>>387
確かにそうだけど、それにしても変だと思うがなあ…

京極夏彦「盤上の向日葵がおり上げた布は大変に美しく、また靭かで強い。素材の選び方も捌き方も巧い」
奥泉光「盤上の向日葵は将棋を材にとったミステリで、将棋界や指し手についてきちんと調べられてる点には好感を持った。登場する真剣師の姿にも精彩がある」

このふたりの戦況委員は、ただしミステリとしては成立していない趣旨の発言をしている。

しかしこれは、フーダニットではなく(犯人は最初に明かされる)ホワイダニット、ハウダニットを追求するミステリー。
そもそも、山風は「その年発表された最も面白い作品」に与えられる賞。
ミステリーの賞ではない。

しかも、盤上を推した五人の選考委員は「ヒストリア」の欠点を多く指摘している。
奥泉「リアリティを欠いた」「プロットのご都合主義」
京極「糸の太さもまちまちで折り方も荒々しい」
筒井「似たようなエピソードが同じような経緯を辿って繰り返されるので退屈する」
林「小説を読んでいる気がしない」「まるでゲームのよう」
夢枕「主人公の煉が危機におちいるとカルメンが救うという手法がパターン化されてしまったのは残念である」

おかしいと思うのは俺だけか…