「ジャンピング・ジェニィ」や「試行錯誤」が典型なんだけど、
最後のヒネリというのが、「悪意」にみちたヒネリなんだよね。この人の場合。
そこを、受け入れられるかどうかだと思う。
正確には、クリスティはバークリィのことをこう評していたらしい。
「かれは、推理作家協会のメンバーの中ではズバ抜けて頭が良かった。しかし、
皆から嫌われていた」
そういうことなんだろうね。黄金時代の中で特異な位置を要求でき、もっと評価される
べき作家だと思う。最初の紹介のされかたが「偶然の審判」だけだったのが、
もったいなかった。あれだけ読むと、正統本格派と間違えてもしかたがない。