月)
本スレの対象からは外れますがご容赦を。
この別冊で一番有名な作品は、白家太郎「みかん山」◎。むろん多岐川恭のデビュー作。旧制高校を
舞台にした密室状況の事件。バカトリックっぽいですが、犯人の動機も含め、全体に漂う感傷的で
ロマンティックな雰囲気が抜群の佳作です。
その他の佳作は以下のとおり。
山沢晴雄「死の黙劇」◎、砧探偵の名刺を受取った男が、その数分後、遠く離れた場所で自動車事故死。
絶対に不可能なのだが・・・。これは面白かった。事故で頓挫した裏のアリバイ工作が秀逸で伏線も先ず
先ず。鮎川哲也の名作「五つの時計」(1957年)に先駆けて、似た趣向のアリバイ工作に挑戦した佳作
です。
吉田千秋「書くに適さぬ犯罪」◎、知られざる佳作です。警察官の兄を持つ妹が勤務先の役所で公金を
紛失。施錠した机の抽斗から金が消えたのは何故・・・。ほんの一寸したトリックですが、小道具の使い
方やその伏線、犯人の動機まで無理なく収まっており、犯人がバレバレなのが難ですが、コンパクトに
仕上がった逸品。 (承前)
次いで良作レベルを。
水原章「日の果て」○、画家の不倫相手の夫の死。被害者は雪に覆われた完全密室状態の自宅の
離れで殺されていた・・・。これはアレしかない真相で、それによって犯人もバレバレですが、雪の
密室トリックに挑んだ意欲は買いたいです。
白井龍三「千秋楽」○、女優が元恋人を客席に見かけるが、その男は直後に殺されてしまう。彼女
が目撃した時間から、容疑者にはアリバイがあるが・・・。ミエミエのトリックですが、法医学者の
探偵役なども配して、この本の中では「本格」味は強い方で満足。
井上銕(てつ)「何故に穴は掘られるか」○、警察署や個人宅に「死体(或いは財宝)を隠している
ので掘り起こしてほしい」という手紙が、あちこちに届く。名探偵・関口十三郎の推理や如何に。
・・・このトリックは見抜けましたが、シンプルながらも面白かった。
渡辺一郎「天意」○、三角関係に悩む女性の養父が密室状態の自室で刺殺される。やがて養女も謎
の死を遂げる・・・。短い枚数でバレバレではあるが、密室トリックとアリバイ工作を盛り込んだ意
欲は買います。 (承前)
大島薫「かげぼうし」○、アメリカ帰りの新進女流作家の服毒死。養女とその婚約者が疑われるが、
現場が密室で、遺書もあるため自殺と判断されるが・・・。遺書の真相や密室トリックも面白く、構成
も上手いが、短編のためご都合主義を平気で取り入れて解決したのが残念。
木島王四郎「ある青春」○、戦争直前、婚約者のいる女性を好きなった男が衆人環視の中、ビルか
ら転落死、自殺として処理される。三人の共通の友人であった素人探偵の木島王四郎は、終戦直後、
その女性と意外な形で再会し、事件の真相を知るのだが・・・。作者と探偵の名が同じで、文中でも
エラリー・クイーンが引用されていますが、事件の真相はバカバカしい機械トリックで萎えます。
でも結構面白かった。
深尾登美子「居眠り天使」○、札幌で暮らす孤児の姉弟。姉がハンドバッグごと給料と指輪を引った
くられる。同じアパートに住む素人探偵・猿山女史に相談、事件現場に行ってみると、住人が謎の
死を遂げていた・・・。トリックは単純で謎解きの過程も素人丸出しですが、猿山女史のキャラがユニー
クだし、いかにも昭和20年代の女性作家の作品らしくて楽しい。 (承前)
次は凡作。
鳥井及策「晴れて今宵は」△、神戸のチンピラ健太。仲間を殺したと訴えるも、アリバイがあると警察に
相手にされず釈放。真相は・・・。車六先生なる名探偵も登場しますが、説明不足の凡作。
隠伸太郎「悲しき自由」△、これも神戸が舞台。港湾労働者の事故死の意外な真相を扱っており、独特の
雰囲気は良いが謎解きとしてはお粗末な出来。
木下義夫「砒素」△、密室状況での砒素中毒死。どうやって服毒させたか?がポイントですが、こんな
知識を持つ読者は稀でしょう。知らんがな。
明内桂子(四季桂子)「伝貧馬」△、病気で殺処分される競争馬が男を蹴り殺した事件にダイヤモンド紛
失事件が絡んできて・・・。うーん、ホームズ物のアレの焼き直しで凡作。
豊田寿秋「月蝕」△、新任の婦人警官がプレーボーイの巡査に誘惑されるが実は・・・。遺書のトリックが
ミエミエでダメ、ピカレスクな結末は良かった。この作者の「草原の果て」は「密室探求・第1集」にも
採られた密室トリックの名作だったけど・・・。 「草原の果て」なつかしいですね
「密室探求・第1集」の中でも印象に残ったほうだ あーやのツイートじゃちらっとしか触れられてないし分かり難いような・・・
>>365
ttp://togetter.com/li/759769 陳舜臣 老衰で死去 享年90歳
ご冥福をお祈りします。
「方壷園」読まなきゃなあ…… 中公で中国歴史短編全集みたいなの出してるんだな。今後文庫で何か発売されるかも… 谷恒生「錆びた波止場」(講談社)
本格の知られざる佳作長編「横浜港殺人事件」(★★★★、前スレ参照)と同じく、横浜近辺の寂れた
港町の船舶鑑定人・日高凶平を主人公にしたシリーズ第一作目の連作集。1979〜1980年の作品を収録。
巻頭の「オピュームナンバー4」(★★★)、フィリピン人船員が謎の溺死。背後に麻薬密輸が絡んでい
ることを知った日高は、所轄署の悪徳刑事・犬飼の捜査に協力するが・・・。これは堂々たる「本格」短編。
港の特徴を生かしたアリバイ工作に、一人二役まで導入。ちょっと伏線が弱いのが難ですが、先ず先ず
の滑り出しで期待大。
しかし、続く「花の殺意」で残念なことに「本格」志向から離れてしまう。馴染の娼婦と船員の間に起き
た傷害沙汰。二人の間に何があったのか・・・。シケた港町のうらぶれた風情や、そこに生きる娼婦たちの
心情など、ハードボイルドとしては一級の出来栄えなのですが、事件の真相に謎解き趣向が少なすぎて・・・。
「雨の追憶」も、謎解きミステリというよりも、海洋物のホラーといった方が良い話。ラストの伏線の
さり気なさは良かったですが。
「彼岸花狩り」は娼婦の集団失踪の真相。さり気ない伏線は良かったけど、謎解きの展開が安直すぎる。
「狂い花」もヤク絡みの話で、真相は大したものではない。
「積荷目録」は、荷役事故で用途不明の鉄球が転がり出てきた、それを見た防衛大中退のインテリのポン
引きが謎めいた死を遂げる話。これも、謎解きというには物足りない。
以上6編。日高凶平と犬飼刑事のコンビ、脇を固めるキャラ、何よりも海運不況に喘ぐ廃れた港町の描写
が、船員上がりの作者ならではの、誰にも真似できないほど素晴らしい出来栄えで、非常に面白いシリー
ズなのですが、巻頭作以外に、本格ミステリが無かったのは残念でした。 長井彬「ゴッホ殺人事件」(実業之日本社)★★☆
1993年、作者の最後の長編作品。
ゴッホの幻の名画が発見されるが、所有者の英国貴族と買い手の日本の画商が、取引先のウェールズの
古城で謎の墜死を遂げ、絵画と取引額120億円の小切手が犯人に奪われてしまう。現地で画商の妻を案内
していて事件に巻き込まれたツアーガイドの千鶴子と、画商の妻の元恋人であるルポライターの神野は、
国際問題に発展することを恐れて事故として処理しようとする地元警察に代わり、事件の真相を追及する。
画商の妻も謎の水死を遂げる中、日本に帰国した二人は関係者を訪ね歩き、或る不審人物に行き当たるの
だが・・・。
・・・一時のトラミスに比べると、原点に戻ったような手堅いストーリーは良かったのですが、謎解きの構成
としてはいささかお粗末。真犯人の設定は先ず先ずながらも、伏線が弱いし、その真犯人の鉄壁のアリバイ
が最後に立ちふさがるのですが、その真相も、特に秀逸というレベルでもなく、現代では不可能なネタなの
も惜しい。初期の山岳ミステリの傑作群に比べると、残念な出来栄え、というしか無いでしょう。 笹沢左保「闇狩り人犯科帳」(祥伝社文庫)★★☆
愚鈍で無精髭の冴えない容貌のダメ男。だが実は岡っ引きの秘密の手下という裏の顔を持ち、更には、
その親分も知らない、凄腕の闇の世界の処刑人だという源次こと音なし源のシリーズ第一作。1979年
頃に発表された作品集の再編集版。
序盤の作品に、ほとんど謎解きが無かったので危惧したのですが、途中から、それなりのミステリに
なってきたので一安心。「霜柱は笑う」は、右腕に情夫の名の刺青を持つ女が腕を切られて殺された
事件で、或る伏線から、かなり意外な真相に行き当たる展開が、まあ無理なく進められています。
「木枯しの辻」は、木枯しの吹く日にだけ現れる辻斬りの正体。「木枯し」というヒントが、これまた
意外な真犯人に結びつく良作。
あと「凍った三日月」は、不倶戴天の敵同士である看板娘の争い。笹沢作品では前例のある一発ネタの
アリバイ物ですが、なかなかスッキリした出来栄え。
「赤い初雪」は、両国・回向院の、周囲を初雪で覆われた土俵で発見された死体。足跡トリックの基本
ですが、もう一つ、喋れない寝たきり老人の作った「俳句」による暗号も添えており、暗号としては簡単
すぎるものの、更にもう一つ、真相にヒネりを入れており、動機についても、短い枚数の中でちゃんと
伏線を張っているのは見事。
その他には、全く「本格」味の無い話もあり、トリックを施している作品でも、謎解きの過程がかなり唐
突な場合が多く、やはり高い評価はできませんが、まあこんなものでしょうか。 佐野洋「崩れる」(講談社文庫)★★☆
1960〜66年の作品を収めた短編集。
「ある自殺」や表題作などは、意外性はあるし、構成にもソツがなく、キッチリとまとまっているのに、
全く面白くない、というのはどういうことだw
ベストは、選挙違反に絡んだ話で、或る人物のミスディレクションが効いている「透明な暗殺」だが、文
中で、「役不足」の使い方を間違えているというオソマツ。偉そうなこと言う前に、中学校あたりから
国語の基礎をやり直せよ、と言いたい。
全体に、やはり1960年代発表ということで、どれもこれも古臭くなってしまっているのが残念。 笹沢左保「闇狩り人犯科帳−盗まれた片腕編」(祥伝社文庫)★★
音なし源シリーズ第2弾。
「罪なお年玉」は、弓矢で射殺された事件。現場の足跡からの推理が一寸面白いけど、それだけ。
「藪入りの留守」は、江戸の町の常識の裏をかいたアリバイ工作が出てきて印象的。
「消えた花嫁」は、新婚初夜に行方不明になった花嫁の謎。・・・江戸時代ならではのおバカなトリックに苦笑。
でも斎藤栄「新婚恐怖殺人旅行」のアレに比べれば説得力があるかもw
その他の作品にも、幾つかトリックを仕掛けているものもありますが、謎解きが唐突だったり伏線不足
だったりと全体に難あり、残念でした。
笹沢左保「闇狩り人犯科帳−嘲笑う墓編」(祥伝社文庫)★★
“音なし源”シリーズ第3集。
巻頭の「長屋の賭」が、殆ど謎解き趣向が無くてガッカリ、続く「飛ぶ稲妻」も一寸したトリックが出てくるけど、
やはり謎解きには程遠い。その後も謎解き興味の薄い話が続いてガッカリ。
「江戸を去る朝」は、母娘による仇討ちと思われた事件を、源太が現場の状況を聞いただけで引っ繰り返す安楽
椅子探偵ぶりが見られるけど、これもトリッキーな趣向に乏しい。
その後の作品群も、謎解き興味には程遠く、ガッカリの一冊でした。 「古都殺人まんだら」ジェフ・バーグラント
ブコフで見かけた気になる一冊
お世話になります。
私、責任者の加茂と申します。以後、宜しくお願い致します。
http://www.apamanshop.com/membersite/27009206/images/kamo.jpg
浪速建設様の見解と致しましては、メールによる対応に関しましては
受付しないということで、当初より返信を行っていないようで、今後につい
てもメールや書面での対応は致しかねるというお答えでした。
http://www.o-naniwa.com/index.html 事務員 東条 南野
http://www.o-naniwa.com/company/ 岡田常路
このように現在まで6通のメールを送られたとのことですが、結果一度も
返信がないとう状況になっています。
http://www.apamanshop-hd.co.jp/ 加茂正樹 舟橋大介
http://s-at-e.net/scurl/nibn-apaman.html 大村浩次
私どものほうでも現在までのメール履歴は随時削除を致しております
ので実際に11通のメールを頂戴しているか不明なところであります。
・friends もののけ島のナキ http://s-at-e.net/scurl/NakionMonsterIsland.html
・妖怪ウォッチ http://s-at-e.net/scurl/Youkai-Watch.html
・崖の上のポニョ http://s-at-e.net/scurl/Ponyo.html
・スター・ウォーズ/フォースの覚醒 http://s-at-e.net/scurl/SWfa.html
・A http://s-at-e.net/scurl/ia-A.html
■http://s-at-e.net/scurl/ia-Pos.html
大阪府八尾市上之島町南 4-11 クリスタル通り2番館203
に入居の引きこもりニートから長期にわたる執拗な嫌がらせを受けています。
この入居者かその家族、親類などについてご存知の方はお知らせ下さい。
hnps203@gmail.com 昔読んだ笹沢佐保の作品、題名は忘れたが多分有名なやつ
男が服毒自殺?だったか、探偵は恋仲であった女の殺人と推理
だが女には鉄壁のアリバイ
真相は女が男に同日同時刻に死のうと提案、そして男は死に
女は残った、そんな純な男がいるのかって問題より、これを
トリックとは呼べんだろうって事
招かれざる客や霧に溶けるなどの、本格推理物書いた人の
作品とはとても思えんかった。 笹沢左保は作品数が多いから、アタリハズレの差が大きいね。
笹沢左保はきらいじゃないけど、「アリバイの唄」にはあきれた。 結城昌治の『ひげのある男たち』読んだ
ハードボイルドのイメージが強い人だったけど、ガッチガチのフーダニットでかつ傑作でビビった
ロジック好きは一読の価値ありありだと思う 大元帥閣下がトイレに行けないほど怖かったという永井豪の「吸血鬼狩り」やっと読んだけど、このオチでトイレに行けない??
確かに意外というか完全に想定外の結末だったけど、呆気にとられたというのが正直なところ
これを恐怖と捉えるのは……どうなんだろう 笹沢左保は依頼が多すぎたからしゃない
当時は今とは比べもんにならん雑誌出てたしな 笹沢は寝る時間もないくらいな売れっ子だったね。
寝ないよう立ったまま机高くして書いてたっていうし。 笹沢は腹這いで寝そべって原稿書くので有名なのだが・・・ 一番ヤバかったときは立ってたんだよ
結構有名なエピソードだと思うが ……早書きするために油性マジックで原稿を書いていた(チンタラ書いてると下のページにインクが写ってしまうから早く書かざるを得ない)某馬鹿詐欺エピソードを思い出してしまった 松本清張「絢爛たる流離」(文春文庫)★★★☆
1963年発表の連作集。確か「ミステリの祭典」で紹介されていて、面白そうだったので読んでみました。
昭和初期、炭鉱王の父親から娘に贈られた3カラットのダイヤモンド。持ち主を襲う運命とともに、転々
と所有者が変わってゆく。炭鉱王の娘から商社マンの妻の手に渡って日本統治時代の朝鮮に、更に流転
を重ねて終戦直後の闇市に、そして・・・。
・・・ダイヤの持ち主たちを襲う様々な事件から構成された連作集なのですが、これが、かなりトリッキー
なお話ぞろい。特に「小町鼓」の遠隔殺人(?)トリック、「百済の草」の軍隊の習慣を利用したトリック
などなど・・・。しかし一番スゴいのは、「雨の二階」のキテレツなアリバイ工作の真相。これは日本バカ
ミス史上に残る、一読忘れがたい爆笑トリックでした。
その他には、「灯」の、事件現場の照明が点いたままだった理由のトンデモぶり、「代筆」の謎の心臓マヒ
の真相、ラストのエピソード「消滅」における幕切れの切れ味など、なかなかのもの。
決して傑作、佳作とは言い難いのですが、これは面白かった。お勧めです。 井上ひさし「新釈遠野物語」(新潮文庫)★★★☆
昭和二十年代、大学を休学して母親の住む三陸地方・釜石に戻り、地元の療養所で働き始めた「ぼく」が、
洞穴に住む謎めいた老人と出会い、大正・昭和初期に老人が実見した怪談を聞かされる、という趣向の、
1976年の連作集。
題名どおり、柳田国男「遠野物語」を踏まえて、山男、狐憑き、マヨイガなどなどの怪異が語られ、
大変読みやすく、なかなかに怖い話ぞろいで楽しめました。中でも、巻頭の「鍋の中」の恐怖感の盛
り上げ方はスゴい。オチには笑いましたが。あと、「笛吹峠の話売り」も意表を突いたドンデン返し
と哀しい結末が見事に決まった佳作。
ラスト「狐穴」で、この連作全体にまたがる「オチ」があり、解説では、あの「十二人の手紙」も引用
して評価しているので期待したのですが・・・、それほどのことでも無かった。前例のあるオチです。
とはいえ、ホラーとしては勿論、ミステリとしても、まあまあ評価に値する良作です。但し一部の
趣向を除いて、「本格」とは言い難いかな・・・。 >>3氏じゃないけど保守を兼ねてレビュー。
結城昌治『温情判事』
角川文庫の結城昌治初期短編傑作集シリーズの一冊で、本当に最初期の結城短篇が収録されている。
このスレの対象になりそうな本格ミステリは
「寒中水泳」「長すぎたお預け」「幽霊はまだ眠れない」の三編でどれも高品質。
まず「寒中水泳」がデビュー作とは思えないほど文章も伏線も推理もこなれている佳作。
若干、真相に専門知識ネタが混じっているのが玉に瑕だけど、よくまとまっている。
次に「長すぎたお預け」、これが傑作。
銀行強盗に成功した悪党グループの中で、分け前を争って殺人が起こる話で、
視点人物を一章ごと変える構成は『そし誰』っぽい(それがミスリードに繋がっているあたり含めて)
ラストに明かされる真犯人はかなり意外で説得力がある。
次の「幽霊はまだ眠れない」も傑作かな。
有栖の『幽霊刑事』みたいな感じで幽霊になった主人公が自分を殺した犯人を捜す話で、伏線も真犯人の意外性もかっちり決まってる。
その他の三編は本格度は低いけれど、ツイストはちゃんとあるし、かなりレベルの高い一冊だった。オススメ エラリー・クイーン「いいのあったら送れ」
生島治郎つ『寒中水泳』
エラリー・クイーン「イマイチ」 >>399
その後、日本傑作推理12選に結城の「凍った時間」採用しているし、ま、多少はね? 南原幹雄「謎の団十郎」(講談社文庫)★★★☆
この作者の作品は、以前に紹介した、新撰組の沖田総司・島田魁コンビを探偵役とする「新撰組探偵方」しか
読んでいませんが、本作は1980〜1984年に発表された作品を収めた時代物の短編集。
「初代団十郎暗殺事件」は、歌舞伎役者の初代団十郎が舞台上で衆人環視の中、刺殺された事件を、150年後に
八代目団十郎が追及し、これまでの通説を引っくり返す話。江戸歌舞伎と上方歌舞伎の確執に注目し、或る
人物と意外な動機を持ち出す趣向や、歴史上、犯人とされている人物に代わる真犯人と、或るトリックを使っ
た真相を提示するなど、なかなかに「本格」味が横溢した良作。
「死絵七枚揃」は、その八代目団十郎に死相を読み取った死絵専門の絵師の話。ホラー風の作品で謎解き物で
はない。
「油地獄団十郎殺し」も、その八代目団十郎が大坂で自殺した史実の真相に絡んだ話。江戸経済の裏面に絡んだ
趣向は面白いが、謎解きミステリとしては今ひとつ。
「長州を破った男」は、長州藩の御用商人・鴻池一族と毛利家の暗闘を描いた力作。鴻池の先祖は戦国武将・
山中鹿之助で、先祖の恨みを晴らすべく、主人公の採った奇策とは・・・。
これは面白かった。大名の毛利家と豪商・鴻池家の虚々実々の経済戦争が大変興味深いところだが、惜しむらく
はミステリとしての謎解き趣向が弱い。
その他の2編は、喜多川歌麿にまつわる話だが、ミステリ味は薄いので略。
・・・全体に、巻頭の「初代団十郎暗殺事件」を除いては本格ミステリとは言いがたいですが、良作でしょう。 井口民樹「大山・宍道湖殺人ライン」(青樹社ビッグブックス)★★
1988年の長編。以前紹介した「さいはて特急おおぞら殺人事件」と同じく、ルポライター友部が主役の
シリーズ第?作。
ルポライターの友部は、ひょんなことから画廊の従業員と関わりを持ち、彼が関係する若手女流画家の
個展が開かれる山陰・松江に向かう。だが米子駅で友部に見られたのを最後に、女流画家は失踪、画廊
の男は大山山麓で他殺体となって発見される。友部と学生時代の友人である地元紙の女性新聞記者ととも
に事件を追ううち、画家の師匠やその愛人、画廊の社長親子など不審人物が浮かび上がってくる。やがて
第二、第三の事件が起こるのだが・・・。
うーん、鉄道を使ったアリバイ工作なり、「×人×役トリック」なり、謎の構成には工夫が見られるの
ですが、ストーリー展開が謎解きを前面に出す感じではなく、伏線の張り方も上手くないので、ラストの
真相解明がグダグダになってしまっており、残念な出来栄え。前作の「さいはて特急おおぞら殺人事件」
の法が遥かにマシ。題名も、深谷忠記の壮・美緒シリーズの真似だし・・・。 石川喬司「競馬聖書」(徳間文庫)★★
新聞記者にして競馬マニア、SF作家・評論家でもある作者の、1975年の競馬ミステリ長編。
競馬狂の雑誌編集者・北野大助が出会った謎のフランス人美女。フランスで起きた誘拐事件の被害者
に瓜二つだったが、美女は競馬場で不可解な失踪を遂げる。以来、大助は不審な事件に巻き込まれて
ゆくのだが・・・。
競馬に麻雀、パチンコが「男の娯楽の王道」だと思われていた昭和のお話。大助の友人には、作家の
海野徹(海渡英祐と佐野洋と三好徹の合成w)やら山川浩司(山野浩一と石川喬司の合成)などなど、
競馬好きで知られた作家たちのパロディめいた人物が登場します。
解説には、「密室などのトリックやら犯人当ての趣向など、本格ミステリの趣向も盛りだくさん」と
あったので期待したのですが・・・。うーん、謎解きどころか、ストーリーもあってないようなもので、
これは嵯峨島昭「グルメ刑事」に近いテイスト、ひたすら競馬に関する薀蓄やらゴシップを垂れ流す
だけのもの。密室からの消失とか、意外な黒幕とかの謎解き場面があったような気もするけど・・・、
殆ど意味なし。駄作ですね。 (オマケ・番外編)
寺山修司「花嫁化鳥」(角川文庫)★★★☆
あらすじで、「金田一耕助とともに旅をして、彼の視点で謎を解く・・・云々」とあったので、どんなもの
かと購入。1973年に旅行雑誌に連載された、独特の感性による日本各地を訪ね歩いた紀行文集。
八重山諸島、鳥葬の習慣が残る因習に縛られた孤島・大神島に始まり、ヒバゴン騒動の比婆山、土佐犬を
巡る旅、浅草の見世物小屋、青森県、キリストの墓がある戸来村などなど・・・。
「金田一耕助ふうの謎解きの旅」は最初の数編のみで、途中から主旨が消えてしまったのが残念ですが、
巻頭の大神島が圧巻。本当にこんな島が1970年代になっても残っていたのかと驚嘆した。本土はもとよ
り、沖縄の他の島の人間をも排斥しようとする島の秘密とは・・・。作者も、金田一耕助シリーズのみな
らず、「パノラマ島奇談」まで持ち出して島の風習の謎解きに挑んでおり、これはミステリそのもの。
あと、戸来村、例のキリストの墓のお話も、大真面目なのか、からかっているのか良く分からない作者の
視点が面白い。
ともかくも、1973年、未だ横溝ブームが来る前に、この作者が金田一耕助に着目していた点は評価したい
です。 浅黄斑の「夫婦岩殺人水脈」(光文社文庫) を読んだ。
1995年に文庫書下ろしとして発表された作品。
フリーライターの女の子が取材先の城ケ島で段ボール詰めの死体を見つけるところから話が始まる。
一番怪しい人物は死亡推定時刻に商用でカナダにいたというアリバイがある・・・
というストーリーから、単なるアリバイ崩しの作品かと思ったら、
この最初の殺人事件についてはあっさり解決し、ストーリーが二転三転していく。
探偵役のフリーライターの女の子の書き方や、
警察の情報を都合よく入手する点については疑問がないわけではないけど、結構面白かった。
100点満点で75点というところかな。(ちょっと高すぎるか?) 梶山季之の「傷だらけの競走車(ラリー・カー)」は面白かった。
1967年に発表された作品のようだ。(私が読んだのは角川の文庫本。)
小説としては企業小説というジャンルになるのかもしれないけど、
モンテカルロラリーの最中に、主人公の所属する自動車メーカーのラリーカーが行方不明になり、
数日後、トライバーとコドラの凍死体が最後に目撃されたところから数百キロ離れたところで発見され、
しかも乗っていたはずのラリーカーが見当たらない・・・等、社会派ミステリーの要素が強い。
日産あたりに取材しているようで、モンテカルロラリーやサファリラリーのこともよくかけてるし、
車好きの人は読んでほしい。
タイガー自動車は日産がモデルだな。新日本自動車はトヨタか? オウム真理教に殺害された坂本堤弁護士(深夜自宅に押し込まれ一家皆殺し)が住んでいた団地の他の住人(7世帯)は、
全員事件の起こる半年前より後に越して来た人達だった。
そのうち五世帯が創価の会員世帯。
神奈川県警は初動捜査の段階で、この住人達全員に行動確認をかけていた。
その矢先に城内康光県警本部長の婦警へのセクハラ疑惑や
生活安全課の警視がノミ屋(もぐりの馬券売り場)を開帳していた疑惑が突然次々と出始めて、
行確をはずしたら、マスコミからの疑惑追及は止まった。
それで勢いの付いたオウムは脱会信者の家族らを次々とVXガス(今度の金正男殺害で使われたのと同じもの)で襲撃。
当時の官房長官だった野中広務は
北朝鮮詣でから帰ると出所不明の大量の金を政界にばらまき始め、自民党の実質的な党首におさまり
公明党を政権に引き入れた。
ネトウヨもいないし、韓流ブームもまだ無い頃だったけど、あの頃から俺達の国はもうおかしかった。 井上ひさし「月なきみそらの天坊一座」(新潮文庫)★★★☆
終戦直後の東北地方、山形県を中心に興行を続ける三流の奇術師夫婦に弟子入りした天才少年。巡業地で
彼らが出会う事件を描いた、1977〜81年に発表された連作集。
手品のタネの数々がなかなかトリッキーで、本格ミステリ風味もあって楽しめました。直接、論理的な事件解決に
至る話は少ないものの、盗難の冤罪に悩む母子のために、主人公たちが事件の真相を追及する話もあって、
これは本格ミステリそのもの。但し、シャーロック・ホームズの有名作の二番煎じですがw
各エピソードの全てが、ミステリ的な構成になっている訳ではありませんが、これは大変面白かった。お勧めで
しょう。 中町信「悪魔のような女」(ケイブンシャ文庫)★★☆
1988年の「殺人病棟の女」改題版の長編。
埼玉の病院で、医師の3兄弟を巡る連続殺人事件。疎遠だった伯父が遺した遺言書を巡る遺産相続争いか。だが、
相続権を持つ3兄弟が全て殺されてしまう。一体真犯人は、そしてその動機とは・・・。
うーん、二転三転して、真相が予測もつかない構成や、読みやすさ、そして下品な話題が少なかった点は評価でき
ますが、二転三転して謎が謎を呼んだのは、後出しで都合よく目撃者や証拠を登場させていただけ、のような気が
します。真相は、まあ、こんなものかな、といったところ、「単身赴任」の件もほぼ丸わかりでしたしね・・・。
凡作でしょう。 sage忘れた、スミマセン・・・。
高木彬光「人斬り魔剣」(春陽文庫)★★
春陽文庫なので、発表時期不明でしたが、調べてみると1958年の「青貝進之丞人斬り控」が元題のようです。備前・
池田藩出身の浪人・青貝進之丞を主人公にした連作集。青貝は、「自分の命売ります」で江戸中の評判になり、彼の
腕前を買う人々に絡んでくる事件を解決、或いは自分の腕を買った本当の理由を暴く、というパターン。
第一話「女自雷也」がベスト。青貝を千両で買った女。さる旗本屋敷に幽閉されている娘の救出を青貝に依頼するの
だが・・・。アリバイ工作の一種ですね。ミエミエだけど楽しめた。
続く「女敵討ち」は、或る道場主を仇と狙う男に買われた青貝。道場破りに出向くのだが・・・。これは真相の意外性に
ヒネりが見られるが、ミステリとしては弱い。
続く以降のエピソードでは、ミステリ的な構成が全く薄れてしまっており、ただのチャンバラ小説になってしまったのが
残念でした。 谷口敦子「かぐや姫連続殺人事件」(講談社ノベルス)★★☆
矢口敦子の改名前のデビュー作(裏表紙の写真を見て、今邑彩かと思った・・・)。1991年発表の長編。
現代のかぐや姫とも称される絶世の美女・鈴子。資産家の令嬢である彼女には一条薫という、同性の恋人がおり、意に
沿わぬ結婚を強いられることになり、「竹取物語」さながらに、宝探しの勝利者と結婚するという条件を出すことに・・・。
富士山ろくの別荘に5人の求婚者を招待し、宝探しのヒントとして出されたのは、「竹取物語」に出てくる和歌2首。その
暗号を解くことになるのだが、求婚者の一人が古井戸に転落して怪我をしたり、もう一人は鈴子に襲い掛かって追放さ
れるなど不穏な雰囲気に。そして遂に殺人事件が勃発。薫が、足跡一つない雪の降り積もった庭で刺殺されているの
が発見される・・・。
暗号解読なり、密室殺人なり工夫を凝らしているのは分かりますが、何かドタバタした印象。そもそも、結婚逃れのため
の宝探しの意図が浅はかすぎる。足跡の無い殺人の謎については、大胆な伏線が張られているのは良いのですが、
そのトリックが余りにバカバカしすぎて・・・。何だろう?劣化版の「斜め屋敷の犯罪」に近いテイストと言ったら良いのか、
違うかな?
最後の最後に待ち構えていたラストシーンは、先ず先ずでしょうかね。わざわざ探して読むほどではないけど、ちょっと
風変わりで面白いかも・・・。 長部日出雄「津軽世去れ節」(文春文庫)★★★
1972年に津軽の地方出版社で出た作品集で、直木賞受賞作。
「死者からのクイズ」はミステリ作品。津軽地方に住む老人が作った日本庭園。園芸専攻の大学生が、その庭に隠された
秘密を探るのだが真相は・・・。まあ本格ミステリの謎解きとしては初歩のレベルですが、なかなかに味わいのあるお話。
「津軽じょんから節」は、伝説の津軽三味線の奏者のお話。表題作もまた、戦前に夭折した幻の津軽三味線奏者を描い
た話。
「津軽十三蜆唄」は、最果ての地・津軽半島西岸を舞台にした作品で先ず先ずの出来。
「猫と泥鰌」は現代の津軽地方が舞台。農地の池でドジョウの養殖を副業にしているサラリーマンの若者のお話。地方色
の描き方が上手い。
「雪の中の声」は、息子がキツネ憑きになったと思い込んで殺人を犯してしまった母親の事件を追う地元新聞社の記者の
話。これもまたミステリ風味が効いています。
全作品とも津軽地方を舞台にしていて、楽しく読むことが出来ました。ミステリ作品があったのが意外でしたが、この作者っ
て、ミステリ作品の解説をしていたこともあったような・・・。 井上ひさし「犯罪調書」(集英社文庫)★★★
十九世紀から戦後まもなくの時代に発生した古今の犯罪実話を紹介する、エッセイとも脚色した小説ともつかぬ作品集。
ドンデン返しのある話もありますが、ミステリのそれとは一寸違う意外性ですかね。事件の異常性や時代背景などを楽しむ
べきもの。
ミステリの趣向からいうと、ベストは「熊毛ギロチン事件」。密室状態の田舎家で首を切り落とされた死体の謎。本当にこん
な犯罪があったとは驚き。本格ミステリそこのけの機械的トリックの連打に、頭がクラクラしました。あと、“フラッシュバック”
でも触れていたと思うけど、英国で起きた貴族の二重生活を扱った「ドルース=ポートランド株式会社事件」。ホームズ譚や
「ジギル博士とハイド氏」なども引き合いに出して、十九世紀末の英国において「一人二役」がもてはやされた時代状況の
分析が興味深いです。 >>416
続編の『魔剣青貝流』を読んでみました。
高木彬光の時代もの、少年ものは基本、裏のかき合い、騙し合いの応酬といった感じ。
扮装やら成り済ましやら、嘘、はったりで欺くことに主眼が置かれているので、
トリック的な興味はないものの、どこまで見破れるかの直感試しとすれば、それなりに楽しめます。
『刺青』や『能面』、「妖婦」や『人形』を期待しては駄目ですが。 中津文彦「成吉思汗の鎧」(講談社)★★★
1987年の講談社書下ろし叢書に発表された長編。
東朝新聞の記者が新婚旅行先の三陸海岸で、OLの殺人事件に遭遇。更には八戸で学生が殺され、竜飛岬でもまた・・・。
被害者たちは義経北行伝説を研究するアマチュア団体のメンバーだった。事件に見え隠れする謎の外国人。東朝新聞は、
法眼や姿などの敏腕記者を総動員して、事件の謎を追及するのだが・・・。
乱歩賞デビュー作「黄金流砂」の法眼記者、「特ダネ記者殺人事件」他「三四郎」シリーズの姿記者など、過去の探偵役が
勢ぞろいで、記者の追及ぶりが活き活きと描かれており、作者がかなり力を入れて書いたことは分かるのですが、義経北
行伝説の「新説」もパッとしなければ、連続殺人の謎解きもダメ。そもそもフーダニットになっていないし、トリッキーな趣向も
無い。
しかし、成吉思汗だから蒙古、モンゴルだから・・・、と思わせての結末、真相に関する或る意外性だけは鮮やか。アレに誤
誘導させる、作者の筋の運び方のテクニックだけは見事でした。 白石一郎「足音が聞えてきた」(新潮文庫)★★★
1977年の時代小説短編集。
巻頭の表題作が、地味ながらも歴とした本格ミステリ。寺社奉行の夫を通り魔事件で喪った妻。部屋住みの義弟が
見事仇を討ち、その兄に代わって寺社奉行につき、更に兄嫁と再婚するのだが・・・。種明かしを手紙に頼っている
など安直な部分もありますが、序盤の些細な伏線とミスディレクションが見事に決まった佳作。ある人物の印象が、
たった一言でガラリと変わる瞬間が見事でした。
残りの作品はミステリではないですが、「筑前狂想曲」は、奇想天外な藩財政の立て直し策の顛末、経済時代小説と
も言えそうなユニークな内容で、主人公のクレイジーぶりもスゴく、一種のサイコホラー、これがベスト。
あと、「お駒の虹」のホロッとさせる、藤沢周平作品のような爽やかなラストも良かった。 (オマケ)
大井廣介「紙上殺人現場」(現代教養文庫)★★★★
以前に一部を斜め読みしただけでしたが、ようやく入手出来て通読。1960〜66年の国産ミステリを毎月、ミステリ・マガジン
誌上で、辛口で批評したもの。
これまで読んできた清張、笹沢左保、三好徹、結城昌治、佐野洋、陳舜臣、多岐川恭などなどの作品群の、発表当時の状
況や同時代の批判が大変面白く書かれている。でも、ちょっと今読むと、文章がヘンな感じもするし、ポイントがズレている
というか、どうでも良いことに拘っているとしか思えない部分もあるが、まあ、そこはそれ。
全体的に言って、日影と陳への批評が好意的ですね。次いで鮎川、清張か。笹沢左保は確かに、作品によって評価がピン
からキリまで。
ともかくも、陳舜臣や三好徹、西村京太郎などがデビューしたころの状況、空気が感じ取れたのが最大の収穫でしょうか。
たった7年余りだけど、最初の年度は、乱歩や大下宇陀児の作品を批評していたのに、最後の年度は、斎藤栄だもんなあ・・・。
世代が変わってゆく様が実感できました。
あと、決して高評価ではないのだが、藤本明男「白い対角線」、「暗い年輪」、森田雄三「あたしが殺したのです」、山田克郎
「海の異教徒」、竜茂記「謀略海峡」とか全く未知の作品も出てきた。読んでみたいなあ・・・。 >>406
1973年といえば角川には既に横溝文庫が10冊入っているわけで、先見の明があったとはとても言えたもんじゃないと思うが >>426
藤本、森田あたりは今も安価でよく見かけます
「あたしが…」のほうは昨年の三省堂書店8Fの古書市で、箱付き700円だったのでついに買ってしまった 過去スレまで全てチェックしました。
気になった本をネット古書店で取り寄せて読んでるのだけど...紹介文上手ですよね。今のところ期待を上まわったモノは皆無で、埋もれた傑作など早々見つからなそう。
本編より予告編が面白い映画のようなスレですなココは。 >>406
正確には横溝正史リバイバルブームであって
それ以前から横溝正史は有名作家だったんだから
なんの不思議もないと思うけどね とは言っても、横溝は昭和40年代には推理小説は、49年の年末に1冊出した
だけだし、みんなほぼ忘れてただろうな。 >>432
でもたとえば、海外のミステリー作家で今はほとんど絶版になっている人でも
ミステリーファンにとっては有名な人もいるわけだし、
横溝正史がいくら世間から忘れられていても興味のある人にとっては
それなりに有名な存在だってだけの話でしょ。 >>406
>>427
寺山は昭和10年生まれ
早熟でならしたひとだし、先見の明も何も
金田一耕助の活躍はリアルタイムで知ってて当然 お前ら普段ろくにレビューも書かないくせに他人の揚げ足取るときだけはワラワラと湧いて出るんだな >>435
知ってるかどうかじゃなくてブームが来る前に着目していたことを評価してるんでしょ
せめて揚げ足は正しく取ろうな 角川春樹が横溝正史に興味を持ったのは、多分、少年マガジンに連載された影丸譲也の八つ墓村。
連載時期があしたのジョーとかぶってる。(角川春樹は学生時代ボクシング部。)
寺山修司は力石の葬式の葬儀委員長をやってるし、主題歌も書いてる。
横溝正史に興味を持ったのは、やっぱりマガジンあたりからじゃないかな。 >>437
>知ってるかどうかじゃなくてブームが来る前に着目していたことを評価してるんでしょ
>せめて揚げ足は正しく取ろうな
だから有名な作家なんだから着目してなんの不思議があるのって話だよ
別に横溝正史ブームを予言したというわけではなく、単に金田一耕助を
使ったっていうだけの話なんだから 寺山が金田一を自作に起用した事が不思議だなんて、そもそも元スレ3氏は書いてないでしょ。
角川の大ブームが来る前に、世間一般から忘れられた名探偵を自作に登場させた事を「ミステリファンとして評価する」という感想が文意かと。
個人に感想にあれこれ言っても意味は無い。 >>440
すでに角川に代表作が10点近く収録されてた年だから
単に最近流行ってきたみたいだからと便乗しただけなんじゃ 初代スレの3氏は、八つ墓村や犬神家の一族の映画化によって横溝正史ブームが来たと思ってるようだけど、
実際には1970年に講談社から全集が出てるし、1971年に角川文庫から八つ墓村が出てる。
八つ墓村が売れたから角川はその後も復刻し続けたわけで、1973年には横溝正史ブームは始まりつつあった。
(東宝にしろ松竹にしろ、アタリそうもなければ映画化するわけはないし。) 初代スレ3氏がいう「ブーム」って、犬神家映画化以降の大ブームを指してるんじゃないの?
映画の前年が角川の横溝フェアだから、>>442氏>>443氏の見解は正しいと思うけど、だからといって>>406がおかしなことを書いてるとは到底思えない。 >>444
> ともかくも、1973年、未だ横溝ブームが来る前に、この作者が金田一耕助に着目していた点は評価したい
この文からよくそんなに都合のいい解釈できるな >>445
角川映画「犬神家の一族」が公開されたのは1976年。ミステリーの年表なるものがあれば、横溝ブームはその年をしめすというのが私の見解(おそらく3氏も)。 趣旨はブームの時期云々じゃなくて寺山修司に先見の明があったかどうかってことでしょ
で、散々「なかった」と突っ込まれてるわけ
すり替えるなよ 「横溝正史ブームはいつからいつまで?」でググろう
寺山修司が一般人レベル以下の流行に疎くて書店にあまり足を運ばないような人だったなら「そういうレベルの人の中では」先見の明があったと言えるだろうね >>447
寺山は横溝ブームが来る前からそれに着目していた。3氏はそれを評価したいと書いてるだけ。
先見の明云々なんて書いてないでしょ。
すり替えてるのはどっちだ。
相手の言うことを理解できないのは知性の問題。理解する気がないのは理性の問題。 >>448
それはブームの定義の問題(自分の考え方は>>444>>446)。
映画公開時点で相当部数が売れていたのだから、公開後からブームが始まったという考えは間違いと言われたら「あっそ」と言うだけ。 横溝の本が売れるようになったのは映画がきっかけというのは間違い。大ブームは映画がきっかけということね。 >>449
ブームの定義は関係なく寺山修司が何の情報もなく独自に横溝に着目したわけじゃないと何度も言われてるのが分からんのか >>452
寺山が何の情報もなく独自に横溝に着目したなんて誰が言ったって?
あなたに足りないのは理性では無く知性だな。 ついにバカアホレベルの煽りを始めたか
> 寺山は横溝ブームが来る前からそれに着目していた。3氏はそれを評価したいと書いてるだけ。
これが「先見性」を評価していないのだとしたら何を評価してるんだ?
お前は「ブーム」を「大ブーム」にすり替えているが「ブーム」の時点で着目したのなら別段評価に値しないだろ >>454
映画「犬神家の一族」公開以降の「大ブーム」後に寺山が自作に金田一を登場させたなら、それはただ流行に乗っただけ。でも、そうではない事を評価してるんじゃないかな。
それがどうしたといえば、それまでのことで、個人の考えにどうこう言っても仕方ないでしょ。 で、寺山が何の情報もなく独自に云々なんて誰が書いたって?
妄想と捏造も大概だぞ 寺山と同時期かそれ以前に、金田一パロディを書いた作家がいたら、それなりに先見の明はあると言ってもいいんじゃないかな? マガジンに八つ墓村連載した後だけど…
講談社から全集出た後だけど…
角川から代表作がどんどん文庫で出て300万部突破してたけど…
犬神家が映画化される前に横溝に着目してた寺山スゲー!
はぁ…そうですか 大ブームになりつつあったからこそ、昭和49年の終わりに実に10年ぶりの
新作を出せたんだろうね。 >>456
独自じゃないんなら寺山を評価するとこなんてどこにもないじゃん もうバカとかアホとかしか言えなくなるまで追い詰められたか >>461
それがどうしたといえばそれまでのことって書いたはずだが? >>462
追い詰められたって、誰が何に追い詰められたんだよ。追い詰められるのなら頼むから追い詰めておくれよ。 >>458
「それなりに先見の明」を何語で翻訳すれば「寺山スゲー!」になるんだろう? 初代スレの3氏はこの基地外に勝手に自説を代弁されちゃって大丈夫なん? >>466
この件ついて、3氏は何とも思ってないと思うよ。あえて言うなら「まだやってるよ...」程度では?
彼の読書量から判断して「横溝は犬神家の一族公開以前はほとんどの人から忘却の彼方であった」よって「何の情報もなく独自に着目した寺山はスゲー」なんて思うはずがないのでね。 角川文庫の横溝著作がどのような売り上げ推移を示したのか、細かいデータは持ち合わせていないが、映画公開後に跳ね上がった事は想像に難くない。
ブームとはそういうもの。普段ミステリを読まない人、そもそも読書をしない人までを巻き込むのがブームかと。
3氏が寺山の何を評価したのかは本人しかわからないけれど、単なる個人の感想にケチをつけても仕方ない。このスレで3氏が傑作・佳作と持ち上げた小説を他人が読んで、つまらかった・騙された・金返せ、と言ってもしょうがないのと同様。 いやほんと
他人の印象に茶々入れた時点で全うな議論になんてなり得ないのはわかりきってるのにここまで食い下がろうとする意味がわからない。 >>467
> 彼の読書量から判断して「横溝は犬神家の一族公開以前はほとんどの人から忘却の彼方であった」
これが間違ってると再三言われてるのにお前頭大丈夫か >>470
馬鹿確定。
よく読んでから書き込めよ。
「思うはずがないのでね」と書いてあるだろう?
議論したいなら相手の書き込みを理解した上でどうぞ。もっともあんたは議論の門前にすら立てていないのだが。 だいたい初代スレ3氏は「横溝ブームが映画によって引き起こされた」なんてどこにも書いてないのだが。そもそも議論の前提が間違っている(全く議論になっていないが...)。
横溝自身はブームについて随筆の中で、昭和50から51年にかけてと認識(さらに映画公開後、部数は跳ね上がるわけだが)。ならば昭和48年に発表された寺山の小説を読み、慧眼だと思っても何ら間違いはないと思うけどね。 久しぶりにスレが急激に伸びているなと思ったら、・・・嗚呼。
私の認識は、1974年の「仮面舞踏会」完成と角川文庫数百万部突破あたりから火がついて、1975年のATG「本陣」映画化
前後から世間一般にもブームが拡散、角川文庫も1000万部突破して、そして1976年の角川映画「犬神家」で頂点に達した、
というもの。
だからその前にミステリ界とは縁の薄そうな寺山が着目したのを、ミステリファンとして単純に評価したもの。
でも事実誤認ならば訂正します。過去スレでも、横溝ブームの時期については指摘を受けたのに、俺としたことが・・・。
しかし、寺山「花嫁化鳥」の感想が一つも無いのが悲しい(それほど入手困難でもないが、俺の紹介文が拙いからか)。
島田一男「紅の捜査線」(春陽文庫)★★☆
発表年不明、警視庁の星子警部をリーダーとする捜査一課メンバーの活躍する連作集。
「赤きVの悲劇」は、娼婦だけを狙い、死体にVの字のサインを残してゆく連続殺人。真犯人は果たして・・・。100ページ
近い力作ですが、ミッシングリンクものというか・・・。最後に鉄壁のアリバイが立ちはだかるのですが、まあ数々のアリバ
イ崩し物の作品でおなじみのアレです。
その他の作品も、法医学がらみのトリッキーな話も多いとは言え、題材が下品な方向にいっているし、トリックがワンパタ
ーンなので、どうも評価できないですね。 花木深「B29の行方」(文芸春秋社)★★★
1992年のサントリーミステリー大賞受賞作。
身代金目的の幼児誘拐事件。カネは奪われたが人質は無事帰ってきた。だが15年前に同じ手口の誘拐事件があり、今まさに
時効を迎えつつあった。刑事の宮脇と新聞記者の井上は、今回の事件の被害者の父親である成金実業家が、15年前の事件
にも絡んでいるのでは、と疑い、更に二つの誘拐事件に共通する関係者を追及するのだが、彼らを巡って殺人事件が勃発
する・・・。
ちょっと構成がゴチャゴチャしすぎ、真相の一部に辻褄合わせのようなところもあり、また偶然の一致めいたところもあり、高く
は評価できません。主人公の刑事の幼年時代の話、戦争中の疎開先で起きたB29の話も取って付けたようで、事件との関わ
りに必然性が乏しいし、或る事件の密室トリックも無くもながのもので、トリック自体も稚拙なもの。但し読みやすかったし、それ
なりに楽しむことはできました。 本岡類「一億二千万の闇」(講談社)★★☆
「桜島一○○○キロ殺人空路」、「白い手の錬金術」(過去スレ参照)などで活躍した高月警部補シリーズ、1990年の長編。
東京・練馬区で起きた連続幼児傷害事件。被害者はいずれも顔を刃物で切りつけられていた。高月警部補と島刑事のコンビ
が捜査するうちに、一連の事件には「鈴木」姓の人間が関係していることに気づく。ポピュラーな苗字の鈴木が関わっている
のは単なる偶然ではないのか。やがて3人の容疑者が浮かび上がるが、第4、第5の事件が起き、容疑者には全員、確固たる
アリバイが成立してしまう・・・。
思わせぶりなプロローグが、後半でちょっとした錯誤を生むけど、それ以上の効果は上がっていないし、容疑者全員のアリバ
イが成立した真相も、微妙な伏線もあって合格点ではあるけど、さほど驚くものではありません。レッドヘリングの設定も、どこ
かワザとらしい。
最終的な真犯人の意外性とその動機が、この時代らしいもので、この本の帯に「社会派」とあるのも理解できなくはないけど、
本格ミステリとしての解決時のカタルシスという点では一寸・・・。
残念ながら凡作でしょうね。 俺は本岡類が好きで、「一億二千万の闇」や「鎖された旅券」なんかは面白く読んだんだけど、評価が低いね。
読み直したいけど、なぜか本岡類は文庫化されないんだよなあ。単行本も今では入手しにくいし。
新潮社、角川書店、文藝春秋社等の大手の出版社から出てるのに。 >>474
ケチつけてきた奴らの誤読と曲解と無理解が原因のようだから、気にすることはないですよ。
過去のあなたの書き込みを読んで、何冊か購入してみましたが感想は>>430でした。だからと言って文句をつける気はさらさらないですし。
本文より紹介文の方が面白いなんて素敵じゃないか。 久しぶりにスレをチェックしてみたら…
>>477
本岡類、作家を辞めてしまって残念ですよね かつて乱歩賞最終候補になって、その後出版された作品を探しては購入してました。
受賞作品より面白かったのは
天藤真「陽気な容疑者たち」
久司十三「波切の怪」
島田荘司「占星術のマジック」
折原一「倒錯のアングル」
あたりかな。
その後人気作家になった人ばかりだが、唯一、久司十三だけは講談社ノベルズで
「大陰謀 振袖火事」を刊行したのみ。誰かその他の作品を知りませんか? 初めて読んだ推理小説が「猫は知っていた」だったな
そこから乱歩、横溝、高木、土屋、西村当たりを読んでいたな 「猫は知っていた」は当時としては先鋭的だったのだろうが、今読むと
どこが面白いのかよくわからんなあ 点と線は時刻表を使ったアリバイ崩しの先駆的存在だけど
より凝った作りの黒いトランクの方が先に発表されているわけだからなあ
それに、多くの人が指摘しているけれど、
あのトリックといえないようなトリックに当時の人間なら気が付かないのが普通なのか?
リアルタイムで読んだ人に聞いてみたい 松本清張の著名な作品は一通り目を通したけど、
長編ミステリーで感心するような作品は全くなかったなあ。
短編は面白いのが多いけど。
点と線は、なんであんなに評価が高いのか分からない。 >>486
社会派推理小説という新しい形のミステリーを確立したという意味での
評価が大きいのだろうけど
点と線自体は社会問題が背景にあるというだけでメインストーリーは
普通の本格ミステリなんだよなあ 虚無への供物は何が面白いのか全く分からなかった
事件は悲劇的なのに、素人が面白半分で緊張感のない緩い推理合戦を延々続けるノリに
ついていけなかったわ。 笹沢左保のデビュー作、招かれざる客が乱歩賞の次点
トリックのぎっしり詰まった本格物の傑作だと思うのだが
この年の受賞作が、新章文子危険な関係(読んでないので内容は不明)
でもこの作家受賞後執筆してない模様
その後の活躍を考えると、選考委員のめがね違いが明らか
せめて同時受賞でもよかった。 >>489
>でもこの作家受賞後執筆してない模様
もうちょっと勉強しよう。
長編『バックミラー』短編『併殺ダブルプレイ』はなかなかの出来だよ。 >>489
江戸川乱歩賞はガチガチの本格ミステリはあまり受賞させない傾向があるからね
本格ミステリ自体が駄目というわけではないけど、何かテーマ性のようなものを
求められる。 古いミステリファンは「招かざる客はどれだけ
ひどかったんだろう。いっぺん読んでみたい」と
言っていたものだよ 第15回は受賞作が高層の死角、候補作が天使が消えていく
これ天使の方が出来上回っているように思うのだが
おまけに高層は491の言うガチガチの本格物で不利の筈なんだが
そしてコロンボ構想の死角、NHKに題名パクられてる
題名が良かったから受賞した、これあるあるやろ。 >>493
高層の死角が乱歩賞を受賞したのは1969年
1985年版の東西ミステリーベスト100では高層の死角は52位、天使が消えていくがランク外
夏樹静子の作品の最高順位が「蒸発」の64位
2012年版の東西ミステリーベスト100では両方ランク外、蒸発もランク外
少なくとも昭和の時代には「高層の死角」の方が上に見られていたようだよ 追記
でも、ネットでの書評をチェックして見ると確かに「高層の死角」より
「天使が消えていく」の方を高く評価する声が多い印象なので
時代の変化によってどこかで評価が逆転したんだろうね >>489
>この年の受賞作が、新章文子危険な関係(読んでないので内容は不明)
>でもこの作家受賞後執筆してない模様
新章文子は、作品は多くはないが、「危険な関係」以後もミステリーを書いてるぞ。
俺も読んだことないけど。 >>497そら書いてるかもしれないけど、人気作家となった他に比べると
圧倒的に存在感が薄い、受賞はまぐれと言われても仕方ない。 >>489はまぐれとは書いてない
「受賞後執筆していない」に対して執筆していると返されているだけ
勝手に解釈変えなさんな >>499まぐれとは書いてないが、本音はまぐれだよ
だって489も498も俺が書いたんだもの >>501
アホか?
読んでないのに何でそんな事言えるんだ?
結局落選したが、直木賞にも危険な関係は候補に挙がったぞ。
俺は結構好きだけどな、あの作品。 >>502しつこいなあんた
乱歩賞取って直木賞の候補にも挙がったんだから傑作なんだろうよ
でもその後目立った活躍はしていない
だから危険な関係はまぐれだと言ってるんだ >>503
レス見ていくと、ずいぶん無茶な論理展開をする人だな。おとなしくしときゃいいのに。 >>501
頭が論理的に出来ていないみたいだからもうミステリ読むの辞めたら? >>505論理的じゃない思考の持ち主は、ミステリーを読むに値しない
理由を、論理的に説明しろ ミステリーは犯人探しがメインである。犯人は論理的矛盾が存在する人間である
論理的な思考ができない人間は論理的矛盾が理解できない
よって論理的な思考ができない人間はミステリーを理解できず、読むべきではない
という答えと
ミステリーとは小説の一ジャンルである
小説は誰もが楽しめる趣味である
よって論理的な思考ができない人間であろうとミステリーは楽しむべきである バカには楽しめんだろ
ハーレムラノベでも読んでシコってろ チェスタートンや泡坂妻夫の作品に狂人の行動に規則性を見出だし、それを論理的に解決する作品があるけど、この人の場合は支離滅裂だから、ブラウン神父も亜も解決出来ない。
多分生きていく上の悩みなんか全くないんだろうな。 >>507
推理モノの作品は犯人を推理せずに読む楽しみ方もある「妖しさにドキドキしたり探偵の活躍にワクワクしたり」
https://togetter.com/li/1228537 今更な話だし、わけのわからない議論を蒸し返す気もないが、
寺山修司は紛れもなく推理小説ファンだよ
ディクスン・カーとかが好きだった
明言しているレスがなかったようなので書いておく 寺山修司って覗きで逮捕されたあれか?
ではなぞかけを一つ
のぞきと掛けてディクソン・カーと解きます
そのこころは
どちらも密室の秘密を探るのが好きです 清張全盛期の頃、本格物ファンの間で人気のあった作家に鮎川哲也が
居たんだが、でもこの人の長編結構ひどいのがある
1、別荘でヒ素を使った連続殺人、犯人はヒ素を飲んで色白になる癖の為耐性があった
被害者と同じヒ素を飲んでも、被害者だけ死ぬ
2、中編で発表を長編として出版、前半容疑者のアリバイを崩そうとするが、結局本物
3、女は家を出たが、何故か直ぐに家に戻る
探偵はその理由として、女はパンツのゴムが切れたから家に戻ったんだと推理 ボウリングがブームだった頃、発表された作品
誰も知らないだろうが、幾瀬勝彬(乱歩賞候補に挙がった事有り)死のマークはX
夜の公園で何者かと待ち合わせの被害者、頭部を殴打され死亡、Xのダイイングメッセジ
犯人は木の枝にロープを掛け、ロープにボウリングの球を結びブランコの如く凶器とす
Xはストライクの意味で、ボウリングを連想との事
某評論家、これは酷い作品と紙上で酷評
幾瀬、どこが酷いのか説明しろと反論
評論家、暗い中で殴打されて、凶器がボウリングの球だと何故分かったのか?
まあこんな作品発表するようじゃ、乱歩賞は無理やね。 ちくま文庫の陳舜臣『方壺園』、出来れば「狂生員」、「厨房夢」、「回想死」、「七盤亭炎上」を収録して『方壺園・完全版』に
してほしかったです・・・。せめて「狂生員」だけでも・・・。
生島治郎「傷痕の街」(集英社文庫)★★★☆
1964年、作者のデビュー作。
横浜でシップ・チャンドラーの会社を経営する久須見。十年前のイザコザで片足を失っていたが、今またトラブルの渦中に。
会社の運転資金として冷酷な高利貸しから借りた700万円が、戦争中以来の無二の相棒であった部下の妻の誘拐事件で
強奪され、もう一人の盟友ともども殺されているのが発見される・・・。
ハードボイルドの名作の一つですが、実は意外なほど、本格ミステリの構成に拘った、フーダニットの作品。或る古典的な
トリックが2つほど出てきて、そのトリック自体の出来は悪く、ややバレバレではあるものの、細かい伏線なども張り巡らせて、
意外な真犯人の指摘で終了、と思いきや、更にドンデン返しが出てくる結末。大井廣介「紙上殺人現場」の評にあるとおり
の、本格テイストもある作品。結城昌治「暗い落日」の一年前に発表された、ハードボイルドにしてフーダニットの良作だと
思います。 藤原宰太郎「多摩湖別荘殺人事件」(光文社文庫)★★★
久我京介シリーズの長編第5作、1994年の作品。
久我の亡妻の妹が、再婚早々に自動車事故死。その知らせを聞いた夫の資産家も、別荘の庭で運悪く梯子から転落死。
久我は助手の明夫・洋子コンビ、そして遺された姪とともに事件の追及に乗り出すが、別荘の隣家で、事件に深いかかわ
りを持つ画家が、室外から不可解な状況で射殺される事件が発生。現場には、被害者が記したらしき“OFf”のダイイング
メッセージが残されていた・・・。
事件のポイントは「真っ暗な室内にいる人間を、何の目印も無しに射殺する方法」なのですが、まあ可もなく不可もなく、と
いったトリックでしょうか。厳密には確実性に問題あるけど、ちゃんと、別の可能性についても検討して、その方法を潰して
いるし、「二発撃った理由」の真相は、まあ買えるでしょう。しかし、ダイイングメッセージについては、全く必然性なし、真相
も何だそりゃ?のレベル。
最初の事件についても、動機に関する伏線の出し方が甘すぎ、とは思いますが、まあ悪くはないですね。かと言って、作品
全体で特に褒めるべきところも無く、凡作ですが、まあ他の作品に比べればマシではないかと・・・。
なおJ・D・カー「震えない男」のネタバレあり注意w >>517
小泉喜美子の復刊したやつのあとがきとか読むと、
日下さんの選定基準、いま手に入れやすいか否かに結構重点置かれてるみたいだから、
2000年代までは普通に新刊であった『獅子は死なず』収録作よりも、
『紅蓮亭の狂女』収録作をとったみたいな感じかなあ。
「狂生員」は「方壺園」「九雷渓」と並ぶ傑作だと思ってるからちょっと惜しいけど
まあ、「紅蓮亭の狂女」と「鉛色の顔」も本格の傑作だけどさ。
「スマトラに沈む」も物語として滅茶苦茶面白い ブコフに本岡類の「ささやきの小道」「南海航路殺人事件」があったんだけど、面白い? 奈良「ささやきの小道」殺人 (講談社ノベルス)
出版社: 講談社 (1988/07)
シルクロード博にわく奈良で、東京から来た老人が変死した。鹿に襲われたのである。
だが狂乱地価のおかげで、老人の残した資産は15億円といわれ、その遺産をめぐって殺人が起こる。
警視庁“独立捜査班”高月圭一が見破った、前代未聞のトリックと鉄壁のアリバイ。
緻密な仕掛けで読者に挑む傑作長編ミステリー。 >>5の「山之内家の惨劇」
今度の日曜スカパーのTBSチャンネルで2時間ドラマ版をやるね。
原作は未読だけど、貴重だろうから観てみます。 >>514
鮎川ってそんな駄作もあるんだ
長編はリラ荘とトランクしか読んだことないから知らなんだ >>514
1、は実際、そういう事例があったんだよ。
オーストリアだかスイスだかのとある田舎町では昔から強壮剤として
微量のヒ素を飲む習慣があって、そこの村人を調べたら常人の
数10倍の耐性があったという話がある。 ご無沙汰してます。
最近はミステリから少し離れており、「日本文学に時折り出没するヘンな短編」にハマっています。
岡本かの子の、泥鰌汁・無銭飲食男の鬼気迫る話とか。
永井龍男の、友人と一緒に借金依頼に出かけたら、友人がクルマに跳ねられて、でも何とも無かったので、そのまま一緒に出かけたら、やっぱり友人は…。というクレージー極まる話とか。
黒島伝治の、牛小屋で首がねじ切れた子供の話とか。
牧野信一の、爪に関する話とか。
島尾敏雄の、頭にカルシウム煎餅のようなカサブタが出来て、痒くて掻いてたら、身体が足袋をめくるように裏返しになる話とか。
福永武彦の、精神病者が認識する「世界」の話とか。
井伏鱒二のストーカー話とか、イタ電で空き巣に警戒する話とか…。
そういう、ケッタイな日本文学の短編群を探し求めている最近です。
いずれ、昭和の本格ミステリに戻ろうとは思いますが…。 島尾の夢を題材にした作品群は確かに迫力があるよね。
漱石『夢十夜』百閨w冥途』の系列とはまた違う。 >>527
俺も何か無いかと頭を絞ったんだがなかなか出てこないね。
田宮虎彦の短編「小さな赤い花」(長編バージョンもある)が少年と足の不自由な幼女がパラダイスを作る話で“びっこ”をオチに使っていたりしてて、よく印象に残ってる。
もし未読だったらよかったら読んでみて下さい。 初代〜3スレ目と関連スレに投稿された3氏やスレ住民の採点表が完成。
本スレのデータもポチポチ打ち込んでいきまっする。 エア本格ミステリ大賞
笹沢左保(1930年11月15日 - 2002年10月21日)『霧に溶ける』1960年 東都書房
陳舜臣(1924年2月18日 - 2015年1月21日)方壷園 (推理小説集 中央公論社 1962年)
山田風太郎(1922年1月4日 - 2001年7月28日)太陽黒点 桃源社、1963
角田喜久雄(1906年5月25日 - 1994年3月26日)『影丸極道帖』1965年 東都書房
海渡英祐(1934年9月24日 - )『影の座標』講談社(1968年)
鮎川哲也(1919年2月14日 - 2002年9月24日)鍵孔のない扉(1969年6月、光文社〈カッパ・ノベルス〉)
都筑道夫(1929年7月6日 - 2003年11月27日)くらやみ砂絵 桃源社、1970
仁木悦子(1928年3月7日 - 1986年11月23日)冷えきった街(1971年3月、講談社)
中町信(1935年1月6日 - 2009年6月17日)殺された女(1974年2月 弘済出版社)
【改題】「心の旅路」連続殺人事件(1987年8月 徳間文庫)
夏樹静子(1938年12月21日 - 2016年3月19日)黒白の旅路(1975年 講談社)
泡坂妻夫(1933年5月9日 - 2009年2月3日)亜愛一郎の狼狽(1978年5月 幻影城ノベルス)
井上ひさし(1934年11月17日 - 2010年4月9日)『十二人の手紙』(中央公論社 1978年)
梶龍雄(1928年 - 1990年8月)龍神池の小さな死体(講談社、1979年6月)
連城三紀彦(1948年1月11日 - 2013年10月19日)戻り川心中(1980年9月 講談社)
笠井潔(1948年11月18日 - )サマー・アポカリプス (角川書店、1981年10月)
島田荘司(1948年10月12日 - )斜め屋敷の犯罪(1982年11月 講談社)
泡坂妻夫(1933年5月9日 - 2009年2月3日)妖女のねむり(1983年7月 新潮社)
岡嶋二人、井上泉(1950年 - )徳山諄一(1943年 - )そして扉が閉ざされた(1987年12月 講談社)
連城三紀彦(1948年1月11日 - 2013年10月19日)黄昏のベルリン(1988年8月 講談社)
有栖川有栖(1959年4月26日 - )孤島パズル(1989年7月 東京創元社)
法月綸太郎(1964年10月15日 - )誰彼(1989年10月 講談社ノベルス) 影の座標の意外な犯人にはぶっ飛んだ(いい意味で)思い出がある
鮎川があるのに土屋隆夫が無いのはお気に召さない? 採点表の入力が終わりました
見直しに少し時間をください
(うpろだを見つけなきゃ・・・) >>539
すげー、よくまとめたな
あとこの表を見るまで、司城志朗を「つかさ じょうしろう」だと思ってたら、「つかさき しろう」だったのか 生島治郎の『浪漫疾風録』『星になれるか』が復刊されるね >>539
ものすごく乙。
日下圭介『山頭火 うしろ姿の殺人』は★★★か。
読了して間もないけど、なかなか雰囲気があってよかった。
歴史ミステリが好きなので、個人的には★★★★。
ちょっと登場人物出しすぎなところと、詰め込みすぎなのが気になったが。
採点表のリスト、情報の修正・追加したものを年内に公開できればと思っています
(遅れたらゴメン) >>549
何回トライしても見れないんだけどどうしてかな? >>552
もう1度539のリンク先に飛んで、メ欄のパスワードを入力してダウンロードしてみてください >>430
非常に参考になるコメントです。
ここでは★★★★の梶龍雄の「大臣の殺人」も、確か江戸川乱歩賞の
応募作品で最終候補にも残ってはいません。そのため当方はこの作品
持ってはいるのですが430さんのコメント読んでいまだに読む気がせず
本棚で眠っています。実際は★ひとつ(かふたつ)引いたのが、正当な
評価なのでしょうね。 『大臣の殺人』はかなり力を入れて書かれたのが分かる歴史ミステリの良作だと思う
カジタツ作品の中でも面白い部類に入る長編ですよ
(読む前に黒田清隆に関する知識を入れておくとニヤリとできる箇所がいくつもある) >>558
御教示ありがとうございます。
乱歩賞二次止まりという先入観もあり、古本屋で安く買ったものの
気が進まないでいました。 1月に田中小実昌『幻の女』が出るけど、本格じゃないか…… 採点表の改訂版です(保存期間はどれくらいか不明)
パスワードはメ欄をご覧下さい
https://firestorage.jp/download/846192602d32ab3892bc417ab7568f97b9a1826d
<変更点>
・関連書籍のデータを追加
・誤字脱字の修正
・各種データの訂正・修正・追加 >>564
これは労作。
しっかりここのスレの評価も反映されてますな。 こないだブックオフで、「サスペンスマガジン 2月創刊号」というのを見つけた。発行元は久保書店。
内容は官能小説+ミステリーて感じで、山風ほか山村藤村飛鳥らの名前が並んでた。
買っとくべき? 岡田鯱彦『駒形堂の藤吉親分捕物話』が5月10日発売される 草野唯雄の死霊鉱山呼んだけどありゃすごいな
本格とホラーの融合を狙ったんだろうけど正面衝突した挙げ句に双方とも致命傷を負っているという
あとやたらエロ描写がネチっこかった ボーナストラック付きの場合もあるのでとてもありがたい 霜月信二郎探偵小説選
発行:論創社
価格 3,400円+税
発売予定日2021年12月28日
喜寿を迎えた今なお旺盛な執筆活動を続ける著者の初単行本。
巻末には書下ろしエッセイ「幻影城・影の会の思い出」を収録! PIXIVの絵師に描かせたようなカバーと口絵がなー
ラノベかジュブナイルと勘違いさせて売る手法かな 徳文・小泉喜美子の復刊のやつのイラストはミスリードすぎや
女優はもう中年婆のはずなのに、若い女にしかみえん
パケ詐欺やで >>584-584
カバーイラストと口絵なんかどうでもいい
有栖川の笹沢解説の適当さには腹が立つが(編集は仕事しろ)、復刊してくれるだけ有り難い 笹沢はとりあえず10冊(100冊やりたいらしいけど無理だろ)という話
中町は3冊確定、都筑は4冊予定か?(「アダムと七人のイヴ」は4回で中絶しているので)
梶龍雄の復刊に向けて動いているみたいだな カジタツでプレミアついてないのは『大臣の殺人』くらいじゃねえかな 『透明な季節』『海を見ないで陸を見よう』『ぼくの好色天使たち』の3冊だけじゃん 講談社のROMANBOOKSが電子で続々と復刊してて嬉しい >>596
おお、いいこと教えてくれたな。
ミステリだけじゃなく、昭和30年代大衆小説の宝庫じゃないか 山沢靖雄のダミープロット、なかなか良かった。
梶龍雄は長編は殺人回廊と淡雪の木曾路殺人行だけ読んでないけど、こんなマイナーなのは復刊されんだろうな。
あと司城志朗の日出づる国のスパイもどこか復刊してくれないものか。 笹沢とカジタツの復刊は好調のようだけど、中町は1冊で終わりなのか? >>603
80歳くらいまで一応著作は刊行してたんだな。
筆名は大物作家っぽくて好き。 おお、ほんとだ
知らんかった
10/7発売
名作マジックミラーで紹介されていたから読みたかったんよ 笹沢佐保、梶龍夫は今回の復刊でほとんど読めるようになるんじゃない?
都筑道夫はミステリの範疇だけっぽいけど >>611暗い傾斜は昔読んだことあるけど、被害者が亡くなった時
容疑者には完璧なアリバイがあって云々って話で
これアリバイ崩しの本格物だと思って読んだら腹立つよ
強いて言うなら純愛ミステリーとでも言おうか。 笹沢左保はだんだんエロミスになっていったので興味なくした
本人も相当女癖が悪かったよう 「招かれざる客」読了
班員とトックリはとちゅうでわかったけど、動機がね・・・
そーゆーもんか、人生て 引き続き「真夜中の詩人」読み始めた
ちょうどかーちゃんがひき逃げされたとこ 「真夜中の詩人」、清子自殺の週刊誌が出てきたとこまで北
真紀の真の父ちゃんは江戸幸の社長で、純一も江戸幸の血を継いでるってとこにこのゆーかい事件の動機があるんじゃまいかと推理 「真夜中の詩人」読了
途中でほぼ完全にプロットを見抜けてた
次は「他人岬」行きますは 「他殺岬」読了
この辛味方は怪しいと思ってたらやっぱり
次は「求婚の密室」行きますは
読み始める前の登場人物リストだけ見てて27歳長女に6歳次女てーどーみてもここに核心がありそうっぽい できれば読みました報告だけじゃなく簡単な感想を付けてくてると有難い 「人喰い」読み終わった
むむって感じ
次は「霧に溶ける」いく 「霧に溶ける」読みオワタ
プロットは途中で見抜けた 「小沼丹推理短篇集-古い画の家」が今月の中公文庫で出たので、次はこれいく >>631むむっは中々よく出来てる、それとも今一つ納得いかない
どっちだ? >>639
なんだよ泡坂妻夫のパスティーシュでも出たのかと思ったじゃないか 「後ろ姿の聖像」こーてきた
ささざざわさほええのう 「後ろ姿の聖像」読了
これは途中でプロット読めた
典型的2時間ドマラ設定 「若きウェルテルの怪死」復刊されたが読みやすくなっているね >>644
読みやすくなったってどういうこと?
改行などが原本より適切にされているとか? 深谷忠記って、80年代から2020年代まで、継続的に本出してるのよな。
親の本棚にあったトラベルミステリーの印象が強かったが、さいきんの『執行』読んで、
認識を新たにした。もうちょっと評価されてもいいような。 深谷忠記の2文字シリーズっていいよね。
年1冊書いてるのかな?もっと話題になってもいいと思う。 >>648
今年で80歳みたいだし、何か賞を取っていてもおかしくないんだけどねえ
一時期、樋口有介が日本推理作家協会賞の候補に集中して推されていた時期があったけど、
けっきょく無冠のまま(新人賞は除く)、亡くなっちゃったしなあ 深谷忠記、サントリーミステリー大賞で佳作になっているけど、他は候補止まりなんだよな
(サンデー毎日新人賞候補(2回)、乱歩賞候補、協会賞候補(2回))
社会派系統の長編はもっと評価されていいと思うのだが… >>650
まあ、華はないよねえ
昔はけっこうぶっ飛んだトリック書いてたけどw 笹沢「シェイクスピアの誘拐」読みおわた
Oヘンリーぽいっくてよき >>652
毎度、こーてきた
はいらんだろ、貴重なレスを無駄にすんな 小杉健治とか鳥羽亮とか、時代小説に移って活躍してる作家もいるから、
深谷忠記もそっち方向いくと思っていたが、ミステリでがんばってるな。
ただし「この作家ならでは」の特徴というか売りがないのも確か。
読めばそれなりに面白いけど。 小杉は今でもミステリー書いてるから時代小説に移ったというよりも二刀流だね 鳥羽はミステリはイマイチだったから転向して正解だったな
乱歩賞作家の中では出世組だろう >>656
ウィキみて、小杉と鳥羽が同学年だと知った。
2人とも現役、だけど特に小杉、あまりの多作ぶりにびっくりした。もう75過ぎてるのに。
>>657
同時に乱歩賞受賞した『フェニックスの弔鐘』の阿部陽一のほうが、当時は評価高かったような。
佐野洋が「推理日記」で触れてた記憶。 夏樹静子とか伏線も丁寧に張った本格っぽいミステリ書いてた記憶があるが、
このスレではそこまで話題にならんは、有名すぎるからかな。
特に本格仕立ての作品をピックアップして東京創元社あたりで再刊してほしい。 夏樹静子くらいメジャーだと
ブッコフに転がってるから再刊しても売れない気が・・・
中町信とかブッコフにあまりないマイナー作家だと、
復刊して新刊として並ぶのは意味があるけど 斎藤栄の『魔法陣』シリーズを全巻読んだ。
「水(1978)」「火(1980)」「空(1982)」の初期三部作は力作だけど(名作・傑作とは言ってない)、
「風(1987)」以降は凡作・駄作だらけ・・・・・・
(「雪(1988)」は短編だったらソコソコだが、無理に長編化して変になっている)
なお、一部の電子書籍版は「月(1990)」を最終巻としているケースがあるが
実際には「人(1992)」「天(1996)」と続き、「花(1999)」で完結するので
これから読もうとする人は注意。 >>664
あのシリーズ全巻読んだのか?(良い意味で)物好きな人もいたもんだな。貴重な情報ありがとう。
物好きついでに短くてもいいので、魔方陣シリーズ各各のレビューと感想聞かせてください。 連投すまんが、斎藤栄に関しては、殺人の棋譜、王将殺人、紙の孔雀読んで、この人根本的にミステリ理解してないんじゃない?と思ってしまったんだが……。そういう意味で同じ量産作家でも、西村京太郎とは全く違う印象。名作と言えるような良い作品ってあるのかな? 斎藤栄と森村誠一、カッパノベルスの広告で、奥の細道殺人事件と新幹線
殺人事件が並んで掲載されていた、でも斎藤栄の文章は読みづらい、スラスラといかない >>666
斎藤先生としては「ミステリ(探偵小説)を誰よりも理解しているし、実践もできている」なんだと思う。
かなり古臭いミステリ観+本人がド天然の結果、読者と根本的にズレているだけで・・・・・・
名作かどうかはともかく、インパクトのあった作品としては
・金糸雀の唄殺人事件
・赤蛇家の惨劇
・斎藤栄のミステリー作法(カルチャーセンターでの講演をまとめたもの。9割がた自慢話) 斎藤栄って「ストリック(=ストーリー+トリック)」という用語を作ったことくらいしか印象にないな
今でいう叙述トリックに近そう
一作も読んだことないので、本人が実践していたかどうかは知らんけど 斎藤栄、一冊も読んだことないが、なぜか日ペンのミコちゃんが脳裏に浮かぶ 辻正紀の中高のもこーてきてよんだったは
次は受験が今月か ヒーリング系もしくはドローンアンビエントで最強のリラックスを手に入れてください。
自然の波音も入っているので、さまざまな周波数の恩恵をえることができます。
神経過敏でイライラしやすい人、なんらかの依存症にも少なからず効果が期待できます。
//youtu.be/e1IPKVrDUoM トクマの特選のさささほ復刊が止まってしまってかなp むかし、綾辻以前の作家の作品で「本格ミステリ」として読める小説を
どこかの雑誌だかムックだかで特集していたが、その中で荒巻義雄の小説が入っていた。
「紺碧の艦隊」シリーズとかの架空戦記じゃなく、1巻完結モノだったと思う。
誰か、どの作品だか思い当たる人います? >>683
天女の密室か?う~ん、大した作品じゃないぞ。 >>684
うーん、そういう露骨に本格ミステリってタイトルじゃなかった気が。
ウィキで著作リスト眺めても思い出せません…… >>686
ググったらそれです! ウィキには旧題の「ガストロバルバ」しか載ってなかったので、
思い至りませんでした。でもあまり評価高くなさそうw マイナーな文庫で出てた「日本変態ミステリ集成」てのおもろかったは