雨の日の殺人?

和服の販売、レンタル、着付けを運営していた会社「あめのひ」は、長年、業績不振が続いていた。
これまで、なんとか銀行から融資を受け、凌いでいたものの、もし、来月の売上が今月を下回った際には融資を打ち切られると通告されていた。

倒産を免れたい社長は大胆な人員の配置転換に打って出た。
販売主力のレンタル部門から、一部の従業員を販売と着付け部門に異動させ、不振部門のテコ入れを図ると同時に全員に売上2割増の過酷なノルマを課したのだ。

従業員は全員青ざめた。不満を漏らす者もいたが誰も退職するようなこともなく、懸命に働いた。

その月末、なんと従業員全員がノルマを達成したという驚くべき報告がアナウンスされた。従業員は歓喜の声をあげ、祝杯をあげるものもいたが、社長の顔は青ざめていた。

その次の日、「あめのひ」は全店舗を閉鎖し、社長の所在も把握できなくなる事態になった。まもなく、とある河川敷で社長の遺体が発見された。

何故、社長は死んでしまったのか?