ミステリーのタイトルしりとり・その2 [転載禁止]©2ch.net
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ミステリーのタイトルしりとりスレです。前スレ↓が埋まってから始めたいです
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1315621261/l50
※……一応のルールとして
・前スレで挙がった作品名を、本スレで改めてまた出すのはアリ
(それを「ダメ」と縛ると、さすがに面倒&ややこしい&キツイので)
・ただし本スレ内のダブリは無しで。まずその作品名が本スレで先に出てないのを確認
(翻訳作品の別の訳題などはあり。)うっかり出ちゃった場合は、その前に戻る
・いろいろ未知の作品のお勉強にもなるので、作品への一口コメントもお願いです
コメントは前スレと同じ話題でもいいけど、変えられたら変えた方が楽しいですね
未読の作品でもいいですが、なんか作品内容に触れた一言をください
「ペリー・メイスンものの一本。未読ですが、密室ものみたいです」とか
では日本近代ミステリの先駆作品「二銭銅貨」江戸川乱歩 から
「か」「カ」「銅貨」「貨」から、続けてください 「無慈悲な鴉」ルース・レンデル
隣人のご婦人より夫が行方不明になったと相談を受けた警部
勤務先に退職届を出してあったり放置された車が発見されたりと
これは単なる失踪事件では無いと推測していく
最後には強烈などんでん返しが用意してある
「す」「ス」で 「スイート・ホーム殺人事件」クレイグ・ライス
ミステリ小説家の母を有名にするため近所でおきた殺人事件を
子供たち三人が解決しようと奮闘する物語
ユーモアたっぷりのミステリに仕上がっている
「け」「ケ」「事件」で 前スレでは「モルグ街の殺人」からスタートしてるから
いいんだよw 「拳銃を持つジョニー」ジョン・ボール
犯罪を犯して逃亡する少年と捜査員の追跡劇が
スリリングに描かれている
結末が悲劇に終わるのか救いがあるのか
最後までハラハラさせられる
「に」「ニ」で 「鈍い球音」天野真
野球ミステリ
日本シリーズを目前に監督が失踪?
ユーモアが滲み出る文体は事件が陰惨なものであっても
ほのかに温かさを感じさせられる
時代設定が古いのが気になりますが
それを超える面白さがある
「お」「オ」で 「大いなる幻影」戸川昌子
老朽化されたアパートで繰り広げられる女性たちの孤独と怨念に
満ちた生活と心理
住人のプライバシーを保証するはずの鍵が人々の手を転々とし
他の住人の秘密を探るのに利用されるプロセスが読みどころ
女装男性の交通事故死や米国軍人の子供の誘拐事件をはじめ
意味ありげなエピソードがあちこちに挿入される
何が起こっているのかわからない構成の背後から
意外な真相が浮上するというスタイル
「い」「イ」「影」で 「異邦の騎士」島田荘司
あまり詳しいことは書きたくないけれど……
これは「出会い」の物語。
「し」 「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」高殿円
登場人物を女性化したホームズのパスティーシュ小説で、謳い文句は百合ホームズ。
内容はかなり薄っぺらいし、肝心の謎解き部分も稚拙、そして下品…あと百合要素もオマケ以下。
「つ」「鬱」で 「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」ギルバート・アデア
アガサ・クリスティーへのオマージュとして
書かれた本格派推理小説三部作の第一作
容疑者たちが一堂に集まった状態で一人づつ
自分の過去を供述していく中盤までの展開は
「そして誰もいなくなった」を連想させる
「ざ」「ザ」「さ」「サ」で 「ザ・ドロップ」デニス・ルヘイン
バーを襲った強盗事件、そのバーで囁かれる10年前に失踪した常連客の謎
マフィア一味の脅迫や危険人物の出現など矢継ぎ早に語られる
巻き込まれ型スリラー
「ぷ」「プ」「ふ」「フ」で 「プロメテウスの乙女」赤川次郎
軍国主義を推進する政権に対抗するため、自らの身体にある「改造」を施した
女性たちの群像劇。1982年出版とは思えない鋭さを持った作品。
読後の後味の悪さも、このテーマに相応しい。
「め」「女」で。 「女の顔を覆え」P・Dジェイムズ
作者のデビュー作
後期の作品にみられるような重厚さは無く
作者自身も「クリスティーの影響を脱しきれない失敗作」
と評している
「え」「エ」で 山田風太郎『エドの舞踏会』
伊藤博文等、明治の偉人たちを支えた婦人たちの物語
山風らしいミステリ的興味も垣間見える一作
次は「会」「い」 「遺産相続の死角 東京〜札幌殺人ライン」深谷忠記
壮&美緒シリーズの最新作、の多分一つ前。
これの更にもう一つ前から読めてないんだが、初めて粗筋見た時、
いきなり結婚済みなんで結構度肝抜かれた覚えがw
「く/ク」「角」「いん/イン」「ライン」
勿論、あれば「ん/ン」でもどうぞ。 「首無の如き祟るもの」三津田信三
21世紀に生まれた本格ミステリの傑作。
トリックとロジックのどれも秀逸で、終盤の連続するどんでん返しは特に秀逸。
次は「の」「者」で 「のどを切られた死体」クリストファー・ヴッシュ
1932年発表のルドヴィック・トラヴァースシリーズ第七作
得意のアリバイ・トリックは印象に残るし
トラヴァースに起こったハプニングも非常に面白かったが
進展しない捜査描写が延々と続いて全体的には地味な感じ
「い」「イ」「体」「死体」で 「犬神家の一族」横溝正史
この板ではもはや説明不要の日本本格ミステリー界の代名詞的名作
詳しくない人にはスケキヨのあれと言えば通じる
「く」「族」で 『くれないの文字』 仁木悦子
仁木兄妹もいいけど三影潤のキャラクターも実に魅力的
仁木作品を「ただのパズル小説」とか悪口言う人もいるらしいけど
そもそも推理小説の一番の魅力って何?と言いたくなる
次は「じ」「ジ」「字」「文字」で 『女王陛下の007号』イアン・フレミング
ポケミス版の邦訳タイトル
シリーズ中では実は完成度の高い一冊ではないかと思う
ヒロインの印象的な扱いも忘れがたい
「う」「ウ」「号」で 「裏切りの氷河」デズモンド・バグリィ
バグリィの初期作のひとつで、日本に初めて紹介された長編
エスピオナージュの裏切り・謀略ものの興味もたっぷり込めた
骨太なアウトドア派の冒険小説
「が」「ガ」「河」などで 「硝子の家」島久平
和製J・D・カ―の世界といえる、昭和後半に登場した
不可能犯罪ものの秀作
最高級のケレン味がたまらない…
「え」「エ」「家」で 「絵に描いた悪魔」ルース・レンデル
犯人当てとして意外性もあり楽しめるが
遺産相続や婚姻制度の法的要因が現代日本の
感覚とずれているところが難点
「ま」「マ」「悪魔」で 「舞妓さんと怪盗大旦那」範乃秋晴
何の疑問も無くほっこり系ライトミステリだと思って読んでちょっとビビった。
いや、推理小説としては目茶苦茶ライトなんだが、予想外にエグい話で。
いや面白かったことは面白かったけど。
「な」「ナ」「那」「旦那」辺りで。 「夏の最後の薔薇」連城三紀彦
恋愛ミステリ短編集
短い中にも二転三転し意外な結末が
駆け引きや心理操作が巧みに描かれている
「ら」「ラ」「薔薇」で 「ライアー」大沢在昌
夫と子供にないしょで政府暗部組織の殺人指令を請け負う
女暗殺者の物語。昨年2014年の新刊
予想外に作者の兄貴分だった故・生島治郎風の初期作を思わせる
泣かせ技が最後に利いていて、そこが印象的だった
「あ」「あー」「ア」「アー」で 「開けっぱなしの密室」岡嶋二人
6編からなるミステリ短編集
明確なテーマは無いがユニークなアイデアが豊富で
作者らしさが随所に光る作品
「つ」「ツ」「密室」で 「密室への招待―ホック密室ミステリ自選集」E・D・ホック
81年に日本で独自に刊行した、不可能犯罪テーマの個人短編集
今ならもう1〜2冊編めるんじゃないの。さすがにもう自薦は
無理だが……(涙)
「い」「イ」「招待」「待」「う」「ウ」「集」とかで 「イン・ザ・ブラッド」ジャック・カーリィ
「ブラッド・ブラザー」に続くカーソン・ライダー刑事シリーズ
続発する怪事件 それらをつなぐ衝撃の真実
緻密な伏線と鮮やかなドンデン返しが楽しめる
「ど」「ド」「と」「ト」で 「どこまでも殺されて」連城三紀彦
7回殺された少年が8回目の死を目前にして救いを求めるサインを出す
担任教師や同級生たちが彼を救うべく奔走する
個人的には動機に不満が残った
「て」「テ」で 土屋隆夫 『天狗の面』
本格派の旗手らしい名作だと思う。既出だったらすまん。
「めん」「メン」「面」などで >>303
しりとりで「ん」で終わる言葉なんか選ぶんじゃないぞ。せめて
>「めん」「メン」「面」などで
は
「めん」「メン」「面」「め」「メ」などで
としてくれ
ということで
「名探偵群像」シオドー・マシスン
未訳&未書籍化の分もいくつかあり、そのいくつかはHMMに
「新・名探偵群像」の名前で翻訳されている。続巻の刊行も願いたい
「う」「ウ」「像」「群像」などで 「うわさ」小池真理子
サスペンス短編集
自然体で生活しているだけなのに
ある存在に翻弄され続け破滅に向かっていく
そんなシチュエーションを執拗なまでに描写されている
「さ」「サ」で 「さよなら神様」麻耶雄嵩
異色の超ミステリ「神様ゲーム」に続く
神様少年・鈴木太郎ものの完結編
シリーズ全体の完結感も味わい深いが
連作短編各編の、じわじわ来る人間の怖さも印象深い
「ま」「マ」「様」「神様」で 「真夜中のマーチ」奥田英朗
軽快な犯罪コメディ
個性的でアンバランスな三人組がヤクザや中国人マフィアを
向こうに回して10億円の強奪を狙う
次々に局面が変わる展開でスピード感あふれる作品
「ち」「チ」で 「血の季節」小泉喜美子
長編三部作の中でもゴシックの雰囲気が色濃く出された作品。
戦争前に主人公が遊んだ美しい兄妹との思い出と、現在の東京で起きる猟奇殺人が交差する。
ミステリのようなホラーのような、最後の一節にひやっとさせられます。
次は「つ」「ツ」でお願いします。 「追想五断章」米澤穂信
5つのリドル・ストーリーをめぐる不思議なあじわいのミステリ
試みとしては面白いのだが早い段階で結末が予測できてしまうところが難点
「う」「ウ」で 「海のある奈良に死す」有栖川有栖
臨床犯罪学者・火村英生が登場するシリーズの長編
推理作家の有栖川有栖とともにあちこちを巡るので、ちょっと旅情的な雰囲気もありつつ
しっかりロジック重視の本格ミステリが楽しめる
しかし、ファンの間では問題作との声も多い
「す」「ス」あれば「死す」でどうぞ 「垂里冴子のお見合いと推理」山口雅也
独身の垂里冴子は叔母の紹介でお見合いするが
そのたびに事件が発生する
そして垂里冴子自身が真相を推理するというミステリ短編集
「り」「リ」「推理」で 「リバース」相場英雄
今年の新刊。作者の人気警察小説シリーズ「ナンバーズ」ものの
3冊目。ある意味で、人類の文明史上、最高クラスに規模の大きい
犯罪が描かれる
「す」「ス」で 「砂の城」鮎川哲也
いわゆる時刻表アリバイ崩し物
昔は時刻表の盲点をついたトリックが成立していましたが
現代ではあり得ないトリックになってしまいました
それを除けば十分に楽しめる傑作
「ろ」「ロ」「城」で 『ロシアから愛をこめて』イアン・フレミング
1964年4月に刊行の創元文庫の翻訳初版では「007」の副題がつかない
(表紙の上に「秘密諜報員007号」というシリーズ名の標記はあるが)
内容は言わずと知れたシリーズ内での傑作
処女かと訊かれて羞恥するタチアナ・ロマノヴァ萌え
「て」「テ」で 「天使のナイフ」薬丸学
主人公の妻を殺した少年の一人が殺され、主人公に疑いがかかる。
残された娘のために精一杯生きている主人公だが否応なしに事件に巻き込まれ…。
少年犯罪がテーマだけれど、ここまで次から次へと少年犯罪が連なってくると作り物過ぎてちょっと萎える。
次は「ふ」「フ」でお願いします。 「復讐はお好き?」カール・ハイアセン
コミカルで痛快なサスペンス
夫に殺されかけた妻の復讐劇
しかし全編に渡ってユーモアに満ち溢れている
軽快なテンポと個性的な登場人物で読んでいて楽しい
「き」「キ」で 「北半球の南十字星」沢村浩輔
今年の新刊。大航海時代の欧州を思わせるパラレルワールドの
異世界を舞台に、海賊たちの集団の中での冒険と宝さがし
そして不可能犯罪の殺人劇を描いた一大快作
「い」「イ」「星」で 「いつか虹の向こうへ」伊岡瞬
第25回横溝正史賞受賞作
2005年にテレビ化されており主人公は石田純一
アルコール依存症の元刑事で警備員の男が主人公
三人の居候と共同生活をしていたところに
新たに女性が加わったところから事件が発生し
とんでもない展開に巻き込まれていく
「へ」で 「変人島風物誌」多岐川恭
奇矯なキャラクターが揃い集った島の中で起きる不可解な殺人劇
この作者の中では、読んでおいた方がいい秀作だろうな
「し」「シ」「じ」「ジ」とかで 「死への疾走」パトリック・クェンティン
マヤ文明の遺跡が舞台
旅行者が事件に巻き込まれ殺人場面や銃撃戦が派手に描写されている
物語も二転三転し楽しませてくれる
「う」「ウ」「疾走」「走」などで 「走れ、盗人」フランク・グルーバー
シリーズものキャラクターの多い作者だが、これは
ノンシリーズのサスペンス編。金庫破りの計画に巻き込まれた
錠前屋が不届きな心を生じて、その標的の大金の横取りを企むが…。
「と」「ト」「人」「盗人」とかで 「人にはススメられない仕事」ジョー・R・ランズデール
個性豊かな登場人物が次々と現れる
下品な会話に過激なアクション
殺戮場面も多く展開もとてもスリリング
「と」「ト」「仕事」「事」で 「閉ざされた庭で」エリザベス・デイリー
昨年新訳された1945年のクラシック(黄金期後半かな?)
クリスティーが評価した作家というが、真相の意外性など
たしかに通じるものがあると思う 秀作
「で」「デ」で 「デッド・ロブスター」霞流一
いわゆるバカミス
「ナメとるのか」という状況設定と「そんなバカな」という驚愕の
ミスマッチにはほかの作品には味わえない力業の魅力がある
この作者のミステリはすべてに動物がモチーフに使われているが
この作品の事件にも動物の見立てが使われている
「た」「タ」で 「たとえ傾いた世界でも」トム・フランクリン&ベス・アン・フェンリイ
2014年に翻訳された長編作品
1926〜27年にミシシッピ川流域を見舞った大雨と洪水の災禍
それを背景にした人間ドラマ風ミステリ
時代を超えたクラシックの白黒名作映画に触れて
人生が豊かになる感覚を覚えるような
そういった種類の感興を抱かせる傑作
「も」「モ」「でも」「デモ」などで 「森は知っている」吉田修一
世界を股にかける産業スパイもの
騙し騙されのコンゲームとしても楽しめる
「る」「ル」で 「瑠璃の雫」伊岡瞬
主人公は小学校六年生の女の子
しかし中身は紛れもなくハードボイルド
事件の真相を追及するという展開の中で
家族とは何かを考えさせられる感動のミステリ
「雫」「く」「ク」で 「クロノ・モザイク」二階堂黎人
2014年刊行の青春SFミステリ
恋人? の女性を救うためにタイムループを繰り返す主人公
その顛末は? 作者のファンがニヤリとする仕掛けもある
「ク」「く」「グ」「ぐ」とかで 「黒猫の遊歩あるいは美学講義」森昌麿
第1回アガサクリスティ賞受賞作を含む短編集。
美学とミステリを結びつけたのは面白いし、ポオの作品同様の幻想的な雰囲気も楽しめるけれど、正直主人公二人の恋愛模様が鬱陶しい。
次は「き」「ギ」でお願いします。 「ギャップ」西村健
五つの人格を持ついわゆる五重人格の探偵が主人公
五つの人格の協力ぶりが笑える
ユーモア・ハードボイルド
「プ」「ぷ」「「フ」「ふ」で 「フィルムノワール/黒色影片」矢作俊彦
昨年2014年の刊行。二村久々の復活の大作
60年代の「日活アクション」オマージュ作品でもあり
宍戸錠も現実の本人そのままの立場で大活躍
題名の漢字4文字部分の読みが
「フィルムノワール」なので
「る」「ル」または「片」で 「ルコック探偵」エミール・ガボリオ
言わずとしれた古典長編作品
とはいえまだ完訳版が出てないんだよね
クラシックの読み物娯楽ミステリと予め心得て読むと
楽しめそうなので、ぜひ完訳を今からでも刊行してほしい
「い」「イ」「探偵」で 「探偵の夏あるいは悪魔の子守唄」岩崎正吾
横溝正史に対するオマージュ作品
ユーモア色が強く横溝作品のような暗さは無い
しかしただのパロディでは終わらない
謎解きとしても十分楽しめる
「た」「タ」などで 「弾丸(たま)は飛び出した」 仁木悦子
初期の短編。
テレビの中のギャングが拳銃を撃ち、テレビを見ていた人間が負傷するという発端から、
密室の謎など本格味を豊富に持った野心作。
伏線や小道具使いの巧みさも相変わらず見事なもの。
仁木兄妹は真相にたどり着くが、最後に兄妹の取った手段は善意の隠蔽。
再び 「た」、「タ」 などで。 「たとえ、世界に背いても」神谷一心
今年2015年の新刊
いじめに遭って自殺に追い込まれた難病の息子の復讐を訴え、
該当のクラスの生徒全員の処罰を求める天才女性科学者
彼女は前代未聞のアウトブレイクを引き起こす
不治の致死性ウィルスを地上に蔓延させ、治療薬が欲しければ
「生徒たちを捜せ、そして殺せ」と全人類を脅迫する…
ラストの「意外な真相」は賛否両論あるようだが、私は面白かった
「も」「モ」で 「Moment」本多孝好
大学生の「僕」の元に寄せられる、死を目前にした患者たちの最後の願い。
彼らの望みが叶うとき、彼らは、「僕」は何を思うのか。
ミステリではあるけど情感に訴えるところも大きいので、紹介の仕方が難しい…。
次は「と」「ト」でお願いします。 「透明人間の納屋」島田荘司
ジュヴェナイルを意識したレーベルの作品なのだが
子供向けなんてとんでもない
母子家庭に暮らす少年が工場を経営する隣家の男性から透明人間の
話を聞くという冒頭がどこにつながっていくかと思って読んでいると
最後にびっくりさせられる
「や」「ヤ」で 「矢の家」A・E・W・メイスン
黄金時代の秀作「グリーン家」「Yの悲劇」にも
影響を与えたとされる館ものの先駆
アノーものは「オパールの囚人」とかも完訳してほしい
「え」「エ」「家」で 「絵に描いた悪魔」ルース・レンデル
最近久々に新訳(「街への鍵」)も出たレンデルの
ノンシリーズ長編の第一冊目
訳者は小泉喜美子で、彼女が生前に担当した
最後の翻訳本だったようだ
「ま」「マ」「悪魔」で すみません
「絵に描いた悪魔」は
>>295
で既出でした
じゃあ「Xの悲劇」(E・クイーン=B・ロス)で
作品は言わずと知れたレーン4部作の第一弾
「き」「キ」「劇」「悲劇」で 「金ぴかの鹿」 仁木悦子
作者得意の、子供を主人公にした短篇。仁木氏自身は本作について
「書き直せばもっと良くなると思うが、純文学になるだろう」と述懐している。
大人の世界と子供の世界の越え難い壁が、ラストシーンで痛いほど胸を打つ。
「か」「カ」「鹿」などで。 「顔に降りかかる雨」桐野夏生
江戸川乱歩賞受賞作。
預かった1億円を持って消えた親友。
預け主の男と協力して真相を解明していく女性私立探偵・村野ミロの活躍を描く。
次は「あめ」または「め」でお願いします。 過去スレで出てるかもしれないけれど・・・
「眼の壁」 松本清張
今更書くまでもない巨星の代表作の一つ。
死体処理、移動方法のトリックに加え、旅情ミステリーの味わいもあり。
「美濃路の小さな町」の描写も心に残る。近版における言葉の置き換えは残念。
「壁」、「かべ」、「べ」などで。 「ベイ・シティ・ブルース」レイモンド・チャンドラー
マーロウの原型キャラのひとり、ジョン・ダルマスを主役にして
執筆された中編作品。舞台はのちのマーロウものの世界観と共通の
ベイ・シティで、物語のプロットも長編「湖中の女」の一部に
採用された。日本では主人公をマーロウに変えて訳されることも多い
「す」「ス」「ブルース」で 「すずらん通り ベルサイユ書房」七尾与史
神保町の大型新刊書店を舞台にした
ライトパズラーの連作集
出版界や神田周辺のあるあるネタが豊富で
その意味でも楽しめる
「う」「ウ」「書房」「房」で 「うしろを見るな」フレドリック・ブラウン
もはや現代の古典の殿堂入りした短編ミステリだが
そのメタ的な発想の鮮烈さと、再読してもどこかに感じる
いいようのない無気味さは今の視点でもお見事
「な」「ナ」で 「なんでもない一日」シャーリィ・ジャクスン
今年2015年に翻訳刊行された久々の短編集
純粋なミステリとは呼べない作品も少なくないが
異色作家の系列を守る何とも言えない味は格別
「悪魔は育ち盛り」の方の単独刊行もぜひお願いしたい
「ち」「チ」「日」「一日」などで 「小さい矢」 仁木悦子
小学生姉妹の姉(5年生)と、車椅子の若い既婚女性の一人称で
交互に語られる趣向の短編。
「車のおばちゃん」と慕う子供たちと女性との交流が微笑ましいが、
事件は本格派の作者らしく密室殺人。
ふとしたことから真相に気づいた女性は犯人に襲撃されるが、
2年生の妹の注意力で間一髪救われる。
や、ヤ、矢などで。 「山には犯罪なし」 レイモンド・チャンドラー
チャンドラーが唯一執筆した、
私立探偵ジョン・エヴァンズものの中編
彼もまたマーロウの原型キャラの一人
保安官のキャラは「湖中の女」の登場人物の原型となる
「し」「シ」で 「真紅の輪」エドガー・ウォーレス
昨年2015年に発掘されたクラシック
かつて甲賀三郎が『アクロイド』『グリーン家』『樽』
『オランダ靴』『男の首』『トレント』などと並べて
マイベストテンに加えた長編で、なかなか面白かった
「わ」「ワ」「輪」などで 「ワシントン・スクエアの謎」ハリー・スティーヴン・キーラー
おなじく昨年に翻訳された論創ミステリのクラシック
「読者の挑戦」の趣向がどうのこうのいう以前に
とっぽい天然の愛すべき二流パズラー
(一流半…いや一流と三分の二、くらいかなw)
「ぞ」「ゾ」「謎」などで 「謎のエヴァンス」アガサ・クリスティー
クリスティーの初期のノンシリーズ長編。創元文庫
若々しい恋人コンビの探偵役が事件に遭遇
早川では「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」の
訳名で出ている。そっちの方が題名としてはカッコイイね
むかしジュブナイル版で読んだきりなので、大人向けを
そのうち読んでみようかな
「す」「ス」で 「数列と人魚」 仁木悦子
最晩年の短編にして三影潤モノの最終作。
絶筆の「聖い夜の中で」は、推理小説というより純文学なので
実質的には最後の推理作品と言えるかも。
「犯罪の上書き」を三影が鮮やかに推理する。
「魚」「ぎょ」「よ」などで 「黄泉の国へまっしぐら」サラ・コードウェル
イギリスのユーモア満載の会話が楽しい、テイマー教授シリーズ第2作。
次は「ら」「ラ」で 「乱鴉の島」(らんあのしま) 有栖川有栖
作家アリスシリーズ(火村シリーズ)の長編で、クローズドサークル。
ポーについて、人の生命について等々、ミステリ以外の部分でも色々と
考えさせられた作品。
「ま」「マ」または「島」で。 「豆の上で眠る」 湊かなえ
積読
小学校の夏休みに姉が行方不明に 数年後ひょっこり戻って来る
何かがおかしいと感じる妹
次は「る」です。 「瑠璃の契り」北森鴻
旗師・冬狐堂シリーズ。
繰り返し骨董屋に戻る人形に隠された秘密とは?
同シリーズに同じようなネタが使われているけど、
また新たな災難に見舞われながらも立ち向かう陶子は安定の逞しさ。
次は「り」でお願いします。 RIKO―女神の永遠 柴田よしき
リコシリーズの一作目
村野ミロと印象かぶるけど、これはこれでなかなか
次は「遠」又は「こ」でお願いします。 「心の中の冷たい何か」若竹七海
急に思い立った箱根旅行で偶然知り合った女性から届いた手記。
彼女の死は自殺なのか他殺なのか?
シリーズ化した女探偵・葉村晶のドライさはないですが、
自分や他人の感情に振り回されながら調査を進める女探偵も身近に感じられて良いものです。
次は「か」でお願いします。 オウム真理教に殺害された坂本堤弁護士(深夜自宅に押し込まれ一家皆殺し)が住んでいた団地の他の住人(7世帯)は、
全員事件の起こる半年前より後に越して来た人達だった。
そのうち五世帯が創価の会員世帯。
神奈川県警は初動捜査の段階で、この住人達全員に行動確認をかけていた。
その矢先に城内康光県警本部長の婦警へのセクハラ疑惑や
生活安全課の警視がノミ屋(もぐりの馬券売り場)を開帳していた疑惑が突然次々と出始めて、
行確をはずしたら、マスコミからの疑惑追及は止まった。
それで勢いの付いたオウムは脱会信者の家族らを次々とVXガス(今度の金正男殺害で使われたのと同じもの)で襲撃。
当時の官房長官だった野中広務は
北朝鮮詣でから帰ると出所不明の大量の金を政界にばらまき始めて、自民党の実質的な党首におさまり
公明党を政権党に引き入れた。
ネトウヨもいないし、韓流ブームもまだ無い頃だったけど、あの頃から俺達の国はもうおかしかった。 「角屋敷の謎」
創元推理文庫「幽霊狩人カーナッキ」W・H・ホジスンより
訳者によっては「街はずれの家」となっているが、原題は「〜end houth」
角屋敷と街はずれの家の、どちらが正しいのだろう
次は「ぞ」「謎」 「象と耳鳴り」恩田陸
日常の謎系ミステリ。
常にぞわぞわした感覚がまとわりついて、それが好きな人ははまると思う。
↓「り」でお願いします。 「理由」宮部みゆき
ここに書き込もうと思ってネットであらすじを確認していたのだが
どうやら自分が「理由」だと思っていたのは間違いで、実は「模倣犯」だった
「理由」は未読だった がーん
つぎは「う」または「由」 「噂の女」奥田英朗
高校生まではイケてない女だった主人公の美幸。
その後は一変していろいろな男を手玉にとり、自分の果てしない欲望をどんどん満たしてゆく・・・
謎解きといった趣はありませんが、地方都市を舞台にしているため、
その土地のドロドロした感じの空気もよく描かれていて、おもしろいですよ(´・ω・`)
つぎは「女」または「な」 「女王国の城」有栖川有栖
その城は一度入ったら出られない。
但し物理的にではなく心理的に。
「学生アリスシリーズ」の長編4作目。
ミステリにおいて、一見無関係と思われた事柄が実は真相に大きく繋がっていた・・というのは常套手段というか当然のことだけど、この作品ではその"繋がり方"が余りにも迂遠で突拍子もない。
一回読み通しただけでは納得できない人も多いかと思われます?
次は「城」か「ろ」「ロ」で。 「ロートレック荘事件」
筒井康隆
もはや古典的作品になってしまったが、初めて読んだときには驚愕したものだ
今読むと、古臭く感じるのだろうか
次は……
「事件」で終わる作品は多いので
次は「う」か「荘」でお願いします 「海の底」若竹七海
連作短編集「プレゼント」より。
女探偵葉村晶の初登場作。
当時はまだフリーターですがこの頃も、引き受けた仕事はしっかりこなす一方で
納得がいかないことには食いついていきます。
次は「こ」「底」でお願いします。 「湖底のまつり」泡坂妻夫
泡坂作品の最高峰とも(一部で)言われる。ただ個人的には1章と2章との雰囲気の落差、大学生のどうにもな描写の仕方、最重要のネタが中途でほぼ割れてしまう構成などオイオイと思ってしまう部分もちらほらw
「しあわせの書」泡坂ならではか。
「り」「リ」あるいは「まつり」で。 ☆ 私たち日本人の、日本国憲法を改正しましょう。現在、
衆議員と参議院の両院で、改憲議員が3分の2を超えております。
『憲法改正国民投票法』、でググってみてください。国会の発議は
すでに可能です。平和は勝ち取るものです。お願い致します。☆☆ 「龍の寺の晒し首」小島正樹
花嫁衣装の首無し死体からはじまり、首の不可思議な移動と消失、龍が雄叫びをあげ血を流し空を舞うというド派手な展開は“やりすぎコージー”ならでは。
次は「び(または「ひ」)」あるいは「首」で。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています