その3
最後の黒幕を追い詰めるクライマックスシーン。前後関係なども含めて説明すると
ネタばれになるかもしれないので、それを避けて、肝心カナメのところだけ
(旧訳は p.372)
p.487「きみたちか!」彼はかすかな声で言った。「き・み・た・ち・だ・っ・た・ 
   の・か・! どうして私にわからなかったのだ」    (↑傍点のつもり)

  “You,” he said beneath his breath. “YOU! I might have known.”
                         (YOU 、原文はイタリック)
   私訳: 「おまえか」と、はじめはかすかな声だった。「やっぱり、
       お・ま・え・か・!」
この2つのyou は、田村訳は複数に取っているが、同一人物を指す単数でしょう。
誰を指しているのかは、直前に書いてある人物でしかありえません。数行後でも、
再言及されています。「I might have known」という表現については、以外と分かり
やすく説明している辞書がないようで、出来る限り沢山の英和・英英辞典に当たって
みることをオススメします。ここでは、コピペしやすいというのが主な理由で、
ジーニアス英和大の might から一部引用:
  ((略式))案の定(…だ), <中略1> 《◆通例いらだちを示す;that 節では
  would が多く用いられる》‖ I might have known this would happen. 
  <中略2> /I m might have guessed he'd refuse. 案の定彼に断られた/
  “It was Bill that broke the vase.”“I might have known!”
  「花びんを割ったのはビルだ」「やっぱりね」. 
  (追記、 <中略> に相当するところは、ジーニアス英和5版で、修正されて
  次のようになっている : <1> どうせ(…だと)わかって[思って]いたよ
  <2> こんなことが起こるとわかっていたよ )(追記2、オーレックス英和
  2版の補足説明では「よくない出来事に対して驚いていないことを示すあきれ
  の表現」とのこと)